真紅、サンタになれない。back

真紅、サンタになれない。


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雛苺「うにゅにゅ? 翠星石がやけにハイテンションなのよ」
翠星石「ふっ、それにはワケがあるのです」
雛苺「わけ?」
翠星石「そうです。ほれ、翠星石のドレスを近くでよく見ろですチビ苺、そうすれば分かるです」
雛苺「ドレス? いつもと同じじゃないの」
翠星石「ふっふっふー、分からないですか? もっと近くによって、感覚の目でよ?く見てみろですぅ」
雛苺「ふにゅ?」
翠星石「今です! くらえ、可視光線照射装置ィィ!」ピカァ
雛苺「うにゃー!? 眩しいのォーーー!? 翠星石のドレスが急に光りだしたの?!!」
翠星石「がーはっはっはっはっは! チビ人間に鞭打って翠星石のドレスに極小電飾を仕込ませたのですぅ!」
雛苺「す、すごいのよー! カッコいいのー! まるでクリスマスツリーみたいなのよね翠星石!」
翠星石「がーはっはっはっは! もっと褒めろです! 崇めろです! 今日という日を国民の祝日にしろですぅ!」
884 :
雛苺「あるぇ? どうしてドレスの電球をもう消しちゃうの? 綺麗だったのにぃ」
翠星石「いや、これって意外と…熱がこもるんですよ。調子に乗って電球を沢山つけすぎたですね。
  限界時間を超えて電飾を稼動させると…やがては人体発火を起こすのです!」
雛苺「ほわぁあああ! お、恐ろしすぎるのーーっ!」
ジュン「ンなわけねーだろ。そんな致命的なミスを僕がするわけない」
翠星石「むむ、チビ人間」
雛苺「ええっ? 翠星石ったら、またヒナをだましたのね」
翠星石「へっへーん、だまされる方が悪いのですー!」
885 :
翠星石「お! 真紅おかえりです。どこへ行ってたんですか?」
雛苺「何か元気ないみたいなのよ真紅」
翠星石「今日は楽しいクリスマスですよ? もっとテンションあげあげでイこうぜですぅ!
  ただでさえ、真紅は見ためがサンタに似ているんですから」
真紅「そうしたいのはやまやまだけど」
ジュン「どうした? 何か悩み事でもあるのか?」
真紅「いえ、ね。今年は私も、真紅⇒アリス⇒超真紅へとハイパー進化したじゃない」
ジュン「そうなの?」
真紅「そうよ。そして私はアリスゲームでチンタラ争うようなその辺のボンクラメイデンではなく
  誰かの願いを受け止め、それを叶えるお父様、あるいはサンタクロースと同じ次元に立った」
翠星石「何かイチイチ癇に障る言い方をするですね」
雛苺「ヒナ達ボンクラじゃないのー!」
886 :
  グリーンランド国際サンタ協会に申請し、公認サンタの資格を取ろうと考えた」
ジュン「それで?」
真紅「公認サンタになるためには条件が四つある」
雛苺「四つ?」
真紅「一つ、結婚していること。二つ、子供がいること。
  三つ、これまでにサンタとしての活動経験があること。四つ、体重120kg以上」
翠星石「なんですか、それは? ふざけてるんですか」
真紅「いえ、大マジよ。これらの条件は全て『サンタらしさ』を備えるためのもの。
  そして真紅ちゃんはこれらの厳しい課題をクリアするために努力した」
ジュン「努力してどうにかなる項目か? その四条件は」
真紅「とりあえず一つ目の条件はジュンと結婚していることにして
