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男の娘「ボクを買いませんか?」


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1:
公園
男「……」ボーッ
「お兄さん大丈夫?」
男「んー……」
男(女の子……中学生、かな……小さくて可愛いなー……)
「聞こえてる?」
男「ん……大丈夫……」
「でも泣いてるよ」
男「マジかー……」
ガサゴソ
「揚げパン食べる?」
男「うん……」
ムシャムシャ
男「……俺さ」
「うん?」
男「浮気されてたんだ……結婚しようって約束してたのに……」
「だから泣いてたんだ」
男「うん……」
「傷心ってやつ?」
男「はは、良く知ってるね。ごめんね、変なこと聞かせて」
「ボクの胸で甘えてもいいんだよ」バッチコーイ
男「遠慮しとくよ。キミみたいな可愛い女の子に触ったら捕まっちゃうからね」
「あ、それなら大丈夫。ボク男だから」
男「………え?」
「ほら」バサッ
男「!!!!??????」
「ねぇ……お兄さん」
男の娘「ボクを買いませんか?」
2:
男「ただいま……」
妹「お兄ちゃん!どこいってたの!?」
男「ちょっと公園に…」
妹「そっか……よかったー」ホッ
友「おう」
男「来てたのか」
友「笑ってやろうと思ってな」
男「この野郎」
妹「お兄ちゃん!」
男「うお!?」
妹「黙ってどっか行かないの!こっちは死ぬほど心配したんだから!」
男「わ、悪い…」
妹「全くもう」
プルルル
妹「もしもし……うん。わかった、ありがとう」スッ
友(あ、目が座った)
男「?」
妹「お兄ちゃん、夕飯の買い物に行ってくるから家から出ちゃダメだよ?」
男「はいはい」
妹「行こう友くん」
男「友も行くのか?」
友「荷物持ちだ。お前がやりたかったゲーム買っておいたから、それでもやってろ」
妹「………やっと見つけた……あのクソ女……潰す」ブツブツ
バタン
男「気を使われたかな。ダメだな俺……」
ピンポーン
男「あ、はーい」ガチャ
男の娘「やっほーお兄さん」
バタン
3:
男の娘「おにーさーん?なんで閉めるのー?」ドンドン!
男「押し売りお断り」
男の娘「お安いですよー?今ならセック」
男「な、何を大声で言おうとしてるんだ!」ガチャ!
男の娘「だって開けてくれないから」
男「お前なぁ……」
男の娘「ボク買わない?」ピラッ
男「いりません」
男の娘「ちぇー」
男「ってか、言ってる意味わかってんの?」
男の娘「言わせたいの?」
男「ごめん、やっぱいい」
男の娘「おっじゃましまーす」
男「おま、勝手に」
男の娘「ねー、遊ぼう」
男「はぁ……警察呼んでも俺が捕まるんだろうなー……」
男の娘「そしたら庇ってあげるよ。ボクたち真剣なんですって」
男「社会的に終わるわ」
男の部屋
男の娘「これ新作じゃん!やっていい?」
男「好きにしろ」
男の娘「わーい!」
男(男のくせになんでスカートなんだよ……)
男の娘「見たい?」
男「ゲームやれ」
男の娘「一緒にやろうよ」
男「俺は寝る」
男の娘「じゃあいいや。ボクもお兄さんと寝る」
男「ちょ、勝手にベッドに乗るな!」
男の娘「いいじゃんいいじゃん」
男「くっつくな!!」
男(あ、良い匂い)
男の娘「おにーさん」
男「はっ!? お、お前いい加減に」
男の娘「好き」
男「???????!!!!?」
4:
男の娘「あはは、顔真っ赤。お兄さんに決めて正解だった」
男「お、お前な」
チュッ
男「……え?」
男の娘「お代頂きました。これでボクはお兄さんのもの」
バターン!
男の娘「わわっ!?お兄さん!?」
男「お……俺のファーストキス……」
男の娘(アレ?彼女いたんじゃなかったの?)
妹&友サイド
妹「ミーツーケータァァァァァアアア!!!」
元カノ「ひぃぃぃぃぃぃい!!!」
友「この携帯のパスワードはっと……おし、認証完了」
妹「よくも逃げ回ってくれましたね家畜以下のドブ女。私のお兄ちゃんがお世話になりましたので挨拶に来ましたよあ"あ"!?」
友「へー、付き合っている奴らが貢いだ額をリストにしてんのか。純情そうでエグいことするね」ポチポチ
妹「しかもお兄ちゃんだけお触りさせてねぇとか舐めてんのか!!」
不良A「元カノ!!」
ゾロゾロ
元カノ「お、遅いよ!早くこいつらやっちゃって!」
不良A「このクソ女!!」
不良B「死ねぇ!!」
不良C「ヒャッハー!!」
妹「女相手にナイフやバッドで応戦ですかぁ?」
友「……テーレッテー」ボソッ
ゴシャア!!
不良s『ひでぶ!!』
妹「ん?なにか言った?」
友「なにも」
元カノ「ば、化け物…!?」ガタガタッ
妹「つーわけでお待ちかねのショォォォタァァァァイィィム!!お兄ちゃんを弄んだドブ女をどこまでブッ飛ばせるかなぁ!!?」
友「そこまで」
妹「はい?」
友「あー元カノさん、アンタのやってること全部記録したから。バラされたく無かったら男を騙して貢がせたお金全額返してね」
元カノ「わ、わかりましたぁ……」
妹「いやいや、お金より制裁でしょ」
友「殺人を容認できるか。これ位にして帰るぞ」
妹「やーだー!殺すー!お兄ちゃんを泣かせた奴は殺すのー!」ズルズル
友(あーあ。何で俺は妹に惚れたんだろうな)
妹「スマブラのサンドバックみたいにしてやるのー!!」
7:
男「う、ううっ……」
男の娘「ガチ泣きされるとは」
男「ううっ……」
男の娘「ごめんってばー。ていうか彼女いたのにキスしてなかったの?」
男「あいつは結婚前にそういうのは嫌って言ってたから……ぐすっ……」
男の娘「それって貢がされて……ああ!ウソウソ!もう泣かないでよー!」
男「惨めすぎる……あんまりだ……」
男の娘「もー。せっかくボクの買主さまになったのに」
男「なんだよ買主さまって!こちとらそんな趣味ないわ!!」
男の娘「うーん、そうみたい」じーっ
男「ど・こ・み・て・ん・だ!!」
男の娘「そりゃチン…いひゃひゃひゃ!ほめんなふぁい?!」
男「ったく……というかお前、帰らなくていいのか?」
男の娘「実は帰る場所が無くて」
男「家出か?」
男の娘「ううん、父親が人殺して母親発狂して家燃やしちゃったの」
男「!?」
男の娘「父は刑務所、母は精神病院、しかも親戚はどこもボクを預かるの嫌がる始末。酷い話だよねー」
男「ほ、本当なのか…?」
男の娘「ちょっと前の事だからネットで調べれば出てくるよ」
男「……普段は、どうしてたんだ」
男の娘「一応預かってくれた親戚はいたんだけど、最低限のお金渡されてホテルに泊めさせられてさ」
男「………」
男の娘「あはは。そんな深刻そうな顔しないでよ」
男「………その親戚の電話番号分かるか?」
男の娘「え?」
男「お前、ここに住んでいいぞ」
男の娘「!」
男「あーその、愚痴聞いてくれたのと揚げパンのお礼だ。お前の親戚には俺から話を」
男の娘「おにーさーん!!」
男「ちょ、抱き着くなって」
ドドドドド、バァン!!
妹「ただいまお兄ちゃんなんか玄関に見慣れないサイズからして小学校高学年から中学生ぐらいまでの可愛い女の子ものの靴があったんんだけどまさか部屋に連れ込んだりしてGYAAAAAAA!!!」
男の娘「あ、こんにちはー」
妹「だだだだだ誰だ貴様!!私のお兄ちゃんに馴れ馴れしく密着してんじゃねぇですぞぉお!!」
友「落ち着け」
男の娘「お兄さんに買われた男の娘です。今日からお世話になります」
妹「かかかか買われたぁ!!?それはどういう意味だコラ原稿用紙三枚にまとめて説明しろォォオオ!!」
友「男。流石に売春はマズいだろ」
男「違うから。説明するから。黙って俺の話を聞いて」
9:
友「それは大変だったな」
妹「話はわかったよ。家に泊めることもお兄ちゃんが決めたから従う………ただし」
男の娘「?」ぎゅーっ
妹「お兄ちゃんと付き合うなんて絶対に許さーん!!」
男の娘「えー」
男「付き合わねぇよ」
妹「ていうかアンタ、ホントに男なの!?実は女でお兄ちゃんに取り入ろうってわけじゃないでしょうね!」
男の娘「それならご安心を。ボクが男だってことはお兄さんが確認済みだから」
妹「かっ…」ピシッ
友「アレを見たのか?」
男「まぁ……」
男の娘「初めて人に見せたんだよ」ポッ
男「顔を赤らめるな。あといい加減離れろ」
男の娘「ぶーっ。いいじゃん。お兄さんの腕、がっしりして好きなんだもん」
妹「ぐっ……ご、ごろじで」
友「やめろ」
男「さっきも言ったが、俺にはそんな趣味は無い」
男の娘「ひっどーい。さっきだってボクの初めて(のキス)あげたのに」
男「なっ…!?そ、そんなの知るか!!」
男の娘「あ!お兄さん赤くなったー!」
妹「……!」ボタボタッ
友(血涙!!)
男「あああ喧しい!!もう飯にするぞ!食ってけ友!」
友「………おう」←ホントは今すぐ帰りたい
男の娘「♪」
妹「……」ギチギチギチ
10:
夜の街
男の娘「お待たせ」
男「荷物はそれで全部か?」
男の娘「うん。服しか持ってなかったから」
男「そっか」
男の娘「……ねぇお兄さん。どうしてボクを泊めてくれるの?」
男「お礼だって言ったろ?」
男の娘「ホントにそれだけ?」
男「……強いて言うなら」
男の娘「言うなら?」
男「ほっとけなかった……かな」
男の娘「つまりは同情ってことなんだ。残念」
男「……気を悪くしたなら謝るよ」
男の娘「悪くはしないけど、どうせなら好きになったとかが良かったなーって」
男「女の子だったら可能性はあったかもな」
男の娘「それなら可愛いって言ってくれたしチャンスはあるか」
男「俺からも聞くけどよ、なんで俺なんだ?」
男の娘「お兄さんなら良いかなーって」
男「なにが?」
男の娘「ナニが」
男「真面目に答えろ」
男の娘「真面目だよ」
ぐいっ
男「ちょっ……」
男の娘「キスもセックスも身体も、お兄さんなら好きにされても良いて思ったの。これって一目惚れになるのかな?」
男「し、知らん!というかわざわざ顔を近づけて言うな!」
男の娘「ドキドキした?」
男「しない!」
男の娘「ボクはしたよ」
男「?????!」
男の娘「お兄さん可愛い?」
15:
翌朝
男「ん……ふあ?あ……もう朝か……」
男の娘「おはようお兄さん」
男「!!」
男の娘「お目覚めのちゅー」
男「んむ!?む、むぐっ!!」
ゴンッ!!
男の娘「いったーい」
男「朝っぱらから何してんだ!!てかなんだその格好は!!」
男の娘「キャミソールドレスだよ。知らないの?」
男「なんで着てるのかって聞いてんだ!!昨日は普通のパジャマ(女の子もの)だったじゃねーか!!」
男の娘「一緒に寝るにはこっちの方が色々とヤりやすいと思ったので」
男「自分の部屋で寝ろ!!」
男の娘「せっかくの初夜だったのに……」
男「喧しい!可愛いからって男を相手にするほど飢えてないわ!!」
男の娘「そんなギンギンにして言っても説得力無いもーん」
男「は?」
\オハヨウゴザイマス/
男「!!? ち、違う!これは、その」
男の娘「苦しそうだねそれ。しちゃう?」
男「し、しないわバカぁぁぁぁぁぁあ!!」
ドドドドドドッ!!
男の娘「うわ!足っ!」
16:
それから十分後
男「ただいま……」←外を走って来た
男の娘「おかえりお兄さん」
男「メイド服もあんのかよ……」ガクッ
男の娘「ぬかりはないよ」ムフーッ
男「もう何でもいいや……」
男の娘「はい。朝ごはん」
男「男の娘が作ったのか?」
男の娘「そうだよ。これでも何でも出来るんだから」
男「ふーん……お、確かにうめぇ」
男の娘「えへへ」
男(これで女だったら文句ないんだけどなー……)
男の娘「聞くところによると、女の子とするより男の子とした方が気持ちいいってよ?」
男「次それ系の話したら殴る」
男の娘「ぶーっ」
男「そういえば妹は?」
男の娘「ちょっと前にご飯食べたらお兄さんと同じくらいのさで出て行ったよ」
男「? まだ学校に遅刻するような時間じゃない筈だけど」
男の娘「なんか『ちくしょおおおお!!』って言ってたけど、どうしたんだろうね?」
男「なんだろうな?」
妹「負けたー!!女装野郎に料理で負けたうわああああああん!!」
22:
男の娘「お兄さんて大学生?」
男「いや。フリーターだ」
男の娘「頭良さそうなのに意外だ」
男「お前こそいくつなんだよ」ズズーッ
男の娘「12歳」
男「ぶふぉ!!げほっげほっ!!」
男の娘「冗談だよー。ホントは15歳。高校には行ってないよ」スリスリ
男「こいつ……」
男の娘「それで何のバイトしてるの?」
男「今は何もしてない」
男の娘「ニートじゃん」
男「フラれた直後に……引き籠ってバイト無断欠勤しちまったんだよ……」
男の娘(あ、なんか変なスイッチ入れちゃったかも)
男「そのせいで妹にも心配されてな………俺ってホントにダメだな……ああ、今日にでも店長や皆に謝りに行かないと……」
男の娘「一緒に行こうか?」
男「……うん」
男の娘「よしよーし。泣かない泣かない」
男「うう……」
23:
ファミレス
先輩「いらっしゃいま……男!」
男「先輩…あの」
先輩「ちょっと待ってろ、すぐに店長呼んでくるから」
男(ああ……めっちゃ怒ってる……)ガクガク
男の娘「お兄さん、膝震えすぎだよ」
先輩「男。悪いが事務所に行ってくれないか?店長が待ってる」
男「は…はい……」
男の娘(お兄さんがどんどんと小さくなっていく……)
ガチャ
男「し、失礼します……」
店長「男!!」
男「ひぃ!て、店長!!」
男の娘(この人が店長さん……綺麗な人だなー)
男「そ、その、無断欠勤して」
店長「もう大丈夫なの?妹さんから連絡受けた時はびっくりしたんだから」
男「……え?」
店長「ほら、猫背は止めなさい。そんな姿勢じゃまたぎっくり腰になるわよ」
男(ぎ、ぎっくり腰…?)
店長「なによ。そんなビクビクしなくても病欠ぐらいで怒ったりしないわよ。それより、とっとと完治させて自分で開けた穴を埋めなさい」
男「え…俺、バイト続けていいんですか…?」
店長「何言ってるのよ。当たり前でしょ」
男「あ、ありがとうございます!!」
男の娘(手を回してたのか……妹ちゃんすごいなぁ)
店長「ところで、そっちの子は誰?」
男「ハッ! こ、こいつはその」
男の娘「付き添いで来ましたお兄……男さんの彼女です」
男「ぶふぉ!?」
店長「あー、あなたが例の彼女?」
男「ち、違います!こいつは」
男の娘「そうです店長さん!店長さんが知っているのは男さんが貢ぐお金にしか愛してない悪女!ボクはお金なんかじゃなくて男さんを愛しているんです!」
男「喧しい!!」チョーップ!!
男の娘「いたーい!酷いよお兄さん!緊張をほぐそうとした冗談じゃん!」
男「男が彼女なんてシャレで済むかアホ!!」
店長「男が彼女……?」
男「あ……」
24:
店長「男のぎっくり腰より驚いたわ。こんなに可愛いのに男の子なのね」ぷにぷに
男の娘「店長さんこそ美人で、ボクびっくりしました」
店長「アンタどこでこんな可愛い子引っ掛けてきたの?」
男「勝手に付いてきました」
店長「貴方、歳はいくつ?」
男の娘「15歳です」
店長「中学生?それとも高校生?」
男の娘「これからフリーターになるとこです」
店長「そう……ちょうど良いわね」
男「ハッ! て、店長!何をお考えで!?」
店長「何って、この子を雇うのよ」
男「!!!?」
店長「可愛い女装ウェイトレス……話題作りには持って来いね!」グッ!
男「この店をどうする気ですか!?」
店長「売上だせりゃいいのよ。他の役員共に会長の娘だからって舐められたくないもの」
男「もっと他に方法あるでしょ!というか、男をウェイトレスにしていいんですか!?」
店長「この店の中では私がルールなのよ」
男「言い切った……」
店長「どうかしら男の娘ちゃん。うちの店で働いてみない?」
男の娘「……その前に、お話ししておきたいことが……」
店長「何かしら?」
男(こいつ、まさか自分の両親の事を……)
男の娘「シフトは男さんと一緒にしてください!そしたらボクここで働きます!」
男「何じゃそりゃああああああ!!」
店長「お安い御用よ」
男「店長ー!?」
店長「それじゃあここにサインを……あ、通帳はある?」
男の娘「持ってます」
男「バイトまで……コイツに振り回されるのか俺は……」ガクッ
同僚「おはようございま、うお!?男!?」
30:
男の娘「フフーン♪ お兄さんと一緒のバイトー♪」
男「……」
男の娘「あ、バイト先で隠れてエッチするのって興奮するかな?」
男「オラァ!!」垂直チョップ!!
男の娘「あいたー!!」
男「バイトを続けられたのは良いが……はぁ……」
男の娘「そんなに嫌なら、ボクの親のこと言えばよかったじゃん」
男「あのな、そんな卑怯な真似するくらいなら保護者欄にサインしないっつーの」
男の娘「卑怯?」
男「どこに疑問を抱いてんだよ」
男の娘「だって殺人犯の子供だよ?普通ならこいつも危ない奴だ―って思うでしょ?」
男「? 思わないだろ。変だけどお前は良い奴だし」
男の娘「……」
ぎゅっ
男「おい、引っ付くな!」
男の娘「やーだ。フフッ」
男「はーなーれーろー」
男の娘「やーだー」
ドサッ
男「ん?」
妹「お、おにおにおにいちゃギギギギギ……!!」
男の娘「妹ちゃんだ」
妹「フフフ……ここまでの怒りは初めてよ……今の私なら殺意の波動のその先に行け」
ポン
妹「る?」
男「ありがとな。バイト先に連絡入れてくれて」ナデナデ
妹「お、お兄ちゃん……」
男「これ今日の夕飯か?また沢山買ったな」
ひょい
男「女の子なんだから無理するなよ。後は俺が持つから」
妹「……」ポーッ
男の娘「良かったね」コソッ
妹「ハッ! フ、フン!見たかしら私とお兄ちゃんの絆……貴方に入り込む余地なんてないんだから!」
男の娘「そうかも。でもボクは『兄妹の絆』じゃなくて、お兄さんと『恋人の絆』を作りたいんだ」
妹 ガルルル……!!
