コナン「探偵をやめて犯罪者になる」back

コナン「探偵をやめて犯罪者になる」


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1:
最近、身の回りで全く殺人事件が起こらない。
ゆえに俺は退屈し、そして真実を悟ったのだ。
『探偵の敵は犯人などではなく――退屈である』と。
――だから俺は、非日常を求めて阿笠博士を訪れた。
『犯罪者がいないなら、犯罪者になればいいじゃろ?』
――ああ。その通りだぜ、博士。
元スレ
コナン「探偵をやめて犯罪者になる」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1337428693/
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5:
◆8時20分://帝丹小学校/教室◆
【清々しい朝、元・探偵は登校を完了する】
【彼の心に迷いはなく、ただスリルを求めた】
歩美「あっ、おはよーコナン君♪」
コナン「おはよう、歩美ちゃん」スッ
歩美「ッ!?///」ピクッ!
【挨拶際に、歩美の胸を軽くタッチ】
【その表情から――処女を確認した】
歩美「も、もう……コナン君のえっちー……」アハハ
【日常を壊さぬよう、愛想笑いする少女】
【だが犯罪者は、構うことなく続ける――】
コナン「今日の昼休み、男子トイレで待ってるから……」
7:
【戸惑う歩美を背に、席につくコナン】
【隣には灰原哀――改めて美少女だった】
灰原「……おはよう、江戸川君」
コナン「おう。相変わらず眠そうだな」
歩美と違って、灰原は俺に惚れていない。
ゆえにセクハラは遠慮しとくべきだろう。
灰原「最近事件がなくて平和ね」
コナン「え? あ、ああ……」
灰原「ふふっ……少し物足りないんじゃない?」
コナン「バーロー。んなわけねーだろ」
コナン「今までが……異常すぎたんだ……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
歩美「……」 光彦「……」
10:
◆吉田歩美◆
何だかコナン君……今日は様子が変だな。
まさか、いきなり胸を触ってくるなんて……。
別に嫌じゃないけど……唐突すぎるよ。
それに、昼休みに男子トイレって何だろう。
2人きりになれて嬉しいのに……何だか怖いな……。
◆円谷光彦◆
灰原さんとコナン君、今日も仲がよろしいですね。
いくら席が隣だからといっても、話しすぎですよ……。
まさか2人は、既に付き合ってるんでしょうか?
……こうなったら、会話を盗聴する他ないですね。
昨日完成した、この《探偵バッチ・改》を使って――。
11:
さすがvipの光彦
最初から飛ばしてるな
13:
……
………
…………
◇昨晩://円谷家/光彦の部屋◇
【そこにはキーボードを打ち込む光彦がいた】
【恐ろしいほど、洗練されたストロークである】
『カタカタカタ……ッタン!』
光彦「ふぅ……これでコーディング完了……」
光彦「あとはハードに書き込むだけで――」
光彦「めでたく、《探偵バッチ・改》の完成です!!」
●用語解説《探偵バッチ・改》●
対象バッチのマイクをステルスに起動させ、
そこで拾った音声を、受信することが可能。
そう――まさに、《盗聴器》である。
14:
光彦「さて、作業も終わったことですし――」
光彦「昨日始めたSNSで暇つぶしでもしますか」
『カチカチッ――』
-----------[Internet Explorer]-----------
-------------[Yagoo! Japan]-------------
光彦「ん? 今日のYagooニュース……」
『うなぎ絶滅……各地で悲嘆の声』
『行方不明の工藤新一、実は生きてた!?』
『いよいよ明日、米花ビルでタイムマシン発表会』
『怪盗キッド犯行予告、次なる狙いは“時間”?』
光彦「何だか凄い記事ばかりですねぇ……」
>『行方不明の工藤新一、実は生きてた!?』
光彦「……特にこれなんて……フフフッ……」ニヤリ
…………
………
……
15:
◆8時30分://帝丹小学校/教室◆
『キーンコーンカーンコーン♪』『ガラガラ……!』
小林「みなさん、おはようございまーす」
\おはよーございまーす!/ 歩美「……」
小林「今日は金曜日だから、頑張って勉強しようね!」
\はぁ〜〜い!/ 歩美「……」
小林「あら、吉田さん。具合でも悪いの?」
歩美「えっ……あっ……んーん、大丈夫だよ先生♪」
小林「そう? ならいいけど……あれ? 小嶋君は?」
光彦「そういえば元太君、まだ来てないようですが……」
小林「……おかしいわねぇ……遅刻かしら……?」
【この時の小林はまだ、知る由もなかった】
【小嶋元太の不在――その空席の示す意味を……】
16:
◆そして何事も無く、1時間目の授業が始まった――◆
『カッカッカッカ……』
小林「――であるから、5+6は――」
灰原「……」 コナン(……)チラッ
灰原「……ちょっと……何見てんのよ?」
コナン「あ、いや……お前ってやっぱり美人だなぁって」
灰原(……ッ!?)ドキッ
灰原「……ね、熱でもあるんじゃないの?」プイ
光彦(おっと……盗聴器から私語を確認――)
光彦(一体、どんな会話をしてるんでしょうかね)ニヤリ
【変態ストーカーは、《探偵バッチ・改》に耳を傾ける】
コナン「ったく……ちょっとは素直になれよな」
灰原「おだてたって、解毒剤の試作品は渡さないから」
コナン「バーロー。んなもん欲しかねーよ」
光彦(……解毒剤? なんのことでしょうか?)
17:
灰原「あら、早く彼女に会いたいんじゃないの?」
コナン「彼女……? ああ、蘭のことか……」
コナン「……別に会いたくなんてねーよ……」
だってアイツ、ブスの癖に重いし……それに――
コナン「俺は蘭より、お前の方が好きだから……」
灰原(……ぇ……?)ドキッ
コナン「なんつーか……最近よく思うんだ……」
コナン「こうやってお前の隣にいれるなら――」
コナン「一生コナンのままでも、悪くねーなって……」
灰原(……ッ!)ドキドキッ
灰原「な、何馬鹿なこと言ってんのよ……」プイッ
光彦(……ッ……!?)ピクッ
光彦(……こ、この展開は……!!)
18:
◆円谷光彦◆
ふふっ――聞きましたか、皆さん?
コナン君、僕が盗聴してるとも知らずに――
光彦(灰原さんに告白して、見事振られましたよ……!!)ニコッ
つまり……『2人が付き合っていた』という事実はなく、
『灰原さんはコナン君に惚れていない』ということです!
光彦(しかし、それはそれで良かったんですが……)
光彦(いくつか気になる発言があったのも事実です……)
特にコナン君が言った、『一生コナンのままでも』。
あれって一体……どういう意味なんでしょうか?
まるで『コナンが仮の姿』だと言わんばかりですが……。
19:
◆灰原哀◆
まったく……突然何を言い出すかと思えば……
灰原(でも工藤君……本気なの……?)
彼女より、私の方が好きだなんて……。
灰原「……」カキカキ
いや……騙されちゃダメ……!
きっと何か狙いがあるのよ。
じゃないと、私みたいな暗い女に、
彼が好きだなんて、言うはずないわ……。
ふふっ……ばかね……。
私ったら、何勘違いしてるのかしら……。
20:
光彦頭いいけど馬鹿だな
22:
◆江戸川コナン◆
コナン(『何馬鹿なこと言ってんの』……か……)
……ハハッ……これで確信したぜ……。
やっぱり灰原は……俺に惚れてないんだな……。
灰原「……」カキカキ
けっ――冷静に授業なんて受けやがって……。
どうせお前はジンのことが好きなんだろ……!?
俺はお前のことが好きなのに、何でなんだよ!?
コナン(ふん。まぁいい。俺は犯罪に目覚めたんだ!)
そもそも、『好かれてないからセクハラをしない』なんて、
考えてみれば、犯罪者にあるまじき保守的思考だぜ。
俺はスリルを得たいから犯罪者になったんだろ?
だったら危険を恐れるなんて、本末転倒じゃねーか!!
コナン(よって俺は今から、灰原の胸を揉みしだく!)
小1の割りに膨らんだ、その生意気なおっぱいをな!
23:
◆9時40分://帝丹小学校/教室◆
教室は相変わらず、雑音で溢れている。
まぁ当然だな。金曜日の小学1年生に、
集中力なんて、残ってるはずがない。
コナン(そして俺たちの席は一番後ろ――)
ふっ……絶好の痴漢環境だぜ。
灰原「……」カキカキ
コナン「」ゴクリ
コナン(クックック……そのまま動くなよ……)
【犯罪者は、灰原の胸に手を伸ばす……】
24:
灰原「な、なによ?」ピクッ
コナン「ッ!?」
チッ……気づかれちまったか。
だがここで怯むようでは犯罪者が廃る!
コナン「おい灰原……声出すんじゃねーぞ……」
灰原「……?」
コナン「今からオメーの乳、揉むんだからよ……!」
灰原「……えっ?」
『もみもみっ……!』
灰原「ッッッッ!!?//////」
灰原「ちょッ……!! 工藤君……えっ……!!?///」モミモミ
光彦(なっ!! 何してるんですかコナン君ッ!!?)
