上条「ただいまでごんす」絹旗「おかえりなさい、当麻」back

上条「ただいまでごんす」絹旗「おかえりなさい、当麻」


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1:
バス停
上条「あちゃー、降ってきたか…今朝の予報じゃ、明日の朝までもつって話だったけど…」
上条「仕方ない、走って帰るか」
絹旗「当麻!」
上条「ん?…あれ、最愛?ここでなにしてんの?」
絹旗「当麻を超迎えに来たに決まってます。はい、傘」スッ
上条「おお!さんきゅー最愛!いやー急に降ってきたから困ってたんだよなー」バサッ
絹旗「全く、だから念のために持って行くよう超しつこく言ったのに。これだから当麻は…」ブツブツ
当麻「はーいはい以後気をつけますよっと。ほら、ブツクサ言ってると置いてくぞー」
絹旗「あ、ちょ、待ってくださいよ!」タタッ
3:
絹旗「当麻、途中でコンビニに寄って行きましょう」
上条「なに買うの?」
絹旗「ケーキです」
上条「んん?…もしかして、俺が忘れてるだけで、今日ってなんかの記念日だったりします?お前の誕生日…は、違うよなぁ…」
絹旗「そういえば、当麻ったら自分の誕生日すら超忘れてましたもんね。サプライズでプレゼントを渡した時のあの顔…今思い出しても笑えてきます」クスッ
上条「その話はいいよ…それで?」
絹旗「いえ、今日はなんの変哲もない、超普通の金曜日ですよ。単に私が超なんとなく食べたいだけです」
上条「気分かよ」
4:
上条「コンビニスイーツはなー、割高感がなー」
絹旗「ケーキ屋さんで買う方が高いと思いますけど」
上条「あれはなんて言うか…一応専門店だし、そこそこ値が張っても仕方ないかなーみたいな心持ちになるんだよ」
絹旗「気分じゃないですか。ほら、言ってる間に着きましたよ。早く中に入りましょう」
上条「分かったよ」
9:
絹旗「うーん、どれにしましょう。超悩みます…」ウーム
上条「はー、最近じゃ普通のケーキの他にティラミスなんかも売ってんのか。『買ったとしてもシュークリーム』派の上条さんにとっては、馴染みのないものばかりですなー」
絹旗「最近て言うか、普通はこんなものでしょう。それより、当麻はどれにするんですか?」
上条「え、なに、俺も買うの?」
絹旗「当たり前でしょう?当麻一人差し置いて私だけ食べてたら、私が超卑しい人みたいじゃないですか」プンスカ
10:
上条「俺と最愛しかいないんだから、関係ないと思うんだけど…」
絹旗「駄目です。早く選んで下さい。でないと窒素パンチが超とびますよ」
上条「こえーよ。んー、じゃあこの」
絹旗「ちなみにラスト一個のチーズケーキは私がもらいます。今決めました」
上条「……ショートケーキで」
11:
上条「ただいまー」
絹旗「ただいま帰りました」
絹旗「夕飯はもう済ませたんですよね?」
上条「ああ。ごめんな」
絹旗「謝ることじゃないですよ。では、私は超早お茶を沸かしてきますね」
上条「んじゃ、その間に着替えとくわ」
絹旗「あ、部屋干ししておいたスウェットが超乾いてると思いますよ」
上条「ん、さんきゅ」
14:
絹旗「紅茶でよかったですよね?」
上条「ああ。にしても、ケーキなんて久しぶりだな。俺の誕生日以来じゃないか?まあ最愛が買ってくれたやつだけど」
絹旗「上条が久しぶりということは、同棲してる私にとっても超久しぶりということですからね」
上条「あー、そうなるのか。てか、最愛ってケーキ好きだったっけ?」
絹旗「嫌いと言った覚えはありません。超好きに決まってます。というより、超今更すぎです。それでも私の恋人ですか?」
上条「ぐっ…い、いや、そんなに好きなら、好きな時に買って食べればいいのでは…?」
絹旗「……」
上条「?」
絹旗「……1人より、2人の方がいいです」
上条「…そっか」
絹旗「………」
上条「……よし!食べるか!」
