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蛍「先輩……月が綺麗ですね」


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蛍「ふぅー、寒くなりましたね」
小鞠「そうだねー、息もこんなに白くなって」
蛍「本当ですね、ハー……」
小鞠「わぁ、すっごいね」
蛍「もくもくです」
小鞠「じゃあ私も、ハー……」
蛍「先輩も白い息いっぱいですね」
小鞠「子供は体温高いからね、って誰が小さいって!?」
蛍「言ってませんよ!?」
2: 以下、
蛍「手先が冷えちゃいますね」
小鞠「手袋持ってきてないの?」
蛍「あ、そういえば持ってくるの忘れちゃいました」
小鞠「ははは、蛍おっちょこちょいだ」
蛍「からかわないでくださいよー」
小鞠「ごめんごめん、手冷えちゃってるよね」
蛍「は、はい」
小鞠「私の手袋かしてあげるよ」
4: 以下、
蛍「え? でもそれじゃあ、先輩が……」
小鞠「そうだね、だからこうして」
蛍「先輩?」
小鞠「はい、右の手袋」
蛍「あの、どうするんですか?」
小鞠「ほら、空いてる方の手だして?」
蛍「は、はい」
小鞠「こうすれば二人共あったかいよ」ギュ
蛍「せ、先輩ッ!?」
小鞠「ん? どうしたの」
蛍「い、いえ……ありがとうございます」
蛍(せ、先輩と手を繋いじゃった、えへへ……嬉しいな)
7: 以下、
れんげ「みなさんおはようございますん」
蛍「おはようれんちゃん」
れんげ「なっつんはどうしたのん?」
小鞠「寝坊だよ」
蛍「あ、そうだったんですか?」
れんげ「またなのんな」
小鞠「夏海起きなくてさ、というかそもそもなんで私が起こさないといけないんだ」
蛍「あはは」
れんげ「こまちゃんとほたるんはなんで手を繋いでるん?」
蛍「ええ!?」
れんげ「仲良しなのん?」
小鞠「ああ、違う違う」
蛍「違うんですか!?」
小鞠「え? 違わなくはないけど蛍が手袋忘れたからでしょ?」
11: 以下、
蛍「じゃ、じゃあ私と先輩は仲良しでいいんですね?」
小鞠「変なこと言うね蛍、私たち仲良しじゃん」
蛍「仲良し……えへへ、よかったあ……」
小鞠「いたた、蛍手痛い」
蛍「ご、ごめんなさい」
小鞠「ううん、いいよいいよ寒かった?」
蛍「いえ、あったかいです先輩」
小鞠「そっか」
蛍「体も、心も……」
小鞠「どゆこと?」
れんげ「二人共もうすぐ学校着くのん」
小鞠「あっという間だ」
蛍「えへへ」
13: 以下、
蛍「もうお昼ですね」
れんげ「なっつん遅すぎるのん」
小鞠「こんな時間までなにやってるんだ」
夏海「うおおおお! ヒーローは遅れてやってくる!」
小鞠「おっそい! こんな時間までなにやってたの夏海!」
夏海「あー、えー、家に国語の教科書を忘れてしまいまして」
小鞠「置き勉してるでしょ」
夏海「今まで熟睡してましたごめんなさい!」
蛍「よく寝ますね、夏海先輩」
夏海「春眠暁を覚えずってやつかな」
れんげ「国語の授業っぽくしなくていいのん」
小鞠「それに今冬だし」
17: 以下、
夏海「いやあ布団のやつが中々離してくれなくてさ」
小鞠「意味わかって言ってんの?」
夏海「そういう姉ちゃんこそ、意味分かってるの?」
小鞠「いや、よくわからないけど」
蛍「……///」
れんげ「ほたるんどうしたのん?」
蛍「な、なんでもないよ///」
夏海「それよりさ、次って給食でしょ、楽しみー」
れんげ「今日はなんなのん?」
小鞠「えっとね、献立表はっと」
蛍「あ、お魚の煮付けみたいです」
小鞠「デザートにお団子だってさ」
20: 以下、
夏海「ええー、ウチ肉が食べたい」
れんげ「ウチはお魚好きなん」
夏海「ウチも好きだけどさ、肉の方がテンション上がるっていうか」
