赤沢「恒一君が、好きです」back

赤沢「恒一君が、好きです」


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1:
赤沢(夢を………夢を見ていたの………)
赤沢(私は…なんのこともない日常を享受していて)
赤沢(小説のような……突飛な出来事や、冒険もなくて)
赤沢(でも私は……それがどれだけ幸福なことなのか、気づいていない……)
赤沢(そんな………夢を…………)
3:
………ジリリリリリリリリ!!!!
赤沢「…ん…んん…?……ん」
赤沢「あ…あれ…?私……」
カチッ
赤沢「………朝………」
赤沢(なにか……夢を見てた気がする………とても………怖くて………悲しい……夢を………)
赤沢「………」
赤沢(………学校…行かなきゃ……)
7:
ガチャ
和馬「よ。珍しく寝坊だな」
赤沢「えっ……おっお兄っ!?なんで……!?」
和馬「はっ?なんだ血相変えて?」
赤沢「えっ……あれ…」
赤沢(なんで今……私……)
赤沢「…なんでもないわ。行ってきます!」
和馬「おい朝飯」
赤沢「いらない!」ガチャ
和馬「なんだあいつ?」
9:
赤沢「……」
赤沢(胸の中に…ずっと違和感がある……どうして?)
赤沢(いつもと変わらない…日常のはずなのに…)
小椋「おはよう」
赤沢「あ…おは……よ」
小椋「?どしたの?」
赤沢(また…違和感……)
赤沢「いえ…なんでもないわ」
11:
学校
ガララッ
赤沢「…」
勅使河原「お!おはよう!」
望月「おはよう」
赤沢「おはよう」
赤沢(二人は違和感ないのね)
杉浦「おはよ、泉美」
桜木「おはようございます」
赤沢「おは…よ…」
赤沢(また…)
杉浦「どうしたの?ぼーとして」
赤沢「あっ…ちょっと寝不足よ。多佳子」
杉浦「そ。そういえば今日は転校生が来るわね」
13:
赤沢「転校生?」
桜木「もしかして忘れちゃったんですか?」
赤沢「えっと…」
杉浦「本当に大丈夫?」
赤沢「…大丈夫よ。ちょっとド忘れしちゃっただけ。楽しみね。どんな人が来るのか」
杉浦「そうね」
キーンコーンカーンコーン
ガラララッ
久保寺「皆さん。おはようございます」
赤沢(…っ……?……)
久保寺「今日は三年二組の皆さんに新しい仲間を紹介します。どうぞ」
榊原「東京から来ました、榊原恒一です。よろしくお願いします」
赤沢「あれ…?」
14:
久保寺「なにか榊原君にみなさん質問はありますか?」
綾野「はいはーい!こういっちゃんはどんな女の子が好みですかー?」
小椋「ちょっと彩っ」
榊原「ええっ」
勅使河原「おっ!俺も気になりまーす!」
桜木「こらっ。ごめんなさい、榊原君」
榊原「ははっ別にいいですよ。そうだね…静かでちょっとミステリアスな子が好みかな?」
綾野「ええっー?」
勅使河原「いいぞー転校生!」
赤沢「………」
18:
キーンコーンカーンコーン
勅使河原「じゃあなーサカキ」
望月「さようなら」
榊原「さようなら。また明日」
赤沢「ねえ」
榊原「?あ…えっと…」
赤沢「泉美よ。赤沢泉美。ちょっといいかしら」
榊原「よろしく赤沢さん。なんだい?」
赤沢「ちょっと、二人で話したいの」
19:
屋上
ガチャ
榊原「あっ」
鳴「……」
赤沢「…見崎さん」
鳴「…どうぞ」スタスタ
榊原「あ………」
赤沢「ああいう子なの。悪い子じゃないから、気にしないであげて」
榊原「うん、それでなにかな?」
赤沢「私たち、どこかで会ったことない?」
榊原「えっ?」
赤沢「失礼」
ニギッ
榊原「あっ赤沢さん…?」
