柏葉巴のチョコレート騒動back

柏葉巴のチョコレート騒動


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翠星石「♪ふふふふ?ん。いい感じにチョコが溶けてきたです。ほら、蒼星石も手伝うですよ」
蒼星石「ご機嫌だね翠星石」
翠星石「ふっふっふ?、そりゃあモチのポンですぅ」
蒼星石「ポンじゃなくてロン」
翠星石「そ、そうとも言うです。ま、とにかく! 乙女として
  バレンタインは純真にチョコ作りに勤しむのが正しい姿ですよ」
蒼星石「そりゃご立派。急にどういう心境の変化だい? これまでバレンタインの度に
  やれ『乙女力』だとか『アンチバレンタイン』だとか暴れまわっていたのに(※)」
※バレンタインは桜田ジュンの味方
※バレンタインは薔薇乙女の敵 参照
188 :
  過去を反省し、今回は必ずやバレンタインを大成功させる必勝の策があるのです!」
蒼星石「へぇ? それは一体どんな?」
翠星石「ずばり! 過去の失敗は全部真紅の口車に乗せられて真紅と共に行動していたからです!
  奴と完全に別行動をとっている限り、この翠星石に失敗はあり得ぬのですよ! ガハハハハハ!」
蒼星石「うーん…、なんともはや。あながち間違ってないだけに、どう言っていいものか。
  それで当の真紅に黙って、一人だけ薔薇屋敷に来たってわけかい?」
翠星石「いんにゃ、真紅にはちゃんと説明してから来たですよ」
蒼星石「えっ? 真紅は何も言わなかったのかい? 翠星石の今回のその結論に…」
189 :
巴「これでよし…と」カチャッ
雛苺「やったのー! チョコが完成したのよー!」
巴「ふふふ、手伝ってくれてありがとうヒナ」
雛苺「うぃ! 早、食べよう?っ! ねっ!? トモエ?っ!」
巴「ダメよ雛苺。これは今日、学校が終わってから…」
雛苺「あっ! ジュンにあげるヤツだったのよね! ヒナったらうっかりなの」
巴「さ、桜田君にあげるとは言ってないけど…」
雛苺「それじゃ他の誰かにあげるのよ?」
巴「…っ」
雛苺「ジュン、巴からチョコもらえなかったらきっとがっかりすると思うのよ」
巴「そう…かな」
雛苺「うぃ! そうなの!」
巴「そう…。でも、まあ私はチョコを学校に持っていく気はないわ。冷やしておかないといけないし。
 ほら、雛苺の作ったチョコも、いったん冷やさないと美味しくならないわよ」
雛苺「うゆゆ…、今はガマンなのよね」
190 :
雛苺「うにゃっ? トモエのお母さんの声なの!」
巴「あ、はい! 今、出ます。お母様!」バタバタ
雛苺「トモエ、学校に行くの?」
巴「うん」
雛苺「ヒナも…行っていい?」
巴「え? で、でも…」
雛苺「トモエの鞄の中でじっとしているからぁ! お願い!」
巴「…しょうがないわね。本当に大人しくできる?
 それに学生鞄に雛苺は入りきらないから、ザックに入っていてもらえるかしら?」
雛苺「うぃ! トモエがいいって言うまで、ずっと死んだふりごっこしているの!」
巴「うん。いい子だからヒナ、その約束をちゃんと守っていてね」
雛苺「うぃー! おまかせあれなのー!」
191 :
ジュン「うわわわっ! 寝坊した! 遅刻、遅刻!」ガチャッ
のり「ジュン君、慌てないで! 少し寝過ごしただけで、まだ全然間に合うわ」
ジュン「えっ? ほ、本当!」
のり「そうよ。だから落ち着いて。忘れ物とかない?」
ジュン「え、えーと。鞄も持った、ハンカチも持った…」
のり「ジュン君、これ!」ズイッ
ジュン「何、これ? 空の紙袋?」
のり「今日はバレンタインよジュン君! これに一杯チョコもらわないと!」
ジュン「あほか!」
のり「ええ?? ジュン君復学してからクラスで人気者だって聞いたわよ?っ?
