真紅、一日署長になれない。back

真紅、一日署長になれない。


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真紅「HAHAHA!」
雛苺「翠星石流のジョークが、さくれつなの?!」
真紅「HAHAHA! 全くだわ。シニカルでポイズンな笑いを追求させたら翠星石の右に出る者はいない」
翠星石「いやいやいや、それほどのことはあるですよ?」
真紅「ふ?、それはそうと…」
雛苺「?」
真紅「退屈ね。退屈すぎて、ローザミスティカがまた砕け散りそう」
翠星石「ちょっ! 今の今まで翠星石の最上級のネタで笑い転げていたじゃないですか!」
真紅「あれは愛想笑いよ」
翠星石「愛想笑いって、もっと湿った笑いをするもんじゃねーのですぅ…?」
109 :
翠星石「おバカいちご、そんなの真紅のウソに決まって…」
真紅「そうとも限らない。ジュンが新しく作ってくれたローザミスティカって今一まだ馴染まないのよね。
  所詮は下僕がお父様の真似をしたところで、たかが知れているということかしら。
  こうして復活させてくれたこと自体には感謝しているのだけれども…」
翠星石「まあ、なんだかんだと世界中から変な鉱石を集めては槐のヤローと一緒にグツグツ煮込んでいたですよ」
真紅「あらやだ。槐も一枚かんでいたの?」
雛苺「うぃ! みんなでアフリカにも行ったのよー!」
翠星石「白薔薇も妙に張り切っていたですぅ」
雛苺「ヒナも張り切って雪華綺晶とたくさん遊んだの」
翠星石「白薔薇の方は随分とコドウグの体が馴染んだのか、チビ苺と一緒に毎日泥んこに…。
  真紅のミスティカ作りのための鉱石探しという目的を完全に忘れていたですぅ」
真紅「何となく想像できるわ。私も目覚めた時に一番驚いたのは、雪華綺晶から険が綺麗さっぱり取れていたこと」
翠星石「天真爛漫な末っ子キャラに変わりつつある白薔薇なんて、ぞっとしないですけどね」
110 :
翠星石「まあ、そういうことにしてやるです。特に水銀燈には改めて礼を言っておいた方がいいですよ」
雛苺「うぃ。文句言いながらも一番働いたのは水銀燈なのよね」
真紅「そう、彼女が…」
翠星石「とは言え、この翠星石だって要所要所できっちりいい仕事したですよ。
  中国の砂漠で、恐竜のウンコの化石を一番たくさん見つけたのは翠星石で…」
真紅「何で恐竜のウンコの化石なんて発掘していたのよ?」
翠星石「あ、やば…!」
雛苺「翠星石! めっめっなのよ! 真紅の新しいミスティカの材料の半分は
  恐竜さんのウンチの化石だっていうのは、絶対に絶対に秘密なの?!」
真紅「ッ!?」
翠星石「こ、こらチビ苺! てめーこそ何を口走って…っ!?」
真紅「そ、そんな馬鹿な? 私の新しいミスティカはアフリカで見つけた希少なレッドダイヤを核に
  クリソコラ(珪孔雀石)やサクラダイトを混ぜ合わせて錬成したと、ジュンが…!」
翠星石「そ、そうです。そのとおりです! チビ人間が言っていたとおりですぅ!