赤沢「……やっぱり」
ニギニギッ
21:
赤沢「どこかで会ってるわ私たち。この手の感覚…覚えてるもの」
榊原「そう…?」
赤沢「恒一君は覚えてない」
榊原「うん…」
赤沢「そう…ごめんなさい。時間取らせて」パッ
榊原「いや、いいよ。そうだ、赤沢さんは部活とか入ってるの?」
赤沢「?演劇部だけど…どうして?」
榊原「部活を見て回りたくてさ。これから練習?」
赤沢「ええ」
榊原「じゃあ、案内してもらっていいかな?」
赤沢「まあ、構わないわ。行きましょうか」
23:
ガラッ
小椋「あ…」
綾野「お」
千曳「こんにちは」
赤沢「こんにちは」
榊原「こんにちは、お邪魔します」
赤沢「演劇部の顧問の千曳先生。先生、こちらは今日転校してきた榊原恒一君です」
千曳「よろしく。演劇部の見学かな?」
榊原「はい。よろしいでしょうか?」
千曳「もちろん。ゆっくり見ていきなさい」
榊原「ありがとうございます。えっと…綾野さんと小椋さんも、いい?」
小椋「別に見てていいよ」
綾野「じっくり見てって!じゃ稽古始めよ」
赤沢「ん、待ってて」
25:
赤沢「私が…いないもの?」
綾野「そう…このクラスを守るために一年間徹底してもらうわ」
小椋「そんな…!ひどいよそんなの!」
綾野「じゃああなたが代わりにやる?」
小椋「そっそれは…」
赤沢「いいの。それで…クラスが助かるというのなら、やる」
小椋「うっ…そんな…」ウルッ
綾野「…………ごめんなさい」プイッ
千曳「はい。そこまで」
榊原「おー……」パチパチ
綾野「どうだったこういっちゃん?」
榊原「うん、凄いね綾野さん。いつもと全然雰囲気が違って、演技がどうにはいってる感じだった」
26:
綾野「でしょー!」
小椋「……」ウズッ…
綾野「あっ!こういっちゃん、由美にも感想言ったげて!」
小椋「あっ彩!」
榊原「うん…涙の演技とか、プロみたいだったよ…同い年とは思えないぐらい」
小椋「そっそう…ありがとう」プイッ
綾野「あっ!由美照れてるー!かっわいい!」
小椋「なっ!?彩!!」
綾野「きゃー」
赤沢「……」
29:
榊原「赤沢さんも凄くうまかったよ…決意した表情とかキリッとしてかっこよくて、綺麗だった」
赤沢「そう、ありがとう。でもまだまだよ。もっと練習しなくちゃ」
榊原「ストイックだね」
赤沢「当然よ」
綾野「こういっちゃーん!これ見て!昔の演劇のアルバム!」
榊原「どれどれ…」
綾野「私たちが一年の時なんだけどね、由美が途中で転んじゃって…」
小椋「ちょっやめろバカ彩!」
綾野「えーいいじゃーん」
榊原「ははっ」
赤沢「……」
31:
赤沢(やっぱり…違和感を感じるのは、全員って訳じゃない)
赤沢(千曳先生、部活の後輩には、何も感じなかった…)
赤沢(どうして………?それに)
赤沢(恒一君での違和感は、他の人の違和感とは違う…………)
千曳「それじゃあ、今日の部活はこの辺にしておこうか」
「「「はーい」」」
千曳「気を付けて帰るんだよ、さようなら」
「「「「さようなら」」」」
32:
綾野「こういっちゃん、演劇部に入るの?」
榊原「うーんそうしよっかな?結構楽しそうだし」
綾野「是非そうしなよ!由美もこういっちゃんが入ったら嬉しいよね!」
小椋「えっ!?そっ…そう…ね…」
綾野「ふふふ…なーにまた照れてんの?」ニヤニヤ
小椋「照れてない!」
綾野「怒らない怒らない♪」
小椋「むー……」
榊原「赤沢さん」
33:
赤沢「!なっなに?」
榊原「綾野さん小椋さん。僕…演劇部に入るよ」
綾野「おお!やったあ!」
