姫「お父様が“裸の王様”なら、私は半裸で勝負!」back

姫「お父様が“裸の王様”なら、私は半裸で勝負!」


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1:
< 城 >
国王「どうだ、ワシは全裸か?」
大臣「はい、みごとな全裸でございます」
大臣「もし、陛下が全裸でないというのなら」
大臣「もはや全裸という言葉は辞書から消えるしかない、というほどに全裸です」
国王「うむ……それほどにワシは全裸か」
国王「では行ってくる」ザッ…
大臣「行ってらっしゃいませ」
姫「…………」
姫(お父様は週に一回、必ず城下町を巡回する)
姫(国民の生活ぶりを自分の目でたしかめるために……)
姫(……全裸で)
英雄*戦姫GOLD
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2:
露出狂が治める国とかどうなのよ
3:
< 城下町 >
国王「フンフ?ン」
国王(うむ……今日も町は活気にあふれておるな)
国王(商人や職人は生き生きと働き、女性は買い物や噂話に花を咲かせ)
国王(子供たちは元気に町を走り回っている……)
国王(こうして町を全裸で歩いていると──)
国王(国民の活気を、肌で感じることができる!)
国王(なんという快感……! なんという高揚感……!)
国王(ワシは今、とても幸福だ……)
5:
子供「王様のおちんちん、ちっちゃ?い。ボクと同じぐらいだ!」
母「これ!」バシッ
国王「ほほう、なかなか正直な子供だ」
母「申し訳ありません!」
国王「いや、かまわぬ。その正直さに免じて……10ポイントッ!」ババッ
子供「やったぁ!」
国王「もし100ポイント溜まったら、城に来なさい」
国王「素敵な景品と交換してあげよう」
母「ありがとうございます……!」
子供「わぁ?い!」
8:
青年(100ポイントで景品か……だったら俺も……)ニヤッ
青年「王様、おちんちん小さいですね!」
国王「むっ!」ギロッ
青年「えっ!?」ギクッ
国王「二番煎じは感心せんな……マイナス10ポイントッ!」ババッ
青年「ええっ!?」
国王「もしポイントがマイナス100ポイントになってしまったら、城に来るがいい」
国王「微妙な粗品と交換してあげよう」
青年「ははーっ! 恐れ入りましたっ!」ガバッ
9:
姫どこ行った
10:
ちょっとだけセンスを感じる
11:
< 城 >
国王「ただいま」
大臣「お帰りなさいませ、陛下」
大臣「いかがでしたか、城下町は?」
国王「なかなか活況だったぞ。この国のさらなる発展を予感させてくれた」
大臣「それはようございました」
国王「ではさっそく、この格好のままで本日の政務にとりかかる」
国王「政務室に、重臣たちを集めよ!」
大臣「ははっ!」
13:
< 政務室 >
国王「──うむ、予算についてはこんなところであろう」
国王「なにか報告がある者はいるか?」
大臣「……陛下、隣の帝国が軍備を整えているとの情報が入っております」
大臣「新しい将軍を軍に迎えたとも……」
国王「なに?」
国王「ふう?む、我が国と帝国は現在のところ、関係は良好だが……」
大臣「しかし、帝国はつい先日、皇帝が代替わりしたので」
大臣「これを機に方針を転換する可能性もあります」
国王「ふむ、新しい皇帝はまだ若い。たしかまだ、姫と同じぐらいの年齢だったはず」
国王「権力を手にしたことで我が国に対し、野心を持ってもおかしくはないな……」
国王「分かった。警戒を怠るな、大臣!」
大臣「はっ!」
14:
ギィィ……
姫「お父様!」
国王「おお、娘よ。いったいどうしたのだ?」
姫「質問があるの」
国王「なんでもいってごらん」
姫「お父様……お父様はなんでいつも全裸なの?」
国王「!!!」
大臣(おお……いつだったか詐欺師に騙されて以来、全裸に目覚めた陛下……)
大臣(もはや陛下の全裸に突っ込む者は私を含めいなくなっていたが)
大臣(まさか、今さら実の娘である姫様がご指摘されるとは!)
大臣(さァ……どう答える、陛下!?)