絹旗「!…はいっ!」
上条・絹旗「いただきます!」
16:
上条「コンビニスイーツだと思ってなめてたけど、結構いけるな」
絹旗「チーズケーキ美味しいですよ」
上条「じゃあちょっと一口」
絹旗「超駄目です」
上条「言うと思ったぜ畜生」
絹旗「どうしてもと言うなら、その無駄に大きくて赤いイチゴと交換ということで超手を打ちましょう」
上条「却下だ却下」
絹旗「小さい男ですね。そんな器では将来大物になれませんよ。断言します」
上条「うるせーやい」
17:
絹旗「ごちそうさまでした」
上条「うまかったー…うん、紅茶もうまい」ズズッ
絹旗「たまのコンビニスイーツも超悪くないでしょう?」
上条「そうだな」
絹旗「また食べましょうね。次は私、モンブランが食べたいです」
上条「……そうだな」
上条「…なあ、最愛」
絹旗「はい、なんでしょう」
上条「別れてくれないか」
18:
絹旗「……」
上条「ごめんな、急にこんな話…びっくりするよな」
絹旗「…いえ、続けてください」
上条「変な誤魔化しとかは無しにするよ。そういうのは、もう卒業したから」
上条「俺さ、イギリスに行くことになったんだ」
20:
上条「今までギリギリ均衡を保ってた魔術サイドと科学サイドだけど、この前の事件で、その均衡は決壊した」
絹旗「…たしか、学園都市が原石を保護していた施設を、過激派の魔術結社、でしたっけ?その人達が爆破したんですよね。死傷者は153人で、そのうちの半分以上が、原石の可能性を秘めていた…」
上条「子供だよ…」ギリッ
絹旗「……」
21:
上条「事件が起きるその時まで、全ての過程は水面下で進んでいた。必要悪の教会や、あのバードウェイすら気づけない程に深いところで。俺みたいなただの平凡な大学生には、絶対知り得ないような場所で」
上条「気づけないのが、当たり前だったのかもしれない」
上条「いい加減、身の程は痛いほど弁えてる。俺がその人達を助けられなかったからといって、誰もそれを糾弾なんかしないってことも。糾弾されるほどにも期待されていないってことも」
上条「けど、これから先は別だ」
上条「友達…っていうか、両サイドのスパイみたいな奴から、学園都市がイギリスに宣戦布告したって聞かされたんだ」
上条「また、戦争が起こる」
22:
上条「だから、それを止めに行く。その人達の死を、新しい悲劇の引き金になんか、絶対にさせない」
上条「第三次世界大戦の時とは違う。1人の強大な黒幕がいるんじゃない。正真正銘の、国と国との殺し合いだ。今までみたいに、俺と一対一で戦うような敵はどこにもいない」
上条「倒すべき敵は、一人もいない。強いて言うなら、彼等両方にとっては、殺し合いの邪魔をする俺が、第二の敵ってことになるな」
上条「生半可じゃ止められない。今まで通り、今まで以上に死ぬ気でやらなきゃ、本当になにもできないまま、なにも救えないまま、死んじまう。だから」
上条「俺は死ぬ気で、お前と別れなくちゃいけない」
23:
上条「本当なら、もう少し前にこの話をして、その後すぐにでもイギリスに向かうべきだったんだ」
上条「一方通行はもうイギリスに着いてる。浜面や御坂、他のLevel5達は、学園都市に残って最後の防衛線に加わるらしい。インデックスはもちろん、必要悪の教会の奴らも、向こうで懸命に反戦活動をしている。バードウェイは…よく分からないけど」
上条「動き始めた仲間のうち、俺だけが、ここで立ち止まってる」
上条「まだ、世界で1番大切な人から、離れられずにいる」
24:
上条「ありがとうな、最愛」
上条「今まで、命懸けの戦いに足を踏み入れたことは何度もあった」
上条「半端な覚悟で突っ込んだことは一度もない。いつも、大切ものを全部手放して。それでも最後は、必ず元の居場所に戻ってくる。そう誓って、戦場に立った」
上条「けど、今回は。今までにないほど、それを躊躇してるんだ。柄でもなく」