小椋「いっいいんじゃない……」
赤沢「そう…恒一くんなら主役やれそうだし、歓迎するわ」
綾野「よかったねー由美♪」
小椋「だからなんで…!」
榊原「これからよろしく」
赤沢「よろしく」
綾野「よっろしくー!」
小椋「よっ…よろしく」
三神「あらっ?」
34:
榊原「れ…三神先生」
綾野「先生もおかえりですかー?」
三神「ええ」
赤沢「…………!?」ドクン
小椋「ん…?」
赤沢(なっなに…!?この動悸は……!?)ドクンドクン
三神「あっそうだ恒一君」
榊原「?」
三神「今夜はハンバーグだから、楽しみにしててね♪」
榊原「はっはい!」
三神「じゃおさき?」
35:
綾野「へ?あんな美人に…スミにおけないねえ、うりうり」
榊原「そっそんなんじゃないよ…」
小椋「…」
綾野「ふふん。じゃそのへんにしておきましょうか。由美がまた怒り出しちゃうし」
小椋「なっ!なんで私が!」
綾野「きゃ?助けてこういっちゃ?ん」
榊原「はははっ…あれ…赤沢さん?大丈夫?どこか…」
赤沢「あっ…大丈夫よ。気にしないで。私たちも帰りましょう」
綾野「そだね。じゃあまた明日!」
榊原・小椋「また明日」
赤沢「ええ、また明日」
赤沢(三神……先生…………)
36:
赤沢(結局、違和感の正体はわからなかった)
赤沢(恒一君はすぐクラスに溶け込み、誰にも分け隔てなく接する恒一君の周りには、自然に人が集まるようになっていった)
赤沢(演劇部の活動にも積極的で、よく二人になることも多い…)
赤沢(……なぜか見崎さんと話しているのもよく見かけるけど)
赤沢(勉強して部活をして、クラスには笑顔があふれ、毎日が当たり前のように過ぎていく…)
赤沢(休みの日にはイノヤに恒一君を誘ったり、皆で夏に旅行に行くことを約束したり…)
赤沢(違和感は、決して消えはしなかったけど、考えてしまったら……なぜか…いけない気がしていた……)
赤沢「恒一君、大分演技上手くなったわね」
榊原「みんなや赤沢さんの指導のおかげだよ。今日もありがとう」
赤沢「どういたしまして。途中まで一緒に帰りましょ」
榊原「うん」
38:
赤沢「夏休み……楽しみね」
榊原「うん。あ…この河原」
赤沢「どうしたの?」
榊原「今やってる演劇の冒頭のシーンって、こういうところじゃない?」
赤沢「あ…そういえばそうね」
榊原「一回やってみない?」
赤沢「ふふっいいわよ」
39:
榊原「……」
赤沢「……」
榊原「今日は、風が騒がしいな……」
赤沢「……でも、このか」ズルッ「あっ!?」
榊原「えっ?」
赤沢「えっとっちょっきゃああああ!?」ドタドタゴロゴロゴロ
榊原「赤沢さん!!」
赤沢「いたっ!つう……!」
榊原「大丈夫!?どこが痛い!?」
赤沢「う…全部…」
榊原「待ってて…!」
40:
赤沢「準備いいのね、消毒液まで…」
榊原「怜子さんに持たされちゃってね。はいおしまい」
赤沢「ん…手かしてくれるかしら」
榊原「どうぞ」サシノベ
赤沢「ありがとう恒一君……」
ニギッ
………ドクン
赤沢「……………………?」
榊原「赤沢さん?」
ドクン…………ドクン…………
42:
赤沢(あれ……私………こういうの………どこかで………)
ドクン……ドクン………
ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン
赤沢(……………………………………………………!!!!!!!!!!!!!!!)
43:
おにいの、ばかああああ…………
コンッ…………
赤沢(……わた………し……………………………)
大丈夫?
