憧「ヤマノムスメ」back

憧「ヤマノムスメ」


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1:
とある吉野の山中。
ざっざっ…
憧「……ねぇしず…未だ着かないの……」はぁはぁ…
穏乃「もう…何言ってるの憧?まだまだだよ」
憧「あーもう…疲れたよ。ちょっと休憩しよ?しず」
穏乃「うーん。そんなに高い山じゃないんだけどな……」
憧「私は…アンタと違って田舎育ちだけど山育ちじゃないんだからさ」
穏乃「山育ちって……」
憧「若しくは…そう――――」
憧「ヤマノムスメ」
憧「――――って感じかしらね……」
5:
穏乃「何だよ?ヤマノムスメって……」
憧「アンタみたいに山に登って遊ぶのが好きな、お猿さんみたいなみたいな娘の事よ」
穏乃「誰がお猿さんだよ!?誰が?」むっ
憧「アンタの事よ。しず――――」
憧<――――そう…しずは私にとって世界一かわいいお猿さん……>
穏乃「……まったく憧は歯に衣を着せないんだから……」むぅ
憧「全くはこっちのセリフよ?……ほんとにどうしてこんな事に……」
穏乃「あのねぇ…こんな事にって、言うんだったら。その原因を作ったのは、憧自身なんだからね?」
憧「――――うっ…それは……」
憧<そう…どうしてこんな事になってしまったかと言うと―――――>
もわんもわんもわん。
6:
一昨日。
穏乃さんの部屋。
穏乃「今日はどうしたの憧?急に逢いたいだなんて」
憧「うん……その事なんだけど……」もじもじ
憧「……あのね…しず……私…しずに借りたジャージ返すね……/////」すすっ
穏乃「……………ねえ憧……」
憧「なぁに…しず?//////」そわそわ
穏乃「…………私…憧にジャージ貸した記憶なんて無いよ?」
憧「え?」
穏乃「……憧がウチにきた後に、ジャージが無くなってた事なら有るんだけど」じとー
憧「うっ!?」ぎくっ
7:
憧<私が…ついうっかり拝借したジャージを都合よく借りていたと言う設定にした――――>
憧<その名も『ジャージ借り返し御返し倍返し作戦』(?)が裏目に出たーーーー!!!!>がびーん
穏乃「?」
憧<しずも流石にそこまで能天気なお猿さんでは無かった……と言うか、私が間抜けだっただけか……>がくっ
9:
……。
穏乃「…………で、どうして憧は私のジャージを盗ったりしたの?」
憧「そ…それは……その…………」もごもご
穏乃「言えない事なの?」
憧「――――そっそんな事無いわよ!!」
憧<ほ…ホントはそんな事あるんだけど……//////>かぁぁ
憧<あの時……前にしずの家に遊びに行った時――――>
憧<帰る時にうっかり、しずが無造作に脱ぎ捨てたジャージを見付けて――――>
憧<インターハイの時に着た感触と匂い……あの時の半ば倒錯した感覚を思い出してつい――――>
憧<魔が差してお持ち帰りしてしまったなんて……言えやしない言えやしないよ……>
穏乃「……まったくナンに使ったのか知らないけど……」
穏乃「普段ジャージばっかり着てないで、もうちょっとオシャレしなさいよ。なんて言いてくるクセにさ……」
10:
憧「ちょっ…ちょっと着てみたくなっただけよ!そっそれだけなんだからっね?」
憧<よしっこのいい訳なら、怪しまれないでナンとか乗り切れる!!>ぐっ
穏乃「それだったら…インターハイの時に、私の制服と取り換えっこして、着てたじゃないか?」
憧「うっ……」
穏乃「それに…着るだけだったら、わざわざ盗む必要なんて無いし……」
憧「そ…それは……」
穏乃「ホントのトコはどうなのさ?」
憧「う…うう……」たじ…
憧<これだけは死んでも言えるわけないよーーーー>
穏乃「……まぁどういう心変わりか知らないけど、こうして返してくれたし……」
穏乃「ちゃんと洗濯…しかもクリーニングじゃなくて……」