上条「最愛のことを、俺以外の誰よりも、最愛以外の誰よりも、愛しているから」
25:
上条「俺みたいなツンツン頭の、冴えない、不幸の塊みたいな男に、好きだって言ってくれてありがとう」
上条「俺の、世界で一番大切な人になってくれて、ありがとう」
上条「今までありがとう、最愛」
上条「俺達、別れよう」
26:
絹旗「…当麻の言いたいことはよく分かりました」
上条「…最愛」
絹旗「と言うか、分かってました。浜面を超脅して包み隠さず聞き出したので」
上条「…最愛?」
絹旗「野郎、私の窒素装甲には屈服しやがらなかったくせに、滝壺さんの『かくしごとをするはまづらはきらい』発言に籠絡されるとは…思い出したら腹が立ってきました。やっぱりあとで超締めておく必要がありますね。あ、今回の件が無事に終わったあとですけど」
上条「さ、最愛さーん…?」
絹旗「私は止めませんよ。当麻」
27:
絹旗「私は元、暗部にいた身です。その中で、場違いにも、友達のような関係になってしまった人が…死んでしまうことは、沢山ありました」
絹旗「だから、大切な人が自分の前からいなくなる感覚は、ある程度は知っているつもりです」
絹旗「その感覚が、当麻にも当てはまるのかは…正直分かりません」
絹旗「今までの数百倍、数千倍、もしくはそれ以上に辛いのかもしれません。死にたくなるかもしれません。て言うか多分死にます。超首吊ります。万全に万全を重ねて事前にリスカもします」
上条「お、おい、それは…」
絹旗「けど、それは当麻が死んでしまった時の話です」
28:
上条「……」
絹旗「当麻が生きて帰ってきたら、私達はまた、元に戻ることができます。恋人に戻って、今日みたいに、一緒に傘をさしながら歩いたり、ケーキを食べたりすることができます」
上条「…ああ、そうだな。でも…」
絹旗「言うまでもなく、怖いんですよね」
上条「っ……」
絹旗「生きて帰ってこれる確率が、とんでもなく低いから。十中八九、自分が死ぬだろうと思っているから…少しでも希望を持ってしまったら、死ぬ前の絶望が何倍にも膨れ上がってしまうのが、怖いんでしょう」
29:
絹旗「当麻」
絹旗「私は、どちらでもいいですよ。いえ、勿論生きて帰ってきてくれた方が超超超嬉しいですけど」
絹旗「あなたが生きるなら、私も一緒に、死ぬまであなたと生きます」
絹旗「あなたが死ぬなら、私も喜んで死にますよ」
上条「っ!それは絶対に駄目だ!!」
絹旗「どうしてですか?」
上条「…俺が。もし俺が、死んだとしても。残されたお前には、まだ、一緒に生きてくれる人達が、いるだろう」
絹旗「…そうですね。麦野は簡単に死ぬタマではないですし、滝壺さんも、なんだかんだで、のらりくらりと生きて延びてそうですね。浜面も、まあ、超一応数にはいれてあげましょう」
絹旗「けど、それじゃあ、当麻が一人じゃないですか」
30:
絹旗「別れるとか、生きるか死ぬかとか、そんなことはこの際超どうだっていいです。けど、これだけは。当麻が一人ぼっちになることだけは、許しません。譲れません」
絹旗「私は、あなたを超愛していますから」
上条「…最…愛……」
31:
上条「…あー……言いたいことは色々あるけど……口喧嘩でお前に勝ったことはなかったな。言っても聞かないのは分かってる」
絹旗「当たり前でしょう。当麻は死ぬまで私の尻にひかれるんです。下克上はあり得ません」
上条「それは…なんとも、幸福な話だな」
絹旗「超光栄に思うといいですよ」フフン
上条「はあ…仕方ない、だったらさ」
上条「最愛」
上条「この戦いが終わって、もし俺が生きて帰ってきたら…いや、死んだとしても」
上条「俺と、ずっと一緒にいてくれないか」
32:
絹旗「当麻…」
上条「最愛…」
絹旗「なんだか……超曖昧なプロポーズですね。え、今のプロポーズですよね?死亡フラグ全開でしたけど」
上条「うぐっ…ま、まあ一応」