25:
【痴漢に気づいたのは光彦だけだった】
【小林は最前列の生徒に足し算を説いており、】
【その他の生徒は前後左右で雑談していた】
光彦(これはマズイ……マズイですよ!!)
コナン「ふっ……小1の癖にブラしてんだな……」モミモミ
灰原「ちょっとやめっ……んっっっっっ……!!!///」
【片手で灰原の口を塞ぐコナン】
【明らかに犯罪者の目をしていた】
コナン「おい……誰が叫んでいいっつったよ? あ?」
灰原「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!///」バタバタ
光彦(い、今すぐやめさせないと……!)
【叫ぼうとする光彦――その瞬間】
『キーンコーンカーンコーン♪』
光彦(はっ……! 終業のチャイム……!!)
26:
男子A「やったー休み時間だー!!」ドダダダダ
男子B「みんな! 運動場でドッジやろうぜ!!」ドダダダダ
男子C「えぇー、次の時間、体育館に移動じゃん」
男子B「あ、そーだった! すっかり忘れてたー!!」
男子E「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」ブラーン
女子達「きゃあああああああああああああああああ!」
男子F「ちょっ、お前! ちんこ丸出しで机に立つなよ!」
小林「こらE君! 机から降りて、ズボンを履きなさい!」
光彦(くっ……騒々しいな! ってあれ……?)
光彦(ふ、二人が居ない!? 一体どこに……!?)キョロキョロ
歩美「光彦君……なにキョロキョロしてるのー?」
光彦「歩美ちゃん! コナン君と灰原さん知りませんか!?」
歩美「えっ……そこにいるんじゃ……あれ? いない……」
光彦(クソッ……! ちょっと目を離した隙に……)
28:
◆9時45分://帝丹小学校/廊下◆
『タタタタタッ……!!』
灰原「痛っ……引っ張らないでよ!!」
コナン「うっせーな! 黙って俺について来い!」グイッ
コナン「今からお前を《レイプ》すんだからよ!!」
灰原「……ぇ……?」ゾクッ
灰原(ま、まさか……工藤君が私に告白してきたのって――)
灰原(――私にそういうこと……したかったから……?)
コナン「おいおい、どうした!? レイプが怖いか!? ん?」
灰原「くっ……あなたが……そんな人だったなんて……!」グスン
コナン「ハハッ、泣きだすとかw 糞ビッチが被害者面かよ!?」
コナン「お前が俺を振ったのが悪いんだろが!! あぁッ!?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
光彦(そうだ……こんな時こそ《探偵バッチ・改》で……)
光彦(……ん? これは……廊下を走る音……!!)タタタ
29:
『ガラガラッ……!』
光彦(あっ……いましたっ……階段のところっ……!!)
光彦「コナン君!! 灰原さんを放してください!!」タタタタッ
灰原「つ、円谷君……!?」グスン
コナン「なっ!? 光彦ッ――!?」
馬鹿な! 教室を出る瞬間、奴に見られてたのか!?
クソッ! どさくさに紛れて出てきたはずなのに……!!
光彦(よしっ……コナン君は、灰原さんで手一杯……)
光彦(今なら僕でも……コナン君を倒せます!!!)タタタタッ
コナン(やべぇ……! こっちに来る……!!)
光彦「はああああ!!! ヤイバーキィィィック!!!!」
『ドスッッッッ!!!!!!!!』
コナン「ぐはっ……!!!!」バタッ
31:
コナン「……光彦……て……めぇ……!」
光彦「……はぁ……はぁ……」
光彦「大丈夫でしたか……灰原さん……」ハァハァ
灰原「ええ……ありがとう……円谷君……」グスン
光彦「……ぁ……///」
【光彦の胸に、顔を埋める灰原】
【それを見て、歯を噛んだのはコナン――】
コナン(クソッ!! このソバ飯野郎っ……!!!)
コナン(あんまり俺を……甘く見るなよ……!!!)
【――犯罪者は、ふらふらと立ち上がった】
32:
コナン「ふっ……これは貸しにしとくぜ……光彦……」ニヤリ
光彦「……えっ……貸し……?」
コナン「ハハッ……お前は俺を生贄にしたんだ――」
コナン「灰原を不幸にしたら……承知しねぇからな……」ニヤリ
光彦「……はっ……(そ、そういうことですか……!)」
そのセリフだと僕が――『コナン君に灰原さんを痴漢させ、
さらに彼女を助けることで自分の評価を上げようとした、
とんでもない下衆人間』――ってことになってしまいます……!!
光彦(ッッ……! 何と卑劣な手口でしょうか……!)
灰原「……ねぇ円谷君……まさかあなた……」
光彦「騙されちゃいけません! 犯罪者の戯言ですから!」
コナン「灰原……演技とはいえ、悪かった……」ボソッ
光彦(くっ……! このジョークメガネ……!)
コナン「……2人とも幸せにな……」タタタタタ
光彦「あ……! 待……!!」 灰原「……」
【盗聴犯は傷ついた姫を抱えていたため、】
【去る痴漢者を追うことができなかった――】
34:
◆2時間目(体育)://帝丹小学校/体育館◆
光彦「あの……コナン君のことですが……」
灰原「大丈夫よ……私はあなたの方を信じてるから」
光彦「あ……ありがとうございます……///」
灰原「でも円谷君……聞きたいことがあるんだけど」
光彦「聞きたいこと……? 何ですか灰原さん」
灰原「あなた、さっき私を追ってきてくれたとき――」
灰原「手に探偵バッジを持ってたわよね?」
光彦「」ピクッ
光彦「え、ええ……でも、それがどうかしたんですか?」
灰原「実はあなたの胸に顔を埋めてた時――」
灰原「“そのバッジからも”、江戸川君の声が聴こえてきたのよ」
光彦「……ッ!?」ドキッ
灰原「ねぇ答えて……どうして円谷君――」
灰原「――江戸川君と、通信なんかしてたのかしら?」
35:
光彦「そ、それはきっと……コナン君の罠ですよ」
光彦「彼のバッジと僕のバッジを通信状態にして――」
光彦「僕を痴漢劇の共犯者に仕立てるつもりだったんでしょう」
灰原「バッジを遠隔操作で起動させるなんて出来ないはずだけど?」
光彦「いや、可能ですよ。博士の設計には穴がありまして――」
灰原「……穴?」 光彦「あ、いや……なんでもありません……」
光彦「多分、僕が無意識に電源を入れてしまったんでしょうね……」
灰原「あらそう……まぁどちらにせよ、問題はそこじゃないわ」
灰原「問題なのは、あなたがバッジを《手に持ってたこと》……」
光彦「それは僕の癖といいますか、ただの《条件反射》ですよ――」
光彦「緊迫した局面になると、思わず手に取ってしまうんです」
光彦「だから電源を入れたのも……恐らくその時かと……」
灰原「ふふっ……随分と都合主義な理由ね……」
光彦「灰原さんこそ……僕を信じるんじゃなかったんですか?」
37:
灰原「ええ……信じてるわよ……」
『円谷君が、バッジで江戸川君に指示を与えて』
『私の“ヒーロー”になる茶番劇を脚本していた』
灰原「なんて……これっぽっちも思ってないから」
光彦「くっ……!」
光彦「いい加減にしてください灰原さん!!」
光彦「まずコナン君が僕の言うことを聞くと思いますか!?」
光彦「しかも灰原さんの胸を揉むなんてよっぽど――」
灰原「あら、そんなことまで知ってるのね」
光彦「そ、それは……偶然見かけただけですよ……!」
光彦「だから2人を追って、廊下に出たんじゃないですか!」
灰原「別に悪いだなんて言ってないわ」
38:
灰原「でも円谷君の言うことを江戸川君が聞く――」
灰原「その可能性は、無いとは言い切れないけど?」
光彦「……え……?」
灰原「例えば……あなたが彼の弱みを握ってるとか……」
光彦「……弱み? そんなのあるんですか……?」
灰原「ふふっ……とぼけるのが上手いわね……」
光彦「べ、別にとぼけてなんかいませんよ……!!」
灰原「あら、知らないの? ……彼の正体……」
光彦「……え……?」
『一生コナンのままでも……』
灰原「ふふっ……その顔は、知ってるわね……?」
光彦「し、知りません!! 本当に信じて――」ハッ
『ちょッ……!! “工藤”君……えっ……!?』
『行方不明の“工藤新一”、実は生きてた!?』
光彦(……ま……まさか……)
39:
いやいや……盗聴器越しの音声です……
聞き間違いの可能性だってありますし……
それに……人間が小さくなるなんて……
――《解毒剤》――!?