 今日だってチョコがっぽがっぽ間違いなし!」
ジュン「ンなわけあるか! 大体、うちの学校はお菓子持ち込み禁止だ!」
のり「えっ? そうだったっけ? お姉ちゃん達のころはバレンタインだけ黙認だったわよぉ」
ジュン「そうだとしても、空の紙袋持っていくだなんて、どれだけ自信家なんだよ! 全く…」
192 :
ジュン「何が『ともかく』なんだ。今日はたまたま…」
のり「それにしても朝早くから、真紅ちゃんも翠星石ちゃんもヒナちゃんも、どこ行っちゃったのかしら…?」
  .ィ/~~~"ヾ
  、_/ /  ̄`ヽ}
  ,》@ i(从_从))  知りたい?
 .||ヽ|| ^ω^ノ
  ≦;(::.   )    
 ⌒"⌒""⌒⌒⌒"⌒⌒⌒"⌒"⌒
のり「ええ、知りたい…て、きゃああっ!?」クルッ
ジュン「し、真紅!? 雪だるまの中から顔だけ出して!? な、何をしているんだ! いつからそこ(玄関脇)に?」
真紅「…油断したわ。雛苺と翠星石に縛り上げられて、この雪だるまに埋め込まれたのよ」
のり「翠星石ちゃんとヒナちゃんが? ど、どうして…?」
真紅「だから、それを知りたかったら早く私をこの雪だるまの中から解放して。
  ホーリエも瓶詰めにされて私の足元の雪に一緒に埋められているから助けてあげて」
ジュン「な、なんということだ…。今すぐ助けてやるからな真紅」ガリガリ
のり「この雪だるま、上から水をかけて凍らせてあるわ。崩すのに手間取りそう」
真紅「翠星石が庭師の如雨露でやったのよ」
ジュン「仕方ない。台所から熱湯持ってくる!」
のり「お願い! ジュン君!」
193 :
真紅「ありがとう。助かったわジュン、のり」ホカホカ
のり「一時はどうなることかと思ったわぁ真紅ちゃん」
ジュン「それじゃあ、話してくれ。何で翠星石と雛苺に真紅がこんな目に遭わされたのかを」
真紅「ええ。あれは昨日の深夜、ジュン達が寝静まった後の事…」
194 :
真紅「あなた達、明日が何の日か分かっているでしょうね」
翠星石「ふ、忘れるわけがねーですよ」
雛苺「うぃ! バレンタインなのー!」
真紅「ならば話が早い。今回も我々アンチバレンタイン戦隊アバレンジャーは
  商業主義に毒された日本の悪習をただすべく、行動する!」
翠星石「そ、そのことなんですが真紅…」
真紅「何?」
雛苺「ヒナ達、明日は普通にバレンタインを楽しみたいの。トモエと一緒にチョコを作る約束をしたの」
翠星石「翠星石もですぅ。明日は薔薇屋敷で蒼星石とチョコを作って、交換したりするのです」
真紅「なっ!? ば、馬鹿な! 何を言っているのあなた達!? 正気なの!?
