ディオ「古畑さん。僕は話したくないと言っているんだ」back

ディオ「古畑さん。僕は話したくないと言っているんだ」


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1:
古畑「えー…」
古畑「家の壁や黒ずんだタオル、なんでも構いません。一度よーく洗ってみて下さい」
古畑「『あれ?こんな色だったかな?』と驚くほど綺麗になります」
古畑「どんなものでも、月日とともに汚れていくんです知らない間にゆっくりと?」
古畑「人間の心も同じです、フッフッフ。時々洗っておかないとーー」
3:
ディオ「お父さん、ご気分はいかがです?」
ジョージ「うむ、だいぶいいよ…ゴホッ。ただ咳が止まらないな。今日入院を勧められたよ」
ディオ「入院?それはしない方がいいです。病院は儲けることだけ考えて入院を勧めているのです」
ジョナサン「……」
コンコン
召使「お話中失礼致します。その、お客様がいらっしゃいまして…二人組の東洋人のようなのですが…」
ジョージ「東洋人?」
5:
これはwwwwwwwwww
6:
古畑「いや?すみません突然お邪魔して?!缶詰の懸賞に当たって、フフフ、旅行中なんですが道に迷っちゃいまして?。ねえ今泉くん」
今泉「軽く、三時間は彷徨ってましたね!」
ジョージ「おお、それは大変でしたね。見ての通り私は病床の身。何のおかまいも出来ませんが、よければご旅行の期間中この屋敷の部屋をお使い下さい」
古畑「え!よろしいんですか?」
今泉「やりましたね古畑さん!」
古畑「君は黙ってなさい。本当によろしいんです?」
ジョージ「ええ、構いません。使用人がお部屋まで案内しましょう」
古畑「いや?なんだか申し訳ないなぁフッフッフ」
今泉「僕、こんな大きなお屋敷初めてですよぉ!」
使用人「では、ご案内致します。こちらへ」
古畑「どうも?」
バタン
9:
ジョージの部屋
ディオ「…いいんですか?父さん。あんな得体の知れない東洋人を招き入れて」
ジョージ「なに、困った時はお互い様さ」
ジョナサン「それより父さん、今日はもう休んで…。早くよくなってください」
ジョージ「うむ。そうするとしよう」
ディオ(フン!お人好しのマヌケな親子め!…まあいい。あんな東洋人ごとき、このディオの計画の障害になりはしない)
11:
古畑と今泉の部屋
古畑「どう思う??今泉くん」
今泉「このベッド、僕のアパートの部屋くらい大きいですよ!」
古畑「そういうこと聞いてんじゃないんだよ。この屋敷のご主人」
今泉「ご主人が、どうかしたんですか?具合悪そうで可哀想でしたけど…」
古畑「変だと思わない?」
今泉「え、何がですか」
古畑「おかしいよ?。だってこんな大きな屋敷に住んでるんだよ?お金持ちに決まってるじゃないか?。なのに入院してないなんて」
今泉「きっと、手の施しようがないんですよ」
古畑「ベッドサイドに薬が置いてあった」
今泉「え、そうでした?」
古畑「何かあるよ?」
今泉「考えすぎですってぇ」
13:
翌日
古畑「おはようございます?!いや?イギリスの朝はいいなぁ?!」
ジョナサン「あ、古畑さん…おはようございます。随分遅いお目覚めでしたね」
古畑「すみません、ベッドがあんまり寝心地良くてつい?」
ジョナサン「えっと、お連れの方は?あの、おデコの」
古畑「あ?、あいつなら気にしないで下さい。しょうもない奴なんですよフッフッフッフ」
古畑「ところで、えー、ジョナサンさんとおっしゃいましたか?」
ジョナサン「ええ」
古畑「ジョナサンさん、お父様の具合はいかがです?夕べはずいぶん咳き込んでらっしゃいましたが…」
ジョナサン「実は、あまりよくなくて…」
古畑「おやぁ?それはお気の毒だ。病院にはかかられたんですか?」
ジョナサン「はい、入院を勧められています」
古畑「入院?なさらないんですか?」
ジョナサン「それが…」
14:
ディオ「ジョジョォ、どうした?こんな廊下の真ん中で話し込んで」
ジョナサン「ディオ!」
古畑「おはようございます?。どうもすみません道を塞いじゃって?」
ディオ「いえ、構いませんが…」
ディオ(こいつ、ジョースター卿の病についてジョジョに聞いていた…。念のためこうして会話に割り込んでやったが…)
古畑「いや?しかし綺麗な金髪だぁ?!今泉のやつにも分けてやりたいな?フフフフフ」
ディオ「ど、どうも…」
古畑「あれ?」
ディオ「?」
古畑「あれれ??」
15:
ディオ(な、やはり何か勘付いて…!)