男の娘 にこにこ
男(なんか寒気が……今日は温かくして寝よう)
37:

男「ゲフッ……今日の晩飯やたら多かったな……」
ガチャ
男の娘「いらっしゃ?い」
男「帰れ」
男の娘「つれないな?。一緒に寝ようって思ったのに」
男「ノーセンキューだ。ほら、ベッドから降りろ」
男の娘「きゃー。襲われる?」
男「襲うか!」
男の娘「じゃあボクが襲う」
男「殴るぞ」
男の娘「ちぇー。つまんないの」
男「こっちは肩の荷が降りて色々と疲れてんの」
男の娘「あ、じゃあマッサージしてあげるよ」
男「その手には乗らんぞ」
男の娘「大丈夫。これにはいやらしい気持ちは一切ないよ」
男「へー」
男の娘「むぅ、信用してないね」
男「自分の行動を振り返ってみろ」
男の娘「じゃあ手を出したらボクのこと好きにしていいから」
男「お前しか得しねーよ。ったく、変なことしたら即叩きだすからな」
男の娘「何だかんだ言ってやらせてくれるんだ」クスッ
男「そうか。やらないか」
男の娘「わー!やるやる!やらせて下さい!」
ぐっ ぐっ
男(予想以上に気持ちいい……こいつホントに何でも出来るんだな)
男の娘「お兄さん凝ってますねー。やりがいがありますよ」
男「そりゃどうも」
男の娘「ちょっと腕あげて」
男「こうか?」
男の娘「ぐいーっと」
男「おー。すげえ」
男の娘「はい戻して」
男「おう」
男の娘「次は腰ね。ちょっとズボンずらすよ」
男「え?」
男の娘「腰の部分に布があるとやりずらいんだ」
男「そ、それなら仕方ないか……」
男の娘「んっしょ。ここも大分凝ってるね。ホントにぎっくり腰になっちゃうかも」
男「そ、そうか」
38:
男の娘「そういえばズボンの腰の部分てなんて名前なんだろうね?」
男「ウエストとかそんなんじゃないか?」
男の娘「今度調べてみよ。はい終わり」
男(ホントに何もなかったな。ちょっと疑い過ぎたかも)
男の娘「どうだった?」
男「ああ。気持ちよかったよ。ありがとう」
男の娘「お代はキスで結構です」んー
男「いやらしい気持ちは無かったんじゃないのかよ」
男の娘「マッサージ『は』だもーん」
男「この野郎……いいぜ。お代は払ってやる」
男の娘「ホント!?」
男「ただし、マッサージにはマッサージで返す」
男の娘「え?」
ガシッ!
男の娘「ちょ、お兄さん!?」
男「遠慮するな。俺の得意の足ツボマッサージ」
男の娘「ダ、ダメッ!ボク足の裏は」
ぐりっ
男の娘「んっ!!」
男「そんなエロっぽい声如きで止めると思うなよ」
男の娘「おにいさ……ダメッ……」
ぐりぐり
男の娘「んあっ!ひっ!」
男「どうだ。少しは反省し」
\コンバンワ/
男「た……」
男の娘「お兄さんの……バカ」カァァ…
男「うおわぁぁぁあ!!?」バッ!
男の娘「だからダメっていったのに……」
男「ななな、何してんだお前!!」
男の娘「お兄さんせいだもん……」
男「普通は痛いかくすぐったいかだろ!!こんな惨状になるなんて誰が予想するか!!」
男の娘「足の裏が性感帯って人もいるんだよ……」スルッ
男「ちょ!?脱ぐな!!」ガッ!
男の娘「お兄さんが悪いんだよ……ホントにいやらしい気持は無かったのに……」
男「わかった。全面的に謝罪します。だからズボンを脱がないで下さい」
39:
男の娘「じゃあキスして」
男「お、お前」
男の娘「して」
男(ヤバイヤバイどうする俺このままキスなんかしたらなし崩し的にそういう展開に向かうのはわかりきったことだがしかしキスしなければコイツはここでことをおっぱじめそうだしどうするどうすればいい)
男の娘「お兄さん……」
男「あ……あ……」
男の娘「ん……」
男「あ……」
ドクンドクンドクンドクンドクンドクン……!!
妹「殺伐としたホモ空間に私参上!!」デデーン!!
男「うおわ!!?」バッ!
男の娘「あっ……」
妹「あー、あー。そこの二人、不純同性交遊は直ちにやめなさい。さもなくばこの私、妹の制裁が待っているでしょう」
男の娘「むぅ。あとちょっとだったのに」
男(た、助かった……)
妹「さあ男の娘ちゃん時刻は午後10時。良い子は寝る時間ですよ You go back to the room!」
男の娘「All right. I will return to the room」
妹「くっ、中々の発音で……」
とことこ
男の娘「お兄さん」
男「なんだ……」
男の娘「続きはまた今度ね」クスッ
男「とっとと帰れー!!」
男の娘「きゃー♪」
男「疲れた……」
妹「全く危なかったねお兄ちゃん。さぁ、疲れを癒す妹マッサージで今夜はぐっすりとお眠りください」
男「いや、今日はもうマッサージはいいや……」
妹「はうっ!」ガーン
男「お前も早く寝ろよ」
妹「うん……おやすみ……」トボトボ
44:
男の娘「お兄さーん!」
男「あー、なんだ?」
男の娘「赤ちゃん出来たよー」
男「はい?」
男の娘「男の子かな?女の子かな?」
男「いやいや、何言ってるの?ていうかその後ろの子はどこから連れてきた」
男の娘「もう、自分の子を忘れるなんて。酷いパパだねー」
男「は?パパ?誰が?」
ぐいぐい
少女「パパー」
男「え……?」
少女「おしっこー」
ぺろん
男「はうあ!!!」ガバッ!
チュンチュン
男「はぁ……はぁ……悪夢だ。こんな酷い悪夢は初めてだ」
コケコッコー
男「生物学的に有り得ないだろ……しかも娘かと思ったら息子だし……どうなってんだ俺の深層心理……」
ガチャ
男の娘「お兄さーん。入るよー」
男「!」ビクッ!
男の娘「あ、起きてた。おはようお兄さん。もうご飯出来てるよ」
男「お、おう」
男の娘「? んー」クンクン
男「……何してんの?」
男の娘「臭いで確認中」
男「なんの?」
男の娘「ボクが来たらすごく驚いてたから、もしかしたら一人でしてたのかなーって」
男「よし待ってろ。今殴りに行く」
男の娘「わわっ!ごめんなさーい!」
男「はぁ……あんな事されて実は嬉しいのか俺……性癖歪みすぎだろ……」
45:
リビング
妹「うっ…ぐすっ……ぢぐじょう……なんだよこれ……どこのシェフだよ……ぐすっ……」
男「あいつは何で泣きながら飯食ってんだ?」
男の娘「わかんない。目玉焼き半熟じゃ嫌だったのかな?」
男「半熟は大好きだった筈だけど」
妹「ご馳走様!そしていってきますぅううう!!」
ダダダダダッ!!
男の娘「いってらっしゃーい」
男「朝から元気だな……お、うめぇなコレ」
妹「それ妹ちゃんが作ったサンドイッチだね」
男「うーん。やっぱアイツの飯はいいな」
男の娘「ちょっとジェラシー。ボクも頑張らないと」
男「なにを?」
男の娘「色々かな」クスッ
ガチャ
友「邪魔するぞ」
男の娘「おはよう友くん」
男「なんか用か?」
友「ほい」ポイ
男「おおう?」
友「お前があの女に貢いだ金だ。物とかはいらないと思って全部金にして返させた」
男「おま……なんでそんな」
友「個人的にムカついたからやっただけだ」
男「……このお節介焼きめ。ありがとう」
友「礼よりその金でなんか奢れよ」
男「俺の感謝の気持ち返せ」
46:
友「それはさておき。なんで男の娘はメイド服なんだ?」
男(ハッ! 空気に溶け込んでて全く気にならなかった!)
男の娘「友くん的にどうかな?」
友「満点」
男の娘「わーい」
男「え?評価しちゃうの?」
友「そりゃ、昨日行った女装カフェの酷さを見たらな……」
男「どこ行ってんだ」
友「先輩に連れてかれたんだよ。もう二度と行かない」
男「そんなにか」
友「前に行ったオカマバーよりキツかった」
男(絶対に行かないどこう)
男の娘「友くん。なにか飲む?」
友「ココア」
男の娘「はーい」
男「お前仕事は?」
友「休み。お前こそバイトいつから戻るんだ?」
男「一応明日から。って、なんで知ってるの?」
友「妹から聞いた」
男「お前らホントに仲良いな」
友「……へーっくしょん」
ゲシッ!
男「いてっ!」
友「すまん。くしゃみの反動で足が上がった」
52:
男の娘「……」じーっ
男「なんだ?」
男の娘「お兄さんってさ」
男「?」
男の娘「エッチしたいと思わないの?」
男「また突然何を……」
男の娘「だって昨日なんか普通にそーゆう流れだったのに」
男「男じゃなきゃ流れに乗れたかもな」
男の娘「ボクは気にしない!」
男「俺が気にするわ」
男の娘「いいじゃん」
男「よくない」
男の娘「ファーストキスの相手はボクなんだし」コソッ
男「あれはお前が勝手に―!」
ギャー!ギャー!
友(こいつら俺がいるの忘れてんのか?)
ピピピッ!
友「もしもし……男の家だけど」
男の娘「大体お兄さんは昨日ボクにエッチな事したじゃん!!」
男「だー!!誤解されるようなこと言うな!!」
友「あ、おい。今のは……切れた」
男「ん?どうした」
友「いや、それが」
ガチャ!ドドドドドッ!!バァン!!!
少年「見損なったぞ男兄(にい)!!」
男「ちょ!?」
少年「くたばれぇぇぇえ!!」
ガシッ
友「落ち着け」
少年「離せ友兄!!」
友「学校はどうした」
少年「今日は振替で休みだよ」
男「いきなりなんだお前!!」
少年「女の子に乱暴した奴を生かしておけるか!!」
友「落ち着けって」
男の娘「お兄さん、その子は…?」
男「ああ。近所の悪ガキだ」
53:
少年「その子だな!男兄が襲ったのは!」
男「誰が襲うか!」
少年「嘘付け!電話口で全部聞こえたぞ!」
友「言っとくが、お前が女の子と思ってるのは実は男だ」
少年「は?何言ってんだ友兄」
友「マジだぞ」
男「信じたくないが、これがホントなんだよ……」
少年「……マジ?」
友「男の娘。お前からも言ってやれ」
男の娘「初めまして。男の娘です。生物学上だと男になるかな」
少年「ホントに、男なのか?」
男の娘「そうだよ」
少年「信じらんねぇ……クラスの女子より可愛いぞ」
男の娘「そうかな?」
少年「で、モテない男兄はついにホモになったと」
男「誰がホモだアホ」
少年「アホじゃねーよ童貞!!」
男「やんのかコラァ!?」
少年「上等だ!!」
ボコスカボコスカ!!
男の娘「あわわわ」
友「あいつ一人っ子でな。小さい頃から一緒に遊んでたんだ。特にアイツとは本当の兄弟みたいになってな」
男の娘「と、止めないの?」
友「大丈夫」
男「オラァ!!どうだ!」
少年「うぎゃあああ!!ギブギブ!!」
友「大人げない男の勝利で終わるのまでが流れだ」
男の娘「お兄さん……」
54:
少年「くそぉ……ボストンクラブは卑怯だろ……」
男の娘「大丈夫?」
少年「ああ。これくらい平気だ」
男の娘「男の子だもんね。偉い偉い」ナデナデ
少年「そっちだって男だろ」
男の娘「一応そうだけど……少年くんはボクとお風呂は入れる?」
少年「それは………無理かも」
男の娘「じゃあ女の子ってことで」
男「おい待ておかしいだろ」
男の娘「ちなみにお兄さんはボクを女の子って言ってくれたよ」
少年「うわ、マジか」
男「初対面でわかるわけねーだろ!!」
友「ところでお前、なんで電話してきたんだ?」
少年「暇だったから遊ぼうと思って」
男「友達とどっか行けばいいだろ」
少年「やだよ。あいつら最近女のケツばっか追っかけてつまんねぇもん」
男の娘「女の子嫌いなの?」
少年「あんなの一緒にいたってうるせーだけじゃん」
男の娘「好きな子とかは?」
少年「いない。そんなことより遊ぼうぜ。こっちの兄ちゃ……姉ちゃんも一緒に」
男「待て!なんで言い直した!?」
少年「しっくりこねーんだもん。姉ちゃんでいいや」
男の娘「お兄さんも女の子と思っていいんだよ?」
男「思うか」
少年「隙あり!」ドムッ!
男「うごっ!? こ、んの野郎!!」
男の娘「あはは」
55:
夕方
妹「ただいまー」
友「おかえり」
妹「友くん。来てたんだ」
友「お邪魔してる。寝てる奴いるから静かにな」
妹「寝てる?」
男「ぐかー……」
男の娘「すぅ……すぅ……」
少年「くかー……」
友「遊び疲れて寝ちまってな」
妹「フ……フフ……何なのかなこの構図……これじゃまるでお兄ちゃんと男の娘ちゃんが夫婦で……小ちゃん(少年)がその子供みたいじゃない………フフ……」
友(予想通りの反応)
妹「フフ……この憎しみを私はどこに向ければ……」
友「出来れば俺以外で」
妹「フフ……」
友「ほら。夕飯作るんだろ?手伝うよ」
妹「大体、ただでさえ男くせに可愛いのが反則なのに料理も出来るなんてどうなのよ……」ブツブツ
友「よそ見して包丁握ると怪我するぞ」
妹「フンだ。怪我しても友くんがいるから大丈夫だもんねー」
友「はいはい、頼りにしてくれて嬉しいよ」
妹「あーあ。どうやったらお兄ちゃんを振り向かせられるんだろうなー」
友(ここで『男より俺と付き合えよ』って言えない俺チキン……)
妹「友くんはどう思う?」
友「さあな」
妹「いっそ私もメイド服着てみようか。でもそれだとなんか負けた気もするし…」
友(メイド服……ちょっとそそられる……)
59:
翌日 ファミレス
店長「おはようみなさん。本日も売上以上の成果を目指して気合い入れていきましょう」
一同『はーい』
店長「まずは連絡事項。ぎっくり腰で休んでいた男が今日から復帰。完治したとはいえ再発の恐れがある病気なので腰に負担がかかる仕事はなるべくやってあげるように」
男「ご迷惑かけて申し訳ありませんでした」
店長「あとは噂の新人さんも今日から出勤です。指導は男に任せるわ」
男「え?」
店長「男の娘ちゃん。いらっしゃい」
とことこ
男の娘「きょ、今日から働かせていただく男の娘です。よ、宜しくお願いします」
ガールズ『可愛いー』
野郎共『おおおおおおお!!』
店長「ちなみに男よ」
野郎共『なん……だと……!?』
店長「しかし見ての通り可愛いのでウェイトレスをやらせるわ。男子はお触り厳禁。女子は過度なスキンシップはしないように」
男「て、店長……指導係りって聞いてな」
店長「オープン一時間前!本日も一日!」
一同『よろしくお願いします!!』
男の娘「よ、宜しくお願いします!」ペコッ
店長「A、本日のオススメは海鮮ナポリタンにして。B、手が空いたら新メニューの試作作っておいて」
男「あの、店長」
店長「ああ、男。今日は準備は教えなくていいから、簡単なレジと注文の受け方教えといてね」
男「いや、俺指導は」
店長「返事は?」ギロッ
男「う、承りました!!」
店長「よし。アンタも今日はフロアでいいから。無理だけはするなよー」
男「うん……仕方ない。悪いの俺だし。うん」
男の娘「お兄さん」
男「どうした?」
ふわっ
男の娘「似合ってる、かな」
男「あ……まぁ、うん。良いんじゃないか」
男の娘「えへ」
店長「イチャイチャしないで仕事しなさい」
男「してません!!」
60:
男「で、ここを押せばキッチンに今受けた注文がいくから、これで完了な。わかったか?」
男の娘「うん。全部覚えた」
A「男。指導は順調?」
男「オープンまでには何とかなりそうです」
A「それは良かった。初めまして男の娘ちゃん。私はフロアチーフのAよ。わからないことがあったらすぐに頼ってね」
男の娘「は、はい。宜しくお願いします」
A「しかし…ホントに男なの?」
男の娘「はい」
A「うーん。世の中って思ってるより広いのね」
男「こんな事で実感しないでください」
A「店長から聞いたけど、男の家に住んでるんだってね」
男の娘「はい。おにいさ……男さんが一緒に住もうって」
男「誤解させるような言い方するな?!」
男の娘「ふぁってほんふぉ?ひゃ?ん!」ぐにぃ?
