そろそろ卒業だし、俺の高校三年間を語るback

そろそろ卒業だし、俺の高校三年間を語る


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1:
前書いたとき落ちちゃったからさ、最後まで書かせてくれ
10:
中学でクッソみたいなDQNだった俺は、クローズの影響で工業の男子校に入学した
正直この地点でもうどうしようもないゴミだったことがわかる
当時は身長173cm、体重78kgのデブちん、どうしようもない
高校入学して一ヶ月、周りには俺みたいなろくでなしが集まった
うちの学校は底辺校のくせして規律や校則だけはやけに厳しかった
それだから、俺の周りに集まったそいつらはとっととやめていった
11:
どうせ三年間の総まとめ:イジメの対象
とかだろ
13:
まぁ肩の力抜けよお前ら
学校を光のさでやめていった奴らとの仲は、当然の如く光のさで連絡を取らなくなった
しょうがないから普通の奴らと仲良くしようと奮闘するがこの一ヶ月の間で、しょっぼい喧
嘩と教師とのいざこざもあり、普通の奴らとはもう仲良くできなくなってた
この時には、もう俺には友達がいなくなっていた
12:
卒業したらどうするんだ?
15:
>>12
大学行くよ
教師やクラスの連中は、別に俺を仲間はずれとかにするわけではなく、ただそこに
いない人間として扱ってた
なんにもすることがなかった俺だったけど、五月二十四日、少しだけ俺の人生を変えるものと出会った
16:
きっかけは街のゲーセンに出かけたことだった
中学の頃、DQN界隈ではやけに鉄拳が流行っていて、それにもれなくハマった俺は
高校生になってもゲーセンに通いつめていた
まぁ、本当はストリートファイターのほうが得意だったんだけどね
それはそれとして、そこで三百円使い、一時間ほど時間を潰した俺は、ふと近くに
ただで入れる動物園があることを思い出した
どうせ帰ってもリア充の弟が彼女と家でイチャイチャしてるだけだったし、暇つぶしに
そこへ行くことにした
17:
動物園なんて小学生の遠足以来だったし、一人でもけっこう楽しんでた
一通り見回った俺は、近くの広場のベンチに座ってた
近くには展望台もあったけど、制服を来たリア充カップルがたくさんいて気まずかった
から登らなかった
十分くらいボケーっとしてたら、目の前からかっこいいお兄さんが走ってきた
することもなかったからじーっとその人を観察していたら、突然その人はシャドーボクシング
をし始めたんだ
当然、DQN成分の抜けきっていない俺は一人で興奮して、その後もしばらくその人が
続けてたシャドーボクシングに見とれてた
多分十五分くらいしたあと、ふとその人と目があった
俺は黙っているのもなんだったから、軽く会釈した
するとその人はこっちに向かって歩いてきた
20:
正直若干ビビってたけど、そこは俺もイキガリのはしくれ、ドンと構えて若干上目つかい
になるような目線を飛ばした、しょうもないな
しかし、そのお兄さんは「君!高校生!?」と爽やかに話しかけてきた
普通に考えれば「はい」とかが普通の人の反応なんだけど俺は普通の考えを持ち合わせていない
ゴミだったから普通の返事ができなかった
「そうっすけど、だから?」とか、完全にいらない言葉を付け足してしまった
するとそのお兄さん「やっぱり!制服着てるもんね!ドコ校!?」と聞いてきた
俺が大人しく自分の学校を答えると、そのあとは部活入ってるの?とか、学校楽しい?
とか根掘り葉掘り聞かれた
久しぶりに親兄弟以外の人間と会話(ちなみに、この時は親兄弟とも仲が悪く、父親に
限っては目も合わせてもらえない状況だったけど)できたのがうれしくて、次第に
俺も笑顔になってた
そして、会話が盛り上がってきて、お兄さんはある質問を俺にした
「キックボクシングに興味ない!?」
21:
なんかワロタ
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4094514678/
19:
なんで弟はリア充なんだよ
22:
>>19
イケメンでコミュ力高い
テンションが高くなっていた俺は、二つ返事で「あります」と言った
そしたらお兄さん、「このあと時間ある!?」と俺に質問し、返答するなりその人が
所属するジムに連れて行かれた
その日は、練習を見学してサンドバックを叩かせてもらっただけだった
帰り際、お兄さんは「よかったらまた来なよ!」と言ってくれた
練習する姿がかっこよかったのもあったけど、それ以上に俺と話してくれたことが
うれしくて、帰ったら思わずそのことを母親に話してしまった
そのときは母親とも「ご飯いんの?」「うん」くらしか会話がなかったから、俺は
母と話せてまた嬉しくなった
23:
アメリカのドラマかよ
24:
次の日の放課後、俺は早そのジムへ訪れた
おどおどしながらジムの中に入ると、そのお兄さんがいた
「あ、昨日の…>>1くんだっけ!?」と言ってくれた
その後は少し会話し、そしてまたサンドバックを叩かせてもらった
帰り際、俺は「ここに入会したいんですけど」と言った、するとお兄さんは