古畑「耳」チョンチョン
ディオ「は?」
古畑「ホクロが三つ並んでる!うわ?珍しい?!こんなの初めて見ました私?」
ディオ「…は、はあ」
ディオ(チッ!紛らわしい真似を…。やはりこいつはただのマヌケな迷子の旅行客!放っておいて問題はないだろう)
古畑「あ、ごめんなさい長々とお話しちゃって?。そろそろ失礼いたします。よい一日を?」
18:
使用人「あ、古畑様、お目覚めでしたか。朝食の用意が出来ておりますが、いかがなさいますか?」
古畑「いただくよ?。ありがとう」
使用人「かしこまりました」
古畑「あ、それと?」
使用人「はい?」
古畑「ジョナサンさんとディオさん、あのお二人はご兄弟で?」
使用人「ええ。ただ、血の繋がりはございません。ディオ様の方は数年前、養子としてこの屋敷にいらっしゃったんです」
古畑「養子?」
使用人「はい。なんでも、ジョースター卿の古いご友人のご子息なんだとか」
古畑「なるほど?…。ありがと」
20:
ハドソン校 ラグビー部練習場
ジョナサン「この練習場にお世話になることも、もうないんだと思うと寂しいなぁ」
ディオ「ああ、僕も同感だな」
ジョナサン「だけど最後の試合で優勝できたのは本当によかったよ。君のおかげさ、ディオ」
ディオ「ありがとうジョジョ。だが君あって…の…」
ジョナサン「…?どうかしたのかい…?」
ディオ「……」
ジョナサン「あ、あれは…」
22:
古畑「いやぁ?お邪魔してます」
今泉「こんにちは!」
ジョナサン「古畑さん!それに今泉さんも…。どうしてここに?」
古畑「ちょっとイギリスの大学を見学してみたいと思いまして?」
ジョナサン「そうだったんですか。言ってくださればご案内したのに」
古畑「いえいえ旅行者の気まぐれですので、お気遣いなく?」
今泉「外国の学校は大きいなぁ?!ディオくんは、何を勉強してるんだい?ドゥフフw」
ディオ「どうぞ、ゆっくりしていってください。では僕たちはこれで。行こうジョジョ」
ジョナサン「あ、待ってよディオ!」
古畑「また後ほど?」
今泉「僕たちもそろそろ戻ります?古畑さん」
古畑「ん?…あ、ちょっと待った」
23:
女子生徒A「ねえB子、この間のジョジョたちの試合見た?」
女子生徒B「見た見た!ジョジョとディオ、二人とも素敵だったわ!」
女子生徒A「でも知ってる?ディオって実は…」
古畑「あの?失礼ですがジョナサンさんとディオさんのお知り合いで?」
女子生徒A「!え、ええ。まあそうですが…何か?」
古畑「いえ、有名なお二人の名前が聞こえたので気になっちゃって?。え?…それで?」
女子生徒B「は?」
古畑「そちらの方。ディオさんが実は…とおっしゃいましたけど」
女子生徒A「ああ…。いや…ここだけの話ですよ?ディオ、実は貧民街の出身なんです」
古畑「貧民街?」
女子生徒A「はい。本来なら逆立ちしたって大学になんか通えない身分の生まれだって…」
古畑「そうでしたか?」
女子生徒B「でも、あれだけ頭も運動神経も良くてマナーも完璧とくれば誰も文句は言わないわよ。顔もいいし」
古畑「おっしゃる通りです?フッフッフ…お話、ありがとうございました」
27:
夜 ジョースター家
コンコン
古畑「お邪魔します?」
ジョースター「おお、古畑さん。すみません、何のお構いも出来ず…」
古畑「とんでもございませ?ん。こちらこそすみません珍しがってウロウロしちゃってフッフッフ…」
古畑「しかしこの家のお二人の息子さんは立派だ。ラグビーの試合、お互い協力しあって優勝されたとか」
ジョースター「ええ、自慢の息子たちです。あれで幼い頃はよく衝突していましたが…」
古畑「え?そうなんですか?意外だなぁ?」
ジョースター「お互い難しい年頃でしたからね。…私とディオに血の繋がりがないことは聞いてますか?」
古畑「うかがってます」
ジョースター「そうでしたか…。当時ディオは父親を亡くして間もなかった。それで不安定になっていた部分もあったのでしょう」
古畑「なるほど」
28:
ジョースター「しかし今は本当に立派に育ってくれた。今だって、毎日私の薬を運んでくれるんですよ」
古畑「薬を?」
ジョースター「ええ。老いた召使を気遣って、自ら運んできてくれているんです」
古畑「それは素晴らしい?。お優しい息子さんだ?」
ジョースター「はい…本当に…。ゴホッゴホッ」
古畑「あ、すみません長居をしてしまいました?。お身体に障るといけませんので、これで」
ジョースター「ゴホッゴホッ…すみません。それでは、おやすみなさい」
29:
ジョースター邸 広間
ディオ(…クソッ。なぜだか知らないがあの古畑とかいう男、俺やジョジョのことをやたらと調べ回っている)
ディオ(単なる好奇心ならばいいが…どうも油断出来ない)
ディオ(チッ、イライラするッ!)
ディオ「酒!飲まずにはいられないッ!」
古畑「昼間からそんなに飲んで大丈夫ですか??」
ディオ「ブフッ!!ふ、古畑、さん!?いつからそこに!?」
32:
古畑「たった今です?。ちょっとお話をと思って」
ディオ「…生憎ですが、見ての通り気分が悪くてね。またの機会にしていただけますか」
古畑「おや?何か嫌なことでも?」
ディオ「古畑さん。僕は話したくないと言っているんだ」
古畑「まあそうおっしゃらず…」
ディオ「失礼します」スタスタスタ
古畑「あ?ちょっと?」
36:
ジョナサン「おや、古畑さん。帰ってらしたんですね」
古畑「え、ああどうも?」
ジョナサン「…ディオ、機嫌悪そうでしたか?でも、いつものことなので、気にしないで下さい」
古畑「そうなんですか?」
ジョナサン「ディオもあれで最近はずいぶん丸くなったんですけどね」
古畑「ん?。お聞きしました。二人が昔はよく衝突していたと?」
ジョナサン「そう、ですね…。僕がディオを疑い過ぎていた部分も、あるのかも知れません…」
38:
古畑「さしつかえなければ、何があったのか聞かせていただいても?」
ジョナサン「うーん…まあ、子どもの頃の話なのでたわいのないことですよ。僕の時計を取ったとか取らなかったとか」
古畑「ふふふ、ですがそういうのってわだかまりが残りますよね?」
ジョナサン「はは、いやぁ、どうなのかな。だけど、僕とディオは今では良い義兄弟ですよ」
古畑「それが何よりです?」
ジョナサン「彼は未だに自分のことはあまり話したがりませんがね」
古畑「というと?」
39:
ジョナサン「自分がこの家にやってくる前の話とか、全然聞いたことないんですよ」
ジョナサン「特に亡くなったお父さんの話は、どこか避けているようでもありますね」
古畑「早くに亡くされてますからね?。いろいろと複雑な思いもあるんでしょう」
ジョナサン「ええ、そうかも知れません」
古畑「あっ、と。すみません長々とお話しちゃって?」
ジョナサン「とんでもない。古畑さん、お話が上手ですね。ついいろいろな話をしてしまう」
古畑「ん?フッフッフ。ありがとうございます?」
42:
ディオの部屋
ディオ「また貴方ですか…」
古畑「すみません、どうしてもお話したくて?」
ディオ「出て行ってください」
古畑「まあまあまあ、私思い付いたんです?。一つゲームをしていただこうって。私が勝てばお時間を頂戴する」
ディオ「…ゲーム?」
古畑「簡単です?。今から私の動きをそっくり真似してください。真似出来なければ貴方の負けです」
ディオ(こいつッ…このディオが負ける前提で話していやがるな!)