  バレンタインチョコだなんてケツを拭く紙にもなりゃしないのよ! チョコなんてクソよ!」
翠星石「真紅こそ正気になれです。今だにバレンタインを敵視している奴なんてギャグですよ」
真紅「ッッ!?」
雛苺「とにかく! ヒナ達はアバレンジャーを脱退するの!」
翠星石「どうしてもと言うなら真紅一人でやってろですぅ」
真紅「ぬああああっ! だったら覚悟することね二人とも! 明日の制裁対象にはあなた達二人も…っ!?」ガクッ
翠星石「……」
真紅「な、何? きゅ、急に足から力が抜けて…? 立ってられない」ガクガクブルブル
翠星石「ようやく薬が効いてきたようですねぇ」
真紅「く、薬!?」
雛苺「こんなこともあろうかと真紅のアフターディナーティに睡眠薬を入れておいたのよ!」
翠星石「薔薇乙女用に翠星石が極秘調合したものですぅ」
真紅「ひ、卑怯よ…! あなた達…くっ…」バタン
雛苺「真紅が眠ったの」
翠星石「どだい、話し合いで解決できるとは思っていなかったですぅ。
  真紅には可哀想ですが、明日一日の間は大人しくしていてもらうですよ」
真紅「…zzZ」
雛苺「うぃ!」
§真紅の回想ここまで
195 :
  必死にベロで顔面の前の雪を溶かして顔を出したところへジュンが来たというわけ」
ジュン「そうだったのか…」
のり「た、大変だったわね真紅ちゃん」
真紅「ええ、全くだわ。この恨み晴らさでおくべきか」
196 :
ジュン「ッ!?」
のり「ゆ、ゆっきーちゃん!?」
真紅「雪華綺晶!? どうしたのよ前触れもなく突然? そんなに大声出して慌ててあなたらしくもない」
雪華綺晶「聞いてください紅薔薇のお姉様。とにかく大変なのです」
ジュン「どうしたってんだ」
雪華綺晶「マスターが…」
ジュン「もう一人の僕の事か? 確か雪華綺晶は巻かなかった僕の部屋に居ついていたよな。そこで何か事件でも?」
雪華綺晶「バレンタインだからと、朝から斉藤さんと一緒にアパートの自室でチョコを作っているのです」
真紅「なっ!? なんですって!? どういうことよそれ!」
のり「まあ、ジュン君が! 本当!」
雪華綺晶「本当ですわ」
ジュン「な、なんで一緒にチョコ作りなんか?」
雪華綺晶「巻かなかった世界は、ここよりほんの少し未来の世界線。そこでは今よりもバレンタイン商戦は複雑化し
   チョコの消費を伸ばそうとする企業努力により、2月14日は恋人同士でチョコを作る日に変わっているのです!」
真紅「なんてこと! 腐りきっているわね近未来!!」
ジュン「と言うか、恋人同士ぃ!? あいつ斉藤さんともうそんな仲に!?」
のり「わぁ! だったら今日は御赤飯ね、ジュン君おめでとう!」
ジュン「うちで僕を祝ったってしょうがないだろ!」
197 :
ジュン「し、真紅?」
真紅「ジュン!!」
ジュン「は、はい!?」
真紅「歯を食いしばりなさい!!」
ジュン「ええっ!?」
真紅「ずおりゃっ!」
ジュン「がふぅっ!?」ボグォ
のり「ジュン君!?」
ジュン「な、なんで僕が殴られ…。しかも、ボディブロー…をっ! オ、オゲゲェッ」げろげろ
のり「だ、大丈夫っ!? ゲロが出てるわジュン君!」
真紅「バレンタインにチャラい真似をする奴は、このアバレッドが許さない! たとえそれがマスターだとしても」
ジュン「い、いや…だから、それ、僕じゃなくて、もう一人の…」
雪華綺晶「お姉様! 私一人ではあの狭い部屋に充満したラブラブ粒子に耐えられません。どうか御助力を…」
真紅「事情は分かった。私のもとへ来たのは正しい判断だわ雪華綺晶。今すぐ巻かなかった世界に向かう!」
雪華綺晶「嗚呼、何とも頼りになりますお姉様。よろしく、お願いします」
真紅「よし、行くわよ! ついてらっしゃい!」ダダダッ
雪華綺晶「はい」ダダダッ
のり「い、行っちゃった…。ど、どうしようジュン君?」
ジュン「どうしようもこうしようも、このままじゃ遅刻だ! 完全に学校のこと忘れてた!」フラフラ
