追い込まれた真紅はアリスより凶暴だback

追い込まれた真紅はアリスより凶暴だ


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夕方より降りはじめた雪は一晩中やむことなく、記録的な豪雪が桜田ジュン達の住む街を襲った。その翌朝―――
ジュン「…積もったな」
のり「積もったわねぇ」
翠星石「うっひょぉーーーー! 一面の銀世界です! 真っ白ですぅ!」ピョンピョン
雛苺「のりィ! 何センチ!? 今、何センチ?っ!?」ぼふぼふ
のり「テレビじゃ、この地域は20?30cmって言っていたはずなんだけど…」
ジュン「どう見ても、その倍は積もってるな」
雛苺「にゅわわわっ?! 埋まっちゃうの?」ズボボボ
翠星石「がーはっはっは! そのまま雪見大福になっちまえですチビチビ!」どさどさ
ジュン「こら! 雛苺を埋めるな翠星石!」
163 :
  そのご褒美に、こんなに大量の新雪をプレゼントしてくれるだなんて」
ジュン「雪の影響でインフラとかが大打撃受けてるけどな、今」
のり「普通、神様への贈り物って、こういう異常気象を回避するためのものじゃあ…?」
真紅「乙女の祈りに対して試練で応えるのが、神なる父ローゼンよ」
ジュン「それ本当だとしたら、とんでもないオッサンだな、あの人」
真紅「そして私は今から、その試練を乗り越える」ザッ
のり「真紅ちゃん!? 何をする気?」
ジュン「まぁたスノーダイブとかのエクストリーム雪遊びでハッスルする気じゃあないだろうな?
  大人しくしとけよ、以前それでお前の頭がぶっ飛んだんだから(※)」
※真紅の頭に雪降り積む参照
164 :
のり「ごめん真紅ちゃん。お姉ちゃんには今の真紅ちゃんが何を言っているのか理解できないわ」
真紅「とは言え、私も反省を次に活かす乙女。今度はスノーダイブとは別の雪遊びを考えている」
ジュン「ほう? 何だそれは?」
真紅「ずばり、鞄ボブスレー」
ジュン「やめとけ馬鹿」
真紅「ば、馬鹿とは何よ! だいたい、見もせずに聞いただけで…」
ジュン「聞いただけで嫌な予感しかせんわ! 雪合戦あたりでもして遊んでろ」
真紅「雪合戦んん? そんなのただのオママゴトじゃない。
  アリスゲームで血肉を削ぎ、身骨を軋ませてきた私にとって、そんなの…」
翠星石「ごちゃごちゃ言ってないで、これ(雪玉)でも食らえですぅ! 真紅!」ポイッ
のり「あ!」
真紅「ぐぇあ」ボフッ
翠星石「がーはっはっは! 屁理屈ばかりこねているからそうなるんですよ!」
真紅「や、やったわね翠星石! こうなったら私だって!」ポイポイポイッ
翠星石「おおっっと! 闇雲に投げても翠星石には当たらんですよぉ!」ヒョイッ
真紅「きぃいいいいいい!」ポイポイッ
のり「あらあら、楽しい雪合戦が始まったわねぇ」
ジュン「あんまりヒートアップして窓ガラスに雪玉をぶつけて割ったりするなよ」
真紅「でやあああああ!!」ブンブンッ
雛苺「真紅! ヒナも真紅の味方をするの! 翠星石はさっきヒナをいぢめたのよ! ふんまんやるかたないのー!」
翠星石「ぬうう!? 二対一とは卑怯ですよ! チビ人間、翠星石を助けろです!」
ジュン「やなこった。自業自得だろ、翠星石の」
翠星石「んなっ!? じゃ、じゃあ、のり!」
のり「あ、お姉ちゃん今のうちにお掃除とか洗濯とかしなくちゃ…」いそいそ
