れんげ「うちももう六年生なんなー!」back

れんげ「うちももう六年生なんなー!」


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1:
れんげ「三年生、こまちゃんが高校に行っちゃったのん」
れんげ「四年生、ほたるんと二人きり」
れんげ「そして六年生」
れんげ「とうとう、学校からうち以外いなくなりました」
れんげ「ねーねーが遅刻しても、楽しくないのん」
れんげ「放課後が来てもつまらないのん」
れんげ「田舎って、つまらないのんなー」
れんげ「……ひゅー、ひゅー」
ガサガサ
れんげ「具、お前もずいぶん長生きなのん」
れんげ「……あと数年、うちが高校に行くまでは、頑張って」
11:
れんげ「ねーねーは今日も遅刻」
れんげ「具、一緒に本読むん」
れんげ「狸とは」
れんげ「狸とはムジナと呼ばれたりします、具はムジナでもあるんなー」
れんげ「狸がする狸寝入りとは気絶です、意外と臆病なんな、狸親父はふてぶてしいのに」
れんげ「狸とは寿命が10年ほどです」
れんげ「10年」
れんげ「もう5年、今が6年目」
れんげ「うちが高校に行くまであと3年くらい」
れんげ「……お前はうちとあった時はいくつだったん?」
れんげ「もう誰かが離れていくのは嫌、だからまだ駄目です、具はまだまだ長生きすること」
れんげ「家で一緒にご飯食べて、栄養付けようなー?」
18:
れんげ「……」
れんげ「ねーねー」
一穂「んー、なんだいれんちょん」
れんげ「二人だけなのに学校まで来る意味あるのん?」
一穂「そうだねー、もしかしたら無いかもしれないね」
れんげ「じゃあ家でお勉強するん?」
一穂「だーめ、ちゃんと学校でお勉強するんだよ」
れんげ「ん」
一穂「それじゃあ終わったら言ってねー……Zzz」
れんげ「……」
れんげ「二人きり、家と変わらないのん」
れんげ「でもねーねーが言うなら、仕方ないのんなー」
25:
れんげ「おばさん、本日もおひがらも良く」
雪子「いらっしゃいれんげちゃん、あの子達の部屋なら好きに入っても良いからね」
れんげ「うん、お邪魔します、なのん」
れんげ「……なっつんの部屋」
れんげ「昔は散らかってて、でも楽しい物が沢山あったのんな」
れんげ「今は片付いてて、うっすらと埃が被ってる」
れんげ「……」
れんげ「今でもなっつんの匂い」
れんげ「なっつんの膝に乗って漫画読んでた時の、あの頃のまま」
れんげ「……流石に今じゃ膝には乗れないかな?」
れんげ「さて、次はこまちゃんの部屋に行くん!」
28:
れんげ「しかしこれはまあ、なんと」
れんげ「無理して大人ぶってる割に、可愛らしいものが多いのん」
れんげ「聞くところによると、こまちゃんはうちより結構背が低いのん」
れんげ「雪子さん調べなのん」
れんげ「こまちゃんの部屋は、ちょっぴり匂いが薄いのん」
れんげ「……1年が、すごい差を実感させてくる」
れんげ「やっぱりなっつんの部屋のが落ちつくのんな!」
29:
雪子「れんげちゃん、西瓜切ったから食べなさい」
れんげ「あ、おばさんありがとう」
れんげ「なのん!」
雪子「やっぱり夏海がお姉さんしてたから、夏海の部屋の方が居心地良いのかしらね」
れんげ「……そんな感じ、なのん」
雪子「なんなら泊まってっても良いからね」
れんげ「もう少ししたら帰るのん」
雪子「そう、それじゃあお皿はこのまま置いていって良いから、好きにしててね」
れんげ「はい」
30:
れんげ「今日も風が冷たい」
れんげ「去年はほたるんと雪でこまだるま作った」
れんげ「こまだるま以外にもまともな雪だるまも、カマクラも作った」
れんげ「今年は一人、雪遊びは卒業かな……」
れんげ「……」
れんげ「はっ! 気を抜いたら駄目なん!」
れんげ「今年もカマクラ作るん! 具と一緒にカマクラでダラダラするのんな!」
れんげ「だから今年も遊び倒すのん!」
36:
れんげ「そして時間は流れるん」
れんげ「うちは今、中学3年生」
れんげ「最近のお姉ちゃんはなんだかバタバタしてる」
れんげ「うちが高校に行くための準備をしているらしい」
れんげ「みんながいなくなってから、四回目の冬」
れんげ「うちは、ひかげお姉ちゃんがいた高校を受けるために勉強してる」
れんげ「東京、ほたるんがいたところ」
れんげ「東京、ほのかちんがいるところ」
れんげ「なんだか夢が広がって来る、広がって来るのん!」
41:
れんげ「ひゅー、ひゅー」
れんげ「具、きっとこれから会える日はかなり減るんだよね」
れんげ「寂しいね、ずっと一緒にいたかったんだけどな」
れんげ「でも、よく頑張ってくれたね、具」
れんげ「ずっとうちを支えててくれて、ありがとう」
れんげ「今日はお礼に、具が好きだったご馳走を用意したんだよ」
れんげ「食べてくれるかな?」
れんげ「……」
