バルクホルン「雑魚め。故郷に帰れ」サーニャ「す、すみません……」back

バルクホルン「雑魚め。故郷に帰れ」サーニャ「す、すみません……」


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1:
バルクホルンの部屋
バルクホルン「50……51……52……」グッグッ
『あの』
バルクホルン「60……61……62……」グッグッ
『あ、あのー』
バルクホルン「70……開いている。入って来い」
サーニャ「失礼します。あ、トレーニング中だったんですか……すみません……」
バルクホルン「気にするな。丁度、腕立て伏せから懸垂に切り替えようと思っていたところだ。それで、何のようだ?」
サーニャ「実は相談したいことが……あって……」
バルクホルン「ハルトマンにではなく、私にか」
サーニャ「はい」
バルクホルン「……言ってみろ。できる限りの協力はしてやろう」
サーニャ「ありがとうございます。――バルクホルンさん、私を鍛えてくれませんか?」
島田フミカネ ART WORKS OF STRIKE WITCHES (イラスト・画集)
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2:
バルクホルン「鍛える?」
サーニャ「お願いします」
バルクホルン「……」
サーニャ「だ、だめですか?」
バルクホルン「この際だから言わせてもらうが」
サーニャ「はい。何でも言ってください」
バルクホルン「私からお前に教えるようなことは何一つない」
サーニャ「そ、そんなこと……」
バルクホルン「確かに年齢のこともあって未熟な面がないとはいえない。しかし、それを補って余りある才をお前は有している」
サーニャ「え……」
バルクホルン「何も心配することはない。以上だ」
サーニャ「ダメです。私、最近、芳佳ちゃんやリーネちゃんに追い抜かれているんです……」
バルクホルン「おい、サーニャ。それは自分を過小評価している。今の宮藤とリーネがロッテを組もうともサーニャに勝ることはできないだろう」
サーニャ「いえ。私は501で最も弱いウィッチであることを自覚していますから……」
5:
バルクホルン「どうしてそこまで……。何かあったのか?」
サーニャ「……はい」
バルクホルン「こっちにこい。立ったまま話すこともないだろう」
サーニャ「いいんですか?」
バルクホルン「構わない。何か飲むか?」
サーニャ「い、いえ、そこまでは……」
バルクホルン「そうか。とにかく座れ」
サーニャ「ありがとうございます」
バルクホルン「何があったのか話せるか? 無理に喋ることはないが」
サーニャ「……大丈夫です」
バルクホルン「もしやと思うが、ペリーヌに何かを言われたか?」
サーニャ「それは違います。ペリーヌさんは何も関係がありませんから」
バルクホルン「では、なんだ?」
サーニャ「実は……昨日のことなんですけど……」
6:
サーニャは最強ダゾ
8:
美緒「では、今日もいつものように基礎訓練を始めるぞ。宮藤、リーネ。用意はいいか?」
芳佳・リーネ「「はい!」」
美緒「まずは腕立て伏臥腕屈伸50回を3セット。始め!」
芳佳「1……2……」グッグッ
エイラ「お、今日もやってるなぁ」
サーニャ「うん」
美緒「ん? エイラとサーニャか。暇そうだな」
エイラ「え……? いや、い、いそがしいよなぁ、サーニャ?」
サーニャ「エイラ、ウソはダメよ? 夜まで何も予定はないわ」
エイラ「サーニャ!? ち、ちがうってー!! そんなこと言うと……!!」
美緒「はっはっはっは。そうか、暇か。ならば、宮藤たちと訓練でもしていけ」
サーニャ「了解」
エイラ「やっぱりぃ……。折角、サーニャと色々したかったのにぃ……」
美緒「サーニャ、エイラ。腕立て伏臥腕屈伸50回3セットだ。始めろ!!」
9:
エイラ「まぁいいか。さっさとやろーっと」グッグッ
美緒「胸をつけたら1からだ!! 分かっているな!!」
リーネ「は、はい!! わかってまぁす!」グッグッ
芳佳「15……16……」
エイラ「うりゃー!!!」グッグッグッグッ
美緒「おぉ。いいぞ、エイラ。流石だな」
エイラ「これでも宮藤やリーネより先輩だかんなー」
芳佳「エイラさんすごーい!!」
エイラ「これぐらいなんてことないってー」グッグッグッグッ
リーネ「それならサーニャちゃんは――」
サーニャ「ふーん……」プルプル
リーネ「だ、大丈夫?」
サーニャ「ふぅぅ……!!」プルプル
美緒「サーニャ。今、何回だ?」
サーニャ「さ、さん……かい……め……です……」プルプル
13:
芳佳「む、無理はしないほうが……」
エイラ「サーニャ。よくがんばったな。もう休もう」
サーニャ「で、でも……まだ……」プルプル
エイラ「ほら、腕を骨折するかもしれないだろ」
美緒「これで骨折するような柔なウィッチなど501にはいないはずだが」
サーニャ「……が、がんばり……ま……」ガクッ
芳佳「しっかりして!」
リーネ「サーニャちゃん……」
サーニャ「……」
エイラ「……えー。ウィッチは魔法力を行使して、普段では絶対にもてないようなものも持てるようになるだろ?」
芳佳「え? ええ、はい」
エイラ「だからな、筋トレなんて必要ないんだって。な?」
芳佳「そ、そうなんですか?」
美緒「その魔法力が尽きたとき、生死を分けるのは基礎能力だぞ?」
エイラ「そうなんだけどさぁ」
14:
もう501を見れるのはOVAしか残ってないんだぜ…
泣きそう…
15:
>>14
三期マジで501じゃないの?