「え!?マジで!?」と言って、俺の肩を叩いた
その後、人生で三回目くらいの土下座をし、なんとか母親を説得して無事そのジムに
入会することが決まった
25:
続きはよ
26:
なんだホモスレか
27:
入会してから一ヶ月、毎日通ってトレーニングしていた俺の体は、みるみる変わっていった
なぜか身長も伸び始め、体重は6kgほど減っていた
しかし、六月の下旬、事件が起こった
中学時代つるんでいた奴らと遭遇してしまった
そいつらはもう高校に行くわけでもなく、だからといって就職するわけでもなく、正直言って、
俺よりもしょうもない人間たちだった
街中を走っていると、「おい!>>!」と声を掛けられ立ちどもってしまったのが運の尽き
ここから俺は、地獄を見ることになった
29:
つるんでいたと言っても、友達ではなかった
そいつらは、面白いからという理由で俺が先輩の悪口を言ったとか、教師に俺が
万引きしたとか、そういうことを平気で言う奴らだった
そのたびに俺は先輩…というかその年上の知らない奴らにぶっちめられていた
俺はDQNと言ってもあまり年上の奴らとは関わらないようにしていたから、積極的に
関わっていたそいつらと比べれば、俺ではなくそいつらのしょうもない嘘を信じていた
のもうなずけるかも知れない、まぁ、自分の言うことを聞かない俺をなにかの理由をつけて
殴りたかっただけかもしんないけど
話は戻そう
そいつらは俺の元に近づいてきて、「お前最近ボクシング始めたらしいじゃん」とか言った
俺はバカ正直に「おう」とか言ったんだけど、それが火種になった
そいつらは「マジでwwwwwパンチ教えろよwwwwww」とか言いながら俺の
肩をボコボコ殴りだした
俺は「やめろよ」とか言いながらヘラヘラしてた、何もしないでそいつらのいいなりに
なっていた中学時代をその時再び思い出し、俺は悲しくなった
30:
そいつらのうち一人が「ちょっとスパーやろうぜwwwww俺やっからwwwww」
とか言いながら肩をぐるぐる回して出しゃばってきた
俺は「いいよ、めんどくさい」とか言ってかわそうとしたけど、そいつは「俺がよくねぇんだよwwww」
とか言いながら俺を殴ってきた
この一発を交わしたのがいけなかった
パンチをサッと交わした俺を凝視して、そいつは「は?なによけてんの?」と言ってきた
俺はこの時ビビりまくってて、でもどっかで格闘技始めたしなんとかなんだろ、と楽観して
いた
けど、そいつが「おい、コイツふん縛っちまえよ」みたいなこと言った瞬間、俺は残りの
二人に羽交い締めにされた
漫画の主人公とかってすごいね、あの状態でヘッドバットとか蹴りで抜け出すんだもん
でも、俺にはそれはできなかった
正面からそいつのパンチやキックを受けまくった
学校にも通ってないし、もうそいつらを縛るものがなくなっていたんだろうね、ボコされ
っぷりは中学んときの比じゃなかった
もう何が何だかわかんなかったよ、そいつらは取っ替え引っ替えで「じゃあ次俺なwwwwww」
とか言って交代交代で俺を殴っていった
そろそろ死ぬかも、と思ったその時、奇跡が起こった
なぜか俺を殴っていたやつの後ろに、一年半近くも口を聞いていなかった父親が
いたんだ
31:
父は「なにしてんだお前ら」と、低い声で言った
そいつらは一瞬固まってた、なぜなら父は体を鍛えるのが趣味で、マジでゴリラみたいな
体をしていたらだ、今もだけど、しかも空手五段
でもそいつらはそのくらいじゃ引かなかった
「なんだおっさん」とか「てめぇなんだよ」とか、今思い出しても本当に自分が情けなくなるような
ことを言われていた、しかも俺にではなく、父にだ
だが父は強かった、そいつらにつばを履かれようがタバコの煙を顔に吹きかけられようが
「とっとと帰れ」と言い放ち、ガンとしてそこを動こうとしなかった
32:
俺はいつの間にか泣いてた、あれだけ殴れ蹴られで怖くても涙だけは流すまいと
決めていたのに、その父の姿を見ていたらしゃくり上げて泣き喚いてしまった
これが高校生活で初めて流した涙だった、あと二回あるけど、それはおいおい書く
とにかく、その父の姿にびびったのか、そいつらの一人が「おい、萎えたから行こうぜ」と行った
そして、ほかの奴も冷めたのか、こっちに指を立てながら帰っていった
俺は父に抱き抱えられた、そして、「なっさけねぇな、クソガキが」と言われた
そして俺はまた泣いた、地元の大きいスーパーの裏駐車場で、ちびっこやその
お母さんたちが見ている前で、父に抱えられながらわんわん泣いた
帰って、風呂に入ったあと、父に「あの時は本当にすいませんでした、そして、今日は本当に
ありがとうございます」と言った
俺は中学のときに万引きして捕まって以来、この日まで一言も父には口を聞いてもらえてなかった
すると父は「俺も意地になってたんだよ、もういいからこれ食え」と言い、冷やしトマトを
もらった
あとで父になぜあそこにいたのか聞いたら、弟の三者面談の帰りでスーパーに買い物に
来ていたらしい、ほんと運が良かったよ
33:
あれ?こいつただのイジメられっ子じゃね?