のり「あっ! そうだ、お姉ちゃんももう急がなくちゃ!」
ジュン「あっちの巻かなかった僕には悪いが、僕達にはもう真紅は止められない。
  逆に言えば、真紅が隣の世界に行っている限りこちら側にこれ以上の被害は出ない」
のり「そ、それもそうね…」
198 :
♪キーンコーンカーンコーン
ジュン「あ、危ないっ! なんとかセーフだ、間に合った」ガラッ
生徒A「おはよう! いつもギリギリだなぁ桜田」
生徒B「ギリギリ記録更新じゃねぇの?」
生徒A「いやいや、チャイム鳴り終わってから先生来るまでの間に来たこともあったよな」
生徒B「そうだそうだ! それがあった」
ジュン「よ、余計なことばかり覚えてるよな、お前ら」
生徒C「桜田が遅れるのが悪いんだよ」
ジュン「うっ…」
生徒A「けどまぁ、桜田のそういう、いつでも変わらないところは流石だぜ」
ジュン「?」
生徒B「何、呆けてるんだ。今日はバレンタインデーだろ、バレンタイン!」
ジュン「えっ、ああ…」
生徒C「大概の男子生徒はいつもより早く来て、机の中を確認してたってのに」
ジュン「待てよ。うちの学則じゃ、お菓子の持ち込みは…」
生徒A「桜田ちゃん、純真すぎやしませんか??」
生徒B「偉い人は言いました。校則は破るためにある…ってな」
ジュン「誰だよそれ! 適当なこと言うなってば!」
生徒B「アッハッハッハッハッハ。まあ、冗談はさておき、よく見てみろよ桜田」
ジュン「見ろって、何を?」
199 :
ジュン「そ、そう言われれば。まさか…?」
生徒A「そのまさかだよ、チョコだよ。ああ?、誰か俺にくれね?かな?」
生徒B「ないない。それはない」
ジュン「み、みんな持って来てるんだ…?」
生徒C「そりゃ毎年、恒例だろ」
生徒A「休学中にボケたのか桜田?」
ジュン「いや、そんなことは…」
生徒B「ともかく、一番の大注目はやっぱり委員長だよな」
生徒A「うんうん」
ジュン「柏葉…?」
生徒C「ほら、見ろよ! あの大きなザック。いつもの教科書鞄だけでなく、あんな大きなものを」
生徒B「委員長ってバレンタインとかスルーしそうな感じなのに…」
生徒C「あの大きさ、どう考えてもド本命!」
生徒A「あああっ! その愛のチョコは一体誰の手に渡されるのか!? ひょっとして俺?」
生徒B「だから、ないって」
ジュン「か、柏葉が…」ドキドキ
先生「おいこら、そこの四人?っ! 授業始めるぞ、席につけ?っ」
生徒A「げげっ? もう先生来てた?」
生徒C「す、すいませ?ん。すぐ座ります」
200 :
BJ「あははは…」
斉藤「うふふ…」
真紅「くっ! なんというラブラブ空間」コソッ
雪華綺晶「ここに割って入るには、とんでもなく勇気が必要ですわ。
   私が朝、目を覚ました時には既にチョコの甘ったるい匂いとともに二人のラブが溢れていました」
真紅「チョコも徐々に出来あがっているようだし、ここから天誅を下すにはかなりのインパクトが必要だわ」
雪華綺晶「それで、どうするのです紅薔薇のお姉様?」
真紅「ジュンと斉藤さんの目を覚まさせるためにも、かなりの荒療治が必要。
  ここは二人が、あのチョコから目を離したすきに何か入れるしかないようね」
雪華綺晶「…何かって? 何をです?」
真紅「食品異物混入こそが、こういう手合いに最も効果的かつ激烈よ」
雪華綺晶「なるほど。それで何を入れるのです? ゴキブリですか? カエルですか?」
真紅「それもいいけど、ここは私の小指を切り落として入れる」
雪華綺晶「っ!? 正気ですかお姉様!」
201 :
  チョコ製造元の株価も大幅ダウンよ。昔、外国で似たような事件があったらしいことをバラエティ番組で見た」
雪華綺晶「だからと言ってお姉様、そ、そこまでしてバレンタインを…っ?」
真紅「痛みなくして改革なし。私の覚悟でバレンタインが是正されていくなら指の一本や二本…」
雪華綺晶「嗚呼っ! う、美しすぎますお姉様!