16:
>>15
新シリーズって公式で言ってるから501ではないと思う
OVAはファンサービス
17:
サーニャ「……」
リーネ「サーニャちゃん、大丈夫?」
美緒「サーニャ。どうした?」
サーニャ「い、1からやります」
エイラ「サ、サーニャ……」
サーニャ「いーちっ……」グッ
美緒「サーニャは筋力が不足していたのか?」
エイラ「そ、そんなことはないと思うんだけどなぁ」
サーニャ「に、にぃーっ……」ググッ
芳佳「がんばって!! サーニャちゃん!! もう少し!! もう少しだよ!!」
リーネ「サーニャちゃん!! 自分に負けないで!!」
サーニャ「ふぅぅ……!!」プルプル
美緒「ここまでとは知らなかったな」
サーニャ「あぅ」ガクッ
芳佳「サーニャちゃん!?」
18:
美緒「スタミナに不安を抱えていたのは知っていたが、まさか筋力までとはな」
エイラ「サーニャ!? 大丈夫か!? 少佐!! サーニャは夜間哨戒明けで疲れてるんだ!! もうこれ以上、サーニャを虐めるなぁー!!」
美緒「私が悪いのか。よく分からんが……すまない、サーニャ」
サーニャ「はぁ……はぁ……」
エイラ「サーニャ、部屋に戻ろう」
サーニャ「で、でも……」
美緒「しっかり休めよ、二人とも。ほら、宮藤、リーネ。手が止まっているぞ。まだ終わっていないだろう!!」
芳佳「はい! えーと……坂本さん!! サーニャちゃんを応援してて何回したのか忘れちゃいました!!」
リーネ「右に同じです!!」
美緒「……1からやれ」
芳佳・リーネ「「りょうかい!!」」
美緒「全く。基礎トレーニングだからと手を抜くな!! 気合をいれろ、気合を!!」
芳佳「1……2……3……」グッグッ
リーネ「3、4、5、6、7……」グッグッグッ
サーニャ「……」
20:
サーニャ「――ということがあって」
バルクホルン「信じられないな。ここでやってみてくれないか?」
サーニャ「は、はい」
バルクホルン「オラーシャ陸軍ともあろう者が、そこまで凄惨なことに――」
サーニャ「いーちっ……にぃーっ……さぁぁ……ぁぁ……」プルプル
バルクホルン「……」
サーニャ「ふぅぅ……あぁ……」ガクッ
バルクホルン「真剣か?」
サーニャ「し、真剣です」
バルクホルン「……腹筋も見たい。上体起こしをしてくれ」
サーニャ「わかりました」
バルクホルン「始めろ」
サーニャ「いー……」ククッ
バルクホルン「……」
サーニャ「いーっ……いーっ……ふーん……!!」プルプル
21:
バルクホルン「サーニャ。ふざけているなら出て行ってくれ」
サーニャ「ふ、ふざけてません……」プルプル
バルクホルン「しかし、1回すらできないなんてことは考えられないぞ」
サーニャ「いーっ……いーっ……ふぅ……いーっ……ふーんっ……!!」プルプル
バルクホルン「……」
サーニャ「いーっ……ふぅ……」
バルクホルン「……」
サーニャ「はぁ……ふぅ………………」
バルクホルン「……サーニャ?」
サーニャ「すぅ……すぅ……」
バルクホルン「おい」
サーニャ「んぅ……」
バルクホルン「起きろ」
サーニャ「すぅ……ぅん……」
バルクホルン「ちっ……仕方ない……」
23:
食堂
エーリカ「それじゃあ、サーにゃんはトゥルーデの部屋で寝てるの?」
バルクホルン「サーニャには夜間哨戒があるからな。無理に起こすのは得策ではない」
ミーナ「それにしてもサーニャさんがそこまで虚弱というか……なんとかいうか……」
エーリカ「そういえばサーにゃんが基礎的なトレーニングしてるのあまりみたことないなぁー」
ミーナ「普段のメニューの中には組み込んであるのだけどね」
バルクホルン「たった一人のナイトウィッチであるから、ミーナと少佐が少し過保護にしていたのではないか?」
ミーナ「そ、そんなこと……ないとはいえないけれど……」
エーリカ「トゥルーデだって、サーにゃんのこと叱ったことないじゃーん」
バルクホルン「それとこれとは別問題だ」
エーリカ「サーにゃんはああいう性格だから、みんなが甘やかしちゃうんだよね」
ミーナ「確かにサーニャさんが訓練をしていなくても、見逃してたケースはあるわ。でも、それはサーニャさんの体調を考慮した上だったし」
バルクホルン「それが積み重なって、今のサーニャが出来上がった。私はそう思う」
エーリカ「別にいいじゃん。サーにゃんはあのままで。今までもちゃんと活躍してくれてるしさ」
24:
バルクホルン「サーニャの能力は申し分ない。が、それは魔法力があるからこそ言えるだけだ」
ミーナ「そうね。万が一の場合を考えとき、サーニャさんの基礎能力の低さは看過できないわ。生存率に関わってくることでもあるもの」
バルクホルン「ああ。少々酷だが、サーニャにはそれなりの訓練を受けてもらう必要があるだろう」
エーリカ「えー? 可哀相……」
バルクホルン「サーニャが死んでもいいのか?」
エーリカ「それは困るけどー」
バルクホルン「ミーナ。この一件は少佐に任せたいが、できるだろうか?」
ミーナ「問題ないと思うわ。きっと坂本少佐も気にしているはずだから」
バルクホルン「よかった。だったら、もう心配することはなにもないな」
エーリカ「あーあ、サーにゃんの地獄のような日々が始まったぁ」
バルクホルン「そこまでいうなら、お前も受けろ」
エーリカ「さーて、走ってこよーっ」テテテッ
バルクホルン「調子のいい奴め」
ミーナ「サーニャさんのために私たちもやるべきことはしないといけないわね」
バルクホルン「何かあれば言ってくれ。いくらでも協力する」
25:
格納庫
シャーリー「で、ここが回るんです。ルッキーニ、頼む」
ルッキーニ「あい!!」
美緒「どうなる……」
ルッキーニ「うにゃにゃー!!」ダダダダッ!!!
シャーリー「室内でも延々と走ることができるんです」
美緒「ほぅ。流石だな、シャーリー。こんなものを開発していたとは」
シャーリー「いえ、リベリオンで開発されたものですよ。このトレッドミルは」
ルッキーニ「にゃはー!! おもしろーい!!」ダダダダッ!!!
シャーリー「おいおい、調子にのるなよー」
ルッキーニ「うにゃにゃにゃー!!!」ダダダダダッ
美緒「これは使えるな」
シャーリー「それはよかった」
ミーナ「坂本少佐、ここにいたのね。探したのよ」
美緒「何だ?」
28:
ミーナ「――それじゃあ、この機械はサーニャさんのトレーニング用に?」
美緒「サーニャといえど、宮藤やリーネにあれ以上の失態を晒したくはないだろうからな。なんとか誰にも見られず訓練できる方法を探していた」
シャーリー「それを相談されたんで、私がトレッドミルなら丁度いいかなって」
ミーナ「ふふ……」
美緒「何がおかしい?」
ミーナ「いえ。私なんかよりもよく考えていると思って」
美緒「何を言っている?」
シャーリー「といってもこれはあくまでも基礎体力ぐらいしかつかないですけどね」
ミーナ「そうね。スタミナも勿論だけど、サーニャさんがまず鍛えないといけないのは筋力のほう……」
美緒「上半身だけを鍛えるとバランスがおかしくなる。どちらにせよ、これは必要不可欠な器具だ」
ルッキーニ「はぁ……ぜぇ……はひぃ……」
ミーナ「とりあえず、サーニャさんにはこれを渡しましょう」
シャーリー「そうですね。危険もあるし」
ルッキーニ「はひぃ……はぁ……ひぃ……あっ……!? あにゃー!!!」ズサァァァ!!!!
美緒「……転倒すると確かにかなり危険だな。サーニャに説明しておかなければ」
29:
廊下
エイラ「宮藤。サーニャ知らないか?」
芳佳「さぁ、見てませんけど」
エイラ「どこいったんだ。いつもなら自分の部屋で寝てる時間なんだけどな」
芳佳「そうなんですか? サーニャちゃんにも訓練の時間があったはずですけど」
エイラ「サーニャは訓練なんてしなくてもいいんだ」
芳佳「へぇー。いいなー」
エイラ「お前もサーニャを見習えよ」
芳佳「はい!! がんばります!!」
エイラ「よしよし。素直なやつは好感がもてるぞ。それじゃ、またあとでなー」
芳佳「はぁーい」
ペリーヌ「宮藤さん!!」
芳佳「どうしたんですか?」
ペリーヌ「ルッキーニさんが大怪我をおったらしいですわ!! 早くこちらへ!!」
芳佳「ル、ルッキーニちゃんが!? 分かりました!!」
30:
エイラ「おーい、サーニャー。……ん?」
シャーリー「なんでお前の部屋なんだよ」
バルクホルン「仕方ないだろう。今、サーニャがいるのは私の部屋だ」
シャーリー「とりあえずさ、この器具だけでもサーニャの部屋に置いておけばいいだろ?」
バルクホルン「いや。私の部屋にもっていき、そのまま説明したほうが早い」
シャーリー「……トレッドミルを使いたいのか?」
バルクホルン「ああ。そうだが? 文句でもあるのか?」
シャーリー「素直に貸してくれっていえないのかよ」
エイラ「大尉ー」
バルクホルン「どうした?」
エイラ「サーニャが大尉の部屋にいるのか?」
バルクホルン「困ったことにな」
エイラ「なんで大尉の部屋に?」
バルクホルン「サーニャはエイラに相談しなかったのか? 私はお前がアドバイスをしたから、私の下へ相談に来たと思っていたが」
エイラ「相談って?」
31:
バルクホルンの部屋
バルクホルン「サーニャ、起きろ」
サーニャ「うぅ……おはよーございますぅ……」
シャーリー「眠そうだな。もう少し寝かせといてもいいんじゃないか?」
バルクホルン「そういうわけにもいかない。この器具の使用法と危険性を私の体を使って説明しなければならないからな」
シャーリー「使いたいだけだろ」
サーニャ「あの、これは……?」
シャーリー「ふふーん、これはなぁ、トレッドミルっていって――」
バルクホルン(これで少しでもサーニャの手助けになればいいが)
サーニャ「いいんですか? こんなものをお借りしても」
シャーリー「ああ、勿論さ。バルクホルン、使用法の説明するんだろ?」
バルクホルン「無論だ。いいか、サーニャ。よく見ておけ」
サーニャ「は、はい」
バルクホルン「まず、こうやって走る!!! 延々と走る!!! するとサーニャは強くなる!!! わかったか!?」ダダダダダッ!!!!