  翠星石がさっき言ったのはジョークです、ジョーク! メイデンジョーク!」
真紅「ふぅ…。全くもう、驚かせないで頂戴」
翠星石「は、ははは…ですぅ」
雛苺「え、えへへ…なのぉ」
111 :
翠星石「平和な証拠ですぅ。アリスゲームも一段落ついたってことですし」
雛苺「平和が一番なのよね」
真紅「けれども、私がゲームを制し、アリスとなったと言うのにCMのオファーの一つも来ないのはおかしい」
翠星石「オファーって、おめぇ…」
真紅「アリスになった直後に、いきなり昏倒してPR活動できなかったのが痛かったに違いないわ」
雛苺「にゅぅ?…?」
真紅「貴女達が私を復活させるのに手間取ったからよ! そのせいで貴重な時間を無駄に過ごした!」
翠星石「ちょっ! おまっ! さっきと言っていることが真逆になっているですよ真紅!」
雛苺「ひどいの!」
真紅「うるさいわね。文句を言う前にオファーの一つでも取ってきなさいよ」
翠星石「むちゃくちゃ言うなですよ、ホント」
雛苺「ヒナ達は真紅のブラジャーじゃないの」
翠星石「それを言うならマネージャーです」
112 :
翠星石「そんなの無理に決まってるだろーがです。真紅が警察にお世話になったのは一度や二度じゃねーんですよ」
雛苺「うぃ! 警察はコワい所なのー」
真紅の主な補導歴↓
有栖川病院に三馬鹿揃って松明もって押し寄せて暴れて捕まる。
深夜徘徊していたら職質され逃走するも、翌日ジュンに伴われて出頭。
自作の改造戦車を乗り回していたところを不審車両として取り押さえられる。
113 :
  警察の機密資料室とかに入り込んで、私の前科の記録を消す」
翠星石「な、なんと!」
真紅「あなた達だって病院放火未遂犯としてブラックリスト入りなのよ?
  それも一緒に警察の情報記録から抹消してあげようとも言っているんじゃない」
雛苺「わぁい! 真紅はやさしいの?」
翠星石「む…。そ、そういうことなら翠星石も協力はヤブヘビじゃねーですぅ」
真紅「それを言うなら『やぶさか』よ」
翠星石「それで具体的にどうやって警察の一日署長になるですか?」
真紅「それを考えるのがあなた達の仕事…と言いたいところだけど」
雛苺「ど??」
真紅「ここは行動あるのみ。行くわよ」
翠星石「行くわよって、どこにですぅ?」
真紅「いいから付いてらっしゃい」
114 :
真紅「邪魔するわよ」
翠星石「行くって、この交番に行くってことだったのですか」
雛苺「おまわりさんに直接お願いするつもりなのよね真紅は?」
真紅「ええ、そのつもりだったのだけれど、誰もいないようね」
雛苺「おかしいの。いつもはカッコいいおまわりさんがここにいるのに?」
翠星石「翠星石知ってるです。これ『空き交番』ってやつですよ」
雛苺「アキコおばさん?」
翠星石「誰ですか、それ」
真紅「やれやれ、全く不用心なことね。泥棒でも入ったらどうするつもりなのかしら」
翠星石「交番に入るほど度胸のある泥棒はそうそういねぇですよ、多分」
雛苺「それで、どうするの真紅? 一度おうちに帰るぅ?」
真紅「いえ、ここでお巡りさんの帰りを待ちましょう」
翠星石「そうするですか」
雛苺「うぃ」
115 :
翠星石「んああっ?、何時間待っても帰ってこねーですよ? おまわりのヤロー」
真紅「まだ10分と24秒しか経っていないわよ翠星石」
雛苺「ヒナ、喉が渇いたの?」
翠星石「翠星石は腹も減ったですぅ」
真紅「しょうがない子達ね。この交番の奥に給湯室ぐらいあるでしょうから、そこでお茶を淹れてくれば?」
雛苺「みゅみゅ? そんなことしていいのよ」
翠星石「よそで勝手に飲み食いしたらドロボーですぅ。また捕まるですよ」
真紅「私達はこの交番にやってきた客よ。ゲストにお茶を振舞うぐらい当然の事。
  今はたまたまホストのお巡りさんが不在だから私達が自分でするだけ。つまり合法」
