ほむら「美樹さやか。服を買いに行くわよ」back

ほむら「美樹さやか。服を買いに行くわよ」


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1:
「・・・・・・は?アンタ、いきなり何言ってんの・・・?」
「気づいたの。私達二人だけ、一度も本編で私服を着ていないという事に。あの佐倉杏子でさえ服を持っているというのに…」
「いや、杏子は寧ろ制服の方がレアなんだけど・・・」
「決まりきった服装だけではまどかの注目を得られない。私達も服を買いに行きましょう」
「いや、服装変えるだけならクローゼットから出せばいいんじゃない?」
「・・・・・・!貴女まさか・・・、私服を持っていると言うの!?」
「持ってるわよっ!!女の子ですもの、ええ!てゆーか、新編のオープニングで季節物の服着てたでしょうが!」
「・・・・・・(ギリッ)!!この裏切り者・・・!」
「何で私服持ってる方が珍しいみたいな言い方なのよ・・・。まさか、アンタ・・・その制服が一張羅なんてことは・・・」
「私は本編で、と言ったはずよ?オープニングはノーカンね(ファサ・・・」
「話逸らしたな・・・。ま、いいけど。でも、それならアタシじゃなくてまどかを誘えばいいじゃない。
 普通に遊びに行くことまでケチつけるつもりはないよ?」
「まどかはちょっとその・・・ね。避けられているみたいなの」
「・・・何やったの?」
「リボンを結んであげただけよ」
「スキンシップじゃない。それを許してくれたのに避けられてるの?」
「許してくれたんじゃなくて、私から結んだの。私のリボンを」
「お前のかよっ!?一々愛が重いわ!」
9:
ほむら「そういうわけで美樹さやか。貴女を指名することにしたわ」
さやか「・・・一応聞くけど、一人で選ぶという選択肢はなかったの?」
ほ「・・・・・・その、私はまどかと出会うまではずっと入院生活だったし、服とか選んだことなくて・・・。
 一人でお店に入るのは抵抗が・・・」
さ「(ポリポリ・・・)悪魔のくせに、変なところでヘタレねー・・・」
ほ「し、仕方ないでしょう。まどかや巴マミと遊んでいた時は、殆どお茶を飲んでお喋りしていただけ
 だったもの・・・。 ショッピングみたいなお金の掛かる遊びはしたことがないの」
14:
さ「まあ、学生だものねー。アタシも恭介にあげたCDは厳選してたし。・・・あれ?今はお金あるの?」
ほ「ええ」
さ「それも悪魔の力?・・・まさか、偽札じゃ・・・」
ほ「とんでもない。真っ当なお金よ」
さ「ふーん?バイトでも始めたの?悪魔のくせに」
ほ「違うわ。佐倉杏子のやり方を少し真似ただけよ」
さ「おま(ガシッ)わり(カチッ)さーーーーーーーーん!!」
ほ「誤解しないでちょうだい。私はATMを破壊するような無粋な真似はしないわ」
さ「時間を止めながら言っても説得力ないわ!ならどこから盗んできたのよ!?」
15:
ほ「行きつけのヤクザ事務所とチャイニーズマフィアの取引現場から失敬してきただけよ。決して汚いお金ではないわ」
さ「ツッコミどころが多すぎる!アンタのせいで濡れ衣からマフィアの抗争が始まっちゃいそうだよ!」
ほ「心配には及ばないわ。札束を抜いたところにはキュウべえを詰めてきたから」
さ「何の解決にもなってない!!」
ほ「今頃、飛び交う銃弾の中を必死で逃げ惑っているでしょうね・・・。クスクスクス・・・」
さ「悪魔だ・・・本物の悪魔がいる・・・」
ほ「お世辞は不要よ。では行きましょう。そろそろバスが来るわ」
18:
?繁華街?
さ「さ、着いたよ」
ほ「ここが貴女のお奨めのお店?・・・・・・随分大きいのね」
さ「色んなブランドが入ってるからねー。コレっていうお目当てが無いなら、こういう所で色々見て回るのが
 一番じゃないかな」
ほ「なるほど・・・」
さ「それじゃ、テキトーに冷やかしてきますか」
?店内?
ほ「・・・!これは・・・」
さ「ん?なんかいいのあった?」
ほ「この繊細な装飾、背徳的なデザイン・・・。これこそ、魔なる者となった私に相応しい・・・!」
さ「・・・・・・ほむら。これどこで着るの?」
ほ「勿論、外出時よ」
さ「ベビードールは外出着じゃないっ!!」
ほ「貴女も悪魔となった時の私の姿は見たでしょう?大して変わらないじゃない」
さ「いや、アレだって街中歩く格好じゃないんだけど」
20:
ほ「あの服はダメになってしまったから、丁度良かった」
さ「え?あれ服?イメージ映像じゃなかったの?」
ほ「高温で乾燥機にかけたら縮んでしまったわ」
さ「ナイロン製かよっ!?」
ほ「これで『変身してもしなくても制服しかない女』のイメージを払拭出来る。
 大手を振って日常シーンに参加出来るわ」
さ「出来ないからね。私たちが行き着く先は魔女であって、痴女じゃないからね」
ほ「どちらも大して変わりないでしょう」
さ「円環に導かれた全ての魔法少女に謝れ!