国王「…………」
15:
国王「愚問だな……娘よ」
国王「王というのは卑屈であってもならぬし、虚勢を張ってもならぬ」
国王「ありのままでなくてはならない」
国王「ゆえに全裸なのだ!」
国王「これほどありのままなファッションは他にあるまいッ!」
姫「…………」
国王「それに、王というのはいうまでもなく非常に多忙だ」
国王「しかし、全裸であれば服を着替える必要がなくなる」
国王「その時間を国民を想う時間に回せるというわけだ」
国王「ゆえに全裸なのだ!」
国王「全裸こそ王、王こそ全裸! 全裸はキング・オブ・ファッションなのだッ!!!」
16:
姫「ふうん……」
姫「でも恥ずかしくはないの?」
国王「全然」
姫「そんなに小さいおちんちんなのに?」
国王「娘よ、お前はここから出てきたのだぞ? むしろこれはワシの誇りだ」
姫「風邪ひくかもよ?」
国王「バカは風邪をひかぬと相場が決まっておる」
姫(たしかに……お父様は風邪をひいたことがない)
17:
姫「お父様、全裸の素晴らしさ……よく分かったわ!」
国王「うむうむ、分かってくれたか。ワシは嬉しいぞ」
国王「去年、自分探しの旅に出た我が妻である王妃も、きっと喜んでくれるであろう」
姫「だから──」
姫「私も全裸になるわ!」
国王「ならんッ!」
18:
クソワロタ
19:
姫「なぜ!?」
国王「決まっておろう……全裸の希少価値が下がるからだ!」
国王「なぜ、ダイヤモンドが高価なのか分かるか? 貴重だからだ!」
国王「なぜ、王が偉いか分かるか? 一人しかないからだ!」
国王「もしダイヤが大量にあったり、王が沢山いたりしたら、価値は大暴落だ!」
国王「もしお前まで全裸になったら、単純計算でワシの値打ちは半額になる!」
国王「全裸はワシ一人で十分! ワシ以外にいてはならんのだ!」
姫「まあ、ひどい! まるで独裁者ね!」
国王「なんとでもいうがよい!」
姫「ぐぬぅ……」ギリッ…
22:
姫「じゃあ許してくれなくていいわ。私、勝手に脱ぐから!」シュル…
国王「遅いっ! 大臣、新たな法律を制定せよ!」
国王「“国王以外の者、公共の場で全裸になることを禁ず”とな!」
国王「な、いい考えだろう? 実にいい考えだ! よし、決定!」
大臣「はっ、制定いたしました!」バババッ
国王「ナイス!」グッ
姫「ずっ、ずるい……自分ばっかり……」グスッ
姫「お父様なんか大嫌いっ!」タタタッ
国王「……大臣、ワシは間違っているのだろうか?」
大臣(……私に聞かれても困る)
23:
< 姫の部屋 >
姫「ただいまっ!」
執事「おやおや姫様、ずいぶんご立腹ですのう。顔に青筋が立ってますぞい」
メイド「ヒヒッ……どうされました?」
姫「聞いて、二人とも! お父様ったらひどいのよ!」
姫「私が全裸になろうとしたら、ダメだっていわれたの! ひどいでしょ!?」
執事「なんですとォ!?」
メイド「そりゃひどいですねえ……イヒヒヒ……」
24:
半裸のが好き
25:
姫「私、どうすればいいの!?」
執事「クレーターじゃ! この三人でクレーターを起こしましょうぞ!」
メイド「クーデターの間違いでしょ、おじいちゃん」
執事「はうっ!」
姫「じいや、クーデターは最後の手段にしておきたいわ」
姫「メイド、なにかある?」
メイド「そうですねえ……ヒヒッ」
メイド「全裸がダメなら、半裸という手もありますねえ……」
姫「!」ハッ
姫「そうよ、それだわ!」
姫「お父様が“裸の王様”なら、私は半裸で勝負!」
29:
姫「というわけで、さっそく上半身だけ脱ぐわ!」バサッ…
メイド「いさぎよい脱ぎっぷりですねぇ?」
姫「ありがと、メイド」
姫「じいやは男のくせに、私の半裸を見てもなんの反応もないわけ?」
執事「ほっほっほ、ちゃんと反応しておりますぞ」ムクムク…
姫「へえ、じいやもまだまだ若いのねぇ?」
メイド「おじいちゃんは今も、たまにおばあちゃんとプロレスごっこしてますから……」
執事「余計なことをいうでないわ、この根暗孫め!」
メイド「ヒヒヒッ」
30:
姫「でも、これじゃ乳首が丸見えだわ」
姫「首は急所、すなわち乳首も急所よ。どうにかして隠したいわね」
メイド「だったら……胸にサラシを巻きましょう」シュル…
メイド「こうして、こうして、こうすれば……」グルグル…
メイド「ほら、完璧です……ヒッヒッヒ」
姫「おお……これは素晴らしいわ! 胸をいい具合に圧迫されて、胸キュンって感じ!」
姫「半裸こそまさに、プリンセス・オブ・ファッションだわッ!!!」
執事「サラシを巻いたことで、かえってエロさが増しておりますのう」ブッ…
メイド「おじいちゃん、鼻血拭いてね」サッ