それ、夜見北の制服だよね
赤沢(……わた…し………は…………)
44:
赤沢「わた………し………」
ツウゥー…………
榊原「あっ赤沢さん!?泣いて…どこか痛いの!?」
赤沢「………ちが………………ちが…う………の」
榊原「赤沢さん……?」
ギュ
榊原「え…赤沢さん?///」
赤沢「ちが…………うの………わた…し………わたし……う…うう………」ギュウウ
榊原「あかざわ………さん?」
赤沢「う…ひぐっ…わたっ…うっ…わたっし…うぇ…ぅうああ…!」
榊原「…!!」ギュ
赤沢「うあ…うぅ………こうっ…いち…くん…ふぇ…ふぇええ………うわああああああああああああああああん!!!!!!」
榊原「赤沢……さん……」
46:
私は気づいてしまった
思い出してしまった
私に何があったのか
 ・・
三年三組に……なにが………あったのか…………
47:
杉浦「なにやってんの。学校でこんな時間に」
赤沢「多佳子こそ…なにやってんのよ」
杉浦「別に。好きにしてるわ」
赤沢「……私たち三年二組よね」
杉浦「そうだったかしら」
赤沢「多佳子は…三年三組でなにしてるの?」
杉浦「なにも」
赤沢「……そう」
48:
赤沢(………この机ね)
赤沢(死者は、誰)
赤沢「…………」
杉浦「……恒一君のとこに行かなくていいの?」
赤沢「今は、それより大事なことがある」
杉浦「そう」
赤沢「…………多佳子」
杉浦「なに」
赤沢「この世界は、なんなの?」
49:
杉浦「…………」
赤沢「私は………私たちは!三年三組だった!!!」
赤沢「現象があって!私は対策係で!!いないものは見崎さんで!!!」
赤沢「クラスメイトが死んで!!先生が死んで!!いっぱい死んで!!!」
赤沢「多佳子も…死ん……で」
杉浦「………」
赤沢「それで……私も………私も………」
杉浦「…」ギュ
赤沢「私も………死んじゃった……………死んじゃった…………しんじゃたよお…たかこお…」
杉浦「泉美…」ナデッ…
赤沢「ひぐっ…ふぇぇ…なんで…………どうして……」
50:
杉浦「泉美は…さ」
赤沢「…ぐずっ………」
杉浦「どっちが好き?」
赤沢「え………?」
杉浦「この……現象も対策係もなくて…みんなが普通に暮らしている世界と……現実の…三年三組の世界」
赤沢「……そんなの…………決まってるじゃない……」
杉浦「…」
赤沢「みんながいて…お兄がいて……多佳子がいて……恒一君が、みんなっみんな笑顔でいて……」
赤沢「こっちの世界がいい……いいに…決まってるじゃない………!!」
杉浦「そう…そうよね…」
51:
赤沢「こっちの世界にいたい…!こっちの世界で……生きたいよぉ……」
杉浦「そうね……泉美頑張ったもんね………」
赤沢「………たかこお」
杉浦「…泣き疲れたでしょ……膝貸してあげるから…今日はもう寝ちゃいなさい」
赤沢「あ………う……ん………」
杉浦「明日になったら…また一緒に学校生活送りましょ。この、優しい世界で」
赤沢「うん………」
杉浦「おやすみなさい………」
53:
ピッ……ピッ………ピッ………ピッーーーーーー……………
………………………………………………
千曳「………」
千曳(叶わなかった…か………)
千曳(もう……線は引きたくなかったのだが……な……)
千曳(……)
千曳「…」ピッ
………………
54:
ゴオオオオオオ…………
ドカーン……ガラガラ……
勅使河原「くそ……!くそお!!」
望月「風見君…………」
有田「……もう…いや…」
千曳「…………」
勅使河原「………赤沢は?赤沢がいないじゃねえか!」
望月「榊原君もいない…!まさか……また中に!?」
勅使河原「くそっ!!」ダッ
千曳「待ちなさい」ガシッ
勅使河原「離せっ!離してくれ先生!!」
千曳「……私が探しに行こう。君たちはここで待っているんだ」
望月「先生…!」
勅使河原「くっ……お願いします!先生!」