 ・・・大体、こういうのはマミさんみたいな大人っぽい人にしか似合わないでしょ。
 アンタみたいなまな板が着るような服じゃ・・・って、ほむらから呪いよりも禍々しいオーラが!」
ほ「美樹さやか・・・!悪魔の心を削るとは、流石女神の騎士と言ったところかしら・・・!」
さ「うわ、心底悔しそう・・・。そこまで気にするなら、世界を改変したついでに体格も変えればよかったじゃない」
22:
ほ「繰り返した。私は何度でも繰り返した。しかしどんなに繰り返しても、結果は変わらなかった・・・。
 遺伝子の前には、努力など蚊ほどの意味も為さなかった・・・」
子供使い魔《ワッツァットゥー(べちゃ)》
子供使い魔《ワッツァットゥー(ぐちょ)》
さ「自虐の気持ちはよくわかったから。店の中で柘榴浴びるのはやめて」
ほ「持てる者に持たざる者の気持ちはわからないわ・・・」
さ「アタシらまだ中学生なんだから、そこまで気にする必要ないでしょ。まどかだって似たようなもんだし。
 ほら、まどかと同じブラを使えると思ったら気が楽でしょ?」
ほ「どう楽になるのか分からないけど、それは無理ね。確かにカップは同じだけど、まどかはもっと小柄よ。
 私が付けるとワイヤーがキツいもの」
さ「そうなんだー。・・・えっ?」
ほ「え?」
さ「なんでまどかのブラのつけ心地なんて知ってんの?」
ほ「……………」
24:
さ「……………」
ほ「全く、人間の好奇心とは厄介ね。真実なんて知りたくもないでしょうに」
さ「いや、すごく知りたいんだけど」
ほ「これがダメと言うのなら、貴女ならどんな服を選ぶというのかしら?」
さ「強引に話題を戻したな・・・。まあ、深くは考えないことにしよう。
 ・・・・・・ん?、そうねぇ・・・これとかいいんじゃない?」
ほ「黒基調なのはいいけど・・・少し細すぎないかしら?・・・まさか、胸がないからとバカにしているの?」
さ「胸から離れなさい。んと、アンタみたいな細身はラインを見せる方がいいと思うんだよねー。
 で、こっちのベストを重ねてこう、シックな雰囲気の中にお嬢様っぽさを入れるみたいな?
 ああ、こっちのゴスロリっぽいのもいいかもねー。アンタの黒髪に似合いそう。
 いや、それともギャップ萌えを狙って白のフリルという手も・・・!」
ほ「た、楽しそうね・・・」
さ「まあねー。アンタはまどかや仁美とは全然違うタイプだからねえ、一度黒髪ロングの美少女を着せ替えさせて
 みたかったのだー♪」
ほ「びっ・・・コホン、・・・貴女、私をマネキンか何かと勘違いしていないでしょうね・・・」
さ「してないしてない。さ、まずはこの服から行ってみようかー♪」
26:
ほ「・・・・・・もうこんな時間になっていたのね」
さ「いやー、土曜の午後を丸々ショッピングで潰すなんて、随分久しぶりな感覚だねー」
ほ「思っていたよりいい買い物が出来たわ。礼は言っておきましょう、美樹さやか」
さ「へいへい。ご満足いただけて光栄でございますー」
ほ「言葉だけというのも何だから、お茶くらいご馳走す・・・」
まどか「あれっ?ほむらちゃん。それと・・・クラスの美樹さん?」
ほ「まっ、まどか!?」
さ「うわっ、まどか・・・じゃないや、鹿目さーん。偶然だね?・・・アハハ」
ほ「ま、まどか、これはその・・・!」
ま「うわー、ほむらちゃん、その服かわいいー」
ほ「そ、そう?(ああ・・・感謝するわ、美樹さやか・・・!)」
さ「ま、アタシのチョイスだからねー」
ま「そうなの?二人で一緒に服を買うって、なんかデートみたいだね!」
ほ「そ、そう・・・?(心底恨むわ、美樹さやか・・・!!)」
28:
ま「あ、ゴメンねデートの邪魔しちゃって。ウェヒヒッ。それじゃ、私はこれで」
ほ「え?ちょっとまってまどか・・・」
ま「巴さん、なぎさちゃん、待たせちゃってゴメンなさい」
マミ「鹿目さんのお友達?」
ま「はい、クラスメイトなんです。仲良さそうですよね。私も女の子同士でいいからデートしてみたいなー」
マ「うふふ、じゃあ、今度私としてみる?」
ま「ホントですか?うわぁ、楽しみです!」
なぎさ「巴さん、鹿目さん、はやく行きましょう。なぎさは巴さんの作ったチーズケーキが楽しみなのですー」
マ「はいはい。急がなくても無くなりませんからね」
29:
さ「……………」
ほ「……………」
さ「あの三人、お互いの記憶が無いのにもう仲良くなったんだ…」
ほ「……………」
さ「(ポン)まあ、これからだよ・・・」
ほ「まどかっ!まどかあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
その後、クラスでペアを組まされる時、クラスメイトが不自然な動きでほむさやを誘導するようになりましたとさ。
さ「いや、マジごめん」
ほ「…………。(べちゃ)(ぐちょ)(びちゃ)」
おしまい
3

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