姫「よっしゃあ! じゃあさっそく、お父様のように町を歩くわよ!」
姫「メイド、じいや! ついてらっしゃい!」ババッ
メイド&執事「はぁ?い」
31:
男前な姫だな
32:
< 国王の間 >
国王「……ほう」
国王「娘が、半裸になって町へ……?」
大臣「いかがいたしましょう?」
国王「放っておけ。半裸ならば、法律違反というわけでもないしな」
大臣「かしこまりました」
国王「あやつも……成長したものだ」
大臣(間違った方向にね……)
国王「ん、鼻の下が冷たいな」タラ…
大臣「鼻水がたれてますよ、陛下」
33:
< 城下町 >
姫「フンフ?ン」
ザワザワ……
「おお……!」 「姫様だ!」 「下はスカートで、胸にサラシを巻いてる!」
「ワイルドだなぁ」 「すごくかっこいいです!」 「ステキ?!」
姫(ウフフ……)
姫(みんなの注目が、さらけ出した肌に突き刺さるわ)
姫(心地いいわぁ……)
メイド「イヒヒ……おじいちゃん。姫様、嬉しそうだね」
執事「生き生きしとるのう……まるで水を得た魚のようじゃ」
34:
姫「おじさん、アイスちょうだい」チャリン…
店員「あいよ!」
姫「はい、メイドとじいやの分」スッ
メイド「ヒヒ……どうも」
執事「かたじけないですじゃ」
姫「半裸で食べるアイス……悪くないわね」モグモグ…
メイド「冬に食べるアイスっておいしいですもんねえ」ペロペロ…
執事「夏に食べる鍋もうまいぞよ」ベロンベロン…
36:
wwwwwwwwwww
この国にまともな奴はいないんおか!?!??!!!w
37:
王様で慣れたんだろうな
38:
すると──
ザワザワ…… ドヨドヨ……
姫「あら?」
メイド「ヒヒッ、どうやらあっちでなにか事件があったようですねぇ……」
執事「しかも……あまりいい事件ではなさそうじゃな」
メイド「どうします?」
姫「行くっきゃないでしょ! 名を上げるチャンスだわ!」ダッ
執事「ほっほっほ、お元気なことじゃ。若い頃の陛下を思い出しますなぁ」
39:
姫「どうしたの!?」
町民「あっ、姫様! ……山賊が町にやってきたんです!」
姫「なんですって!? いったいどんな悪事を働いているの!?」
町民「採ってはいけないはずの高山植物を、皆に見せびらかしているんです!」
姫「なんですって!?」
頭領「これはコウザンアサガオだ! どうだ、羨ましいだろう!?」
「ちくしょう……!」 「なんて奴だ!」 「俺も欲しい……」
頭領「ハハハッ、ざまあみやがれ! さてお次は──」
姫「そこまでよ!」ザッ
頭領「む……アンタは姫!? なんで半裸なんだ!?」
姫「それは私が姫だからよ!」
40:
山賊キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
41:
姫「あなたたちの悪事はお城にも届いてるわ……」
姫「高山植物を採る! 山で登山者に会っても挨拶しない! 木に立ち小便する!」
姫「頂上に積んであるケルンを蹴る! 紅葉狩りとかいってホントに紅葉をむしる!」
姫「遭難者に板チョコと見せかけて固形のカレールーを渡す!」
姫「──許せないッ!」
頭領「だったら、どうするというんだ?」
姫「今日ここでやっつけてやるわ!」
姫「“半裸の姫様”の名にかけて!」
頭領「面白い……姫の実力、見せてもらおうか!」
メイド「イヒヒッ、“半裸の姫様”なんて誰も呼んでないよねぇ」
執事「ま、異名や二つ名なんてもんはだいたいそんなもんじゃ」
42:
頭領「みんな、剣を抜け! 相手が姫だからって容赦するな!」チャキッ
「へいっ!」チャキッ 「もちろん!」チャキッ 「泣かせてやりますよ!」チャキッ
頭領「姫様よ、手ぶらでいいのかい?」
姫「執事、あれをちょうだい」
執事「どうぞ」サッ
頭領(……スプーン!?)
姫「あいにく私、スプーンより重いものを持ったことがないの」
姫「だからこれで相手するわ!」
山賊A「ふざけんな! スプーンで何ができ──」ダッ
姫「むんっ!」シュッ
ズボッ!
山賊A「げほっ……!」ドサッ…
メイド(スプーンをノドに突き刺した。えげつないねえ……)
45:
ズボッ! ドスッ! ドッ!
「ぐえっ!」ドサッ 「ぎゃあああっ!」ドザァッ 「ひぃぃっ!」ドッ
山賊B「くそっ、剣がスプーンなんかに負けてたまるか!」ブンッ
姫「土をスプーンで掘って……プレゼント!」パサッ…
山賊B「うわっ、目に入った!」ゴシゴシ…
姫「そこっ!」シュッ
ドズッ!
山賊B「ぐわっ……!」ドサッ…
執事(土で視界を奪い、スプーンでミゾオチに突き! おみごとですじゃ!)
姫「さらに──」グイッ
頭領「う、うわぁぁぁっ!?」
ドガァンッ!