ジュン「だったら、僕も手伝うよ姉ちゃん」スタスタ
のり「え、本当ぉ? ありがとうジュン君?」スタスタ
翠星石「ッッ!?」
165 :
雛苺「覚悟するの! ヒナと真紅ではさみうちにしちゃうんだから!」ジリジリ
翠星石「うう…」ジリジリ
雛苺「天狗のオモテナシなのよね翠星石!」
真紅「それを言うなら年貢の納め時よ雛苺。ともかく直撃させるわ! この雪玉をッ!」ブンッ
翠星石「ひぃいいいいいっ!? や、やめてくれですぅ! 翠星石が悪かっ…」
雛苺「今さら謝ったって遅いの! 翠星石に味方する人なんて、どこにもいな…」
蒼星石「ここにいるよっ!!」ズバアッ
翠星石「っ!?」
真紅「んなっ! そ、蒼星石! 私の投げた雪玉を真っ二つに!?」
雛苺「そ、蒼星石が空から落ちてきたの!?」
翠星石「蒼星石ぃ!」
蒼星石「妙な胸騒ぎがしたんで来てみたらば…。まさか、こんなことになってるなんてね」
翠星石「た、助かったですよ蒼星石! やっぱり蒼星石だけはいつでも翠星石の味方ですぅ!」
真紅「蒼星石! そこをどきなさい! どういうつもり!?」
蒼星石「君達こそどういうつもりだ。薔薇乙女たるもの雪合戦くらいするだろう。
  しかし、今は無抵抗な翠星石を二人がかりで、いじめているように見えた」
雛苺「それはゴカイなのよ蒼星石! 先に翠星石の方がヒナ達をいじめたの」
翠星石「違うですぅ! 翠星石はそんなことしていないです?」
真紅「す、翠星石!」
蒼星石「君達にも言い分はあるだろう。だが、二対二になることに文句はないはず」
雛苺「うにゅにゅ…、真紅ぅ??」
真紅「こうなってはしょうがないわ雛苺。双子の庭師、雪合戦の相手として申し分ない! 勝負よ!」
蒼星石「そうこなくっちゃ!」
翠星石「へっへーん! 蒼星石が味方につけば翠星石にはもう怖いもんなしです!」
166 :
雛苺「うにゃッ!? 痛いのーーっ!」ベシャッ
真紅「だ、大丈夫、雛苺? くっ、急に翠星石ったら強気になっちゃって!」
雛苺「仕返しなのー! ヒナは負けないのよ!」ポイポイッ
蒼星石「翠星石には当てさせない!」ズバババッ
真紅「蒼星石が完全に翠星石の護衛役に徹している!?」
雛苺「庭師のハサミでヒナ達の投げる雪玉を全部叩き落としちゃってるの!」
真紅「雪合戦で一人だけ刃物使うだなんて、相変わらず空気の読めない子だわ!」
蒼星石「何とでも言うがいい! 僕はいつだって全力だ!」
翠星石「うひょー! 頼もしさマックスですぅ蒼星石! 愛してるですよぉ、フォーエヴァー(永遠)に!」
雛苺「ど、どうしたらいいのよ真紅ぅ? まず蒼星石を何とかしないと翠星石に攻撃できないの」
真紅「こうなったらこちらも攻撃役と防御役に分かれましょう」
雛苺「にゅ? どういうことぉ?」
翠星石「何を相談しているか分からんですが、どんどん雪玉を食らえですぅ」ポイポイッ
真紅「つまり、こういうことよ!」ササッ
雛苺「みょわわっ! 真紅、何するのー!?」
蒼星石「あああっ!? 真紅が雛苺を盾に!?」
雛苺「みゃーーー?っ!?」ドベシャシャシャ
真紅「ふぅ、お陰で助かったわ雛苺」
雛苺「きゅぅ??っ」ピヨピヨ
167 :
真紅「犠牲ではない。雛苺は私の心の中で生き続ける。私は誰も置き去りになんかしない」
翠星石「ぐっ…」