43:
ディオ「いいでしょう。受けて立ちますよ」
古畑「ふふふ、ありがとうございます。ではグラスとお水、お借りしますね」
古畑、水をつぐ
ディオ、水をつぐ
古畑、瞬きをする
ディオ、瞬きをする
古畑「カンパイ」
ディオ「カンパイ」
ゴクリ
古畑「ニコッ」
ディオ「ニコッ」
古畑「……」カパッ ダバァーッ
ディオ「!?」
44:
ディオ(こ、こいつ!水を飲み下さず口に含んでいやがった!!)
古畑「どうですか?」
ディオ「……」カパッ
古畑「フッフッフ?」
ディオ「……」
ディオ「…今泉」
ディオ「いないのか!?今泉!」
今泉「はいっ!」
ディオ「今すぐ紅茶を淹れろ。…古畑さん、どうぞおかけになってください。お話しましょう」
古畑「ありがとうございます?」
47:
ディオ「それで?何が聞きたいんです?」
古畑「いえ、そんな堅苦しいものじゃないんですよ?」
古畑「ただジョージさんが貴方をずいぶん褒めてらっしゃったのでお話してみたいと思いまして」
ディオ「へえ、父が僕を」
古畑「はい。えー…」
ディオ「言いたいことは分かります。聞いたんでしょう?僕が父の実子ではないという話も」
ディオ「気を遣っていただかなくて結構ですよ」
古畑「え?…フッフッフ、すみません」
50:
ディオ「父には感謝していますよ。貧しかった僕に何不自由ない生活をさせてくれているんですから」
古畑「そういえば、実のお父様は幼い頃に亡くされてるそうですね?。お気の毒だ?」
ディオ「ええ、まあ」
古畑「亡くなる直前にこんなに恵まれた環境を用意しておいてくれるなんて、お優しいお父様ですね?」
ディオ「……」
古畑「ディオさんが立派に成長なさって、お父様きっと天国で喜んでらっしゃいますよ?」
ディオ「…古畑さん」
古畑「生きていれば、今回のラグビーでの勝利も喜ばれたことでしょう?」
ディオ「古畑さん!!」
52:
古畑「…なんでしょう?」
ディオ「言っておきますが、僕の父親は貴方が思うような優れた男なんかじゃあない。死んで当然のクズだ」
古畑「はい?」
ディオ「酒飲みのだらしない男でね。思い出すだけで吐き気がしますよ」
古畑「んーフッフッフ…。そうでしたか?。どうやら家族中はよろしくなかったようですね?」
ディオ「酒代のために何でも売っぱらって…。残ったものといえばこのナイフくらいです」シャキン
古畑「ずいぶん年代物のオートナイフだなぁ」
ディオ「まあ、お守り代わりに持ってるだけですがね。金にもならないつまらないものですよ」
53:
ディオ「…さて、そろそろいいですか?僕はこれから用があるので」
古畑「あ、どうもすみませんいろいろと?。ありがとうございました」
ディオ「ええ、では」
古畑「あ、ディオさん?」
ディオ「…まだ、何か?」
古畑「ご気分はどうですか??良くなりました?」
ディオ「…おかげさまで」
古畑「フッフッフ、それはよかった
?」
54:
ジョースター邸 庭
今泉「あ!古畑さ?ん!ディオくんとのお話は、もういいんですか?」
古畑「まあね。君は何してたの?」
今泉「僕は、ジョジョくんと一緒にダニーくんのお墓参りです!」
古畑「誰だいダニーくんって」
今泉「この家で昔飼われてたワンちゃんらしいですよ。なんでも、惨い最期だったとか…ううっ可哀想だなぁ?」
古畑「泣くんじゃないよ?鬱陶しいなぁ」
ジョナサン「あ、古畑さん。どうも」
古畑「ああジョナサンさん、すみませんうちの馬鹿がご迷惑かけたみたいで」
ジョナサン「いえ、こんなに心からダニーを弔ってくれて、むしろ嬉しいですよ」
古畑「そうですか??それならよかったです?」
56:
今泉「ところでジョジョくん!さっきの話の続き聞かせてくれよ」
古畑「話?」
ジョナサン「ああ、赤い洗面器の男の話ですか?」
今泉「そうそう」
古畑「え!その話ご存知で?是非聞かせて下さいお願いします?!」
ジョナサン「分かりました。…ある晴れた日のことです」
ジョナサン「通りを歩いていたら、向かい側から赤い洗面器を頭に乗せた男がやってきた」
今泉「うんうん」
古畑「それで…?」
60:
ジョナサン「男は洗面器の中の水をこぼさないよう、ゆっくり、ゆっくり歩いてきます」
ジョナサン「それで僕は聞いてみたんです」
ジョナサン「『どうして洗面器なんか頭に乗せているんですか?』って…」
ジョナサン「すると男は、そ」
ディオ「ジョジョ!!」
古畑「!?」
62:
ジョナサン「ディオ?どうしたんだい?」
ディオ「すまないが、大事な話があるんだ。すぐ一緒に来てくれないか?」
ジョナサン「え、まあ、構わないけど…」
古畑「え、あの、話の続きは…」
ジョナサン「えっと…すみません古畑さん、今泉さん。また後でお話させて下さい。じゃあ」
古畑「ええ!?ちょっと、ジョナサンさん、ジョナサンさ?ん!」
63:
ジョナサンとディオ
ジョナサン「それで、大事な話って何なんだい?ディオ」
ディオ「…いや、ちょっと昔のことを思い出していてね。僕は君にはいろいろ酷いこともしてきたから…」
ジョナサン「そ、そんな…もう過去のことじゃあないか…」
ディオ「だけど、僕は改めて君に謝りたいんだ。7年も前のこととはいえ、馬鹿なことをしでかしたよ…」
ディオ「ジョジョ、許してくれるかい…?」
ジョナサン(な、涙…!)