翠星石「ふむふむ、なるほど合法ですか」
雛苺「合法なら何やってもいいのよね」
真紅「そういうこと」
116 :
真紅「まあ。国民の税金でこんな贅沢品を。許せないのだわ。不忠なのだわ」
雛苺「うぃ! ヒナ達でこれを飲んじゃっておまわりさんを懲らしめるのよ」
真紅「ええ。公僕を叱咤するのは国民の義務」
翠星石「でも、ひょっとしたら、ここのお巡りが自費で買ったものかも…?」
真紅「警官の給料も国民の税金だから無問題よ」
翠星石「それもそうですね。翠星石達はビタイチ税金を払ってねーですけど」
雛苺「お湯も沸いてるし、カップの方も温め終わったのよ?」
真紅「手際がいいわね雛苺、流石よ」
雛苺「えへへ?なの?」
117 :
真紅「っ!? な、何よこの泣き声!」
翠星石「外の…、交番の入口の方ですよ」
真紅「折角、紅茶を楽しもうと思っていたところなのに」
雛苺「ひょっとして、おまわりさんが帰ってきたのよ?」
翠星石「お巡りさんが『ママ?』なんて泣き声を出すわけねーだろーがです。おバカいちご」
雛苺「うみゅみゅ…」
真紅「…ということは」
118 :
翠星石「思ったとおり、クソガキが交番の真ん前に来ているですぅ」
雛苺「うぃ! ヒナ達と同じくらいの小さい子なのよ」
真紅「可哀想に、お母さんとはぐれてしまったのね」
翠星石「それで交番にやってきたということですか」
真紅「すぐに他人に頼ろうとするその発想は気に食わないけど交番に来るとはなかなか賢い子だわ」
翠星石「真紅は本当に誰に対しても厳しいですね」
迷子「ぴぎゃあああああ! マァマーーーーーーー!」
真紅「うるさいわよ。ちょっと黙りなさい」
迷子「だ、だってぇ! ひぐっ」
翠星石「まあ確かに、泣いてるだけでママに会えるわけじゃあねーですしね」
迷子「お、お姉ちゃん達はお巡りさんじゃないのぉ?」
真紅「違うわ、一日署長よ」
迷子「え? でも、ママが困った時には交番に行きなさいっていつも…」
翠星石「残念ですがクソガキ、交番に行っても、いつも頼りになるお巡りさんがいるとは限らないのです」
迷子「うぅううう…! ぐすっ」
真紅「泣いても何も変わらないわよ。結局のところ頼れるのは自分しかいないのだから」
迷子「……!」
翠星石「し、真紅。それはちょっと言いすぎじゃ…」
真紅「ママ、ママって泣き叫ぶのも結構だけど、あなたもいつまでもママに頼りきりのつもり?
  そんなことではあなたの世界に浮かぶ無数の可能性の扉も自分の手で開けられなくなるわ」
迷子「可能性…? 扉?」
雛苺「難しいこと言われて、この子が困っちゃってるのよ」
翠星石「真紅は子供に合わせて言葉を選ぶほど、人形ができてねーですから」
119 :
迷子「っ! マ、ママ死んじゃうの! そ、そんなのヤダーー! ヤダアアアア!」
翠星石「げげっ? 何てことを言うですか真紅!」
真紅「真理よ。間違ったことは言っていない」
翠星石「ですが」
迷子「うわああああん! マァマーーーー!! ぴぇええええええ!」
雛苺「うゆゆゆ! ヒナまでなんだか悲しくなってきちゃったの…」
翠星石「チビ苺?」
迷子「ママァアアアアアア!! うぇええええんん!」
雛苺「びぇえええん! この子かわいそうなのよぉ! うぇええええ!」
翠星石「ぐあああ! 泣く子が増えちまったですよ真紅ぅ!」
真紅「なんてこと…っ」
120 :
真紅「え?」
翠星石「むむ?」
迷子「マ、ママ!」
母親「やっぱり。ここにいたのね! ごめんなさい!」
迷子「ママー」だきっ
母親「ごめんなさい! もう絶対に一人にしないから」
迷子「うん…っ、うん!」
翠星石「こ、これは?」
雛苺「お母さんが来てくれた…のよ?」
母親「はい。泣き声が聞こえたものですから、ひょっとしてと思い。
  この子の面倒を見ていてくれたんですね。ありがとうございます」
真紅「……」