真紅「さらに、雛苺にはまだこういう使い方もあるのよ!」ブンッ
蒼星石「何ぃ!? 雛苺をこっちにぶん投げたぁーっ!?」
真紅「翠星石の雪玉を全身に浴びた雛苺は、もはや雪玉と化したも同然! ならばそれを投げるのも雪合戦!」
雛苺「うみゃぁあああああっ!?」ビューン
翠星石「そ、蒼星石! チビ苺がこっちに!」
蒼星石「分かってる! 流石に雛苺は切り落とせない! 受け止める」ガシィッ
雛苺「ふみゅっ! た、助かったのよ蒼星石ぃ」
翠星石「怪我はないですか二人とも」
雛苺「ヒナはぜんぜん平気なの」
蒼星石「…受け止め方がまずくて、ちょっと手首をひねった」ズキズキ
雛苺「えええっ? ごめんなのよ蒼星石!」
蒼星石「いや、レンピカもいることだし、少し休めばすぐ元通りになる。しかし、その間は…」
真紅「くっくっく! よくやったわ雛苺。私達の絆の力で防御役を一時的に潰した! 今なら翠星石に当て放題よ!」
雛苺「真紅のバカァーーーッ!」ブンッ
真紅「ぐぇあ」ベシャッ
翠星石「ち、チビ苺!?」
雛苺「真紅なんか嫌いなの! 真紅のやり方には、もうついていけないのよ!」
蒼星石「雛苺…」
真紅「ま、まさか裏切る気!? あなた!」
雛苺「……」
翠星石「どうやらそのようですね。三対一ですが、卑怯とは言わせねーですよ」
雛苺「うぃ! 真紅の方が先にヒキョーな手を使ったの!」
真紅「ふふふ、そんなことは言わないわよ。私はアリス、全ての薔薇乙女を超越した存在。
  たとえ、何対一だろうが立ち向かってみせる! そうよ…、頂点は常に一つ!」
168 :
翠星石「す、水銀燈!?」
蒼星石「き、君が何故ここに?」
水銀燈「真っ白に染まったこの街が綺麗でね。空からずっと眺めてたの。そうしたらぁ…」
真紅「……」
水銀燈「すっごい面白いものが目に入ったってわけ」
雛苺「水銀燈もヒナ達も味方になってくれるのよね!」
水銀燈「そんなつもりは毛頭ない。私はただ真紅の敵になりに来た」
蒼星石「君らしい物言いだ。けれど、実に頼もしい」
翠星石「敵の敵は味方ですぅ!」
真紅「…アリスになれなかったことを僻んだ乙女は次から次へと群れたがるわね」
水銀燈「なぁんですって!? 真紅ぅ!」
真紅「あら? 図星?」
水銀燈「ちぃっ! 行け黒羽根ぇッ!!」ドシュバババッ
翠星石「げげげっ!? 水銀燈! これは一応、雪合戦ですよ!?」
雛苺「普通にいつもの攻撃態勢に入っちゃったの?!」
蒼星石「水銀燈は真紅相手だと冗談が通じないからね」
水銀燈「白一色の世界にも飽きていたとこ! これで真紅を真っ黒に潰してあげるわ!」
真紅「甘い! 今の真紅ちゃんを昔と同じと思わないことね!」シュババババ
翠星石「なっ!?」
蒼星石「す、水銀燈の飛ばした羽根を!?」
雛苺「真紅が素手でどんどん、つかみ取っているのよ!」
169 :
真紅「これぞアリスの力、ジュンが作ってくれた新ミスティカの力!」
水銀燈「そんな…っ!。あのメガネ人間が作ったミスティカごときが…
  私達のお父様から受け継いだ元祖ミスティカよりもパワーが上だとでも言うの!?」
蒼星石「違う、水銀燈! 色だ!」
水銀燈「い、色?」
真紅「……」
蒼星石「今、周りの景色は君もさっき言ったように白一色。そこで君の黒羽根は異様に目立つ。
  それに真紅は君との戦闘経験が豊富だ。黒羽根の動きの癖も把握しているんだろう!
