龍亞「龍可って好きな奴とかいないの?」back

龍亞「龍可って好きな奴とかいないの?」


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1:
龍可「何よ、藪から棒に」
龍亞「いや、今日クラスメートの女子達と何処のクラスの男子がカッコ良いかとか話してたじゃん」
龍可「やだ、龍亞ったら女の子のお喋りを盗む聞きしてたの?」
龍亞「盗み聞きだなんて人聞きの悪い事言うなよ。教室に居たらたまたま聞こえたんだよ」
龍可「本当かしら?」
6:
龍亞「で、龍可はパティにどんな男子が好きかって聞かれた時、何か誤魔化している風に見えたからさ」
龍可「……たまたま聞こえたわりには随分としっかり聞いている気がするんだけど?」
龍亞「き、気のせいだよ。それでどうなんだよ? 本当に気になる相手とかいないわけ?」
龍可「いないわよ。別に今はそういうの興味ないし……って、どうしてそんな事を龍亞が気にするの?」
龍亞「それはほら、俺って龍可の兄ちゃんだし。双子だけどさ」
龍可「何それ? 意味分かんないよ」
8:
龍亞「本当にいないのか……でも龍可だって何時かは誰かと結婚するんだよな」
龍可「また随分と突飛な話をするのね。するにしてもそんなのまだまだ先の話よ」
龍亞「なあ、龍可。好きな相手が出来たら絶対に俺の所に連れて来いよ。
そいつが龍可に相応しい男かどうか俺が『またぎ』してやるからさ」
龍可「またぎ? えっと……もしかして『目利き』の事?」
龍亞「そ、そうとも言うな」
龍可「一文字もあってないわよ……こんな龍亞に目利きなんて出来るのか凄く不安だわ」
9:
龍亞「そんな事無いよ。これでも俺、人を見る目には定評があるんだぜ」
龍可「はいはい、凄いわね。何処の定評かは知らないけど」
龍亞「だけどやっぱりそんじょ其処等の奴には龍可は渡せないな。
やっぱり俺か、もしくは遊星くらいの相手じゃないと」
龍可「ちょっと、何でそこで遊星の名前が出て来るのよ?」
龍亞「だって遊星くらいの相手なら俺も安心して……ん、あれれ??」
龍可「な、何よ?」
龍亞「龍可、遊星の名前が出た途端、何だか顔赤くなってない?」ニヤニヤ
龍可「べ、別に赤くなんかなってないわよ!///」
13:
龍亞「そうか、遊星か?。確かに遊星カッコ良いもんな、俺だって憧れてるし」
龍可「違うわよ! 龍亞、私の話を聞きなさいよ!?」
龍亞「デュエルも強いし、頭も良いし、Dホイールの腕も抜群だし……これは惚れちゃっても仕方ないよね」
龍可「だ、だから……」
龍亞「もし将来龍可が遊星と結婚したいっていうなら俺、応援するから♪」
龍可「けけけけけけ結婚って!?」
19:
龍可(私と遊星が……結婚?)
…………
カラーンカラーン
ウェディングドレス姿の龍可『遊星……///』
タキシード姿の遊星『おい……結婚しろよ(宮下ヴォイス)』ドン☆
<オメデトーオメデトー
…………
龍可(はわわわわわわ!?!?///)
龍亞(龍可の顔がアキ姉ちゃんのDホイールみたいに真っ赤になってる……)
29:
龍亞「でもこれで納得したな?。遊星くらいカッコ良い男はさすがに学校には居ないもん。
パティにどんな男子がカッコ良いかなんて聞かれても答えられる訳ないよね」
龍可「…………」
龍亞「まあ俺は応援してるからさ、力を借りたい時は何時でも言ってくれよな。
さて、それはそれとして俺そろそろお腹空いちゃったんだけど……」
龍可「……龍亞の」プルプル
龍亞「え?」
龍可「龍亞の馬鹿ぁ!!」
龍亞「うわっ!?」ビクッ
37:
龍可「ふん!」クルッ
龍亞「び、びっくりした?。何だよ、急に大声なんてあげて……って、何処行くんだよ?」
龍可「部屋に戻るのよ!」
龍亞「ちょ、夕飯はどうするんだよ?」
龍可「知らないわよ! 勝手にすれば!!」プンスカ
龍亞「そりゃないよ、俺もうお腹ペコペコなんだからさ……あ、待ってよ! 龍可ってば?!!」アセアセ
42:
夜・龍可の部屋……のベッドの中。
龍可(まったく、龍亞ったら。いきなり変な事言いだすんだから)
龍可(そもそも誰かが気になるとか、結婚とそんなのずっと先の話よ。私まだ子供だもん)
龍可(それに遊星の事だって別に……そりゃカッコ良いとは思うよ?