A「はいはいそこまで。もうすぐオープンだから笑顔を忘れないようにね」
男「承りました」
男の娘「うふぇたまわりまふぃた……」ヒリヒリ
お昼
男の娘「いらっしゃいませ!お客様は一名様でよろしいでしょうか?」
客1「はい(可愛い子だな……)」
男の娘「当店は喫煙席、禁煙席と分けております。お客様はおタバコはお吸いになられますか?」
客1「吸わないです」
男の娘「それでは禁煙席へご案内致します。こちらへどうぞ」
客2「すいません」
男の娘「失礼致します。如何なされましたか?」
客2「これをお願いしたいんですけど」
男の娘「こちらのメニューはご提供するのに10分ほど掛かってしまいますが宜しいでしょうか?」
客2「大丈夫です」
男の娘「かしこまりました。ご注文、承らせて頂きます」
子供「ブーン!」
男の娘「おっと」
母親「コラ!お姉さんに謝りなさい!!」
男の娘「お気になさらないで下さい。ぼく、もし熱いご飯持ったお兄さんやお姉さんにぶつかったら危ないから、お店の中は走り回っちゃダメだよ?」
子供「わかった」
男の娘「はい、よくできました。素直なお子様ですね」
母親「本当にすいませんでした。ほら、パパの所に戻るよ」
男の娘「ごゆっくりどうぞ」ペコリ
61:
A「何者なのあの子」
男「俺が知りたいです」
A「接客、笑顔、言葉遣い……天才どころのレベルじゃないわよ」
男「俺やチーフをあっさり抜きそうですね」
A「怖いこと言わないでよ……」
店長「調子はどう」
A「見ての通りですよ。とんだ逸材を見つけてきましたね」
店長「期待以上ね。これなら看板娘(?)として売り出せるわ」
男「あの話マジだったんすか」
店長「私はいつでも本気よ。お昼すぎたら適当な所で休憩させてあげて」
A「承りました」
男「チーフ。俺皿洗いしてきます」
A「うん。仕事出来たら呼ぶわ」
男の娘「♪」
客4「……」
スッ
男の娘「!」バッ!
客4(チッ…!)サッ!
男の娘(この人……今……)
客4「なんだよ、なんか文句あんのかよ!!」
ザワッ…
A「どうかなされましたか!?」
男の娘「ち、チーフ」
客4「コイツが睨みつけてきたんだよ!どういう教育してるんだ!」
A「に、睨みつけた?どういうことなの男の娘ちゃん」
男の娘「それが、この人」
客4「気分わりぃな……帰る!金は払わねぇからな!」
A「お、お客様!少し落ち着いて」
客4「うるせぇ!!」バッ!
男の娘「危ないチーフ!」
ガシッ!
B「困りますお客様。大きな声で騒がれた上に従業員に暴力を振るわれては」
A「Bさん……」
客4「んだよ!離せよ!」
B「おや、珍しいですね。袖口に携帯電話をお入れになるなんて」
客4「!!」
62:
店長「なんの騒ぎかしら」
B「こちらのお客様が酷く興奮なされているので、少々手荒ですが抑えさせていただきました」
店長「……B。そちらの方を事務所にご案内しなさい」
B「はい」
客4「くそっ!離せ!離せよ!!」
B「……」
ドンッ!
客4「??!?」
B「暴れるなよ。防犯カメラに映らないように痛めつけるくらいわけないんだぞ」
客4「っ…!」
店長「二人とも大丈夫?」
A「はい、Bさんのおかげで……」
男の娘「すいません、ボクのせいで…」
A「気にしないで。たまにいるのよ」
男「男の娘!」
男の娘「お兄さん……」
男「大丈夫か?なんか騒ぎがあったみたいだけど」
男の娘「お兄さん……ううっ」
ぎゅっ
男「は?」
男の娘「怖かったよぉ?」
男「おまっ…わ、わかったから抱き着くな……な?」
男の娘「うう?っ」
店長「男。そのまま一緒に休憩入って。あとはこっちで何とかするから」
男「わかりました……」
店長「Aは今いるお客様にお飲み物をサービスした後、しばらくフロアとキッチン両方見ておいて。私とBはしばらく事務所から出てこられないと思うから」
A「承りました」
男の娘「うっ……ぐすっ……」
男(一日目から大変だこりゃ……)
ファーストフード店
男「なるほど。盗撮がバレたから騒いで逃げようと」
男の娘「ボクが何事もなく通り過ぎて、チーフやお兄さんに言えば騒ぎにならなかったのかな……」
男「お前が気にすることない。悪いのは全部あっちだ」
男の娘「でも、騒ぎかあったらお客さん来なくなっちゃう……」
男「それは、そうだけど……」
男の娘「どうしよう………」
男「………よし、俺に任せろ」
男の娘「え?」
63:
事務所
店長「全く……時と場所を考えて欲しいわ」
B「警察に引き渡してきた。また後日連絡くれるってさ」
店長「ご苦労様。戻ったらAを休ませてあげて」
B「はいよ」
店長「ところで、あんまり殴らないようにしてね」
B「痣にならないようにしといた。解剖でもされない限りバレねーよ」
店長「そういう問題じゃないのよ」
ガチャ
男「戻りました」
B「おかえり。おい新人」
男の娘「は、はい!」
B「お前、下着も女物なのか?」
男「ぶっ!!?」
男の娘「へ……?」カァァ
店長「バカ!セクハラしてんじゃないわよ!!」
B「戻りまーす」
店長「全く……ごめんね男の娘ちゃん。アイツなりのジョークなのよ」
男の娘「だ、大丈夫です……」
店長「大変だったわね。休憩終わったばっかりで申し訳ないけど、今日はもう帰ってもいいわよ?」
男の娘「いえ、時間まで働かせてください!」
店長(あら。中々根性あるわね)
男「店長。久々に呼び込みやろうと思うんですけど」
店長「呼び込み……なるほど、地道に集客しようってことね」
男「こいつがやれば……男性客中心になるかもしれないですが、どうですかね?」
店長「いつもより在客数も減って来たし、店の前なら問題もないわね……いいわ。やってきなさい」
男「よし。お前はチラシを笑顔で配れ。俺は看板持ってアピールする」
男の娘「頑張るよ!」
数時間後
男「……」ドサッ!
男の娘「疲れたぁ?」
A「それは……」
B「こっちの台詞だ……」
店長「平日なのに五時の売り上げがお昼を上回ったわ」
B「男……二度とそいつに集客なんかさせるなよ……」
A「大喰らいの男ばっかり来られたら、こっちの身が持たないわ……」
男「承り……ました……」
店長「けどお店的には大助かりだわ。土日はこれでいこうかしら」
上がりメンバー『やめて下さい死んでしまいます』
69:
男の娘のいる生活が始まって二週間が過ぎた。
私生活もバイトも賑やかながらも一定の落ち着きを覚え始めた頃に、事件は起こった。
男の娘の部屋
男の娘「お兄さん……お兄さん……んっ……」
ガチャ
男「おーい。店長が明日のシフトちょっと早めに出て欲しいって」
男の娘「!?」
男「……」
バタン
男「…………そうだ。コンビニに行こう。ジャンプ買ってなかった」
男の娘「いつも買ってないじゃん」ギィィ
男「ひっ!?」
男の娘「見たね」
男「見てない。絶対に見てない」
男の娘「嘘だ」
男「何も見ていないったら見ていない」
男の娘「………」
男(ヤ、ヤられる!!)
男の娘「……次から、ちゃんとノックしてね」
男「え? あ、はい……すいませんでした……」
男の娘「それで、店長さんがなんだって?」
男「明日のシフト、早めに出て欲しいって」
男の娘「ん、わかった」
バタン
男(や、やけにあっさり引いたな……てっきり押し切られるかと思った……)
男(というか、やっぱあいつもするんだな……ハッ!待て待て、俺は何も見てないんだ。見てない見てない見てない)
\ヤッホー/
男「!!? なんで出てきてんだテメェー!!」ゴスッ!!
妹「お兄ちゃん。何か叫んでたけどどうし……キャー!!?どうしたのお兄ちゃん!!」
男「な……ん、で……もな……い……」ブクブク
妹「きゅ、救急車!!救急車呼ばなきゃ!!」
男「だい……じょう……ぶ」ガクッ
妹「お、お兄ちゃぁぁぁぁぁん!!」
男の娘「………」
70:
翌日 ファミレス
男「……」
男の娘「……」
B「なんだあいつら。喧嘩でもしたのか?」
A「喧嘩っていうより、気まずいって感じですね」
B「……痴情のもつれ?」
A「え!?」
店長「セクハラ厳禁」ゴスッ!
B「暴力はいいのかよ」ヒリヒリ
店長「指導よ」
A「店長はなにか知ってますか?」
店長「少なくとも男は昨日電話した時は普通だったわね」
A「その後って事ですか」
店長「仕事は問題なくやってるから、プライベートの事にはあまり口出さないようにね」
B「はいよ」
男の娘「こちらお下げ致します」
とことこ ポフッ
男「あ、悪い」
男の娘「ボ、ボクこそごめん」ササッ
男「………」
B「何かしたのか?」
男「ちょっと……」
B「覗きがバレたか」
男「の、覗いてはないです!!」
B「なるほど。覗いて『は』か」
男(しまった…!)
B「ナニをみたのかは知らんが、男なら土下座の一つでもかましてこい」
男「あっちも男なんですけど…」
B「そう思ってないからこんな空気になってるんだろうがこのホモ野郎」
男「ホモじゃないです」
78:
冷蔵倉庫
男(Bさんはともかく、みんなに心配されてるんだな俺達)
ガチャ
男「えーっと、瓶ビールを一箱と……」
ガサゴソ
男(けど、謝るにしてもどう謝ればいいか。モロに見ちまったもんなぁ……あんな事の後にどう話せっていうんだよ……)
男の娘『ボ、ボクこそごめん』
男「ていうか、なんであいつまで気まずそうなんだよ。昨日は普通に部屋に戻ったくせに」
男の娘「え?」
男「え?」
男の娘「……」
男(な、なんで男の娘が……まさかBさんに仕組まれた…!?)
男の娘「お兄さんも、補充しに来てたんだ」
男「お、おう。Bさんに頼まれてな。お前は?」
男の娘「チーフに、頼まれて…」
男「そ、そうか」
男の娘「……」
男(会話が続かない……)
男の娘「お、お兄さんがいるなら大丈夫だね。ボクもど」
バタン
男の娘「え?」
男「は?」
男の娘「……扉、閉まっちゃった」
男「ちょ、おーい!中にいますよー!おーい!」ドンドン!
男の娘「か、風で閉まっちゃったのかな」
男「マズいな。中からじゃ開かねぇから、誰か来るまで待つしか」ハッ
男の娘「………」
男(どうしよう。空気に押し潰されそうです)
男の娘「……」
男(店長かチーフ、この際Bさんでもいいから早く誰か来てぇええ)
男の娘「くちゅん!」
男「あ、寒いのか?」
男の娘「うん。少しだけ」
男「女子の制服はスカートで露出が多いもんな。それにお前身体細いから」
79:
華奢な身体 白い肌 潤んだ瞳 濡れた男性―
男「ハァックショイ!!!」ゴスッ!!
男の娘「うわ!?なにしてるのお兄さん!?」
男「くしゃみの反動で拳が顔に当たっただけだ」ダクダク
男の娘「どんな反動!? ちょっと見せて。鼻血出てるよ」
男「ちょ…」
男の娘「ちょっと切れただけかな。鼻をつまんで、これで押さえて」
男「いいよ。ハンカチ汚しちゃまずいだろ」
男の娘「制服汚した方がまずいよ。ほら」
男「悪い……」
男の娘「そう思うなら、今度から反動を押さえてね」
男「わかったよ。(別のを抑えた結果がこれなんだけどな……)」
男の娘「……フフッ」
男「どうした?」
男の娘「ううん。何だか久しぶりにお兄さんと話した気がして」
男「……そうだな」
男の娘「お兄さん、やっぱり昨日の見たんでしょ?」
男「見て……!」
男の娘「見て?」
男「……しまいました。ごめんなさい」
男の娘「謝らなくてもいいけどさ……どう思った?」
男「え?どう?」
男の娘「ボクのアレ」
男「ど、どうもこうもあるか!!男のを見て何を思うっていうんだよ!!」
男の娘「そーじゃなくて!」
男「じゃあなんだよ!」
男の娘「へ、変じゃない……かなって」
男「変?」
男の娘「ボク……その…………生えてないから……」
男「…………は?」
80:
キッチン
店長「A。男はどうしたの?」
A「手が空いたんでキッチンの手伝いお願いしましたけど」
B「男ならさっき倉庫にビール取りに行かせたぞ」
A「え?それなら私も男の娘ちゃんに頼んだけど」
店長「ということは、二人っきりで倉庫にいるのね。何分前に行かせたの?」
A「十分程です」
B「俺もそれぐらいだ。腰痛めてるから気にしてなかったが、二人だと掛かり過ぎだな」
A「もしかして、持病をいいことにサボってイチャついてたりして」
店長「あの男に限ってそれは無いでしょ」
B「男だもんな」
\あはははは/
店長「AとBで様子を見てきて。場合によっては男に『指導』を許可するわ」
B「イエッサー」パキパキッ
A(ああ!私の冗談で男が大変なことに!!)
冷蔵倉庫
男「もしかしてあれか?お前はそれを気にして俺に話しかけ辛かったのか?」
男の娘「うん」
男「アホらし……」
男の娘「ああ!ひっどーい!こっちは気にしてるのに!」
男「喧しい!大体そんなの気にしてる奴が人を誘惑すんなよ!!」
男の娘「だってする時は下着をずらしてヤればバレないと思ったんだもん!」
男「だぁああああ!余計な事聞いたら頭痛くなってきた!!」
男の娘「なにさ!お兄さんだってボクの見てちょっとは欲情して……ひっくしゅん!」
81:
男の娘「お兄さん、最近反応が薄くなってない?」
男「毎日抱き着かれたら慣れもするわ」
男の娘「それは大変だ。マンネリ化は離婚の原因の一つなんだよ」
男「そもそも結婚してねぇよ」
男の娘「というわけで、新しい刺激を与えてみましょう」
男「お前、少しは大人しく」
チュッ
男「んむ!?」
男の娘「んー、んんっ」
男「ん、んんー!! んん!!?」
男の娘「んーん……んっ♪」
男「んー!!んんー!!」
男の娘「ん?……んっ」
男「ん……ん……!」
男の娘「ぷはっ」
男「お………おお……」
男の娘「ふぅ……ディープって結構気持ちいんだね」ドキドキ
男「おおおおおぁぁぁぁああ!!!」ドスドスッ!
男の娘「痛っ!痛たたた!!ちょ、痛いよお兄さん!連続チョップはやめてよ!!」
ギィィ…
A「どういう状況なの……」
B「チョッププレイか……新しいな」
A「店長にチクりますよ」
男「おおおおおおおお!!」ドスドスッ!
男の娘「痛たた!ごめんなさい!許してー!!」
87:
男の娘「お兄さん」
男「なんだ」ジリッ
男の娘「そんなあからさまに警戒しなくても」
男「うるせぇ。ファーストだけじゃなくディープまで奪いやがって……」
男の娘「責任はとるよ。結婚しよう」
男「……」スッ
男の娘「わー!ごめんなさい!どうかチョップはだけは!」
男「で、用件はなんだ」
男の娘「買い物行こう」
男「夕飯の買い物は妹がやるぞ」
男の娘「違うよ。洋服とか買いに行くの」
男「………デート?」
男の娘「そう思ってくれてもいいよ」
男「行かない」
男の娘「行こうよぉー!」スリスリ
男「あーもう!わかったから頭をこすり付けるな!」
ショッピングモール
男「そんな服もあったのか」
男の娘「可愛いでしょ?このワンピースお気に入りなんだ」
男「買う必要ないんじゃないか?」
男の娘「可愛い服は何着あっても足りないのが女の子なんだよ」
男「今の台詞、お前が女だったら名言になったかもな」
男の娘「見て、これ可愛いよ」
男「スルーか」
男の娘「試着してみようかな。あ、こっちも可愛い」
男(俺もシャツでも買っとこうかな。あとパンツも)
男の娘「お兄さん」
男「なんだ、ブッ!?」
男の娘「この水着どうかな?」
男「なんでビキニなんだよ!」
男の娘「やっぱり派手すぎるか」
男「そうじゃなくて……」
88:
男の娘「こっちの胸のフリルが可愛いー」
男「胸も何もお前には必要ないだろ」
男の娘「むぅ、お兄さんはボクが上半身裸でいいの?」
男「男なんだから当たり前」
男の娘『お兄さーん!』バーン!
男「…………Tシャツ着とけ」
男の娘「それ可愛くなーい」
男「男だから可愛くなくていいだろ」
男の娘「ふーんだ。これ買っちゃうもんねー」
男「好きにしろ」
\ありがとうございましたー/
男の娘「お兄さんも買ったんだ」
男「ああ。最近シャツとパンツが少なく感じてな」
男の娘「そうなんだ」
男「………お前、盗んだりしてないよな」
男の娘「失礼な。いくらお兄さんが好きだからってそんなことしません。たまに匂いは嗅ぐけど」
男「おい」
男の娘「あ、たこ焼きだ。一つくださーい」
男(三回ぐらいチョップしたろうか)
男の娘「はふはふ……ん、これスゴく美味しい。お兄さんも食べる?」
男「じゃあ一つ」
男の娘「あーん」
男「自分で食うよ。そっちのクシ寄越せ」
男の娘「えい」ポイッ
男「このやろっ!」
男の娘「フッフッフ。たこ焼きが食べたければ大人しくボクと間接キスをするのだ」
男「買ってくる」
男の娘「ああ!お兄さんの薄情者!」
男「………」
パクッ
男の娘「あっ」
男「考えてみれば、今更間接キスぐらいどうってことないな」
男の娘「お兄さん……」
男「食い終わったら次行くぞ」
男の娘「うん!」
89:
夕方
妹「助かったよ友くん。福引きでお米30キロ当たった瞬間はどうしようかと」
友「いいけど、これぐらいなら持てるだろ?」
妹「そうだけど、家に帰ってお兄ちゃんに見られたらか弱いっていう私のイメージが崩れちゃうからね」
友「か弱い……ね」
少年「姉貴に友兄じゃん」
妹「少ちゃん。学校の帰り?」
少年「居残りさせられてさ。男兄と姉ちゃんは一緒じゃないの?」
妹「二人とも家よ。早く帰らないと何してるかわかったもんじゃないわ」
少年「姉貴は相変わらずだね。友兄も大変だな」
友「小僧。俺を憐れむと痛い目見るぞ」
妹「」ピタッ
少年「どうした姉貴?」
男「くっつくな。暑いし歩きづらい」
男の娘「デートで腕組みは定番だよ」
男「デートじゃねぇ」
友(なんつータイミングで)
妹「ふーん……お兄ちゃんたちデートしてたんだ……」スッ
ビキビキビキッ!!
少年「スッゲー!流石姉貴!指だけで電柱にヒビ入れるなんて!」
友(か弱いとは一体)
男の娘「あ、妹ちゃんだ。友くんに小ちゃんも一緒いるよ」
男「今帰りか」
友「お前らこそどこ行ってた」
男の娘「デート♪」
妹「!」ビシビシッ!