  目立つ黒色の羽根の軌道を動体視力で見切って掴み取っただけだ!!」
雛苺「じゃあ、真紅が言っていたミスティカの差ってのは…?」
翠星石「ブラフですか!」
真紅「蒼星石ったら、余計なことを…」
水銀燈「真紅…!」
蒼星石「ともかく落ち着いて水銀燈。君は真紅相手だと周りが見えなくなりやすい。
  そもそも今回は雪合戦。黒羽根を使うのはやめておいたほうがいい」
翠星石「色がどうたらというのなら、白い雪玉の方が真紅も避けづらいはずですからね」
水銀燈「……」
雛苺「四対一なんだから、ヒナ達が負けるはずないのよ!」
水銀燈「勝手に私を数に含めないでよ。仲間になったとは言ってな…」
170 :
翠星石「どうしたです蒼星石!?」
蒼星石「真紅が…! 真紅がいない!!」
水銀燈「えっ!?」
雛苺「本当なの! いつの間にか真紅がいなくなってるのよ! さっきまで、そこに…」
翠星石「不利を悟って逃げたですか!?」
水銀燈「ちょっと目を放した隙に! 抜け目のない! 逃げたのなら追わなくては!」
翠星石「ど、どうやってですぅ? 真紅の新ミスティカの波動は、まだ翠星石達からは感知しにくい…」
水銀燈「お馬鹿さん、そんなのに頼らなくてもホラ、あの子の足跡が雪の上にしっかりと…」
蒼星石「確かに。これを追えば真紅を追跡できる」
雛苺「この足跡は、おうちの玄関や軒先の方へ向かっていないのよね」
水銀燈「ええ、庭の塀の方に向かっている…」
翠星石「おろ? 足跡が突然ここで…塀の傍で途切れているですぅ?」
雛苺「塀によじ登ったのよ?」
水銀燈「しかし、塀の上に積もった雪には乱れがない…、これは一体?」
蒼星石「真紅の足跡をよく見て。この最後の一足だけやけに深い足跡になっている、つまり」
翠星石「つまり?」
水銀燈「ジャンプしたってことね。塀を飛び越えたのか」
雛苺「だ、だったら塀の外側にはまた真紅の足跡が続いているってこと?」
蒼星石「その通り。このまま追跡続行だ」
翠星石「なんか面白くなってきたですぅ。燃えてきたですよ翠星石は」
水銀燈「私だって真紅の顔面に雪玉を直撃させるまで、おさまりがつかない」
171 :
金糸雀「あああっ…! 何てことかしら! 稀代の策士たるカナともあろう者が!」
ピチカート「……」
金糸雀「この雪の混乱に乗じて桜田家へ華麗に侵入しようと思っていたのに
  右も左も雪だらけで道が分からなくなっちゃったかしら??」
ピチカート「っ!」
金糸雀「ピチカートもさっきから雪による光の乱反射で惑わされていて役に立たない!
  このまま、このままカナは大都会に投げ捨てられた空き缶のように路傍に骸を晒す運命なのかしら!?」
ピチカート「……」
金糸雀「いえ、それとも…また雪が降り出しでもしたら!