34:
俺はこの日のことが悔しすぎて、一生懸命にキックボクシングの練習に打ち込んだ
学校では、心を入れ替えて、今までとは比べ物にならないくらいに勉強をした
あいかわらず友達はできなかったから、本当に練習と勉強しかやらなかった
しかし、六月をすぎて、七月の初旬、またもや事件が起こった
35:
突然、知らないアドレスからメールが来た
俺に母親以外からメールが来るのは久しぶりだった
もしかしてまたあいつらかな、とも思ったがどうやら違ったみたいだった
送り主は、中学の頃の同級生の女だった
そいつはソフトボール部の女で、名前をNと言った
この時、俺はすでに体重を64kgまで落としていて、身長も178cmまで伸びていた
デブだった頃に比べて、顔もかなりシュッとしていたと思う
正直、この時の俺はその自分の姿に変な自信を持っていた
話を戻そう、そのNのメールの内容は「久しぶり、Nだよ、この前走ってるの見たよ、かっこ良かった、
また逢いたいね」
みたいな感じだった
俺は舞い上がったね、男子校で、しかも友達もいないから彼女とかもう絶望だと思っていた
から、心底嬉しかった
でもまぁ、甘い話には当然刺があるんだよな
ホント疑えよ、俺
36:
俺は無難に返事をした
すると向こうからびっくりするくらい早く返信が来た「私のこと覚えててくれたの?嬉しいな」
みたいな、自分で名乗っておいて何言ってんだ、お前は
その後の話はトントン拍子で進んでいき、夏休み前のテスト明け、人生で初めてのデートをすることになった
一応言っておく、この女は体育会系だが、なかなかかわいい方だったと思う
身長は150cmほど、髪はショートの黒、肌は褐色、こんな感じ
そりゃ童貞は騙されるわ
37:
騙されたか
38:
デート当日、リア充のメッカであるみなとみらいに行った
楽しかったね、プリクラ撮ったり、ゲームしたり、女もんの服屋に入ったのも初めてだった
マックで軽くご飯を食べたあと、噴水の前を通りかかった
その時Nは俺の腕にしがみつき、「こうやってあげる」といった
もう俺はフル勃起、髪とか超いいニオイだったし
でも、なんか主導権握られるのもあれだったから、引き離して手を握った
Nは何も言わずに握り返してくれた
俺はその日、キスはしなかった、する勇気が出なかったから もったいない
でもハグはした
翌日から、Nからの連絡はピタリと途絶えた
39:
読んでないけど感動した
毎日聞かせてくれ
40:
でもまぁ、しつこくメールとかすんのはなんかカッコ悪いと思ったから、あまりメールは送らなかった
送っても、「元気?」とかそんくらい
数日たって、遊ばれたんだなと気づいた俺は、心にポッカリと穴が空いたのを感じた
好きとかそういうのじゃなくて、消失感って言うの?そんな感じ
ここで一つ、なにが問題かということだ、それはNから告白してきたということだ
トントン拍子で進んだメールの中に、Nの告白のメールがあったんだ
危ない危ない、もう少しで好きになるところだったわ
けど、気づいたその次の週くらいに近所のTSUTAYAで再会したんだ、Nと
問いただしたかったけど、それもカッコ悪い気がして、俺は何も聞けなかった
「やぁ」とか言って軽く返事をすると、向こうは驚いたような顔をしていた
なぜかNは俺に謝った、なぜかと聞くと、部活が忙しかったからだそうだ
文字数文字打つのに部活も糞もあるかよこのスカタン!とも思ったが、やはり怖くて
問いただせなかった
気まずくなったから「じゃ、また」と言って帰ろうとした俺の手を、Nは引っ張った
そして「彼氏ができたの」と言われた
???
41:
いやいや、お前が告ってオーケーしたの俺なんだから知ってるよって感じだってけど
どうやら話が違うらしかった
Nは同じ高校の男に告られたから付き合ったと言った
笑いしか出なかったね、マジで
しかも、驚くことに、その返事をしたのが俺のメールをばっくれていた時だったのだ
待て待て、さっきお前部活で忙しくて「元気?」の返事の「うん」の二文字すらも
打つ時間がなかったって言ったよな?
ま、怖くて聞けなかったんだけど
なんか悲しくなって、その日は布団で丸まって寝た
数日後、中学の同級生のKと出会った、男な
色々話したあと、ふとKが「あぁ、そういえば中学の同級生のNがこの前横須賀で男といたよ、あいつ付き合ってんだな」と言った
その日はNが俺から絶賛バックレ中だったはずだ
ふざけんな
42:
だがしかし、この会話がきっかけになり、Kと仲良くなった
Kは中学のころクラスが一緒だったが、別に話とかするやつではなかった
それがなぜか急に仲良くなったんだ
夏休みはほぼ毎日Kと遊んだ、嬉しかったね、俺に初めて友達ができたと思った
二年に上がってもこいつとは仲のいいままで、いつの間にかそこにもうひとり、Jが加わっていた
俺は自分が変われば周りも変わってくれるんだなと、この時は思っていた
学校では特に何もなく、この後の一年間は学校とジムとを学校とを往復するだけの日々だった
そして、迎えた波乱万丈の二年生の夏休み
43:
まず最初に起こったのは、DQNどもとの再会だった
その頃、周りでは脱法ハーブが流行っていたらしかった
俺はJやKにも絶対にやらないでくれと言っていた
ある日、駅を呑気に歩いていると、駅の階段の所に四つの影があった
あの時俺をぶちのめした奴らだった
今まで呑気に構えていた俺だったけど、奴らを見た瞬間に言いようのない怒りが
こみ上げてきた
だが、殴るわけにはいかなかった
俺はこの時にはもうすでにアマチュアだけどなん試合かこなしていて、外で手を出した