サーニャ「す、すごいですね」
32:
大雑把なお姉ちゃん可愛い
33:
廊下
エイラ「はぁ……」
美緒「エイラ。何をしている?」
エイラ「そういう少佐はなにしてんだ?」
美緒「……サーニャのために少しな」
エイラ「やっぱりかぁ。大尉からきいた。サーニャが私には相談してくれなかったことだな」
美緒「エイラ……」
エイラ「深刻な悩みのはずなのに……。どうして私じゃなくて大尉に相談したんだ……」
美緒「サーニャがお前に相談しなかった理由は、お前自身にあるだろうな」
エイラ「え?」
美緒「自分の胸に手を当てて考えてみろ」
エイラ「知ってるなら教えてくれってー」
美緒「はっはっはっは」
エイラ「はっはっはじゃないてー」
36:
バルクホルン「はぁ……はぁ……あと……使用上の注意だが……!!」
サーニャ「はい」
バルクホルン「走っているうちに……はぁ……転倒するとだな……あぶない……んだ……はぁ……」
シャーリー「おい、もう走らなくてもいいだろ」
バルクホルン「これが如何に危険か……見てもらわねば……ならないだろう……!!」
サーニャ「予想はつきますけど、どうなるんですか?」
バルクホルン「見ていろ……はぁ……はぁ……こうなるっ!!! であぁ!!!」ズサァァァ!!!
サーニャ「バ、バルクホルンさん!!!」
シャーリー「おい!! 何もそこまで派手に転ばなくてもいいだろ!?」
バルクホルン「つっ……サーニャ……わかったか……? 舐めていると……死ぬぞ……?」
サーニャ「は、はい……気をつけます……」
シャーリー「おいおい。血が出てるぞ」
バルクホルン「心配するな。宮藤に看てもらう」
シャーリー「お前……」
サーニャ「あの、ありがとうございました。こんなに素敵なものを用意してもらって……」
37:
芳佳「これでいいかな?」
ルッキーニ「ありがとー!!」
ペリーヌ「もう! 大怪我なんていうから心配してみれば、ただの擦り傷ではありませんの!!」
芳佳「ペリーヌさん、擦り傷でも油断してると危ないんですよ?」
ペリーヌ「わかっていますけど」
ルッキーニ「ペリーヌも心配してくれてありがとっ」
ペリーヌ「ふ、ふん!! 別に心配なんてこれっぽっちもしていませんわ!!」
芳佳「今、心配してるって言ったじゃないですか」
ペリーヌ「言ってません」
芳佳「言ったよね?」
ルッキーニ「いったー」
バルクホルン「宮藤……治療を……頼みたい……」
芳佳「バルクホルンさん!? どうしたんですか!?」
バルクホルン「訓練器具を使用しているときに……怪我をな……」
ペリーヌ「どれほど危険な訓練器具ですの……?」
39:
シャーリー「使用法を間違えない限りは、こんな怪我はしないよ」
ルッキーニ「シャーリー!」
シャーリー「怪我はもういいのか?」
ルッキーニ「芳佳が治してくれたー」
シャーリー「おー。よかったな」
芳佳「その訓練器具、見せてもらっていいですか?」
バルクホルン「今すぐ無理だ。またあとで私の部屋に来い」
芳佳「そうなんですか? わかりました」
ペリーヌ「ルッキーニさんとバルクホルン大尉が怪我をした訓練器具なんて問題ありませんの?」
シャーリー「言っただろ。使用法を守れば安全さ。心配いらないよ」
ペリーヌ「……」
芳佳「バルクホルンさん、もう大丈夫ですよ」
バルクホルン「助かった」
芳佳「いえ。それより、もう無茶な訓練はしちゃダメですよ?」
バルクホルン「分かっている」
40:
お姉ちゃん可愛い
41:
バルクホルンの部屋
エイラ「サーニャ、いるのか?」コンコン
『はぁ……あっ……あぁん……』
エイラ「サーニャ!? どうした!?」
『エイ、ラ……も、ぅ……だめ……』
エイラ「サーニャ!!!」ガチャ!!!
サーニャ「はぁ……はぁ……あっ……はぁん……」
エイラ「サーニャー!! どうしたんだー!!!」
サーニャ「お、りれない……の……たす……け……」
エイラ「よ、よし!! 私が受け止めるから、飛ぶんだ!!」
サーニャ「エイ、ラ……」
エイラ「はやく!」
サーニャ「エイラー」バッ
エイラ「サーニャ!!」ギュッ
サーニャ「エイラ……はぁ……はぁ……あっ……エイラぁ……」ギュゥゥ
42:
エイラ「なぁ、サーニャ?」
サーニャ「はぁ……あっ……んっ……な、なぁに……?」
エイラ「どうして、私に一言相談してくれなかったんだ?」
サーニャ「はぁ……はぁ……ぅん……」
エイラ「私じゃ、頼りないからか?」
サーニャ「はぁ……はぁ……ちが……ぅ……」
エイラ「サーニャ?」
サーニャ「エイラ……は……やさしいから……はぁ……はぁ……んっ……」
エイラ「優しいから、なんだ?」
サーニャ「きっと……はぁ……あぁ……ん……」
エイラ「サーニャ……」ギュッ
リーネ「あっ」
エイラ「ん?」
リーネ「ご、ごめんなさい!!! わた、私、何も見てないですから!! ごめんなさーい!!!」
サーニャ「リーネ……ちゃん……はぁ……はぁ……」
44:
リーネ「はぁー……はぁー……。び、びっくりしたぁ……。どうして、バルクホルンさんの部屋なんかで……」
バルクホルン「リーネ、どうした?」
リーネ「バ、バルクホルンさん!?」
バルクホルン「何を焦っている?」
リーネ「あ、あの……バ、バルクホルンさんの部屋で……サーニャちゃんが……」
バルクホルン「見たのか?」
リーネ「た、たまたま通りかかっただけで!! あの!! 見ようとなんて思ってもなくて!!」
バルクホルン「リーネ」ガシッ
リーネ「は、はい!」
バルクホルン「……他言無用だ」
リーネ「バルクホルンさんは、知っていたんですか……?」
バルクホルン「ああ。サーニャから相談されたからな」
リーネ「そ、相談? そ、それって、もしかして……」
バルクホルン「何も聞くな、リーネ。サーニャの気持ちを察してやれ」
リーネ「は、はい!! ごめんなさい!!」
47:
バルクホルン「サーニャ。まだいたのか」
サーニャ「はい。休憩していました」
バルクホルン「リーネに見られてしまったようだな」
サーニャ「リーネちゃんにまた格好の悪いところを……」
バルクホルン「気にするな。リーネも察してくれていた」
エイラ「……」
バルクホルン「エイラもいたのか」
エイラ「大尉……」
バルクホルン「この訓練に反対か?」
エイラ「え……」
バルクホルン「エイラも薄々感づいているはずだが、サーニャが筋力面で衰えたのはお前の所為でも――」
エイラ「わ、わかってるって!! 私が悪いんだ……。サーニャにも訓練があること知ってるのに、よく見て見ないフリしてたからな」
バルクホルン「……」
エイラ「サーニャに言われた。相談したらエイラに反対されるから、できなかったって。反対しなくても、きっと甘やかしてくれる。それじゃダメだったからって」
バルクホルン「その通りだ。故にサーニャは、わざわざ私のところに来たのだろう。ハルトマンのところに行かなかったのも同じような理由のはずだ」
48:
サーニャ「ごめんね、エイラ。エイラのことを頼りにしていないわけじゃないから」
エイラ「うん」
サーニャ「エイラの優しさに甘えてたら、きっと強くなれないって……思って……」
エイラ「分かってる。サーニャが本気だってことは」
サーニャ「ありがとう、エイラ」
エイラ「大尉」