ははっ……まさかそんな……
そんな非科学的なこと、僕は……
『キュラキュラキュラッ……』
灰原「……体育倉庫、開いてるわね……」
光彦「……えっ……?」
灰原「ねぇ、円谷君――」
光彦「……な、なんでしょう……?」ゴクリ
灰原「もしあなたが全てを白状してくれるなら――」
灰原「この中で《良い事》、してあげてもいいけど?」フフッ
光彦「……ッ!?」
42:
◆10時30分://帝丹高校/2−B組◆
『キーンコーンカーンコーン♪』
園子「ふぁああ! やぁーっど終わっだー!」
蘭「ふふっ……もう、園子ったらダラしないわね」
園子「そーいえば蘭、新一君のSNS見たぁー?」
蘭「えっ……新一の……えすえぬえす……?」
園子「えっ……ちょっと蘭。アンタまだ知らないの?」
園子「昨日Yagooのトップニュースにもなったんだよ?」
『行方不明の工藤新一、実は生きてた!?』
園子「――ってね」 蘭「……ぇ!?」
蘭「ちょっと園子! その話、詳しく聞かせて!」
44:
蘭「――じゃあ新一が、そのSNSってやつを始めたんだ……」
園子(まさかキョウビSNSを知らないJKがいるとは……)
園子「まぁ……いい機会だし、蘭も始めてみたら?」
蘭「うん……新一がやってるなら……始めてもいいけど――」
蘭「でもその新一って……本当に本人なのかな……?」
園子「えっ? ああ、誰かが新一君の名を騙ってるってこと?」
蘭「うん。だって新一……一応有名人だし……モテるし……」
園子「証拠ならあるわよ」 蘭「えっ?」
園子「ほら、このプロフィール写真なんだけど……」
蘭「あっ……阿笠博士とのツーショット……」
園子「そう……こんなプライベートな写真――」
園子「ネット上で簡単に拾えるもんじゃないでしょ?」
蘭「そっか……確かに成りすましの可能性は低くなるね……」
園子「でしょ? それに写真はこれだけじゃないの」
46:
園子「上のタブから、《アルバム》のページを開くとね……」
園子「……ほら、新一君の幼い頃の写真がこんなにっ!」
蘭「あっ、可愛いー♪」 園子「……ほほぉ?」ニヤリ
蘭「あっ、いや、その……か、勘違いしないでよねっ///」
蘭「今の新一と比べたら、可愛いってだけで……///」プイッ
園子「うんうん。やっぱり新一君のことは昔から……」ニヤリ
蘭「もう……! 園子ったら……!!///」
園子「えへへ……これで分かった?」
園子「このアカウントが新一君本人だって」
蘭「まぁ……この写真を持ってそうな、ご両親や博士が――」
蘭「――新一に成りすますワケないもんね……」
47:
園子「それにしても、一つだけ腑に落ちないことがあるのよねー」
蘭「えっ? 腑に落ちないこと?」
園子「ほら、プロフィール欄の最後の文なんだけど――」
『★彼女募集中★女の子限定で直アド交換してまーす♪ 新一』
園子「何だかこの文章、新一君らしくな――」
『バキッボキッ!! グシャッ!!』
園子(えっ……私の携帯……真っ二つ……え……?)
蘭「ふふっ……やっぱりこのアカウント、新一じゃないよ」フフフ
蘭「だって新一が、こんな文章書くわけないじゃない?」フフフ
蘭「あっ、そうだ。早くメールで本人に確かめないと……」フフフ
蘭「もしSNSをやってるなんて言ったらどうなるか……」フフフ
園子(……蘭? ど、どうしちゃったの……?)ゾクッ
48:
◆11時00分://ジャズクラブ『Antarctic』◆
『カランカラン……♪』
ウォッカ「兄貴……またここにいたんですかい」
ジン「……」ヒック
1、2、3、4、5……
ウォッカ(なっ……シェリーの瓶が5本……)
ウォッカ(兄貴……まだあの女のことを……)グッ
ジン「……おいウォッカ……今何時だ……?」ヒック
ウォッカ「そろそろ朝の11時を迎える頃ですが……」
ジン「ふっ……もうそんな時間か……」ヒック
……まぁ仕方ねぇ……ここには窓もねーし――
――時計は深夜2時で針を休めているからな……
ジン「……流石は極夜の地……時を忘れるぜ……」ヒック
ウォッカ(今日は酔ってますね……兄貴……)
50:
◆ジンは洗面所で顔を洗った――◆
ジン「……それで何の用だ?」ガタッ
ウォッカ「ええ。詳細はこのPCにまとめましたが」
ウォッカ「実は昨日、Yagooニュースに――」
『行方不明の工藤新一、実は生きてた!?』
ウォッカ「――といった記事がアップされまして」
ウォッカ「その件で昨日、ボスから連絡が入り――」
ウォッカ「至急真相を探れとのご命令があったんです」
『カタカタッ……(工藤新一 Wakipedia)』
ジン「……高校生探偵……? くだらねぇな……」
ジン「……このガキにそれだけの価値があるのか?」
ウォッカ「まぁ一応、《例の薬》でしとめたガキですからね」
ジン「何? 投与した人間は全員死んだんじゃないのか?」
51:
ウォッカ「ええ、薬の服用者リストによればそのはずですが」
ウォッカ「調べたところ、工藤新一のデータに関しては――」
ウォッカ「《不明》から《死亡》に書き換えられていたんですよ」
ジン「……書き換えられていた?」
ウォッカ「はい。それも裏切り者の――シェリーの手によって」
ジン(……なっ……シェリーだと……!?)ガタッ
ウォッカ「書き換えに至った経緯は、2度の自宅捜査のみ――」
ウォッカ「さらに死亡の判断を下した当人が、裏切り者である以上――」
ウォッカ「――そこに再調査の余地があると、ボスは踏んだわけです」
ジン「なるほど……もしそれが不正な書き換えだったなら――」
ジン「シェリーと工藤新一に、何らかの関係が認められ――」
ジン「工藤新一を捕らえることが、シェリーへの手掛かりに繋がる」
ジン「つまり、シェリーについて手詰まりな我々にとって――」
ジン「今度の山は、大きな収穫になり得るってことだな……」
53:
ウォッカ「ええ。ようやくシェリーの尻尾が見えてきやしたね」
ジン「ああ……この工藤新一が、本者だったらの話だが……」
『カチカチッ……』 ジン「……ん?」
ジン「……おい、このプロフィール写真――」
ジン「――何故《アガサ》も写ってるんだ?」
ウォッカ「え……あ、ああ……どうやら工藤新一は――」
ウォッカ「偶然にも《アガサ》と近所の仲だそうで……」
ジン「……」
ウォッカ「……兄貴?」
ジン(……まさか……あの老いぼれ……)
56:
ジン「……ウォッカ……今日の取引はお前だけでやれ……」
ウォッカ「えっ……じ、自分だけでですかい?」
ジン「たかが2件(SNS企業とプロバイダ)の情報取引だ……」
ジン「お前一人でやれるだろ。予算はいくらだ?」
ウォッカ「5000万までなら問題ないそうですが……」
ジン「ふっ……十分過ぎる。それなら脅しも必要ねぇ……」
ウォッカ「し、しかし……じゃあ兄貴は何を……?」
ジン「オレは他にやることがある。《あの方》にはそう伝えとけ」
58:
◆11時30分://帝丹小学校/屋上◆
【帝丹小学校の屋上。それは絶好の昼寝スポット】
【訪れる者は空腹も忘れ、ひたすら眠りに耽るという……】
コナン「くかー、くこー」zzz
『ブブブブブブ……』
『ブブブブブブ……』
コナン「くかーっ……んん……」zzz
【しかしそれは飽くまで“平穏な状況下”での話であり、】
【携帯が1時間に184回も鳴る環境では無論例外だ】
『ブブブブブブ……』
コナン「ああああああ、うっせええええ!!!!」
コナン「一体誰だよ!! こんなに鳴らしてくんのは!!」
『パカッ……』
コナン「……ら、蘭から183件のメールと着信……」ゾクッ
【残りの1件は服部からだった】
59:
----------------------------------------
[名前]服部平次
[件名]もうすぐ米花駅やで^^
----------------------------------------
和葉といつもの改札んとこおるから
11時半にちゃんと迎えに来てやー。
あとお前、SNSとかやっとるみたいやけど、
何でそんな自殺行為みたいなことすんねん?
まさか“奴ら”と戦う気ちゃうやろな?
----------------------------------------
コナン(……あっ……やべっ……)
コナン(……そういや服部の奴と約束してたっけ――)
――5人で《博士のタイムマシン発表会》に行くって。
コナン(……いやいや、俺は犯罪者なんだぞ……!)
――そんなことに時間を費やすくらいなら――
コナン(和葉をどう犯すか考えてた方がまだマシだ)
62:
>お前、SNSとかやっとったんか?
コナン(つか、服部もSNSのことに触れてるな……)
コナン(んなもん、俺はやってねーっての……バーロー!)