65:
ジョナサン「も、もちろんさディオ。僕たちは親友じゃないか。だから泣かないでおくれよ」
ディオ「だったら、ジョジョ。約束してくれ」
ディオ「これから先どんなことがあっても、僕を疑ったりしないと…」
ディオ「僕との友情を疑ったりしないと、約束してくれ」
ジョナサン「当たり前だろ。急に何を言い出すんだい?」
ディオ「…すまない」
ディオ「あの古畑とかいう旅行客に過去のことをいろいろ蒸し返されて、不安になってしまったようだ」
ジョナサン「古畑さんが?確かに、ちょっと変わった人だけど…」
ディオ「とにかく、君とこうして友情を再確認出来てよかったよ」
66:
ジョナサン「ディオ…」
ディオ「なんだか柄にもない話をしてしまったな。照れ臭いから僕はもう部屋に戻るよ」
ディオ「じゃあな、ジョジョ」
ジョナサン「うん…。えっと、ディオ」
ディオ「?」
ジョナサン「…正直に言えばこの7年間、僕は君を疑ったこともあった」
ジョナサン「だけど、その…今は違うよ。僕も君という兄弟がいて本当によかったと思ってる」
ディオ「…ああ、ありがとう」
ジョナサン「それじゃあ!おやすみ!」
ディオ「……」
67:
ディオ(ふん!所詮は甘やかされて育った金持ちの坊ちゃん!)
ディオ(他人の涙に弱いところは変わらないなぁジョジョ!)
ディオ(そうさ、7年前にジョジョの前で見せた涙も当然計算のうち!当然な!!)
ディオ「ともあれ、これでジョジョの阿呆が闇雲におれを疑う可能性は減らせたはずだ」
ディオ「あとは古畑をさっさと追い出して、落ち着いて計画を遂行すればいいだけのこと」
ディオ「このディオの計画に障害などあるはずがない!」
70:
夜 ジョースター邸書庫
ジョナサン「さて、石仮面の研究はこれくらいにして、そろそろ眠ろうか…本を片付けよう」ガタッ
ジョナサン(しかし今日は驚いたな…。ディオが突然あんなことを言い出すなんて…)
ジョナサン「以前は『考古学が金になるのかい?』なんて言われたこともあったっけ。彼らしい言葉だ」
ジョナサン「よいしょ…あ!しまった!」ドサドサ ドド?ン
ジョナサン「ほっ…高価なものではなさそうだ…。ん?これは…」
ジョナサン「ダリオ・ブランドー!ディオの父さんからの手紙だ!」
ジョナサン「よ、読みたい…。7年前のだ。読んでもかまわんだろう」
71:
ジョナサン「こ、これは…!」
ジョナサン(信じられない!ディオの実の父親と僕の父さんの病は、全く同じ症状じゃないか!これではまるで…)
ジョナサン「はっ…い、いけない。これからはディオを決して疑ったりしないと、今日約束したばかりだというのに…」
ジョナサン(クソッ!とんでもないタイミングだ…!僕は一体どうすれば…)
コンコン
古畑「すいません夜分に?」
74:
ジョナサン「ふ、古畑さん!?」
古畑「眠れないもので、ちょっと読書でもと思いまして…。どうかなさいました?」
ジョナサン「な、な、なんでもありません!失礼!」
バタンッ
古畑「あっ、ジョナサンさん、何か落としましたよ!ジョナサンさーん」
古畑「……」
ペラッ
古畑「…ん?。フッフッフ」
77:
ジョースター邸 廊下
使用人「いつもすみませんディオさん」
ディオ「なあーにかまわんよ」
ディオ(さて、いつも通り薬を入れ替えて…)ゴソゴソ サッ
ディオ(よし)
古畑「あ、ディオさんこんばんは?」
ディオ「!!」
78:
ディオ「!ふ、古畑さん。びっくりするじゃないですか、急に」
古畑「すみません、驚かすつもりはなかったんですが?。え?ところでこれからどちらへ?」
ディオ「…見ての通り、父さんに薬を運ぶところですよ」
古畑「おや、そうでしたか。それはお邪魔をいたしました?。どうぞ、早く運んであげて下さい」
ディオ「ええ、そうさせてもらいますよ」クルッ スタスタ
古畑「…おやぁ??」
80:
古畑「あれ??」
ディオ「…?」
古畑「あれあれ??おかしいなぁ?」
ディオ「な、なんですか…」
古畑「お盆の上に薬が一つ」
ディオ「それが何…」
古畑「そしてここにも?。…薬が落ちてる」ヒョイッ
ディオ「!?」
81:
ディオ(ま、まさか!!落とし…)バッ ゴソゴソ
ディオ(…!?あ、ある…ポケットの中に、ちゃんと薬は、ある…)
古畑「…あ、すみませ?ん」
ディオ「…は?」
古畑「これ。よく見たら今泉の自律神経失調症の薬でした?」
ディオ「あ…そ、そう、ですか…」
古畑「失礼しました?」
ディオ「いえ…」
86:
古畑「ん?…」
ディオ「……」
古畑「ポケット、どうかされました?」
ディオ「……」
古畑「ディオさん?」
ディオ「いえ…何でも…」
古畑「そうですか?フッフッフ。えー…では、おやすみなさい?」
ディオ「……」
ディオ「こ、こ…」
ディオ(殺してやる…!あの男、このディオをコケにしやがってッ!!絶対に、殺してやるッ…!)
87:
翌日 夜 ジョナサンの部屋
ガッ ガッ バキィ
ディオ「あったぞ。石仮面だ!」
ディオ(何故だが知らないがジョジョは今朝から酷く動揺していて今この時間になっても帰ってこない)
ディオ(だが、おかげで目的のものを手に入れることが出来た!)
ディオ「これで古畑を殺害し、その罪をジョジョに擦りつける!」
88:
古畑と今泉の部屋
今泉「え?古畑さん?古畑さんなら昼間に『気になることがある』って出掛けたっきり、まだ帰ってないけど?」
ディオ「な、何ィ!?気になることとは何だ!?」
今泉「し、知らないよ?。そんな怖い顔しないでよ?」
今泉「それよりディオくん、犬が怖いんだって?ウフフ、ジョジョくんに聞いたよ」
ディオ「黙れマヌケ!怖いんじゃあない、嫌いなんだッ!」
今泉「猫は?猫はどう?僕、猫飼ってるんだよね。おしゃまんべ」
ディオ「うるさい阿呆が!!この役立たず!」ベチンッ
今泉「ギャッ!」
ディオ(クソッ…古畑!何を嗅ぎ回っているんだ!)