れんげ「お魚の方が出汁がよく染み込んで美味しいん!」
夏海「そうか、煮付けだったか……まあ魚もいいかな」
小鞠「お団子かあ……早く食べたいな」
蛍「美味しいですもんね」
小鞠「ねー、そういえばちょっと前にもお団子食べたような」
夏海「いつだっけ?」
蛍「月見をした時ですね」
れんげ「美味しかったのん!」
蛍「満月に合わせてお団子作って一緒に食べたんです」
小鞠「そうだったそうだった、美味しかったなあ」
蛍「はい、それに夜だっていうのに満月に照らされて外でも明るくて」
小鞠「月が綺麗だったね」
24: 以下、
蛍「……はい」
小鞠「ん? どうしたの蛍」
蛍「いえ、なんでもないです」
小鞠「さては蛍、お腹減ったな?」
蛍「そう、ですね……えへへ、減っちゃいました」
小鞠「夏海も来たことだし、給食取りに行こう」
夏海「ウチ待ちだったのか、それは悪いことをした」
れんげ「悪いと思ってるならもう遅刻しちゃダメなのん」
夏海「それは保証できませんな」
小鞠「言っても無駄だからね、早く給食にしよう」
26: 以下、
夏海「はい、取ってきて配膳も済ませました」
蛍「はやい!?」
夏海「もうぺこぺこでさー」
小鞠「朝ごはん食べてきてないの?」
夏海「流石の夏海ちゃんもこの時間まで寝てたのはヤバイと思って急いで来た」
れんげ「チャリで来たってやつなのん」
夏海「バスも時間ずれちゃってるしね」
夏海「学校の先生には内緒だよ」
一穂「いや、聞いてるけどね」
夏海「かず姉起きてたの!?」
一穂「いい匂いに誘われてねー、なっつんは放課後、職員室に来るように」
夏海「はーい……」
28: 以下、
れんげ「煮付け美味しいのん」
蛍「地方によって味付けとか違うんですよね」
小鞠「そうなの?」
蛍「はい、ちょっとあっさり系というか、私大好きです」
小鞠「そっか、蛍が好きな味ならよかった」
蛍「えへへ」
れんげ「美味しいのんのん」
蛍「ああ、れんちゃん口元にいっぱい」ゴシゴシ
れんげ「あうあう」
小鞠「ふえー」
蛍「どうしました、先輩?」
小鞠「う、ううんなんでもない」
蛍「?」
小鞠(すごいなあ蛍、お姉さんみたいだ……私より年下なのに)
30: 以下、
夏海「うっへー、絞られたあ」
小鞠「自業自得だよ」
夏海「そうだけどさあ」
蛍「夏海先輩も帰ってきましたし、帰りましょうか」
れんげ「帰るのーん」
小鞠「行くよ、夏海」
夏海「はいはーい」
蛍「うぅ……さむい」
小鞠「校舎の中にいるとわからなくなるもんだね」
蛍「風も強いですしね、明日からマフラーしてこなくちゃ」
小鞠「もう十二月だもんね、寒くもなるよ」
蛍「冬、なんですね」
小鞠「はい、蛍」
蛍「ありがとうございます、先輩」ギュ
32: 以下、
夏海「あっ、いいなあほたるんウチも姉ちゃんにそんなことされたことないよ」
蛍「そうなんですか?」
小鞠「姉妹で手繋ぎ合うとかないない」
夏海「そりゃねえよ姉ちゃん」
蛍「え? じゃあ私は……」
小鞠「蛍とは……何かオカシイことでもある?」
蛍「い、いえそんなことないです」
小鞠「よかった、自然な感じで手繋いだけど蛍いやがってなくて」
蛍「そんな! 嫌なわけないじゃないですか、嬉しいですよ!」
小鞠「そっか、喜んでもらえるなんて、じゃあ蛍だけ特別だね」
蛍「特別……えへへ」
れんげ「ウチは風の子だから寒くないのん!」
34: 以下、
蛍「ふぅ、ん……朝だ」
蛍「昨日よりマシだけど今日も寒いなあ」
蛍「マフラー忘れないようにしないと、それに手袋も……」
蛍「……」
蛍「昨日は先輩が手を繋いでくれて、嬉しかったなあ」
蛍「今日も忘れたらもしかして……ってダメダメ、そんなこと考えちゃ」
蛍「……」ニギニギ
蛍「えへへ、先輩の手ちっちゃくて可愛かったなあ」
蛍「早く先輩に会いたいな」
蛍「ご飯食べて学校行こっと」
38: 以下、