【そう――コナンはSNSになんて全く関知しておらず、】
【昨日から続く同様のメールには、酷くウンザリしていた】
コナン(ほんと……迷惑な成りすまし野郎だぜ……)
コナン(別に工藤新一の生存が黒の組織にバレて――)
コナン(周りの人間に危害が及ぶのはどうでもいいんだが――)
コナン(流石にここまでウザいと、我慢の限界だっつの……)
【コナンは蘭のメールを読まずに削除した後、】
【自分の偽者が営むSNSのページにアクセスした】
コナン(さて、歩美ちゃんとの約束まで時間があるし……)
コナン「この成りすまし犯、暇つぶしに殺しに行くか……」
【今日一番の犯罪発言――しかしコナンに躊躇はなかった】
63:
コナン(よしっ、そうと決まれば、まずは犯人の特定だ)
『ピピピッ……』
自己紹介項目の《博士とのツーショット写真》を保存し、
スマフォの専用アプリで画像情報を抽出する元・探偵。
コナン(まず、このプロフィール写真が誰のものか……)
コナン(俺の記憶によると……撮影者は蘭だったはずだが……)
コナン(調べたところ……撮影端末は《FJT072B》となっている……)
コナン(確かこの型番は……博士のデジカメのはずだから――)
コナン(この画像は博士の所有物と見て間違いないだろう……)
――じゃあ成りすまし犯も博士?
コナン(……いや、そう判断するのは早い……)
64:
コナン(この画像を手に入れる機会があった人物……)
コナン(それは、俺と博士以外にもいる――)
そう――この写真を撮った、毛利蘭だ。
《FJT072B》はUSBホスト機能があるからな、
カメラから画像を抜くことは簡単にできる。
コナン(……いや、ちょっと待て……)
コナン(蘭が成りすまし犯だとしたら――)
コナン(《アルバム写真》の説明がつかない……)
確か《アルバム》のページにある、俺の幼少時代の写真は――
親父が博士に頼んで、データ化して貰った代物のはず。
コナン(つまり……蘭はそれらの画像を持ち得ないんだ……)
コナン(てことはやはり成りすまし犯は――)
●所有者(プロフィール写真) = 博士 and 蘭
●所有者(アルバムの写真) = 博士 and 両親
コナン(――《阿笠博士》ってことになるな……)ニヤリ
65:
◇時は少し戻り://帝丹小学校/体育館/体育倉庫◇
『キュラキュラキュラ……ガタン……』
【先生にバレることなく、体育倉庫に忍び込んだ2人】
【鉄の扉を閉めると、そこには異様な空間が出来上がった】
灰原「……」 光彦「……」ゴクリ
【エロい体操着は、と問われた場合、8割の人間がブルマと答える】
【だが規制の蔓延る現代、“それ”は惜しまれながらも廃止され――】
【女児の体操服は、白いTシャツ、青い半ジャージに指定されたのだ】
【しかし光彦は思った――】
『……教育委員会……やってしまいましたなぁ……』と。
【何故なら光彦にとって、“ブルマは狙いすぎ”だったからである】
【《エロは控えめ程エロい》――それこそが彼の信じる宗教なのだ】
【“ピチピチ”より“ブカブカ”。“胸”より“尻”。“乳首”より“首”――】
【まぁ何だかんだ言って一番重要なのは――】
【《灰原が体操着を着てる事実》であるが……】
67:
この光彦には好感が持てる
68:
【――そして時間は動き出す】
灰原「円谷君……奥に鉄柱が数本見えるでしょ?」
光彦「え……あ、はい……見えますけど……」
灰原「そこに背中を合わせて座ってくれる?」
光彦「……こ、こうですか?」スッ
灰原「ええ、それでいいわ……」シュルルルル
光彦「ちょっ……何やってるんですか灰原さん!?」
灰原「何って、あなたをロープで縛ってるのよ」ギュッ
光彦「いや……僕が聞いてるのはその理由であって……!」
灰原「だって円谷君、興奮して私を襲うかもしれないじゃない」
光彦「なっ……!/// ししししませんよそんなことぉ!!///」
灰原「だったら大人しく縛られてなさい」ギュッ
69:
【両手を2本の鉄柱に縛られ、両足に錘を繋がれた光彦】
【まるで身動きがとれず、それはむしろM男の興奮を高めた】
光彦(……密室で灰原さんと……束縛プレイ……)ゴクリ
チンコ「むくむく……」
光彦(……あっ……///) 灰原「……ッ!?」ビクッ
灰原「ちょ、ちょっと……もう大きくなってるじゃないっ……」
光彦「だって……灰原さんが僕を縛るから……!!///」
灰原(……な、何で縛るだけで大きくなるのよ……)ゾクッ
【世の中にそういった性癖が存在するのを知らない灰原】
【そう――彼女はエロを武器にとるほど知識があるわけでなく、】
【経験に至っては、18年生きてきて、まだ0回であった――】
70:
灰原「ま、まぁいいわ……」スッ
【動揺を表に出さないよう、】
【右手にゴム手袋をはめる灰原】
光彦「えっ……何で手袋なんかするんですか?」
灰原「何でって……今から汚い物を触るからよ」
光彦「……汚いもの……?」
光彦「……ま、まさかそれって――」
【恐る恐る、自分の股間に目を向ける光彦】
灰原「ふふっ……それ以外に何があるのかしら?」
光彦「……ッ……!!!!!」ズキュン
光彦(……こ、これは……夢じゃありませんよね……?)
光彦(あの灰原さんが、僕のブツを触ってくれるだなんて……!)
71:
灰原「もちろん、タダでとは言わないけど」
光彦「えっ……?」
灰原「あら、さっき言ったでしょ――」
灰原「“して”欲しいなら、“白状”しなさいって」
光彦「そ、そんな……だって僕、本当に何も――」
『つん……』 光彦「あひゃぅ……!!///」
【ジャージ越しに、下半身の突起を啄いた灰原】
【その事実だけで、光彦のチンコは3Hzも加した】
灰原「どう? 白状してくれる気になった?」
光彦「……は……はい……」ハァハァ
灰原「ふふっ……欲望に忠実で助かるわ」
72:
灰原「それじゃ、今からする質問に“正直に”答えなさい」
灰原「もし嘘なんて付いたら、私、このまま帰っちゃうから」
光彦「……ええ……分かりました……」ゴクリ
灰原「ふふっ……じゃあまずは問1」
『あなたは私のことが好き――YesかNoか――』
光彦「えっ……!?/// な、何をいきなりっ……!!///」
灰原「あら、全部白状するってのは嘘かしら?」
光彦「……ッ……!!!」
灰原「どうする? 別にやめても構わないけど……」
光彦「…………」
光彦「……すよ……///」ボソッ
灰原「えっ?」
光彦「……だ……き……ですよ……///」
灰原「何? はっきり言ってくれなきゃ分からな――」
光彦「だ、だから――僕は灰原さんのことが好きですよッ!!///」
74:
灰原「……あら、嬉しいわね」
光彦「は、灰原さんは僕のことをどう思ってるんですか!?」
灰原「言ってなかったけど、あなたからの質問は禁止」
光彦「えぇっ……!? そんな……!!」
灰原「でも嘘はついてなさそうだから――」
『すっ……』
光彦「……ぁッ……!!!!///」
【痴少女にジャージを脱がされ、ブリーフ姿になった少年】
【突起の先は湿っており、その量から興奮の多寡が汲み取れた】
灰原「ふふっ……こんなに濡らしちゃって……そんなに興奮するの?」
光彦「だ、だって……仕方ないじゃないですか……///」
灰原「もしかして……すっきりしたかったりする?」
光彦「そ、そりゃあもう……!!」
75:
灰原「じゃあ問2」
『私と、“えっちなこと”したい?』
光彦「……ぇ……?///」
光彦「あ……は……はい! はいはいはい!!///」コクコクコク
灰原「……私の胸……触りたい?」ムニュ
光彦「はぅ……! イエス! イエスです!!///」フガフガ
灰原「ふふっ……じゃあここは?」サスサス
光彦「がッ……!?///」
【秘部付近をいやらしい手つきで摩る灰原】
光彦「み、見たい! 舐めたい! 触りたいです!!」フンガフンガ
灰原「あら、せっかく“光彦君”の、大きくて立派なのに――」
灰原「私の《ここ》、ぐちゃぐちゃに犯したくはないの?」
光彦「えッ……!? な……そんな……えっ……?///」ドキドキ
灰原「“光彦君”の気が済むまで、中に出してもいいのに……」フフッ
光彦「……ぇあ……ほ、ほんとですかああああ……!!!?」フガフガ
76:
光彦「灰原さん! 僕もう限界ですっ!!」ハァハァ
灰原「ふふっ……焦っちゃダメ」
灰原「まずは問2に答えてくれたご褒美――」
『すっ……』『ビンッ!!』
光彦「あっ……!!///」
【最後の布を剥ぎ取られ、肉棒が体育倉庫の空気に触れる】
【目の前にそびえ立つその怪物に、灰原は思わず怖じけついた】
灰原(こ、これが小学1年生の陰茎なの……!?)ゾクッ
【それは長さにして12cmくらいだろうか】
【とてもじゃないが、小学一年生のものとは思えない】
灰原(だ、ダメよ冷静にならなきゃ……)
灰原(常に私の方が上の立場でないと……)
『ぎゅっ……』
光彦「んぁっ……///!」ビクッ
【灰原はゴム手袋越しに、光彦の生ちんこを握った】
78:
光彦「ぁ……ぅ……灰原さんに……握られて……///」ハァハァ
灰原(くっ……我慢よ……全ては工藤君の無実を知るため……)
灰原「……じゃあいよいよ最後の質問ね……」
光彦「……最後の質問……ですか……?///」ハァハァ
灰原「ええ。ちゃんと正直に答えてくれたら――」
灰原「問2で言ったこと……全部してあげるわ」フフッ
光彦「……ッ……///!!」ドキッ
灰原「他にも……こんなこととか……」
【そう言って、親指をいやらしく舐める灰原】
【指と舌の間には、唾液で橋が架かっていた】
光彦(あ、あれは……フェラチオの仕草……!?///)ドキドキ
――まさか灰原さん、フェラまでしてくれるんですか!?