バルクホルン「なんだ?」
エイラ「サーニャのこと頼めるか?」
バルクホルン「少佐に任せてある。今頃、サーニャ用の特別メニューを考えてくれているはずだ」
サーニャ「え……?」
バルクホルン「どうした?」
サーニャ「あ、あの、バルクホルンさんが直接、ご指導してくれないんですか?」
バルクホルン「何を言っている? 少佐のほうがそういうことは優れている」
エイラ「大尉、サーニャが何のために大尉に相談したのかわかってないだろ? 大尉に鍛えて欲しいってサーニャ言わなかったか?」
バルクホルン「むっ……。それは、確かに言われたが……」
50:
サーニャ「お願いします」
バルクホルン「少佐ではダメなのか?」
サーニャ「坂本少佐は芳佳ちゃんとリーネちゃんの訓練で忙しそうにしていますから。それに、私はバルクホルンさんみたいに強いウィッチ、いえ、強い女性になりたいんです」
バルクホルン「そ、そうか……」
エイラ「サーニャがここまで言っているんだ。大尉、サーニャを鍛えてやってくれ。ほら、カールスラント式のトレーニングとかあるんだろ?」
バルクホルン「……サーニャ?」
サーニャ「はい」
バルクホルン「私に乞うのは素直に嬉しいし、ありがたく思う。だが、私がお前に課すであろうことは辛いぞ?」
サーニャ「覚悟しています。バルクホルンさんに相談しようって決めたときから、覚悟はしています」
バルクホルン「途中で投げ出せば、私はお前を軽蔑する。それでもいいか?」
サーニャ「是非、軽蔑してください。もし逃げ出すような弱い私なら、優しくされる資格なんてありませんから」
バルクホルン「いいんだな?」
サーニャ「勿論です」
バルクホルン「エイラ。暫くサーニャを預かる。文句があるのなら今のうちに言っておけ」
エイラ「……ない。サーニャを強くしてあげてほしい」
51:
ブリーフィングルーム
美緒「そうか。バルクホルンが直接訓練をな」
バルクホルン「すまない、少佐。私からも少佐に頼むようにとは言ったが、サーニャがどうしてもと……」
美緒「構わん。お前もやる気のようだからな」
バルクホルン「あそこまで言われては遣り甲斐も生まれる」
ミーナ「トゥルーデの方法で鍛えて欲しいといったのね」
バルクホルン「サーニャの希望だ。容赦はしない」
美緒「ふっ。バルクホルン、サーニャを殺すなよ」
バルクホルン「さぁな。それはサーニャ次第だ」
ミーナ「ちょっと、美緒。煽るようなことは言わないで」
美緒「バルクホルンの特訓方法は噂で聞いている。あのサーニャに耐えられるかどうか、見ものだな」
バルクホルン「しかし、乗り越えれば最高の軍人になる」
ミーナ「トゥルーデ、お手柔らかにね。サーニャさんには夜間哨戒の任務もあるのだから」
バルクホルン「関係ないな。サーニャには地獄を味わってもらう」
ミーナ「はぁ……。程々にしてね」
52:
翌日 食堂
リーネ「……」
ルッキーニ「リーネ、どったの? 元気ないっぽいけど」
リーネ「え? 私はいつも通りだよ!」
エイラ「うーん、今日もいい天気だなー」
リーネ「……」
芳佳「シャーリーさーん。バルクホルンさんが言ってた訓練器具って今はどこにあるんですか?」
シャーリー「ん? 多分、バルクホルンの部屋じゃないか?」
芳佳「そうですか。ありがとうございます。あとで見にいこーっと」
ルッキーニ「あたしもみたーい!!」
芳佳「それじゃ一緒にいこっか!」
ルッキーニ「あい!」
ペリーヌ「宮藤さん」
芳佳「なんですか?」
ペリーヌ「わたくしもお供させてもらいますわ。訓練器具の安全性については懐疑的ですから」
54:
シャーリー「なんだよ。私を信用できないのか?」
ペリーヌ「できませんわ」
シャーリー「は、はっきりいうな」
ペリーヌ「現にルッキーニさんとバルクホルン大尉が怪我をしています。それだけで疑う理由には十分ですわ」
シャーリー「ひでぇ。一応、私のほうが上官なんだけどなぁ」
ペリーヌ「間違っていることを正す。これの何がいけませんの?」
シャーリー「はいはい。好きにしてくれ」
エーリカ「エイラー」
エイラ「なんだぁ?」
エーリカ「サーにゃんのこと、結局どうなったのさ?」
リーネ「……」ピクッ
エイラ「どうって……。大尉がサーニャを預かるってことになった」
エーリカ「へぇー。そうなんだー」
リーネ「……!!」
リーネ(どうして……バルクホルンさんがサーニャちゃんを……? 昨日、サーニャちゃんとエイラさんが……あぁ、でも、もしかして、最後の思い出作りとかで……あんなことを……?)
55:
思春期特有の妄想いいゾ^?
56:
廊下
美緒「今日から始めるのか?」
バルクホルン「ああ。夜間哨戒任務に支障が出ない範囲で行いたいが、何時頃なら都合がいいだろうか」
美緒「そうだな……」
ミーナ「夜間哨戒のことを考慮するなら、なるべく早いほうがいいわね」
美緒「3時間ほど仮眠を取らせてから、訓練に2時間ほど使うか?」
バルクホルン「サーニャの出来次第で延長することも加味してもらえば助かる」
美緒「分かった。では、サーニャの特別訓練は3時間ほど使え」
バルクホルン「ありがたい」
ミーナ「そのあとはお風呂にでも入ってもらって、サーニャさんをゆっくり休ませてあげてね」
バルクホルン「心配するな。ナイトウィッチを潰すような真似はしない。もっとも、サーニャ本人が勝手に潰れてしまう可能性もあるがな」
ミーナ「変な冗談はやめて」
美緒「バルクホルン大尉、サーニャを頼む」
バルクホルン「任せてくれ。短期間で仕上げてみせる」
美緒「期待してる」
57:
バルクホルンの部屋
バルクホルン「……そろそろか」
『バルクホルンさん……』
バルクホルン「入れ」
サーニャ「お邪魔します……」
バルクホルン「訓練できるだけのスペースは作っておいた。これで基礎トレーニングはこの部屋でも可能だ」
サーニャ「ありがとうございます。私のために……」
バルクホルン「眠そうだな」
サーニャ「大丈夫です。エイラも応援してくましたから」
バルクホルン「そうか。あいつが素直に見送るとはな。歯を噛み締めていなかったか?」
サーニャ「それはわかりませんけど」
バルクホルン「よし。では、始めるとしようか」
サーニャ「はいっ」
バルクホルン「声が小さい!!! やる気がないのか!!!」
サーニャ「す、すみません!! バルクホルン大尉!!! よろしくお願いします!!!」
60:
バルクホルン「そうだ。腹から声を出せ。次、羽虫にも劣る声を出せば罰を与える。いいな?」
サーニャ「はいっ」
バルクホルン「声が小さい!!! 貴様は虫か!!! いや、虫以下だな!!! そんな声しか出せないようでは!!!」
サーニャ「す、すみません……」
バルクホルン「なんだと!? 全然、聞こえないぞ!!! 何が言いたいんだ!?」
サーニャ「も、もうしわけありません!!」
バルクホルン「まずは軽く走ってもらうぞ。トレッドミルに乗れ」
サーニャ「了解!!」
バルクホルン「いいか? 一定の度を10分間キープしろ。少しでもペースを乱したり、度を緩ませれば時間をリセットさせてもらう」
サーニャ「そ、それは……」
バルクホルン「なんだ、文句があるのか!? ふざけるな!!! 貴様が口にしていいのは、了解の言葉だけだ!!!」