90:
その頃の古畑
古畑「ジョナサンさーん?ジョナサンさぁ?ん」
古畑「も?どこ行っちゃったんだよ?」
古畑「赤い洗面器の男の話が気になって寝られやしないよ?」
92:
深夜 ジョースター邸近郊の港町
ディオ「酒!飲まずにはいられないッ!(二回目)」
ディオ(最近!おれはどうもおかしい!気持ちが荒れている!なぜか?)
ディオ(古畑のやつのせいだッ!このディオの人生はあいつのおかげで狂い始めている!)
ドン
ゴロツキ「気をつけろぉ?。どこ見て歩いてんだこのトンチキがぁ?」
ディオ「フン!いい機会だ!古畑のやつを殺そうと思っていたが、まずここで試してやる!」
ガバッ グサッ ピカァーッ
ディオ「うっ、これは一体…!?」
…………。
94:
明け方 ジョースター邸 庭
ディオ(グッ…まさか鎖骨を砕かれてしまう程のパワーを引き出す力が、あの仮面にあったとは…)
ディオ(しかしあの仮面、やはりいざという時には使えるかも知れん)
使用人「ディ、ディオさん…おかえりなさいませ」
ディオ「!なんだ、ずいぶん早起きじゃあないか」
使用人「はあ、いえ、ディオさんをお待ちしておりました」
使用人「ジョナサンさんは昨夜遅くにお帰りになられましたが、ディオさんは一向に帰られないもので、心配で…」
ディオ「それはすまなかった。ちょっと用が長引いてしまってね」
使用人「それなら良いのですが…その…」
ディオ「?」
使用人「なんというか、実は私、夕べ偶然見てしまいまして…」
使用人「ええと、ディオさんが、ジョナサンさんの部屋からあの妙な仮面を持ち出しているお姿を…」
ディオ「!」
95:
使用人「それに、その、申し上げにくいのですが…」
使用人「ご主人様にお渡しするはずの薬を、懐にお入れになっているところも、一度だけ…見てしまいまして…」
ディオ「……」
使用人「ディオさん。私はディオさんを信頼しております」
使用人「だからこそこうして直接伺うのです。ディオさんは一体、何を考えておられるのですか?」
ディオ「……」
使用人「…答えていただけないのですね。仕方ありませんな」
使用人「ただし、このことはご主人様にご報告させていただきます」
使用人「何か思うところがあるのなら、どうか私やジョナサンさんに打ち明けて下さい…。では」
97:
ディオ(なんてことだ。おれとしたことが…!この使用人は殺すしかない!!)
ディオ(だが、今この場所は屋敷の影になっている!)
ディオ(石仮面を使ってしまえば、こいつを太陽の下に誘導する前にこっちがやられてしまう可能性が高い…)
ディオ「しかし迷っている暇はない!こいつは今、ここで殺さなくては!」バチンッ
グサッーー!!
…………。
99:
翌朝
今泉「古畑さん!起きて下さい!古畑さあん!!」
古畑「君は騒がしいな?朝から?。何だよもう?」
今泉「変死体ですよ!変死体!!」
古畑「何だって??」
ジョースター邸 庭
ジョナサン「あ、古畑さん…」
古畑「おはようございます。なんだか大変なことになっちゃったみたいで?」
ジョナサン「ええ、使用人が、殺されたというのか、何というのか…」
古畑「ちょっと調べさせて下さい?」
100:
古畑「ん??洋服しかないね?。仏さんは?」
今泉「それが、消えてなくなっちゃってるんですよ!」
古畑「ん?」
今泉「ないんですよ死体が?!でも毛髪や皮膚の一部は、ちゃんとここで見つかったんです」
今泉「つまり、被害者はこの場所で、何らかの方法で粉々になって死んじゃったんですよ?!」
今泉「怖いぃ?!帰りましょうよ古畑さ?ん」
古畑「ちょっと静かにしてなさい。…これは何だ??」
刑事「長い布切れみたいです。近くの井戸で洗濯用に使っていたものみたいですね」
刑事「見ての通り、洋服の腰の部分に巻きつけるようにして縛ってありました」
101:
古畑「うわっ、かなり血が滲んでるじゃないか?。は?、クラクラしてきた。今泉くん、これちょっと調べといて」
今泉「そんなぁ?。怖いですよ?」
ジョナサン「ど、どうですか…?古畑さん…?」
古畑「ん?まだ何とも言えません?。…参考までに、ここ最近何か変わったことがなかったかお聞かせ願えますか??」
ジョナサン「変わったこと…」
古畑「なんでも構いません。ほんの小さなことでも」
103:
ジョナサン「…その、関係あるかは分かりませんが、今朝から石仮面が行方不明で…」
古畑「石仮面?」
ジョナサン「はい。僕が研究のテーマにしている古い仮面です」
古畑「それは興味深い?。研究というのはどれくらい進んでおられるのですか?」
ジョナサン「まだ詳しくはお話出来ないのですが…」
ジョナサン「どうやらあの石仮面は血液に反応して骨芯が飛び出す仕組みになっているようです」
ジョナサン「そして、それが脳のある部分を正確に刺激するように出来ているらしいのです」
ジョナサン「古代人はそれを利用して、未知の力や能力を呼び覚ましていたのではないかと…」
古畑「…なるほど?。そしてそれが盗まれてしまったと」
ジョナサン「ええ。昨日の朝までは確かにあったので、盗まれたのはそれ以降ということになりますね」
古畑「分かりました?…。ありがとうございます。参考になりました」
105:
古畑「あ、君、ちょっと?」
刑事「はい!」
古畑「お願いしたいことがあるんだけど」
刑事「はい!どうぞ!」
古畑「ここ最近、今回のものと似たような死体が付近で発見されてないか洗っといて」
刑事「はい、分かりました」
古畑「ありがと。えー…君、名前は?」
刑事「はい!日本から派遣されてきました!向島です!」
古畑「向島くんね。覚えとくよ」
向島「光栄です!」
106:
数分後
今泉「古畑さん、聞きましたよ石仮面の話!」
古畑「へ?そう」
今泉「ロマンがあるよなぁ?。でも、意外だな。古畑さんがああいうの信じるなんて」
古畑「信じてるわけないだろ?。非現実的だよ?。念の為確認してるだけ」