蛍「先輩、おはようございます」
小鞠「おはよー蛍」
夏海「ういーす」
蛍「今日は昨日より少し暖かいですね」
小鞠「そうなんだよね、それが問題なんだよ」
夏海「あっははは! 姉ちゃんたらちょっと暖かくなったからってさ」
小鞠「ちょっ、夏海やめて!」
夏海「手袋持ってくるの忘れてやんの!」
小鞠「夏海!」
蛍「そうなんですか?」
小鞠「あ、あはは……うっかりしちゃって」
蛍「……」
小鞠「蛍は完全防寒だね」
蛍「せ、先輩!」
39: 以下、
小鞠「ん?」
蛍「あのあの、昨日のお礼に! その、今度は私が……」
小鞠「……いいの?」
蛍「は、はい! 願ったり叶ったりです!」
小鞠「ねが……う、うんよくわからないけどありがとう」
蛍「えへへ」ギュ
小鞠「あったかい」
蛍「先輩! その、マフラーも一緒にしますか?」
小鞠「いいの? いやあ至れり尽くせりだね、蛍」
蛍「あ……」
小鞠「どしたの?」
蛍「し、身長が違いすぎて長さが足りません!」
小鞠「な、なんだってー」
42: 以下、
蛍「う、うぅ……」
小鞠「あれあれオカシイぞ、泣きたいのは私の方じゃないのか?」
蛍「先輩とマフラー……先輩とマフラーしたかったよお……」
小鞠「ええ……蛍大丈夫?」
蛍「だ、大丈夫です……」
蛍(手を繋げるだけでも、十分嬉しいし……)
小鞠「しゃんと立って、蛍」
蛍「は、はい!」
小鞠「じゃあ学校行こ、一緒に」ギュ
蛍「はい、先輩と一緒に」ギュ
夏海「ウチ空気じゃね?」
蛍(帰ったらマフラー編もう、先輩と一緒に巻けるくらい長いやつを)
43: 以下、
蛍「二日連続で先輩と手を繋いで登下校した」
蛍「えへへ、嬉しいな」
蛍「なんだか特別な関係みたいで」
蛍「そういえば先輩、特別だねって言ってくれたな」
蛍「えへへ、先輩にとって特別でありたいな」
蛍「先輩のことが好き」
蛍「私にとっての特別と、先輩にとっての特別は、意味が違うのかな」
蛍「きっとそうだよね、うん……」
蛍「切ないな……」
蛍「でもいいんだ、一緒にいられるだけでも私は幸せだから」
蛍「マフラー編もう、もっと一緒にいられるように」
46: 以下、
蛍「先輩の顔を思い浮かべながら一編み」
蛍「先輩の声を思い出しながら一編み」
蛍「先輩との思い出を振り返りながら一編み」
蛍「毛糸が揺れて先輩のことを想う度に、私の心も揺れていく」
蛍「先輩に近づきたい私と、それを出来ない臆病な私」
蛍「先輩の顔がチラついて、その度にドキドキして、手がブレて」
蛍「途中でほつれてしまった作りかけのマフラーを少し解く」
蛍「そうしたら、私の心もちょっぴり解れて、また先輩のことを考える」
蛍「こうしている時間もとても幸せで、ほんの少しだけ寂しい」
蛍「隣に先輩が居てくれたら、この寂しさはなくなるのかな?」
蛍「マフラーはすぐに出来てしまって、この時間もおしまい」
蛍「先輩のための時間がとっても愛おしい」
50: 以下、
蛍「今日は何も忘れなかったんですね」
小鞠「あっ、蛍ひどい」
蛍「ええ!?」
小鞠「私そんなにおっちょこちょいなイメージなの?」
蛍「い、いえそういうわけではないですけど」
小鞠「ふふーん、今日は手袋にマフラー完全防備で来てるからね」
蛍「あはは、あったかそうですね」
小鞠「もちろんあったかいよ、って蛍そのマフラー昨日のと違うね」
蛍「あ……新調したんですよ」
小鞠「へえ、モフモフすごいね」
蛍「えへへ、ちょっと長いですから」
小鞠「へー、いいなあ新しいの買ってもらって」
52: 以下、
蛍「あ、これは手作りなんです」
小鞠「え!? 手作りなの?」
蛍「はい」
小鞠「すごいなあ、ぬいぐるみの時もそうだったけど蛍、器用だね」
蛍「いえ、そんなことないですよ」
小鞠「本当にすごいって、市販のものみたいだよ」
蛍「そ、そうですか? 褒めてもらえるなんて、嬉しいです!」