メイド「スプーンで人間を持ち上げて投げ飛ばすなんて、姫様らしいねえ」
執事「一国の姫にふさわしい、実にエレガントな攻撃じゃ!」
46:
銀の匙(物理)
http://www.amazon.co.jp/dp/4091245749/
47:
そして──
頭領「ま……参りましたァ!」ガバッ
姫「反省してるようだし、許してあげるわ」
メイド「人に頭下げられるってのは……気分がいいねぇ?」ニタァ…
執事「同感じゃ」ニタァ…
姫「でも……ここで野放しにしたら、また何かやらかすかもしれないわ」
姫「──というわけで、あなたたちは私の親衛隊に任命するわ!」
姫「ね、いい考えでしょ? 実にいい考えだわ! よし、決定!」
頭領「ははーっ! 心を入れ替えて、全力で姫様をお守りします!」ガバッ
姫「あなたは今日から親衛隊隊長よ、頑張ってね」
メイド「おじいちゃん、守る対象より弱い親衛隊って意味あるの?」
執事「ほっほっほ、捨て駒ぐらいにはなるじゃろ」
49:
< 姫の部屋 >
姫「やったわ! 城下町は『半裸の姫様が山賊を成敗する』のニュースで持ち切りよ!」
メイド「イヒヒ……やりましたね」
執事「ほっほっほ、初日から絶好調ですなぁ」
隊長「自分がやられたニュースなのに、なぜだか誇らしいですね!」
姫「ありがと、みんな」
姫「さあ、これからもバンバン半裸の姫様を売り込むわよ!」
< 国王の間 >
大臣「お聞きになられましたか? 山賊退治のニュース……」
国王「うむ……どうやらワシもうかうかしてはおれんようだな」クシュンッ
52:
しかし、その頃──
< 帝国城 >
皇帝「将軍!」バサッ…
甲冑将軍「お呼びでしょうか、皇帝陛下」ガシャンガシャン…
皇帝「時は来た」
皇帝「もうまもなく、我が帝国軍は隣の王国に侵攻を開始する」
皇帝「指揮は将軍、あなたにお任せしよう」
甲冑将軍「了解いたしました」ガシャ…
皇帝「王国の姫には大きな借りがあるからな……」
皇帝「今こそ、ぼくの実力を思い知らせてやる!」
皇帝「帝国の威信と、この幾枚も重ねて身につけたマントにかけて!」バササッ…
54:
一週間後──
< 姫の部屋 >
姫「盗賊退治に、炊き出し、農作業のお手伝い……いっぱいやったわ。半裸で」
姫「この一週間で、だいぶ私の評判も上がったわね!」
メイド「姫様がお喜びになると、私もメイドとして嬉しいですねえ……ヒヒ」
執事「ワシも執事として鼻高々ですじゃ」
隊長「親衛隊長として光栄であります!」
姫「でも、気をつけないとね」
姫「“ハンラーハンター”に目をつけられるかもしれないわ」
メイド「なんです? ハンラーハンターって」
姫「この世のどこかにいるといわれる……伝説の半裸ハンターよ」
姫「狩るか狩られるか……楽しみだわ」
メイド「絶対いないよねえ」ボソ…
執事「姫様は毎年のサンタも、ワシの変装じゃとまだ気づいておらんしのう……」ボソ…
55:
すると──
バタバタ…… ガヤガヤ……
姫「あら、城内が騒がしいわね。どうしたのかしら?」
大臣「こちらも兵を出して応戦せねば……」ブツブツ…
姫「大臣、なにかあったの?」
大臣「大変です、姫様!」
大臣「つい先ほど、30万もの帝国軍が国境を突破したとの報告が!」
姫「なんですって!?」
姫「突破されたってことは、国境の兵士はどうなったの!?」
大臣「全員、体中に鼻くそをつけられる“人間チョコチップ”の刑にされたそうです」
姫「なんてひどいことを……!」ギリッ…
56:
色んな意味でひどい
57:
大臣「今から重臣たちで緊急会議を開くところですが……」
姫「会議なんて開いてる場合じゃないわ! お父様はどうしたの!?」
大臣「前々から兆候はあったのですが……ついに風邪でダウンされました」
姫「んもう、こんな時になにやってるのよ! バカなんだから!」
姫「いや、風邪をひいているということはバカじゃないか」
大臣「とにかく、姫様はすぐお逃げ下さい!」
姫「イヤよ! こうなったら……帝国軍は私たちで迎え撃つわ!」
大臣「ワオ!?」
メイド「私“たち”ってことは……私らもメンバーに入ってるんだろうねえ」
執事「じゃろうな」
隊長「まさか親衛隊になって一週間で、帝国軍と戦うはめになるなんて……」ガタガタ…
半裸の姫様、出陣──
58:
< 王国領 >
ザッザッザッ……
皇帝「将軍、国王のいる城までは、あとどのぐらいだ?」
甲冑将軍「あと半日といったところかと……」
皇帝「この辺りの地理には詳しいのか」
甲冑将軍「ええ、お任せ下さい」
皇帝「フフフ……あの姫が目を丸くするさまが目に浮かぶようだ」
皇帝「さぁ、急ごう」グイッ
白馬「ヒヒィ?ン」ブルルッ
帝国兵(まだ若いのに父君に代わって帝国トップとなった皇帝陛下と)
帝国兵(誰も素顔を知らない凄腕の甲冑将軍……)
帝国兵(こりゃあ……帝国に新たな時代がやってくる予感がするぜ……)ゴクリ…
59:
ザッ……!