優しいし、頭だって良いし、デュエリストとしてもとても素敵な人だと思うわ)
龍可(勿論、男の人として見ても……)
龍可「…………」
龍可「……ああ、もう遊星の事考えるの無し! 禁止、禁止令発動!!///」ブンブン
龍可(明日も学校何だから早く寝ないと! あんまり夜更かししてると体調崩しちゃうしね!)
47:
翌朝……
龍亞「38度1分か……久々にやっちゃったな」
龍可「ケホッケホッ! うぅ、最近調子良かったのに……」
龍亞「そうだよな。普通に学校通えてたし、Dボードだって乗れてたしさ。
少なくとも超次元サッカーくらいは出来るまで回復してたと思ったのにさ」
龍可「いや、さすがにあんなサッカーは無理……ケホッケホッ!!」
龍亞「ほら、病人何だからあんまり無理すんなよ」
龍可(きっと変に夜更かししたせいだわ。昨夜はなかなか寝付けなかったから……)
49:
龍可「龍亞、悪いけど学校に行ったら今日は休むって伝えておいてくれない?」
龍亞「何言ってんだよ。龍可の一大事何だから俺も休むに決まっているだろ?
連絡なら電話すれば良いだけの話だしさ」
龍可「駄目よ。龍亞は元気何だからちゃんと学校に行って」
龍亞「フッ、風邪で苦しんでいる龍可を放って学校になんか行けないぜ!」ドヤッ
龍可「……今日、算数の小テストあったよね?」
龍亞「ギクリ!?」
龍可「それと日付と出席番号から考えて龍亞、今日はたくさん当てられそうだよね?」
龍亞「ハハハ、ルカチャンッタライキナリナニヲイイダスノカナー?」
51:
龍可「……龍亞が私の事ちゃんと心配してくれているのは分かるよ?
だけど私、自分の身体の事で龍亞に迷惑掛けたくないの」
龍亞「別に迷惑なんか思ってないよ」
龍可「例え龍亞がそう思ってくれていても私が嫌なの。龍亞はちゃんと学校に行って、お願い」
龍可「大丈夫よ。病気でお留守番するのには慣れっ子だから」ニコッ
龍亞「龍可……」
龍可「だから安心して龍亞は算数の小テストを受けてきなさい。良いわね?」ビシッ
龍亞「……うん」
52:
龍亞「じゃあ俺学校に行くけど何かあったらちゃんと連絡するんだぞ?」
龍可「うん、分かった」
龍亞「薬はきちんと飲むんだぞ。あ、冷蔵庫にインスタントのおかゆがあるから。
チンすれば良いからちゃんと食べるんだぞ」
龍可「大丈夫。知ってるから」
龍亞「もしセールスとか来ても無視すれば良いからな。知らない電話にも出なくて良いから。
あ、それと帰りに何か買って……」
龍可「だから大丈夫だってば。それより早く出ないと遅刻するよ?」
龍亞「あ、本当だ! じゃ、じゃあいってきます」ノシ
龍可「はい、いってらっしゃい♪」ノシ
ドアバタン
53:
龍可「……ふぅ」
クリボン『クリクリ?』
龍可「あ、クリボン? 心配してくれてるの?」
クリボン『クリ?』コクリ
龍可「大丈夫よ。こんな風邪、すぐに治るから」
龍可(少し頭が痛い……早くベッドに戻らなきゃ)ヨロヨロ
56:
龍可「…………」
龍可(何だかとても静か……)
龍可(龍亞が居ないから? 確かに龍亞は1人で3人分くらい騒ぐけど……)
龍可(この静かさは……それだけじゃない気がする)
