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商店街堕天録カイジ「この紙きれは……?」
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女の子「ママー、まってー」 ヒラッ
カイジ「……なんだ? 紙きれ…?」
カイジ、女の子が落とした紙切れを回収……!
カイジ「福引券か… 1、2…… 12枚。返してやったほうがいいか? だが…」
カイジ、ここで長考……
迷子を交番に連れて行った男が逮捕される…
道を尋ねただけで、危険人物とみなされる…
変質者への警戒心が高まっている昨今
女の子に落し物を返すのは、そうは簡単ではないのだ…!
3 :以下、
が、カイジが考えていたのは、そういうことではない
今カイジの脳を駆け巡っているのは――
カイジ(オレも、福引やりたいな…!)
である……
しかし、この長考が仇… 女の子が福引券の紛失に気付く……!
ざわ…
ざわ…
女の子「あれ? あれ? こっちのポッケに… あれ?」
服じゅうのポケットを探す女の子… しかし福引券は見つからない
それも当然… すでの福引券はカイジのコートの内ポケットに入城済み…!
4 :以下、
女の子「うわーん、うわぁぁ」
号泣する少女、これにはさすがのカイジも罪悪感を覚える
がっ……
カイジ(落し物なら届けてやるのが当然…! 当然だが……
仮に落し物ではなく、捨ててあったとしたらどうだ…? オレがもらっても何の問題もないっ…!)
屁理屈を並べ始めるカイジ…
カイジ(あるっ…! その可能性も十分に……!)
6 :以下、
母親「どうしたの、麻衣。はやくガラガラやりにいこう?」
麻衣(女の子)「ママぁ、ガラガラなくなっちゃった…」
母親「落としちゃったの!? もうっ、だからママが持っていくっていったでしょ」
麻衣「うっ、うっ、ママ、ひぐっ、ご、ごめんなしゃい、ごめ… ひぐっ……」
カイジ(ここでオレが福引券を差し出せば、この場は収まる…
だが、それは本当に正しい行動か……?)
カイジ、さらに屁理屈をこね始める
いろいろ考えているが、とどのつまりは福引をやりたいのだ…!
だから返したくない…!
どう考えても明白なこの事実にカイジは気付かない…
いや、気付かないフリをしてごまかしている… 自分の心をっ…!
カイジ(たしかにあの子が落としたようにも見えたが、見間違いということも………
あるっ…! その可能性も十分に……!)
9 :以下、
ざわ…
男A「楽しみしてただろうに… かわいそうになあ……」
男B「その辺にまだ落ちてんじゃね? 探してやろうぜ」
ざわ…
ざわ…
商店街に響く少女の泣き声……
場に立ち込める重い空気
ざわ…
――カイジ、ここに到ってついに心を決める……!
10 :以下、
11 :以下、
カイジ(渡さないっ…! オレは渡さないんだっ……!)
たしかに、あの女の子にもかわいそうな面はある…
あるが… もともと券をおとしたのはおまえのミスっ……!
それをただ泣いてなんとかしようだとっ……?
バカがっ… 福引はそんな甘いもんじゃねえんだっ……!
しかし、カイジに違和感… こぼれ落ちる… 涙っ…!
カイジ(オレは悪くない… 悪くないのに… なんだ、この涙はっ…!) ボロ…
ボロ…
カイジの両目からとめどなくあふれる涙…
それは微かに残った良心からのSOSっ……!
12 :以下、
14 :以下、
カイジ(渡すか…? 無論ぜんぶではなく、半分… いや、三枚… いや……)
良心の呵責と、福引をしたいという欲望…
カイジは、自らの心が作り出す混迷の森に迷い込んだ……
しかし、そこで意外な事態がおこる
ざわ…
黒沢「あの… よかったら、コレ使いますか……?」
ざわ…
野次馬の中からあらわれた巨漢が… 渡したのだ……
福引券を…… 女の子にっ……!
コレを見たカイジの頭によぎったのは……
カイジ(他のやつがやったんなら、オレはまあいいか…)
である… そしてすぐに福引攻略の策を考え始める…!