  二つ目の条件は雛苺を私とジュンの愛の結晶ということにして申請した」
ジュン「ッ!?」
翠星石「なんですとー!?」
雛苺「ヒナ、いつのまにジュンと真紅の赤ちゃんになっちゃったのよ!?」
ジュン「何を勝手なことしてやがる、この馬鹿! 結婚て!」
真紅「グダグダうるさいわね。ぶっちゃけ契約の指輪って、そういうことよ」
ジュン「だ、だったら翠星石との契約は!? 二人以上と契約したら重婚罪じゃあねーか!」
真紅「翠星石はいわゆる内縁の妻、愛人って扱いだから。重婚罪にはならないわ」
翠星石「いやいやいやいや、何を言い出すですか真紅」
ジュン「重婚罪でなくとも道徳的にアウトだろ」
真紅「そういうわけで二つ目までの条件はクリアできた」
ジュン「『そういうわけで』で片付けないで」
887 :
※ 真紅、サンタになる。 参照
翠星石「あれを実績にしちゃうんですか」
ジュン「参考書買っただけで受験勉強の実績にするようなもんだぞ」
雛苺「うぃ! しかも、確か二人目の鳥海皆人にインモウを渡したのよーっ!」
ジュン「いんもう?」
真紅「それを言うなら引導よ、雛苺。確かに、あれが遠因となって二人目の鳥海皆人は自滅した(※)
  それは覆しようのない私の罪。その十字架を背負って私はこれからサンタロードを歩み続けねばならない」
※ 桜田ジュンの革新『愚者は二度死ぬ』 参照
ジュン「真紅…」
真紅「けれども、この心の痛みこそが私が生きている証。鳥海皆人の魂とともに私はサンタを目指す!」
翠星石「真紅、そこまであのトリモチ人間もとい、トリモチ人形のことを…」
ジュン「ちょっと待て。何か凄い悲劇を背負ったヒロインみたいな
  雰囲気を出してるけど、勝手に真紅の野望に鳥海の遺志を組み込むなよ」
真紅「まあ、それはさておき」
ジュン「さておかないで」
888 :
翠星石「ですよねぇ、翠星石達の体重はゼロ一個足りない12kgだって、あるかないかですもん」
真紅「そのため私は冬眠前の熊や内稽古の力士のようにひたすらご飯を食べては眠った」
雛苺「そう言えば、最近の真紅はいつ見ても食べてるか眠ってるかのどっちかだったの」
ジュン「ただ怠けて自堕落な生活を送っていただけじゃあねーか」
翠星石「馬鹿みたいに食事の時にお代わりを繰り返していたのも、そういう理由だったですか」
真紅「ええ、つめ込められるだけの食べ物を胃袋に放り込んで、必死に体重を増やそうとした。
  けれども無理がたたって、食べ過ぎた分は毎日、深夜にこっそり便所で吐いたわ」
ジュン「朝、妙にトイレが酸っぱ臭かったのはテメェのせいか」
真紅「しかし、この四番目の条件、体重120kgというのは『衣装込み』での計算だということが
  判明したので、特製サンタドレスに鉄板を縫いこむ手法によって解消できる」
ジュン「条件は最初からちゃんと細かいところまで確認しておけよ…」
真紅「こうして満を持して国際サンタ協会に書類審査申請をしたの!
  そして、その書類審査の返事が届いたのが、つい今しがたというわけ」
雛苺「じゃあ、さっきまで郵便物を受け取りに出てたのよね真紅は」
翠星石「ガラにもなく緊張していたから元気がなかったのですか」
889 :
ジュン「あいよ」ヒョイ
真紅「この真紅様ともあろう者が封筒を切る手が感動と期待で震えるわ」チョキチョキ
ジュン(あっ! よく見たら真紅の持つ封筒がやけに薄い!)