   世直しの為に自らの身を粉にして犠牲にする覚悟。それこそがアリスの心意気なのですわね」
真紅「さあ、あの二人がチョコから離れる隙を見のがさないために集中して見張りを続けるわよ」
雪華綺晶「それは構いませんが、若い二人がヒートアップしてエロスな展開になったらどうします?」
真紅「その時は、ハンディビデオカメラを持ってきているからそれで盗撮する」スチャッ
雪華綺晶「なんとっ!」
202 :
先生「で、あるからして…アルファがベータをカッパらったらイプシロンしたわけで…」
巴「……」カリカリ
雛苺(ねぇねぇトモエ?)ひそひそ
巴(ひ、雛苺!? 出てきちゃだめよ? ザックの中でじっとしているって約束…)
雛苺(でも退屈なの?、あ! あそこにジュンがいる?)
巴(だ、だめ! それ以上顔を出したら…)
雛苺(むぅ?、分かったの。トモエとの約束だからヒナ大人しくするの)
巴(ごめんね、ちょっとの我慢だから雛苺)
先生「…? どうかしたか柏葉? 調子でも悪いのか」
巴「あ、いえ! 何でもありません先生」
先生「そうか? じゃあ、ちゃんと黒板を見とけよ?」
ジュン(…珍しいな、柏葉が注意を受けるだなんて)
203 :
巴「…よいしょっと」テクテク
生徒A「あっ! 見たか桜田」
ジュン「はぁ? 何を?」
生徒B「委員長だよ! あの大きいザックを持って教室を出ていったぞ」
生徒C「チョコを誰かに渡す気だ! このクラスの奴じゃなかったんだ」
ジュン「えっ! そ、そんなまさか…!」
生徒A「よ、よし! こっそり追いかけようぜ」
生徒B「ああ」
生徒C「おう」
ジュン「な、何を言ってんだよ! そんな出歯亀! 柏葉が迷惑だろ」
生徒A「じゃあ桜田は、そこで待ってればいい」
生徒C「俺達だけで見てくるからさ」
生徒B「…それじゃ」シュタッ
ジュン「あっ! ちょ、ちょっと待てよ! 行かないとは言ってないだろう!」
生徒A「ふひひっ、好きですなあ桜田も…」
ジュン「そ、そんなんじゃないって!」
生徒C「行くなら急げよ。委員長見失うぞ」
204 :
巴「……」スタスタ
生徒B「どこのクラスへ向かう気なんだ…?」コソッ
ジュン「か、柏葉…本当に誰かにチョコを?」コソッ
巴「……」スタスタ
生徒A「あら? 女子トイレに入ってったぞ?」
生徒C「分かった! お色直しだ。チョコを渡す大告白の前に身だしなみを…」
ジュン「……」
205 :
生徒A「出てこないな委員長」
生徒B「長いな。休み時間終わっちゃうぞ」
生徒C「ひょっとしてウンコか?」
ジュン「か、柏葉が学校でウンコを…っ!?」ドキドキ
§女子トイレ個室内
巴「こんな場所で悪いけど…。でも、ここでなら雛苺とゆっくり食事できるから」
雛苺「うぃ! 便所飯っていうのよねコレ! 翠星石が話していたのよ!」
巴「う、うん…」
雛苺「ヒナも一度やってみたかったの! トモエのお陰で夢が叶ったの?」
巴「そう…。それは良かったわね」
206 :
巴「……」スタスタ
生徒C「出てきたぞ!」
生徒A「て言うか、こっちに来る?」
ジュン「ひ、引き返さないと…」
207 :
巴「……」ストッ
生徒B「結局、この教室に戻ってきてしまった」
生徒A「ザックも持ったまんまだ」
生徒C「なんなんだろう、あれは一体? もしかしたらチョコじゃないのかも?」
ジュン「……」
生徒A「はっ! ひょっとして!?」
生徒C「何か閃いたのか生徒A!?」
生徒A「ああ、分かったぜぇ! きっと委員長は慢性的な便秘なんだ!