その思考は常人の計りの外っ…
16 :以下、
母親「そんな、でも……」
黒沢「いやいや、どうせオレは使うつもりはなかったんだ。二枚しかなくてすまないが」
仲根「いいんですか、兄さん…? 福引楽しみにしてたのに」
母親「……」
黒沢「バ、バカヤロー、あんなの冗談に決まってるだろーがっ…!」
麻衣「おじちゃん… じゃあ、まいといっしょにガラガラやろ?」
黒沢「がはは、そりゃあいい。一等とっちゃうか… 二人でっ…!」
あたりに流れる暖かい空気…
野次馬たちもいちように胸をなでおろしていた……
17 :以下、
19 :以下、
カイジ(バカがっ… どいつもこいつもまるでわかってねえっ…!) スタスタ
カイジはその場を離れ、福引会場へ…
カイジ(ククク… やっぱりな……)
一等(金) ○50インチプラズマテレビ ○大型冷蔵庫 ○最新型ノートPC
(三点のなかからお好きなものを一つお選びください)
二等(赤) ○豪華福袋
三等(青) ○お菓子詰め合わせ(3000円相当)
四等(白) ○ティッシュペーパー
商店街で一万円お買いごとに福引券を一枚プレゼント
福引券一枚につき抽選機を一回まわせます
カイジ(二人でまわす…? いいさ、それはかまわない。だが一等が当たったらどうする…
間違いなく揉める… 地獄絵図っ……!)
??「おめでとございます。三等、お菓子詰め合わせです」
そこでカイジは思いがけない人物と遭遇っ……!
20 :以下、
23 :以下、
一条「残念。四等ですね。また当商店街をご利用ください」
カイジ(ククク… おまえらの巣かい… ここもっ……!)
カイジ、まずは見… 軽々には動かない……
懐からガムを取り出し、傍観… 長期戦の構え…
しばらくして、カイジはある偏りを発見…!
カイジ(さっきから見てりゃあ、青と白しか出ないじゃねえか… クチャ
なるほどなるほど… おまえらがやりそうな手……) クチャ
カイジ、ここで商店街の不正を確信っ…!
もとから一等、二等の玉は入っていないであろう、ということ…!
カイジ(となれば、これ以上みてても無駄だな) スタスタ
カイジ、不正を確信しつつも福引の列に並ぶっ…
26 :以下、
一条「十二枚ですね。当商店街をご愛顧まことにありがとうございます。それでは――」
カイジ「イカサマだろ…!」
一条「は…? ……! お、おまえっ、カイジか……!」
カイジ「金玉、赤玉はそのガラガラには入ってねえっ…! 違うか……!」
ざわ…
一条「ば、ばかな… 何を言い出すっ。入ってるに決まってるだろう」
ざわ…
カイジ「ほかの連中は騙せたかもしれないが、オレには通用しねえよっ…!」
ざわ…
一条「だ、だから、ちゃんと入ってるっていってるだろう…! 商店街の福引でイカサマなどするかっ」
ざわ…
カイジ「なら、ガラガラをまわして、玉をぜんぶ出してみろっ…!
もし一つも入っていなかったら、商品はすべてオレがもらう…! いいなっ、それで……!」
27 :以下、
28 :以下、
ざわ…
一条「いいわけあるかっ、そんなわけのわからぬ言い掛かりをっ……」
カイジ「逃げるのか、一条…! つまり不正を認めるってことだな」
ざわ…
一条「不正などないっ、どうせ最後までやればわかることだろうが…!」
カイジ「通じない通じない… そんな言いわけっ…! 福引は遊びじゃねえんだっ
もともと疑わしいんだよっ! こんなさびれた商店街であんな豪華賞品はっ……!」
ざわ…
商店組合会長「一条君、ぜんぶ見せてあげようよ。これ以上ゴタゴタすると他のお客様にも迷惑だし…」
一条「はあ… 組合長がそういうなら……」
29 :以下、
30 :以下、
ガラガラッ ――白っ
ガラガラッ ――白っ
ガラガラッ ――白っ
ガラガラッ ――白っ!