サーニャ「りょ、了解!」
バルクホルン「走れ!!!」
サーニャ「りょうかいっ!!」タタタッ
バルクホルン「遅い!!! ナメクジか貴様はぁ!!!!」
61:
サーニャ「はぁ……はぁ……はぁ、あっ……んっ……」
バルクホルン「度が落ちたな。最初からだ」
サーニャ「う……ぐっ……んっ……」
バルクホルン「何を泣いている? そうか。嬉しいの。いいぞ、ならばそのままの度で走れ。時計の針は動かないがな」
サーニャ「くっ……はぁ……はぁ……!!」
バルクホルン「ほらみろ。まだ余力が残っている。体力があるうちにこのトレーニングは終えたほうがいいぞ?」
サーニャ「はぁ……はぁ……んっ……あっ……」
バルクホルン「後の特訓のためにも、体力は少しでも残しておくべきだと私は思うがな」
サーニャ「ごほっ……はぁ……はぁ……あん……」
バルクホルン「……」
バルクホルン(とにかくサーニャの限界を知っておかなくてはな。苦しいだろうが、耐えるんだ)
サーニャ「おぇ……はぁ……ぁ……」
バルクホルン「どうした? また最初からになったぞ? お前もマゾだな」
サーニャ「くっ……まだ……はしれ、ます……」
バルクホルン「ならば走れ!!! 死ぬまで走れ!!!」
62:
廊下
芳佳「あー。午前の訓練おわったー」
リーネ「疲れたね」
ルッキーニ「よっしかぁー!! 訓練終わったー!?」
芳佳「うん! ルッキーニちゃん、行く?」
ルッキーニ「もちっ!」
芳佳「リーネちゃんも一緒に行こうよ」
リーネ「え? バルクホルンさんの、ところ?」
芳佳「うん。訓練器具みせてもらうんだー」
ルッキーニ「あたしもまたあれやりたーい」
リーネ「まだお昼だし、きっと大丈夫だよね……」
芳佳「どういうこと?」
リーネ「ううん。なんでもないの」
ペリーヌ「宮藤さん、待っていましたわ。行きましょう」
芳佳「はーい」
63:
ルッキーニ「たいいはいるかなー?」
芳佳「訓練はしてなかったし、きっと部屋にいるはず」
ペリーヌ「例の訓練器具で自主トレーニングでもしているのでしょう。怪我をしていなければいいのですが」
芳佳「ああ、そっか。それも心配ですよね」
リーネ(サーニャちゃんはこの時間は夜間哨戒の疲れで寝てるはずだから……うん……)
ルッキーニ「にゃはー。大尉ーいりゅー?」
『はぁ……あんっ……くっ……あぁ……』
『誰が休んでいいといった? ほら、まだまだこれからだ』
『は、はい……』
リーネ「……!?」
ルッキーニ「サーニャがいるの?」
ペリーヌ「何をしているのでしょうか?」
芳佳「とにかくノックしてみないと」
ルッキーニ「そうだね。大尉ー」
リーネ「だ、だめっ。ルッキーニちゃん、だめっ。ノックなんてしちゃ、ダメっ」ギュッ
65:
ルッキーニ「なんで?」
リーネ「な、なんでもっ」
ペリーヌ「リーネさん?」
リーネ「あの、またあとで来ませんか。なんか、あの、た、立て込んでるみたいですし……」
芳佳「えー? でも、訓練器具見せてもらうだけだし」
ペリーヌ「行きましょう」
リーネ「だ、だめ!! やめて!!」
ペリーヌ「なっ……なんですの!?」
リーネ「だ、だって……」
『誰だ!!! 誰かいるのか!!!』
芳佳「あ、バルクホルンさーん。訓練器具を見せてほしいんですけどー」
『宮藤……!?』
リーネ「いえ!! あの、なんでもないです!! すぐに立ち去りますから!!!」
『リーネか。悪いがそうしてくれ』
リーネ「は、はい! ほ、ほら!! もういこっ!! ここにはいちゃいけないと思うの!!」
66:
サーニャ「はぁ……あっ……はぁ……んっ……」
バルクホルン「おい。何を寝ている?」グイッ
サーニャ「うぅ……ぁ……」
バルクホルン「限界か?」
サーニャ「は……ぃ……」
バルクホルン「雑魚め。故郷に帰れ」
サーニャ「す、すみません……」
バルクホルン(ここがサーニャの限界か。明日からはこれを超えないように調整していくか)
サーニャ「ごほっ……はぁ……はぁ……」
バルクホルン「仕方ない。今日はここまでとする」
サーニャ「すみま、せん……」
バルクホルン「立てるか?」
サーニャ「……だ、め……です……」
バルクホルン「だろうな。世話の焼けるウィッチだ。ほら、肩を貸してやる」
サーニャ「はぁ……はぁ……ぁ……す、みません……」
67:
リーネちゃんはエッチだなぁ?
68:
格納庫
エイラ「今頃、サーニャは大尉にしごかれてるんだろうな」
エーリカ「心配じゃないの?」
エイラ「心配だけど、サーニャの意思は固かったからな」
エーリカ「ふぅん。かっこいいじゃん」
エイラ「でも、本当は傍にいたいんだけどな」
エーリカ「なんだそれ」
エイラ「だ、だって、大尉がサーニャになにしてるのか考えただけで……こう、胸の奥がムズムズするっていうかぁ……」
エーリカ「トゥルーデは加減しないっていってたなぁ」
エイラ「我慢……我慢……。サーニャのためだかんな」
エーリカ「あはは」
リーネ「――エイラさん」
エイラ「リーネ?」
エーリカ「なになに? 顔色悪いけど」
リーネ「サーニャちゃんのことで……悩んでいませんか……?」
71:
エイラ「な、なんだよ。いきなり」
リーネ「どうなんですか?」
エイラ「悩んでいるといえば、悩んでるけどさ。リーネには関係ないだろ」
リーネ「あります!!」
エイラ「な、なに?」
リーネ「昨日、私は見てしまったんですから……」
エイラ「ああ。そうだったな」
エーリカ「何見たの?」
リーネ「汗だくのサーニャちゃんと抱き合っているエイラさんを……です……」
エーリカ「ふーん。それで?」
リーネ「今、バルクホルンさんの部屋に行ってきたんです。そしたらサーニャちゃんの声が聞こえてきて……」
エイラ「そうだろうな」
リーネ「エイラさん!! このままじゃサーニャちゃんが壊れちゃうかもしれませんよ!!!」
エイラ「えぇー? 大尉はそこまでしないってー」
リーネ「でも、なんだか疲れきってるサーニャちゃんに向かって、休むなとか、まだまだこれからだとか……色々強要してるみたいで……。きっと、あれは……大変なことに……」
73:
エーリカ「トゥルーデならやりそうだよねぇ」
リーネ「ほら!! ハルトマンさんもこういってますよ!?」
エイラ「……サーニャが望んだことだからな。私からは何も言えない」
リーネ「そ、そんな……サーニャちゃんから……?」
エイラ「そうだ。サーニャが大尉に頼んだんだ。だから、私は見守ることしかできないんだ」
リーネ「……」
エーリカ「大人になったね、エイラ」
エイラ「私は最初から大人だかんなー」
エーリカ「そうかな?」
リーネ「エイラさん!!!」
エイラ「な、なんだよぉ?」
リーネ「お二人の間に何があったのかは聞きません!! でも、こんなの違うと思います!!!」
エイラ「はぁ?」
リーネ「昨日、エイラさんがサーニャちゃんを抱いていたのは、サーニャちゃんのことが好きだからじゃないんですか!?」
エイラ「いや、まぁ、好きだけどさぁ……って、なにいわせんだーこらぁ! 恥ずかしいだろ!」
74:
リーネ「今のサーニャちゃん、苦しんでいるんですよ!? 放っておいていいんですか!?」
エイラ「そんなこと言われてもなぁ」
