ほむら「…身体がダルいわ…はあ…」back

ほむら「…身体がダルいわ…はあ…」


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1:

?ほむらの家?
ほむら「……う、うう…」
ほむら(起きたはいいものの…身体がやけにダルいわ…)
ほむら(あ、頭も重いし…痛い…!)
ほむら「も、もしかして…風邪…?」
ほむら(どうして…?悪魔の私が風邪なんか…!!)
ほむら(確かに時期ではあるけれど…というかどうして悪魔が風邪なんか引くのよ…!)
ほむら(くっ…!)
ほむら(こんなことで負けてられてられないわ…!)
ほむら「とりあえず起きないと…!」
…バッ
3:
ほむら「…はあ、はあ…はあ…」
フラフラ
ほむら(うう…寒い…!)
ほむら「とりあえず熱だけでも計って…」
………
ピピピピッ
ピピピピッ
ほむら「…!」
ほむら(38.9°…これはちょっとまずいわね…)
4:
ほむら(今日の学校は無理のようね…仕方ないわ)
ほむら(一日大人しく寝てましょう…)
ほむら(悪魔の休日ってとこね)
ほむら(明日まで響くと、それこそ厄介だわ…)
9:
ほむら「……」
ほむら(それにしても、なぜ悪魔にまでなった私が風邪を…)
ほむら(まさか、まだ生きてたのかしら、私の病弱設定…)
ほむら(それとも、美樹さやかのお年玉を盗ったから…?)
ほむら(ふっ、まさかね…)
ほむら「…うう…うっ」
ほむら(薬は飲んだけども、まだ眠くない…)
ほむら(でも眠らないと治らないわ…!)
ほむら(…なんでもいいから、早く治ってちょうだい…!)
ほむら「はあ…今頃まどかは何をしてるのかしら…」
11:
?見滝原中 教室?
まどか「…ほむらちゃん、お休みだって…」
さやか「珍しいね、あいつが休むなんて」
杏子「へえ、アイツも風邪とか引くもんなんだな」
まどか「杏子ちゃん、それ失礼だよっ」
杏子「いや?だって、アイツが休むなんて珍しいからさ」
まどか「大丈夫かなあ…ほむらちゃん」
さやか「大丈夫でしょ、アイツのことだし」
まどか「…私、放課後、ほむらちゃんの家に行くよ」
さやか「ええ?そこまでしなくても大丈夫でしょ」
まどか「でもプリントとか誰かが持ってってあげないと…!」
杏子「相変わらずまどかはいい奴だよなあ?」
まどか「友達として当然だよ?」
13:
?ほむらの家?
ほむら「……」
ほむら「…はっ」
ほむら(だいぶ寝ていたようね…時間は…もう4時ね…)
ほむら(朝よりは…少し楽にはなったけど…)
………
ピピピピッ
ピピピピッ
ほむら「……まだ38°ある…」
ほむら(…どうしましょう…病院にいっても仕方ないでしょうし)
ほむら(とりあえず、今夜も寝て、明日の朝の状態で判断しましょう…)
14:
ほむら「……」
ほむら(それにしてもこんなときって暇ね…)
ほむら(身体はダルくて何もする気は起きないけど、さっきまでずっと寝てたわけだし)
ほむら(もう眠気なんて微塵もないわ…)
ほむら(話す相手でもいたら…暇潰しにはなるのだけど…)
ほむら(いけないわ、こんなこと考えたら)
ほむら(私は悪魔…悪魔は孤独…孤独で当然なのよ…!)
ほむら(というより、話相手なんかいたら、その相手に風邪がうつってしまうし)
ほむら(流石にそれは申し訳ないわ)
15:
ほむら「…ん?」
ほむら(そういえば話相手になっても風邪がうつらないような存在がいたわね…)
ほむら(あの白い塊が…)
17:
ヒョイッ
QB「やあ」
ほむら「消えなさい、現れていいと許可を出したかしら?」
QB「許可も何も、この世界では君が思ったりしたことが現実になるんだろ?」
QB「そして、今君は自分の頭の中で僕のことを想像してくれた」
QB「だから現れるのは当然じゃないか」
ほむら「じゃあ、今すぐ消えなさい」
QB「待ってくれ、久しぶりに出てきたんだから…」
ほむら「この世界で私の意志に叛いた場合、どうなるかは知ってるわよね?」
18:
QB「…わかったよ、でも何度も言うように僕を何体殺しても…」
ほむら「今日はボロ雑巾がいいかしら?」
ほむら「それとも蜂の巣?」
ほむら「あ、すりおろしでもいいわね」
ほむら「でも、一番は子どもたちと遊んでくれた方が助かるわ」
QB「ひっ、きゅっぷいっ」
QB「いいよ、そこまで言うなら僕は魔獣退治にでかけるよ」
スッ…
20:
ほむら「…」
ほむら(本当に憎たらしいわね…どうして私が創り変えた世界なのに)
ほむら(あんな奴がまだ存在してるのよ…!)
ほむら「はあ、はあ…」
ほむら(ちょっと感情的になりすぎてしまったわ…)
ほむら(急に身体が重くなってきた…とりあえずベッドに入りましょう…)
22:
………
ほむら「……」
…ピンポーン
ほむら「……ん?」
ほむら(ようやく寝そうだったのに…誰かしら)
…スタスタ
24:
ガチャ…
ほむら「…どちらですか」
まどか「あ、あの、ほむらちゃん…?」
まどか「大丈夫…?」
ほむら「」
…バタン
まどか「えっ?」
まどか「えっ!?ほむらちゃん!?ほむらちゃん!?」
27:
ほむら「……」
ほむら(正直予想はしてたけど、どうしてあの子だけなのかしら…)
ほむら(よく考えてみたら、なぜこの世界はやけにまどかと二人きりになるイベントが多く発生するの…?)
ほむら(本当にこの世界が私の望んだ通りのことしか起こらない世界なのなら…)
ほむら(私がそれを…望んでいるってこと…?)
ほむら(いえ、私が望んでいるのは…まどかの幸せだけのはず…!)
ほむら(たとえ、まどかの敵になったとしても…私は…あなたの…!)
31:

『ほむらちゃんっ!ほむらちゃんっ!』

ほむら「!」
ほむら「ご、ごめんなさい、まどか…!」
ほむら「とってもありがたいわ…でも、風邪がうつっちゃうかもしれないし…」

『そ、そんなこと気にしないよっ…私…ほむらちゃんのこと心配で…』

ほむら「……で、でも」
33:

『それに、みんなもほむらちゃんのこと心配して、たくさんいろいろ持たせてくれんだよっ』

ほむら「……っ」
ほむら(だ、ダメよ…まどか…!)
ほむら(これ以上優しくされると…私はあなたに甘えてしまう…!)

『…わ、私もほむらちゃんとお話したいよ、学校で会えなかった分、お話したいよっ』

ほむら「……」
ほむら(やっぱり…私はダメね…)
…ガチャ
36:
…………
まどか「…ほむらちゃんは、寝てて」
ほむら「……」
まどか「ごめんね…でも、ほむらちゃんのことすごく心配で…」
ほむら「…ごめんなさい、心配させて…」
まどか「ううんっ、ほむらちゃんが謝ることなんて何もないよっ」
まどか「友達なんだから、当然だよ」
ほむら「……」
ほむら(ああ…この子は本当に天使ね…)
38:
まどか「うぇひひっ、みんなほむらちゃんのこと心配してくれて…」
ゴソゴソ
まどか「こんなにいろいろ持たせてくれたんだあ…」
まどか「さやかちゃんがね、よくわからないんだけど…」
まどか「かぼちゃとラズベリー持ってけば、ほむらちゃんが元気出すからって言ってね」
まどか「かぼちゃパンとラズベリーのジャム買ってきてくれたんだっ」
ほむら「…あ、ありがとう…」
ほむら(美樹さやか…!あなたには…いつか相応のお返しをしてあげるわ…)
40:
まどか「でね、このリンゴはもちろん杏子ちゃんから」
まどか「風邪のときにはリンゴはすごくいいんだって、杏子ちゃんが言ってたよっ」
まどか「あとで剥いてあげるね」
ほむら「う、うん…ありがと」
まどか「最後はマミさんとなぎさちゃん、来るときにマミさんとこに寄ってきたんだ」
まどか「マミさんは風邪に効く紅茶を水筒に入れてくれて、なぎさちゃんはチーズをくれたんだあ」
ほむら「そう…みんなにありがとうって…伝えてて、まどか」
まどか「うんっ、もちろんだよっ」
41:
まどか「ほむらちゃん、それで、具合はどうなの…?」
ほむら「ええ…ちょっとまだ熱が…」
まどか「…そっか、大丈夫?」
まどか「何か食べれそう?」
ほむら「…なんとか」
まどか「じゃあ、杏子ちゃんのリンゴ剥いてくるね」
ほむら「…ええ、ありがと…」
ほむら(ああ…なんて優しい子…)
ほむら(病気のことなんて忘れてしまいそうだわ…)
44:
…………
まどか「はーい、お待たせ?」
まどか「ついでに、マミさんの紅茶とさやかちゃんのパンとジャムも持ってきたよ」
まどか「うぇひひっ、ほら、ほむらちゃんっ、うさぎっ!」