ざわ…
客A「ひでえ… 白ばっかりじゃねえか……」
ざわ…
一条「い、いや、待ってくださいっ、この手の福引で末等が多いのは当然っ…! 普通のことっ…」
ざわ…
ガラガラッ ――青っ
ガラガラッ ――青っ
ガラガラッ ――白っ
ガラガラッ ――金っ……!
一条「どうだカイジっ…! 金だ、金玉だぞっ」
31 :以下、
┌――,,,ヽ゚二二,i´ 丿/′ .r‐‐".―ー',,,二つ r‐――ー'" ゙‐',,,,,,,,!
..,二,,,,,,,,,,,,゙l、ヽ--ーi、 丿,i´ ゙゙゙゙} l゙゙ ̄`_,,,,,,,,,,,,、 `゙゙゙゙゙゙゙゙ ゙̄} 厂__、
.'―--――ヽ.'i,'"゙゛ ,/.,lン'ニ"'i、 ,l゙ l 〈二-----" (二二二ミ、二,--ノ
,,―''ニニー-l。\ ./ .シ′ | .| /゙) / l゙ _,,,,,,,,,,,_| |
: /..r'"^  ̄"'ー-" / / l゙ l゙ ./ l゙ │,l゙ l゙゙| /゙,ー'''?冫\,_
: ゙l,.\,_、 __,,,,-, / ,/ ゙l..゙l,,/,/ │,l゙ }, ヽ,,,,,,,,,,,,,,,,,、 ゙l ゙l,、 .,,l゙.,l゙\,`'i、
‘'ー-二二ぃ-‐'′ ゙‐' `'―‐" !-′ ゙''―---―'" `'-ニニ―'′ ゙''"
32 :以下、
カイジ「だから…?」
一条「え……?」
カイジ「一等なんて入っていて当然なんだよっ…! 何をえらそうにしてやがるっ」
一条「ぐっ… こいつ…! これで不正がないことはわかったろう。確認はこれで終わりだっ」
カイジ「まて、その態度が怪しいっ…! 貸せっ… 残りはオレがまわすっ……!」
一条「ば、バカ、やめろっ…」
ガラガラッ ――赤っ
ガラガラッ ――白っ
ガラガラッ ――白っ
ガラガラッ ――黒っ……!
カイジ「ククク… やっぱり仕込んでやがったか… この黒玉はなんだっ……!」
35 :以下、
一条「くそ… これだけは見られたくなかった……」
カイジ「認めるんだなっ… 不正を……!」
一条「不正じゃないっ…! サプライズプレゼント… 家族四名様ハワイ10日間の旅……
みなさんに喜んでもらおうと、オレと組合長が考えた秘策…… それが……」
ざわ…
客B「すげえっ、正月にワイハ十日間っ… まるで芸能人っ……!」
ざわ…
カイジ「騙されるなっ…! ハワイなんてこいつが勝手にいってるだけ… なんの証拠もねえっ」
一条「ふざけるなっ、ちゃんとここに用意してある……!」
カイジ「クク… さすがは一条、偽装のための商品は用意済みか」
一条「さっきからおまえは…! いっておくがこの商店街は帝愛とは無関係だっ」
37 :以下、
カイジ「フフ、表向きはそうなってるんだろ。いいさ、そういうことにしてやっても…
だが、この黒玉のことは別だっ…!」
――カイジに電流走るっ……!
カイジ「そうか… なるほどな… これですべてがつながった……」
一条「な、なんだ… 今度はどんな言いがかりをつけてくる気だ」
カイジ「罰金だろ…?」
一条「ハア…?」
カイジ「黒玉をだしたやつから罰金100万を徴収っ…! これで景品代をまかなう……!」
一条「ば、バカヤロー! あるかっ、福引で罰金なんてっ…!」
40 :以下、
カイジ「が、その戦略は不発だ…! 黒玉はハワイで確定っ… いいんだな、それでっ……!」
一条「もともとそうだったんだよっ! 玉はぜんぶ出し終わったならすぐ福引を再開するぞ」
カイジ「まてっ! 集計が先だ。どんなイカサマを仕込むかわからねえからな」
一条「もういい… 好きにしろ… そのかわり手早くやれよ……」
黒玉 1個 [ハワイ旅行]
金玉 3個 [家電製品]
赤玉 57個 [福袋]
青玉 247個 [お菓子]
白玉 721個 [ティッシュ]
(すでに他の客に出されていた分は含まず)
カイジ「じゃあ抽選機に戻すぞ… 黒玉ひとーつ…… 金玉ひとーつ………」
一条「はやくやれって言ってるだろうがっ、その調子だと日が暮れるっ」
カイジ「ククク… そう焦るなよ一条。ちゃんと確認しなきゃあな……!」
それまでのgdgdによって福引会場は閑散としてしまっていた……
焦る一条……
だが… それもすべてカイジの戦略のうち…!