  そして、あのザックの中身は超特大カンチョーに違いない!」
生徒B「……」
生徒C「……」
ジュン「馬鹿だろお前」
生徒A「アオッ!?」
生徒C「出たよ…桜田の伝家の宝刀、バッサリ切り捨てツッコミ」
生徒A「もっと他に言いようがあるでしょうが桜田センセー!」
ジュン「無い」キッパリ
生徒A「ッ!」
生徒B「仕方ない。今のは生徒Aお前が悪い」
208 :
真紅「雪華綺晶、どう? ちゃんとビデオ回してる? 後で撮れてませんでしたってのが最も困るわよ」
雪華綺晶「大丈夫です…が、あの二人の濡れ場を撮るのではなかったのですか?」
真紅「しばらく観察していて、あの二人にその気はまだないことが分かった。
  だから、こうしてあの二人のキャッキャウフフしてる場面を撮るだけで今は我慢する。
  それにこれはこれで、今後何かのネタに使えるかもしれない」
BJ「でさー…」スタスタ
斉藤「あはは、やだー」スタスタ
雪華綺晶「そうですか…。あっ! 二人がようやく作りかけのチョコから離れましたわ」
真紅「もう、お昼過ぎだってのにチンタラしすぎねあの二人。まだチョコも出来てないとは」
雪華綺晶「この時代では、恋人同士でダラダラとチョコ作りで一日を過ごすのがトレンドです」
真紅「ああ、そう。お陰でようやく異物混入のチャンスが巡ってきた! 行くわよ!」
雪華綺晶「はい! ミッションスタートですね」
209 :
巴(よく我慢したわね雛苺。もうお家に帰れるから、あと少しガンバって)ヒソヒソ
雛苺(うぃ! もうクタクタなのよね、学校は疲れるのよ)
女子生徒「あ、柏葉! ここにいたかー」
巴「先輩? どうしたんです?」
女子生徒「いや、ちょっと今度の剣道部の試合のことで相談したいことがあるんだ。悪いけど、あとで部室来て、お願い!」
巴「あ、はい…。すぐに行きます」
雛苺(うぇえ?っ!? トモエ?)
巴(ごめん! ヒナ、あとちょっとだけ…)
雛苺(もうダメなの! ヒナ、もう限界なのー!)
巴(そんな…、どうすればっ?)
210 :
雪華綺晶「どうぞ、お姉様。包丁です」
真紅「ダンケシェーン。さあ、今から切るわよ! 私の小指を! そして、そこのチョコに放り込む!」
雪華綺晶「ファイトです! 紅薔薇のお姉様!」
真紅「せーのっ!」ドズンッ
BJ「…何やってんだ? お前達?」
雪華綺晶「マ、マスター?」
真紅「ジュ、ジュン!?」
BJ「何か物音がするからと思って戻ってきたら…」
雪華綺晶「こ、こんな…! こんなタイミングで見つかってしまうだなんて」
真紅「ええい! なんて間の悪い! 見つけるのなら私が指を切る前に見つけなさいよ!
  見なさいよ、これぇ! 小指の切り損じゃない! どう落とし前つける気なの! ジュン!?」ぷらぷら
BJ「いやいやいやいやいや! 何を言ってんだ真紅! 久しぶりに会ったと思いきや…!!