ほむら「上手に切れたわね、とっても可愛いわ」
まどか「うんっ、ママにね、教えてもらったんだ」
まどか「あ、でも、ほむらちゃん、一人で食べれる?」
ほむら「う、うん…」
まどか「ええ?残念だなあ、食べさせてあげようと思ったのに?」
ほむら「…え、あ…じゃ、じゃあ…」
ほむら(ダメよ…私…これ以上まどかに甘えてしまうわけには…!)
ほむら「…い、いや、そんなことしたらまどかに風邪がうつってしまうわ…」
まどか「ええ?そんなこと気にしないでいいのに?」
…モグモグ
47:
まどか「うぇひひっ、そう言えばクリスマスは私が看病してもらったよね」
ほむら「あ、あのときは…」カアア…
まどか「どうして顔赤くしてるの?ほむらちゃん」
ほむら「だ、だって…あのときはまどかが…」
まどか「私は何もしてないよ?ただ、ほむらちゃんが…」
まどか「私のこと、好きだって言ってくれて…」
ほむら「…わ、私は…まどかが聞いたから、答えただけで…」
まどか「ええ?、じゃあほむらちゃんは私のこと嫌いなの?」
ほむら「そ、そんなわけないわ…!」
まどか「うぇひひっ、良かった、私もほむらちゃんのこと好きだよ?」
ほむら「……」カアア
49:
まどか「またいつかほむらちゃん家にお泊りしていいっ?」
ほむら「う、うん…もちろん…」
ほむら「でも、今日は…もうそろそろ…」
ほむら「あんまり長くいると、本当にまどかに風邪をうつしてしまうわ…」
まどか「…そうだね、ごめんね、無理に押しかけちゃって…」
ほむら「ううん、本当にありがとう…」
まどか「じゃあ、明日は学校で待ってるね、お大事に」
ほむら「うん、じゃあ…」
52:
ほむら「…はあ」
ほむら(どうしてあの子はあんなに優しいのかしら…)
ほむら(それに今日のあの子はやけに積極的だったような…)
ほむら(この世界が本当に私が望んだことが実現する世界なのなら…)
ほむら(私は…積極的なまどかを望んでいる…ということ…?)
ほむら(はっ!)
ほむら(私は”受け”なの…!?)
ほむら(ど、どうしてよ…!普通に考えて私は悪魔なのだから、受けはおかしいわ…!)
53:
ほむら(というか私は何を考えているの…!)
ほむら(私は別にあの子との関係はどうでもいいのよ…)
ほむら(あの子が幸せにさえ、なってくれさえすれば…)
ほむら(とりあえず…明日まで休むわけにはいかないわ…)
ほむら(寝ましょう…)
54:
翌日
 ?ほむらの家?
ほむら「う、うう…朝ね…」
ほむら(さすがに今日は学校にいかないと…)
…スタスタ
………
ピピピピッ
ピピピピッ
ほむら「!」
ほむら(熱はまだ37.9度…ほとんど下がってないじゃない…!)
ほむら「…うう、でも仕方ないわ…」
ほむら「イブでも飲んでいけば、大丈夫よね…きっと…」
56:

?教室?
まどか「あっ、ほむらちゃんっ、おはよ」
ほむら「お、おはよ、まどか…」
まどか「…具合、大丈夫?ほむらちゃん…」
ほむら「ええ、なんとかね…まどかが来てくれておかげよ…」
まどか「うぇひひっ、そんなことないよっ」
58:
スタスタ…
さやか「あ、ほむら今日は来てたんだ、元気になったー?」
さやか「あたしのラズベリーとかぼちゃパンが効いたんだねえ」ニヤニヤ
ほむら「…そ、そうね…あ、ありがとう…」
ほむら(私が病み上がりなのをいいことに調子に乗ってるわね…美樹さやか…!)
杏子「いや、アタシのリンゴが効いたんだって、なあ、ほむら」
ほむら「リンゴもおいしかったわ…ありがとう…」
まどか「うぇひひ、とりあえず元気になって良かったよ?」
ほむら「……」
ほむら(大丈夫だわ…この調子でいけば、一日くらい…)
61:
昼休み
 ?屋上?
マミ「あら、暁美さん、もう風邪はいいの?」
ほむら「…はい、なんとか」
ほむら(…うう、朝より少し頭が重くなってきたような…)
ほむら「それより、紅茶…ありがとうございました…」
マミ「いいのよ、元気になってくれたのなら良かったわ」
マミ「さあ、みんなお昼にしましょう」
さやか「いえーい」
モグモグ…
まどか「あれ、ほむらちゃん、お弁当は?」
ほむら「…私は今日はいいのよ、朝しっかり食べてきたから…」
まどか「で、でも、お腹減らないの?」
ほむら「ええ…大丈……」
さやか「ああ、ダメだぞ!ほむら!病み上がりなんだし、しっかり食べないと!」
ほむら「え…」
63:
さやか「ほらほら、みんな!ほむらが元気になるようにおかずをわけてあげよう?っ」
マミ「そうね、はい、私のサンドイッチ…好きなの選んで、暁美さん」
まどか「そうだね、さやかちゃんの言うとおりだよ、はいっ、ほむらちゃん、からあげっ」
杏子「ったく、仕方ねーなあ、購買のパン一個やるよ」
さやか「じゃあ、あたしはこれとぉ、仕方ないから、おにぎりも一個あげちゃうよ?」
ほむら「え、あ、ああ…」
ほむら(無理して学校にまで来てるのに…い、今こんなに食べたら、間違いなく…下すか戻してしまうわ…!)
ほむら(私の状況を知りもしないで、あんな提案をして…!美樹さやか…!嫌がらせのつもりなの…!?)
ほむら(で、でも皆の行為を無駄にするわけにはいかないし…断ればまどかも悲しんでしまう…!)
ほむら「あ、ありがとう…みんな…」
…モグモグ
65:
…………
さやか「いや?良かった良かった?」
さやか「こんだけ食べたら元気100倍だね?」ニヤニヤ
ほむら「……うっぷ…」
ほむら(…は、吐きそう…!)
ほむら(み、美樹さやか…!この屈辱は…忘れないわ…!)
69:
放課後
 ?昇降口?
まどか「うわ?やっぱり雨降り出しちゃったね…」
さやか「あ?あ、傘忘れちゃったよ」
杏子「アタシのあるぞ、さやか」
さやか「お!ナイス、杏子!」
杏子「ま、貸してやんねーけどな」
さやか「貸すも何も、あたしん家のでしょ、それ」
71:
杏子「ちっ、ばれちまったか…ほら、さっさと入んなよ、さやか」
さやか「アンタねえ、人ん家の傘を…」
…スタスタ
杏子「いいじゃねーか、入れてやんだから」
さやか「いやあ、でもこれじゃラブラブ傘ですなあ?」ニヤニヤ
杏子「な、何言ってんだよっ」
さやか「おやおや、照れちゃって?」
杏子「て、照れてねーよ、やっぱ入れてやんねえ、濡れて帰れ、ばかさやか」
ダダダッ
さやか「ああ、ちょっと?杏子?ごめんって?」
…ダダダダダッ
73:
まどか「うぇひひっ、あの2人相変わらず仲いいね…」
ほむら「…そ、そうね…」
ほむら(うう…!ヤバイわ…完全に…)
ほむら(身体はダルいし…頭は今までで一番ボーっとしているし…)
ほむら(このままだと…倒れそうだわ…)
ほむら(しかも、こんな状況で傘を忘れるなんて…最悪だわ…)
まどか「…さっきから顔色悪いけど…大丈夫…?ほむらちゃん…?」
ほむら「え、ええ、大丈夫よ…」
ほむら「ま、まどかは今日はどうやって帰るの…?」
まどか「私は、ちょうどパパが買い物に出てたから、迎えにきてくれるって」
ほむら「…そ、そう…それなら良かったわ…」