41 :以下、
一条「いいかげんに……!」
カイジ「わかったわかった。一気にいれればいいんだろ…」
カイジ、抽選機に入れるフリをして白玉を流し込む…
自分の袖口にっ……!
通常の一条ならまず気付く…
が… 今の一条の注意は周囲に向いていた
カイジ(まずは成功… だが、本命の策は他にあるっ……!)
45 :以下、
一条「さあ、さっさと十二回まわして帰ってくれ」
カイジ「じゃあはじめようか… オレとおまえの真剣勝負っ…!」
ガラガラ ……?
抽選機から玉がでない……
ここでカイジ暴挙にでるっ……!
コロン……
カイジの手からこぼれ落ちる金玉っ
カイジ「悪いな一条… 一等だ」
一条「いや、待て。おまえ握ってた金玉をおとしただろっ そんなのは無効だ…!」
カイジ「書いてねえっ! 抽選機から出た玉じゃないといけないなんて、どこにも書いてないだろっ……!」
一条「ば、そんなの常識だろうがっ……!」
カイジ「これはそっちのミス… 落ち度…! この明白な事実を握りつぶす気かよっ……!」
48 :以下、
組合長「もういいよ… 一条君…… 認めよう。そのかわり次からはルールにちゃんと書いておこう……」
カイジ「ククク… さすがは上に立つ人間… 話がわかるっ……!」
一条「そんな… こんな汚い手で……!」
――その時、一条に圧倒的ひらめきっ…!
一条「わかった、選べよ。どれがいいんだ」
カイジ「そうだな… テレビも捨てがたいが… パソコンにしておこうか」
一条「はい。おめでとうございます。じゃあ次をどうぞ」
カイジ「賞品はどうするんだ…?」
一条「ねえよっ、賞品なんて…! 注意書きをよく見ろ
(三点のなかからお好きなものを一つお選びください)
選べとは書いてあるが、それをやるとはどこにも書いてないっ……!」
51 :以下、
ぐにゃぁ?
カイジ「汚ねえぞっ、通るかよっ… そんな理不尽…!」
一条「先に無茶をいってきたのはおまえだろうがっ…!
おまえは自ら失ったんだ… 賞品を受け取る権利をッ……!」
カイジ「ぐっ… クソっ…… オレは客だぞっ… その客に…!」
一条「そもそもおまえが、福引券を12枚ももってるのがおかしいんだ
そんなにこの商店街で買い物をしてたんなら俺が気付かないはずがない…!」
なにげなく福引券をめくった一条…
一条「ん…? なにか書いてある…… 『まい』?」
麻衣「あ、まいがおとしたガラガラだ…… お名前かいておいたの」
黒沢「なに… 本当か、麻衣ちゃん? あのヤロウ…!」
52 :以下、
54 :以下、
57 :以下、
福引きはノーカウント……!
58 :以下、
一条「とにかく… この福引券は没収だ…! 本来の持ち主に返す」
カイジ「なにを言い出すかと思ったら…… 勘弁してくれよ… 憶測だろ…!」
一条「あ…?」
カイジ「本来の持ち主やらなんやら… 証拠がないだろ…? おれが拾ったなんて…!」
一条「このクズっ…! ここに名前が書いてあるだろうがっ、あ??」
カイジ「その娘がほんとうに『まい』だとどうやって証明する…? 免許証でももってるのかっ…!」
一条「あるわけねえだろっ… そんなちっちゃい子が免許なんて……!」
麻衣「う… まいは… まいだもん……」
カイジ「そこから先は水掛け論… 正解は誰にもわからない……!」
集まる反感の視線のをものともせずに、カイジは続ける…
カイジ「そろそろ続行だろ……! あんまり待たせるなよ… 客を……!」
カイジはさりげなく抽選機に詰め込んでいたガムを取り除く……
必勝の戦略は崩れたが、予備の策がまだ生きている……!