小鞠「うーん、私も作ってもらいたくなっちゃう、けどダメだよねえ、大変そうだし」
蛍「いえ! そんなことないです! 先輩が欲しいなら私いくらでも作っちゃいます!」
小鞠「そう? じゃあ今度作ってもらっちゃおうかな」
蛍「はい、任せて下さい!」
53: 以下、
一穂「国語の授業だねー」
夏海「自習じゃん」
一穂「む……じゃあ折角だから先生っぽいことしてみようかな」
夏海「ええー! いいよそんなの!」
一穂「はい、反対票は一票だからちょっとした小話してあげよう」
れんげ「小話! 気になるのん」
一穂「ええーと……お兄ちゃんどの辺やってるのん?」
卓「……」
一穂「おっ、坊っちゃんか……夏目漱石だねえ」
蛍「あっ、夏目漱石知ってます、こころですね」
一穂「よく知ってるねーほたるん」
一穂「夏目漱石の逸話なんだけどね、こういう言葉知ってるかな?」
蛍「……」
一穂「月が綺麗ですね」
57: 以下、
小鞠「月が……? なにそれ」
蛍「……」
一穂「あー、ダメだ……先生っぽいことしたら眠くなってきた」
夏海「ええ!? ぜんっぜん中途半端なんだけど!?」
一穂「春眠暁をなんとやらだねえ……zzz...」
れんげ「寝ちゃったのん」
夏海「ウチと同じこと言ってるよこの人!」
蛍「あはは、仕方ないですね」
小鞠「気になるなあもう」
蛍「自習、再開しましょう」
小鞠「そうだね」
58: 以下、
夏海「授業中ずっと寝たままだったよ」
れんげ「もう何時間寝てるかわからないのん」
蛍「今は理科の授業ですね、境界線がいまいちわからなくなって来てますが」
夏海「まあいつの時間に何の勉強してもいい気がしてきたけどね」
小鞠「夏海はいつだって勉強してないでしょ」
夏海「痛いところ突くなあ」
蛍「こま先輩は何の勉強してるんですか?」
小鞠「え? そうだなあ、ほらこれ、星座だよ」
蛍「星座、北極星はいっつも同じ場所にあるっていうのは知ってます」
小鞠「よく知ってるね蛍」
蛍「えへへ、授業で習いましたから」
小鞠「うーん、星かあ」
蛍「どうしました?」
小鞠「ん? ううん、なんでも」
59: 以下、
蛍「ただいまーお母さん」
母「おかえりなさい蛍ちゃん」
蛍「うん、あっそうだ、毛糸ってまだ残ってるかな?」
母「残ってるわよ、何か編み物?」
蛍「うん、マフラー編もうと思って」
母「マフラーって、新しいの編んだばかりじゃない?」
蛍「そうだけど、もう一ついるの」
母「誰かにプレゼントかしら?」
蛍「そ、そんなんじゃないよ!」
母「あらあら、図星かしら」
蛍「もう、やめてよお母さん!」
母「はいはい、ごめんなさいね」
蛍「もー!」
60: 以下、
蛍「えへへ、先輩にマフラープレゼント……」
蛍「喜んでくれるかなあ」
蛍「よぉし! 気合いと……あ、愛情/// を込めて編むぞー」
蛍「えへへ、楽しいなあ」
蛍「先輩のためにしてることだったら何だって楽しい」
蛍「私の作ったマフラーを先輩が付けてくれる……そう思っただけで、えへへ」
母「蛍ちゃーん、電話よー!」
蛍「電話? 誰からだろ……はーい!」
母「はい、電話」
蛍「誰から?」
母「小鞠ちゃんよ」
蛍「せせ、先輩!?」ゴトッ
小鞠『うわぁ、ほ、蛍!? 大丈夫!?』
61: 以下、
蛍「だ、大丈夫です」
小鞠『吃驚したあ』
蛍「あ、あの先輩……何の御用でしょうか」
小鞠『えっとね、今日理科の授業で星座見たでしょ?』
蛍「はい」
小鞠『それで今日夜空を眺めたんだけどさ』
蛍「空を……」
小鞠『月がまんまるでね』
蛍「はい」
小鞠『たぶん明日辺り満月だと思うんだ』
蛍「そういえば前に見た時から一ヶ月くらい経ちますもんね」
小鞠『? それでね、明日一緒に月を見ないかなって思って』
62: 以下、
小鞠『蛍の部屋なんかどうかなって、蛍の部屋二階でしょ? 少しでも高いほうがいいし』