  このままカナが凍って…そのままあっという間にカナだるまの完成!? そんなの嫌かしら?っ!?」
ピチカート「…!」
金糸雀「みっちゃぁぁぁあああ???ん! 誰かぁ?っ! 助けてぇええええええ!!」
172 :
金糸雀「ッ!? ば、薔薇水晶!? な、なんでいきなりカナの背後から現れ…!?」
薔薇水晶「いえ、ここお店の入り口の真ん前ですよ? お父様と私の…」
金糸雀「え!? 本当に? ドールショップ槐!? ここ?」
薔薇水晶「はい。ドールショップ槐です」
金糸雀「そ、そう言われてよく見てみれば…看板が雪に隠れていて気付かなかったかしら」
薔薇水晶「…これから雪降ろしをしようと思っていたところですが、ここで会ったも何かの縁。手伝ってくれはしませんか?」
金糸雀「むむむ、手伝いたいのはやまやまだけどカナには大事な使命が…」
薔薇水晶「大事な使命…?」
金糸雀「そう! この雪に紛れて桜田家に超潜入してやるのかしら?!」
薔薇水晶「今さら、潜入することに意味があるのですか?」
金糸雀「ふっ、そこに家がある限り、カナの挑戦は続くのかしら」
薔薇水晶「…いいでしょう、そこまで言うのなら、こちらもタダで頼もうとも思いません」
金糸雀「え? ひょっとしてお駄賃くれるのかしら? そういうことならカナの考えも…」
薔薇水晶「お父様が極秘開発した『ばらっしー着ぐるみスーツ』の
   バリエーションの一つである『かなっしー着ぐるみ』を差し上げます」
金糸雀「かなっしー…? な、何それ…かしら? まさか…!?」
薔薇水晶「そう…。既にご推察の通り、薔薇乙女をゆるキャラ化した着ぐるみです」
金糸雀「くっ! ばらっしー着ぐるみにはカナも以前から着目していたかしら!
  それが今度は『かなっしー』だなんて、どう考えてもカナ専用モビルスーツ!」
薔薇水晶「見た目は意外と野暮ったいですが、機能性、保温性ともに優れものです。
   NASAの宇宙服にも使われている繊維を応用し、強度も抜群の性能を獲得…」
金糸雀「NASAの宇宙服と同じ!? 本当なのかしら、それ!? 宇宙にも行けちゃうの!」
薔薇水晶「行けます」
金糸雀「ああ、もう! カナの好奇心と物欲をがっちりつかまれちゃったわ薔薇水晶!
  雪でも何でも全部おろすの手伝っちゃうかしら?」
薔薇水晶「ありがとうございます。では早スーツを着用して雪降ろしをしてみませんか?」
金糸雀「ナイスアイデアよ薔薇水晶! カナも早く着てみたい!」
薔薇水晶「では…いったん店の奥へ。そこで私もばらっしースーツを…」
金糸雀「いぇ?い、夢が広がるかしら?」
173 :
蒼星石「大分、近づいてきてはいるはずだ。さっきより真紅の足跡が新しい感じに変わっている」
翠星石「どこに逃げようが、必ず追いつめて翠星石特製の雪玉をお見舞いしてやるですぅ」
雛苺「うぃ! ヒナもたくさん真紅にぶつけるの!」
???「きゃほーっ!」
???「ひゃっはーっ」
水銀燈「何? この奇声?」
翠星石「あ、あそこですぅ! あの家の屋根の上に変な二人組が?」
水銀燈「変な二人組みぃ…?」
ばらっしー「ひゅーっ! どんどん雪を落とすっしー」ドサドサ
かなっしー「落ちろや落ちろ! どんどん落ちろかっしらー!」ドサドサ
蒼星石「あの妙に不細工な着ぐるみでハイテンションに雪降ろしをしているのは…」
雛苺「金糸雀と薔薇水晶なのよね、きっと」