千曳「…」ダッ
56:
ドカーン……ゴオオオオオオオオオオ…
千曳(くっ…ガレキが……酷い惨状だ…これでは…)
千曳「誰か!誰かいないか!!」
千曳「あ……あれは……!!」
赤沢「…………」
千曳「大丈夫か!?しっかりしろ!!」
千曳(全身に刺し傷に火傷……出血がひどい……かろうじて息があるがこれでは……だが)
千曳「…頑張れ。こんなところで死んではダメだ…!」グッ
赤沢「……」
57:
望月「あ!千曳先生!!」
勅使河原「赤沢っ!!!」
鳴「…!!」
千曳「…無事だったのか…そっちは?」
勅使河原「サカキです!気は失っちまってるけど…先生っ!赤沢は!?」
千曳「非常に危険な状態だ。すぐに応急処置の準備をしてくれ」
望月「はっはいっ!」
勅使河原「ひ…ひでえ……くそっ…赤沢!頑張れよ!!死ぬな!!」
59:
病院
ガチャ
榊原「……あ」
鳴「…おはよう。起きたって聞いたから。あの後のこと、知ってる?」
榊原「……うん。千曳先生から」
鳴「そう」
榊原「千曳先生…怜子さんのこと、覚えてなかった」
鳴「ほかのみんなも、覚えてなかった」
榊原「やっぱり…そうか…」
榊原(僕は……………怜子さんを……………)
鳴「……他に何か、聞きたいことある?」
61:
榊原「……赤沢さんの容体は…どう?」
鳴「……とても、危険だって。命が助かっても……二度と目覚めることもできないかもって…………」
榊原「………そうか…見崎」
鳴「なに?」
榊原「赤沢さんのこと……恨まないであげて」
鳴「……」
榊原「あんな状況じゃ、まともにいられる方が難しかったと思うんだ。だから…」
鳴「大丈夫。それに…私にも責任の一端はあると思うから。私が、早く三神先生のことを…」
榊原「もうその話はやめようか…もう、終わったんだから」
鳴「うん…」
榊原「他の皆はどうしてる?」
鳴「ケガの治療が終わったあとは、あの夜のこと…みんな忘れちゃってるみたい。断片的に覚えてる人もいるみたいだけど」
榊原「そっか…」
63:
コンコン
榊原「あっどうぞ」
ガチャ
勅使河原「おっすサカキ。意識戻ったんだってな」
望月「こんにちは。身体大丈夫?」
榊原「うん。もうすぐ退院できるって」
勅使河原「そいつぁよかった…て」
鳴「……」
望月「…お邪魔だった?」
榊原「いや大丈夫だよ」
勅使河原「おう、何かワリイな……なあサカキ」
榊原「赤沢さんのことかい?」
勅使河原「ああ………」
望月「大分……よくないみたい」
榊原「うん……聞いたよ」
64:
鳴「……」
勅使河原「……」
榊原「皆で、祈ろうよ」
鳴・勅使河原・望月「!」
榊原「赤沢さんは絶対に良くなるって。また一緒に…学校生活送れるって…」
勅使河原「…ああ!言われなくても!!」
望月「もちろん!」
鳴「私も…祈る」
勅使河原「お」
望月「うん」
榊原「見崎……」
榊原(必ず…戻ってきて…赤沢さん…)
65:
赤沢(とても……とても幸せな夢を見ていたの………)
赤沢(夢の中のこの世界は、誰かが理不尽な不幸に会うこともなく、笑顔で溢れて、毎日が輝いている世界)
赤沢(私の大切な兄がいて、大切な友達がいて、好きな人が…とても近くにいる世界)
赤沢「たか…こ……」
杉浦「ゆっくりおやすみ…泉美…」ナデナデ
赤沢(また…明日になったら……三年二組で………)
67:
アカ……ザワ……
赤沢(うるさいなあ…)
"みんなと一緒に生きたい"
……モド…ッテ…
赤沢(もうほっといてよ……)
"あんな死に方ごめんよ"
69:
…オネ……ガイ…………
赤沢(痛いのはもういや………)
"私はまだ"
…アカ……ザワ……サン!
赤沢(恒一君………)
"生きたりない"
勅使河原(帰ってこい!赤沢!)
望月(戻ってきて!)
鳴(お願い……!)
榊原(赤沢さん…赤沢さん……!)
"生きたいだけ、生きてない!"
