霧切「サンタさんが来るの楽しみね」 苗木「え?」back

霧切「サンタさんが来るの楽しみね」 苗木「え?」


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1:
霧切「明日、クリスマスイブだけど苗木君はサンタさんにお願いしたの?」
苗木「え?」
霧切「???」
苗木「えっと…その…」
霧切「あら、もしかして聞こえなかった?」
霧切「苗木君はサンタさんに何をお願いしたの?」
8:
苗木「ちょ、ごめん?え?サンタさん?」
霧切「どうしたの?苗木君、もしかしてサンタさんのこと知らないの?」
霧切「サンタさんはフィンランドのコンバトントリに住んでいるのよ」
霧切「毎年クリスマスになるとトナカイにひかせたそりにのってやってきて、プレゼントをくれる」
霧切「まったく、苗木君たらこんなことも知らなかったの?」
9:
苗木「えっと、いや、なんていうか…」
霧切「???どこか歯切れが悪いわね」
苗木「霧切さんの言ってるサンタさんって、プレゼントをくれる人の比喩…だよね?」
苗木「まさかサンタさんを信じてる…なんてことじゃないよね?」
霧切「信じる、ってどういう意味かしら?」
霧切「まあ、サンタさんは私の欲しいものをプレゼントしてくれるから、そういう意味では信じているわね」
苗木「あー、そっか…そうなんだ…」
霧切「さっきから元気ないわね、苗木君。あ、もしかして…」
苗木「も、もしかして?」
霧切「サンタさんにお手紙出すの忘れちゃった…とか?」
11:
苗木「お、お手紙!!??」
霧切「その驚きっぷりから推理すると、どうやら図星のようね」
霧切「ふふふ…苗木君はやっぱりうっかりしてるのね」
霧切「お手紙出さないとサンタさんも苗木君の欲しいもの、わからないわよ」
苗木「あっ、そっか…アハハ…そうだよね、うん…」
霧切「私なんか絵をいっぱい書いて、サンタさんが喜んでくれるようにしてるの」
霧切「毎年毎年頑張ってくれているサンタさんの労をねぎらってあげないとかわいそうだものね」
苗木「へー、そーなんだ…あ、えっと…霧切さんって偉いんだね」
15:
霧切「当然よ!あ、そうだ、いいこと思いついたわ」
苗木「ど、どうしたの?」
霧切「お手紙を出し損ねた苗木君に朗報でーす♪ふふふ」
苗木「…(ゾク」
霧切「ちょっと、人がせっかくいいことを教えてあげようとしてるのにそんな恐怖にゆがんだような顔をしないでくれるかしら」
苗木「あ、そうだね…うんごめん…あの、その、で朗報って一体?」
霧切「実はね、私の父がサンタさんと有力なコネクションをもってるの」
苗木「…お、おー、そ、そりゃすごいね!」
霧切「実はサンタさんへのお手紙も毎年父に届けてもらっているのよ」
苗木「へ、へー」
18:
かわいい
23:
霧切「あらなに?もしかして疑っているの?失礼よ、苗木君」
霧切「毎年毎年私の希望するプレゼントが届けられている、という事実からみて私の手紙がサンタさんに届いているというのは明白」
霧切「ま、事実の羅列から客観的に導き出せる簡単な推理ね」
苗木「あ、えっと霧切さんのお父さんってすごいんだね!」
霧切「ふふふ、まあすごいのは父ではなくてサンタさんだけど」
霧切「まあとにかく、お手紙を書いて私に渡してくれれば父に頼んでサンタさんに届けてもらうけれど…どうする?」
苗木「え、いや、僕は別に、その」
霧切「…はあ…あのね、苗木君…苗木君の考え方にとやかく言いたくは本当はけど言わせてもらうわ」
苗木「え?」
27:
霧切「毎年毎年遠いところからこんな寒い季節に老体に鞭打ってやってきてプレゼントを配ってくれる」
霧切「そんなおじいさんに対して、苗木君は感謝の気持ちの一つもないのかしら?」
霧切「利用するだけ利用して、感謝の気持ちを示さないで知らん顔?」
霧切「こういってはなんだけど、そんなの人間のクズよ!!(バーーン」
苗木「ひえっ!」
霧切「サンタさんは、確かに私の感謝の念目当てにプレゼントを配ってくれているわけではない」