ら即タイーホランクの強さに成長していたからだ
だから、俺は聞いていた曲の音量を上げて俯き、早足で駆け抜けようとした
けど無理だった、残念
階段は改札のほぼ正面にあるし、なにより出口がそこしかなかったから、まぁ当然といえば当然
なんだけどさ
とにかく、俺はそいつらに捕まった、あの時の三人の他にもうひとり、それは
見間違えるはずもなく、友人のJだった
44:
結構急展開だな
45:
ほう。
46:
割と面白い
47:
すらすら読めるわ
49:
Jは、俺の顔を見るなり、力なく「ははは」と笑った、いや、笑ってる場合じゃないでしょうが
するとそいつらのうちの一人が「久しぶりだなてめぇ」とかなんとか言いながら
突然笑いだした
俺が不思議に思っていると「今だったら誰にも負ける気がしねぇわ!!あっひゃはぇ!!」みたいな
ことを言い始めた、俺は困った
しかし、俺はその時広がっていた噂を思い出した、そして、どうやらこいつらは俗に言う「キマッている」という
状態なんだな、と思った
確かに、こいつらの歯は何本か黒くなっていたし、明らかにテンションがおかしかった
突然「ファーwwwwww」とか言ってさんまの真似をしだしたかと思いきや「おい○○、タイマンはろうや」
と言ったり、挙句の果てにはATMぶっ壊したら金持ちになれたとかわけのわからない
ことを言っていた
あとあと知ったことだが、事実当時、横浜のATMが破壊された事件があったみたいだった
本当にそいつらがしたのかは知らんけど
とにかく会話も成立しないし、息は臭いし、タバコの吸殻だらけだし、Jはビビってるしで
まさにカオスだった
50:
だが俺、もうビビんない
あの時話しかけてくれたお兄さんは実はプロの選手でしかも上位ランカー、そんな
人とスパーリングしてれば強くなるのは当然なわけで、その拳に比べればこいつらの
丸い拳なんて怖くもなんともなかった
だから俺は「もう俺はあなたたちに関わる気はないんで、すいませんね」とか言って
Jを連れて帰ろうとした
だがそうはいかないのが現実、「待てやコラ!」とか言いながらそいつらのうちの一人が殴りかかってきた
格闘技経験者の反射神経は確かに常人と比べて優れているけど、そんな死角から放たれた
パンチをよけられるわけがないだろうが
俺は後頭部にやつのパンチをもらった
だが、駅だったこともあり、通りかかったおばさんが叫んだおかげですぐに駅員が来てくれた
俺は話すのもめんどうだからJと一緒に逃げた
勝った、と思って後ろを見た俺はまたビビってしまった、そいつらは駅員の制止を振り切り
追いかけてきたのだ
もうめちゃくちゃでしょ、でもキマッちゃってる人間がなにするかなんて俺にはわからないし
、わかりたくもないから奴らの常識はそういうのなんだろうということで無理やり納得した
でもまぁ、俺は自慢じゃないけど100m十二秒台だし、追いつかれるわけなかった
Jの手を引いていたからそこまで早くなかったけど、平衡感覚を失った奴らを振り切るのには
十分だった
結局、この日はこれだけで終わった
51:
数日後、俺は夜の公園でシャドーボクシングをしていた
そんなとき、中学の時の同級生のHが現れた
Hは危ないDQNの取り巻きのひとりで、でも器用だったから俺みたいにぶっちめられたり
しているわけではなかった
そして、そのHと少しばかり話していたんだけど、いつの間にかそのハーブの話になった
最初は脱法だったが、次第に本物になっていったことや、誰がやっているなんて
話を聞いていた
別に俺はあまり興味はなかったけど、同級生でKやJ以外に会話をするのは久しぶり
だったから思わず聞いてしまっていた
そして話の終盤、Hが口に出したハーブをやっている人間の名前の中に、Jがいた
52:
俺は頭が真っ白になったね
なんていうか、俺は死ぬほどJとKには薬なんてやんなって言っていたし、それに
あいつらも笑顔で「やんないよ」と言っていたからだ
また裏切られた、そう思うとなんかやるせなくなった
でも、同時に俺はもしそれが本当なら救ってやらないととか、柄にもなく熱血的な思考に
走っていた
早Jに電話した、Jにはストレートに「薬やってんの?」と聞いた
するとJは「はぁ?やってねぇけど、いきなりなんだよ」と若干キレ気味に言ってきた
もしかして図星なんじゃないかと思った、思ってしまった
するとなぜか、俺は泣いていた
悲しくなって、しくしく泣いた、でも次第にそれが怒りに変わってきて、Jに「てめぇ
ふざけんな!今すぐ来い!薬やるくらいなら俺が殺してやる!」みたいなことを言って
しまった
これではあいつらと何も変わらない、わかってた、でも、自分が信じた人間が自分を裏切る
のが許せなかった
53:
公園が割とJの家の近くだったこともあり、Jはすぐに来た
来るなり俺はJの胸ぐらをつかんで「本当にやってんのかよ」と聞いた
Jは「だからやってねぇって言ってんだろ」と言った
普通に考えれば、自分がやっていないことの返答を強いられれば反発するのは当たり前、
でも、怒っていた俺は、そんなことは考えられなかった
俺はJが薬をやめられるなら、ぶん殴って俺が捕まっても構わないとさえ思った
だが、次の瞬間、慌てたHの口からまたも信じられない言葉が飛び出た
「嘘だよ」
もう、なにを信じればいいのかわからなかった
54:
思わずへ垂れ込んだね、まさに背中にヘナヘナとか音がつきそうなくらい
今思えば、多分腰が抜けたんだと思う
そのくらい安心した、そしてへ垂れ込んだままJに「ほんとうに?」と聞いた