翠星石(封筒の厚さだけで不合格が分かるパターンですね)
真紅「どれどれ…? デンマークでの実地技能試験の日程でも書かれて…?」ゴソゴソ
雛苺「早く早くぅ! サンタ協会からのお返事には何て書いてあるの? 真紅ぅ」
真紅「ふふふ、そんなにガっつかないでよ…て、あ!」ピタッ
翠星石「お、真紅の動きが止まったですよ」
ジュン「サクラチルってか」
真紅「……」ぷるぷる
雛苺「ねぇねぇ、どうなの? 何て書いてあったの??」
真紅「……」パサッ
雛苺「あ、お返事落としちゃったらダメなのよ真紅。ヒナが拾ってあげる」ササッ
890 :
  |                    |
  |                    |
   /  ̄ ̄ ̄ ̄   /_____
    /    /ヽ__//
  / 寝言は寝て言え   / / /
  / by サンタ協会  / / /
 / ____  / / /
  /    / / /
 /    /    / /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / /
雛苺「…こ、これは!?」
真紅「……」
翠星石「おおぅ、言うですねぇ奴らも」
ジュン「しかし、これが正しい反応だろうな。ナイス、サンタ協会」
真紅「……」ガックリ
翠星石「真紅もスッゲー落ちこんでいるみたいですぅ」
ジュン「真紅にはいい薬だ。これを機に、自分の振る舞いが第三者の目にどう映っているかってのを…」
真紅「…けない」ムクリ
ジュン「?」
雛苺「にゅ? 今、何て言ったのよ真紅?」
真紅「負けない! 真紅ちゃん負けない! たとえ協会に認められなくても
  孤独のサンタクロースとして…! サンタ界のブラックジャックとして君臨してやるのだわだわ!」
翠星石「ぬうっ! タフなヤローです! 心が折れるどころか、逆境に燃えている感すらあるです!」
雛苺「真紅らしいの」
891 :
  そうよ、協会相手に何の負い目があるだろう! サンタは皆のものよ、夢よ! 組織で独占していいわけがない」
ジュン「サンタ協会はサンタクロースを独占しているわけでは…」
真紅「今この時より、私はサンタ! 協会が認めずとも私がそれを認める! 我が信念と行動に一切の曇り無し!」
雛苺「何だかよく分からないけど真紅かっこいいのよ!」
ジュン「いや、よく分かると、かなりかっこ悪いぞ」
真紅「…というわけでジュン、今すぐトナカイとソリを用意して頂戴」
ジュン「は?」
真紅「トナカイとソリよ。サンタにはそれが必要だわ。二度は言わせないでね」
ジュン「んなもん用意できるわけないだろ」
真紅「なんですって!? それでもこの真紅の下僕なの? ジュン!?」
翠星石「日本じゃ動物園ぐらいにしかいねーですよ、トナカイは」
真紅「…以前に、動物園から逃げ出したトラを私が捕まえたことがあるじゃない。
  そのツテで、あの動物園からトナカイの一頭や二頭、貸してくれないかしら?」
雛苺「それは流石にヒナでも無理だと思うの」
ジュン「そもそも真紅がトラを捕まえたんじゃなくて、トラに真紅が捕まったんだろ。それもマウントポジションで」
真紅「どっちでもいいわ、そんなこと」
ジュン「よくねぇよ」
892 :
ジュン「ソリもねぇよ。どうしてもってんなら物置に古いダンボールとかがあるから、それを使って自分で作ればいい」
真紅「ダンボールでソリを自作するサンタだなんて聞いたことないわ! 真面目にしないと、ぶつわよ! ジュン!」
ジュン「他人にトナカイとソリを強要するサンタも聞いたことないぞ」
真紅「うぬぬぬぬぬ!」
翠星石「大体トナカイもいないのに、ソリだけ用意してどうするですぅ?」
真紅「それは雛苺や金糸雀あたりにでも引っ張らせればいいのだわ」