母親「それでは、失礼します。本当にありがとうございました」
迷子「ありがとう、お姉ちゃん達ぃ!」
121 :
雛苺「ママが見つかってよかったのよね」
真紅「ふ、どうやらこの真紅ちゃんの『敢えて泣かせて母親を呼び寄せる』作戦が功を奏したようね」
翠星石「アンタって乙女は本当に調子の良いことしか言わねーですね…。適当にやってただけのくせに」
真紅「適当にやっているだけでも、困った人を助けてしまう。これは、まさに私が
  一日署長としての品格を備えていることの証、いやひょっとしたら警視総監の器では…!」
翠星石「へいへい。もう好きなだけ言ってろですぅ」
雛苺「とにかく、迷子をちゃんとママに会わせてあげられたんだから
  おまわりさんが帰ってきたら、きっとほめてくれるのよね」
真紅「そうだ! そのお巡りさんが帰ってくるまでに、この交番で他にも
  私達がいろいろと住民の皆様のトラブルを解決しておけば、彼の覚えも良くなるのではなくて?」
翠星石「うん?」
真紅「巡査としての活動と活躍の実績を残しておけば、私をすぐにでも一日署長にしてくれるに違いないわ」
雛苺「確かにそうなのよね」
真紅「そうと決まればこうしてはいられない。早、困っている人達の助けにならなくては!」
翠星石「それはいいですけど、どうやってですぅ?
  さっきの迷子みたいにそうそう交番に困っている人が駆け込んでくるなんて」
金糸雀「頼もう?かしら????っ!」スタタタッ
真紅「あ」
雛苺「かなりあなの」
翠星石「カナチビ!?」
122 :
真紅「これは困っている人というか、困った子がやってきてしまったわね」
雛苺「なんで、かなりあがここに来たの?」
金糸雀「そ、それはカナの台詞かしら! どうして真紅達が交番に?
  …はっ! ま、まさかまた悪戯をして、しょっ引かれたのかしら!?」
真紅「馬鹿を言わないで頂戴。私は一日署長となるためにここに来たの」
金糸雀「はぁ?」
翠星石「話せば長くなるですが、かくかくしかじかというわけですぅ」
金糸雀「な、なるほど。それでここで巡査さんの代わりにお仕事を?」
雛苺「そうなの! がんばってドジョウとかもらっちゃうの?」
金糸雀「ドジョウ?」
真紅「ひょっとして『賞状』とかの間違い?」
雛苺「そ、そうとも言うの!」
金糸雀「……」
翠星石「で、カナチビ? お前は何用で交番に来たですか?」
金糸雀「あっー! そ、そうよ! こ、これ! お財布を拾っちゃったのかしら。それで!」
真紅「あらまあ、ご苦労様だわ金糸雀」
翠星石「ネコババしないとは感心なやっちゃですぅ」
金糸雀「これぐらいドールとして当然の事かしら」
翠星石「いやいやいや、なかなかできることじゃねーです。水銀燈なんて絶対に届けないですよ」
金糸雀「そ、そう言われれば…」
真紅「やめなさい貴女達。あの子も誇り高きローゼンメイデン、そのようなことはしないわ」
翠星石「うん? 珍しいですね。真紅が水銀燈をかばうだなんて」
金糸雀「雪が降るんじゃないかしら」
真紅「そんなことな…」
雛苺「ねぇねぇ真紅ぅ! それで、このお金がぎっしり入ったオサイフどうするの?」
翠星石「ほぁあああああっーー!? チビ苺、何を勝手に財布を開けているですか?」
雛苺「うゆ? だって、くんくん探偵もよくこうしていたのよ。調査なの」
翠星石「そういうのは死んだ被害者の身元を調べる時です」
真紅「ええ、そうよ。生きている人のを勝手に調べたらプライバシーの…て
  あらやだ、このお財布、本当にぎっしりお札が詰まっているわね」
123 :
真紅「……」
翠星石「……」
真紅「翠星石、貴女さっきお腹が減ったと言っていたわよね?」
翠星石「え? ええ、そうですけど?」
真紅「……」
雛苺「真紅?」
真紅「金糸雀」
金糸雀「なにかしら?」