ほむら(良かったわ、まどかは無事に帰れそうね…)
75:
まどか「そうだ、ほむらちゃんもよかったら、お家まで送ってあげようか?」
まどか「多分パパにお願いすれば…」
ほむら「い、いえ…私は大丈夫…大丈夫よ…」
ほむら(もう…あなたに甘えるわけにはいかないわ…)
ほむら(だって…私は…あなたの…)
まどか「で、でも…」
ほむら「…ど、どうして…あなたはそんなにも…!」
ほむら「あ、あなたは…あなたは………」
…ドタッ
まどか「えっ、ほ、ほむらちゃん!ほむらちゃん!」
…………
77:
ほむら「……っ」
ほむら「あ…こ、ここは…?」
まどか「ほむらちゃんっ!」
ダキッ…
ほむら「…ま、まどか…」
まどか「良かったよ、ほむらちゃん、心配してたんだよ、ずっと…」
ほむら「…わ、私は…」
まどか「倒れちゃったんだよ、学校で」
まどか「それで、パパがほむらちゃん家まで連れてきれてくれたんだ」
ほむら「…そ、そうだったの」
ほむら(ああ…また私は…まどかに頼ってしまったわ…)
80:
まどか「ほむらちゃん、無理したら、ダメだよ…」
まどか「キツイときはキツイって…ちゃんと言わなきゃダメだよ…」
ほむら「…ごめんなさい、まどか…」
まどか「…私にだって、頼ってもいいんだよ…?ほむらちゃん…」
ほむら「!」
ほむら「…で、でも…」
ほむら(今のあなたは知らないけど…私は…あなたのために…!)
まどか「私だって…ほむらちゃん頼っちゃうときもあるし…」
まどか「ほむらちゃんに助けてもらったことだってあるよ」
まどか「だから、ほむらちゃんも私を頼っていいの…助けてもらっていいんだよ…」
ほむら「…ううっ…まどか…!」
82:
スッ…
ピト…
ほむら「…あ」
まどか「だいぶ熱も下がってきたみたいだね…良かった」
まどか「明日はちょうどお休みだから…今夜はずっと看病してあげるね」
ほむら「え…で、でも…さすがに悪いわ…」
まどか「ううん、こんなほむらちゃんを放っとけないよ」
ほむら「……」
ほむら(…もうこの子に何を言っても無駄のようね…仕方ないわ…)
ほむら(今夜はあなたの言うことに従いましょう…)
84:
…………
まどか「はい、ほむらちゃん、あーん…」
ほむら「…は、恥ずかしいわ」
まどか「ダメだよ、ほむらちゃん、患者さんはちゃんと言うこと聞かなきゃ」
ほむら「…患者さんって…」
ほむら「ん…あ、あーん…」パクッ
まどか「うぇひひ、ほむらちゃん、可愛いっ」
ほむら「……」カアア…
ほむら(やっぱり私は…こんな積極的なまどかを望んでいるのかしら…)
ほむら(いえ、違うわ…!私はまどかの幸せを…あの子の幸せだけを…!)
86:
まどか「そういえば…ほむらちゃん、ここ最近ずっと寝てたんだよね…?」
ほむら「え、ええ…」
まどか「じゃあ、もしかして、お風呂入ってない…?」
ほむら「…ま、まあ…」
まどか「そっか、仕方ないよね」
まどか「ちょっと待ってて、ほむらちゃん」
…スタスタ
ほむら「…え?」
………
まどか「お待たせ」
ほむら「ま、まどか、これは…?」
88:
まどか「ほむらちゃん、今日もお風呂には入れないでしょ?」
まどか「だから、ほむらちゃんの身体、拭いてあげようかなって思って…」
ほむら「…そ、そそれは…!」カアア…
ほむら(いくらなんでも積極的過ぎよ…!まどか…!)
まどか「私もね、風邪引いて何日かお風呂は入れなかった時には、ママがよくしてくれてたの…」
まどか「…ダメかな、ほむらちゃん…」
ほむら「え…そ、それは…」
まどか「ん…?」
ほむら(う、上目遣いは反則だわ…!!)
ほむら「…じゃ、じゃあ、お、お願いしようかしら…」
まどか「うぇひひっ、良かった…じゃあ服脱いで」
ほむら「…う、うん…」
スルスル…
まどか「うぇひひっ、ここは私が脱がしてあげるね」
ほむら「……う、うん」カアア…
92:
………
ほむら「…ひゃっ」
まどか「あ、ご、ごめんっ、冷たかった…?」
ほむら「…少し驚いただけよ」
まどか「うぇひひ、どう?タオル温かいでしょ?」
ほむら「うん…」
まどか「ほむらちゃんの身体、白くて細くて、とっても綺麗…」
まどか「羨ましいなあ…」
ほむら「そ、そんなことないわ…まどかだって十分綺麗よ…」