少し前にJがあいつらに捕まってたこともあり、やはり嘘だとは思い切れなかった
けどJは「当たり前だろ?」と言ってくれた
また泣いた、まさか俺がこう何度も何度も人前で泣いてしまうだなんて知らなかった
Jに掴みかかったことを死ぬほど謝ったあと、Hになぜそんな嘘を言ったかを聞こうかと思って
振り向いたが、もうそこにはHはいなかった、どうやら逃げたらしかった
結局、本当のところはどうなのかは知らんけどJの言うことを、俺は信じることにした
55:
けれど、一度壊れかかった関係はもう今までどおりにはいかなかった
Jとの連絡もまばらになり、結局その後の夏休みは会うこともなかった
でも、俺の夏休みはこの程度では終わらなかった
この話をKにだけは話しておこうと思って話した
Kは「安心しろよ」と言ってくれた、俺は実際、その時その言葉に救われた
でもこいつも、結局上っ面だけの関係だった
56:
夏休みが始まってすぐ、俺はKと二週間後に遊びに行く約束をしていた
Kには俺が働いていたピザ屋のバイトを紹介したり、ラーメンおごったり、とにかく
世話を焼いていた
向こうが俺を頼ってくれるのを、俺は嬉しく思っていたからだ
だが、そんな関係もあっさり崩れてしまった
その約束の当日、というかもう集合五分前くらいになって、突然連絡が来た
Kからだった、何かと思ってケータイを見てみると今日バイトが入ったから遊べなくなった
という内容だった
また裏切られたのか、そう思った、なんかもう怒る気にもなれなかった
入ったバイトはピザのではなく、Kの親戚が経営している寿司屋のバイトだった
57:
俺はふと疑問に思った
なぜなら、そのバイトは俺もやったことがあって、たしか自分が入りたい日の前日とかに
大将に連絡して働かせてもらう形のバイトだったからだ
つまり、Kは俺との約束があったにも関わらずそのバイトを入れたわけだ
笑いしか出なかったね、確かに中学の時はしょうもないことたくさんしたけど、高校に上がって
俺は勉強もいっぱいしたし本も読んだし、バイト代だって貯めたしスポーツだって真面目にやった
そんな俺が、こんな目に会う意味がわからなかった、今回のことだけでなく、高校に上がって
からのこと全てを思い出してね
Kには、とりあえず話を聞きたかった、だからバイトが終わったあと来てくれと俺は言った
Kはいいよと言った、来るのかよ
58:
だが、俺にはもう、Kしか友達がいなかった
だから俺はとにかくKの話を聞こうとした
もしかしたらいきなり金が必要になったのかもしれない、親戚だから、もう頼れるのがKしか
いないのかもしれない、色々考えた
でも、違ったよ
Kは俺に会って開口一番謝ってきた、謝るくらいなら最初からしないで欲しかった
でも、それを言うとじゃあ俺は今までそうしてきたか?という問いに答えられなくなるから
言わなかった
とりあえず、なぜ俺との約束をすっぽかしてバイトしたのかを聞いた
するとKは「忘れてた」と言った
どうやらKは俺と遊ぶことを当日まで忘れていて、当日になって思い出したがバイトは断ると
あとあと入れなくなって困るからバイトを優先したそうだ
そして最後にKは「>>1なら許してくれると思ったんだ」と言った
ふざけるなよ
59:
割とおもろい
60:
俺なら許してくれると思ったって、いくらなんでも俺舐められ過ぎでしょ
けど、我慢した、もうJの時みたいに友達を失いたくなかった
でも、ふと気になったんだ、バイトの金額
なんで気になったのかわかんない、でも聞いてしまった
答えて欲しくなかったね、自分で聞いておいて池沼か?と思うだろ?でも聞けずにはいらんなかった
突然だけど、俺は医療メーカーの金額を聞いて「高い!」とかいうタレントが大っ嫌いなんだ、命に値段を付けられてる気がして
、まぁブラックジャックの影響なのかもしんないけど
でもKは言った
「3750円だった」って
つまり、俺がKとの間にこの一年間で必死で培ってきた絆()はたったの3750円にも満たなかった
ってことなんだって、そう思った
めちゃくちゃだと思うだろ?でも本気で信じていた奴に言われると、傷つくよ、ほんとうに
もうなにもかもがどうでもよかった、一回俺は今まで出したこともないような声で笑って、
その後Kを思いっきりぶん殴った
Kは「うぐっ」とか言って倒れた、一発殴って、こいつに殴る価値があったかどうかを考えて、
死ぬほど後悔した
61:
見てるよ
63:
「もう帰れ」って、俺は泣きながら言った
Kは頬を抑えながら何度も「ごめんな」と言っていた
でももう、そんなのは聞こえないふりをした
帰り際、Kは「許す気になったら、連絡くれな」とかぬかしやがった
逆に聞きたかった、お前が俺の立場だったときに許せるのかと
確かに、俺に友達がいないのが悪かったのかもしれない、信じすぎたのが悪かったのかもしれない
、Kなら大丈夫だと、安心してしまったのがいけなかったのかもしれない
でもさ、3750円ってな、もう頭ん中はこの金額でいっぱいだった
たしかに、Kからしてみれば俺はKの学校で話す程度の奴と同格なのかもしんないさ
でも、俺にはそれがわかんないんだよ
朝学校に行って、誰から相手にされるわけでもなく一日を過ごし、それを乗り越えて
帰ってきてやっと会話ができる友人が俺にはKとJしかいなかったんだ
そして、Jはもう俺のそばにはいない、Kは最後の命綱だった
でもそれも、たった3750円に負けた、そう思ったら、我慢できなかった
64:
そんなんで怒らないだろ
62:
なんか理不尽じゃない?