男「ただの買い物だから」
男の娘「水着とか買ったんだ」
友「海でもいくのか?」
少年「マジ!?俺も行きたい!」
男「予定は無いけど、行くにしても女が妹だけって悲しすぎるな」
男の娘「ボクもいるよ」
男「その上で言ってるから」
少年「なぁー行こうぜー」
男「あー。お前が夏休みに入ったら考えるよ」
妹(夏にはこのアドバンテージをひっくり返す……!)
友(また一波乱ありそうだな)
男の娘「楽しみだね、お兄さん」
男「正直そうでもない」
101:
少年「でさー。そん時に同じクラスの女子の所に向かってもう大騒ぎでさ」
男の娘「……」
少年「姉ちゃん、聞いてるのか?」
男の娘「あ、ごめんね。ちょっと考え事しちゃった」
少年「なんだよー。俺の話つまんないって言うのか」
男の娘「そうじゃなくてね」
少年「じゃあなんだよ」
男の娘「……ねぇ、小ちゃん。ボクとゲームで勝負しない? ボクに勝ったら好きなゲーム買ってあげる」
少年「ホントか!?やるやる!!」
男の娘「その代わり、ボクが勝ったら―」
それから一時間後
男(海かー。夏は繁盛期だから休み取るのも悪い気がするが、三日ぐらい休み貰えるか相談しとくか)
ガチャ
男「ただいまー」
男の娘「おかえりお兄さん」
男「なんだニヤニヤして」
男の娘「ちょっとね。 何か飲む?」
男「悪いな。じゃあアイスティーで」
男の娘「作ったら持っていくから、部屋で待っててー♪」
男(ホントに機嫌良いな。なんか良いことでもあったのかな)
ガチャ
男(そういえば玄関に少(少年)の靴あったな。顔見せないけど、また寝てんのか?)
ピピピッ
妹『もしもしお兄ちゃん。今大丈夫?』
男「ああ」
妹『さっきお母さんから電話があってね。今日帰ってくるって』
男「また唐突だな……」
妹『それでね。お兄ちゃん、男の娘ちゃんのことお母さんに言った?』
男「あ……」
妹『やっぱりね。全然その事に触れないからまさかとは思ったけど』
男「言ったのか?」
妹『言う前に切られちゃったよ。掛け直しても全然出ないし』
男「また走り回って気付いて無いんだろうな……わかった。知らせてくれてありがとうな」
妹『べ、別にお兄ちゃんの為じゃなくて、お母さんをびっくりさせちゃ悪いなって思っただけなんだから!!』
男「わかってるよ。じゃあまた後でな」
妹『…………ツンデレはダメか』
ピッ
男(最後なんか言ってたか?)
102:
コンコン
男「開いてるよ」
……ガチャ
男「!!!?」
少年「……」プルプル
男「おま……ミニスカ……は…?」
少年「ウガーッ!!」ガシャーン!
男「痛ッ!冷たっ!」
少年「見てんじゃねーよバカ!変態!ホモ野郎!」
男の娘「ダメだよ小ちゃん。そんなことしちゃ」
男「お 前 の 仕 業 かぁ ? !!」ギリギリギリッ!
男の娘「お兄さん!潰れちゃう!頭潰れちゃうから!」
男「ガキに何させてんだこのドアホ!!」
男の娘「無理矢理じゃないもん……ちゃんと勝負したもん……」ジンジン
男「お前もお前だ!大人しく着てんじゃねーよ!」
少年「だって……ゲーム負けちゃったし……」
男「そんなところ素直でどーすんだよ!」
少年「うっせぇな!俺だって死ぬほど恥ずかしいんだよ!」
男「だったらとっとと着替えて来い!」
少年「そうしたいけど姉ちゃんが俺の服洗っちまったんだよ!」
男「このバカ野郎がぁー!!」
男の娘「わーん!DV反対!」
?数分後?
男「ゲームにつられてか……ガキ相手に汚すぎるなお前」
男の娘「どうしても着せたくて」
男「そもそもこの服どこから持ってきた」
男の娘「この前一緒に買ったの。フード付きパーカーとミニスカートを黒で統一してみました」ブイッ!
男「計画犯か」
少年「誰かに言ったらぶっ飛ばすからな!!」
男「言わねーよ。というか、いつまで俺の背中に隠れる気だよ」チラッ
少年「こっち向くな!」
男「ああもう……服はどれくらいで乾くんだ?」
男の娘「夕方までには乾くかな」
男「それまでこのままって事か。その間に母さんが帰ってこない事を祈るしかないな……」
男の娘「お母さんいたんだ」
男「当たり前だろ。そういえば、一度も親のこと聞いてこなかったな」
男の娘「ボクも気にならなかったからね。いないのが普通だったし」
男「あ………」
男の娘「やだなー。そんな暗い顔しなくていいんだよ」
男「……」
103:
少年「二人して俺のこと忘れてないか」ぐすっ
男の娘「もー。せっかくだからこっち来てお兄さんにもっと見せてあげなよ」
少年「やだ!死んでもやだ!」
男の娘「小ちゃんは恥ずかしがり屋なんだから」
男「恥ずかしがり屋とか関係ないだろ」
男の娘「せっかく下着も」
少年「わー!!わー!!!」
男「ぐわああああ!? 突然耳元で騒ぐな!」
少年「今の聞こえたか!? 聞こえてないよな!?」
男「痛いくらい聞こえたわ……」
少年「聞こえてないか……」ホッ
男の娘「大丈夫だよ。お兄さんなら可愛いって言ってくれるよ」
男「何の話かはわからんが言わないぞ」
少年(今そんな事言われたら俺……変になりそうだよ……)
?一時間後?
男「トイレ行きたいんだけど」
少年「我慢しろ」
男「見ないようにするから、服離せ」
少年「やだ」
男(意地でも離さねーな。あいつも買い物行くって逃げたし……)
少年「……」
男「うーん、やっぱベタつくな……脱ぐか」
少年「は!?」
男「なに驚いてんだよ。お前が濡らしたんだろーが」
少年「お、俺の前で脱ぐって言うのかよ」
男「お前が離さねーんだからそうに決まってるだろ」
少年「そ、そりゃそうか……」
男「ちょっと別の所掴め」
少年「お、おう」
男「よっと。はぁ、スッキリした」ぬぎっ
少年(男兄の背中……今更だけど、結構大きいよな………ハッ! な、なに考えてんだ俺!?これじゃまるでホモみたいじゃねーか!)
男「そういえば今思い出したけど、前にもこんなことあったな」
少年「え?」
男「お前が幼稚園だったかな。家で預かった時に雷にビビって今みたいに全然離さねーの」
少年「そ、そんなガキの頃の話覚えてねーよ」
男「だろうな。お前わんわん泣いて最後には寝ちまったし」
少年「うるせぇ」
男「全く。あの頃はもうちょっと可愛げがあったのによ」
―ドクン
104:
少年「か…わ……」
男「いつからこんな凶暴な悪ガキに」
少年「…………男兄」
男「ん?なんだ?」
少年「お、俺……この格好の俺さ……か、可愛いの……かな……」
男「!!」
少年「姉ちゃんは……可愛いって本気で言っててさ……男兄は……どう思う…?」
男「そ、そんなわけねーだろ。男が女の服似合うわけねぇじゃん」
少年「……こっち見て」パッ
男「は!?」
少年「笑ってもいいからさ……見て確認してよ」
男「お、おう。そこまで言うなら大笑いして」
くるっ
少年「ど、どうかな……」
男(くっ、改めて見ると完成度高いな……考えてみれば、その道のプロ(男の娘)が仕立てたんだ。似合わない筈が無いんだよな)
少年「だ、黙ってないで何とか言えよ……」
男(こいつもこいつでいつもよりしおらしくなってるから結構可愛く見え……)
ハッ!
男「アホか俺はー!!これじゃあまるで女装男好きの変態じゃねーか!!」
少年「わっ!?」ビクッ!
ドサッ
少年「いってぇ……」
男「あ、悪い。驚かせち……ま……」
少年「?………あっ!?」バッ!
男「パンツ……おま……それ」
小年「ッ―!!」カァァ!
ゴシャア!!
男「げぼっ!!」
少年「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!!!」ゴスゴスッ!!
男の娘「ただいまー。ごめんね小ちゃん。欲しかったゲーム買ってきたからこれで許し」
男「がっ!げぼっ!おごっ!」
少年「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!!」
男の娘「うわー!?ストップ!小ちゃんストップ!!お兄さんの顔が無くなっちゃうよー!!」
少年「忘れろぉぉぉぉぉお!!!」
109:
妹「ただいま。お兄ちゃん、お母さん帰ってき……うわっ!?どうしたのその顔!?」
男「小にやられたらしい。よく覚えてないけど」
妹「また喧嘩したの?お兄ちゃんが負けるなんて珍しいね」
男「その前になにかあった気がするが……思い出せん」
男の娘「おかえりー」
妹「あ、男の娘ちゃん。お兄ちゃんからお母さんのこと聞いた?」
男の娘「うん。大丈夫、失礼のないようにするから」
妹「そうだね。くれぐれもお兄ちゃんの恋人だなんて言わないようにね?」
男の娘「勿論。恋人じゃなくて妻だもんね」
妹「」ビキッ!
男「失礼どころの話じゃねーよ」
男の娘「お兄さんたちのお母さんてどんな人なの?」
妹「どんなって言ったら……」
男「元気の塊……いや、元気そのものか」
少年「……」コソッ
男「お前さっきから何隠れてるんだ?怒ってねーから出て来いよ」
少年「………服まで覚えてねーのかよ」
男「服?」
少年「何でもねーよ!俺もう帰る!」
男「あ、おい」
………ダダダダダダダダダッ!!
110:
男「ハッ! 小!玄関から離れろ!!」
ガチャ!!
母「たっだいまー!!二人とも元気にしてたー!?」ボイーン!!
男の娘(でかっ!!)
母「うっひゃー!小ちゃんじゃない!!少し見ない間にまた大きくなったんじゃないの!?」ギュウウ
少年「おばさん、苦し…」
母「やっぱ小ちゃんは可愛いわ?!!」
少年「かわっ……!」ボッ!
男「遅かったか…」
男の娘「色々と大胆な人だね」
母「そこにいたか私の子供たち。さあ、感動的な親子のスキンシップを……ちょっと!その可愛い子は誰!?」
男の娘「初めまして、ボク」
母「可愛い?!!」ギュウウ
男の娘「あぶぶぶぶ!?(息できない?!)」
母「あら、あなた男の子なのね?」
男「わ、わかんのか母さん!?」
母「そりゃ伊達に全国周ってないわよ。それにしてもレベル高いわねー。メイクしてないのにこんなに可愛いなんて」
男の娘「むむぅ?!!」ジタバタ!
母「ああ、ごめんね。私って可愛いもの見ると抱きしめたくなるの」
男の娘「胸で溺れるかと思ったよ……」
母「で、この子はどっちの彼氏?それとも彼女?」
男・妹「どっちも違う」
男の娘「ボク的にはお兄さん希望です」
男「喋るな」
母「お母さん的には可愛いからオッケーよ!」
男「許可するなよ!」
母「ねーねー。男とはどこまでいったの?というかあなた受け?攻め?」
男の娘「え、それは…その…」
妹「お母さん!!」
少年「可愛い……俺……可愛いのか……?」プシュー
男「………寝ようかな」
116:
友「お久しぶりです。これどうぞ」
母「ショコラケーキ!さすが友くん!」
男「悪いな。わざわざ」
友「ま、夕食頂くんだしこれくらいはな」
男の娘「ご飯出来たよー」
男「作ってるのあいつだけどな」
友「後で別に持ってくる」
母「冷やしとこー♪」
\いただきまーす/
母「うんみゃあああああ!!なにこれ!?なんでこんなに美味いの!?」
男「黙って食え!!」
男の娘「お兄さん。あーん」
妹「なんで……なんで更に……!美味くなってるのよ……!」ボロ…ボロ…!
友「泣くな泣くな」
少年「うめぇ」もぐもぐ
母「こんな可愛くて料理も出来る子は男には勿体ないわね。なにより可愛いし」
男「可愛い二回言ったぞ」
母「あ、それと要領も良いわ。家の食器の場所、全部知ってるみたいに動いてたように見えたもの」パクッ
男「母さん、それなんだけどさ」
母「にゃに?」もごもご
男「実は男の娘、家に泊めてる……というか、一緒に住んでるんだ」
母「………」もごもご
ゴクン
母「マジか」
男「マジだ」
男の娘「お家お借りしてます」
母「こんな子と一つ屋根の下とか羨ましいなコイツ」ぐいぐい
男「やめろ」
母「まー狭い家だけど、これからも好きに使っちゃって」
男の娘「ありがとうございます」
妹「一番使ってるのはお母さんの部屋なんだけどね」
母「わぉ。帰ってきて寝る場所無しとか」
117:
男「前もって連絡入れればどうにかなったのに」
母「そーしたいんだけど、突発的に仕事が入るからねー」
男の娘「何されてるんですか?」
母「探偵。まぁ漫画やテレビみたいにかっこよくないけどね。殆どは人の尻追っかけてるもんよ」
男の娘「そんな事ないです。お母様カッコイイですよ」
母「え?そうかなぁ?。この子ったらおばさんからかっちゃって?」テレテレ
妹「おばさんって言ってもお母さんまだ37じゃん」
男の娘「………ん?お兄さんいくつ?」
男「23」
母「14で産みました」テヘッ☆
妹「その時お父さんが25だっけ?」
男「今だと捕まるよな」
母「恋も自由に出来ないなんてメンドイ世の中よねー」
男の娘「結構凄いことサラッと言ったね」
友「俺の時もこんな感じだったな」
少年「おれふぉー(俺も?)」もぐもぐ
夕食後
友「そんじゃあコイツ送ってそのまま帰るわ」
少年「一人で帰れるって」
男「近いからって危ないだろ」
少年「へっ、男兄にみたいに弱くねーんだよ」
男「可愛げのない奴」
少年「かわっ…!」ビクッ!
男「どうした?」
少年「な、何でもねーよバカ!行こうぜ友兄!」
男「なんだあいつ?」
友「今のは………いや、まさかな」
男「何がだ?」
友「独り言だ。またな」
バタン
男「? なんなんだあいつら」
妹「お兄ちゃん。布団どこしまったっけ?」
男「確か俺の部屋の天井裏にあったはずだ」
妹「じゃあ後で私の部屋に持ってきて。今日は男の娘ちゃんこっちで寝るから」
男「おう。わかった」
妹「私は部屋片づけるから、出したら一回呼んでね」トコトコ
男「………普通に納得してしまったが、性別的に俺の部屋に泊めるのが普通なんだよな」
118:
浴室
男の娘「気持ちいいですか?」ゴシゴシ
母「最高よ?。背中まで流してもらうなんて至れり尽くせりだわ?」
男の娘「これぐらいお安い御用です」
母「せっかくだから一緒に入らない?」
男の娘「流石にダメですよ。一応ボクも男の子ですから」
母「あーそっか。冷静に考えてみると、今のこの状況って法的にもギリギリアウトなのよね」
男の娘「ボク捕まっちゃいますね」
母「大丈夫。歳的に私だから。 しかし私は気にしない。可愛いは正義だもの!」グッ!
男の娘「お母様って面白いですね」クスッ
母「歳の割に落ち着きが無いだけよ」
男の娘「そんな事ないです。一緒にいるだけでとっても楽しいです」
母「あなたのお父さんとお母さんはどうなの?」
男の娘「父と母のことはよくわからないです。ボク、隠し子だったんで」
母「隠し子?」
男の娘「去年、資産家が起こした殺人事件知ってますか? その資産家と愛人だった秘書との子がボクなんです」
母「その秘書って確か、自宅燃やして死のうとしたのよね」
男の娘「母は父を愛してましたからね。逮捕されたショックでおかしくなちゃったんです」
母「その時あなたどこにいたの?」
男の娘「家にいました。錯乱する母を引っ叩いて連れ出して、警察に説明して、親戚をたらい回しにされて………正直、いい迷惑でした」
母「ご両親を恨んでる?」
男の娘「恨むほど二人を知りません。父には会えない。母は父の傍にいる為に仕事で家にいない。だから、ボクの中では赤の他人のとばっちりを受けた感じです」
母「仕事で色んな人間を見てきたけど、結構重いもの背負ってるのね」
男の娘「出来れば捨てたいですけどね……流しますね」
ザバー
母「うーんサッパリした!」
男の娘「気にしないんですね。ボクのこと」
母「だってあなた自身の問題じゃないもの」
男の娘「そういう所、お兄さんと似てますね」
母「人を見る目は私譲りだからね」
男の娘「でも付き合ってた人に貢がされてたみたいですよ」
母「えー……なにしてんのあの子……お母さんの面目丸潰れだよ……」
男の娘「フフッ」
母「じゃあ人を見る目と女を見る目は違うってことで一つ」
男の娘「ボクはどっちに入ります?」
母「難しいこと聞くねキミ」
男の娘「冗談です」
母「お母さん的には息子の結婚相手が男の子ってのは……可愛いからありね!しかも自動的に私の子にもなるわけだし!」グッ!
男の娘「……お母様の子供になるなら、ボクも嬉しいです」
母「!!」ズキューン!
119:
男「あ、母さん。男の娘は妹の部屋で寝てもらうから、部屋開いたよ」
母「……」
男「母さん?」
ポンッ
母「あんた男の娘ちゃんと結婚しなさい」キラキラ
男「目を輝かせて息子になに言ってんの?」
母「うるせぇ!親孝行しろや!!」
男「逆ギレ!?」
母「こうなりゃ既成事実だ!うへへへへ!」ダッ!
男「なにこの母親!気でも狂ったか!」
男の娘「あ、お兄さん。お母様そっち行かなかった?」
男「涎垂らして部屋に向かった……お前、なにか言ったのか?」
男の娘「お風呂で沢山お話しただけだよ」
男「一体何の……待て、風呂場で?」
男の娘「お背中流してあげたの」
男「お前……一応男なんだからそれマズいだろ」
男の娘「流石に一緒には入らなかったよ」
男「まあ、お前なら変なことしないだろうから大丈夫だと思うが」
男の娘「お兄さんだったら自信ないな」
男「はは。勝手に入ってきたら湯船に沈めてやる」
ベキッ!!
男の娘「なんかすごい音したね」
男「………嫌な予感がする」
母「いやーごめん男。あんたの部屋のドアノブ壊しちゃった」ボロッ
男「何してんだー!?」
母「明日には責任もって直しておくから、今日は私の部屋で寝て。男の娘ちゃんと一緒に」
男「はぁ!?」
母「いや、流石に男の娘ちゃんも男なわけだし、妹と同じ部屋で寝かせるわけにはいかないでしょ」
男「さっき背中流させた奴の台詞か」
母「というわけで私は愛しの娘ともう寝るからアンタ達も早く寝なさいよー!」ピューン!