穏乃「わざわざ手洗いにして、アイロンまで掛けてくれたのは、私もちょっと嬉しかったけどさ」
11:
憧「そっそうよ。私は誠実な女なんだからっ」ふんす
憧<ほ…ホントは…はむはむしたり、くんかくんかしたり、擦り付けたりして――――>
憧<その結果、色んな汁と匂いのこびり付いた、カピカピのジャージなんか……>
憧<……流石にとてもクリーニングなんかに、出せる訳が無かっただけだけど…………>
憧<でも…却ってその方がしずには、好印象みたいで良かった……>ほっ
12:
穏乃「……………」じー
憧「はっ!!」びくっ
憧<この目…まさかサトラレた!?>どきどき
穏乃「もういいよ……憧にもいろんな事情があるんだろうし……」はぁ
憧「…………」ほっ
穏乃「でも――――憧が私のジャージを盗った事実は変わらないよ?」
憧「……うう…わ…分かったわよ。な…何でもするからそれで許してくれる?」
穏乃「憧……今、何でもするって言ったよね?」ずいっ
憧「う……い…言ったわよ……」たじ…
穏乃「それなら――――――――」
もわんもわんもわん。
15:
穏乃「――――そう言って、私の言う事を聞いてくれるって言ったのは、憧なんだからね?」
憧「それは…そうだけど……でもどうしてよりによって、山登り(こんなこと)なのよ?」
憧<て…てっきり……あんな貌するもんだから……>
憧<しずが…私にあんなコトさせたり、こんなコトしたりするなんて…期待してたんだけど……>
穏乃「…………憧がナニを考えているのか分からないけど……」
穏乃「憧は私の勉強を見てくれたり、一緒にゲームしてはくれるんだけど……」
穏乃「山登りだけは嫌がって、一緒に登ってくれなかったから…だからいい機会だと思ってさ」
16:
憧「だから…こうして仕方なく――――――」
穏乃「それに…憧のピンク色のジャージ姿もとっても似合っててカワイイよ」にこ
憧「!!////////」どきーん
憧<し…しずが私のジャージ姿がカワイイって……今までどんなにオシャレしても言ってくれなかったのに……>どきどき
17:
憧「ふんっ。わっ…私は何を着ても、カワイイんだからねっ///////」ふいっ
穏乃「ははは…その様子だと、まだ元気があるみたいだね?憧」
憧「――――はぁ分かったわよ。こうなったらさっさと登って、さっさと下山してやるんだから!!」
穏乃「うん。その意気だよ憧。でも張り切り過ぎには注意しないとね」にこっ
憧「!!」どきっ
憧「う…うん……//////」こく…
穏乃「ふふふ…」にこにこ
憧<ふぇ?ん。こういう時のしずの笑顔は、私には眩し過ぎるよ?//////>どきどき
19:
ざっざっ
穏乃「憧…大丈夫?ちょっと休憩しようか?」
憧「だ…大丈夫よそれにもう山頂(てっぺん)まで近いんでしょ?」はぁはぁ
穏乃「うん…そうだけど。無理していく必要はないし……」
憧「無理なんかしてないわよ!ほら、しずさっさと行くw――――」
ずる―――
憧「わわっ――――」
穏乃「だっ大丈夫!?憧!!」
憧「だっ大丈夫に決まって……つっ……」
穏乃「憧……もしかして膝を打ったの?」
憧「だから大丈夫だって――――」
穏乃「ちょっと見せて!!」ばっ
ずりっ
憧「あっ!?//////」
20:
穏乃「ほらやっぱり、擦り剥いてる…それにちょっと膝を打ってるみたいだね……」
憧「だっ大丈夫よ!こんなもん嘗めれば――――!?」
穏乃「――――んっ……」すっ…
じゅじゅっじゅる…
ぺっ
ぺろ…
憧<えっ!?しずが私の傷口を嘗めて……////////>
穏乃「ん……」
ぺろぺろ…
憧<しずの濡れた舌の感触が…痛気持ちいい――――///////>んんっ…
ぺろ…
憧「あ…しず……///////」はぁはぁ
22:
穏乃「―――――!!」はっ!