霧切「けれども、やはり頑張ってくれている人に対してはそれ相応の気持ちを見せないといけない」
霧切「…この私の考えに、どこか、間違っているところはあるかしら?」
苗木「…いえ、ございません…」
霧切「分かってくれたらいいのよ」
31:
霧切「サンタさんにお手紙を書けと強制するつもりはないのよ」
霧切「ただ、書いたらきっとサンタさんも喜んでくれる、そう思うの」
霧切「さっきの様子だと毎年、サンタさんにお手紙書いていないようだけど?」
苗木「う、うん、手紙を書いたことは…小さいときにあったかなーってくらいかなぁ…」
霧切「だんだんとめんどくささが出てきて書くのが億劫になったってところかしら」
霧切「でも、今から書いたって遅くないわ。いえ、むしろサンタさんも喜ぶかもしれない」
霧切「『おっほっほ!こりゃこりゃ苗木君からの手紙じゃわい、久しぶりじゃのー!』」
霧切「『めっきり手紙をくれんようになって寂しかったが、わしのことまだ覚えてくれておったのか!』」
霧切「『うむうむ、元気が出てきたのー!それ、頑張ってプレゼント配達にいってくるとしようかのお!』」
霧切「こんな感じでサンタさんも、まだ素直だった苗木君の幼いころに思いをはせるかもしれないわね」
苗木「…う、うん!そうだね…!」
33:
霧切「どう?サンタさんへのお手紙、書く気にはなったかしら」
苗木「うん、そうだね、書いてみるよ、うん」
霧切「そう、それはよかったわ。きっとサンタさんも喜ぶわね」
苗木「そうだといいんだけど」
霧切「欲しいプレゼントもちゃんと書くのよ?まだ間に合うから」
苗木「うん、そうするよ!欲しいものいっぱいあるからね!うん!」
霧切「ふふふ…プレゼントって聞いて目を輝かせるなんて苗木君も子供っぽいところがあるのね」
苗木「…あ、ああ、うん、そうだね、アハハ…」
37:
霧切「…そういえば、そんなふうにサンタさんにそっけなくしてて当日出会ったらどうするつもりだったの?」
苗木「え?出会う?出会うって…?」
霧切「サンタさんに出会うって意味よ」
苗木「あー…いやー、その、特にどうとかは…」
霧切「…ふふ、苗木君、自慢話していい?」
苗木「え?うん、どうしたの?」
霧切「実は…私…出会ったことあるの…」
苗木「え?」
霧切「はあ…飲み込みが悪いわね…私、サンタさんのことをみたことがあるのよ」
霧切「あー、いっちゃったー!本当は誰にも言わないで秘密にしておこうとおもっていたのに!」
40:
苗木「へー、そうなんだ…」
霧切「…随分とリアクションが薄いけど…」
苗木「…!え、えええ!!!霧切さんサンタさんみたことあるの!?うわ!すごい!!!すごいよ!!!」
霧切「ちょ、苗木君、そんなに子供みたいにはしゃがないでくれる?」
霧切「でも、そこまで食いつかれたら白状するしかないわね」
苗木「うんうん!聞かせてよ!!サンタさん目撃エピソード!!」
霧切「実はね、本当はいけないことだけど、サンタさんに会いたくて寝たふりをして待っていたことがあるの」
霧切「私に毎年プレゼントを届けてくれるサンタさんってどんな人なんだろう…みてみたいな…」
霧切「そんなことを思って、靴下を枕元につるしてドキドキしながら待っていたの」
苗木「へー!小学生のときとかかな?霧切さんもかわいいことするんだね!!」
霧切「…去年のことよ」
苗木「あ、ああ…そ、そうなんだ…」
44:
霧切「前日の予報では深夜から雪が降るなんて言われてて、サンタさんははらはらと舞う雪と一緒に現れるのかと思っていた」
霧切「でも予報は外れて小雨がシトシトと降るだけ。空気は一層冷え込み、私は暖房をつけ布団をかぶっていたの」
霧切「私の頭の中に響くのは部屋の時計の針たちが追いかけっこをする音と、しとやかに地面をなでるようにたたく雨音だけ」
霧切「やがて緊張してだんだんとはやくなる私の鼓動のリズムもそれに合わさり三重奏を奏でていたの」
苗木「やけに詩的だね…」
霧切「サンタさんは一体どこからやってくるのだろうか、窓から?ドアから?」
霧切「ああ!こんな時のためにちゃんと暖炉を設置していればよかった!」