70:
杉浦「……」
赤沢「ごめん……多佳子」
赤沢「私……行かなくちゃ」
杉浦「そ」
赤沢「次会うのは、だいぶ先になりそうね」
杉浦「ええ。泉美はよぼよぼのお婆ちゃんになってるわね」
赤沢「言ってなさい。私はどんなに歳をとっても、赤沢泉美よ」
杉浦「ふふっ…そうね。きっと…とても綺麗なお婆ちゃんね」
赤沢「…ありがとう」
杉浦「いいえ」
72:
赤沢「またね…多佳子…大好きよ」
杉浦「私も大好きよ。泉美」
和馬「早く行けよ」
赤沢「お兄…!」
和馬「皆待ってるぜ、さっさと行ってきな」
赤沢「うん…それじゃあ…」
和馬「ああ」
和馬・杉浦「いってらっしゃい」
赤沢「…いってきます!」
74:
千曳「……」
…………………………ピッ
千曳「……?」
…………ピッ……………………ピッ…………ピッ…
千曳「……!!!!」
……ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…
千曳「こっこれは…!!!!」
赤沢「あ…………う……………」モゾッ
千曳「医者…医者を…!だ…だれかっ!!」
76:
ピッ…ピッ…ピッ…
赤沢「……」スヤスヤ
千曳「………」
勅使河原「赤沢ぁ!!」
望月「意識が戻ったって!?」
鳴「赤沢………さん…!!」
榊原「……赤沢さん!!!」
千曳「静かにしたまえ」
勅使河原「すっすいません…千曳先生!赤沢は!」
千曳「医者によると今は寝ている…が、意識がはっきりして、脈拍その他も安定している」
千曳「峠は…越えたそうだ」
77:
勅使河原「あ……あがざばぁああああああ!!」
望月「ううっ…よかった…!よかったよぉ……!!」
鳴「………良かった…………よかった………!」
榊原「赤沢さん……よかった…本当に…よかった……!!」
千曳(医者によれば…助かる見込みはほぼゼロに等しかった)
千曳(だが……)
鳴「また…一緒に…」
勅使河原「ぐずっ、おうよ!」
望月「うん…うん!」
榊原「また一緒に…学校に行こう!待ってるよ…赤沢さん」
赤沢(…みん…な……)スヤスヤ
千曳「奇跡………か」
78:
ズンッズンッズンッズンッ
バンッ
千曳「図書室では静か…ああ君か。卒業おめでとう」
赤沢「千曳先生!!」
千曳「!!なっなにかね……!?」
赤沢「この名簿…!どうして私に線が引いてあるんですか……!?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
千曳「こっこれは…!すまない…修正し忘れていたよ……すぐに直す」
赤沢「まったく。しっかりしてください。私は死者じゃありませんから」
千曳「大変失礼した……」
赤沢「………」
千曳「……どうした?」
赤沢「こんなに…犠牲になったんですね………」
千曳「……今自分たちがすることは」
赤沢「わかってますよ」
79:
赤沢「どんなに辛いことがあっても…今を生きる私たちは未来があります」
赤沢「笑って前を向いて歩いていかないと…天国にいるみんなに、怒られちゃう」
千曳「……その通りだ」
赤沢「それじゃあ千曳先生。三年間ありがとうございました」
千曳「ああ。お元気で」
赤沢「はい…先生も、お元気で」
80:
赤沢「ごめんなさい」
鳴「!……覚えてるの…?」
赤沢「おぼろげ…だけどね」
鳴「そう…」
赤沢「謝って…許されることじゃないのはわかってる…私はあなたを」
鳴「許します」
赤沢「え!?」
鳴「許す、て言ったの。だから、この話はもうおしまい」
赤沢「み……見崎さん……」ウル
鳴「卒業、おめでとう」
赤沢「うん。そちらも…おめでとう」
鳴「うん…勅使河原君が呼んでたよ」
赤沢「知ってる…それじゃあ…また」
鳴「うん、またね」
81:
望月「!来たよ!頑張って!!」
勅使河原「おっおう!」
望月「じゃっ、じゃあねえ!」
勅使河原「じゃっ、じゃあなあ!」
赤沢「…?望月君?」
勅使河原「ああ!あいつは何かこれから用事があるみたいで」
赤沢「そう」