今泉「まあ、今回の事件と関係あるかどうかも分かりませんしね…。あ、ディオくんだ」
古畑「!」
107:
古畑「どうも?!ディオさ?ん!」
ディオ「ああ、古畑さん」
古畑「いや?ずいぶん大変なことが起こってしまいました?」
ディオ「そうですね。なんだか気味が悪い事件だ」
古畑「亡くなった使用人の方はご存知で?」
ディオ「実際に死体を見たわけじゃあないが、今朝から行方不明になっている使用人のことならよく知っている」
ディオ「恰幅のいい優しい男だったよ」
古畑「そうですか?。え?…残念ですが、被害者は彼である可能性が高そうです?」
ディオ「でしょうね」
古畑「お気持ちお察しします?。ところで、ディオさんは夕べどちらへ?」
108:
ディオ「僕を疑ってらっしゃるんですか?」
古畑「いえいえとんでもな?い。あくまで形式的なものでして、誰にでも聞いて周っておりますので」
ディオ「夕べは散歩に出掛けていました。証明できる相手はいません。以上です」
古畑「ん?そうですか?」
ディオ「古畑さん。これは断言出来ますが、僕は殺していない」
古畑「はい?」
ディオ「僕が犯人なら、もっと上手くやってみせるさ」
古畑「ん?…フッフッフ。なるほど?」
ディオ「それで、まだ何か?」
古畑「いいえ?。ありがとうございます」
111:
そのまた数分後
向島「あっ、古畑警部!」
古畑「あ?、その後どう?」
向島「それが、あったんですよ!類似した死体が!」
古畑「!」
向島「事件が起こったのはジョースター邸の使用人が殺されたのとそう変わらない時刻だろうと推定されてます」
向島「現場をご覧になりますか?」
古畑「うん、案内よろしく?」
112:
ジョースター邸近郊の港町
古畑「こりゃあ酷いな?」
今泉「かっ、壁にあんなに大きな穴が空いてますよぉ?!呪われるっ、呪われるよぉ?!」
今泉「死体は、やっぱり粉々になって消えちゃってるみたいです…」
古畑「ん?…」
今泉「古畑さ?ん!早く帰りましょうよ?!」
古畑「うるさいなぁ…。ん?、ちょっと、ジョナサンさん呼んできて」
今泉「は、はぁい!」
115:
ジョナサン到着
ジョナサン「こ、これは…!」
古畑「すみません?。惨たらしい現場をお見せしてしまいまして…」
ジョナサン「い、いえ、それは構いませんが…」
古畑「実はこの現場を見てから、先程うかがった石仮面のお話がどうも気になってしまいまして?」
古畑「え?…あまりに人間離れしていたものですから」
ジョナサン「確かに…これは、そうですね…。もしかしたら、何か関係が…」
古畑「ジョナサンさん、もしよければ捜査にご協力いただけないでしょうか?」
古畑「その石仮面について、何か他に情報がないか調べていただきたいんです」
ジョナサン「わ、分かりました。出来る限りのことはしてみます」
古畑「助かります?」
116:
古畑「あ、ちなみに?」
ジョナサン「?」
古畑「その石仮面の秘密について、他の誰かにお話したことは??」
ジョナサン「いえ、ありません」
古畑「分かりました。ありがとうございます?」
118:
夜 古畑と今泉の部屋
今泉「石仮面の謎、何か分かるのかなぁ?。なんか、ワクワクしちゃいますね!」
古畑「ワクワクも何もないよ?。あんなものの効果が証明されたら大騒ぎだよ??」
今泉「でも、あの現場はどう見てもおかしいですよ!人間業じゃありませんって?!」
古畑「盗まれた石仮面が出てくればなぁ?。もし出てきたら今泉くん被ってみてよ」
今泉「ええ?!?い、嫌ですよぉ?!」
119:
翌日
ジョナサン「お待たせしました、古畑さん、今泉さん」
今泉「あっ!ジョジョくん!」
古畑「その後、石仮面の調査の方は?」
ジョナサン「僕なりにいろいろ調べた結果、今日は僕の他にも石仮面について調べているという方に来ていただきました」
ツェペリ「ヘイベイビー!ウィル・A・ツェペリだ。よろしく!」
古畑「えー…フッフッフッフ、なんだか変わった方のようだ?フフフフフ。よろしく」
今泉「よろしくお願いします!ベイビー!」
126:
ジョナサン「彼の話によると、石仮面を被った者は人の心を失い、代わりに凄まじい力を得るそうです。そして…」
ツェペリ「ここが肝心だ!石仮面を被り、吸血鬼と化した人間は、日光に気化する!!」
ツェペリ「つまり、溶けてなくなってしまうのだよ!」
ジョナサン「この話を聞く限り、やはり今回の事件にも石仮面は関係しているのではないかと…」
古畑「ん?…なるほど?…日光ですか…」
今泉「なんだか…大スペクタクルストーリーですね!」
古畑「う?ん、そうだね?…参ったなぁ?フッフッフ。私の出る幕じゃなさそうな話になってきたな?」
ジョナサン「そ、そんなことはありません!これだけの早さでここまで手掛かりが集まったのも古畑さんのおかげです!」
古畑「とんでもな?い。こちらこそ、ご協力ありがとうございました。もう少し捜査を続けてみます?。では」
128:
今泉「古畑さん、どうです?そろそろ帰れそうですか?」
古畑「そればっかりだな君は?」
今泉「何か、分かってきたこととかないんですか?」
古畑「ん?…まあね」
今泉「どんな?どんな?」
131:
古畑「まず腰の辺りに巻き付けてあった布切れ。あれどう見ても止血の跡だね?」
古畑「布切れを包帯代わりにして巻いたんだよおそらくは?。傷の位置からしてまあ刺し傷だろうね」
今泉「つまり、被害者が刺された後、自分で止血したってことですか?」
古畑「その可能性は低いよ。結び目が洋服の背中側に来てたから」
今泉「え?じゃあ、犯人が被害者を刺してから、止血してあげたってこと?」
134:
古畑「う?ん…今泉くんはどう思う??」
今泉「さぁ?…?」
古畑「…ていうかさ、君どうしてそんなに手が汚れてるの」
今泉「あ!これですか!実は、ダニーくんのお墓を掃除してあげてたんですよ?!見て下さい!ほら!」