霧切「煙突と暖炉がないおかげで、サンタさんは毎年さぞかし苦労をしていることだろう!」
霧切「来年は父に頼んで暖炉を設置してもらおう。そんなことを考えながら待っていたわ」
霧切「まあ結局、今年も暖炉はないままだけれど…」
51:
霧切「まどろみのなかに手招きをする眠気に抗いながら、私はサンタさんを待った」
霧切「その時不意に、三重奏はカルテットに装いを変えた」
霧切「廊下を歩く足音…ギィッ…ギィッ…とできる限り静かに歩こうとする足音」
霧切「一気に私は目を覚ました。心臓は早鐘を打ったようにドクドクドクドクと脈動をはやめた!」
霧切「カチャリ…とドアノブが回される音を耳にした」
霧切「スススーとゆっくりながらそれでいて確実に私の部屋のドアが開かれていくのを感じた」
霧切「暖房で程よく温まった部屋に廊下の冷たい空気が侵入してくるのを顔の肌で感じたの」
霧切「ついにこの時が来たんだわ!この心臓の音で起きてることがばれたりしないかしら」
霧切「寝言のようなものを発しながら寝相を変えるふりをして私は体のむきをドアが見えるように変えた」
52:
霧切「そして!そこにいたのが!」
苗木「サンタさん…だった…ってわけだね」
霧切「…」
霧切「苗木君?私が話していたんだけど…なんで言っちゃうのかしら?」
苗木「あ…ご、ごめん…」
霧切「ふん!サンタさんを見たことがなくて私に嫉妬してってところ?」
苗木「えっと、そういうんじゃないんだけど」
霧切「はあ…まあ、いいわ…そう、そこにいたのは間違いなくサンタさんだった」
53:
霧切「街中でアホ面さげたやつらが中途半端にしたコスプレなんかではなく、確かにサンタさんだったの」
霧切「赤い、例の服を身にまとって、白い髭をケーキの生クリームのようにこれでもかというくらい口元にたくわえ」
霧切「白い大きな、きっと中にこれからいろいろな人に配るプレゼントが入っているであろう袋を担いでいたわ」
霧切「何せ部屋は小さいベッドライトを弱く点灯していただけだし、外は小雨で月も出ていなかったし、私も薄目だった」
霧切「だからはっきりと見ることはできなかったけど、でも断言できる。あれは間違いなくサンタさんよ」
苗木「うん!それはサンタさんだね!」
霧切「背格好は…そうね、私の父と同じくらいだったかしら…」
苗木「あー、はい、学園長先生とね…うんそうだよねー」
54:
霧切「サンタさんを生まれて初めて見てしまった私は歓喜のあまりに気を失ってしまったの」
苗木「そりゃ失うよ!サンタさん見ちゃったら気くらい失うよ!うん!」
霧切「気づいたら、朝」
霧切「カーテンの隙間から差し込む朝日がやけにまぶしいなと思ってカーテンを開けてみた」
霧切「あの小雨は雪に変わっていたのね、その時にはもうやんでいたけど、外にたっぷりと積もっていたわ」
霧切「そして期待に胸を膨らませつつ、いよいよ本命の靴下を手に取る。ずっしりとした感触…」
霧切「プレゼントの感触ね。ああやっぱりサンタさんだったんだ!夢じゃなかったのね!微笑みを禁じ得なかったわね」
霧切「開けてみるとお手紙で頼んだ通りのプレゼントが入っていたわ」
56:
霧切「私はそのプレゼントを胸にギュッと抱えて窓を開け、ハーっと息を吐いて、しばらくその息が白くなる現象を面白がった」
霧切「そうして、大地の白の上にコントラストを織りなして広がる大空の、目に刺さるほどどこまでも透き通った青を眺めた」
霧切「サンタさんは無事、この空を通ってお家へ帰れたかしら、そんなことを考えつつもう一度大きく息を吸って吐いた」
霧切「肺の中の暖かい空気が改めて換気され、息が白く拡散する…」
霧切「興奮で紅潮した頬が朝の空気で冷まされる」
霧切「プレゼントに軽く口づけをして、サンタさんありがと…とつぶやいてみた」
霧切「…」
苗木「…」
霧切「これが私のサンタさん目撃談ね」
57:
苗木「あ…うん…うん!すごいね!なかなかできない体験だよ!うん!」
霧切「フフフ…私ったらいけない子ね…」