男「あ、こら!!逃げるな!!」
男の娘「……どうする?」
男「どうするって……」
120:
妹「お兄ちゃんと男の娘ちゃんが一緒の部屋で寝る……!?」
母「家族が増えるよ!」
妹「全然やったねと喜べない!それなら私がお兄ちゃんと寝る!」
母「おっと、流石の私も親近相姦は認められないな」ザッ
妹「血の繋がりが何?私は私の道を切り開く」
母「言うね。流石私の娘。だがここは通さないよ」
妹「なら……力づくで通る!!」
ズドンッ!!
男の娘「なんの音だろう」
男「母さんと妹が遊んでるんだろ。夜中だってのに元気だよ」
男の娘「ボクたちも遊ぼう♪」
男「眠いから嫌だ」
男の娘「ぶー。じゃあ一緒に寝ようよ。床じゃ風邪ひいちゃうよ?」
男「そのベッドじゃ二人も寝られないだろ」
男の娘「大丈夫だよ。ボクとお兄さんで丁度いいくらいだから。それかボクが床で寝るよ」
男「お前だとそれこそ風邪ひくわ。いいから大人しく寝ろ」
男の娘「せっかくお母様が気を利かせてくれたのに」
男「何を話したら気を利かせてドアノブ壊すんだよ」
男の娘「話したのはボクの両親のことなんだけどね」
男「え……?」
男の娘「ちょっとお兄さんが羨ましいかな。お母様が母親で」
男「……」
男の娘「でもボク、今とっても幸せだよ。お母様、妹ちゃん、友くんや小ちゃん、店長にチーフにBさん……それから」
にこっ
男の娘「お兄さんと一緒にいられるもん」
男「そ、そりゃ良かったな」
男の娘「全部お兄さんのおかげだね。感謝してます」
男「別に俺のおかげじゃ」
大好きだよ
男「―っ!」カァァ!
男の娘「もう寝ようか。寒くなったらいつでも入ってきていいからね」
男「早く寝ろ!」
男の娘「はーい。おやすみ」
男(……………うるせぇぞ、心臓)
125:
お兄さん
男「……朝か。今起きるよ」
あのね、ボクもう行かなくちゃいけないの
男「バイトなら同じ時間なんだから別々に行く必要ないだろ」
ううん。違うの
男「なんだ。じゃあ買い物か?」
行くのはね、遠いところ
男「は……?」
ごめんね
男「おい、待てよ!なにわけのわかんねーこと」
さよなら
ガバッ!
男「………まぁ、そりゃ夢だよな」
男の娘「うー……すぅー……」ムニャムニャ
男「お前が来てから変な夢見るようになっちまったじゃねーか」ツンツン
男の娘「ん?……ん?」パチッ
男「あ」
男の娘「……寝たふりした方が良かった?」ドキドキ
男「しなくていい」
コッケコッコー!
母「近所に鶏なんかいたっけ?」
妹「どっかから逃げてきたのが、ここら辺に住み着いたみたいだよ」
母「野生化してるのか。根性あるね」
妹「野良犬ぐらいなら返り討ちにするらしいからね」
男の娘「おはようございまーす」
男「夜中に騒ぐと近所迷惑だぞ」
母「妹ったら激しくて」
妹「お願いだから黙って」
母「で、そっちはどうだったの?」キラキラ
男の娘「お兄さんってばすごく大きかったです」ポッ
男「いびきのことなら謝る。それ以外なら殴る」
母「チッ、根性なしめ」
男「野郎二人でなにが起きるっていうんだ」
母「ま、ゆったり待つとしますか。男の娘ちゃん、私は応援するから!」
男の娘「ありがとうお母様!」
妹「させるもんですか……!」
男「バイトの準備しよ」
126:
母「さて、私もお仕事行きますか」
妹「今度はいつ帰るの?」
母「今日」
男「またえらく早いな」
母「近くの仕事だから少しの間は帰って来れるのよ」
男の娘「お母様、これどうぞ」
母「こ、これは手作り弁当…!?」
男の娘「お仕事頑張って下さい」
母「あー、男じゃなくて私の嫁にしたいわー」ギュウウ
男「嫁じゃなくて婿な。あと女装趣味で年下の父親とか勘弁だわ」
妹「みんな行くよ。遅刻しちゃう」
男「……」
男の娘「ん?どうしたの?」
男「お前、家を出るつもりあるか?」
男の娘「今のところ無いけど」
男「……そうか」
男の娘「出て行ってほしいの?」
男「気になっただけだ」
男の娘「変なお兄さん」
男(……確かに変かもな。今の日常が続くってわかっただけなのに)
男の娘「ほら、早く行こう」
男(なんでこんな、嬉しいんだろうな)
?「やっと見つけた」
134:
ファミレス
男の娘「いらっしゃいませ。一名でよろしいでしょうか?」
小女「……」
男の娘「お客様?」
男(ん?また変な奴でも来たのか…?)
男の娘「どうかなされ」
ぐいっ
男「!!」
小女「どー見ても女だよなぁ……」
男の娘「お、お客様」
少女「ああ悪い。ちょっと確かめたくてね」
男(確かめる?)
少女「ちょっと話ししない。ああ、勿論ここでご飯食べながらでいいからさ」
男の娘「あの、ボクお仕事があるんで」
少女「じゃあ上がりの時間教えて。姉さん」
男の娘「え?」
男(姉さん…!?)
夕方
男の娘「ボクの妹…?」
少女「歳は一緒だけどね。そっちは不倫相手、アタシは本妻の子供。いわゆる異母姉妹……いや兄妹か」
男の娘「ボクが男だって知ってるんだ」
少女「そりゃ捜したんだから当然じゃん」
男の娘「どうしてボクに会いに?」
少女「別に。なんとなくかな」
男の娘「なんとなく……ね」
少女「お互い苦労するね。あんな糞親父に人生メチャクチャにされかけて」
男の娘「ボクは、あの人の顔も知らないから」
少女「あの野郎、自分の子供に会おうともしなかったのか………まあそれは置いておいて。話は変わるけどさ」
男「………」
少年「どうしてお兄さんがいるの?」
男「俺に聞かれても……」
男の娘「ボクこのお兄さんの家に住んでるから、ある程度の事情は知ってもらおうと思って」
少女「ふーん。彼氏?」
男「こいつが男だと知ってるのにその発言はどうなの?」
少女「いんじゃない?アタシは年上の彼女いるし」
男の娘「いくつ?」
少女「23だったかな」
男の娘「お兄さんと同い年だね」
男「いらない。そんな所で共通点いらない」
135:
少女「でも姉さんが良い人で良かったよ。なぜかアタシらの血の繋がりは糞ったれの人間ばっかだからね」
男の娘「少女ちゃん。ちょっとお口悪いよ」
少女「あーやめて。あいつみたいなこと言わないで」
男の娘「あいつって彼女さん?」
少女「言葉遣いが悪い。ガサツ過ぎるだのちょっとうるさいんだよ」
男の娘「でも大好きなんだよね」
少女「う……まぁ、な。 あいつのおかげで、アタシは親父や母さんみたいにならなくて済んだから」
男(この顔……どこかで)
大好きだよ
男「べぇっくしょい」スパーン!
男の娘「また反動!?」
男「すまん。鼻かんでくる」スタタッ
少女「変な奴だな。突然自分にビンタするなんて」
男の娘「まぁ……でも良い人だよ」
少女「姉さんが言うなら、間違いないかもね」
女「……少女?」
少女「え、女?なんでここに」
女「仕事が早く終わって帰ろうと思ったら……外からあなたが見えて」
男の娘(この人が少女ちゃんの彼女さん。真面目そうな人だな)
少女「なんだよ。電話くれたら迎えに」
女「捨てないで!!」
少女「は?」
男の娘「え?」
女「歳が近い子の方が良いのはわかるけど、お願いだから私を捨てないでー!!」ガシッ
少女「ちょ、なに勘違いしてんだ。この人は」
女「うぇーん!!」
少女「ああ泣くな!そしてしがみつくな!!」
女「お説教もしないからぁー!!」
少女「それは嬉しいけど話聞け!この人がアタシの兄さんなんだよ!」
女「ふぇ……?」
男の娘「こんにちは。とりあえず、一旦座って下さい」
女「ひゃい……」
男の娘(真面目そうだけど……ちょっと重いかも)
136:
女「失礼しました……てっきり少女が浮気してるのかと」
少女「どんだけ信用ねぇんだアタシは」
女「だってこんな可愛い子が例のお兄さんだなんて思わないじゃない……」ぐすっ
少女「だからって大泣きする奴が」
男の娘「まぁまぁ。それだけ少女ちゃんが大好きなんだよ」
少女「うっ……」カアア
男の娘(あ。ちょっとお兄さんに似てる)
男「ただい……(増えてる……)」
男の娘「お兄さん、この人がさっき話してた少女ちゃんの彼女の女さん」
男「どうも……」
女「こ、こんにちは」
男の娘「女さん。この人はボクの彼氏の男さん」
女「彼氏……あっ」
男「なにを察したかは聞きませんが、違いますから」
少女「それじゃあ姉さん。また会おうね」
男の娘「うん。いつでも電話してきてね」
女「酷いよ少女……全部私に奢らせるなんて」
少女「アタシを疑った罰だ」
女「ううっ……」
少女「ああもう泣くなって。ほら、さっさと帰るぞ」ギュッ
女「あわわ!?」ボッ!
少女「じゃあまたねー。お兄さん、姉さんと幸せにね」
男「それ使い道おかしくね?」
男の娘「バイバーイ」
男「俺達も帰るか」
男の娘「ボクたちも手を繋ごうよ」
男「断る」
男の娘「ぶーっ。お兄さんのケチー」
男「お前ら兄妹は言葉の使い方間違えすぎだろ」
男の娘「兄妹か……フフッ」
男「なに笑ってんだ?」
男の娘「ボク、一人じゃないんだって思ったら嬉しくて」
男「何言ってんだよ。俺がいるから一人じゃないだろ」
男の娘「え?」
男「っ!?」バッ!
男の娘「ねね、今のプロポーズ?それとも告白!?」
男「違うわ!というかどっちも同じじゃねーか!」
男の娘「もう一回言って!今度はちゃんとこっち向いて、目と目が逢う瞬間に!」
男「絶対言わねぇ!!」
140:
妹「……」もぐもぐ
男の娘「あーん」
男「いらん、自分で食う」
男の娘「いいじゃんいいじゃん」
男「良くない。ったく」パクッ
妹(なぜ食べたー!!)ミシミシッ
母「箸折っちゃだめよー」ムシャムシャ
妹「お兄ちゃん!!」ダンッ!
男「な、どうした?」
妹「最近のお兄ちゃんは男の娘ちゃんに甘過ぎだと思います」
男「どこが?」
妹「今よ今。いつもなら無視か小突くかなのに何で受け入れてるのよ」
男「なんかめんどくさくて」
妹「甘やかしてはいけません!」
男の娘「妹ちゃんもお兄さんにやる?」
妹「やる!……ってちがーう!!というかその余裕っぷりが腹立つー!!こうなったら勝負よ男の娘ちゃ」
母「食べないならお母さん食べちゃうよ」ひょい
妹「ああ!!お母さん!!」
男の娘「ボクのあげるよ。それでなにで勝負するの?」
妹「それはもちろん」グッ
男「なんでもいいけど喧嘩はやめろよ。女の子が顔に傷が付いたら大変だろ」
妹「え!?あ、当たり前じゃない。そんな暴力的なことしないよ」サッ
母(この子ってこういところで妹を止めるの上手いわよね)パクパク
妹「勝負の内容は……えーっと」
母「男をどれだけ喜ばせるかやってみたらー」モリモリ
男の娘「悦ばせるなんて、お母様ったら」ポッ
男「妹の勝ち」
男の娘「戦わずに!?」
妹「い、いいわ。それでやってやろうじゃない」
母「恋に燃える女の子……若いわねー」バクバク
男「なんでもいいがどんだけ食う気だ」
144:
友「ああ、わかった。また頼むよ」ピッ
ピンポーン
男「開けてくれ。俺だ」
友「開いてる。勝手には入れ」
男「突然ごめん。ちょっと匿って」ガチャ
友「あとでプリン買って来いよ」
男「何個でも買うから頼む」
ピンポーン
男「もう来たか…!」
友「靴持ってソファーの後ろに隠れてろ」
ガチャ
妹「友くん!お兄ちゃん来なかった!?」
友「来たけど追い返した。悪いけど、これから仕事だから」
妹「そう…ありがと!」ダッ
バタン
友「なにやらかした」
男「俺が悪いの前提かよ」
友「違うのか?」
男「被害者だ」
かくかくしかじか
友「それで、なんで逃げる必要がある?」
男「最初は料理とか遊びとかで勝負してたんだけど、途中から方向性が怪しくなってきて」
友「どんな風に?」
男「肩を揉むと称してボディタッチしてきたり、背中を流すと風呂場に乱入、揚句は添い寝するとか言い始めてな……」
友「そうか」ゲシッ!
男「なんで蹴った!?」
友「ケツに虫が付いてたぞ」
男「虫にまで狙われてんのかよ……」
友「それはそうと、報酬のプリン買って来い。五個な」
男「今!?まだいるかもしれないだろ!」
友「今すぐ食いたい。いかなければこのボタンを押さざる得ない」
男「わかった!わかったから携帯をしまえ!」
友「さっさと行け」
男「お前、たまに鬼だよな」
友「安心しろ。一定の条件のもとだ」
145:
妹「おにーちゃーん!どこー!」
男の娘「お兄さんいた?」
妹「……」フルフル
男の娘「そっか。どこ行っちゃったんだろうねぇ」
妹「……ううっ」
男の娘「妹ちゃん?」
妹「男の娘ちゃんのせいだ!!私からお兄ちゃん取ろうとするからこんな事になったんだ!!」
男の娘「だ、大丈夫だよ!すぐ帰って来るよ!」
妹「うるさい!!」ドンッ!
男の娘「きゃっ!」
妹「あっ……」
男の娘「いたた……」
男「男の娘!」
妹「お兄ちゃん……!?」
男「大丈夫か?」
男の娘「平気平気」
男「突き飛ばしたりしたら危ないだろ!」
妹「っ…!」ビクッ!
男の娘「お兄さん、ちょっと転んだだけだから」
男「そういう問題じゃなくて」
妹「ふええええええええええん!!!お兄ちゃんに嫌われたあああああああ!!!」
男「どわっ!?」
男の娘「あわわわ」
妹「ふえええええん!!」
男の娘「お兄さん!謝って謝って!」
男「え!?俺が悪いの!?」
男の娘「早く!」
男「ああ、ごめんって。もう怒ってないから、な? 怒鳴ったりして悪かったよ」ナデナデ
妹「うわあああん!!」
146:
母「へぇ、あの子が大泣きしたんだ」
男の娘「お兄さんに嫌われたと思ってビックリしちゃったみたいです」
母「変な所で脆いからねー」
男の娘「妹ちゃんは本当にお兄さんが好きなんですね」
母「私的には別の人を好きになって欲しいんだけどね」
男の娘「やっぱりお母様は兄妹の恋愛には反対ですか?」
母「いんや。正直な所反対じゃない」
男の娘「じゃあ、どうしてです?」
母「男にその気がないから。相思相愛なら世間に何を言われようとも二人を応援したけどね」
男「なに話してるんだ?」
母「男の娘ちゃんの大きさについて」
男の娘「え!?」
母「私じゃ犯罪になるから、あんたちょっと見て教えて」
男「なんのプレイだよ」
男の娘「ど、どうぞ!」
男「いや、そんな顔赤くされても見ないからね?」
母「というか、あんたこそどこ行く気?」
男「友の所。妹が起きたら教えといて」
母「はいよー」
男の娘「付いて行っていい?」
男「いいけど、用事が終わったらすぐ帰るからな」
母「いってらっしゃーい」ひらひら
バタン
母「で、あんたはどこ行く気?」
妹「」ギクッ
母「今日はもう外出禁止。男の娘ちゃんを突き飛ばした罰よ」
妹「………私だけ悪者扱いするんだ」
母「拗ねないでこっち来な」
妹「……」
母「怒られた時、怖かった?」
妹「そりゃ怖いよ……お兄ちゃんに嫌われたと思ったもん……」
母「あんた男に怒られたの初めてじゃない?」
妹「そうかも」
母「諦めるつもりはない?」
妹「絶対に諦めない。お兄ちゃんは私のだもん」
母「好き過ぎてあの子のこと刺しちゃダメよ」
妹「そんなことしません」
母「ヤンデレというのがあってね」
妹「説明しなくていいです」
147:
友「やっと買ってきたか」
男「十個買ってきたから勘弁して」
友「で、結局問題は解決したのか?」
男「なんとか…」
男の娘「妹ちゃんが大泣きして大変だったんだよ」
友「あいつが大泣き…?」ピクッ
男「ちょっとどなったら驚かせちまったみたいで」
友「ふーん……そうか」
男の娘(あ、友くんの目が鋭くなった)
男「それじゃあ帰るよ。面倒持ち込んで悪かった」
友「気にするな」ヒュンヒュン!
男「なんでハエ叩き振り回してんだ?」
友「気にするな」
男「そうか……じゃあまた今度」
友「気を付けて帰れよ」
男の娘「お邪魔しました」
ガチャ
友「あ、虫」スパァン!
男「アーッ!」
男の娘(友くんってやっぱり妹ちゃんのこと好きなんだな)
男「わざとだろ!?わざとやってるだろ!?」
友「虫からケツを守った友人に対する台詞がそれか」
男「お前の方が危ないわ!!」
158:
男の娘「ふぁ?、朝ごはん作らなきゃ……」ムニャムニャ
男「おはよう」
男の娘「あれ?お休みなのに早起きなんて珍しいね」
男「ダチに会いに秋葉に行くんだ」
男の娘「エッチなゲームでも買うの?」
男「買ったとしてもお前のせいでやる暇がねぇよ」
男の娘「それって、まさかボクをオカズに」
男「騒がしいって意味の皮肉だ」
男の娘「ちぇー。まぁボクはお兄さんでしてるけどね」
男「……」←前の事を思い出した
男の娘「お兄さん?」
ベシッ!
男「いってきます」
男の娘「いってらっしゃーい……」ヒリヒリ
コケコッコー!