リーネ「エイラさん!! サーニャちゃんだって、きっとエイラさんのこと待ってるはずです!!」
エイラ「待ってるのか?」
リーネ「待ってます!!」
エイラ「……じゃ、迎えにいくかな」
エーリカ「そろそろ終わってるんじゃない? 流石にトゥルーデもそこまで鬼じゃないだろうし」
エイラ「3時間ぐらいだって言ってたしな」
リーネ「さ、3時間も……サーニャちゃんは……!?」
エイラ「大尉の部屋かな」
エーリカ「終わった後ならお風呂じゃない?」
エイラ「そうだな」
リーネ「そ、そうですね!! きっとお風呂にいます!!」
エイラ「リーネ、やけに興奮してんな。なんかいいことでもあったのか?」
リーネ「いいことなんてありません!! 行きましょう!! エイラさん!!!」
76:
廊下
ペリーヌ「リーネさん、明らかに様子がおかしかったですわね」
芳佳「うん。どうしたんだろう……」
ルッキーニ「すぐにエイラ探しに行っちゃったし」
シャーリー「お。なにしてんだ?」
芳佳「あ、シャーリーさん。それが訓練器具を見せてもらおうと思ったんですけど、バルクホルンさんがサーニャちゃんと何かしていたみたいで」
シャーリー「ああ……。もういいんじゃないか?」
ペリーヌ「シャーリー大尉はバルクホルン大尉が何をしていたのかご存知なのですか?」
シャーリー「んー……」
芳佳「教えてください!!」
シャーリー「そうだな。このまま黙ってても、宮藤が直接サーニャを問いただすようなことになるだけか」
芳佳「そんなことしませんけど」
シャーリー「わからないだろ? とりあえず好奇心を奪っておくか。サーニャはバルクホルンの部屋でトレーニングをしている」
ペリーヌ「どうして大尉の部屋で?」
シャーリー「少佐の配慮さ。サーニャ本人がどう思ってるのかは知らないけどね」
78:
芳佳「それって……」
シャーリー「宮藤も見たんだろ? サーニャが腕立てが全然できなかったところを。サーニャはそれを気にしてるみたいだ」
ペリーヌ「つまり、サーニャさんは大尉の部屋で隠れて訓練を……」
芳佳「リーネちゃん、そのこと知ってたんだ」
ルッキーニ「だから、遠ざけようとしたのかな」
芳佳「きっとそうだよ。リーネちゃんが口を濁したのも、きっとサーニャちゃんのためを思ったから……」
シャーリー「そうだろうな。ま、これ秘密だからさ。聞かなかったことにしてくれよ」
ペリーヌ「なら言わなければいいのに」
シャーリー「バルクホルンの部屋から漏れてたサーニャの声を聞いたんだろ? 宮藤やペリーヌが変に探りをいれるより、私が話したほうがいいだろ」
芳佳「サーニャちゃん、私たちに特訓しているところを見られるのが恥ずかしかったんですか?」
シャーリー「分からない。私はサーニャとそのことで話してはないし。飽くまでも少佐の考えさ」
ルッキーニ「大尉の特訓ってきびしそー」
ペリーヌ「ハルトマン中尉曰く、殆どの軍人が裸足で逃げ出すほどらしいですわ」
芳佳「そ、そんな特訓をサーニャちゃんは一人で……」
ペリーヌ「大尉のことを分かってはいても、とても辛いものでしょう」
82:
芳佳「……」
シャーリー「私も宮藤と同じ気持ちだよ」
芳佳「え!?」
シャーリー「少佐から話をきいたとき、まず考えたのがサーニャがどうして宮藤たちと基礎トレーニングを始めたのかってところだ」
ルッキーニ「どういうことー?」
シャーリー「自分に筋力がないなんて、サーニャ自身が一番わかってることだろ?」
ペリーヌ「そうですわ。何故、自ら参加したのか……。恥ずかしいと思っているなら、まずそんなことはしないはず」
シャーリー「これは私の想像だけどさ。サーニャは単に弱い自分を鍛えたいだけだったんじゃないかって思う」
芳佳「それは、できれば誰かと一緒にとかですか?」
シャーリー「一人でやるには限界もあるし、甘えもでてくるからな」
芳佳「サーニャちゃん……」
ルッキーニ「なーんだ、サーニャは誰かと一緒に運動したかったんだぁ」
ペリーヌ「では、今の状況はサーニャさんの望んだ通りということですわね。しばらくは静観しておきましょうか」
芳佳「それ違いますよ、ペリーヌさん!! サーニャちゃんは口にしないだけで、もっと大きなことも望んでるはずです!!!」
ペリーヌ「お、大きなこと?」
83:
ルッキーニ「……やだぁー!!!!」
芳佳「ど、どうしたの!?」
ルッキーニ「やだぁー!! 絶対にやだぁー!!! うえぇぇぇん!!!」
芳佳「ルッキーニちゃん!? 私、まだ何も言ってないけど!?」
ルッキーニ「だ、だって、芳佳、大尉の特訓をみんなでしようって言いそうだったもん」
芳佳「……」
ペリーヌ「図星ですわね」
シャーリー「あははは。宮藤が考えそうなことだなぁ」
芳佳「だ、ダメですか!? とっても素敵なことだと思うんですけど!?」
ペリーヌ「お一人でどーぞ。わたくしは遠慮しますわ」
ルッキーニ「あたしもぉー」
芳佳「みんなでやれば辛いことも分けられるじゃないですか!?」
ペリーヌ「大尉の特訓なんて想像しただけで震えが――」
バルクホルン「ほう? ペリーヌ、それは武者震いか?」
ペリーヌ「ひっ!?」
89:
芳佳「バルクホルンさん!?」
シャーリー「よぉ。初日の訓練は終わったのか?」
バルクホルン「今し方な。訓練生はこの通りだが」
サーニャ「はぁ……はぁ……ひぃ……」
ルッキーニ「サーニャ、顔真っ青……」
ペリーヌ「というか、真っ白ですわ」
シャーリー「悪いな。全部、喋った」
バルクホルン「リベリアンは口が軽くて困る」
シャーリー「聞いてたからでてきたんだろ」
バルクホルン「いや。サーニャが宮藤たちに言いたいことがあると言ったんだ」
芳佳「サーニャちゃんが?」
サーニャ「はぁ……はぁ……あの……」
芳佳「なに?」
サーニャ「はぁ……私……つよくなるから……つよくなって……トレーニングついていけるようになるから……。そのときはまた一緒に……しようね……」
芳佳「サーニャちゃん……」
90:
バルクホルン「だそうだ。少佐の配慮はあまり意味がなかったようだな」
シャーリー「少佐の配慮はきっと、自分がサーニャの立場だったらってところから来たんだろうな」
バルクホルン「では、今から風呂に行く」
ペリーヌ「入浴されるのですか? サーニャさんと一緒に?」
バルクホルン「サーニャがこの状態では浴槽で溺れることも考えられるからな」
ルッキーニ「サーニャ、大丈夫なの?」
サーニャ「う、ん……ちょっと……つかれたけど……」
バルクホルン「ほら、どいてくれ。急いでいるんだ。こうしている間にサーニャの睡眠時間が削られている」
シャーリー「はいはい。サーニャのことよろしくな」
バルクホルン「大事な預かりものだ。傷一つつけるか」
シャーリー「そうだな」
バルクホルン「ふん。いくぞ、サーニャ」
サーニャ「は、はぃ……」
バルクホルン「しっかり歩け。オラーシャ軍人としての誇りはないのか?」
サーニャ「す、みません……いまは……ちょっと……」
91:
今リーネちゃんの頭の中でトゥルーデはどんな変態鬼畜上官になってるんだろうな
93:
芳佳「……決めました。私、明日からバルクホルンさんの特訓受けます」
ペリーヌ「死にますわよ?」
芳佳「バルクホルンさんがそんなことするとは思えません」