苗木「サンタさんに会えてすっごくうれしかったんだなって気持ちが伝わってきたよ!」
霧切「苗木君もちゃーんといい子にしていればサンタさん、来てくれるわよ」
苗木「はあ、うん」
霧切「ちゃんといい子にしていたかしら?いけないことをした子のところにはサンタさんって来てくれないのよ。知ってた?」
苗木「え?うん、それは知ってたけど」
霧切「あら、それならいいんだけど。…あれ…え…うそ…!?…ま、まさか…」
苗木「ちょ、いきなりどうしたの霧切さん!?」
59:
霧切「サンタさんは…いい子のところにしか…来ない…」
苗木「え…?」
霧切「でも、私は…寝たふりをしてサンタさんを見ようとしてしまった…」
苗木「あ、はあ」
霧切「そんな…私は禁忌を犯してしまった…?」
霧切「サンタさんに会いたい一心でやったことが、結果としてサンタさんを遠ざけてしまうことだった…っていうの!?」
霧切「そ、そんな…そんな…」
苗木「き、霧切さん!?」
霧切「いや…いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
苗木「ちょ!霧切さん!大丈夫!?」
62:
霧切「やだやだやだやだあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
苗木「霧切さん!落ち着いて!」
霧切「いやあああああ!!はあ!ああ!おえっ…おへぇっ…」
苗木「大変だ!霧切さんがパニック状態に!」
霧切「コホッ!ポホォッ!」
苗木「落ち着いて!霧切さん、大丈夫だから落ち着いて!」
霧切「ホヒーッ!大丈夫って、コホォ、な、なにが、ポヒッ、大丈夫なのよ、オエッ」
苗木「いや、ほら!サンタさんはきっと霧切さんが寝たふりをしていたことには気が付いてないよ!」
霧切「え?ポヒーッ」
苗木「うん、だから、サンタさんにはわからないよ!だから今年もサンタさんは来てくれるよ!」
霧切「…はあはあ…う、うん…」
66:
苗木「よかった…落ち着いてきた…」
霧切「確かに…そうね…はあはあ…」
苗木「うん、ほら、ね?安心して?」
霧切「ええ…ありがとう…苗木君…」
苗木「うん、どういたしまして…」
霧切「でも、心配なことが…」
苗木「なにかあるの?」
霧切「あのね、苗木君。いい子、悪い子ってのは自覚の問題だと思うの…罪の自覚があるかどうか」
苗木「…」
霧切「私は…罪を自覚してしまった…その瞬間から私は悪い子になってしまった…」
霧切「違うかしら…?」
69:
苗木「えっと…」
霧切「私には…ポヒィッ」
苗木「大変だ…また始まった…」
霧切「プレゼントをもらう資格なんて…プホォッ」
苗木「ど、どうしよ…っていうか、なんなんだよこの変な音…どこから出てるんだよ…」
霧切「私にはプレゼントをもらう資格なんてないのよ!!プヒョォォッ!!!」
苗木「それは違うよ!!!!」
霧切「!!!…え?パヒンッ!」
73:
苗木「…霧切さん、君にはサンタさんからプレゼントをもらう資格があるんだ!」
霧切「そ、そんなこと苗木君に決めることは…」
苗木「いや、でも推理することはできるんだ!」
霧切「…どういうことかしら?」
苗木「霧切さんの話はこういうことだよね?」
苗木「自分は去年、サンタさんに対してやってはいけないことを好奇心からやってしまった」
苗木「そしてそのことをやってはいけないと認識してしまっている自分は、悪い子だからサンタさんも来てくれない…」
苗木「こういうことでいいんだよね?」
霧切「ええ…その通りよ」
苗木「…だったらさ、よく考えてみてよ…」
霧切「え…?」
77:
苗木「霧切さんは、今年もお手紙を霧切さんのお父さんに…じゃなくてお父さん経由でサンタさんに書いたんだよね?」
霧切「ええ…そうだけど…」
苗木「だったらおかしくないかな?」
霧切「一体何が…」
苗木「もし霧切さんが悪い子で、プレゼントをもらう資格がないんだとしたら、手紙を受け取ったサンタさんもなにかしらリアクションするんじゃないのかな」
苗木「たとえば『君は悪い子だからプレゼントを上げられない。もう手紙をよこさないでくれ』…みたいな感じで」