姫「待っていたわ!」
メイド「ヒヒッ、お待ちしておりましたぁ……」
執事「ここから先には行かせんぞい!」
隊長「ま、待っていたぞ……帝国軍!」ガタガタ…
皇帝「む!? ──まさか、姫!?」
甲冑将軍「あら……」
帝国兵(半裸だとッ!?)
61:
皇帝「これはこれは、姫自らやってきてくれるとはね……しかも半裸で」
姫「半裸の姫様よ。ちゃんと覚えておきなさい」
皇帝「覚えておくよ」
姫「そっちこそ、昔はよく遊んだ仲だけど、ずいぶん偉くなったじゃない」
姫「一人だけ、そんな上等な白馬に乗っちゃってさ」
皇帝「父上が腰痛で皇帝を辞めたからね……今ではぼくが帝国皇帝だ」バササッ…
姫「それにいくらなんでもマントつけすぎよ! いったい何枚つけてるのよ!」
皇帝「マントとは高貴の証。皇帝たるぼくなら、これぐらいつけて当然だろう?」
皇帝「これぞ、エンペラー・オブ・ファッションッ!!!」バササッ…
姫「むう……やるじゃない」
62:
皇帝「……で、まさか、たった四人でこの30万を止める気かい?」
姫「そうよ。この親衛隊長がね! さあ、ファイト!」
隊長(マ、マジですかァ?!?)
メイド「イヒヒ……頑張れ」
執事「お前、すっごい楽しそうじゃのう。ワシも楽しいけど」
隊長「山賊生活で鍛えたパワーで勝負!」ダッ
帝国兵「来い!」チャキッ
王国帝国戦争、勃発──
63:
隊長「や、やられました……」ボロッ…
姫「もう終わったの!?」
皇帝(なんて早さだ……信じられない!)
甲冑将軍「3.52秒……世界最記録更新ですね」
姫「それじゃ、私が出るしかなさそうね」ズイッ
皇帝「へえ、もう君が出てくるのかい」
姫「だって、親衛隊を守るのが姫の務めですもの!」
隊長「ひ、姫……」グスッ…
65:
皇帝「だけど、君一人でどうやってこの30万を食い止める気だい?」
姫「あら……皇帝陛下ともあろう者が、そんな弱い者いじめをする気?」
皇帝「え?」
姫「下はスカート、上は胸にサラシを巻いただけの私に、30万をけしかける気?」
皇帝「ぐぬぬ……」
甲冑将軍「安い挑発です。乗ることはないかと」
皇帝「将軍、ぼくがなぜ白馬に乗っているか知ってるかい?」
甲冑将軍「馬が好きだからでは?」
皇帝「ちがうよ……ぼくはなにかに乗るのが好きなんだ」バササッ…
皇帝「だから、挑発にも乗るッ!」スタッ
甲冑将軍「さすがです、皇帝陛下」
執事「“半裸の姫様”VS“マントの皇帝様”! こりゃ女房を質に入れても見ねば!」
メイド「あとでおばあちゃんにいいつけちゃお……」ヒヒッ
67:
姫様に乗るのか
68:
皇帝「君とぼくとで、一対一だ」バサッ…
皇帝「ぼくはね、ずっと君と対決したかったんだ」
姫「どうして?」
皇帝「子供の頃、ぼくと君は国同士の会議で会うたびによく遊んでいたけど」
皇帝「ぼくはいつもいじめられ、泣かされていた……」
姫「まさか、この国に攻め込んだのは……」
皇帝「そう、君にあの時の借りを返すためだ!」バサッ…
メイド「でかい国の皇帝のわりに、やることが小さいねぇ?」
執事「世の中そんなもんじゃろ」
姫「うん、その小ささや良し! この勝負、受けてあげるわ!」
皇帝「それでこそ君だ!」
69:
甲冑将軍「ではこの勝負、この私が仕切ります!」バッ
皇帝「頼んだよ、将軍」
皇帝「いっておくが、贔屓などはしないでくれよ」
甲冑将軍「無論です」
甲冑将軍「では此度の二人の一騎打ち、“ダジャレ”にて勝負を決するものとします!」
姫(ダジャレ!?)
皇帝(ダジャレ!?)
帝国兵(ダジャレ!?)
隊長(ダジャレ!?)