男の娘「というわけで、今日は妹ちゃんと二人っきりなの」
鶏「コッケー」
妹「何してるの?」
男の娘「鶏さんにご挨拶」
鶏「コケコー」
妹「近所で噂の……エサあげちゃダメだよ。懐かれても困るから」
鶏「コッケー!」バサッ!
男の娘「施しは受けぬ! だって」
妹「男らしい!ていうかわかるんだ!」
男の娘「妹ちゃんもどこか出掛けるの?」
妹「いや、別に予定はないけど」
男の娘「そっか。じゃあ今日は二人だけだね」
妹「そう、ね……」
159:
男の娘「フフーン♪」パタパタ
妹「お、男の娘ちゃん……」
男の娘「なに?」
妹「その、この間は無茶苦茶言ったり、突き飛ばしたりしてごめん……」
男の娘「気にしてないよ。ボクの方こそ妹ちゃんもお兄さんが好きだって知ってるのにいつも無神経だったね」
妹「男の娘ちゃんは、お兄ちゃんのどこが好きなの?」
男の娘「全部だよ。ちょっと冷たくても優しいところとか、照れ屋さんでカッコ可愛いところとか」
妹「中々わかってるわね」
男の娘「妹ちゃんは?」
妹「私も全部だけど……一つだけ挙げるなら、私を女の子扱いしてくれるところかな」
男の娘「?」
妹「私って小さい頃から力が強くてさ。男の子と喧嘩なんてしょっちゅうやってたの」
ガサガサッ
妹「あ、このアルバムだ。これが小さい頃の私とお兄ちゃん」パラッ
男の娘「わぁー!可愛い!いくつ?」
妹「6歳と12歳。私の体、生傷と絆創膏だらけで男の子みたいでしょ?」
男の娘「たくさん喧嘩したんだね」
妹「この頃にあることが切っ掛けでお兄ちゃんを好きになったの」
男の娘「どんな切っ掛け?」ワクワク
妹「お兄ちゃんと一緒に出掛けてたら中学生が金寄こせって絡んできてね。断ったらお兄ちゃん殴られちゃってさ」
男の娘「ど、どうなったの……?」
妹「お兄ちゃんも殴り返したけど歯が立たなくてボッコボコ。でも私を守る為にフラフラになりながらも何度も立ち上がってね」
男の娘「その時にお兄さんを好きになったんだ」
妹「ううん。その時の私は弱いくせに何してるんだろうって冷めた思考でお兄ちゃんを見下してたの」
男の娘「6歳とは思えない手厳しさ」
妹「結局、最後は気絶したお兄ちゃんの代わりに私が中学生をゴミ箱に捨てたわ」
男の娘「ゴミ箱!?」
妹「で、こっからが大事。病院に運ばれて無事意識を取り戻したお兄ちゃんに、何気なく『痛い?』って聞いたの。そしたら」
男『痛いけど、可愛い女の子守れたから平気』
妹「って、お兄ちゃん笑ったのよ」
男の娘「な、なんか聞いてるこっちが恥ずかしくなるね」プシュー
妹「我慢して。話してる私はもっと恥ずかしいから」プシュー
パタン
妹「それから喧嘩はやめたわ。女の子らしく料理もオシャレも沢山勉強した。お兄ちゃんに好きになってもらう為に」
160:
妹「だから貴方にハッキリ伝える。私はお兄ちゃんが好き。貴方に譲る気も負ける気も無い」
男の娘「……うん。わかったよ」
妹「で、でも勘違いしないでね。男の娘ちゃんのこと…その、嫌いってわけじゃないから」
男の娘「ボクも妹ちゃんのこと好きだよ」ニコッ
妹「す、好きとは言ってない!」プイッ
男の娘「もちろん、お兄さんの次ぐらいに」
妹「むっ、私だってお兄ちゃんが一番好きなんだから!」
男の娘「フフッ」
妹「プッ」
男の娘「なんかおかしいね。ライバルなのに」
妹「でもこっちの方が気が楽でいいね」
鶏「コケー」
男の娘「あ、鶏さん」
妹「また遊びに来た……ひっ!?」
男の娘「あ、今日のご飯はバッタなんだね」
鶏「コケー」
妹「いやぁー!どっか行って食べてよ!」
男の娘「虫嫌いなの?」
妹「嫌いじゃなくても食べられる所なんか見たく……いやぁああ!足動いてるー!」
鶏「コッケコー」ムシャムシャ
妹「いやぁー!!」
ガチャ
友「お邪魔するよ。ケーキ貰ったから分けに」
妹「終わった…? もう終わった……?」ギュウウ
男の娘「まだだよー」ポンポン
友「……」
男の娘「あ、友くん。いらっしゃい」
友「これ、ケーキ。みんなで食べて。それじゃ」
男の娘「え?もう帰……あ、違うの友くん。これは」
バタン
男の娘(あちゃ……悪いことしちゃったな)
妹「ま、まだなのぉ?……」ガクガク
鶏「コケー」ゲプッ
172:
秋葉原
女「男さーん」
男「お久しぶりです」
女「わざわざ遠いところかすみません」
男「いえ、これくらい。それで俺に見せたいものって何ですか?」
女「あの子たちへのプレゼントです」
男「プレゼント?」
女「はい。電話やメールのやり取りでわかったんですが、少女と男の娘ちゃんの意外な共通点が見つかりましてね」
男「というと?」
女「可愛い洋服が大好きなんです」
男「……わざわざ秋葉に来るって事は、普通の可愛い服ではないんですね」
女「ええ。一癖も二癖もあるもの……それも着る本人も超絶可愛くないとまず着こなせないもの」
男「まさか……」
女「メイド服です」
男「それなら、あいつ一着持ってますよ」
女「どんなのです?」
男「えっと、黒で前掛けがあって、スカートが長めの」
女「オーソドックスタイプですか。確かに男の娘ちゃんなら持ってても不思議ではないですね」
男(なんでこんなに詳しいんだこの人…)
女「私たちが買うのはそれを超えてますよ」
男「え?」
女「これです」
男「あの、女さん」
女「何ですか」
男「これってメイド服ですか?」
女「そうです」
男「なんで肩とおへそが出てるんですか?」
女「エロスです」
男「なんでミニスカなんですか?」
女「チラリズムです」
男「なんでピンク色なんですか?」
女「萌えです」
男「これを買うんですか?」
女「もちろんです」
男「帰っていいですか?」
女「ダメです」
173:
\ありがとうございましたー/
男「レジの姉ちゃんに絶対変態だと思われた……」ズーン
女「大丈夫です。こんな所で働いてるんですから理解ありますよ」
男「それフォローになってないですよ…」
女「せっかくだから遊んでいきますか?」
男「構いませんけど」
女「では行きましょう」
男「そういば、女さんって少女といつから付き合ってるんですか?」
女「去年の冬です。一緒に住む際に私から告白したんです」
男「え?少女ちゃんからじゃないんですか?」
女「はい。私からです。あ、別に女性だけしか好きになれないとかじゃないですよ。初恋もちゃんと男の人でした」
男「抵抗は無かったんですか……同性を好きになることに」
女「もちろんありましたけど、自分に嘘ついてまで生きるの苦手ですから」
男「自分に嘘…ですか」
女「男さんもそうした方がきっと楽ですよ」
男「お、俺は別にそんな気持ちは」
女「やっぱり」
男「え?」
女「男さん。あそこのお店行ってみましょう」
男「あ、はい」
夕方
男「ただいま」
男の娘「おかえり」
男「これ。女さんから」
男の娘「わぁー。何だろう?」
男「ちょっと疲れたから寝るわ」
男の娘「ご飯は?」
男「起きて自分で作るからいい」
男の娘「わかった」
 
ボフン 
男(楽しかったけど……なんかモヤモヤするな……)
女『やっぱり』
男(やっぱりってなんだ? 女さんは俺が男の娘を好きだと思ってるのか?)
女『男さんもそうした方がきっと楽ですよ』
男(楽も何も俺はあいつのこと好きでもなんでもないって。あいつが女だったらもしかしたかもしれないけど……けどあいつは男だし)
女『もちろんありましたけど、自分に嘘ついてまで生きるの苦手ですから』
男(別に嘘なんか……ついて……もういいや……寝よ……)
175:
男の娘『好きだよ。お兄さん』
パチッ
男「……また夢か。医者に行った方がいいかな」
男の娘「悪い夢でもみたの?」
男「うお!?」
男の娘「おはよう」
男「お前はまた忍び込んで……って、さっそく着たのかよ」
男の娘「ちょっと恥ずかしいけど、似合うかな?」
男「無駄にな」
男の娘「ムラムラした?」
男「しない」
男の娘「御奉仕いたしますよ買主さま」
男「あったなそんな設定」
男の娘「設定じゃなくて、お兄さんはボクの買主さまなんだよ」
男「早くベッドから出ろ」
男の娘「つれないなーお兄さんは」
男「………」
ぐいっ
男の娘「え?」ドサッ
男「お前、本当に力弱いな」
男の娘「お、お兄さん…?」
男「髪さらさらだな」サラッ
男の娘「ひゃ…!?」
男「どうした?」
男の娘「お、お兄さんこそどうしたの…? 急にこんなこと」
男「なんだよ。誘ったのはお前だろ?」
男の娘「そうだけど……」
男「この服って『する』時に便利だよな」
男の娘「……!」
男「目、少しだけ閉じてろ」
男の娘「え…?」
男「買主さまの命令だ」
男の娘「……はい」
男「………」
男の娘「……」ドクンドクン
スッ
176:
ムニー
男の娘「ふぇ?」
男「冗談だ」
男の娘「ふ、ふぇええええ!?」
男「いつもからかってるお返しでしたー」
男の娘「そ、そんなぁー…」
男「残念がるな。あとマジで命令聞くなよ」
男の娘「だって目が本気だったんだから」
男「んなわけあるか。ほら、さっさと出た」
男の娘「ねー、しようよー」
男「断固として断る」
男の娘「じゃあボクのこの身体の疼きはどうすれば」
男「知らん」
男の娘「お兄さんのいじわる……いいもん。ここでお兄さんを感じながら一人でするもん」
男「簀巻きにして捨ててやろうか」
男の娘「むぅー……わかったよ。大人しく帰りますよーだ」
男「おいコラ。さりげなくシャツ一枚パクってんじゃねぇぞ」
男の娘「じゃあパンツで」
男「出てけ」
バタン
男(……バカか俺……なにしようとしてんだよ)
男の娘(……ちょっとびっくりしちゃった)
186:
コッケコッコー!
男「……」
\イカクセェ/
男「やっちまった……」
ゴゥンゴゥンゴゥン
男(溜まってたのかな……そういえばアイツが来てから警戒して一度も抜いてなかったし……)
男「こんな時に限って夢見ないし」
男の娘「洗濯機の前で何してるの?」
男「ッ――!?」ドキーン!
男の娘「お兄さんって時々すごい失礼な反応するよね」
男「と、突然現れたらビックリするわ」
男の娘「突然なんか……ん?」クンクン
男「!!」
男の娘「お兄さん、もしかして夢精」
男「わー!」ガバッ!
男の娘「ん!?」
男「それ以上何もいうな。わかったな」
男の娘「んん」コクコク
男「ああ……よりにもよって一番知られたくない奴に……」
男の娘「まーまー、男同士なんだし」
男「それでも嫌だわ」
男の娘「ボクのこと使ってもいいのに」
男「何も言うなといっただろうが」
男の娘「わかりましたー。ところでお兄さん」
男「なんだ?」
男の娘「洗濯してから手洗った?」
男「あ……」
男の娘「それでボクの口塞いだんだ」
男「す、すまん!すぐにタオル持ってきて」
男の娘「んっ」ペロッ
男「は!?」
男の娘「口止め料いただきました」
男「き、気色悪いことすんなドアホー!!」ゲシッ!
男の娘「ひゃん!」
187:
ファミレス
男「ったくあのバカは……」
B「また男の娘か。今度は何されたんだ?」
男「いや別にされたってわけでは無いんですけど……」
B「したのか」
男「してません」
A「はいはい。そこまでにしてさっさと開店準備しちゃって下さい」
B「Aだって気になるくせに」
A「店長にチクりますよ」
B「あー仕込みやってなかった(棒)」
A「男。そういえば店長が捜してたよ」
男「え、はい。わかりました」
事務室
男「俺がチーフに?」
店長「今の所AとBに近いくらい仕事できるのはアンタと男の娘ちゃんの二人だからね。でも男の娘ちゃんはもう少し経験積ませたいから、アンタだけでも上げようと思って」
男「でも俺、無断欠勤が」
店長「病欠なんだから仕方ないでしょうが。それともチーフやるの嫌ってこと?」
男「全然そんなことは」
店長「じゃあ決まり。今度試験受けさせるからマニュアルしっかり復習しときなさい」
男「承りました」

男の娘「お兄さん昇格おめでとー!」
男「そんな騒ぐほどのことじゃ」
母「でも良かったじゃない。そのまま就職ちゃえば?」
男「それもいいかな。店長の所なら損はしないだろうし」
妹「チェーン店だしその内店長になったりして」
男の娘「お兄さんが店長さん……閉店後のお店で……キャーッ」
男「どんな展開だ」
男の娘「誰もいないホールで開放感を覚えて」
男「説明しなくていい」
215:
男の娘「休みが取れたからみんなで海に来たよー!」
少年「おー!」
男「騒ぐな。あと誰に説明してるんだ」
友「ホテルに車停めてくる」
男「悪いな。足みたいに使っちまって」
友「かき氷な」
男「俺の謝罪返せ」
ブロロロロッ
男の娘「お母様や妹ちゃんも一緒に来れればよかったね」
男「後から来るから適当に時間つぶしとくか」
男の娘「遊ぶぞー!」
男「お前テンション高いな」
男の娘「海来るの初めてなんだ」
少年「早く入ろうぜ」
男「待ってるからそこの岩場で着替えて来い」
少年「おー」
男の娘「お兄さんは着替えないの?」
男「めんどくさいから先に下に着てきた」
男の娘「ちぇー。せっかく一緒に着替えれると思ったのに」
男「それを見越した上でだ」
男の娘「見たい?」チラッ
男「とっとといけ」
男の娘「つれないなー」トボトボ
男「………にしても暑いな。日焼け止め買っておいて正解だった」
216:
あ、小ちゃんストップ。
? なんだよ姉ちゃ……
この日の為に買ってきたんだよ?
男「あいつらおせーな……」
男の娘「お待たせ?」
男「おう……って、やっぱり女物なのか」
男の娘「キュロットスカートだから見える心配もないよ」
男「だったら普通に男物にしろよ」
男の娘「可愛いって言ってくれたっていいじゃん。おへそも出したのにー」ブーッ
男「はいはい可愛い可愛い。あれ、小は?」
少年「……」コソッ
男「何してんだお前?」
男の娘「ほら小ちゃん」グイッ
少年「ちょ、わっ」
男「なんだ。タンクトップ着てんのかよ」
少年「ひ、日焼けしたくないから……」
男「派手な色だな」
男の娘(タンクトップじゃなくてフィットネス水着なんだけどね。女の子用の)
少年「は、はやく遊ぼうぜ!」
男の娘「あ、そうだ。小ちゃん」
少年「今度はなん」
パチッ
男の娘「うん。似合ってる」
少年「へ、ヘアピンなんか付けなくても」
男の娘「可愛いからいいの」
少年「かわっ……!!」
男の娘「お兄さんもそう思うでしょ?」
男「ん? んー……」
少年「な、なんだよ。変なら変て言えよ」
男「別に変じゃないけど、ただなんか思い出しそうな……」
少年「思いだす……」
男『パンツ……おま……それ』
小年『ッ―!!』カァァ!
少年「わああああああ!!」ゲシッ!
男「痛ってぇ!!?」
少年「バカバカ!男兄の変態!ドスケベホモ野郎ぉぉおおおお!!」ダーッ!
男「待てやこのクソガキィィイイイ!!」
男の娘「あわわ!置いてかないでー!!」
232:
男の娘「あはは、冷たーい♪」バシャバシャ!
男「おい、体ほぐさないと溺れるぞ」
男の娘「大丈夫、きゃ!?」ツルッ
ガシッ!
男「言った傍からこれだ」
男の娘「ありがとう、お兄さん」ニコッ
少年「姉ちゃん。あっちで遊具貸してくれるってさ」
男の娘「ホント? 借りよう借りよう」
男「ったく……」
チラッ チラッ
モブ「可愛いなあの子」
チャラ男「っべー。マジタイプ」
デブ「隣の小学生の方が」
モブ「もしもし警察ですか?」
男(しかし、男の視線が集まるな……残念だがお前らが見てるのは男だぞ)
男の娘「お兄さんも行こうよ」
男(まぁ、一目見ただけじゃわかるわけねーか)
男の娘「あ」
男「どした?」
男の娘「お金持ってなかった……」
男「そんくらい出してやるよ」
男の娘「後で返すね」
男「いいよそんなの」
男の娘「では身体でお支払いを」
男「砂浜に埋めるぞ」
235:
ポーン
男「よっと」
少年「おら!」
男の娘「それ!」
男「あ」スカッ
男の娘「お兄さんの負けー♪」
少年「アイスなー」
男「飯代で金がなくなりそう」
友「待たせた」
母「ヒャッハー!遅れちゃってごめんねー!」ボイーン!
妹「やっとこれたよ」ボイン
オオオオオオ!!
友「……」ギロッ
………
男(ん? 視線が散った?)
男の娘(友くんって焼きもち屋さんだね)
妹「……」
男の娘「?」スラーッ
妹「フッ……」ボイン
男の娘「むっ」
母「そんな所で男の娘ちゃんに勝った気になるんじゃないの」
男「母さんたち迎えに行ったのか?」
友「偶々そこで会ってな」
母「遊ぶわよー!!」バルンバルン!
男「はしゃぐな37歳児!!」
236:
少年「なんだこれ?」
母「ナマコね」
妹「気持ち悪い……」
母「ちなみにこうやって押すと」
うにゅううううう???!!