光彦「ぜ、絶対に答えます!! 問3って何ですか!?」フガフガ
79:
灰原(この喰いつきよう……撒き餌はもう十分ね……)
灰原「……それじゃあご要望に応えて聞くわ……」
『あなたは江戸川君の弱みを握って――』
『私にセクハラするよう、探偵バッジから彼を脅し――』
『最終的に私を助けることで私の好感度を上げようとした』
光彦(……え……!?)
灰原「YesかNoか――最後の質問はこれよ」
光彦「ま、待って下さい! それはさっき言ったように――」
灰原「私は本当のことが知りたいの」
光彦「……ッ……!!?」
くっ……灰原さんは、《Yes》にしか期待していない……
というかきっと、それしか認めないつもりでしょう……
でももし《Yes》と言ってしまったら、
僕は真の下衆野郎になってしまいます……
光彦(し、しかし灰原さんとエッチするには――)ハァハァ
【少年は、性欲と理性を天秤に掛けた】
【が、天秤は2秒で壊れた】
光彦(げへへ……灰原さんに中出し……)ヨダレーン
83:
光彦「……Yesです……」ハァハァ
灰原「……やっぱり……そうだったのね……」
光彦「僕は彼の弱みに付け込み、彼にそう命令しました……」ハァハァ
灰原「……弱みっていうのは、やっぱり彼の……」
光彦「ええ。正体のことです……」
さぁ、最大の“カマかけ”どころですね……。
もしこの推理が外れてたら、僕は嘘付きということになり、
灰原さんとエッチできなくなってしまいます。
光彦「まさかコナン君が……あの《工藤新一》だったなんて……」
灰原「……」 光彦(……ど、どうでしょうか……?)チラ
灰原「事情はじきに説明するけど、絶対誰にも言っちゃダメよ?」
光彦「えっ……」 灰原「どうしたの?」
光彦(……ほ、本当に当たってました……!)
84:
工藤新一と蘭さんが幼馴染であることや――
コナン君のあの類まれな推理力も根拠の一つでしたが……
まさか本当に、《コナン君=工藤新一》だったとは……
光彦(というか身体が小さくなるなんて……)
その技術――是非とも僕に教えてほしいですね。
灰原「ちょっと、何で急に黙るのよ。返事は?」
光彦「あ、すみません。もちろん誰にも言いませんよ」
まぁ今は、灰原さんとのエッチを存分に楽しみますか。
灰原「……それじゃあ私は、これで帰るから……」
光彦「……えっ……?」
光彦「は、灰原さん? 僕とエッチしてくれるんじゃ……」
灰原「何言ってるのよ。私達、まだ小学1年生よ」
灰原「約束はまたいつか……80年後にでも聞いてあげるわ」
……は?
87:
光彦「ま、待ってください!! え!?」
光彦「そんなの、許されるわけがないでしょう!?」
灰原「ごめんなさい。騙すようなやり方をしたのは謝るわ……」
灰原「でも薄々感づいてると思うけど――」
灰原「――私は江戸川君のことが好きだから……」
……は?
光彦「いやいや! だって灰原さん、1時間目の時――」
光彦「コナン君に告白されたにも関わらず――」
光彦「その告白を拒絶してたじゃないですか!!」
灰原「あ、あれはその……突然のことだったから……」
光彦「告白が突然!? そんなの当たり前でしょう!」
灰原「ええ……でも私、どうしても信じられなくて……」
灰原「だから彼の前では、素直になれなかったの……」
90:
あの会話聴かれてるコトには言及しないのか
91:
光彦「ふ、ふざけないでください!!」
光彦「そんなの矛盾だらけじゃないですか!!」
灰原「でも結果論でいうと、私は間違ってなかったでしょ?」
灰原「だってその告白は、あなたの差金だったわけだし……」
光彦「なっ……! そ、それは違いますっ!」
光彦「僕は灰原さんとエッチがしたかっただけで――」
光彦「実を言うと、問3の答えは《No》だったんです!!」
光彦「僕は決して、コナン君を脅してなんかいません!」
灰原「あら。でもあなた、彼の正体を知ってたじゃない」
光彦「そ、そんなの、カマがたまたま当たっただけですよ!」
灰原「じゃあ、《授業中の告白》を知ってるのは何故?」
光彦「……ッ!!!」
ああ、もう! 何でいつもこうなるんですか!!
92:
灰原「とにかく、あなたはここで反省してなさい」
灰原「そしたら先生やご両親には言わないであげるから」
光彦「なっ……!!」
【そう言葉を残し、体育倉庫を立ち去ろうとする灰原】
光彦「待って下さい!!」
灰原「……今度は何よ?」
光彦「立ち去る前に、僕にフェラをしてください」
灰原「……よく聞こえなかったんだけど」
光彦「僕のジョニーをペロペロ舐めて下さいって言ったんです」
光彦「さもないと、コナン君の正体をネットにばら撒きますよ?」
灰原「……ッ!?」
93:
ピカてめええええ
94:
ゲス野郎じゃねーかwwww
96:
灰原「ば、馬鹿ね。そんなことさせるわけないでしょ」
灰原「もしその気なら、ご両親にネットを解約してもらうわ」
小学1年生の割に、性の知識が豊富なあなたのことよ。
自宅のPCにはさぞエッチなサイトの履歴があることでしょうね。
灰原(今から自宅に行けば履歴を消されることもないし)
今日あなたがが働いた《反人道的な行為》を例に取り上げ、
そのサイト群がどれだけ《有害》かご両親に力説すれば――
灰原(解約は無理でも、あなたをネットから遠ざけることは可能よ)
何せ子供に敬語で話すよう躾ける親だもの。
きっと正しい判断をしてくれるに違いないわ。
灰原「あなたはまだ、ネットカフェを利用できる年齢じゃないし――」
灰原「自宅のネットを規制されたら、何もできないと思うけど?」
99:
光彦「……なるほど。ネットの解約ときましたか……」
光彦「でも灰原さん。残念ながら、もう遅いんですよ」
灰原「……え? どういうこと?」
光彦「工藤新一はメディア上で――」
光彦「行方不明の扱いとなっていますよね」
灰原「い、いきなり何の話よ?」
光彦「いやぁ、ご存知ないですか? 実は昨日――」
『行方不明の工藤新一、実は生きてた!?』
光彦「――といった記事がYagooにアップされましてね」
光彦「何やら工藤新一がSNSを始めたらしいんですよ」
灰原「……えっ……!?」
【灰原は携帯を取り出し、Yagooにアクセス――】
【そして、“昨日のニュース”のページからその記事を見つけた】
102:
灰原「何よこれ……こんなの偽者に決まってるわ……!」
光彦「ふっ……やはりそうですか……」
灰原「やはり……? それってどういう意味よ!?」
光彦「じゃあ逆に聞きますが、何故《偽者》に決まってるんです?」
灰原「えっ……だって江戸川君がこんなのやるわけないじゃない」
光彦「そうでしょうか? 最近のSNSブームは著しいですよ?」
灰原「円谷君……何が言いたいの?」
光彦「まぁ何と言いますか……」
光彦「工藤新一が生きていると世間に知られたら――」
光彦「灰原さんにとってマズいんじゃないかと思いましてね」
灰原「……ッ!? べ、別にそんなことないわよ」
104:
光彦「1時間目、灰原さんはこう言ってたじゃないですか――」
『おだてたって、解毒剤の試作品は渡さないから』(>>16)
【変態ストーカーは、《探偵バッチ・改》に耳を傾ける】
コナン「ったく……ちょっとは素直になれよな」
灰原「おだてたって、解毒剤の試作品は渡さないから」
コナン「バーロー。んなもん欲しかねーよ」
光彦(……解毒剤? なんのことでしょうか?)