龍可(そういえば最近は何時も誰かと一緒に居たから、1人になるのは久しぶりだな)
龍可(頭が痛いから、静かなのは良い事のはずなのに……)
龍可(何だか……とっても……寂しい……な……)
龍可「……すぅ、すぅ」
57:
…………
龍可「……んっ……うぅん……」
龍可(あれ、何だかおでこに冷たいものが……気持ち良い)
龍可(龍亞、帰って来たのかな? そんなに寝てたつもりはなかったんだけど……)
龍可「迷惑掛けてごめんね、龍亞……」
遊星「すまない、起こしてしまったか」
龍可「…………」
龍可「……え?」ガバッ
61:
龍可「……ゆ、遊星?」
遊星「ああ」
龍可「…………」
遊星「…………」
龍可「…………」
遊星「…………?」
龍可「ほわああああああああぁぁぁぁ!?!?///」
遊星「!?」ビクッ
66:
龍可「どどどどどどどうして……ケホッケホッ!」
遊星「落ち着け、龍可。ほら、水だ」
龍可「ごくごく……はぁ、はぁ……ど、どうして遊星がここに?」
遊星「龍亞に頼まれたんだ。龍可が風邪を引いたから自分が学校に行っている間、診ていてくれとな。
鍵は龍亞から預かった。驚かしてしまったのならすまない」
龍可(もう、龍亞ったら何でそんな事するのよ。よりにもよって遊星を呼ぶなんて……)
龍可(そりゃ寂しかったから正直嬉しいけど……でも寝てたから髪ボサボサだし、汗も掻いてるし……あ、あれ?
何で私ったら遊星に対して身だしなみなんか気にしてるんだろう?)
遊星「龍可」
龍可「なっ、何、遊星……って、え?」
71:
龍可(ゆ、遊星が、急に顔近づけて来て……え? え?)
龍可(何でそんな真面目な顔で……ど、どんどん近くに……ま、まさか!?)
龍可(だ、駄目だよ、遊星! 私、子供だよ?
こういうのはまだ早すぎるというか……その、あの……)ドキドキ
オデコ・コツン
龍可(……え?)
遊星「ふむ、まだ熱いな」
龍可「…………///」カァァァ
73:
遊星「腹は空いているか?」
龍可「あの、その……あんまり……」
遊星「しかしそろそろ薬の時間だ。何か食べておいた方が良いだろう。
確か冷蔵庫の中にインスタントのおかゆがあるんだったな?」
龍可「う、うん……」
遊星「ならすぐに作ってくる。少し待っていてくれ」
ドアバタン
龍可「…………」
龍可「???///」バンバンバン←枕に顔を埋めてジタバタしてる
82:
龍可(もう、龍亞のせいよ! 昨日、龍亞が変な事言うから遊星を変に意識しちゃうのよ!
おまけにその遊星まで呼んじゃうし!)
龍可(とにかく普段通りに接しないと……遊星にも変だって思われちゃうわ)
クリボン『クリクリ??』
龍可「心配しないで、クリボン。何でもないから」
龍可(風邪が治ったら覚えてなさいよ、龍亞……)
…………
龍亞(大丈夫かな、龍可の奴……まあ、遊星が居るから安心か)
先生「龍亞君、テスト中はよそ見しないの」
86:
遊星「出来たぞ。ほら」
龍可「ごめんね、おかゆなんか作らせちゃって」
遊星「気にするな。作ったと言ってもレンジで温めただけだ。
1人で食べられるか?」
龍可「も、勿論よ!」
龍可(あれ、これってもし1人で食べられないって言ってたら遊星が食べさせてくれたのかな?)