59 :以下、
60 :以下、
一条「ちっ… わかった。やらせてやるっ…! だがそのまえにルールを書き足すぞ」
【追加ルール】
玉と交換で賞品を渡す
交換できるのは抽選機から出た玉のみ
抽選機のレバー以外にさわるのは禁止
抽選機に衝撃を与えるのは禁止
客が福引を終えるまで運営側は抽選機の調整等はしない
カイジ「ルールも決め終わったことだし、はじめるか… オレとおまえの命運をわかつ最終戦っ…!」
61 :以下、
62 :以下、
63 :以下、
ガラガラ……
一条(ん… 音がおかしい…… 中の玉が少ないように聞こえるが… 気のせいか……?)
ざわ…
――青っ
ざわ…
カイジ「幸先がいいな… しょっぱなから青か」 コロコロ
一条「あ… おまえ…… その足元……!」
カイジ「おっと… さっきの白玉がこぼれたのかな…… くくっ」
一条、この時すべてを察する…
が、すでにとき遅し…!
カイジのそでから入った白玉は、ズボンを伝ってマンホールの中へっ……!
65 :以下、
67 :以下、
現時点での玉の数は……
黒玉 1個 [ハワイ旅行]
金玉 2個 [家電製品]
赤玉 57個 [福袋]
青玉 117個 [お菓子]
白玉 4個 [ティッシュ]
カイジがさらった玉は800以上…!
三分の一の確率で二等以上が出現っ…
残りの福引券が10枚あることを考えれば…
一等以上に限っても……
ちょっとわからないけど、とにかく圧倒的勝率……!
カイジ「言っておくが、福引機の調整はご法度だぜ…? なにせルールだもんな…!」
一条「ぐっ、ぐっ……!」
71 :以下、
カイジ「ほらっ、はやく菓子をよこせよ一条……!」
一条「くそっ… こんなやつに…… 畜生っ、もっていけ…!」
バリバリッ
カイジ、あろうことか… この場で食いだすっ……
菓子を……!
カイジ「クク… たまに食うとなかなか美味いもんだなっ… 菓子もっ…!」 はぐ…
はぐ…
一条「サブレ・ショコラ… ヨーヨー・マカロン… フルーツタルト……!
すまないっ…! オレの力がたりなかったばかりに、そんな男にっ……!」
72 :以下、
一条なんでこんな所にいるんだろうか
74 :以下、
一条「うぐっ… はやく… 続きをやれっ……!」
カイジ「じゃあ続けるか… そろそろ出ちまうかもな… 金玉……!」 はぐ…
はぐ…
ガラガラッ
――青っ
カイジ「ちっ… はずれか…… だが、まだ9回も残ってる……」 はぐ…
はぐ…
ガラガラっ
―― ……?
80 :以下、
ガラ…
81 :以下、
ざわ…
一条「玉が出ない…?」
ざわ…
カイジ「どうした…? 故障か……? 仕方ねえ… やり直しだな」
一条「待てっ…! やり直しは認められない。今のは一回分の福引券を使ったとみなす……!」
ざわ…
カイジ「なにをいってやがるっ、玉が出なかったじゃねえかっ…! 無効だ」
一条「ククク… よく注意書きをよめ
【福引券一枚につき抽選機を一回まわせます】 だっ……!」
カイジ「な、なに……? それじゃあ、まさか……」
一条「玉が出る出ないは関係ない。まわしたからには一回終了っ…!」
抽選機を確認したカイジは、そこで驚くべきものを目にするっ…!
抽選機の穴に詰まっているのだ……
ショコラが… マカロンが…… フルーツタルトがっ……!
85 :以下、
カイジのしかけたガム作戦が仇となった……
除去しきれなかったガムにカイジの食べかすが次々と付着っ…!
抽選機を封印……!