絹旗「はあ、これだから当麻は…超締まらないです。顔を貸して下さい」チョイチョイ
上条「?なん…んむぅっ!?」
絹旗「…っぷぁ。これでちょっとはマシなムードになりましたかね」
上条「…っはー、びっくりしたー。えと、今のキスはOKの返事として受け取って……も?」トスッ
33:
絹旗「……」ギュー
上条「…最愛?」
絹旗「…頭、撫でてください」
上条「…」ナデナデ
絹旗「…っ…名前、呼んでっ、くださいぃ…」
上条「…最愛」ナデナデ
絹旗「当麻っ…!…当麻ぁ…とう、ま…っ…!」
上条「最愛」
上条「愛してる」
34:
ーーーーー…
絹旗「……」ボー
TV『……るように、1ヶ月前、予想されていたよりも遙かに早く、和解という形で幕を閉じた学園都市とイギリスとの戦争ですが、残された課題は多く、学園都市は引き続き日本政府と連携を取りながら、外交的信頼の回復を初めとしたそれぞれの問題の解決に取り組む方針です』
絹旗「……」
TV「それでは次のニュースです。第八学区の中心部にあ』ピッ
絹旗「…っ……」
35:
絹旗「……ぅ」ポロ
絹旗「…ぅ…あぁ」ボロボロ
絹旗「……とう、まぁ…!」ボロボロ
ガチャ
37:
絹旗「………とう…」グスッ
上条「…最愛……」
絹旗「……」ゴシゴシ
絹旗「…タイムリミット、ぎりぎりです。遅すぎ、です…。あと、5分でっ、超死ぬところでした…っ」
上条「…ごめんな、待たせちまって」
絹旗「当麻……当麻ぁっ!!」ガタッ
38:
絹旗「当麻!!当麻!当麻当麻ぁ!!」
上条「最愛……あ、痛い!痛いいたいいたたたたたた!!あんまり強くしないでぇぇ!!!治りかけの肋骨がぁああ!!」
絹旗「知りません馬鹿ぁ!!私がどれだけ…っどれだけぇ!!」ポカポカ
上条「ごめんなさいごめんなさいぃ!!いくらでも謝るし抱きしめるから鯖折りは勘弁ーーッ!!!」
絹旗「……」グスッ
絹旗「……当麻」
上条「ん?」
絹旗「………」
上条「……あー、その、なんだ…」
39:
上条「…うん」
上条「た、ただいまでごんす」
絹旗「ふんっ」メキッ
上条「ぐああぁああああああ!!!!」
上条「あっ」カクン
上条「」
絹旗「……ふふっ」
絹旗「……おかえりなさい、当麻」ギュッ
44:
絹旗「当麻ー?」
絹旗「…あれ、いつの間にか出かけたんですかね」
絹旗「当麻ー?当麻ー」パタパタ
上条「っ…っ…!!」プルプル
絹旗「なんだ、いるんじゃないですか」
上条「さい…っ!さいあっ…!!」プルプル
絹旗「寝転がってなにしてるんですか?超プルプルしてますけど」
46:
絹旗「…はあ。コタツの足にしこたま小指をぶつけた、ですか」
上条「よくやるんだよなあ…これもいつもの不幸と関係あるのかねー…」
絹旗「あ、動かないでくださいよ。ただでさえ超湿布の貼りにくい場所なんですから」
絹旗「…はい、できましたよ。それにしても、小指ですか。私はぶつけたことありません」
上条「うっそだー。あ、さんきゅ」
47:
絹旗「どう致したまして。ぶつけるもなにも、私には窒素装甲がありますから」
上条「あー。それって全自動なんだっけ?すげー便利」
絹旗「自分の意思でOFFにすることは可能ですけど、一応は。おかげさまで物心着いた頃から、小指をどこかにぶつけたこともなければ鳥の糞が頭に落ちたこともありません。あ、あとにわか雨でずぶ濡れになったことも」フフン
上条「羨ましい限りだ…」ホロリ
48:
上条「それで?」
絹旗「はい?」
上条「さっき何度も名前呼んでたろ?」
絹旗「ああ、そうでした。先日当麻と話してた新しい本棚のことなんですけど、TVですごくユニークなのを紹介してるんですよ!」
上条「おー、そっか。どんなの?」
絹旗「見た方が早いですって!それはもう、超超ハイセンスなデザインなんですよそれ!」
上条「お、おい、引っ張るなよ、それにそんなに急いだら…」
ピキーン
上条「あ」
絹旗「?どうしました当
ガッ!