小鞠『それから、その次の日はちょうど休みだしついでにお泊りしてもいい?』
蛍「私の部屋ですか、いいですね……ってお泊り!?」
小鞠『ダメだった?』
蛍「いいいいいいい、いえ! そんな、いいいんですか!?」
小鞠『良いも何も私から提案したんだけど』
蛍「そそ、そうでした! だだ、大丈夫でひゅ!」
小鞠『よかったあ、用事はそれだけだからじゃあね、明日楽しみだね』ガチャ
蛍「わ、わあ……! ど、どうしようどうしよう!」
蛍「先輩が私の部屋にお泊り……しかも二人っきり!」
蛍「あわわわ……」
蛍「とりあえず掃除しないと!」
64: 以下、
蛍「翌日、学校だというのに、先輩との夜を控えた朝と昼は」
蛍「放たれた矢のようにあっという間に過ぎて行きました」
蛍「そして、必ず的に命中するように先輩との夜がやってきます」
蛍「……緊張するなあ」
蛍「晩御飯食べてから来るって言ってたし……もうちょっとかな」コツッ
蛍「あ、棒針……マフラー編んでる途中だったんだ」
蛍「すっかり忘れてた……先輩のマフラー編まないと」
蛍「でも、もうすぐ来そうだし、ちょっとだけ」
「こんばんはー」
蛍「って、もう来ちゃった!」
66: 以下、
蛍「先輩、いらっしゃい」
小鞠「うん、来たよ」
蛍「部屋、上がってください」
小鞠「お邪魔しまーす」
蛍「えへへ、先輩が私の部屋に」
小鞠「蛍の部屋なんかいいよね、オシャレな感じ」
蛍「そんな、ありがとうございます」
小鞠「ま、私も負けてないけどね!」
蛍「あはは」
小鞠「今日は晴れてよかったねー」
蛍「そうですね、折角の天体観測が雨模様なんてがっかりですもんね」
小鞠「ほんとほんと」
蛍「ほとんど快晴です」
68: 以下、
小鞠「もう少し遅い時間のほうがいいんだって」
蛍「そうなんですか?」
小鞠「うん、だからさ、それまでお話しよう」
蛍「はい!」
小鞠「ねえ蛍、それってなに?」
蛍「これですか、棒針ですよ?」
小鞠「ぼうばり?」
蛍「ほら、マフラーを編んだりする……」
小鞠「ああ! なるほど、これで編むんだ、へー」
蛍「ごめんなさい、昨日先輩のマフラー編もうとしてたんですけど」
小鞠「いいよーゆっくり編んでくれれば」
蛍「そうですか? でも、急いで編みますね」
小鞠「そう? ありがとう、蛍」
蛍「えへへ」
69: 以下、
蛍「夜空はもう少し先ですけど、満月は出ているんですよね」
小鞠「そうだね、ここへ来るまでも爛々と照らしてくれてたよ」
蛍「じゃあまずは月を見ませんか? 一緒に」
小鞠「夜は長いし時間を開けてもいっか」
蛍「じゃあ部屋の電気を消して……」
小鞠「おお! 月が眩しいくらいに輝いて……」
蛍「わぁ……」
小鞠「月が綺麗だね」
蛍「はい、そうですね先輩」
小鞠「うん」
蛍「先輩……月が綺麗ですね」
70: 以下、
小鞠「だからそうだねって……ってなんか聞いたことあるような、なんだったっけ?」
蛍「……」
小鞠「蛍?」
蛍「あっ、先輩……あの月のそばで輝いている星って何ですか?」
小鞠「え? ええと、あれは木星……かな?」
蛍「わぁ、そうなんですか……先輩詳しいですね!」
小鞠「ま、まあね!」
蛍「丸いなあ、満月だなあ……」
小鞠「蛍に教えてあげたくて昨日、一生懸命勉強したなんて言えないなあ」
蛍「なにか言いましたか、先輩?」
小鞠「ううん、なんにも」
蛍「……」
小鞠「こうやってのんびり空を見ていたら、何もしなくてもいいね」
蛍「ゆっくりと流れる時間が心地いいです」
71: 以下、
蛍「空気が澄んでいて、星が綺麗ですね」
小鞠「そう? このへんはいつもこんな感じだよ」
蛍「夏の時もそうでしたね」
小鞠「そうだったね」
蛍「私、大好きです……この村が」
小鞠「ん……そろそろいいかな」
蛍「なんですか?」
小鞠「ほら、あっちの空見て」