シャーリー「宮藤の好きにすればいいんじゃないか。バルクホルンは喜ぶだろうけど」
ペリーヌ「坂本少佐との訓練はどうしますの!?」
芳佳「そちらもやります!」
ペリーヌ「まぁ! なんて不貞行為も甚だしいですわ!!」
シャーリー「それは違うだろ」
エイラ「おーい」
ルッキーニ「エイラだー。おーい」
リーネ「よ、芳佳ちゃん!!!」
芳佳「リーネちゃん、どうしたの?」
リーネ「バ、バル、バルクホルンさんは!?」
ペリーヌ「大尉でしたら、大浴場のほうに向かわれましたが。サーニャさんと一緒に」
リーネ「わ、分かりました!!! あぁ、きっと大浴場のほうでも……!! い、急がないと!!!」
95:
更衣室
バルクホルン「サーニャ、脱げ」
サーニャ「は、はぁ……い……」
バルクホルン(少しやりすぎたか。脱衣する体力もないとは……)
サーニャ「ちょっと……まってくださ……」
バルクホルン「遅い!! ほら、脱げ!!!」グイッ
サーニャ「あ、まって……ぬぎます……自分でぬぎますから……」
バルクホルン「もういい!!! 時間が惜しいんだ!!! 私がやる!!!」
サーニャ「あっ……あ……ダメ……です……」
バルクホルン「大人しくしろ!!!」
サーニャ「うぅ……」
バルクホルン「そうだ。それでいい。脱がすぞ?」
サーニャ「は、はい……」
バルクホルン「まずはズボンから」グイッ
リーネ「な、なにしてるんですかぁ!!!! バルクホルンさぁぁん!!!! やめてくださぁぁぁい!!!!!」
99:
バルクホルン「リーネ?」
サーニャ「リーネ……ちゃ……ん……?」
リーネ「サーニャちゃん!! こっち!!」グイッ
サーニャ「あぁ……」
リーネ「エイラさん、サーニャちゃんを守ってあげてください!!」
エイラ「あ、ああ。サーニャ、大丈夫か?」ギュッ
サーニャ「エイラ……心配してくれたの……?」ギュッ
エイラ「当たり前だろ? 辛かったか?」
サーニャ「うん……すこしだけ……」
エイラ「そうか。がんばったな、サーニャ」ナデナデ
バルクホルン「何かようか? 今からサーニャを風呂に入れるつもりなんだ。邪魔しないでくれ」
リーネ「バルクホルンさん……。この二人を見て、どうも思わないんですか!?」
バルクホルン「……仲がいいとは思うが」
リーネ「そうです!! サーニャちゃんとエイラさんは心で繋がっているんです!!! いくらバルクホルンさんがサーニャちゃんの体を弄っても、それは離せないんです!!」
エイラ「やめろよ、リーネ。照れるだろぉ」
100:
このリーネちゃんは少女漫画読みまくってる
102:
体を弄る(意味深)
103:
バルクホルン「何が言いたい?」
リーネ「サーニャちゃんのこと、諦めてください。こんなにも好き同士の二人を引き離そうなんて、やめてくださいっ」
バルクホルン「引き離すだと? 私は断りを入れた。サーニャは預かるとな。そうだな、エイラ?」
エイラ「ソウダナ」
リーネ「エイラさんは上官命令に従っただけです!! 本当はそんな命令ききたいなんて思ってないんです!!」
バルクホルン「エイラ、そうなのか?」
エイラ「……まぁ、本心をいうと、サーニャの傍から離れたくはなかったな」
バルクホルン「だが、エイラは納得したはずだ」
エイラ「そうだ」
リーネ「エイラさん!! 自分にウソをつくのはやめましょう!!! ここにいるじゃないですか!! サーニャちゃんは、エイラさんが抱きしめてるじゃないですか!!」
美緒「おい。何の騒ぎだ?」
ミーナ「何かあったの?」
バルクホルン「ミーナ、少佐。リーネを落ち着かせてくれないか?」
美緒「リーネ?」
リーネ「あ、あの!! バルクホルンさんがサーニャちゃんをエイラさんから奪って……それはきっと略奪愛で……でも私はそんなの違うと思うんです……!!」
108:
ミーナ「リーネさん、何をそんなに興奮しているの?」
リーネ「だ、だって……!! だって……!! バルクホルンさんは嫌がるサーニャちゃんを……むりやりに、あんなことやこんなことも強要して……!!」
美緒「錯乱しているな」
芳佳「リーネちゃん、どうしたの?」
リーネ「芳佳ちゃん……!?」
シャーリー「様子が変だから気になってさ。リーネ、なんかあったのか?」
リーネ「あ、あの……あの……」
ペリーヌ「リーネさん、深呼吸してゆっくり話してみてくださいな」
リーネ「は、はい……すーはー……」
バルクホルン「どうしたんだ、一体」
芳佳「あ! バルクホルンさん!!」
バルクホルン「どうした?」
芳佳「明日からサーニャちゃんと一緒にバルクホルンさんの部屋にいってもいいですか?」
バルクホルン「なに?」
リーネ「えぇぇ!? 芳佳ちゃん!!! ダメ!! ダメだよぉ!!!」
109:
芳佳「え? どうして?」
リーネ「だ、だって……!! バルクホルンさんは……!!」
バルクホルン「やめておけ、宮藤。辛いぞ」
芳佳「分かってます。でも、サーニャちゃんと一緒なら平気です」
リーネ「……!!」
サーニャ「よしか……ちゃん……。いいのよ、そんなことしなくても……」
芳佳「サーニャちゃん、明日からは二人でがんばろうよ!!」
サーニャ「でも、本当に厳しいの。大丈夫?」
芳佳「うん」
リーネ「あぁ……」フラッ
美緒「お、おい! しっかりしろ!」
シャーリー「リーネ、ホントにどうしたんだよ?」
バルクホルン「宮藤。生半可な決意ではついてこれないぞ?」
芳佳「中途半端な気持ちで頼んでません。私は本気です」
リーネ「よしかちゃん……」ウルウル
111:
エイラ「おい! 宮藤! なに勝手なこといってんだよぉ!」
芳佳「エイラも一緒にしませんか?」
エイラ「えぇ? えー……でもなぁ……」
バルクホルン「サーニャでも耐えた訓練だ。エイラが耐えられないということはないだろうがな」
エイラ「わ、わかった! 私もやるぅ!!」
サーニャ「エイラ、無理しないで」
エイラ「いいんだ。サーニャ。やっぱり、サーニャの傍にいたいんだ。一時でも長くな」
サーニャ「エイラ……嬉しいわ……」
バルクホルン「よし。3人まとめて相手をしてやろう」
リーネ「バルクホルンさん!! サイテーです!!!!」
バルクホルン「上官に対してなんだその態度は」
リーネ「サーニャちゃんを奪えないからってエイラさんまで……しかも……ついでのように芳佳ちゃんにまで手をだして……!!」
バルクホルン「宮藤はついでではないぞ」
リーネ「ひどい……どうして……こんなことが……できるんですかぁ……どうして……」
エイラ「宮藤のことがそんなに心配ならリーネも参加すればいいんじゃないか?」
113:
リーネ「え!?」
芳佳「エイラさん、そんなダメですよぉ。リーネちゃんを巻き込むなんてできませんよぉ」
エイラ「でもさぁ」
リーネ「わ、私も……一緒に……」
ミーナ「美緒の生徒が奪われてしまうわよ? いいの?」
美緒「バルクホルンも優れた教官だ。教えを乞いたいと思うのも無理はない」
シャーリー「おーい、リーネ」
ルッキーニ「だいじょうぶかー?」
リーネ「……バルクホルンさん」
バルクホルン「なんだ?」
リーネ「私も参加させてください」
芳佳「リーネちゃん!」
リーネ「芳佳ちゃん。これで私も一緒だよ」
芳佳「う、うん」