真紅「この国では拾ったお金に対して、拾い主が落とし主に対して一割の謝礼を要求することができる」
翠星石「し、真紅!?」
真紅「つまり、この大金の一割は金糸雀、貴女のものという訳よ。合法的にね」
金糸雀「!」
雛苺「本当、真紅!? だったら、かなりあ大金持ちなのよね!」
金糸雀「と、突然の僥倖かしら!」
真紅「そういうこと。だから早カツ丼特盛の出前を四つ取りましょう。警察と言えばカツ丼よ」
翠星石「ちょっ! 真紅、落とし主が現れる前に勝手に使うのはヤバいですよ」
金糸雀「そうかしら! 第一、何でカナがカツ丼をみんなに奢る流れに! もっと冷静になるかしら真紅」
真紅「そ、そうだったわね。私としたことが大金の魔力で冷静な判断力を失っていたわ」
雛苺「クールダウンなのー、真紅ー」
真紅「大丈夫、私はもう正気に戻ったわ。クールでエレガントな真紅様こと今世紀最後の究極乙女、超アリスよ」
翠星石「正気ではなさそうですが、いつもの真紅に戻ったです」
124 :
金糸雀「そ、それは良かったかしら」
真紅「冷静に判断して、それは落とし物ではない」
雛苺「うぇ!?」
翠星石「落とし物でなければ何だと?」
真紅「それは神様仏様お父様が天から遣わしたプレゼントに違いない。
  私達ローゼンメイデンでありがたく大切に使わせてもらいましょう全部」
翠星石「真紅ぅーーーっ!?」
金糸雀「ダメだこりゃかしら。冷静になった方が事態が悪化しているわ」
雛苺「泥棒はいけないのよ真紅!」
真紅「泥棒ではない。眠れる大金を日本経済の流れの中に戻す、天の御業…」
雛苺「し、真紅…」
125 :
真紅「あ!」
金糸雀「お巡りさん?」
翠星石「帰ってきたのですか」
雛苺「わぁい! ヒナ達、おまわりさんを待っていたのよー」
巡査「き、君達? 交番の中で何を? ここは遊び場じゃ…」
金糸雀「遊んでいるわけじゃあないのかしら! カナはお財布を!」
巡査「え?」
真紅「いいえ! そんな事よりも私を一日署長にする話の方が先よ。私の方が先に交番に来てたんだから」
巡査「ええええ!?」
金糸雀「真紅の与太話よりこっちの方が事件かしら! ほら、ヒナ! そのお財布を渡して…!」
雛苺「うぃ! …て、ああっ!」バターン
翠星石「チビチビぃ?、何もないところで転んでんじゃねーですよ」
雛苺「うぇえん! いたいのー」
巡査「だ、大丈夫かいお嬢ちゃん! 怪我は…してないようだね…って、何だこの大量のお札は!」
126 :
巡査「本当だ。こりゃ落とした人はきっと困ってるだろうな」
真紅「ちょっと! 私を無視して話を進めないで…ッ」
巡査「んん! こ、これは? このお札は、まさか?」
金糸雀「どうしたのかしら?」
巡査「これを拾ったのは、黄色い服のお嬢ちゃんだよね?」
金糸雀「ええ、カナかしら」
巡査「どこで、これを拾ったのか、できるだけ詳しく教えてくれないか?」
金糸雀「えっ! ええ! 何かしら! お巡りさん突然?」
巡査「大切なことなんだ! よく思い出して!」
金糸雀「え、えーと…えーと…!」
雛苺「ふみゅみゅ? おまわりさんがカナに取り調べを始めたのよ」
真紅「ふっ、どうやら落とし物を届けたという話を信じてもらえていないようね」
金糸雀「そんなわけないかしら! カナはちゃんと…!」
巡査「分かってる。分かってますから、これは念のために詳しく聞いているだけでして」
翠星石「ほほう、これは警察官の尋問の常套句ですぅ。疑われているですねカナチビ」
真紅「日ごろの行いが不審乙女だからそういうことになるのよ」
金糸雀「う、嘘よ! カナは認めないかしら! それでもカナはやってないかしら!」
巡査「騒がないで。本官の質問に正直に答えてください。本当に重要なことなんです」
金糸雀「お、お巡りさん?っ。真紅達からも誤解だって言ってあげてほしいのかしら」
真紅「どうやら、これ以上私達がここにいてもお巡りさんの邪魔よね」