れんげ「それじゃあ、そろそろ帰るね」
れんげ「本音を言うと、あと数ヶ月、4月までは頑張って欲しかったな」
れんげ「でも、ありがとう」
れんげ「うちの大好きな具、本当にありがとう、また、必ず来るのんな!」
48:
れんげ「春休み」
れんげ「もう中学生もおしまい、高校生になる」
れんげ「高校にいくための引っ越しの準備もしてる」
れんげ「でも、最後にすることがあるからうちは学校にいます」
れんげ「お世話になった校舎の大掃除」
れんげ「毎年うちと一穂お姉ちゃんの二人きりで大変でした」
れんげ「でも今年は、うち一人での大掃除です」
れんげ「一穂お姉ちゃんは部屋探しとか色々でしばらく東京に、ずるい」
れんげ「うちには出来ないことだから仕方ないけど、一人で校舎の大掃除は大変だな」
れんげ「……頑張るのん!」
54:
れんげ「……」
れんげ「……あいつの二代目に一杯食わされてしまいました」
れんげ「でもトウキビ蒔いたから、きっと一穂お姉ちゃんがそのうち釣れ……」
れんげ「……ない!」
れんげ「そういえば、東京にいるんでした」
れんげ「……」
れんげ「……」
れんげ「こういうとき、隠されし脱出手段があるのが密室のお決まりなのん」
57:
れんげ「すぅ……すぅ……」
ユサユサ
れんげ「んん……」
?「れんちょん、ねえれんちょん起きなよ」
れんげ「あれ、この声……」
夏海「はぁ、やっと起きたね」
れんげ「なっつん? なっつん!」
ガバッ
夏海「ちょっ、わあぁっ!」
ドサッ!
60:
夏海「いやぁー、トウキビ拾ってたられんちょんが兎小屋で寝てるんだもん! ビックリしたってもんじゃないよ!」
れんげ「……」
夏海「ん? なに? そんな変な顔してさ」
れんげ(一穂お姉ちゃんだけじゃなく、なっつんも釣れました)
夏海「まあ良いや、それよりれんちょん、おっきくなったねー!」
れんげ「なっつんはすごくおっきくなってるのん」
夏海「そう? 最後に会った時とそこまで変わらなくない?」
れんげ「いや、変わってるのん、豊作なのん」
63:
れんげ「ところでなっつん、どうしてこっちに?」
夏海「母ちゃんから電話あってさー、なんと、れんちょんの手伝いに来たんだよ!」
れんげ「なっつんが、大掃除の手伝いに?」
夏海「そーそー」
れんげ「わかったのん、うちは夢を見ているのん、目を覚ますとうちは小学一年生、ほのかちんと思いっきり遊ぶのんな」
夏海「うちが手伝うってことは夢レベルに有り得ないの!?」
れんげ「もしくはなっつんは本当はなっつんじゃなく、こまちゃんが成長した姿なのん」
夏海「うちはうちだから! 少しくらい信用してぇー!」
69:
夏海「ってな感じで、姉ちゃんとほたるんは同じ大学でさ、今は三人で住んでるんだよね」
れんげ「三人で?」
夏海「そうそう、家事はほたるんがしてくれて、色んな手続きとかは姉ちゃんがしてくれてるんだよねー」
れんげ「……なっつんはなにしてるん?」
夏海「う、うちはほら! バイト! バイトしてるし!」
れんげ「バイト? なっつんアルバイトしてるん?」
夏海「すっげーしてるよー、最初にやってたパチンコ屋とか、玉運ぶだけで目茶苦茶重宝されたし!」
れんげ「……最初にやってた?」
夏海「ほ、ほらパチンコ屋ってタバコ臭くて空気悪かったからさ! あ、れんちょんそこまだ汚れてる!」
れんげ「このくらいならそこまで気にしなくても」夏海「甘い! 甘いよれんちょん!」
78:
夏海「ざっとこんなもんよ!」
れんげ「なっつん、色んなアルバイトしてたんなー」
夏海「ふふん、バイトクイーンの夏海ちゃんとはうちのことさ!」
れんげ「……でも数年で何十個のバイトするって、辞めまくりなのん」
夏海「だって覚えることなくなって飽きて来たらやる気出ないしー、夏海ちゃん悪くないもーん」
れんげ「……」
夏海「そ、それに最近は雑誌の表紙にのったりもしたし? ほらー!」
れんげ「わぁー、なっつん、モデルさんもしてたんなー!」
夏海(ほたるんがこれより有名な雑誌に乗ったことは、言わないでおこう)
86:
れんげ「昨日で大掃除が終わったのん」
れんげ「あの後、一人は寂しいだろうからと、なっつんの家に泊まることになったのん」
れんげ「久々のなっつん、話は弾んで、朝まで話をしてたのんな」
れんげ「うち、今まで地元から出るのは寂しいと思ってた」
れんげ「でも、都会の方にはみんながいる、寂しくないのん」
れんげ「だから、具も安心してね」
れんげ「これからの日々はいつもとは違う、そんな日々」
れんげ「だけどみんながいるなら、きっと楽しい日常が待ってる」
れんげ「うちももう高校生になるんなー!」
れんげ「すごく、すごく楽しみなのん!」
おしまい
90:

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