まどか「そうかなあ…」
まどか「うぇひひっ、こうしてると私がほむらちゃんのママみたいだね…」
ほむら「そ、そうね…」
ほむら(ああ…幸せだわ…こんな時間がずっと続いてくれれば…)
ほむら(って、な、何考えてるのよ…!私は…!)
95:
まどか「よし、これで大丈夫かな」
ほむら「…ありがとう、まどか」
まどか「ふぁああ?私も、もう眠くなってきちゃったよ…」
ほむら「え…」
まどか「…ねえ、ほむらちゃん、私も一緒に寝ていい…?」
ほむら「で、でも…そんなことしたら…」
スルッ
まどか「わっ、ほむらちゃんの布団の中、暖かいねっ」
ほむら「ちょ、ちょっとまどか…!」
ほむら「風邪がうつってしまうわ…!」
まどか「うぇひっ、そのときはそのときだよ?」
まどか「私が風邪引いたら、今度はほむらちゃんが看病してくれるんでしょ?」
ほむら「…も、もちろんよ」
まどか「じゃあ問題ないよっ、うぇひひっ」
97:
まどか「そういえば、どうしてほむらちゃん、さっき着たばかりの服脱いでるの…?」
ほむら「えっ、あ、あ、こ、これは…!」
まどか「ほむらちゃん…そんなこと考えちゃダメだよ…」
ほむら「えっ、ち、違うのよ…!こ、これは…!」
ほむら(どうして私が変態みたいになってるのよ…!)
ほむら(そ、それにクリスマスはまどかの方から…!)
まどか「とりあえず、服着ないとまた風邪引いちゃうよ?ほむらちゃん」
ほむら「あ、あ…そ、そうね…」
まどか「ねえ、ほむらちゃん、風邪が絶対にうつる方法、知ってる?」
ほむら「えっ?」
まどか「…こうするんだよっ」
…チュッ
ほむら「んっ…!」カアアア
100:
……………
ほむら「…はっ!」
ほむら「…あ、あれ…?」
ほむら「わ、私は…」
ほむら「…も、もしかして、さっきのは夢…?」
ほむら(そうよね、きっとそうだわ…都合よすぎるもの…)
まどか「ほむらちゃ?ん、朝ご飯できたよっ」
まどか「起きてる??」
ほむら「えっ、ま、まどか…?」
まどか「あ、起きてたなら、すぐにきてよ?」
ほむら「ご、ごめんなさい…」
まどか「一緒に朝ごはん、食べよ、ほむらちゃんっ」
ほむら「ええ」
102:
ほむら(…どこまでが本当のことだったのか、私も恥ずかしくてまどかには聞けなかった)
ほむら(でも、あなたが幸せなら、それでいい…私はそれでいいの…)
ほむら(べ、別に私はまどかとあんなことやこんなことをしたいなんて微塵も思ってないわ…!)
ほむら(こんな世界のこんな私でも、まどかがいるだけでとっても美しくて尊いものになるものなのね…)
ほむら(私はやっぱり、この世界を求めて後悔してない…)
ほむら(だから、私はあなたが幸せになることを望むわ、この先も、ずっとね…)
104:
その後
 ?まどかの家?
まどか「ただいま?」
詢子「おお、まどか、おかえり?」
詢子「聞いたぞ?、まどか、昨日は友達の看病してたんだって??」
まどか「うん、お泊りになっちゃったけど…」
詢子「まあ、固いことは言わないけどさ、風邪もらってなきゃいいんだけどね?」
まどか「大丈夫だよ、ママ…くっちゅんっ!」
詢子「って、言ってるそばから、くしゃみしてんぞ?」
まどか「…うぇひひっ」
107:
まどか(それから何日かして、私も風邪を引いてしまいました。)
まどか(間違いなく原因はあの日です。でも、約束通りほむらちゃんがきちんと看病してくれました)
まどか(今度はお互い元気なときに、お互いの家にお泊まりにいこーねって約束をしました)
まどか(ほむらちゃんは、相変わらずとっても恥ずかしそうだったけど、OKしてくれました)
まどか(私はとっても楽しみです)
まどか(そして、今日も私は、ずっとこんな日が続いてくれればなあっと思ってしまうのでした)
110:
以上で終わりです。
時間があれば、次回はバレンタインデーを予定しています。
もし良かったらお付き合いください。
毎度、支援くださった方
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
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