ばっ
穏乃「あっ憧…ごめん……ついいつもの癖で、自分にするみたいにしちゃって……」
憧「しず……」
穏乃「ごめんね…憧……今日はちゃんと救急箱を持って来てるから……」
憧「いいよしず…ありがとね……これで充分だよ」にこ
穏乃「憧……」
憧<むしろ…この方が嬉しいっていうか……コーフンするっていうか……///////>どきどき
穏乃「ありがとう憧。でも、ちゃんと消毒しないとね」ささっ
ぬりぬり
24:
憧「?????――――ッ」びりびり
穏乃「ちょっと沁みるけど我慢してね」
憧「う…うん……」
穏乃「――――よし、後は湿布を貼って……うん。終わったよ憧」
憧「あ…ありがと……/////……でも…御免ねしず。足引っ張っちゃって……」
穏乃「……私こそ…ごめんね憧。私、憧と一緒に登る事が嬉しくて、つい張り切っちゃって、憧の事…全然考えて無かった……」しゅん
穏乃「憧は何年も山登りしてなかったと言うのにね……ホントごめん」ぺこり
憧「しず……」
穏乃「……もう降りようか?憧の怪我も心配だし。これ以上無理はs――――」
憧「何言ってるのしず?未だこれからじゃないの!!」
25:
穏乃「でも……」
憧「私なら大丈夫。それにしずが治療してくれたしね」にこ
穏乃「憧……ほんとにいいの?」
憧「いいに決まってるじゃない!!さぁしず。もう行くわよ!!」びしっ
穏乃「ほんとに大丈夫なの?」
憧「だから大丈夫だって。今度は強がりじゃないし。もし痛くなったら我慢せずに言うから……」
穏乃「それなら…いいけど……」
憧「もうっしずは案外と心配性ね。でもそう言う、しずの優しい処…私は好きだよ」にこ
27:
穏乃「あ…憧……///////茶化さないでよ……」かぁぁ
憧<茶化してなんて…ないよ……>じ…
穏乃「?」
憧「それに、ここまで来てすごすご帰るのは、私のプライドが許さない!!」
憧<それに…一緒に頂上まで登って、しずの喜ぶ顔が見たいし……//////>
穏乃「憧…うん。わかった。よしっ!こうなったら何が何でも登るからね!憧も覚悟してよ」
28:
憧「あったり前よ!女に二言は無いわ!!」
穏乃「うん。それにもし憧が動けなくなったとしても……その時には私が憧をおぶってでも連れてくから―――」
穏乃「だから。大丈夫だからね憧――――」キリッ
憧「しず…ありがと……」あったか?い
穏乃「さあっ後少し!頑張って登ろう憧」
憧「うん―――――」
29:
ざっざっ
ざっざっ
憧<……とは言ってみたものの…流石にちょっと疲れたわね……>はぁはぁ
ざっ…ざっ…
憧<体力に自信が無いわけじゃないんだけど……>はぁはぁ
ざっ…
憧<運動なんてここ最近全然してないし……それがいきなり山の登りなんて、やっぱ無茶だっt―――――!!!>
ずるっ――――
憧「あっ――――!?」がくんっ
穏乃「!!」ばっ
がしっ
31:
穏乃「憧…大丈夫?」
憧「…………しず……ありがと…うん大丈夫…ちょっと足を滑らせただけだから」
穏乃「今引き上げ……!!」
憧「?」
穏乃「――――憧…今、アレを突発的にやりたくなっちゃたんだけど……」
憧「?……!!」はっ
憧「……はいはい分かったわよ」はぁ
穏乃「いくよー憧!!」
穏乃「ファイトー!!」
憧「イッパーツ!!」
穏乃「ぷっ」
穏乃「あはははははは」
憧「あはは……」
憧<はぁまったく何やらせんのよ…もう……まぁ…しずが喜んでくれているならいいか……>ふふ
33:
憧「でも…ごめんねしず。あんな事言ったのに…私ちょっと足手纏いになってるね……>しゅん
穏乃「何言ってるの?憧。憧は憧が思っている以上に頑張ってくれているからね」
憧「……しず…ありがとう……」
穏乃「それに……憧は私が責任を以って必ず、頂上まで連れて行くから」
憧「しず……セキニン取ってくれるんだ?」
穏乃「?……うん任せてよっ!だから安心して一緒に登ろう!!」どん
憧「うん……」
憧<これから二人で登る、人生と言う名の長い永い山道(やまみち)もね……//////>きゃっ
36:
ざっ……
ざっ…
穏乃「憧」
穏乃「着いたよ」
憧「えっ!?」
穏乃「ほら…憧……ここが頂上だよ」にこ
憧「つ…着いたの……本当に……」
穏乃「うん」こく
憧「やった…着いたんだ……」ほっ
穏乃「うん。ほら憧。ここから見降ろしてみて」
憧「うん……」すっ…
40:
憧「!!――――――――」
穏乃「どう?憧」
憧「碧の山並みが……凄くキレイ……それに霧がかっているのが、ちょっと不思議な感じで……」