妹「いやぁあああああああ!!」
男の娘「大食い大会なんてあるんだ」
友「今回はホットドックか」
男の娘「出るの?」
友「まあ、毎年出てるし」
男「焼きそばだっけ?50食いったの」
友「あれは美味かったな」
男の娘「意外と食べるね」
夕方
妹「楽しかったね」
母「ホントねー。こんなに遊んだのは久しぶりだわ」
少年「zZZ」
妹「小ちゃん寝ちゃった」
男「ホントにガキだなこいつ」
少年「うるへー……zZZ」
妹「寝ながら怒ってる」クスッ
母「よっと。うーんいい重さ。やっぱり子供はこれ位の歳が可愛いわ?」スリスリ
ブロロロッ
友「待たせた」
妹「近くに駐車場無いと不便だね」
友「男が飯奢ってくれるから安いもんだ」
男「お前俺に何回奢らせる気だ」
友「地獄の淵が見えるまで……限度いっぱいまでいく…!」ざわざわ……
男「ざわざわすんな」
友「そういや、男の娘は?」
男「ちょっと前にトイレに行った」
母「アンタ迎え行ってきなさい」
男「なんで俺が」
母「お母さんたち男子トイレ入れないでしょ」
妹「でも男の娘ちゃんてどっちなんだろう」
友「確かに」
母「ついでに確認宜しく」
男「宜しくじゃねぇよ」
237:
男子トイレ
男の娘(楽しいな。つい最近までのことが悪い夢だったみたい)ガチャ
モブ「え?あれ!?」
男の娘「あ、ボク男ですからトイレ間違ってませんよ」
モブ「あ……は、はい……え?」
男の娘(驚かせちゃったな。でも女子トイレに行くわけにもいかないし……お兄さんなら何て言うんだろ。後で聞いてみよう)
男「こっちだったか」
男の娘「あ、お兄さん」
男「友が来たから、早く行くぞ」
男の娘「うん」
テクテク
男の娘「ねーお兄さん」
男「なんだ」
男の娘「明日はどこに行くの?」
男「この近くでやる祭だ」
男の娘「それじゃあ浴衣用意しないと」
男「別に着なくてもいいだろ」
男の娘「お兄さんはボクの浴衣姿見たくないの?」
男「毎度言うが男の見たってな」
ヒュゥ????!
男「ん?」
男の娘「あ」
パァン!!
男「花火か」
男の娘「綺麗……」
男「……」
男の娘「ほら、ここはすかさずお前の方が綺麗だよってお決まりの台詞を」
男「言うか。いつの時代だ」
男の娘「じゃあ、手、繋ごう」
男「何でだよ」
男の娘「いいからいいから」ギュッ
男「お前なぁ……」
男の娘「来年も来ようね」
男「………はいよ」
?「残念ですが。もう来れませんわ」
男「は?」
ゴッ!!!!
238:
男「う……ううん……?」
男の娘「お兄さん!」
男「男の娘……?」
男の娘「良かった…起きてよかった……」グスッ
男「お、おい。なんでないて」
?「あら、起きましたの」
男「!」
お嬢様「全く。あの程度でいつまで寝ている気ですの」
男「なんだお前……」
お嬢様「私(わたくし)は男の娘さんの婚約者です」
男「……は?」
お嬢様「まぁ。これが俗にいうアホ面というものですか」
男の娘「お兄さんのこと悪く言わないで」
男(どういう状況だ……ってかここどこだ?)
男の娘「あの人が決めたことなんて今更ボクには関係ないよ。早くここから出して」
お嬢様「お断りしますわ。あなたが私と婚約するというならそこの方だけはお返ししますが」
男の娘「……」プイッ
お嬢様「強情な方……いいですわ。時間はあります。ゆっくりお考え下さい」
バタン
男「……監禁されてんのか」
男の娘「ごめんね……変な事に巻き込んじゃって」
男「それはいいけどよ、お前婚約者なんていたんだな」
男の娘「ボクの知らない所で勝手に話が進んでたみたい……あの人たちはいつも勝手すぎるよ……」
男「そうだな……ん?」
男の娘「まだ痛い?」
男「いや、なんでもない。それより、お前は大丈夫か?」
男の娘「ボクは大丈夫。ホントに大丈夫?」
男「昔にこれ以上にボコられたからな」
男の娘「ごめん……」
男「気にすんなって言ってるだろ」わしゃわしゃ
男の娘「うん……」
男(しかしどうするかな……窓はあるけど景色からしてここは10階ぐらい。当然の如く携帯も取られてる……それに)
お嬢様『男の娘さんの婚約者です』
男(監禁して殺人犯の息子に婚約を迫る理由がわからないのは恐いな)
男の娘「お兄さん……?」
男(なんでもいい。とにかく、ここから逃げ出さないとな)
239:
母「という感じで二人は謎のお嬢様から愛の逃走劇を繰り広げることに」
男「ねーよ」
妹「やっと来た」
母「チッ、これからが面白いところだったのに」
男「んなベタな展開面白くもなんともねぇから」
男の娘「それで、ボクたちどうなっちゃうんですか!?」
男「食い付くな!」
少年「う……うーん……」
母「アンタが大きな声出すから小ちゃん起きちゃったじゃない」
男「俺のせいか」
少年「んー……えへへ……男兄ちゃん……」
男「え?」
少年「抱っこしてー……」
男の娘「小ちゃんがデレた」
友「呼び方が昔のだな」
少年「ん……ハッ!」パチッ!
男「起きたか」
少年「????ッ!!」カァァァ!
ドムッ!!
男「ぐぇ!?」
母「おお、鳩尾パンチ」
友「少年選手、見事に決まりました」
男「」ドサッ
男の娘「ああ! お兄さんが倒れた!」
母「PRIDEの曙みたいに倒れたわね」
妹「お兄ちゃあああああああん!!」
少年「うわああああああああ!!!」
男の娘「そして小ちゃんが逃げた!!」
男「何なん……だよ……」
247:
母「カラオケよぉおおお!!」
男「うるせぇえええ!!マイク使って叫ぶなぁああ!!」キーン
男の娘「これがカラオケ……」キョロキョロ
友「初めてか?」
男の娘「うん。どうやって歌うの?」
少年「これで曲選んで送信ボタン押せば始まるよ」
男の娘「ほうほう」
母「では一番母、いっきまーす!!」
男の娘「わー」パチパチ
?In My Dream?
男友妹少年「!!!!」
男の娘「?」
母「Nightmare あなたは夢に?」
妹「ちょ、お母さん男の娘ちゃんもいるんだから少しは手加減」
母「勝ぁ手に入り込んで?」
友「ダメだ。聞いてない」
少年「俺トイレ」
友「逃がさん」ガシッ
男「男の娘。耳ふさげ」
男の娘「え?」
テンテンテーン テテテテテテテテ!!
母「In My Dream 赤い薔薇の花ぁぁああああああああ!!」
キーン!
男「ぐっ、更に磨きが掛かってる……」
妹「上手いけどこの高音域が密室で響くとキツい……」
少年「」チーン
友「大変だ。小が気絶した」
男の娘「お母様すごーい!!」キラキラ
男「へ、平気なのか…!?」
男の娘「え?何が?」
妹「なん……だと……!?」
母「Love me Forever?」
248:
母「いやー久しぶりでついテンション上がっちゃった。ごめーんね☆」
男「次の曲は全員が歌い終わってからね」
母「うえーん男の娘ちゃん!男が虐めるよー!」
男の娘「ダメだよお兄さん」
男「俺悪くないだろ」
友「気を取り直して、次は誰が歌う?」
妹「じゃあ私」
?irony?
妹「そんな優しくしないで どんな顔すればいいの」
男の娘「おお、妹ちゃんも上手い」
少年「なんの曲だ?」
男「さあ?」
友「………」
母(遠回りなアピールねぇ)
少年「次は俺だ!」
?空色デイズ?
少年「走り出した 思いが今でも この胸を確かに叩いてるから」
母「小ちゃん可愛いー!」
男の娘「可愛いー!」
少年「うえ!?」ビクッ
男「邪魔するなよ」
?月光花?
友「月の欠片を集めて 夢を飾り 眠る」
男「やっぱ上手いな」
妹「……」
男の娘「友くんカッコいいね」
妹「え!?あ、う、うん。そうだね」アセアセ
友(そういえば今んとこアニメの曲しか歌ってないな)
男「何にすっかな」
母「アンタはこれよ」ピッ
?YATTA!?
男「おぃぃぃいいいいいい!!!」
友「ブフゥッ!!」
少年「友兄が吹きだした!!」
男「こんなの歌え」
男の娘「あ!お兄さん始まるよ!」
男「G! R! ダブルE! N! LEAVES!!」
妹「結局歌うんだ」
249:
男「で、お前は決まったの?」
男の娘「うん。昔に聴いた曲だけど」
?プラチナ?
男の娘「上手く歌えるかな」
男「まあやってみろ」
男の娘「うん」スゥ
『I'm a dreamer ひそむパワー』
男妹母友少年(超うめぇ……)
『私の世界 夢と恋と不安で出来てる
 でも想像もしないもの 隠れてるはず』
少年「姉ちゃんプロになれるだろ」
友「ホントにな」
『空に向かう木々の ようにあなたを』
クルン
男の娘『まっすぐ見つめてる』ニコッ
男「!」
『みつけたいなぁ かなえたいなぁ 
 信じる それだけで 越えられないものはない』
妹「何を越える気じゃムグッ」
母「はいはい黙って聞きましょうねー」
『歌うように 奇跡のように 思いが全てを変えてゆくよ』
男「……」
きっと きっと 驚くくらい
299:
男『小。可愛いよ』
ガバッ!!
少年「はっ……ゆ、夢か……」
男「ぐかー……」
少年「!!」ビクッ!
男「んあ……?」パチッ
バチーン!!
ホテルロビー
男「いてぇ……あの野郎思いっきりやりやがって」
男の娘「はい、代えの氷」
男「なんか、母さん帰ってきてから小が変に暴力的になった気がする」
男の娘(うーん。もしかしてあの時のことが原因なのかな)
男「お前、何か知ってそうだな」
男の娘「え!?そ、そんなことないよ」
男「ホントか?」じと?
男の娘「それよりお兄さん、ほっぺ見せてよ」
男「ん?大分冷やしてるからもう平気」
チュッ
男「おまっ!!?」
男の娘「ほら、唾付けとけば治るって言うじゃん」
男「人が見てんだろうが?!!」ギリギリ
男の娘「ひゃ?!!お兄さん握力上がってない?!?」
ホテル駐車場
少年「……はぁ」
男の娘「しょーちゃん」
少年「ね、姉ちゃん!?」ビクッ!
男の娘「なんでお兄さんも小ちゃんもボクが声かけると驚くのさ」プクー
少年「だって姉ちゃん俺に変なことばっかするじゃん……」
男の娘「可愛くなるの嫌?」
少年「そりゃ……嫌だ、よ。 男が可愛いって変だし……」
男の娘「そんなことないよ」
少年「俺は……姉ちゃんみたいに可愛いって言われても嬉しくなんかないんだ」
男の娘「そうかな」
少年「そうだよ」
男の娘「お兄さんに可愛いって言われたくない?」
少年「男兄に……」
―ドクン
300:
少年「あ、当たり前だろ!」
男の娘「うーん、わかった。もう無理に可愛くさせたり言ったりしないよ」
少年「おう……え?」
男の娘「その代り、今度からお兄さんのこと殴っちゃダメだよ」
少年「わ、わかった」
男の娘「そろそろお部屋に戻ろう。あと、ちゃんとお兄さんに謝ろうね」
少年「おう……」
夏祭り会場
ドンドンチャラチャラピ?ヒャラピ?ヒャラ
男「賑わってるな」
友「何だかんだでデカい規模の祭りだからな。おっちゃん、たこ焼き一つ」
たこ焼き屋「はいよ」
男「母さん達まだか」
友「浴衣借りてくるって言ってたからな」ホフホフ
男「何故か小も連れて行ったし」
男の娘「おまたせー」
男「やっぱり女物か」
男の娘「ご感想は?」
男「早く行くぞ」
母「全く、女心のわからない息子だねぇ」
男「男相手にしてんだから当たり前だろ」
友「小は?」
妹「あそこ」
少年「おっちゃん!もう一回だ!」
射的屋「粘るね嬢ちゃん」
少年「ぜってー倒す!あと俺は男だ!」
男「何してんだ」ヒョイ
少年「あ!か、返せよ!」
男「ん?お前……」
少年「なんだよ」
男「? やっぱ何でもない。というか今ので球切れだろ。次は俺の番だ」チャリン
射的屋「毎度」
男(あの箱か)
パァン! ゴトッ!
少年「な……!?」
射的屋「ほいおめでとう」
少年「俺が狙ってたやつ……」
男「ほら」
少年「え?」
301:
男「いらないのか?」
少年「じ、自分で取りたかったんだ!」
男の娘「あらあら。素直じゃないね」
友「男だけにしかあんな態度取らないけどな」
母「ツンデレはツンが大きいほどデレた時の可愛さは計り知れないものよ」
妹「お母さん目が犯罪臭い」
男「じゃあ勝負すっか?」
少年「勝負?」
男「何でもいいし何回戦でもいい。一回でも勝ったらこれをくれてやろう。ただし、一回でも勝てなかったらビンタな」
少年「気前がいいと思ったら罰ゲームありかよ」
男「ビビったか?」
少年「フン!上等だ!やってやらぁ!!」
男の娘「お兄さん優しい。これなら小ちゃんも貰いやすいね」
友「いや、どうかな」
妹「お兄ちゃんのことだもん。きっと」
男「くっくっく……」ニヤリ
母「日頃受けてる暴力をここで返そうって魂胆みたいね」
男の娘「お兄さん………」
一回戦 輪投げ
男「ほっ」ヒョイヒョイ
少年「この!このっ!」スカッ
友「男の勝ち」
男の娘「この輪を投げて棒にかければいいの?」
妹「そうそう。得点が高いと景品貰えるんだよ」
男の娘「えい」ポイッ
妹「ちょ、一つずつ投げ」
スコココーン!
母「PERFECT」
輪投げ屋「あんな投げ方で全部いれるなんて……」
男の娘「やった♪」
二回戦 金魚すくい
男(マズい……一匹しかとれなかった)
少年「もらった!」
バシャ! バリッ!
少年「………」
友「勢いよく入れるから」
男の娘「42、43」
母「これ全部とれるんじゃないの?」
金魚すくい屋「嬢ちゃん、もう勘弁してくれ」
302:
三回戦 型抜き
男「…………」コツコツコツ
少年「…………」コツコツコツ
友「地味な勝負だな」
妹「よくそんな綺麗に抜けたね」
男の娘「抜くのは得意だよ」エヘン
男「………」コツコツコツ
男の娘『ん……お兄さん……』
ベキッ!
男「オァアアアァアア!!」
ベキッ!
少年「あー!! 男兄のせいでこっちまで割れちまったじゃねーか!!」
男の娘「判定は?」
友「ドロー」
母「私のターン!」
妹「お母さんうるさい」
四回戦 くじ
男「ハズレ……だと……」
少年「今度こそ!!」バッ!
[超ハズレ]
少年「チキショオオオオオオオオオ!!!」
妹「三等はお菓子かぁ。みんなは?」
友「二等のベイボレード」
妹「まだあったんだそれ」
母「お母さんも三等だったよぉ?」シクシク
ピラッ
男の娘「特等?」
くじ屋「!?」
友「おお、プレステン3だ」
男「お前のその無駄なハイスペックはどうなってんだ」
くじ屋(ば、バカな……三万分の一の確率だぞ!?)
母「おじさん、早くそれちょうだい」
くじ屋「あ、ああはい……おめでとうございます……」
303:
友「さて、勝負できる屋台もなくなってきたぞ」
少年「ちくしょ?……」
男「サックっと罰ゲームやっとくか」
少年「ううっ……ん?」
……ガヤガヤ!
男の娘「わっ!?」
母「ちょ、なんぞこの急な人混み!?」
友「マズい、ハグレるぞ」
少年「あ、わっ」
男「小!」
妹「お兄ちゃん!!」
男の娘「お兄さーん!みんなー!」
ガヤガヤガヤ
べしゃ!!
少年「いてて……何とか出れたけど、みんなどこ行った?」
ぐいっ
少年「っ!?」
中年「お嬢ちゃん可愛いね。おじさん何でも買ってあげるから一緒にお祭りまわらない?」
少年「な、なんだよおっさん!離せよ!」
中年「可愛いねぇ?」
少年「離せ!離せよ!!」
ガシッ! グギッ!!
中年「いででで!?」
男「………」
少年「男兄!」
中年「な、なんだおま」
ゴシャ!!
中年「がっ!!」
男「……小」
ガバッ!!
男「逃げるぞ!!」
少年「は!? ちょ、お、降ろせよ!!」
304:
会場外れの林
男「はぁーっ……はぁーっ…… こ、ここまで来れば大丈夫だろ……」
少年「だったら降ろせよ」
男「っと、悪い。 あー……やっちまった」
少年「男兄が人殴るなんて初めて見た」
男「実際初めて……じゃねぇか。あの時も何発かは当たったし」
少年「?」
男「何かされたか?」
少年「腕掴まれただけ。ったく、どいつもこいつも人を嬢ちゃん嬢ちゃん言いやがって」
男「……ああ、そうか」
少年「?」
男「何か変だと思ったら帯の位置だ。それだと女と思われても仕方ないな」
少年「そ、そうなのか?」
男「ほら。直してやるから後ろ向け」
少年「い、いいよ別に」
男「そうか。じゃあほれ」コト
少年「え? これって」
男「元々渡す気だったんだよ。黙って受け取れ」
少年「男兄……」
男「じゃあお次は罰ゲームだ」
少年「結局かよ!」
男「当たり前だ。それともみんなの前で泣きべそかきたいか?」
少年「ああもう!好きにしろ!!」グッ
男「よし、じゃあ」
少年「……っ」プルプル
男「………」
ぺち
少年「は……?」
男「んな小鹿みたいにプルプルされたらやりにくいっつーの」
少年「や、やるならやれよ!」
男「あーもういいや。みんな捜すぞ」
少年「あ!待てよ!」
305:
花火会場
母「これが始まるってだったのね」
男の娘「お兄さんたち捜さなくていいんですか?」
母「まあその内見つかるでしょ」
男「いた」
母「ほらね」
男「友と妹は?」
男の娘「まだ来てない」
母「携帯も繋がりにくいし、下手に動き回るよりここいらで待ちましょう」
ヒュ? パァン!!
男の娘「始まったよ!」
母「おお?。綺麗ね?」
少年(そういや、箱の中身って何だろう)
パカッ
少年(へ、ヘアピン!? なんだよ、こんなの付けたってまた可愛いてからかわれるだけ)
パァン!