絹旗「っっっーーーー!!!!!」
49:
公園
絹旗「当麻ー」
上条「んー?」
絹旗「足元にボールが転がってきましたよ」
上条「あ、ほんとだ」
子供「すいませーん!とってくださーい!」
上条「はいよー行くぞー」
上条「ほいっ」ポーン
子供「ありがとーございまーす!」
50:
上条「ふぅ」
絹旗「そういえば、当麻はなにかスポーツとかやってたんですか?」
上条「ん?んー、体育とか遊びではやってたけど、ガチでやってたのはないかなぁ。最愛は?」
絹旗「私もないですね。私は所謂置き去りでしたから、部活動をしようにもそもそも学校に行ってません」
上条「あー」
上条「……よし、最愛」
絹旗「はい?」
上条「バトミントンやろう」
53:
絹旗「言われるままにラケットを持たされてしまいました。と言うより、こんなの家にあったんですね。超知りませんでした」
上条「おーし、行くぞ最愛ー」
絹旗「あ、はい。超ばっちこいです」
上条「そいっ」ポーン
絹旗「とりゃっ」スカッ
絹旗「…おろ?」
上条「あー、バドミントンは最初距離感を掴むのが難しいんだよなぁ」
絹旗「はー、以外と奥が深いんですね。このくらい、最愛ちゃんにかかれば楽勝だと思ってたんですが」
上条「まあ、すぐに慣れるよ。次は最愛から打ってみな」
絹旗「いきますよー」
絹旗「はいっ」スカッ
絹旗「…はら?」
54:
20分後
上条「よっ」トン
絹旗「ほっ」タン
上条「はっ」トン
絹旗「とっ」タン
上条「だいぶうまくなってきたなー」トーン
絹旗「せいっ」タンッ
上条「お、今のいいかんじ!」トン
絹旗「むんっ」タンッ
上条「今度はネットを挟んでやりたいなー」トーン
絹旗「とぁっ」タンッ
上条「なー」トーン
絹旗「らっ」タンッ
上条「うん、聞いてないな」トーン
55:
上条「ふー、だいぶ動いたな。ちょっと休憩しようぜ」
絹旗「え、もうですか?まだ少ししか…」
上条「いや、やり始めてから1時間以上経ってますけど」
絹旗「えっ…あ、ほんとだ。超おやつの時間ですね」
上条「集中しすぎだろ…飲み物買ってくるわ。何がいい?」
絹旗「メロンソーダでお願いします!」
上条「…あったっけ?まあいいや、なかったら別の買ってくるぞー」
絹旗「いちごおでんだけはやめてくださいねー」ブンブン
56:
上条「ほら。なかったから安定のヤシの実サイダーだぞ」
絹旗「ありがとうございます。メロンソーダの売ってる自販機ってなかなかないですよねー」カシュッ
上条「そういえばそんな気がするな」カシュッ
絹旗「なんででしょう。子供が超好きなドリンクTOP3には入ると思うんですけど」ンキュッンキュッ プハ
上条「その言い方だとお前も子供の括りに入りかねないぞー」
絹旗「失敬しちゃいますね。確かに私はメロンソーダが超好きですけど」
57:
………
絹旗「やっ」パシュンッ
上条「わ!」トッ
絹旗「しっ」パシュンッ
上条「く!」トッ
絹旗「らっ」バシュッ!
上条「うおっ」スカッ
絹旗「わーい。勝ちました」
上条「はー。1日だけでかなり上達したなぁ。他のスポーツでもすぐに追い抜かれちまうな、こりゃ」
絹旗「けど、そろそろ羽根が見えにくくなってきましたね」
上条「日が落ちるのも早くなったな。帰ろうか」
5

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