翠星石「ですね。翠星石達は空気の読めるドールですから、今日は帰るです」
雛苺「かなりあ、あいとあいとーなの!」
金糸雀「いやあああああ! 薄情な妹達かしら?っ!」
巡査「で、これはどこで何時ごろ拾ったの? どんなふうに落ちてた?」
金糸雀「うあああ…っ」
真紅「チャオ」
翠星石「アディオスですぅ」
雛苺「バイバイなの?」
127 :
翠星石「ほあああああああっーーーー!」
真紅「うるさいわね翠星石。乙女がそう声を荒げるものではなくてよ」
翠星石「し、真紅! これ…今朝の新聞に!」
真紅「新聞?」
翠星石「カナチビのヤローが載っているのですぅ!」
真紅「あらやだ。ひょっとして先日の交番の取り調べでとんでもない大罪が判明したとか?
  あの子、どこにでも不法侵入してそうだし」
翠星石「そんなのじゃあねーです! ほら、よく見てくれですぅ! ほら!」
真紅「どれどれ? 『お手柄少女! 偽札製造団のアジトの証拠を交番に届ける』…?」
翠星石「……」
真紅「某日、交番に財布を届けた少女に応対した警察官が、届けられた財布に入っていたお札が全て
  連日世間を騒がせていた偽札事件と同じ特徴の偽札であると看破…。
  その後、少女の記憶と証言をもとに、拾得場所の近辺を徹底捜査することで偽造グループのアジトを…」
翠星石「カナチビがやけに詳細に質問されていたのはこういうことだったんですよ!」
真紅「なお、このお手柄少女カナちゃんには表彰状が贈られるとともに、近日、地元警察署の一日署長にも…」プルプル
翠星石「真紅…」
真紅「ぐあああああっーーーーー!」ビリィッ
翠星石「ぎゃああっ! 新聞を真っ二つに破りやがったですぅ!」
真紅「ぬおおおおおお…! 憎しみでドールが殺せたら???っ!」
翠星石「お、落ち着けです真紅! 気持ちは分かるですが、今の真紅は完全に負け犬ですよ??!」
その後、交番内の防犯カメラに真紅達が勝手に紅茶を淹れようとしている姿が
録画されていたため、真紅達は賞状を貰うどころか逆に反省文を提出することになる。
【真紅、一日署長になれない。】 完
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2014/02/02(日) 11:30:56コメント(4)ユーザータグ ローゼンメイデン -->
コメント
※107412 :-:2014/02/02(日) 12:09:31お、伏線を作る方の回に入ったと見た※107417 :-:2014/02/02(日) 12:32:42どうやらギャグ日常パートはまだ続くようだ、ありがてぇ・・・ありがてぇ・・・!
しかし相変わらずここの真紅さんときたらwww最終回に感動した心が粉々になりそうだぜwww※107418 :-:2014/02/02(日) 12:33:24アリスにはなれたのにサンタにも一日署長にもなれない真紅ェ・・・※107419 :-:2014/02/02(日) 12:38:34あー、うん。
作者が そっちを選ぶなら 俺は別に構わないんだ。
ただ、読者は手の平かえす生き物。
思うように結果が得られなくても 諦めないでくれよ…
頑張って!
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作者が そっちを選ぶなら 俺は別に構わないんだ。
ただ、読者は手の平かえす生き物。
思うように結果が得られなくても 諦めないでくれよ…
頑張って!真紅、一日署長になれない。アリスにはなれたのにサンタにも一日署長にもなれない真紅ェ・・・真紅、一日署長になれない。どうやらギャグ日常パートはまだ続くようだ、ありがてぇ・・・ありがてぇ・・・!
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