  何でまな板の上で小指つめてるの!? お前のそれこそ何かの落とし前!?」
真紅「うぬぬぬぬ…っ!」
211 :
生徒A「うおおおおおっ! やった! やったぞぉお! チョコもらったあああ! ダッシャーー!」
生徒B「マジで!?」
生徒C「ちくしょぉおおおおお! 何でお前だけぇ!?」
生徒A「どうだ桜田! 俺だって本気出せばチョコの一つや二つ…! て、あれ? 桜田?」
生徒B「どこ行ったんだ桜田?」
生徒C「帰ったんじゃないのか? あいつ授業終わると、わりとすぐに帰るし」
生徒A「マジかよ。来るのがいつも通りなら帰るのもいつも通りか、バレンタインなのに」
生徒B「そうそう。チョコもらえない男子生徒が意味もなく長居するってのが定番なのにな」
生徒C「まさか、どこかの女子に呼び出されたとか? あいつって隠れた人気あるみたいだし…」
生徒B「な、なにぃ!?」
212 :
ジュン「…呼び出されてしまった。それも柏葉に」ドキドキ
巴「ごめんなさい桜田君! 待った?」トテテ
ジュン「いえ! 全然待ってません!」シャキッ
巴「そ、そう? ならいいんだけど。これ、人目につく所じゃ渡せないから」
ジュン「えっ!? 渡す? ま、まさか!」
巴「学校に持ってきちゃうだなんて、桜田君は私のこと幻滅するかもしれないけど」
ジュン「いやいやいやいやいや! しない! 全然そんなことしない!」
巴「時間が無いから今は全部説明できない。お願い、何も言わずに受け取って!」ズイッ
ジュン「う、うんっ!」
巴「本当! ありがとう桜田君! それから、それを開けるのは家に帰ってからにしてほしいの。
 わがままばっかり言ってごめん。でも、中身が人に見られて騒ぎになると困るから…桜田君なら分かるでしょ?」
ジュン「分かる! もう全部分かったよ柏葉の気持ちは! 本当ありがとう!」
巴「え? う、うん。喜んでくれるなんて…意外だった」
ジュン「意外だなんて! 僕だって柏葉とずっと同じ気持ちで…」
巴「あ、もう部室へ行かないと! また、今度ね桜田君」タタッ
ジュン「ああ! ま、また今度!」
213 :
ジュン「か、柏葉が僕にっ! こ、こんな大きなザックに入ったチョコを…!」ドックンドックン
ホーリエ「…?」ふよふよ
ジュン「お? ホーリエいたのか? 真紅について隣の世界に行ったんじゃなかったんだな。
  それより見ろよこれ! 柏葉が僕にくれたんだぞ!」
ホーリエ「…!」
ジュン「え? バレンタインのチョコにしてはラッピングに飾り気がない?
  何言ってんだ、柏葉は見た目より中身を重視する奴なんだよ。よーし、開けるぞ」ガサガサ
雛苺「むにゃむにゃ、まだまだ食べられるの」ゴロン
ジュン「え…?」
雛苺「うにゅにゅ? いつの間にか眠っちゃったのよ。折角トモエに学校にこっそり連れてきてもらったのにぃ」
ジュン「お、おおお…っ」
雛苺「なんでヒナ、今ジュンの部屋にいるの??」
ジュン「ひ、ひひっひ…」プルプル
雛苺「みょわわっ? 泣いてるのよジュン? 何か悲しいことでもあったの?」
ジュン「雛苺ぉぉぉおおおおおおおおおッッ!!!」
柏葉巴のチョコレート騒動・完
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2014/02/16(日) 11:21:48コメント(2)ユーザータグ ローゼンメイデン -->
コメント
※107913 :-:2014/02/16(日) 11:33:18人形に作用する睡眠薬を作るとか地味な高スペックを見せつけた翠星石※107914 :-:2014/02/16(日) 11:36:50ウルトラ究極の少女が指詰めるってシュール過ぎるだろww間違っても美しくねーよww
あとジュンのお年頃の男の子らしい描写って結構新鮮だな
いつも中学生のレベルを超えた幅広いトリビァル知識を見せ付けられて歳を忘れがちたが
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