霧切「!!!」
苗木「サンタさんだって、悪い子からの手紙なんか読みたくないし受け取りたくもないからきっと拒否することを伝えると思うんだ」
苗木「霧切さんはそういった手紙をサンタさんから受け取ったかな?」
霧切「もらってないわ…」
苗木「うん、それが答えだよ!これからもサンタさんは霧切さんから手紙をもらいたいんだ!」
苗木「つまり、霧切さんにはサンタさんからのプレゼントをもらう資格があるってことなんだよ!」
霧切「!!!」
80:
霧切「確かに…それは合理的で論理的な推理ね…」
苗木「寝たふりをしてサンタさんのことを見ようとしてしまったのは、いけないことだったかもしれない」
苗木「でもそれはサンタさんに何か嫌がらせをしようとかして生まれた行為ではない」
苗木「サンタさんが大好きな霧切さんの純粋な行為だった」
苗木「だからサンタさんも、それくらいのことなら許してくれたんじゃないかな?」
霧切「なるほど…!そうね、うん、うんうん、そうね!」
苗木「…納得してくれたかな?」
霧切「ええ、ありがとう苗木君…安心したわ…」
苗木「ふう…それならよかったよ…」
霧切「ただ、どうしても納得できない点が一つある」
苗木「…え…?」
83:
霧切「サンタさんのしゃべり方は苗木君のしゃべり方みたいに硬質なものではないわ」
苗木「えっと、ああ、そ、そうなんだ…」
霧切「『君はいけない子だからのぉ…プレゼントはダメじゃな。手紙もすまんがこれからは送らないでもらうとうれしいぞい』」
霧切「きっとこんな感じだと思う」
苗木「…う、うん!そうだよね!そんな感じだと思うよ!」
霧切「なんたって私はサンタさん、この目で見ちゃってくるから」
霧切「実際に見たことのない苗木君よりも、私のほうが詳しいのでしたー♪」
苗木「えっと、一気に安心したみたいで、こっちも安心したよ…」
85:
霧切「でも、なんにせよ苗木君にはお礼を言っておくわ。ありがとう」
苗木「いや、いいんだよ。霧切さんがパニック起こさなくてよかったよ」
霧切「パニック?」
苗木「あ、ごめん、なんでもないんだ。自覚ないんだね」
霧切「???」
苗木「えっと!そうだ!うん!今年もサンタさん、楽しみだね!」
霧切「ふふふ、ええ、そうね。でもね、苗木君。そこまでテンション高いとさすがにこっちもひくわよ」
苗木「…」
霧切「私たちの学園の宿舎にもちゃーんとサンタさんは来てくれるから安心していいわ」
苗木「うん、そうだね。そういえば霧切さんは何をサンタさんにお願いしたの?」
霧切「それは言えないわ。サンタさんだけにしか教えないことにしてるの」
苗木「へぇ、そっかぁ」
89:
霧切「…そういえば…」
苗木「どうしたの?」
霧切「え、いや、その…今年は私の父の元にもサンタさん来てくれるのかしら…って」
苗木「え?なんで?そんな心配を…」
霧切「いえ、サンタさんって家族全員の元へ来てくれるでしょう?」
苗木「うん。そうだね、うん」
霧切「でも、今年は私と父は明日の夜、まったく別のところで過ごすから…それでもちゃんとプレゼント届けてくれるのかしら…って」
苗木「え…べ、別のところ?ああ、もしかしてお父さん、自宅のほうへ戻るからってこと…?」
霧切「いえ、違うわ…」
苗木「…」
霧切「出張よ。学園と国の都合で昨日から出発してて、帰国するのが年明けね」
94:
苗木「えっと…一応聞きたいんだけど、いや聞きたくないこともないんだけど…どこへ…?こ、国内だよね?」
霧切「ブラジルよ」
苗木「…え…え…」
霧切「かなり忙しいスケジュールで日本にはその間一切戻ってこれないらしいわ」
霧切「そういえば…確かにサンタさんのことを心配するような発言もしていたわね…」
霧切「お前ももう高校生なんだからとか、サンタさんっていうのはだなとか…」
霧切「サンタさんへのお手紙を書くのに夢中で聞いてなかったけど…」
霧切「そうそう、毎年使っているサンタさん宛て専用の綴りになったはがきを使ってるの、よかったら苗木君にもあげるわよ」