光彦「――とね」
灰原「……それが何なの?」
光彦「まず、その後の会話から次の事実が推察されます――」
『解毒剤があれば → 蘭さんに会える』(>>16,17)
しかしながら、僕はこの文に違和感を覚えました。
何せコナン君は、“毎日”蘭さんに会ってるわけですからね。
ゆえに先程の会話における『蘭さんに会う』とは――
『(工藤新一として)』という意味で解釈すべきでしょう。
光彦「つまり《解毒剤》とは――工藤新一に戻る薬ということです」
そして灰原さんのセリフ『おだてたって〜』から、
コナン君には工藤新一の姿に戻る意思があることが窺えます。
光彦「まぁ実際は、戻る意思は無いと言ってましたが――」
光彦「――それは僕が《言わせたセリフ》ですからね」ニコッ
105:
光彦「つまり何が言いたいかというと……それはですね――」
『工藤新一は自分の意思で小さくなったわけではない』
光彦「――ということです。言い換えるならば――」
『工藤新一は何者かによって小さくされてしまった』
光彦「さて、ここで一つの仮定を立ててみましょう」
例のセリフ『おだてたって〜』から推察するに、
《解毒剤》を開発してるのは、灰原さんですよね?
光彦「そう――だからここで立てるべき仮定は……」
『そもそも灰原さん自身が、《小さくなる薬》を作った』
光彦「――という仮定になります」
107:
光彦「それを踏まえた上で、僕の考えるあらすじはこうです――」
?実は灰原さんの正体も、17才くらいの高校生で――
?そんな灰原さんは、イケメンの工藤新一に片想いすると同時に、
 彼と“固い絆で結ばれた”幼馴染――蘭さんの存在を知りました。
?「このままだと彼女に勝てない」、そう考えた灰原さんは、
 阿笠博士を共犯者に誘って《身体を小さくする薬》を開発。
?そして機会を見計らい、“本人含め誰にもばれないように”
 その《小さくなる薬》を工藤新一と自分に投与しました。
?博士は幼児化した彼に「バレたら騒ぎになるから誰にも言うな。
 行方不明だと都合がいいからそういう体で」と念を押し――
?さらに「心配するな。知り合いの天才科学者とチームを組み、
 早急に《解毒剤》を開発するから」と、彼を元気づけます。
?そして月日が経ち、灰原さんが博士の家に住み込むことに。
 灰原さんと彼は同じ境遇――故に親近感の向上は必然です。
?《解毒剤》の開発過程を見せることで、彼の信頼を勝ち取り、
 また一緒に通学することで、さらなる好感度アップを期待。
 
?しかしその裏で、灰原さんは《解毒剤》を完成させるつもりはなく、
 やがて工藤新一の存在は、蘭さん含め世間から忘れられていきます。
?そうなったら灰原さんの勝ち。蘭さんは他の男に心移りし、
 居場所のなくなった彼は、灰原さんと恋に落ちるって寸法です。
108:
光彦もうコナン越えてるだろwwwwwww
110:
光彦、やはり天才か
111:
光彦「――長くなりましたが、僕の推理はこんな感じですね」
光彦「だから工藤新一がSNSをやってると――」
光彦「蘭さんの意識から工藤新一を抹消できないため――」
光彦「灰原さんにとって、それはマズイ、というワケです」
灰原「……」
光彦「ふふっ……どうですか? 僕の推理は」
灰原「……最低ね……」ジトッ
光彦「あれ……もしかして、外れてました?」
灰原「ええ。気持ちいいくらいの空振りよ」ジトッ
灰原(……まぁ、近からずも遠からずって感じだけど……)
灰原(……所詮は小学一年生……推理に粗があるわ……)
112:
光彦「じゃあ工藤新一は《誰に》身体を小さくされたんですか?」
灰原「そんなの、あなたに答える義務はないわ」
光彦「でも、さっきは教えてくれるって言いましたよね?」
灰原「私を脅す気満々の人間に、教えるわけないでしょ?」
光彦「ほほう……じゃあ僕から2つ、いい事を教えてあげましょう」
灰原「……いい事?」
光彦「ええ。一つはSNS上の工藤新一が偽者だということ……」
光彦「そしてもう一つは――」
光彦「この僕こそが、《成りすましの犯人》であることです!」
灰原「……ッ……!?」
114:
灰原「あなたが……成りすましの犯人……?」
光彦「ええ。僕は阿笠博士にウイルスを添付したメールを送り――」
光彦「ファイアウォールに穴を空けることで侵入に成功――」
光彦「そして博士のPCに保存されているデータを全て取得しました」
光彦「最初はハッキングの腕試しのつもりだったんですが――」
光彦「取得したデータの中に《工藤新一の画像》があったんでね」
光彦「彼の行方不明を利用して――」
光彦「彼に成りすますことを思いついたってワケです」
灰原「そんな……一体、何のために……?」
光彦「ふふっ……そんなの、決まってるじゃないですか――」
光彦「可愛い女の子のメールアドレスをゲットするためですよ」
光彦「工藤新一の名を騙れば、それは容易となりますからね」
117:
灰原「……やっぱりあなたって最低……」
光彦「ふふっ……なんとでも……」
光彦「それより、話を本題に戻しましょう」
光彦「もし灰原さんが僕にフェラをしてくれたら――」
光彦「このアカウントのパスワードを教えてあげますよ」
灰原「……パスワード?」
光彦「ええ。言うならば、この偽の工藤新一を――」
光彦「《SNSから退会させることができる権利》です」
光彦「灰原さんにとって、美味しい話じゃないですか?」
灰原「……馬鹿ね。さっきちゃんと言ったじゃない――」
『円谷君の推理はハズレで、私はSNSなんてどうでもいい』
灰原「――って」
光彦「ふふっ……無理しなくてもいいですよ?」ニヤニヤ
灰原「別に無理なんてしてないわ」
灰原(今更退会させたところで……もう遅いもの……)
118:
灰原(きっと組織の連中は、もう動いてるでしょうね……)
灰原(ニュースになるほど、騒ぎになったんだから……)
光彦「ふふっ……灰原さんも頑固なところがありますね」
光彦「工藤新一が、《誰に》身体を小さくされたか――」
光彦「それを答えてくれない以上、容疑者は灰原さんだけ」
光彦「素直に認めて、僕のジョニーを舐めたらどうです?」ニヤニヤ
灰原(ほんとこの子……余計なことをしてくれたわね……)
灰原「いい加減にして……私、もう帰るから……」クルッ
光彦「おっと! いいんですか? 成りすましを放置しても」
灰原(もう相手するのも面倒臭い……)
灰原「じゃあ私、今からあなたの家にお邪魔させてもらうわ」
光彦「えっ……ちょっ……灰原さ――」
『キュラキュラキュラ……ガタンッ……』
光彦「あああああ!!! くっそおおおおおおおッ!!!!!」
【長く続いた論理合戦(時間にして40分)は、】
【灰原が体育倉庫を出る形で、ようやく幕を閉じたのだった】
120:
◆11時50分://米花駅/東口改札◆
【そこには服部、和葉、蘭、園子の姿があった】
服部(あんのガキ……シバいたろか)イライラ
和葉「んー、コナン君、遅いなぁ……」
園子「きっと待ち合わせのことなんて忘れてんのよ」
蘭「やっぱり学校……抜けられなかったのかな……」
園子「あり得る……私らみたいに1限終わりじゃないし――」
園子「授業中に抜けようとして先生に捕まったのかも……」
蘭「ハハ……先生も今日ぐらい許してくれたらいいのにね」
和葉「ほんまそれや。なんたって、タイムマシーンやで!?」
和葉「それも開発したんが、あの阿笠博士ときてるし――」
和葉「あの子ら全員、公欠扱いでもええのになぁ……!」
服部「だあああああ!! もう我慢の限界や!!!」イライラ
園子「私も……ガキンチョのことは放っといて先行かない?」
蘭「うん……そうだね。じゃあコナン君にはメールしとくよ」カチャ
122:
【――そして一同は、《米花ビル》へと歩みを進める】
【しかし行動は同じでも、それぞれ思うことは違っていた】
蘭(クククッ……タイムマシンさえ手に入れば……)ピピピ
【――何やら良からぬ事を考えながら、メールを打つ蘭】
園子(……蘭、今は別にいつも通りね……)
園子(……ほんと、さっきのは何だったんだろ……)
【――通常状態に戻った蘭に戸惑う園子】
服部(工藤の奴……15分も遅刻しよってからに……!)
服部(後で会うたら、ただじゃ済まさんぞ……!)
【――ただただ探偵仲間の遅刻に腹を立てる服部】
和葉(平次……今のところ普通やけど……)
和葉(今日こそアンタの浮気、突き止めたるからなっ……!)