男「綺麗だな」
―ドクン
少年「!」
男の娘『お兄さんに可愛いって言われたくない?』
少年「……」
パチッ
ガヤガヤガヤ……
母「いいもん見たわー」
男の娘「凄かったね」
男「ああ。そうだな」
友「ここにいたか」
男「お、揃ったな」
妹「………」ムスッ
306:
男の娘「どうしたの?」
妹「なんでもない」
男「アイツどうした?」
友「ああ、さっき変なおっさんにケツ触られて不機嫌なんだ」
男「おっさん……そいつ、顔に痣なかったか?」
友「なんでわかった?」
男「あの野郎性懲りもなく……」
友「お前も遭遇してたのか。まあ、一応警備員に引き渡したから大丈夫だろう」
男「そうか。ならまあいいか」
友(もっとも妹の鉄山靠で半分死んでるようなもんだけど)
母「およ?小ちゃんどうしたのそれ」
少年「さっきの景品」
男の娘「綺麗なヘアピンだね」
友「珍しいな。お前が自分からそういうの付けるなんて」
少年「せっかくもらったから……」チラッ
男「ん?」
少年「どう、かな」
男「どうって」
少年「………」
男「頭涼しくなっていいんじゃねぇの?」
ゲシッ!
男「なんで!?」
少年「姉ちゃん、姉貴。行こう」
母「アンタ……その感想はないわー」
男「え?なにが?」
妹(い、今のは……まさか小ちゃんまでお兄ちゃんを……!?)
友(遂に小がその道を踏み出したか……これから大変だな……)
男の娘「小ちゃん」
少年「なに?」
男の娘「頑張ろうね」ニコッ
少年「………」コクン
男「え? え?」
母「本当に女心のわからない息子なんだから」
325:
コッケコッココー!
男「ふぁ……おはよう」
男の娘「おはよう。ご飯出来てるよ。でもその前に……ん」
男「キスせがむな」
男の娘「いいじゃん。たまにはお兄さんからしてもらいたいし」
男「たまにはって、一度も俺からしたことないだろ」
男の娘「ボクはいつでもWelcome!」
男「無駄に発音いいな」
母「ああ……お味噌汁美味しい……」
妹「赤味噌だけじゃなくて少し白味噌を合わせてるのか……でもそれだけでこんなに美味しくなるもの……だったら出汁の段階で何か工夫を」ブツブツ
男「塩取って」
男の娘「はい、どうぞ」
母「そんな塩分取ると早死にするよ」
男「味噌汁三杯目の母さんに言われたくない」
母「私は本望よ」
男「おいおい」
父「ははっ。それは困るな」
男「と、父さん!?」
父「ただいま」
妹「お父さんいつ帰ってきてたの!?ていうかいつの間に家の中に」
父「驚かそうと思って昨日こっそり帰ってきてたんだ。母さんまでいたのはこっちも驚いたけどね」
男の娘(この人が…お兄さんのお父さん……)
母「おっかえり?」ズズズッ
父「ただいま」
母「元気そうで良かったわ」
父「おかげさまで。母さんも綺麗なままだね」
母「嬉しいこと言ってくれる旦那様ね。今夜は寝かせてあげないんだから」
男の娘「お母様大胆……」
男「子供のいる前でそういう事言うな!!」
母「良いじゃない。アンタたちのイチャつきより軽いわよ」
父「おや。そちらのお嬢さんは男の彼女かい?」
母「彼女と言った方がいいのか、彼氏と言った方がいいのか」
男「どう話してもややこしくなるとしか思えない……」
男の娘「あ!!お兄さん、今日は店長さんが早めに来るように言ってた日だ!」
男「え、マジか!?」
母「こっちで話しとくから、早く行きなさい」
男「父さん。何を言われても鵜呑みにしないで」
父「わかっているよ」
母「親子そろって失礼ねー」
326:
男「ただいま」
父「おかえり。男の娘ちゃんもお疲れさま」
男の娘「は、はい」
父「そんなに緊張しないで。御飯の支度してる間に先にお風呂にでも入ってきな」スタスタ
男「………何を言われたかスッゴい不安だ」
男の娘「心配しなくても大丈夫だよ。それより早くお風呂入っちゃお」
男「先にどうぞ」
男の娘「いやいや一緒に」
男「先にどうぞ」ガッ
男の娘「お、お言葉に甘えさせていただきます……」ギリギリ
夕食時
父「で、二人ともセックスはしたのかい?」
男「げほぶおぼふぉふぉげぶふぁ!!」
男の娘「お兄さん!お兄さんしっかりして!!」
母「あはっはっはっはっはっはっは!!」ゲラゲラ
妹「お父さん!!いきなり何言ってるのよ!!」
父「こう言うのは聞ける内に聞いとかないといけないかと思って」
妹「聞くにしても時と場所を選んでよ!!」
男「だ、第一……俺とコイツはそんなんじゃねぇから……」ゼェゼェ
父「あれ?母さんは結婚間近の関係って言ってたけど」
男「鵜呑みするなって言ったじゃん!てか何言ってんだ母さん!」
母「嘘は言ってないし」
男「嘘しか言ってないだろ!」
父「まあまあ。とりあえず食べながら話そう」
母「そうよ食べなさい。三年ぶりのお父さんのご飯なんだから」
男「もうやだこの家」
男の娘「美味しい」
妹「お父さん仕事は?」
父「ああ、辞めてきた」
男「げぼふぼべべ!!」
男の娘「お兄さん!お兄さん生きて!!」
父「三年経ったら日本に戻してくれるっていうから海外に単身赴任したのに、あと五年延ばそうとしてきたから」
母「じゃあこれからは専業主夫?私は構わないけど」
父「また学校の先生やるのもいいかな」
母「じゃあ今のうちに唾つけとかなきゃ」チュッ
父「大丈夫。母さん以外の人を抱く気はないよ」
男「もう……やめて、くれ……」コヒュー…コヒュー
男の娘「お兄さんが過呼吸に!!」
妹「助けて友くん。お家がピンク一色なの」
友『俺にどうしろと』
327:
男の部屋
男「疲れた……食った気もしないから腹も減った……」
男の娘「ずっとラブラブだったねお母様とお父様」
男「昔もあんな感じだったけど、なんつーか遠慮がなくなったな」
男の娘「好きな人と三年も離れたら寂しいもんね」
男「限度を考えて欲しいわ……」
男の娘「お菓子どうぞ」
男「サンキュ」
男の娘「お兄さん、今日からボクと一緒の部屋で寝るのに何も言わないんだね」
男「前に何もしなかったからな。それに父さんと母さんは一緒にして隔離しときたい」
男の娘「弟か妹が出来たりして」
男「冗談に聞こえないからやめて」
ぐう?
男「ダメだ…やっぱ腹減った…」
男の娘「これ食べる?」
男「ん?」
男の娘「じゃじゃ?ん。ところて?ん」
男「なんでそんなのあるんだ」
男の娘「きなこつけると美味しんだよ。しかも低カロリーだから夜中に食べても大丈夫!」
男「少しはカロリーあるもの食べて体重増やせよ」
男の娘「体重増やせとかお兄さん酷い」
男「ちょっとは身体を強くしろって事だ。ところてん貰うぞ」
男の娘「うん。あ、お箸忘れちゃった」
男「ああ、いいよ。取ってくるから」
男の娘「待ってお兄さん」
男「ん?」
パカッ
男の娘「ボクが手で食べさせてあげる」
男「汚いことするな」ゴスッ
男の娘「あいた!」
つるっ
男の娘「あ」
パシャ!
男の娘「ひゃん!!」ビクン!
男「うお!?」
男の娘「服の中……にゅるにゅるして……!」ビクビク!
男「……!!」
328:
男の娘「ふあ!?」ビクッ!
男「ばっ、変な声出すな!」
男の娘「だ、だってぇ……」
男「とりあえず脱いでそのまま風呂いけ!掃除は俺がやっとくから!」
男の娘「う、うん……」スルッ
男(ノ、ノーブラ!? いや、男なんだから当たり前か……)
男の娘「お、お兄さん……その、流石にちょっと見られるのは恥ずかしいかも……」カァァ
男「わ、悪い……って、なんで男の裸みて謝んなきゃいけねーんだよ!」バサッ!!
男の娘「わぷっ!」
男「それ着てとっとと風呂行け!」
男の娘「そんな怒鳴らなくてもいいじゃん」
ガチャ
男の娘「………お兄さんの匂いだ」
男「ゴルァアアアア!!」
男の娘「キャー!!」
男「……ホント疲れた……もう寝たい……」
……! あっ……!
男「なんの音だ?」
ダメ……さん……! 
男「………」
ダダダダダダダダ!!!
ガッ!
男「キッチリしっかりドアとカギ閉めてからやれぇえぇぇぇぇえええ!!!」
バァン!!
父『あ、開いてた?ごめんね男』
母『お詫びに兄妹増やしてあげるから』
男「誰か俺を助けてくれぇええええ!!」
344:
ピピピピピッ! カチッ
男「うーん……」
男の娘「ふぁ?……お兄さん。朝だよ」
男「んー……」
男の娘「起きてー」ゆさゆさ
男「んあー……」
男の娘「……もう」
チュッ
男「!」ガバッ!!
男の娘「おはよう。お兄さん」
男「ああ、おはよう」スッ
男の娘「あ、ちょ、チョップはやめ」
スコーン!!
男の娘「うう……痛い?……」
男「いい加減にその起こし方やめろって言ってるだろ」
男の娘「だって起きない時はこれが一番効くんだもん」
男「俺はあと何回お前にチョップすればいいんだ……」
男の娘「一生?」
男「やめる気ないのかよ」
男の娘「いいじゃん、もう三年も一緒に寝てるんだし」
男「一緒の部屋な」
男の娘「そろそろダブルベット買っちゃう?」
男「置く場所ねぇよ」
男の娘「お父様とお母様に聞いてこよー」
男「その前に俺の話聞けよ」
男(………三年、か)
345:
母「おっはよーお二人さん」
男「おはよ」
男の娘「おはようございます」
妹「お父さん。私の髪留め見なかった?」
父「洗面台にあったよ」
男の娘「これのこと?」
妹「あ、それ。ありがと男の娘ちゃん」
キャッキャッ
男の娘「おはよう。おーちゃん」
弟「あい!」
男「何が楽しいんだコイツ」プニプニ
弟「うにゅ?…う"っ!!」ガブッ!
男「いでえええ!!」
母「ひゃっひゃっひゃ!噛まれてやんの!」
男の娘「こーら。お兄ちゃんをイジメちゃダメだよ」
弟「ぶー」
男「ったく、誰に似たんだよこの怪獣は」
母「妹?」
妹「なんでよ。どう考えてもお母さんでしょ」
母「猫被ってないアンタってこんな感じよ」
妹「か、被ってなんかないもん!」
父「はいはい。みんなご飯出来たから食べよう」
いただきまーす
母「美味い!!」
男「ねるねるみたいに言うな」
弟「うー」
父「はい、弟はこっちね」
ヴヴヴヴッ
男「メール……げ、マジかよ」
男の娘「どうしたの?」
男「会議やるから本社に来いだと」
男の娘「えー」
母「大変だね店長さんは」
男の娘「せっかくシフト被ったのに」
男「文句言ったってしょうがないだろ。店は任せたぞ」
男の娘「はーい」
346:
本社
社長「おはよう。早だけど会議を始めるわ。最近相次いで店舗からバックレによる人員不足が多発してる件から話しましょう。A、B、ボード出して」
A「はい」
社長「ん?Bはどこいったの?」
A「さっきお手洗いに行くって逃げました」
社長「あのバカ……」
ガチャ
男「連れてきました」
B「連れてこられた」
社長「丁度良いわ。男はこっちに来て自店のシフトをボードに書いて。Bはそこで正座してなさい」
B「床冷たい」
男「書きました」
社長「ありがとう。このように我が社の第一号店である男の店舗は人数は既定より少ないものの、社員やアルバイト達に決して負担がかかるものではなく」
男(あの店長が独立して建てた会社も、結構大きくなったな)
A「男、話聞かないとBさんみたいになるよ」
男「っと、そうでした」
社長「アンタ達も正座する?」
男・A「申し訳ございませんでした」
B「足痺れてきた」
ファミレス 一号店
男の娘「新人くーん。お料理運んで」
新人「は、はい」
男の娘「緊張しないで。笑顔で行けば大丈夫だから」ニコッ
野郎共(新人後でしばく)
少女「手を動かせバカ共!」
野郎共『かしこまりました!』
ガールズ(男の娘さんと少女さんがいると野郎共の動きが全然違うわ)
少女「姉さん。お兄さんはいつ戻るの?」
男の娘「わかんない。早く帰ってこないかなー」
ガチャ
男「戻った」
男の娘「噂をすればお兄さんだー!」ガバッ!
男「お疲れ様少女ちゃん」ヒラリ
男の娘「恋人の抱擁を避けるとは」
男「今日はそんなに忙しくなさそうだな」
男の娘「そしてスルー」
347:
コンコン
女「あの、こんにちは」
少女「ん?どうした?」
女「どうしたじゃないよ。今日は家の両親に会うって言ってたのに起きたらいないんだもん」
少女「げっ、今日だっけか」
男の娘「あちゃー」
少女「つってもまだ上がりまであるし…」
男「上がっていいよ。後は俺達が見るから」
少女「え、でも」
男「結婚のこと話すんだろ。だったら、始めの内は少しでも印象を良くしとかないと」
少女「……ごめん」
男の娘「その代わり後でどうだったか教えてね」
少女「うん。よし、ちゃっちゃとアタシたちの関係認めさせてくるか!」
女「ちょ、まずは友達ってことで話を」
少女「ここまで来たら当たって砕くまでだ!」
男「力強いな」
男の娘「その意気だよ少女ちゃん!ボクも頑張る!」
男「そう思うならとっととホール行ってご案内して来い」
348:
夕方
男「ふぅ、お疲れ。お前はもう上がっていいぞ」
男の娘「あれ?お兄さんは?」
男「遅れてきたから今日はラストまでだ」
男の娘「じゃあボクも残る」
男「おいおい、人件費が嵩むだろ」
男の娘「サービス残業だよ」
男「いや、それは助かるけどさ」
カランカラン
男「いらっしゃ……お前らか」
友「客だぞ。頭下げろ」
男「この野郎」
少年「オッス姉ちゃん。食いに来たよ」
男の娘「いらっしゃいませ。友くんと一緒なんて珍しいね」
少年「そこで偶然会ってさ。せっかくだから食っていこうって」
友「今日は何も食ってないんだ」ぐぎゅる?
男「おまえウチのバイト殺す気か」
友「安心しろ。腹八分目で勘弁してやる」
少年「……」じーっ
男「どした?」
少年「ん、ちょっとここの制服観てただけ」
男の娘「興味あるなら、小ちゃんもここでアルバイトしてみたら?」
男「残念だが中学生のバイトは雇ってないぞ」
少年「ちぇ、残念」
男「大体、こんなデザインどこにでもあるだろ」
少年「そっちのじゃねぇよ……」(ボソッ)
男「何か言ったか?」
少年「なーんにも」
友「俺はなにも聞かなかった。あ、ここのページのやつ全部」
男の娘「飛ばすね友くん」ピッピッ
厨房『なんだこの注文量!!?』
349:
深夜
新人「お疲れ様でした」
男「お疲れ様」
男の娘「気を付けて帰ってね」
男「さて、俺達も帰るか」
男の娘「あれ?売り上げの計算は?」
男「終わった。先に着替えて来い」
男の娘「えー。せっかく二人の時間が出来ると思ったのにー」
男「そう思って終わらせたんだよ」
男の娘「計画的でしたか」
男「さっさと着替えろ」
男の娘「むー。お兄さんの愛はいつボクに注がれるのでしょうか」プチプチ
男「変な言い方を……って、なんでここで脱いでんだ!!」
男の娘「いいじゃん。男同士なんだし」
男「だったら男の制服着ろ」プイッ
男の娘「♪」ニヤッ
プチプチ スルッ
男(『スルッ』…?)
パサッ
男「は? なんだこ……」
パ?ン?ツ?(女性もの)
男「」
男の娘「フッフッフッ。お兄さん、ボクがどんな恰好してるか知りたい?」
男「知りたくない」
男の娘「今ね、シャツは五つボタン外したよ」
男「聞こえない聞こえない」
男の娘「靴は脱いだけど、ソックス(黒)は残してます」
男「何にも聞こえない」
男の娘「スカートは穿いてるよ。で・も」
男「聞こえ」
男の娘「お兄さんが持ってるそれ、ボクのだよ」
男「キ、コエ……」
男の娘「ねえ、お兄さん」
キュッ
男の娘「久しぶりに、しよう」
男「うがあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ガバッ!!!!
男の娘「キャー♪」
350:
帰り道
男「やってしまった……しかも店で……」
男の娘「ドキドキしたね」
男「セイッ!!」スパーン!!
男の娘「はう!!」
男「もう二度としないって決めたのに……」
男の娘「まあまあ、もう何回もやってるんだし」
男「くっ……あの時、酔ってさえいなければこんな事には……」
男の娘「あの時は激しかったね。お口が壊れるかと思ったよ」
男「やめて何も言わないで忘れさせて」
男の娘「その台詞、普通は逆だよ。襲って来たのはのはお兄さんの方なのに」
男「死にたい」
男の娘「でも、そのおかげでボクのお腹にはお兄さんの愛がこんなに」スリスリ
男「もう一度言う。死にたい」
男の娘「あーあ。女の子だったらお兄さんの子供が産めたのになー」
男「そうだな。女の子だったらこんなに悩むことも無かったな」
男の娘「男の子のボクは嫌い?」
男「嫌い、ではない」
男の娘「好き?」
男「……」
男の娘「ねぇー、好きなのー?愛してるー?Love?」ぎゅ?
男「ええい、離れろ!」
男の娘「ぶー……」
男「……」
チュッ
男の娘「!!」
男「これで、わかるだろ」
男の娘「えへ、えへへ?」にへら?
男「言っとくけど、お前にこういう感情を持ったのは襲ってしまった責任を感じてとかじゃなくてな」
男の娘「わかってるわかってる。というか前も聞いたよそれ」
男「………」
男の娘「お兄さん」
男「……なんだ」
男の娘「大好き」
男「……おう」
男の娘「ボクを買いませんか?」 おわり
354:

何か重要なシーンが割愛されている気がするが気のせいだろう!
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ハンターハンターの団長ってどのくらい強いん?

洋楽聴く奴はどうせメロディだけなんだろ?wwwwっていう奴wwwwww

現実で言いたいHUNTER×HUNTERの台詞

一番主人公っぽい馬

なんでモテない奴ほど、高望みするの?

【画像】お前らのモニターには、当然これが見えるよな?

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