怒る理由とか
66:
>>62
そうかもな、あの時は寂しくて少し病んでたのかもな
次の日から、もう友達なんて二度と作らない、そう思った
唯一無二の友人を作れとか、友達は数より質だとか言う奴は片っ端から殺してやりたくなった
でも、そんなことはできるわけもなく、寝る前に布団の中で、何度も友達がいる妄想をしてた
けど、慣れってあるんだよな
一人ぼっちに慣れてくると、次第に妄想もなくなり、ついには勉強とキックボクシングをするだけの
機械になってた
そのまま、外では誰とも会話をすることもなく過ごし半年が過ぎた冬のある日のこと
69:
いつもどおり、近所を走っていたとき、一人の男に声をかけられた
それは、中学の時のDQNグループの一人のRだった
といっても、RはDQNというか昔ながらのかっこいい不良って感じで、そういうくだらない
いじめとかには絶対に参加はしないやつだった
Rは作業着を着ていた、ニッカポッカを着ているあたり、どうやら鳶をやっているらしかった
俺は正直、もう他人と関わりたくなかったからRにも「あぁ、久しぶり、それじゃ」とか言って
走り去ろうとしていた
でもRは俺をつかんで話さなかった、物理的にではなく、会話を途切れさせようとしなかったんだ
70:
Rは「久しぶり!」とか「元気してた!?」とか、そんな平凡なことを聞いてきた
その度に俺は「うん」とか「まぁぼちぼちかな」とか、そんな感じで答えていた
するとRが「時間ある?相談があるんだよね」と言ってきた
俺は嫌だった、嫌だったけど、やっぱり人と会話できたのが嬉しくって、ついていってしまった
まぁ、最悪一体一だし、いくら強くても最悪逃げればいいや、そんな心構えでRについていった
71:
高の高架下に着くと、Rはタバコをふかした
俺に吸うか聞いてきたが、丁重にお断りした
Rは一度深く煙を吸い込むと、話し始めたんだ
「なぁ、>>1ってさ、友達いるか?」って、それが第一声だった
俺は正直に「いないよ」と答えた
するとRは「そっか、じゃあ俺たち似てるな」と言った
はい?と思った、Rは中学んときからイケメンでカリスマ性があって明るくて活発で、頭は悪かった
けどそれをカバーできるくらいのスポーツセンスがあって、そんなやつと俺が似ている
だなんて、悪い冗談だと思った
思っただけで言わなかったけど
Rは話を続けた
「俺さ、中学卒業して○○高校(野球がめちゃくちゃ強い、Rは中学時代にシニアチームに
入っていて、大会で打点王とかとっていた)入ったんだけどさ、先輩にいじめられてやめた
んだよね」と
こんな奴でもいじめられちゃうんだなと、その時思った
72:
文才あるな
73:
さらにRの話は続いた
「でもさ、学校やめて鳶になったけど、後悔してないんだ、めちゃくちゃ楽しいんだ、鳶」
と言っていた
俺は「そっか、よかったじゃんか」と返した
するとRは笑顔になった
「だろ!?学校だけが全てじゃないってマジで思ったんだ!たしかに学歴あったほうが将来性も
あるし、職人なんて体力あるうちじゃないと無理なのは知ってるけどさ!俺はやりがい感じてるんだ!」って
Rは鼻を鳴らし、そして紫煙を吐き出した
俺はそんな話を聞いているうちに、いつの間にか楽しくなっていた
俺の顔が少しにやけていたのか、Rは顔を緩ませてさらに話し続けた
「あのな!○○(名前忘れた)っていう鳶のテクニック競うオリンピックみたいのがあるんだけどさ!
俺はいつかそれに出て、優勝したいって思ってんだ!どう!?」と
俺はそれに「すごいな、テクってどんなの?」と質問した
するとRは「例えばこの高道路がどうやってできてるか知ってるか?地面でブロックみたいに組んで、それを
でっかいクレーンで釣り上げるんだ!でも15tだぜ!?すっげーよな!俺まだ見たことないんだけどさ!
15tのクレーンと見てみてぇよ!」 と、Rは楽しそうに話していた
俺はRが会話の途中でタバコを吸うたびに「すごいな」とか「あのビルの鉄骨はどうなってんの?」とか
色々質問した
そして、そのたびにRは楽しそうに答えた
75:
ふと、会話が途切れたんだ、なぜかは覚えてないけど、たしか雨が降り出したんだったと思う
したらRが「でもな、俺、職場で一番年下だからさ、やっぱりいじめられんだ、でも母ちゃんに
無駄にした入学金返さなきゃいけないから、やめるわけにはいかねぇんだ」と言った
聞いた瞬間、俺は感動したよ、なにも言えなかった
そして、俺は絶対にこいつと友達になりたいと思った
でも、やっぱり裏切られるのが怖くて、なにも言えなくて、「そっか、親孝行だな」くらいしか
言えなかった
するとRが「>>1はさ、優しいな」と言った
俺は頭の上にでっかいハテナマークを浮かべて首をかしげた
不思議そうな顔をしてたらしい俺にRは続けて「だって、俺が愚痴るとほかのやつはみんな
『そんなんお前だけじゃないんだよ』とか言うからさ、>>1は俺の話を聞いててくれるじゃん
そんな奴初めてだよ」と言った
まぁ、そりゃ俺だってやなことはあるけど、わざわざ人が話してるのを切ってまでいうことではないし、それに
俺が嫌だからってRまで嫌な思いしなきゃなんないのはおかしいと思ったからなにも言わなかっただけだ
そんなことを考えていると、さらに続けてRは「中学んときからもっと仲良くしとけばよかったぜ」みたいなことを言った
人の話を聞くだけで感謝されるなんて、やっぱり意味がわからなかった
でも、仲良くしとけばよかったって言われたとき、もう一回だけ頑張ってみようと思えた
76:
「なぁR」
「ん?」
「友達になってくれないか?」
一瞬、空気が死んだね、めちゃくちゃ恥ずかしかったよ、でもRはさ
「いや、中学んときから友達だろ?というか17才にもなって恥ずかしいな!」と言った
俺はまた泣いた、ホント情けない、でもRにバレないようにウィンドブレーカーの
フードですっぽりと顔を覆って隠した
77:
その日、寒くなってきたから連絡先を交換して帰ることにした
ラインをやっていないからめんどくさいなと言われた、いや、だって使わないもん
その週の土曜日、俺のケータイに久しぶりにメールが入った
差出人はR、内容は今から遊びに行こうぜ、だった
俺は人に誘われるのが初めてだった
思い返せば、JもKもいつも俺から誘っていた
俺は二つ返事で返し、軍パンの上に二つしか持ってないジャケットの一つを羽織って出かけた
夜に家の外に出るのは中学生以来だった
近所のコンビニで待っててくれとRは言っていたから、俺は大人しく従った
一足早く付いた俺は愛読している雑誌(なんだったか忘れた、多分ファイトライフ)を
立ち読みしつつRを待った
そして、五分ほどしてRがやってきた
79:
俺はその夜、Rと遊び明かした
二人でゲーセンに行って鉄拳をやったり、なんかダンスするゲームとかマリオカートとか、
とにかくアホみたいにあそびまくった