翠星石「やれやれですぅ。カナチビまで一緒になって何をやっているんだか…。
  水銀燈、ちょいと長女の威厳ってやつで、あのバカコンビに注意をしてきてやれですぅ」
水銀燈「何のことかしら? 私には何も見えないわね」
蒼星石「ああっ!? 水銀燈の美的感覚から既にあの二人は完全に存在しないものとみなされている!?」
174 :
かなっしー「うきょきょー!」ドサドサ
付近の住民『ざわざわ…』
翠星石「うう、屋根の上の二人の奇行に気づいた付近の住民の皆様がざわつき始めているですぅ」
雛苺「も、もしヒナ達がここでアレの身内だってことがばれたら…」
蒼星石「薔薇乙女の風評被害もいいところだ。ここは水銀燈を見習って僕達も無視しよう」
翠星石「ですね! そもそも真紅を追っている今の状況であいつらにかまっている暇はなかったですぅ!」
水銀燈「そういうこと。さっさと行くわよ! 絶対に金糸雀達とは目を合わせないで、すぱっと槐の店の前を走り抜ける!」
175 :
翠星石「ふむふむ。真紅の足跡はここまで続いているですよ」
雛苺「ヒナ達が良く遊ぶ空き地なの」
蒼星石「真紅の足跡は、空き地の奥のドラえもんに出てくるのとそっくり同じような土管へと続いている」
水銀燈「ふんっ。見境なく逃げ出して、隠れた先が土管なんてね。見苦しいにもほどがある」
蒼星石「しかし、迂闊に近づくのは危険だ。僕と翠星石が土管の片端から迫るから水銀燈と雛苺は反対側から近づいてくれ」
雛苺「うぃ! はさみうちなのよね!」
翠星石「くっくっく! 絶対にここで仕留めてやるですぅ、真紅!」
蒼星石「よし! じゃあ、1、2の3でいくよ!」
水銀燈「1…」そろ?り
雛苺「2の?」そろそろ
翠星石「3ですぅ!」グバアッ
176 :
水銀燈「え!?」
翠星石「ああっ?」
蒼星石「ちょっ! み、みんなストップ! 雪玉は投げないで! 彼女は…!」
雛苺「雪華綺晶なの! 雪華綺晶が土管の中に?」
翠星石「ななな、なんで白薔薇が中にいるですか!? びっくりするじゃねーですか」
雪華綺晶「そ、それはこちらの台詞ですわ、お姉様方。私はただ…昨日いただいた恵方巻きで
   お腹がいっぱいになってしまい…その、帰る途中で、つい眠たくなってしまって…」
雛苺「大きいジュンのお家に帰らずに、ここで寝ちゃったのよ?」
雪華綺晶「そういうことです」
水銀燈「ええい! 紛らわしい真似を」
雪華綺晶「お姉様達の方は、そのような血相で一体何を…?」
蒼星石「真紅を追っている」
雪華綺晶「紅薔薇のお姉様を? 一体、何故?」
翠星石「話すと長くなるですが、雪合戦の流れで真紅が逃げ出したのですぅ」
雛苺「足跡を追いかけていたのに、途中で雪華綺晶の足跡と間違えちゃったのよ?」
蒼星石「いや、違う。そんなはずはない。それに雪華綺晶は昨夜からずっと土管内で寝ていて
  雪の積もりきった後に外に出たわけではない。彼女の足跡が残ってるわけないんだ」
翠星石「と言うことは、真紅がこの土管のところまで来ていたのは間違いないのですぅ?」
水銀燈「そうか、分かった。またここでジャンプして土管の上から塀を伝って…」
177 :
雛苺「ばっく?」
翠星石「とらっく?」
雪華綺晶「バックトラックとは、自分の足跡を踏んで後戻りすることです。
   クマやのウサギなどの野生動物が、猟師の追跡をかわすためにやるとか…」
水銀燈「なんですって?」