バルクホルン「4人か……。やることは変わらないから別にいいが。その代わり、逃げ出すことは絶対に許さないからな。それだけは肝に銘じておけ」
114:
芳佳「よろしくお願いします!!」
リーネ「おねがいします」
バルクホルン「それからエイラ。サーニャを風呂に入れてやれ。お前のほうが洗いなれているだろう?」
エイラ「わかった。サーニャ、いくぞ」
サーニャ「ええ」
美緒「リーネも落ち着いたようだし。そろそろ行くか」
ミーナ「そうね」
シャーリー「リーネ、なにかあったら相談しろよ」
ルッキーニ「そうだぞー」
リーネ「はいっ。でも、芳佳ちゃんと一緒ですから、平気です。私の心までは奪えません」
シャーリー「そ、そうか?」
バルクホルン「ミーナ、ハルトマンは起きてきたのか?」
ミーナ「さぁ、見てないわね」
バルクホルン「あいつは……。起こしてくるか」
サーニャ(みんなと一緒にトレーニングできる……うれしい……。ありがとう、エイラ、芳佳ちゃん、リーネちゃん……)
115:
アニメ化希望
116:
夜 廊下
リーネ「明日、私は……私は……うぅ……」
エーリカ「リーネ、早く寝ないとミーナに怒られるよ」
リーネ「ハルトマンさん……」
エーリカ「きいたよぉ? 今日、騒いでたみたいだね。リーネらしくないじゃん」
リーネ「はい。バルクホルンさんには失礼なことを言ってしまって……」
エーリカ「もう落ちついたの?」
リーネ「覚悟を決めたので」
エーリカ「なんの?」
リーネ「バルクホルンさんに……その……」
エーリカ「あー。気になってたんだけどさぁ。リーネがみた汗だくのサーニャって、単にトレーニングしててすごい疲れてただけみたいだよ?」
リーネ「……え?」
エーリカ「で、エイラはふらふらのサーニャを支えてただけだってさ。なんか、リーネが勘違いしてそうだったから、一応言っとこうと思って」
リーネ「……」
エーリカ「あとトゥルーデの部屋でサーニャがやってたことも勿論、ただのトレーニング。サーニャの息が上がってたのは、運動してたからだ。それじゃ、おやすみー」
117:
さすがハルトマン!
みんなが気づかない事を平然と言ってのける!
118:
ナイスフォロー ナイス天使
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DM1RISG/
121:
翌日 格納庫
シャーリー「いい天気だなー!」
美緒「そうだな」
シャーリー「あれ、少佐? 宮藤とリーネの訓練はやらないんですか?」
美緒「午前はバルクホルンの担当だ。時間が空いてしまって困っている」
シャーリー「おぉー。実は私も暇なんです。一緒に走りませんか?」
美緒「はっはっはっは! いいだろう! いくぞ、シャーリー!!」
シャーリー「よっしゃー!!!」
ミーナ「暇なら書類整理手伝ってほしいわ……もう……」
エーリカ「まーいーじゃん。少佐、楽しそうだし」
ミーナ「あのね……」
ペリーヌ「しょうさぁ!! わたくしもご一緒いたしますわぁぁ!!!」
美緒「はっはっはっは!! いいぞ!! こい!! ついでにそこで寝ているルッキーニもだ!!!」
ルッキーニ「えぇー!?」
美緒「はっはっはっは! 文句はきかんぞ!! はしれー!!!」
124:
バルクホルン「よし。全員揃ったな」
リーネ「……あ、あの……バルクホルンさん……」
バルクホルン「なんだ? 昨日に続いて口答えか? えぇ、リネット・ビショップ! 貴様は上官に対する礼儀を知らんようだな! その根性、今日一日で叩きなおしてやる!!」
リーネ「ご、ごめんなさぁぁい……」
バルクホルン「なにがごめんなさいだ!!! 貴様らのような蛆虫はただ黙って私に従っていればいいんだ!!! 了解といえ!!!!」
リーネ「りょ、りょうかい」
バルクホルン「声が小さい!!!! お前のようなゴミの声など、誰も拾わないぞ!!!! ああ、そうだな。ゴミだから誰も拾うはずがない!!! お前はゴミだ!! 屑だ!!!」
リーネ「うぅ……」
バルクホルン「悔しいなら!!! 声をはれ!!!! 私の耳に届くぐらいな!!!」
リーネ「りょ、りょうかぁぁい!!!!」
バルクホルン「初めから何故その声を出さないんだ!!! たるんでいるぞ!!! リーネぇ!!! お前から走れ!!!」
リーネ「りょうかぁい!!!」
エイラ「こ、こえぇ……ホントに大尉か……あれ……」
芳佳「サ、サーニャちゃん、昨日こんなの受けてたんだ……ひとりで……すごいよぉ……」
サーニャ「そんなことないわ。バルクホルンさん、優しいから」
127:
リーネ「はぁ……はぁ……」タタタッ
バルクホルン「おそい!!! 亀にも劣る鈍足だな!!! それで走っているとは笑わせる!!!」
リーネ「はぁ……ひぃ……ぐすっ……」
バルクホルン「もっとだ!!! もっとく走れ!!! 手を抜くなぁぁ!!!」
リーネ「りょうかぁい!!!」
バルクホルン「おそいぞ!!! その遅さではブリタニアがネウロイの襲われてもお前だけ間に合わない!!! それでもいいのか!?」
リーネ「そんなの……よ……よく、よくありませぇん!!!!」ダダダッ!!!
バルクホルン「そうだ!!! その度をキープしろ!!!!」
リーネ「りょうかぁぁい!!!」
バルクホルン「さて、後ろで縮こまっている雑魚3人。まずは腕立てからしてもらうか」
芳佳「りょうかい!!!」
エイラ「す、するから!! 大きな声ださないでくれー!!!」
サーニャ(エイラたちには申し訳ないけど、今がとても楽しい……)
バルクホルン「サーニャ!! 何がおかしいんだ!!! 雑魚の分際で余裕があるとは面白い!!! 今日はノルマは昨日の倍にしてやる!! 覚悟しろ!!!」
サーニャ「すみません!!!」
130:
バルクホルン「おい。誰が休んでいいといった?」グイッ
芳佳「ぐぇ……もう、たてましぇん……」
バルクホルン「お前は?」
エイラ「む、むり……だ……な……」
バルクホルン「ブリタニアの雌豚もか?」
リーネ「ぶっ……!?」
バルクホルン「まるでなっていないな。雑魚共め。やる気がないなら故郷に帰れ」
エイラ「マジでかえろうかな……これ……」
サーニャ「す、すみません……」
バルクホルン「……」
バルクホルン(少しやりすぎたか……。だから、私はあまりこういうことはしたくないんだ……。加減ができない……)
芳佳「あ、ありがとうございました……。また、明日もよろしくおねがいします……」
サーニャ「おねがいします……」
バルクホルン「……仕方ない。貴様らが音をあげるまで付き合ってやる。感謝しろ」
サーニャ「はぃ……」
    おしまい
136:
バルクホルン大尉と>>1に敬礼!
138:
サーニャはいい友達が多くて良かったね
あとリーネちゃんかわいい
132:
お姉ちゃんが優しい鬼のまま終わった!
乙!
13

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専門家「オススメしません。寝たきりになりたいならどうぞ」 炭水化物抜きダイエット、ヤバイらしい…

【悲報】 セクロスしてる時、女性はこういうことを考えてるらしいぞwwww

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