疲れたらファーストキッチンに入ってコーヒーとポテトを頼み、休憩が終わったらまたゲーセンに
入ったり服を見たり、ダーツをしたり
時間を間違えて、終電がなくなったから、俺たちは地元の二十四時間営業の安いカラオケまで片道一時間半
くらい歩いて、そして朝の八時までぶっ通しで歌いまくった
今まで生きてきて、一番楽しかった、今までの苦行みたいな日々も、この時に生まれた
楽しさに比べれば屁みたいなもんだった
そして、朝、地元の展望台でコーヒーを飲みながら俺とRはふとRの口からでた「将来、なにする?」
というセリフから、将来の夢を語り合った
80:
はよ
82:
ふむふむ
83:
鳶の大会で実績たたき出して、それを看板に会社を作るんだと、Rは言っていた
Rは小学生の卒業文集の作文に、将来の夢は社長になりたいと書いていたらしく、
それを絶対に叶えたいと言っていた
俺は、大学に行って教員免許を取りながら、プロとしてキックボクシングを続けたい
と言った、人に将来の夢を語るのは初めてだった
Rが「もう眠いな」と言ったから「帰るか」と言った
そのあとは二人共無言だった
お互いなにをいうわけでもなく、ただ歩いて、たまに肩を組んだりした
別れ際、「今日は一日中寝て明日の仕事頑張るか!」とRは言っていた
俺は「じゃあ俺は学校で寝れるように今日は起きてようかな」とかくだらないことを
言った、と思う、眠くてこの辺はあまり覚えてない
するとRは「ぜってー寝かさねー、仕事中も永遠にメール送るわ」と笑った
突然、俺はなぜか心配になり「よろしくな」と言ってRに手を差し出した
Rは無言で俺の手を一度固く握ると、パッと離して帰っていった
どこまでもイケメンなやつだと思った
84:
青春の密度濃すぎ
俺の三年間が骨粗鬆症みたい
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4094514678/
85:
その後も、Rとの交友関係は続いた
意味もなく海に行ったり、「やっぱ東京だろ!」とかわけのわからないことを言ったR
の後に続いてついて行ってみたり、近くの箱でイベントがあるとその行きがけのギャルを
ナンパしようとしたり
ちなみに俺は一度も成功しなかった
週末はいつも楽しかった、平日がクソみたいに退屈なのも全然我慢できた
そんな毎日が続く中、高3になった夏のある日、事件が起こった
86:
Rが事故にあったと聞いたのは、練習が終わって音楽を聴こうとケータイを開いた
時だ
どうやら鉄骨の下敷きになったようだ
血の気が引いたね、まさかまた友達がいなくなるんじゃないかと思って
もし死んでたら、俺はどうすればいいとか、一生植物人間のままなんじゃないかとか
とにかく心配した
心配して心配して、心配しまくって必死こいて自転車を飛ばしてたどり着いた記念病院の病室で、
RはフツーにPSPをやっていた
88:
ドアを開けた時の俺の顔がどれだけ面白かったのかは知らないけど、Rは狂ったように笑った
俺は「大丈夫か?」と聞いたが、Rは「大丈夫か?…じゃねーよwwwwww>>1が大丈夫じゃねーよwwwwwww」
と言った
ブッサイクな看護婦に静かにしろと怒られたが、Rは止まらなかった、そしていつの間にか
それにつられて俺も笑ってしまった
看護婦はキーキー言っていたのを覚えているけど、それ以上に笑っていたのをさらに覚えてる
そして一度部屋を出て、Rが好きなアセロラジュースとマスカットナタデココと、俺用にコーヒーを買っ
て病室に戻った
適当に話したあと、俺は帰ることにした、Rの父親は亡くなっていて、Rの母親は一人でRの兄弟三人を養っているスーパーかーちゃんだ
そのRの母が来るまで俺はRのそばにいて、RのケータイにRの母から連絡が入ると、俺は病院を後にした
ちなみに、俺のケータイに連絡を入れたのはRの母だ
何度も俺やRがお互いの家を行き来するうちに、双方の母親も仲良なったらしく、俺には
Rの母親のアドレス、母親にはRのアドレスが追加されていた
どうでもいいが、俺とRは、絶対にお互いを『お前』と呼ばなかった
俺はそれに気づいていたし、きっとRも気づいていたと思う
きっとこれが、本当の友達なんだって、俺は確信した
87:
かっこいいけ>>1みたいにはなりたくない
89:
>>87
今じゃハートも強くなったけどね、俺相当ダサいもんな
Rが入院してる間、ちっさい事件が起こった
俺がNと再会したんだ
ある日、また俺が近所を走っていると、少し裏に入った道でNにあったんだ
Nは俺を見ると一瞬引きつった顔を浮かべ、しかしすぐに笑顔を作り、そして慣れな
れしく俺に体をこすりつけて、「あの時はごめんね?」と言った
あいかわらず俺は童貞だったけど、今度はなにをすればいいのかわかった
俺はゆっくりNから離れると「後悔してんのか?」と聞いた
するとNは「うん、かなり」と言った
俺は勝ったと心の中でガッツポーズをして、そして「じゃあその後悔を一生引きずりなよ」と言った
決まりすぎてて、もうおしっこ漏れると思ったもん
Nはその場に立ち止まって俺をじっと見ていた、そんなNに向かって俺は「元気でな」と言った
Nが後悔なんてしてないのはわかってる、でもこういうのは言ったもん勝ちだろ?だから
今回は俺の勝ちだよ
そして、何回か見舞いに行く間に9月に入り、Rは退院した
90:
そのあとはまた平和な毎日だった
ハロウィンではかぼちゃプリン死ぬほど食って、クリスマスはでっかいケーキとチキン
食って、正月は川崎大使に初詣に行った
俺たちは会う度に死ぬほど笑った
そして冬休みが明ける少し前、また俺とRは遊んだ
93:
前も見たぞこのスレ
94:
前に書いたのが終わったんだろ
95:
見てるからはよ
96:
ここからは溜めてないから少し遅れる
なるべくよく思い出して書くから、見てくれてる人はすこしだけ待っててね
それと猿が来てしまった
その日は、またRの思いつきで新年会をやることになった
俺は一応スポーツマンだからタバコも酒もやらなかったけど、その日はRが「酒なしには
語れないんだよ、ちょっと恥ずかしいこと言うからさ」と言うセリフに負け、中学以来の
酒を飲んだ、タバコは吸わなかったけど
だんだん酒も回ってきて、Rが「それじゃ!そろそろ話そうかな!」と言った
俺が「どんな話すんだ?」と聞くと、Rは「まずは>>1の高校生活を振り返って
くれよ、俺は高校生活を送れなかったからさ」と言った
正直、俺の高校生活なんてあってないようなもんだったけど、最初から最後まで
包み隠さず話した
話終わると、Rは「お疲れ様」と、一言だけ言ってくれた
俺は、その一言だけで十分嬉しかった
聞いたあと、俺はRに「じゃあ、Rの話をしてくれよ」と言った
Rはジョッキに入った緑茶ハイを一気に飲み干すと、満を持して話し始めた
97:
案外面白い
99:
「俺、実は>>1とは、小学生のときに会ってるんだ」
???