雛苺「みょわわっ! どうしてヒナがトナカイ役なの!? ひどいのー!」
ジュン「そうだぞ真紅。大体、雛苺は真紅の赤ちゃんになったんだろ? 自分の赤ん坊にソリ引かせるとか虐待だ」
真紅「サンタ協会を騙すための芝居なんて、とうに終わっている。そんな設定クソ食らえよ」
翠星石「『クソ食らえ』って真紅、おめぇ…」
真紅「あら、失礼。『ウンコ食べろ』の間違いだったわ」
ジュン「丁寧に言い直してもダメ」
真紅「じゃあ、『おうんち召し上がれ』?」
ジュン「言葉遣いの問題じゃないって言ってんだろ」
893 :
真紅「……」トンテンカン
雛苺「真紅ぅ?、温かい紅茶の差し入れを持ってきたのよ。ソリは出来たの?」
真紅「ありがとう雛苺。あなただけね、私に優しいのは。結局、ジュンと翠星石は
  か弱く可憐な美少女メイデン真紅ちゃんを、寒空の下にダンボールとともに放り出した」
雛苺「真紅がジュンとの交渉に失敗して勝手に出ていっただけなの。
  それはそうと、何でダンボールをカナヅチで叩いていたのよ?」
真紅「ふ、よく見なさい。これは外側は確かにダンボールだけれども
  内側にはドレスに縫いこむ予定だった鉄板を流用して仕込んである」
雛苺「ふみゅ??」
真紅「これにより、ソリとしては破格の堅牢性を確保。
  ただのダンボールと思い込んで蹴とばしでもすれば、足の指の骨が折れるくらいの強度」
雛苺「でもでも、そうしたら鉄板の分で重くなっちゃうんじゃないの?」
真紅「心配はご無用よ雛苺。このソリは底の四隅にコロコロ(車輪)を付け足してもある」
雛苺「……」
真紅「これのお陰で移動はとてもスムーズィー。100kg以上の重量でありながら、わりと楽に動かせる」ゴロゴロ
雛苺「ねぇ、真紅」
真紅「何よ雛苺?」
雛苺「タイヤが付いちゃったら、それはソリじゃなくて、ただの箱型の台車だと思うの」
真紅「!」
雛苺「……」
真紅「い、いえ…、これはソリよ。タイヤがついていても製作者の私がソリだと言えばソリよ」
雛苺「し、真紅ぅ…」
894 :
雛苺「た、大変なのよジュン! 翠星石ぃ!」ガチャッ
ジュン「ん? どうした?」
翠星石「トンテンカンとやかましかったですが、真紅がトンカチで自分の指でも叩いたですか?」
雛苺「違うの! 真紅が自分で作った台車に乗って、走って外に行っちゃったの!」
ジュン「なにぃ!?」
翠星石「え? えっ!? なんでです? ソリじゃなく台車?」
雛苺「えっとね! 真紅はね、『これはソリだ』って言ってたんだけど…。タイヤが付いていたら
  ソリじゃなくて台車なのってヒナが説明してあげたら、そのうち真紅が泣きながら台車に乗り込んで、道路へ」
ジュン「あの馬鹿…」
翠星石「チビ苺に論破されて逃げるとは相当ですね」
雛苺「どうしよう??」
ジュン「ほっとけばいいだろ。どうせお腹がすいたら帰ってくるだろうし」
翠星石「です」
雛苺「でもね、でもね、真紅が乗っている台車には鉄板が貼り付けられていて…」
ジュン「はぁ!?」
翠星石「何で、そこで鉄板が出てくるですか? もっと詳しく話せですチビ苺」
雛苺「実は…」
895 :
  ダンボール台車の外装に流用しているだとぉーーー!?」
翠星石「気でも狂ったのですか真紅は…!」
雛苺「なのー」
ジュン「そもそもそんなに大量の鉄板をどこから調達してたんだ…?」
翠星石「近所の工事現場や排水溝の鉄板が無くなったという話は聞かないですしね」
雛苺「謎なのよ」
ジュン「鉄板の出所はさておき、そういうことなら話は別だ! 100kg以上の鉄の塊が外を走り回っているとなると…」
翠星石「危険がデンジャーですよ! 近所の子供を轢いて怪我させたら…
  いや、ヤクザのベンツとかに追突してローザミスティカを取り上げられでもしたら!」
ジュン「やめろ! それ以上は言うな。考えたくもない!