古畑「ふーん」
今泉「綺麗になったでしょ?!」
今泉「この木で出来た十字架、黒ずんでて分からなかったけど、よく洗ったら『ダニーここに眠る』って文字が掘ってあったんですよ!」
古畑「……」
今泉「いや?!いいことしたなぁ。後で、ジョジョくんに報告してあげ…」
古畑「ちょっと行ってくる」
今泉「あ、え?どこにですか?どこにですか古畑さーん!」
135:
古畑「おはようございます?!」
ディオ「また貴方ですか…」
古畑「今日はご機嫌斜めですか??フッフッフ。あれ?肩、怪我されたんですか?」
ディオ「ちょっとした事故でね」
古畑「いや?痛々しいですね?」ツンツン
ディオ「いっ、痛ッ!!何をする貴様ァッ!!?」
古畑「すみませ?んフッフッフ、つい?」
137:
ディオ「チッ…。で?何なんです今日は?」
古畑「いや?フフ、では単刀直入にうかがいます。以前見せていただいたあのナイフ?」
古畑「もう一度だけ見せていただいてかまいませんか?」
ディオ「どうして?」
古畑「深い意味はありません?」
古畑「ただ被害者が刺し傷を負っていた可能性が出てまいりましたので?」
古畑「念の為屋敷中の刃物を調べていたんです。それで最後に残ったのが…」
ディオ「僕のナイフだと」
古畑「…そういうことです?。フッフッフ」
140:
ディオ「…いいでしょう。ホラ」スッ
古畑「おや??以前に見た時よりずいぶん綺麗になってますね??」
ディオ「気まぐれで磨いてみたんだ」
ディオ「言っておくが、『血痕を洗い流したからだ』なんてこじつけはやめてくれよ」
古畑「ん?フッフッフ、ご心配なく?。…それより、ここ。何か彫ってありますね」
ディオ「……」
古畑「これ何て読むんでしょう。これ。あ?どうやら?、女性の名前ですね?」
ディオ「……」
古畑「え?…心当たりは?」
ディオ「…いいや、ないね」
古畑「そうですか?。…フッフッフ。ありがとうございました?」
141:
暗転
古畑「はい?…」
古畑「ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございます?」
古畑「言わずもがなこのss、実際の『古畑任三郎』や『ジョジョの奇妙な冒険』とは何の関係もございません?フッフッフ」
古畑「強引な展開と稚拙な推理、そしてグダグダのレス…」
古畑「そろそろ疲れてきた方もいらっしゃるでしょうが、もうしばらくお付き合い下さい?ンフフフフ」
古畑「古畑任三郎でした」
145:
クソッ!ここでCMかよッ!
146:
正午
ディオ「それで?」
ディオ「こんな何もない広場に呼び出して、何の用です?古畑さん」
古畑「すみません、これで最後ですので?」
ディオ「いいから早く用件を言ってくれ」
古畑「はい、では、えー…。ディオさん」
古畑「貴方、使用人の男性を殺しましたね??」
ディオ「…前にも言ったと思うが、僕は殺してない」
古畑「いいえ?殺したのは貴方です」
ディオ「…何故そう思う。言ってみろ」
148:
古畑「まずですね?、今回の事件、死体が非常に特徴的でした?」
古畑「あんな状態の死体は今まで見たことがない」
古畑「そこで浮かび上がったのが例の石仮面です。正直私も半信半疑ですが?フッフッフ」
ディオ「あんなオカルトじみた仮面が、まさか現代医学を超越した効果を生み出すとはね」
ディオ「その点は僕も素直に驚いたさ」
古畑「ええ。ともかく?、現時点であの変死体に説明をつけられるのはあの石仮面だけです」
150:
古畑「そして貴方は二日前の夜、ジョナサンさんが帰宅する前に部屋に忍び込み、石仮面を盗んだ」
古畑「そうですね??」
ディオ「さあ、知らないな」
古畑「いいえ?。貴方間違いなく彼の部屋に入ってます。そして研究ノートを読んでいます」
ディオ「なぜ断言できる」
古畑「石仮面が超人的な力を生み出すという話ですが?」
古畑「ジョナサンさんはこれまで他人に話したことはないとおっしゃってました」
古畑「ジョナサンさんの口から聞き出す以外でそれを知るには、彼の部屋にある研究ノートを盗み見るしかありません?」
ディオ「……」
古畑「貴方さっき言いましたね?。『現代医学を超越した効果を生み出す』と?」
152:
ディオ「仕方ないな。石仮面を盗んだことは認めよう」
古畑「貴方が自棄を起こして石仮面を被らないよう、正午のこの場所を指定させていただきました?」
古畑「手癖の悪さは子どもの頃から変わらないようですね?フッフッフ」
ディオ「フン、しかし古畑。おれが石仮面を盗んだのは、売って金にしてやろうと思ったからさ」
ディオ「別にあれで殺人なんか犯しちゃあいない」
古畑「そうでしょうか??」
156:
古畑「ジョースター邸近郊の港町で、今回の事件の被害者とよく似た状態の死体が発見されています」
古畑「現場は嵐でも来たかのように荒れていました?」
ディオ「それで?」
古畑「おそらく港町の死体の人物は石仮面を被ったのでしょう」
古畑「一通り暴れたものの、そのまま夜明けを迎えて消えてしまった」
古畑「ディオさん、貴方その現場にいましたね??」
ディオ「…いいや」
159:
古畑「しかしですね?。現場付近で割れたお酒のボトルが見つかっています」
古畑「これがなかなか珍しいもので、この近辺で所有しているのはジョースター家くらいのものだという調査結果が既に出ています」
ディオ「だからって、おれがその場にいたことの証明にはならない。それとも、ジョースター家の人間はおれだけか?」
古畑「その点も問題ありません?。酒倉庫に出入り出来る人物のアリバイは取れています、貴方を除いて?」
古畑「何よりボトルを片手に家を出て行く貴方をメイドが目撃しています」
ディオ「……」
古畑「そもそも?、石仮面を盗んだ貴方があの現場にいなかったなら、死体の人物が気化して消えたことに説明がつきませ?ん」
ディオ「……」