よく意味が分からなかった、なぜなら俺とRは別の小学校だったし、それに俺には
全く記憶がなかったからだ
だが、Rはこう話を続けた
「小学校の時さ、日産スタジアムで他校と合同でやる運動会みたいのあったろ?
あのとき、お前と一緒に50m走を走ったやつの中の一人が俺だったんだ」
ここでRは一度セリフを切り、タバコに火を点け、そして話を続けた
「>>1の名前って結構珍しいだろ?女みたいだし。だから覚えてたんだ。まぁ、そんときは
、それくらいの気持ちだったけど、中学に上がってビビったわ。だって、一つ後ろの
席にお前が座ってんだもん」
俺はこの地点で結構驚いていた、作り話ではよくある偶然なんだろうが、俺にとってはかなり
センセーショナルなことだった
さらに、Rの話は続いた
101:
「あの時はさ、俺結構ビビってたんだよ、友達できるかな?とか思ったりしてさ、でも
みんながアドレスの交換をしてる中で、俺はなかなか人に話しかけられなくてさ」
俺は、この期に及んでこの話の先が読めなかった
そしてRは
「でも、そん中で俺に最初に話しかけてくれたのが……>>だったんだぜ」
と、言った
「俺、めちゃくちゃ嬉しかったんだ、本当に」
そう最後に言葉を紡ぐと、Rは泣き始めた、そして泣きながら、俺に謝ってきた
103:
見てるよ
104:
なんで謝るんだよwwwww
105:
「ごめんな、俺、本当は>>1があいつらや先輩たちにぶん殴られてたの知ってたんだ、
でも怖くてなにもできなかった、俺は体もでかかったし、まわりからはそれで
喧嘩が強いなんて言われてたけど、でも始めて話しかけてくれた>>1のことは助けて
やれなかったんだ……ごめんな」
と、Rはなぜか俺に何度も謝ってきた
正直俺は、あまり理解できていなかった
あのRが酒の力を借りてまで俺が気にもしていなかったことを謝る意味も、なぜ
関係のないRが泣いてまで謝るのかも
でも、少しだけ考えて、あの日、Rと再会した時の言葉を思い出してた、そして
「そっか、俺たち、似てるな」と、俺は言った
今思い出すとかなり恥ずかしいが、そのときは酒も回ってたし、全然なんとも思って
なかった
そして、そう言った俺にRは「怒ってないのか?」と聞いた
Rのあんな顔を見たのは初めてだった
今思えば、きっと俺がRの病室に駆けつけた時、あんな感じの顔をしてたんだろう
だからというわけではないと思うけど、俺は笑った、そして
「ありがとうな、R」と言った
106:
しばらくRは泣き続けて、俺はそれを見ないように居酒屋のテレビをボケっと見てた
しばらくして、ようやく泣き止んだRは俺に「あの時>>1と会ったのは、絶対運命だな」
と言った
俺は「女でもねーのに気色悪いな」と笑いながら言った
するとRは恥ずかしかったのか、突然席を立ち俺のことをくすぐり始めた
記憶が正しければ、生まれて始めて人にくすぐられた
次第に俺の笑い声が大きくなったのか、店員のおっちゃんに注意され、そのあとは
静かに飲んだ
始発が走り始めたころ、俺とRはそれに乗って地元に戻り、また展望台に登った
107:
なんていうか、青春って感じだな
108:
Rみたいなお友達が欲しい
109:
恋愛話よりうわあああああああってなる
110:
俺にもこんな思い出があれば…
111:
てっぺんに着くと、Rがおもむろに「今年もよろしくな」と言った
俺はそれに「おう」と返事をして、そして遠くの景色をぼーっと見渡した
無言のまま時間が過ぎ、いつの間にか太陽が昇り始めた頃、Rが「帰るか」と言った
俺もそれに「そだな」と返した
「次いつ遊べる?」とRが聞いてきたから、俺はいつでもいいと答えた
事実、この時には大学は決まっていたし、予定なんてなかったから
するとRは「じゃあ、またそのうち連絡するよ」と言って歩き出した
その時、不意にRにどうでもいいことを聞きたくなって、Rを呼び止めた
Rはこっちを向き「なに?」と言った
俺は「彼女って、どうやったらできんの?」と言った
すると「なんもしなくてもそのうちできんじゃね?」と即答するR
なんでだよと笑いながら聞くとRは「お前はそういう奴だから」と言った
高3にもなって、こんな臭いセリフを言い合えるRが、俺は大好きだ
最初はもうどうしようもないと思ってたし、結局彼女もできなかった高校三年間だったけど
俺にとってはかけがえのないものだったって思えるよ
これで終わり、ここまで付き合ってくれた人たち、本当にありがとうね
それじゃあ、おやすみ
112:
>>1
おつかれさま
これからも頑張れよ、応援してる
113:

114:
お疲れさん!
またなんかあったら色々かいてくれ
115:
おつかれ
面白かった
116:
11

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