蛍「……」
小鞠「あの一際光り輝く三つの星が冬の大三角形」
小鞠「シリウス、プロキオン、ベテルギウス」
蛍「すごい……こんなに広い星の海で、綺麗な三角形を作ってる」
小鞠「それだけでもロマンチックでしょ?」
蛍「先輩と一緒に見れて良かったです」
73: 以下、
小鞠「私も、蛍と星を見れてよかった」
蛍「先輩……」
小鞠「ん?」
蛍「満月の周期って大体29日だそうです」
小鞠「そうなんだ」
蛍「今日は満月で……」
蛍「月が綺麗です」
小鞠「月が綺麗……それってなんだったっけ?」
蛍「その言葉の意味、私知ってます」
小鞠「そうなの? どういう意味?」
蛍「……愛しています」
小鞠「……え?」
75: 以下、
蛍「アイラブユーっていう意味なんです」
小鞠「ちょ、ちょっと待って……蛍さっき……」
蛍「……」
小鞠「その意味を知っていて、月が綺麗ですね、って言ったの?」
蛍「……はい」
小鞠「……そっか」
小鞠「そう……なんだ」
蛍「私、先輩のことが好きです」
小鞠「あ、あぅ……」
蛍「先輩……」
小鞠「ちょ、ちょっと見ないで、好きって言われたら、その、すごく意識しちゃって」
蛍「私は……月よりも先輩のことを見つめていたいです」
小鞠「蛍……」
76: 以下、
小鞠「その……好きって言うのはそういう……」
蛍「はい……月が綺麗です、でも私には先輩の方がずっと……」
小鞠「私も蛍のことは好きだけど……うぅ……///」
蛍「先輩は、私とそういう関係にはなれませんか?」
小鞠「そういう……」
蛍「二人で手を繋いだり、デートしたり……その、恋人、がすること……いっぱい」
小鞠「手を……私は……蛍と」
蛍「……キス、だって……」
小鞠「き、キス!?」
77: 以下、
蛍「……」
小鞠「キスなんてちっちゃいころに家族としたくらいで、その、えっと……」
小鞠「キス……キスかぁ、昔したからって今夏海とするのとか考えられないよ……」
小鞠「じゃあ、蛍とは……?」
小鞠「……」
小鞠「ねえ蛍……蛍?」
蛍「すぅ……すぅ……」
小鞠「ね、寝ちゃってる……」
小鞠「こう見えても蛍はやっぱり子供なんだね」
蛍「すぅ……しぇんぱい……えへへ……くぅ……」
小鞠「体温高いなあ、あったかい」
小鞠「落ち着くなあ、この温度」
78: 以下、
蛍「ひゃあああああ!」
蛍「あ、朝だ……私、いつの間にか寝ちゃって……」
蛍「ど、どうしよう……昨日、先輩になんてこと……!」
小鞠「んん……ふあぁ……もう朝?」
蛍「同衾してるううううううう!」
小鞠「おはよお蛍」
蛍「あ、あああのあの先輩! 昨日のことはえとえとそのー! 満月の狂気にあてられてと言いますか!」
小鞠「もう、何言ってるの蛍」
蛍「先輩?」
小鞠「私、蛍とだったら嫌じゃないよ」チュ
蛍「ひゃ!?」
小鞠「恋人同士になろうか、蛍」ギュ
80: 以下、
蛍「……いいんですか、私なんかで」
小鞠「うん、蛍がいい……あのね、恋人になれるかってキスするのを想像できるかって言うでしょ?」
蛍「聞いたことあります」
小鞠「私は蛍とキスしてもいいと思ったし、キスしても嫌じゃなかった」
蛍「先輩……嬉しいです……」
小鞠「だからね、私は蛍がいい、蛍と恋人になりたいよ」
蛍「先輩……先輩……!」ギュゥ
小鞠「苦しいよ、蛍」
蛍「えへへ……朝は少し寒くて」
小鞠「私は蛍のおかげであったかい」
蛍「私もです……」
小鞠「あったかいと言えば蛍、マフラー作って貰う約束だったど、もういいよ」
蛍「え?」
小鞠「だってこの前のマフラーを一緒に巻けばいいもん、ね」
おしまい
81: 以下、
乙!
84: 以下、
追いついたら終わってた
>>1おつ
87: 以下、

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