蒼星石「雪華綺晶の言うとおりだ。うっかりしていた、僕ともあろう者がここまできて、やっと気づくなんて」
水銀燈「それじゃあ、こういうこと? 『私らは真紅に一杯くわされた』?」
翠星石「な、なんかやばいんじゃあねーのですぅ? 真紅がわざわざそのバックなんとかまでして…」
雛苺「ヒナ達をここまで誘い込んだってことなんだから…」
蒼星石「間違いなく罠だ! 皆、急いでこの空き地から脱出を!」
雪華綺晶「え? え?」
水銀燈「あんたも逃げた方がいいわよぉ末妹。巻き込まれても知らないから」
翠星石「に、逃げろーですぅ! 空き地の出口はあっちですよ!」ダダダ
雛苺「うにゃーーー! 何かよく分からないけど怖いのーっ」タタタッ
蒼星石「パ、パニックになるのはいけない! 落ち着いて…」
翠星石「ぐぇあっ!?」ベシャッ
雛苺「うみゃっ」ベショッ
水銀燈「雪玉が飛んできた!? まさか、真紅!?」
178 :
雪華綺晶「紅薔薇のお姉様!」
蒼星石「し、真紅!? しまった! この空き地の一つしかない出口を完全に抑えられた!」
真紅「逃げ場を失ったのはあなた達の方! このまま全員、私の特製アリス玉でかたをつける!」ズララアッ
水銀燈「くっ! いつの間にあんなに大量の雪玉を!」
真紅「ホラホラホラホラホラホラァアアア!!」ぶんぶんぶん
蒼星石「滅茶苦茶だ! 数にモノを言わせてやたらめったら雪玉を…」
雪華綺晶「や、やめてくださいお姉様! 私は何の関係も…!」
真紅「ホラホラホラホラァアアア!!」ぶんぶんぶん
水銀燈「はんっ! 真紅の耳にはもう何も聞こえていないみたいよぉ末妹!」
蒼星石「こうなったら自分の身は自分で守ってくれ! じゃないと、そこの二人みたいに…」
雪華綺晶「くっ…」
翠星石「うぐぅ?…」グッタリ
雛苺「いたたた…なのぉ」バッタリ
雪華綺晶「こうなったら私の特性であるアストラルシフトで、この世のいかなる物質をもすり抜け…」ベシャッ
水銀燈「ま、末妹が直撃を受けた!?」
蒼星石「雪華綺晶ぉ!」
雪華綺晶「そ、そんな…。私がすり抜けられない…なんて…」ガクッ
179 :
蒼星石「巻かなかったジュン君との絆の力が強いばかりにボディから離れにくくなっているのか。
  つまり、雪華綺晶は以前と同じように簡単にすり抜け状態にはなれない!」
雪華綺晶「わ、私としたことが…迂闊。しかし、この痛みこそ絆の証、この痛みあるからこそ少女はアリスへと…」
水銀燈「痛み…? 雪玉がちょっと当たったぐらいで大げさな」
蒼星石「ッ! いや、よく見るんだ水銀燈! 割れた雪玉の中に何か入ってる!」
水銀燈「まさか…石!? 真紅、あんた何て外道な真似を…!」
蒼星石「違う! 石じゃあない。な、なんてことだ…! 真紅は、まさか…こんな! 真紅はまさかここまでして!?」
真紅「くっくっく! 雪玉の種がばれたところで、もう遅い! 私の完全勝利は目前よ…っ!」
水銀燈「ちょっ! 何なのよ!? これが石じゃあないとしたら? まさか野良犬のウン…ッ!?」
180 :
翠星石「キィィィィイイイイコエエエエエエエェッッ!」ブシュシュン
雛苺「あんま?っ! けはっ! ぎゃはぁっっ!」ボショオオオ
水銀燈「っ!? 翠星石達から変な煙が出始めて…苦しんでいる!? まさか、まさかこの効果は…っ!?」
蒼星石「真紅のローザミスティカだ! 何があっても敗北を絶対に認めない真紅のローザミスティカ!