【――1人だけ、異質な情熱に身を燃やす和葉】
124:
【そう――和葉は平次に疑惑を抱いていた】
【というのも、平次は東京を訪れすぎだからだ】
【特に仲の良い男友達がいるわけでもないのに、】
【長期休暇の度、隙あらば東京に足を運んでいる】
【だから和葉は悟った――東京に《女》がいる、と……】
【そして一昨日、それを決定づける証拠も発見――】
【それは平次の部屋から出てきた――】
【使用感溢れる《ディルドー》と《バイヴ》】
【だから《タイムマシン発表会の見学》は名目に過ぎず、】
【此度の東京旅行は、和葉にとって平次の女を探す旅なのだ】
和葉(平次……せいぜい今のうちに楽しんどきや……)ゴゴゴ
126:
◆12時00分://米花ビル/某階/セレモニールーム◆
博士「オッホン! えぇー、みなさん」モジモジ
博士「今日はこのような場を設けて頂き――」
博士「本当にありがとうございます」モジモジ
博士「私が《タイムマシン》を発明した阿笠博士です」
博士「今日はみなさんに、私の17年に渡る努力の結晶――」
博士「《ブレインジャグラー》を紹介したいと思います」モジモジ
来客『おぉおおおお!! ひゅーひゅー!!!』
記者『カシャカシャカシャカシャ……!』
中森「……全員、聞こえるか! 遂に発表会が始まった!」
【――会場が歓声で沸く中、無線機に語りかける中森警部】
中森「照明班は停電に備え予備電源への切り替え準備!」
中森「監視班は来客の中から怪しい奴を探しだせ!」
中森「今度こそ、あのコソ泥を逃がすんじゃないぞ!!」
129:
関係者A「中森さん。キッドは本当に現れるんでしょうか?」
中森「ふっふっふ……私の推理に間違いはありません!」
中森「昨日送られてきた奴の予告状を思い出して下さい」
関係者A「予告状ってあの――」
『我は時の魔術師――』
『明日、仰天の兄弟を昇天させるべく参上する』
関係者A「――とかいう、例のアレですか?」
中森「ええ。あの文章から解釈するに――」
中森「《仰天の兄弟》とは、長針と短針が天を仰ぐとき」
中森「すなわち、《犯行時刻は12時》ということになり」
中森「さらにそれを《昇天させる》とは――」
中森「《時計から針を剥がす》、という意味だと予想されます」
中森「つまりキッドは《今日の12時に、時を盗みに来る》!」
中森「そう――奴の狙いは《タイムマシン》に他ないのです!」
関係者A「なるほど。それで今日の12時から始まるこの会に――」
関係者A「あのコソ泥――怪盗キッドが現れると踏んだワケですね」
132:
【――そんな事情を裏に、博士は発表会を進めていく】
博士「えぇー、この《ブレインジャグラー(BJ)》は――」
脳に特殊な電気信号を送ることで、
仮想世界を体感できる、魔法のような機械です。
原型は、シンドラーカンパニーの《コクーン》ですが、
私はそれをヘルメットタイプへと小型化することに成功し――
さらに、合計768ルマバイトものデータベースに、
集合知を利用した大量の《過去データ》を蓄積する手法をもって、
仮想世界に過去を実現する見通しを立てました。
データベースに蓄えられる《過去データ》は、
《BJ》を装着した人間の《過去を抽出》することで更新され、
既存の《過去データ》との整合性を保った上で保存されます。
ですから《BJ》の利用人口が増えれば増えるほど――
《過去データ》は、より《真実の過去》へと近づいていくのです。
134:
とはいっても、《完璧な過去の復元》は100%不可能でしょう。
何故なら、「過去を提供するのは嫌だ」という人が必ずいますし、
それに江戸時代や縄文時代に生きていた人間はもういませんからね。
まぁ要するに、『不足した過去を補完する必要がある』ということです。
ですが心配はご無用。《BJ》の過去補完機能をもってすれば――
この世に溢れる様々な情報から理にかなった推測がされるため、
神でもない限り、過去の再現に違和感を覚えることはありません。
つまり、現在では数十人ほどの過去データしか集まってませんが、
今すぐ《BJ》で、タイムトラベルを楽しめるというワケです。
来客『おおおおおおおおおおおおお!!』
135:
段々と本格的になってきたな
コクーンの名前出したり、こういう小ネタは嬉しい
136:
博士「では、次に世界線について説明しましょう」
《BJ》で時間旅行を体験するには《ID》を発行する必要があります。
IDを発行するには、《過去の提供》をして頂く必要があるのですが、
一度発行して頂ければ、そのID専用の《世界線》が生成されるため――
博士「時間旅行の際に《過去改変》が起こっても――」
『他の《BJ》端末に影響を与えない』というメリットがあり、
仮想世界では、基本的に何をしてもOKということになります。
ちなみにその《過去改変の差分データ》はサーバに転送されず、
《BJ》に挿入された《特殊なメモリーカード》に保存されるため、
そのカードさえあれば、いつでも時間旅行を再開可能です。
博士「また複数の《BJ》端末を同期させれば――」
博士「『同じ世界線を旅行すること』も出来ますので」
博士「《BJ》での時間旅行は、ハネムーンにも最適と言えるでしょう」
和葉「へぇ♪ ハネムーンに時間旅行ってメッチャ素敵やん♪」キラキラ
服部「アホ。仮想世界ってことは結局は行ってへんのやぞ」
園子「えへへ。らーん、ハネムーンだってよ」ニヤニヤ
蘭「……」
園子(……あれ……? シカトされちゃった……)
139:
博士「では最後に何か、質問はありませんか?」
来客A「あの、私は昔のことを全く覚えてないのですが――」
来客A「そんな私でも過去データの質向上に貢献できるのでしょうか?」
博士「もちろんです。まず人間は一度体験したことを忘れません」
博士「思い出せないだけで、脳にはしっかりと記録されているのです」
博士「ですから《BJ》は、そういった記録を脳から抽出しています」
来客B「では、過去提供者のプライバシーは守られるのでしょうか?」
博士「はい。過去データの提供者には、必ず匿名が保証されます」
来客B「いや、私が聞きたいのは、そういうことではなく――」
来客B「思想や性癖、人格も抽出されるのか?ってことで……」
博士「ああ、すみません。そういうことでしたか……」
博士「もちろんそのようなことは断じてありません」
博士「NPCの性格や思考、趣味等は、蓄積された過去データから――」
博士「《BJ》が独自のアルゴリズムに基づいて推測しています」
141:
◆20分後◆
博士「……それでは質問もなくなったようなので」
博士「30分間の休憩の後――」
博士「皆さんに《BJ》を披露――」
博士「そして体験して頂きたいと思います」
来客『オオオオオオオオオオッ!!』
『ワイワイ……ガヤガヤ……』
博士(ふぅ……やはり発表会ってのは疲れるわい……)
蘭「博士。プレゼン良かったよー」
博士「おお、蘭君……ん? コナン君はどうしたんじゃ?」
園子「ガキンチョなら学校を抜けられなかったみたいよ」
博士「そ、そうか……それは残念じゃのう……」
服部「ホンマあのガキ……絶対シバイたんねん……」イライラ
和葉(平次……やけにあの子のこと気にすんねんな……)
143:
和葉(まさか……平次の好きな人って……)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
服部「おいコナン。今日こそはええやろ?」
コナン「な、何言ってるの? 平次兄ちゃん……」
服部「アホ! 俺はな、お前のために大人の玩具買うて――」
服部「毎日、ケツの穴広げてやっててんぞ!」
服部「はよワレのチンポここに入れんかい!」クパァ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
和葉(……ハハ……阿呆らし……)
和葉(平次がショタコンとか、絶対にありえへんわ……)
博士「……じゃあワシはトイレに行ってくるから――」
博士「蘭君達は、皆より先に《BJ》を見てて良いぞ」
園子「え!? いいの!?」
博士「もちろんじゃよ。何せ君等はワシの招待客――」
博士「それに30分後には、体験者が殺到するからの」
園子「えへへっ。やったね、蘭!」
蘭「うん……ありがと、博士♪」ニヤリ
博士「ハハハ……じゃあワシはトイレに……」タタタタ
144:
◆12時20分://米花ビル/某階/トイレ◆
【米花ビルのトイレは高級感と清潔感で溢れていた――】
『ガチャッ!!』 博士「が、我慢の限界じゃ……!!」タタタタ
【――しかし満身尿意の博士が、その優美を台無しにした】
博士「……ハァハァ!」タタタタタ
【チャックを下ろしながら小便器前まで走る初老】
博士「漏れる漏れる漏れる……!」ジィィィ
【間に合うか? 間に合わないか?】
『しゃあああああああ……』-------->《便器》
【――流石は大人。間一髪で間に合った】
博士「……はふぅ……生き返るわい……」
【用を無事に足し、尿意から解放された博士は、】
【その安堵感に、しばし胸を撫で下ろす――】
『カチャ……』
博士「……ん!?」
【――すると後頭部に、冷たい違和感を覚えた……】
145:
ジン「ようアガサ……元気そうじゃねーか……」
博士「……ジン!? ど、どうしてここに……!?」
阿笠の後頭部に銃を突き付ける長身男。
その唐突な出来事に、《アガサ》は戸惑った――
博士「これは……何の真似じゃ……?」
ジン「……貴様に2、3聞きたいことがあってな……」
147:
博士「……聞きたいこと……?」ゴクリ
ジン「ああ……《工藤新一》ってガキについてだ……」
博士(……なっ……新一のことじゃと……!?)ビクッ
ジン「……その様子だと、知ってるようだが?」カチャ
博士「あ、当たり前じゃ……奴は近所に住んでるからな……」
ジン「……本当にそれだけか?」カチャ
博士「ま、まぁ少しばかりは仲良くやっていたが――」
博士「最近は行方不明らしく、何の音沙汰も聞いとらん……」
ジン「ふっ……当然だ。奴はこの俺が始末したんだからな」
博士「……な、なんじゃと!? 何故そんなことを……!」
ジン「ゆすりの現場を見られた。ただそれだけだ」
博士「くっ……そうか……奴も運が無かったな……」
ジン「ふっ……まぁそんなことはどうでもいい」
ジン「問題なのは、奴が最近、SNSを始めたことだ」
博士「……何? SNS……じゃと……?」
148:
ジン「知らないか? Yagooが昨日――」
『行方不明の工藤新一、実は生きてた!?』
ジン「――って記事をアップしてたことを……」
博士「……何じゃって? ま、まさかそこに――」
ジン「ああ、奴がSNSを始めたと、書いてあったのさ」
博士(くっ……新一の奴め……一体何を考えとるんじゃ……!!)