メイド「ダジャレをいったのは?」
執事「誰じゃ?」
メイド「イェーイ」パシッ
執事「イェーイ」パシッ
71:
平和だな
72:
ウェーイwwwwwwwwww
73:
メイドがいつに無く明るい
74:
甲冑将軍「先攻は皇帝陛下、後攻は姫君ということでよろしいですね」
皇帝「ああ、かまわない。先手必勝だ!」
姫「いいわよ」
甲冑将軍「では、皇帝陛下……“皇帝”でダジャレを一つ作っていただきましょう」
皇帝「分かった」
皇帝「…………」
皇帝「“皇帝が校庭で遊んだ”」バササッ…
オォ?……!
メイド「イヒヒ……やるねえ?」
執事「ふむ、なかなかじゃのう。少々あなどってたわい」
甲冑将軍「では続いて姫君──」
姫「ちょっと待って」
皇帝「ん?」
姫「今のダジャレの意味を、きちんと説明してちょうだい」
ザワッ……!
76:
皇帝「説明……だって……!?」
姫「そうよ」
ザワザワ…… ドヨドヨ……
メイド(ギャグの意味を説明させるだなんて……なんて残酷な!)
執事(ワシまで胃が痛くなってきたわい……!)キリキリ…
皇帝「わ、分かった……説明しよう」
皇帝「今のは“皇帝”と“校庭”という」
皇帝「同じ“こうてい”という音を持つ、二つの単語を使って作ったダジャレなんだ」
姫「ちなみに……どこの校庭で遊んでいたの?」
皇帝「え!? そりゃ学校だよ……」
姫「あなたの国って皇帝はお城で教育を受けるから、学校に通わないはずだけど」
皇帝「そ、それはその……えぇっと……」オロオロ…
帝国兵(皇帝陛下……今にも泣きそうだ! おいたわしや……)
78:
「頑張れっ!」 「皇帝陛下、ファイトーッ!」 「負けるなぁっ!」
「泣いちゃダメだ!」 「まだいける!」 「我々がついてます!」
皇帝(そ、そうだ……! ぼくには30万の軍勢がついてるんだ!)
皇帝「たしかにぼくは学校には通わなかったけど……」
皇帝「そういう現実との相違点はダジャレだから、で納得してもらうしかないッ!」バサッ
姫「!」ドキン…
オォ?……!
姫「へぇ、あの泣き虫が成長したわね。今のはちょっぴり心に響いたわ」
皇帝「ありがとう……!」
甲冑将軍「では後攻! 姫君、“姫”でダジャレを作ってもらいましょうか!」
姫「分かったわ」
姫「…………」
80:
姫「“姫がひめった”」
シ?ン……
皇帝「!」ハッ
皇帝「姫……今のダジャレの説明をしてもらおうか、説明を!」
姫「説明する必要──無しッ!!!」
皇帝「うぐぅっ!?」
皇帝「わ、分かった……認めよう……」
甲冑将軍「よろしいんですか?」
皇帝「かまわない……!」
メイド「すごい力技だねぇ……」
執事「ほっほっほ、あれこそ姫様じゃわい。お前もよく覚えておくんじゃぞ」
84:
甲冑将軍「では皇帝陛下、ダジャレをどうぞ」
皇帝(“皇帝が肯定する”ってのはありきたりだから……少し工夫しよう)
皇帝「“皇帝はコーヒーに茶を混ぜた飲み物が好きらしいよ”」
皇帝「“名前はコーティーっていうんだって”」バササッ…
オォ?……!
姫「…………」
皇帝「説明すると、コーヒーとティーを合わせて皇帝ならぬコ──」
姫「説明しなくていいわ」
皇帝「え、ホント!?」
姫「その代わり、飲みなさい」
皇帝「え」
姫「コーティーとやらを飲みなさい、今すぐにッ!」
皇帝「は、はいっ!」
87:
帝国兵「とびっきり苦い緑茶を、とびっきり苦いコーヒーに混ぜました」
皇帝(よりによって緑茶とは……しかも、量が多い!)
帝国兵「どうぞ」スッ…
皇帝「いただきます」ゴクッ…
皇帝「う!」
皇帝(うおっ……二つの苦みがクロスしたすごい味だ! ──だけど全部飲む!)グビッ
皇帝「全部飲みました!」プハァッ
オォ?……!
姫「えらいわ、合格よ」ニコッ
皇帝「ありがとう……!」
甲冑将軍「では次は姫君の番です」
姫「分かったわ」
88:
姫「“姫がひめった”」
シ?ン……
皇帝「え、さっきと同じ──」
姫「姫がひめった」
皇帝「いやだから、さっきも同じネタを──」
姫「姫がひめったッ!!!」
皇帝「!!!」
ガーンッ!