苗木「う…うわあ…やばい…やばい…」
霧切「あのはがきを見ただけで私だってわかるはずだから、きっと私にはプレゼント届くと思うんだけど…」
霧切「うーん…でも、サンタさんのことだからきっと大丈夫よね、父にも届けてくれるわよね」
101:
苗木「う、うん…そうだね…きっとサンタさん…大丈夫だよ…来てくれる…よ…」
霧切「顔色悪いわよ?大丈夫?どうしたの?具合悪いのかしら?」
苗木「いや…何でもないよ…うん…」
霧切「そう?あら…もうこんな時間」
霧切「私たち食堂で随分と話し込んでしまったようね」
霧切「私は部屋に戻るけど…」
苗木「僕はちょっと一人で考えたいことがあるから…まだここでコーヒーでも飲んでるよ…」
霧切「そう。じゃあね、苗木君」
苗木「うん…じゃあね、霧切さん」
102:
苗木「…」
苗木「大変だ…どうにかしないと…サンタさんが霧切さんのところに来ないと…大変なことになる…」
苗木「またあの変な発作が始まってしまう…」
苗木「いや、あの怪奇音だけならまだマシだ…でも…」
苗木「自分は悪い子だからサンタさんが来ないんじゃないか…そう思っているところに、本当に来なかったら…」
苗木「霧切さん、絶望して死ぬかもしれない…」
苗木「大変だ…どうにか…しないと…!!」
104:
苗木「というわけなんだ!お願いするよ!力を貸してくれないかな?」
舞園「…」
セレス「…」
舞園「えっと…その…苗木君の頼みだったら、私もできる限り協力したいんですが…その…いくらなんでも…」
セレス「いくらなんでも頭が沸いている…としか言えないのですが」
苗木「いや、まあそれは否定できないけど…」
舞園「というか苗木君、なんで最初にサンタさんなんかいないっていってあげなかったんですか」
セレス「そうですわね、最初に教えてあげればこんなことにはならなかったのではないでしょうか」
苗木「だからそんなに正論を言わないでよ…」
106:
苗木「まさか霧切さんが本気でサンタさんを信じてるとは思わなかったんだ…」
苗木「クリスマスのジョークかな?くらいの感じで軽く乗っていただけなんだよ…」
苗木「まさかわけのわからない発作を起こすほどサンタさんを信じていたとは…」
舞園「まあ確かに苗木君を責めるのはすこし可哀想かもしれませんね」
セレス「とはいえ、やはり苗木君がちゃんとサンタについて事実教育を行っていれば…とは思いますが」
舞園「学園長も学園長ですね。なんでこの年齢になるまでそんな茶番に付き合っていたんでしょうか!」
セレス「娘がワクワクしながらサンタさんへのお手紙をもってきたらいたたまれなくなったのでしょう…」
苗木「で…どうかな?二人とも協力してくれるかな?」
セレス「仕方ないですわね。協力して差し上げます」
苗木「おお!」
セレス「それじゃあ今から霧切さんにこの世の真実を教えてきてあげますわ」
舞園「私も行きますね。今霧切さんは部屋にいるんでしたっけ?」
108:
苗木「ちょ!まって!だめ!だめだって!」
舞園「苗木君…そこをどいてください!」
セレス「いかなければいけないのです!それが霧切さんの絶望を開くことになっても!」
苗木「ストーップ!!!」
苗木「いや、本当に!まずいって!ダメだって!」
舞園「苗木君、どうしたんですか、そんなに…」
苗木「霧切さん、本当に死ぬと思うよ!!」
苗木「だって、サンタさん、学園長のコスプレだと思うけど、それをみた喜びで気を失うんだよ!」
セレス「…」
113:
苗木「で、朝になってプレゼントを抱え窓を開け、口づけをしてサンタさんに想いをはせる…」
苗木「そのうえこの出来事をなんかやたらと詩的にウキウキと伝えるんだよ??」
苗木「尋常じゃないよ!狂気だよ!」
舞園「まあ…それは…そうですが…」
苗木「舞園さんとセレスさんがもし霧切さんに事実を教えてそれで霧切さんが怪音を発しながら死んだら誰の責任!?」
苗木「二人が霧切さんを殺したのも同然だよ!?」
セレス「いや…でも…泣いたりはすれどさすがに死んだりは…」
苗木「普通はね!!普通は死なないよ!そりゃ死なないよ普通は!」