菓子たちは食べられはしたが… ただ死んだわけではなかった…!
同時に討っていたのだ… カイジをっ……!
カイジ「ダメ…… こんなのダメだ…… 菓子を取り除かないと……」
一条「できませーん…! レベー以外に触れるのは禁止っ… やぶれば即座に退場っ……!」
ぐにゃあ?
一条「さあガラガラをまわして下さい。玉が出る可能性は残っている…!
我々はその姿を心から応援するものです……!」
87 :以下、
ガラガラッ
……し?ん
ガラガラッ
……し?ん
ガラガラッ
……し?ん
ガラガラッ
……し?ん
ガラガラッ
……し?ん
ガラガラッ
……し?ん
ガラガラッ
……し?ん
勢いをつけてまわすものの…
突破口は開かれず……
ついにカイジの福引券はあと一枚となった……
89 :以下、
カイジ「頼むっ… もう出てもいいころだろ……!」
ガラガラッ
コロッ
カイジ「来たっ……! しかも… 黄色っ……! 金玉だっ」
一条「ぐっ、ばかなっ…… こんなクズに金玉などっ……!」
91 :以下、
麻衣「金玉じゃないよ…? 白だよ」
黄色に見えたのはタルトの破片……
つかの間見えた金玉は闇にとけて消えた……
ぐにゃあ?
最終戦果……
菓子詰め合わせ×2
ティッシュペーパー
こうしてカイジの福引挑戦は幕をおろした……
94 :以下、
その後……
麻衣「つぎはまいたちの番だねっ」
黒沢「おお… がんばろうっ…!」
ガラガラッ
――黒っ
ざわ…
麻衣「やったあ! おじちゃん、黒だよっ!」 ざわ…
黒沢「うーむ… 一発で特賞とは……!」
ざわ…
客A「よかったなあー。福引券はおとしちゃったけど、神様はちゃんと見てくれてたんだなっ」
102 :以下、
興奮に包まれる福引会場…!
が、むろん偶然黒玉がでたわけではない……
一条が福引機の調整をするフリをして黒玉を仕込んだのだ……!
カイジに十二枚もの福引券を奪われた女の子に喜んで欲しかった……
バレれば今の仕事をクビにされかねないリスク…!
がっ… それでもかまわないっ……!
一条は腹をくくっていた… これを不正というなら言えっ……!
一条(だれも気付いてない… か……?)
その時、カイジと目が合う…
その目は雄弁に語っていた…!
「おまえの不正、オレはみたぞっ…!」 と……!
一条(ぐっ、しまった…… よりによって… カイジに……!)
107 :以下、
カイジ「(ボソッ)心配するな… 訴えたりしねえよ…… おれにもホンの少し責任があるしな……」 キラッ
一条「カイジ……!」
笑顔で立ち去るカイジ……
カイジ「クク… 人助けをするってのも悪くねえな… 来年はきっとオレにもいいことがあるだろ……」
カイジ、満足感をいだきながら夜の街に消える……
108 :以下、
109 :以下、
113 :以下、
黒沢「おめでとう。家族旅行、楽しんでいってくれ」
母親「あの… うちは三人家族なんです…… 賞品は四人分ですから…
よかったら、黒沢さんもご一緒にどうですか…?」
黒沢「お、オレ? い、いや、おれなんかが行って家族の団欒をじゃまするわけにはいかねえよっ」
母親「でも、もともと黒沢さんの券で当たったものですし……」
麻衣「おじちゃん、まいたちといっしょにいこ?」
仲根「兄さん、おれも正月はハワイに行く予定だったんですよ
むこうで家族のじゃまになりそうになったら、俺と遊んでればいい… いきましょうよ」
黒沢「仲根… そうか… ならっ…… いくか……! ワイハっ……!」
麻衣「わーいっ」
―― 十年後、この女の子と黒沢は結婚することになる…
が…… それはまたべつの話……
商店街堕天録カイジ「この紙きれは……?」 了
118 :以下、
119 :以下、
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2014/02/16(日) 12:29:39コメント(1)ユーザータグ カイジ -->
コメント
※107916 :-:2014/02/16(日) 12:39:24カイジクズすぎるwwww
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