皇帝(な、なんてド迫力……!)ヨロ…
皇帝(やっぱり……こうなることは最初から分かってたよ)フラッ…
皇帝(君はぼくなんかが勝てる相手じゃないってことは……)ガクッ…
91:
? 回想 ?
幼皇太子『うわぁっ、ヘビに噛まれちゃったよぉ?!』
幼姫『そんな毒もない子供ヘビなんかにビビってんじゃないわよ、泣き虫!』ポカッ
幼皇太子『うえぇ?????ん!』
幼姫『もう……しょうがないんだから』
幼姫『ヘビはこうやって首根っこをつかまえちゃえばいいのよ!』ムンズッ
幼皇太子『あ、ありがと……』
幼姫『いいってことよ!』ニコッ
?
皇帝(君はいつもぼくをいじめてたけど、いつも助けてくれた)
皇帝(やっと思い出せた……あの頃の気持ちを……)
皇帝(ぼくは君のことが──)
92:
皇帝「ぼくの……負けだ」
姫「へ?」
皇帝「ぼくはこれ以上、この国と──いや、君と戦えない」
皇帝「みんな、この戦争……我が帝国の負けだッ!」
ワアァァァァァ……!
「お気になさらず!」 「皇帝陛下もよく頑張られました!」 「ドンマイです!」
パチパチパチパチパチ……!
皇帝「みんな……」グスッ…
執事「ついに決着がついたのう……姫様の勝利じゃ!」
メイド「……にしても、なんであんなに人気あるんだろ、あの皇帝」
帝国兵「国内では優秀な為政者なんだよ、皇帝陛下は」
メイド「スケールのでかい内弁慶だねぇ……」
94:
皇帝「ぼくはずっと君に勝ちたかった……」
皇帝「君に認められたかった……」
皇帝「父が引退して皇帝になった時、ぼくはやっと君に並ぶ力を得たと思った」
皇帝「こうしてマントを何枚も身につけることで、自信はさらに高まった」バササッ…
皇帝「だけどぼくは……結局皇帝になっても君に勝てなかったね」
皇帝「煮るなり焼くなり……好きにしてくれ」
姫「…………」
姫「ねえ、子供の頃、なぜ私があなたをいじめてたか分かる?」
皇帝「そりゃあ、ぼくのことが嫌いだからだろう?」
姫「ちがうわ……ちがうのよ!」
皇帝「え?」
95:
? 回想 ?
幼姫『このヘビ、どうしようかしら』ギュウ…
幼姫『引きちぎっちゃう?』
幼皇太子『かわいそうだよ! 逃がしてあげよう!』
幼姫『えぇ?? だって噛まれたんだから、リベンジしなきゃ』
幼皇太子『いやいいんだ……もう痛くないから。だから逃がしてあげてよ』
幼姫『分かったわ』
幼皇太子『あ、でも……噛まれたおかえしに鼻くそつけとこう』ピトッ…
?
姫(私は……大帝国の後継ぎらしからぬ、あなたの優しさと小ささに惹かれてたの)
姫(だから……ついついいじめちゃったの。ごめんなさい……)
姫(いや惹かれてただけじゃないわ……)
姫「私は……私は……!」
96:
姫「私は、ずっとあなたのことが好きだったのよ!」
皇帝「えぇ?????っ!?」
甲冑将軍「ほう……!」
メイド「ヒヒヒ……30万の前で告白しちゃったよ。さすが姫様だねえ……」
執事「青春じゃのぉ……若い頃はワシもよく好きな女につきまとったもんじゃ」
隊長「これぞまさしく戦場の恋……!」
帝国兵「しかし、皇帝陛下のお気持ちはどうなんだろう?」
姫「……で、どうなの? あなたは私のこと、好きなの? 嫌いなの?」
皇帝「え……恥ずかしいって」
姫「もう一生分は恥かいたでしょ! 今さらなにいってんの!」
皇帝「た、たしかに……!」
皇帝「ぼ、ぼくも……君が好き、だっ……!」
姫「やったぁ!」
99:
姫「じゃあ、いつ結婚する?」
皇帝「ま、まだ早いよ! ぼくたち一国の皇帝と姫だし……色々と手順を踏まなきゃ」
姫「じゃあ、いつ契る?」
皇帝「もっと早いよ!」
姫「じれったいわね。まぁ、そういう小心者なところが気に入ったんだけどね」フフッ
姫「いずれ私の胸のサラシをほどくのは、あなたよ!」
皇帝「分かったよ……ぼくの手で必ず!」バササッ…
執事「ワシとばあさんも大恋愛じゃったのう……」
メイド「見合い結婚だったって聞いてるけど」
甲冑将軍「ふっふっふ」ズイッ
帝国兵「しょ、将軍!?」
102:
甲冑将軍「成長しましたね、姫」ガシャン…
皇帝「将軍……?」
姫「成長って……いきなりなによ、あなた!」
甲冑将軍「まだ気づきませんか? まぁ、仕方ないことですけれど」カポッ…
姫「あっ……」
王妃「ちょうど一年ぶりですね、姫」
姫「お母様ッ!?」
皇帝「なんだってぇ!?」