  しかし、ホーリエも真紅のイカれた工作活動を黙って見ていたというのか」
翠星石「あ、人工精霊の皆様は例によって今年も里帰り中ですぅ」
ジュン「……」
雛苺「と、とにかく早く真紅を追いかけて、止めなくちゃなのよ!」
ジュン「そうだな雛苺。真紅がどっち方面に向かったかを教えてくれ!」
雛苺「うぃ! こっちなのー! みんな、ついてきて?」
896 :
金糸雀「♪かっかっかしらの金糸雀は? ♪か?ぜに吹かれてゆ?らゆら?かしら」テクテク
???「どいてどいてどいてーーーーっ!!」
金糸雀「あら? 坂の上の方から誰かの声が…?」
 ばびゅーん
     .ィ/~~~' 、
 、_/ /  ̄`ヽ}
    ,》@ i(从_从))
  ||ヽ|| ^ω^ノ 
 =| ̄~∪ ̄ ̄ ̄|
 =|      |
  ◎――――◎
金糸雀「ッッ!? 坂の上から箱車で駆け下りてくるのは真紅!? 何やってるの、あなた!?」
真紅「危ない! 金糸雀! このままだと、ぶつかるゥーーー!!」ゴゴゴゴゴ
金糸雀「あの台車からの振動音! すぺしゃるな観察眼と耳を持つカナには分かってしまったかしら!
  ダンボールチックな見た目とは裏腹の超重量! まともにぶつかればカナはバラバラに!?」
真紅「だから、どいてって言ってるでしょ! スピードがつきすぎていて、こちらではコントロールできない!」
金糸雀「も、もう遅いわ! のん気に状況判断していたから、避けている時間がもう…無い!
  だったら採れるベストな方法は! 最早これだけ!!」
真紅「なんですって!? 金糸雀が逆に、このソリに頭から突っ込んできたァー!?」
金糸雀「当たる面積を最小にして、全身硬直防御かしらーーーーっ!!」
897 :
ジュン「むっ!? なんだこの音は!」
雛苺「あっちの坂道の下の方から聞こえたのよ!」
翠星石「まるで分厚い鉄の扉に、ピストルの流れ弾が当たったかのようなこの音は!」
ジュン「ま、まさか…」
翠星石「ひょっとして真紅が、ついに事故っちまったんじゃあ…」
898 :
金糸雀「ふっ、人体の構造で最も強固な部位は頭骨。カナ達、人形でもそれは同じこと。
  そこを突き出すことでダメージを最小にするつもりだったんだけど…
  まさか台車に体が腰までスッポリ突き刺さるとは思わなかったかしら」
真紅「お陰でソリのスピードも大分落ちたけれど…。大丈夫なの金糸雀?」
金糸雀「一応、手は自由に動かせる。でも、車体の歪んだ鉄板に
  胴体が完全に挟まっちゃったから、どんなに踏ん張ってみても抜け出せない」ジタバタ
雛苺「ああっ! 真紅の台車を見つけたの! あそこを走っているわ!」
翠星石「あれが、真紅がダンボールと鉄板で作った…?」
ジュン「台車の正面から変なオブジェが生えているぞ? 誰かの下半身みたいな」
雛苺「あんなのはヒナが見た時は無かったの」
翠星石「あのオレンジ色のモンペみてーなケツはカナチビのじゃあねーです?」
雛苺「むぅぅ? ということは、さっきの音はカナと真紅がぶつかった音なのよ?」
ジュン「何だ金糸雀か」
翠星石「ふぅ?、どこぞのベンツにでも追突したかと思って冷や汗かいたですが、カナチビなら無問題ですぅ」
ジュン「よし! 台車のスピードも遅い今のうちに真紅を取り押さえるぞ!」
雛苺「うぃ!」
899 :
真紅「ごめん! 金糸雀! 追っ手が来たわ! このまま突っ切らせてもらうわよ!」グイン
金糸雀「え? ええッ!?」
雛苺「あっ! 真紅の台車がスピードアップしたの!」
ジュン「僕達に気付きやがったか!? しかし、どういう原理で加を?」
雛苺「ローズテイルを応用しているらしいのよ」
ジュン「そういう悪知恵は本当によく回る奴め…」
翠星石「ええい、最高度に達して引き離される前に何としても追いつくですぅ!」
ジュン「いや、むやみやたらに追い回すのは危険だ。また、事故られる可能性もある」
翠星石「しかし!」
ジュン「僕にも悪知恵はある。いいか二人とも耳を貸せ…」
翠星石「後で返してくれですよ」ブチッ
ジュン「誰がそんな体はったボケをかませと言った。話を聞けってことだ。要するにだな…」ゴニョゴニョ
雛苺「ふんふん…」
900 :
  カナの今の体勢じゃ台車の中しか見えてないから、全然状況が分からないかしら」
真紅「かいつまんで話すと私は新世界のサンタとなる。そういうことよ」
金糸雀「かいつまみすぎて意味不明かしら」
真紅「それにしてもジュン達の追撃が緩いわね。この真紅ファイナルターボ号の加度の前に怖気づいて…」
雛苺「待てー、待て待てなのよー」ビュンビュンッ
真紅「ぬっ! あれは?」
金糸雀「雛苺の声? そして風を切るこの音…?」
真紅「雛苺の苺わだちを電柱に巻きつけて使う、スパイダーマンばりのロープフライよ!