…………
遊星『あ?んしろ、龍可。俺のおかゆはレアだぜ(宮下ヴォイス)』ドン☆
…………
龍可(はわわわわわわ!?!?///)
遊星(今日の龍可は何時もと様子が違うな……風邪を引いているからか?)
91:
食後……
遊星「他に何かして欲しい事はあるか?」
龍可「だ、大丈夫よ。ごめんね、もう特にないから……あ」
遊星「どうした? 何かあるなら遠慮せずに言ってみろ」
龍可「えっと、ちょっと汗で身体がベトベトするなって……」
遊星「分かった。ならすぐに新しいタオルを濡らして来る。
その間にパジャマの上を脱いでいてくれ」
龍可「ふぇ!?///」
99:
…………
龍可「…………///」←上半身裸で布団抱きしめてる
遊星「…………」フキフキ←龍可の背中拭いてあげてる
龍可(ゆ、遊星に背中拭いて貰えるなんて……何で私断らなかったんだろう? さすがにちょっと恥ずかしいなぁ……)
龍可(でも遊星の方は特に何ともない顔で拭いてくれてるし……あれ、何でちょっと複雑な気がするんだろう?)
龍可(だけど嬉しいな。こんな風に誰かに看病して貰えるの何だか久しぶり……)
龍可「…………」
龍可(何喜んでいるんだろう、私……遊星に迷惑掛けてるのに)
106:
龍可「……ごめんね、遊星」
遊星「何がだ?」
龍可「だってもうすぐWRGPが始まるじゃない?
遊星にとって今が一番大事な時なのに……こんな事させちゃって」
遊星「何だか今日の龍可は謝ってばかりだな」
龍可「あ、ごめん」
遊星「また謝ったな」
龍可「うぅ……」
113:
遊星「気にするな。こういう事は遠慮するものじゃない、特に子供はな」
龍可「……子供だって遠慮くらいするもん」
遊星「それでもだ。そもそも大切な仲間が風邪で苦しんでいるなら、手助けするのは当たり前の事だ。
それに龍可と龍亞には何時も世話になっているからな」
龍可「お世話って……私達、特に何もしていないと思うけど?」
遊星「そんな事は無い。お前達は何時も明るい笑顔を俺に見せてくれる」
遊星「苦しい時や辛い時にその笑顔を思い出すと、本当に助けられるんだ。もっと頑張ろうという気になる。
俺はお前と龍亞に会えて本当に良かったと思っているよ」
龍可「遊星……」
118:
遊星「もう一度言うがこういう事に遠慮する必要なんて無い。
それでももし看病される事に何か感じる事があるなら、これは日頃お前達に感謝している俺からのお礼と思ってくれ」
遊星「だから甘えたい事があるなら甘えてくれても良い。
龍可は自分の事を子供だというわりには妙に強がって大人ぶるからな」
龍可「そ、そんな事は無い……と、思うけど……」
龍可「あの、遊星……本当に……」
遊星「謝るのはもう無しにしてくれ。お前は何も悪い事はしていないんだから」
龍可「…………」
龍可「ありがとう、遊星」ニコッ
遊星「……ああ」フッ
121:
…………
遊星「風邪は特効薬が無い。ゆっくり休むのが一番だ」
龍可「遊星はまだ居るの?」
遊星「ああ、少なくとも龍亞が帰ってくるまでは居るさ。だから安心して眠っていろ」
龍可「うん……ねえ、遊星」
遊星「何だ?」
龍可「本当にこういう時……甘えちゃって良いの?」
遊星「ああ」
龍可「なら……手、繋いで欲しいな」
124:
龍可「寝付くまでで良いから……迷惑、かな?」
遊星「……いや、そんな事は無いさ」ギュ
龍可「ありがとう……おやすみなさい、遊星」
遊星「ああ、おやすみ」
龍可(家の中は変わらず静かだった)
龍可(だけど遊星の握る手がとても温かかったから)
龍可(もう寂しくなんて無かった)
おわり
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岡田オリックスってまさに暗黒だったよな

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