ジン「そしてこれが、そのプロフィール写真……」
博士「なっ……!!!?」
博士(これは……ワシと新一のツーショット写真……!?)
ジン「……この写真を撮ったことに覚えは?」
博士「あ、ああ……少し前に、撮った記憶があるが――」
博士「そ、それが何だって言うんじゃ?」
149:
ジン「俺は前から貴様に呆れ果てていたんだ」
ジン「タイムマシンを発明する程の頭脳を持ちながらも――」
ジン「週末にはガキどもと戯れちまう、そのヌルさにな……」
博士「……そんなこと……今は関係ないじゃろ……」
ジン「なら率直に聞くが――」
『貴様……工藤新一を匿ってないだろうな?』
博士「……ッ!!!?」ドキッ
ジン「貴様のことだ。隣人である工藤新一に情が移り――」
ジン「命からがら帰宅した奴から事情を聞いた末――」
ジン「思わず助けちまった――なんて話が有り得なくもない」
博士「ば、馬鹿なことを言うなッ!」
博士「ワシがそんなこと、するはずないじゃろ!」
150:
博士「まず、この新一が本者だという確証はあるのか!?」
ジン「それは分からん。今、ウォッカが調査中だ」
博士「じゃあ何故、ワシにこんなことを……!!」
ジン「フッ……俺は猜疑心が強い上に――」
ジン「ウォッカの報告を待つほど、気が長くなくてな……」
博士「くっ……」
ジン「さぁ答えろ。貴様は工藤新一を――」
個室『コン……』
ジン「……ッ!? おい! そこに誰かいるのか!?」
『タタタッ!!』
コナン「死ねえええええええ!! ジンッ!!!」
ジン「何ッ!?」
【突如、個室から現れたのは――まさかの犯罪者!】
【その右手には拳銃――ではなく鉛玉が数個握られていた】
153:
コナン(博士のプレゼンの様子(>>126)から尿意を察し――)
博士「オッホン! えぇー、みなさん」モジモジ
博士「今日はこのような場を設けて頂き――」
博士「本当にありがとうございます」モジモジ
博士「私が《タイムマシン》を発明した阿笠博士です」
博士「今日はみなさんに、私の17年に渡る努力の結晶――」
博士「《ブレインジャグラー》を紹介したいと思います」モジモジ
コナン(奴を殺すため、トイレの個室に潜んでたいたが――)
コナン(まさかジン……てめぇまでついてくるとはな!!)
2人とも……この《蹴力増強靴(MAX)》でぶっ殺してやるぜ!
コナン「鉛玉――いっけぇえええええええッッッッ!!!!」
『ズゴォオオオオオオオオンッッッッッ!!!!!』
博士「ぐはぁあああああッッ!!!!!」ピシャアアアッッ
コナン(なっ……外れたッ!? 先にジンを殺すつもりが……!)
ジン「このガキッ……!! アガサによくも――」カチャ
コナン(やべぇ……! 先に撃たれr――)
『バチバチバチッッッッッッ!!!!』『ふっ……』
コナン(な、何だ……急に照明が……!?)
ジン(くっ……《停電》だと……!?)
『……きゃあああああああああああ……!!』
ジン「……!?」 コナン(……悲鳴ッ……!?)
152:
文章しっかりしてるけど、無茶苦茶な展開がカオスを起こして面白い
155:
◆12時30分://米花ビル/某階/準備室◆
中森(くっ……真っ暗で何も見えない……)
中森(おのれ……キッドの奴めっっ!!!)
中森「おい照明班!! 早く予備電源に切り替えろ!!」
『は、はい……あと数秒で切替わります……!!』
中森(落ち着け……この階には窓がないんだ……!)
中森(それ故に昼間でも停電策が使えるが――)
中森(同時に逃走経路も限られてくるはず……!!)
中森(それに奴が誰になりすましていたか――)
中森(それはもう分かっているんだ!!)
中森(何せ奴は私の目の前で――)
中森(堂々と《BJ》に触れていたのだから……!!)
『だ……ダメです!! 電気がつきません!!』
中森「な、なにぃいいいいい!!?」
156:
『おそらく……照明の方が死んでいるのかと……!!』
『キッドの奴は――発電所やブレーカー、照明機器でなく――』
『変電所、送電線の方に細工をしていたと考えられます!!』
『変電処理をスルーした高圧電流をそのまま流すことで――』
『館内全ての電気機器を破壊したのでしょう!』
中森(くっ……なんて大掛かりなことを……!!)
中森「……こうなったら全員懐中電灯を持って階段を張れ!!」
中森「この階には窓がない! それ故に逃走経路は階段だけ――」
中森「階段さえ張ってれば、奴を逃がすことはないんだ!!」
和葉(うわ……何か知らんけど、変なことに巻き込まれてしもた……)
和葉「平次、蘭ちゃん、園子ちゃん……どこにおるー?」タタタ
服部「……ちょっ……今はあかんて……キッドの奴が……!」ボソッ
園子「ふふっ……こんな時だから興奮するんでしょ……」ボソッ
和葉(えっ……この声……平次と……園子ちゃん……?)
158:
和葉(……まさか……平次が東京に作った女って……)
服部「……あ……そこ……ぁかん……///」
園子「ほら……服部君だって……気持ちよさそうじゃない……?」ギュ
服部「あ、アホ……近くに和葉がおるかもしれんのやぞ……///」
園子「ふふっ……それはそれで面白いと思うけど……」スリスリ
和葉「……平……次? ……園子……ちゃん?」
服部「か、和葉!? そこにおるんか!? ぁうっ……///」
園子「あちゃー……本当に近くにいたなんてね……」ニヤリ
和葉「ちょっと!! どういうことなん2人ともっ……!!!」
服部「お、落ち着け和葉……!!」
服部「これはやな……その……深い深いワケがあって……」
園子「そうよ――和葉ちゃんがボヤボヤしてるから――」
園子「私が先に、彼の童貞――貰ってあげたの……」
和葉「……ッ!!!?」
159:
園子「だってズルイと思わない?」
園子「私や蘭は想い人に会いたくても会えないのに――」
園子「和葉ちゃんだけは、毎日好きなときに会えるのよ?」
園子「なのに2人とも、腐れ縁だの何だのって強がっちゃって……」
園子「見てる側としては、腹が立ってしょうがなかったわ!」
和葉「……ッ!!」
園子「だから私は服部君を寝取った……それだけのことよ……」
和葉「……そんな……ひどすぎやで……園子ちゃん……」グスン
服部「か、和葉! すまん! 魔が差しただけなんや……!!」
服部「こんな時になんやけど、俺はやっぱりお前の方が――」
和葉「もういい!! 2人で幸せになればええやろ!?」グスン
和葉「2人とも……もう私に関わらんといて!!!」タタタ
服部「和葉!!! 待てやコラッ!! 俺の話を聞け!!」
園子「ふふっ……暗闇で走ったら、危ないのにね……」
160:
中森「……何? キッドが階段に現れない?」
『え、ええ……先程から見張ってるのですが、全く……』
中森(くっ……奴は一体どこから――)ガッ
中森「おわっ……!!」バタッ
『ど、どうしました!?』
中森「ああ、心配ない。何かに躓いただけだ……」
中森「……ったく。何なんだこの白いのは……」
【文句を垂れながら、懐中電灯を真下に向けた中森――】
中森「なっ……ナニィいいいいいいいい!!!?」
キッド「……ぅ……がぁ……」ポタポタポタ
【そこには、血まみれで倒れている怪盗キッドがいた】
      〜前編・完〜
162:
なにこの長編気になる
163:
やべえおもしれえ
166:
後編はいつだろうか
175:
壮大になってきた
177:
最初のかんじはどこに行ったんだ
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【衝撃画像】 え、猫と犬ってこんなに仲いいの!? 抱きついてる姿が完全にカップルwww

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