  まずい! あの技を使われると雛苺の機動力は、このソリを遥かに上回る!」
金糸雀「ええっ!? だ、だったら電柱とか高い木の少ない方面へ逃げるのかしら真紅!」
真紅「言われなくてもそうするわ! 金糸雀、運転が荒っぽくなるけど我慢してよ!」グイン
金糸雀「ッ!?」
901 :
ジュン「よし、これで僕の策は成った! 同乗している金糸雀が勘付かない限りは、だが」
雛苺「よいしょっと」ストッ
翠星石「よくやったですチビ苺! 後は、このまま翠星石達と一緒に真紅を追い詰めるですぅ」
雛苺「うぃ!」
902 :
翠星石「止まりやがれですぅ真紅!」ダダダ
雛苺「御用だ御用だー、なの!」スタタタ
真紅「くっ! しつこく追いすがってくるわね。しかし、この真紅ちゃんの
  ドライビングテクニックの前には、雛苺みたいな反則技でも使わない限り、追いつけなくてよ!」
金糸雀「ふわわわわっ! さ、さっきから殺人的な加かしらーーーっ!」
真紅「我慢なさい金糸雀!」
金糸雀「だ、だって…! ずっと、この体勢でこのスピード。ぎ、ぎぼぢわるい…かしら」
真紅「なっ!? あなた、もしかしてリバースする気!? ゲロ吐くだなんて乙女として最低の行為よ。
  こらえなさい金糸雀! ゲロを吐いたらあなたはクズよ! クズ乙女、ジャンクよ!!」
金糸雀「もうダメ、限界突破かしら」ゲロゲロゲロ
真紅「うぎゃああああああーーーーっ」
翠星石「むっ! 何だか、真紅の台車のスピードが落ちたですぅ!」
雛苺「まさかジュンの作戦に気付いたのよ!?」
ジュン「いや、もう今更、何に気付こうが手遅れだ!」
903 :
金糸雀「だって、無理なものは無理かしら」ゲロゲロゲロ
真紅「大体あなたは普段から…て、ああっ! あれはッ!?」
金糸雀「どうかしたのかしら真紅!?」
真紅「まずい! 目の前にドブ川が迫っている!!」
金糸雀「な、なんですって!?」
翠星石「がーはっはっは! これこそがチビ人間の作戦ですぅ!」
ジュン「ドブ川を前に止まるも良し、止まらず突っ込んでも最悪それ以上の大事故は防げる」
雛苺「ジュンの冴えたやり方なのー!」
真紅「くっ! このソリにはブレーキだなんて気の利いたものはない!
  減し始めているとは言え、このままでは間違いなくドブ川に落ちる!!」
金糸雀「そんな!?」
真紅「…仕方ない! 遺憾ながら、このソリを放棄する!」グワッ
金糸雀「し、真紅! カナを見捨てて一人だけで脱出する気!? それはちょっとひどいわ!」ガシッ
真紅「ちょっ!? 何をするの金糸雀! そのゲロ臭い手を離しなさい!」
金糸雀「いいや、離さないかしら!」ギュッ
真紅「こ、こんな馬鹿な…! 馬鹿なことが! お、落ちる! ドブ川にぃいいいいいいひいいいい!!」
904 :

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