古畑「フッフッフ…その肩の怪我も、その時に負ったんじゃありませんか??」
古畑「自棄酒はほどほどにしてください?」
161:
古畑「さてここからが本題です?」
古畑「石仮面の秘密を知って、明け方屋敷に帰った貴方は、被害者の使用人に出迎えられた?」
古畑「そこでどんな会話があったのかは知りません。とにかく貴方は彼を殺さなければならなかった」
古畑「しかし?、その時間あの場所は建物の影になっている」
古畑「石仮面を使ってしまえば自分自身も危なくなると判断した貴方は、多少のリスクを負ってでもナイフを凶器に選ぶしかなかった」
古畑「使用人を刺し殺した貴方は、まず近くの井戸でナイフを綺麗に洗い流した。そして?」
古畑「被害者に止血の処置を施した」
164:
ディオ「納得いかないな。何故刺した張本人が止血を?」
古畑「はい?。そこが問題でした?」
古畑「止血をしたということは、犯人は被害者にナイフの傷で死んでもらうわけにはいかなかった」
古畑「私は最初こう考えました」
古畑「犯人は被害者をナイフで足止めした後、日の当たる場所まで運んで仮面を被せることで証拠を隠滅しようとしたのではないかと」
166:
古畑「石仮面は脳に作用します?。死んでしまってから被せても意味がありません」
古畑「だからこそ、犯人は最初からナイフでの殺害を避けたのではないかと考えたんです?」
古畑「え?…しかし、それでは出血量の多い胴体を刺したことに説明がつかない」
古畑「足止めのつもりならもっと他に安全な部位があったはずです。しかし犯人はそれをしなかった」
古畑「つまり犯人は?…殺すつもりだったんです。少なくともナイフを突き立てた時点では?」
古畑「では犯人はどのタイミングで心変わりしたのか。重要なのはナイフを洗い流したその時です」
古畑「貴方、血痕を残さないようかなり念入りにナイフを洗いましたね??」
170:
古畑「その結果、長い間こびり付いていた汚れが剥がれ落ちた?」
古畑「その結果現れたのが?」
古畑「名前です。貴方のナイフに刻まれていた、女性の名前?」
古畑「調べさせていただきました?。その女性?…」
古畑「ディオさん、貴方のお母様ですね??」
171:
古畑「お父様については口汚く罵る貴方ですが?、お母様に関しては一度もそうしなかった」
古畑「物心つく前に亡くされたか、あるいは母親に対しては家族の情があったのでしょう」
古畑「けれども?、彼女の形見はすべて父親に売り払われてしまった…。違いますか??」
ディオ「…だから何だというんだ?」
175:
古畑「えー…貴方は?、たった一つの母の形見を殺人の道具にすることを躊躇った?」
古畑「どうしてもそのナイフを凶器にするわけにはいかなかった。そこで思い付いたんです。その場所に朝日が差すまでの延命処置を?」
ディオ「馬鹿馬鹿しい。感情論だな」
ディオ「そもそも、延命処置などしなくとも最初から被害者を引きずって影から出してやればいいことだ」
古畑「はいそこなんです?。それこそが貴方が犯人であるという証拠なんです?」
ディオ「はあ?」
古畑「普通ならそうなんです?。わざわざ危険を犯してまでその場所でじっと待っている理由なんてない?」
古畑「しかし犯人はそれをしなかった。いや、出来なかったんです」
古畑「なぜなら?」
179:
古畑「怪我をしていたからです?」
古畑「石仮面を付けて凶暴化した人間に負わされた、酷い怪我を?。フッフッフ」
ディオ「……」
ディオ「おれの体格が見えないか?人一人くらい、片手でだって運べる」
古畑「相手が普通の人ならそうでしょう」
古畑「しかし貴方、自分でおっしゃっていたじゃないですか?」
古畑「『被害者は恰幅がよかった』って」
古畑「私がちょっと突っついただけで涙目になっていた貴方が、恰幅のいい男性を片手で運べたとは思えません?」
185:
古畑「石仮面を盗み?」
古畑「港町の現場に立ち寄り?」
古畑「洗ったナイフを持っていて?」
古畑「さらに肩を怪我している人物…」
古畑「ンッフッフッフッフ…」
古畑「犯人は貴方です?。ディオ・ブランドーさん」
189:
ディオ「……」
ディオ「…………」
ディオ「………………」
ディオ「…いつだ」
古畑「ん??」
ディオ「いつおれが犯人だと確信した?」
古畑「えー…貴方先日この事件についてこうおっしゃいました」
古畑「『僕が犯人ならもっと上手くやる』と」
古畑「変なこと言うな?と思ったんです」
古畑「これだけ奇妙な殺人事件、下手をすれば迷宮入りです」
194:
古畑「それを『もっと上手くやる』なんて?。フッフッフ…そこで思ったんです?」
古畑「これは犯人にとって決して完璧ではなかった、不完全な殺人だったんじゃないかって?」
古畑「え?…つまり、貴方にとってということですが?フッフッフ」
ディオ「余計なことを口走ったな…このディオとしたことが…」
古畑「プライドの高い貴方のことです」
古畑「無意識に、スムーズにいかなかった殺人が許せなかったのでしょう?」
ディオ「フン」
197:
ディオ「ただし古畑。一つだけ言っておく」
古畑「?」
ディオ「おれが母親の形見を凶器にしたくなかったという話、あれはマヌケな思い違いだ」
古畑「というと??」
ディオ「簡単なことさ。ただ刺してしまってから、朝日で証拠隠滅することを思い付いた。それだけだ」
ディオ「決してくだらない感傷に流されたわけじゃあない。そこだけは勘違いするな」
古畑「フッフッフ…そうですか?」
ディオ「何か言いたげだな」
古畑「え?…」
古畑「ご想像にお任せします」
198:
ディオ「そうだ、最後に頼みがある」
古畑「うかがいます」
ディオ「肩を怪我しているんだ…縄はそっとしめてくれ」
古畑「ん?フッフッフッフッフッ…」
古畑「きつく縛っておきます?」
ディオ「…チッ」
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