  彼女は自分のミスティカを削って、雪玉の中に仕込み、それを…!!」
水銀燈「そんな馬鹿な!? この雪玉全部に、真紅のミスティカが含まれて…ッッ!?」
蒼星石「全部じゃあない! 一部だけだ! しかし、それは外から見分けられない!」
水銀燈「ローゼンメイデンにとって他の姉妹の敗北を受け容れないミスティカは猛毒! そんなのを!?」
真紅「何とでも言うがいいわ! 勝てばよかろうなのだわーーーーっ!」
蒼星石「鬼気迫る闘志を感じるッ! 真紅は何が何でも戦う…っ! 戦い続けて勝つつもりだ」
181 :
真紅「ぐはぁ…」ドサッ
水銀燈「あ!」
蒼星石「あっ」
真紅「がふっ」ビクンビクン
水銀燈「し、真紅がいきなりぶっ倒れて痙攣?」
蒼星石「水銀燈の言うとおり、真紅もギリギリまで自分の命を削って無茶をしていたんだろう」
水銀燈「…ったく、本当に馬鹿な子。意地ばっかり張っちゃって」
蒼星石「果たしてそうだろうか」
水銀燈「はぁ?」
182 :
水銀燈「…?」
蒼星石「真紅はずっと…アリスになりたくて、なろうとしてゲームを戦っていたわけじゃあなかった」
水銀燈「どういう意味よ、それ?」
蒼星石「彼女はただ、自分が自分自身であり続けるためにアリスゲームを戦っていたんだ。
  いつも、いつだって、ぶれずに…。僕達とは最初から目的そのものが違っていた」
水銀燈「……」
蒼星石「真紅はずっと意地を張っていたんだ、アリスゲームでも。意地を張り通した…貫き通した。
  そして真紅はアリスの、アリスゲームの先を見てもいた。だから真紅はアリスになるべくして、なった」
水銀燈「それはアンタの買い被りすぎよ蒼星石」
蒼星石「水銀燈…」
真紅「……」ピクピク
水銀燈「でも、ま…、なりふりかまわず勝とうとするその姿勢は悪くはなかった。ちょっとだけ美しかったわよぉ真紅」
蒼星石「水銀燈」
水銀燈「とりあえず、翠星石達から真紅のミスティカの破片を回収して真紅に戻しておこうかしら。
  それさえ済ませとけば、後はお父様気取りの坊やが何とかしてくれるでしょ」
蒼星石「ああ」
真紅「……」
水銀燈「でも、真紅が満足気なニヤケ顔で倒れているのが気に入らないから、雪玉を一個ぶつけとこ」ベシッ
蒼星石「じゃあ僕も」ビシッ
真紅「アウチッ」
アリス玉直撃による重傷者三名(翠星石、雛苺、雪華綺晶)
ミスティカ削りによる重傷者一名(真紅)
雪降ろし中に落ちた重傷者一名(金糸雀)
『追い込まれた真紅はアリスより凶暴だ』 終
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2014/02/11(火) 12:09:49コメント(0)ユーザータグ ローゼンメイデン -->
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追い込まれた真紅はアリスより凶暴だクロノトリガー、クロノクロスっぽくハゲをイジるスレアメリカンジョークっぽくハゲをイジるスレガンダムのセリフに「意外と」を入れるとモヤモヤする浪人生レイプ!野獣と化した大学受験日本人レイプ!野獣と化した富士山あなたのPCを北斗の拳風に語れ!映画のタイトルに「ガチホモだらけの」をつけると超ホラージョジョの奇妙な冒険風に大学受験を語るスレフロムソフトウェアが作るパワプロにありがちなこと
クロノトリガー、クロノクロスっぽくハゲをイジるスレハゲが一体なにしたっていうんだよ!(;_;)のび太の趣味がお前らと同レベルな件について最近アニメで動物変身恩返しグスリの回やってたぞw
鼠の娘もでてきたガンダムのセリフに「意外と」を入れるとモヤモヤするそれでも、意外と守りたい世界があるんだぁぁぁ!!ガンダムのセリフに「意外と」を入れるとモヤモヤする意外と親父にも殴られたことないのに!映画のタイトルに「ガチホモだらけの」をつけると超ホラーガチホモだらけの黒い家浪人生レイプ!野獣と化した大学受験中野君の一芸もおいしそうやなぁ(AO)ガンダムのセリフに「意外と」を入れるとモヤモヤするクラウン、ザクには意外と大気圏を突破する性能はない。気の毒だが…日本人レイプ!野獣と化した富士山大丈夫でしょ…まあ、多少はね?(実は富士山の全力は阿蘇山の1/600)ガンダムのセリフに「意外と」を入れるとモヤモヤする俺は・・・意外と・・・ガンダムにはなれない・・・ガンダムのセリフに「意外と」を入れるとモヤモヤするあなたなら意外と出来るわ
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女だけどセクロスの時エロい振る舞いに必死で全然気持ち良くない

今更だけど平野綾のハメ撮り写真ひでーなwwwww

生のナスを輪切りにしたのが出てきたんだが、俺はスズムシか何かか

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