103:
姫「どっ……どうして、お母様が帝国の将軍に!?」
王妃「“裸の王様”という自分を見つけた主人に嫉妬して、自分探しに出て──」
王妃「ひょんなことから、帝国で将軍になれって誘われましてね」
王妃「そこで私は“甲冑の王妃様”こそが、自分だと気づいたのですよ」
王妃「そう、これこそクイーン・オブ・ファッションッ!!!」ガシャン…
姫「さっすがお母様!」
メイド「一番大事なところを“ひょん”で済ませちゃったねぇ……ヒヒヒッ」
執事「ワシも浮気がバレた時、ばあさんに使ってみようかのう」
メイド「その日がおじいちゃんの命日になるだろうねえ」
104:
王妃「姫……あなたは私の腕っぷしと主人の奔放さを受け継いでいたから」
王妃「きっと大物になると思っていたけど……」
王妃「まさか皇帝陛下のハートを射抜くなんて……合格ですッ!」ビシッ
姫「ありがとう、お母様っ!」
王妃「皇帝陛下、私は姫とともに国に帰ります。お許しいただけますか」
皇帝「もちろん、いいとも!」
「将軍さようなら?!」 「短い間でしたが楽しかったです!」 「ありがとう!」
王妃「あなたたち、よく姫を守ってくれましたね。ありがとう」
メイド「いえいえ……いいんですよ、イッヒッヒ」
執事「ぶっちゃけ孫としゃべってただけですしのう……」
隊長「すみません、逆に守られました」
姫「じゃあね、皇帝! 今度はデートでもしましょ!」
皇帝「うん……お手柔らかにね」バササッ…
106:
すると──
帝国兵「みごとな戦いだった、姫」ザッ…
姫「ん、あなたはだれ?」
帝国兵「今日は皇帝陛下に免じて身を引くが、いずれ君と俺は戦う運命(さだめ)」
帝国兵「せいぜい腕を……いや半裸を磨いておくことだ」
姫「!」
姫「まさか、あなた……伝説のハンラーハンター!?」
帝国兵「…………」ニヤッ
姫「分かったわ……必ず返り討ちにしてやる!」
帝国兵「楽しみにしているぜ」ザッ…
メイド「いたんだ……」
執事「いたんじゃのう……」
108:
< 城 >
姫「ただいま!」
王妃「お久しぶりね、あなた」
国王「おお、娘よ無事だったか! 妻よ、帰ってきたか! ハーックション!」
姫「風邪がうつるから」
王妃「近寄らないで下さいます?」
国王「そうします」トボトボ…
王妃「大臣もお久しぶりです。失踪してしまってごめんなさい」
大臣「帝国の将軍になっていたとは驚きですが、お元気そうでなによりです」
姫「さあ、これからは“裸の王様”と“甲冑の王妃様”と“半裸の姫様”で」
姫「国を盛り上げていくわよっ!」
王妃「フフフ、そうですね」
国王「ハァーックションッ!」ズルッ…
109:
一週間後──
< 城下町 >
姫「さあ、今日は初デートよ!」
皇帝「いいのかなぁ。ぼく、こないだこの国に軍を率いて攻め込んだばかりなのに……」
姫「いいのよ、王国憲法第一条は『昨日の敵は今日の友』だし」
皇帝「そうなんだ……」
執事「変わっとるじゃろ?」
メイド「ヒヒヒ、変わってるでしょ?」
皇帝「え、ええ(あなたたち二人もね……)」
姫「ところで、“人間チョコチップ”にした国境の兵士にはちゃんと謝った?」
皇帝「帝国銘菓のチョコチップクッキーをお詫びとして手渡したら」
皇帝「喜んで食べてくれたよ」バササッ…
姫「ホント!? よかった」ホッ…
執事「よく食えるのう……便をした後にカレー食うようなもんじゃろうに」
メイド「国境守ってるだけあって、メンタルが強いんだろうねぇ?」
110:
姫「さあ、レッツゴーッ!」ダッ
皇帝「うん!」バササッ…
執事「もちろん、ワシらもついていくぞい」
メイド「ヒヒヒッ……姫様についてくと退屈しないもんねぇ」
隊長「弱いなりに、姫のことをお守りします!」
王妃「あらあら、みんな楽しそうですねえ」ガシャン…
国王「姫と皇帝殿が結ばれれば、王国と帝国の関係はより強固になるな」
国王「あるいはいっそ国ごと合体するのもありかもしれんな。ハッハッハ……」
大臣(お二人の子が生まれたら、どうかまともに服を着る人間に育ちますように……)
? おわり ?
113:
いい話だった
114:
良いキャラたちだったな
117:
是非とも皇帝のキャラを作る行程を知りたい
11

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