穏乃「ふふ…いい眺めでしょ」ふふん
憧「うん……私は…吉野(ここ)にずっと居たのに今まで気付かなかった……ううん気付こうともしなかった……」
43:
憧「……実際は子どもの頃に、何回も眺めている筈なのに……」
憧「あの頃は、この景色を当たり前のものだと思ってたんだ…………」
穏乃「へへ…憧にも…改めてこの眺めを見てほしかったんだ」
憧「それで私を山登りに……」
穏乃「ふふ」にこ
憧「穏乃……」
穏乃「そうだ…憧。疲れたでしょ?あそこで休憩しようか?」
憧「うん――――」こく
45:
穏乃「憧……寒くない?」
憧「う…ん汗もかいたし、ちょっと冷えてきたかな?」ぶる…
穏乃「だったら」すっ…
憧<えっ?しずが私の肩に手を回して……//////>どきっ
穏乃「こうすれば少しは…あったかいかな?」
憧「うん……あったか?い///////」どきどき
穏乃「ん?今の…宥さんみたいだね」
憧「あっ……宥姉が移っちゃったかな?//////」
穏乃「ぷっ…あはは」
憧「あはは」
48:
穏乃「今はこんな…碧の山海みたいな感じなんだけど……」
穏乃「春になったら桜が咲いて、天空の桃源郷って言った感じで、とっても綺麗なんだ」
憧「へーそうなんだ……じゃあまたその時になったら、一緒に登ってくれる?」
穏乃「うん。勿論だよ。私も憧と一緒に見たいんだ」にこ
憧「―――――//////」
憧「……あの…それって…………////」どきどき
穏乃「憧と……友達とこの景色を共有したいって、ずっと思ってたんだ……」
穏乃「今までずっと……一人で見てたから……」
50:
憧「……それだけ?」
穏乃「?……うん…そうだけど……やっぱり一人もいいけど、友達と一緒に登るのも楽しいし」
憧「そう……」
憧「友達と…してね……」ぼそ…
穏乃「ん?何か言った?」
憧「なっ何でもないわよ!!」ぷいっ
穏乃「?」はて?
憧<……まったく…このヤマノムスメは簡単に落ちそうで、全然落ちそうにないんだから……>はぁ…
穏乃「ん?どうしたの憧?」
憧「だから!何でもないわよ!!」
憧<……もしかして…実はしずは難易度最低じゃなくて、難易度MAXなんじゃないかって思えてきた……>はぁ……
穏乃「?」
53:
……。
穏乃「――――もうそろそろ降りようか?早く降りないと暗くなっちゃう」
憧「うん。そうね」
ざっざっ
憧「……ねぇ…しず……」
穏乃「どうしたの憧?」
憧「さっき…桜が咲く頃になったら、また登ろうって言ってたけど……」
穏乃「うん…やっぱりもう嫌になっちゃった……?」しゅん
憧「ううん。その逆。私もちょっと山登りが、好きになっちゃったみたい……」
56:
穏乃「!!」ぱぁ
憧<…………大前提として『しずと一緒に』が付くんだけどね……/////>きゃっ
穏乃「憧……」じーん
ざっざっ
憧「だから。降りたらまたすぐにでも登るわよ!」
穏乃「うん!!」
60:
翌日。
憧さんの部屋。
穏乃「……昨日の事が心配になって来てみれば案の定……」はぁ
憧「ちょっ!ちょっと腫れただけだから大丈夫よ!!」
穏乃「やっぱり昨日、無理し過ぎたんじゃ……」
憧「だから大丈夫だって。それに昨日はホントにそんなに痛く無かったし……」
穏乃「こんなに包帯ぐるぐる巻きにして…そう言えるのだから、大したものだとは思うけど……」
穏乃「……でもこれじゃ…次の山登りは当分出来ないね」
62:
憧「何言ってるの!?こんなのすぐに治るわよ!!それにしずも…また登りたいんでしょ?」
穏乃「そうだけど……私は憧の身体の方がずっとだ大事だよ」
憧「――――えっ!?//////」かぁぁ
憧<……でも、今のも私が思ったのとはニュアンスが違うんだよなぁ。この鈍感なお猿さんは……>はぁ
穏乃「?どうしたの憧?」
憧「何でもないわよ……それよりしず。私の怪我が治ったら行きたい山があるの」
穏乃「へぇどの山?」
憧「百合ヶ岳ってとこよ」
穏乃「百合ヶ岳かぁ……ここからそんなに遠くないし、ちょっと高い気もするけど、この時期なら良いと思うよ」
65:
憧「じゃぁ決まりね」
穏乃「うん!!」
憧<ふふ…しず……アンタには山の良さってのを教えて貰ったけど……>
憧<今度は私が百合ヶ岳で――――>
憧<百合の良さってものを教えてアゲル……>くすくす
おしまい。
66:

山の中で2人きりというおいしいシチュエーション
7

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