勅使河原「あっ赤沢!俺お前に、言いたいことがあるんだ!」
赤沢「…なに」
勅使河原「俺は………お前のことが好きだ!!赤沢!俺と…付き合ってくれ!」
赤沢「………」
赤沢「嬉しい…」
勅使河原「!」
82:
赤沢「こんな…体中傷だらけの私に…」
勅使河原「そんなの関係ねえよ!」
赤沢「ありがとう…けど、それとこれとは話は別よ」
勅使河原「ぬ…」
赤沢「…考えてあげてもいいわ」
勅使河原「…そ…それじゃあ!」
赤沢「ただし!!」
勅使河原「!」
赤沢「私の……恋が破れたらね」
勅使河原「か…」
勅使河原「かあっ……やっぱりサカキか……」ガクッ
赤沢「あら?よくわかったわね」
83:
勅使河原「見てりゃわかるっての……。はあ俺はどうすればいいわけ?応援すればいいのか?」
赤沢「好きにすれば?」
勅使河原「うう…」orz
赤沢「……」
赤沢(あんたの声も…ちゃんと聞こえてたわよ)
勅使河原「ん?何か言ったか?」
赤沢「別に。卒業おめでとう」
勅使河原「おう、そっちもおめでとう」
赤沢「ありがとう。じゃあね。」
勅使河原「ああ」
勅使河原「……」
勅使河原(綺麗で、眩しすぎるぜ…たくよ)
85:
榊原「あっ…赤沢さん」
赤沢「呼び出してごめんなさい。迷惑じゃなかったかしら?」
榊原「まさか。迷惑なんてあるわけないよ。どうしたの?」
赤沢「うん…」
杉浦(頑張って、泉美)
和馬(うちのを泣かしたら承知しねえぞ!)
赤沢(ふう…落ち着きなさい、赤沢泉美)
榊原「?」
赤沢「まずは……ごめんなさい。私は、あなたにとても非道いことをしてしまった。本当に、ごめんなさい」
榊原「思い……出したの?」
赤沢「うん…少しだけど…」
榊原「……気にしてないよ。全ては現象のせいだったんだから。赤沢さんが生きていてくれて、僕は本当に嬉しかった……」
赤沢「…!恒一君…!!」
88:
榊原「一緒に卒業できて、本当に良かった」ニコッ
赤沢「ええ、私も…恒一君と卒業できて………一年間、いろんなことがあったわね…」
榊原「…そうだね……」
赤沢「辛くて…悲しいことが…あったわ…」
榊原「うん…」
赤沢「私も…死にかけて…もうダメかな…死んじゃうなあって私自身思ってた」
榊原「……」
赤沢「けど…それでも…私は…生きたかった!楽しいこともあったから…三年三組になってからの楽しいこと、恒一君と初めて出会ってからのこと、私は覚えてるから」
榊原「うん……僕も覚えてる。赤沢さんと川原で出会ったこと、思い出したよ」
赤沢「!………それと…もう一つ理由があったの…私の…生きたい理由……伝えたい…想いがあったから」
赤沢「私は…」
89:
辛くて苦しいことは たくさんあった。楽しい世界も選べたけど あれは夢 所詮夢
赤沢「私はずっと恒一くんのことを見てた…恒一君と話して…恒一君の側にいるととても安心して…見崎さんには…嫉妬してた」
榊原「赤沢さん…!」
赤沢「私は…恒一君の隣にいたい。恒一君と一緒に歩いていきたい」
それに楽しいこともある どんなにくじけても 前に進んで 未来で楽しいことは 自分で作ることもできるから
赤沢「恒一君と、二人で手をつないで歩いていきたい」
90:
だから とてもすばらしい
赤沢「私は」
この世界で 私は生きていく
赤沢「恒一君が、好きです」
END
10

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就活生にオススメしない業界 1位銀行、2位生保・損保、3位証券、4位信販、5位コンビニ

私と娘はややぽっちゃりなのですが、義母に「デブ母娘で娘のデブはあなたのせい」と言われた

カニ「生きたまま煮られるのは残酷じゃねーのかよ」

【サッカー/セリエA】ミラン、ナポリに逆転負け 新加入ターラブト先制弾も…地力の差にバロテッリも涙 本田圭佑は欠場

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