苗木「っていうか、普通だったらサンタさんを高校生にもなって信じたりしないからね?」
苗木「信じてる時点で普通じゃないんだよ!いい?よく聞いてね!霧切さんは異常だ!あったまおかしいよ!!!」
115:
流石の苗木もブチ切れのご様子
118:
舞園「ちょ、苗木君、言いすぎですって」
苗木「異常っていうのはね、何が起こるか何を起こすか予測できないから異常っていうんだ!」
苗木「彼女はまさにそれだよ!」
セレス「な、苗木君…今の苗木君も…すこしばかり」
苗木「僕の話が信用できないっていうなら、彼女の狂気に付き合えばいい!」
苗木「彼女のサンタさん談義を聞けばいい!僕の言ってることの一端を理解できるはずだ!」
舞園「分かりました、分かりました…落ち着いてください」
セレス「…よほど霧切さんとの会話で心をすり減らしてストレスをためたんですね…」
苗木「はあ…はあ…ご、ごめん、取り乱しちゃって…」
122:
苗木「とにかく…僕は霧切さんに死んで欲しくないから…だから二人にお願いしてるんだ」
苗木「25日とか暇だから、もしなにか人手がいるっていうなら手伝うよ」
舞園「!!!!」
舞園「手伝います!協力します!!!!!!」
セレス「はやっ!」
舞園「オッケーですよおおお!!!!手伝っちゃいますよおお!!!!うおおおおおおおおおおおお!!!!」
苗木「そ、そこまでやる気になってくれてうれしいよ…」
セレス「まあ、ワタクシも暇なので手伝ってもいいですけど…」
舞園「25日の苗木君に関する一切の権利はすべて私に帰属してますからね!!!」
セレス「それは別に舞園さんに差し上げますわ…」
127:
セレス「で、手伝う…って一体何をすればよろしいのでしょうか?」
苗木「今はとりあえず引き延ばすしかない」
舞園「引き延ばす…?」
苗木「サンタさんなんかいないんだって教えないで、サンタさんがいるように見せかけるしかない」
セレス「つまり…それは…」
苗木「僕たちが、霧切さんのサンタさんになるんだ!!!」
舞園「…な、苗木君の…サンタさんコス…」
セレス「サンタさんのふりをして霧切さんにプレゼントを届けるというわけですね」
舞園「うおおおお!!みたい!!!苗木君(サンタさんver.)超見たいですううううううう!!!」
セレス「ちょ、舞園さん!?」
舞園「やりましょう!!それ!!やりましょう!!!」
苗木「舞園さん!舞園さんも霧切さんのことを思ってくれるんだね!」
セレス「いやちがうだろ」
130:
舞園「うおおお!テンションあがってきたああ!!!」
舞園「…で、具体的にはどうするんですか?」
苗木「今日は23日で明日が24日だよね」
苗木「霧切さんの中では、サンタさんは24日の深夜にかけて出現して25日の朝にはプレゼントが枕元の靴下にある状態らしい」
セレス「ということは、霧切さんのプレゼントを明日の夜までに用意してそのあと深夜に侵入しプレゼントを置けばいいということですね」
苗木「うん、そういうことになるね」
舞園「もし霧切さんが目を覚ましたら誤魔化せるように、苗木君!、サンタコスしてくださいね!!」
苗木「あ、ああ、ええっと、うん」
舞園「いよっしゃああああああああ!!」
セレス「ですが苗木君、そのためにはいくつか問題がありましてよ」
苗木「まずはこの舞園さんのテンションだね」
セレス「それはあとで気絶させるなりしてどうにかしましょう」
133:
セレス「まず問題としては、プレゼントがなんなのかが分からない」
セレス「プレゼントがなんなのかさえわかれば、ワタクシか舞園さんのコネクションで入手は可能でしょう」
セレス「次の問題として、どうやって部屋に侵入するのか」
セレス「窓もドアも強固にロックされています。このロックをどう突破するのか」
セレス「これらをクリアしないと目標は達成できません」
舞園「苗木クロースの写真とっていいですよね???ねえ????」
苗木「プレゼントが何かって問題だけど、それは学園長に連絡をして聞き出したいと思う」
苗木「娘の命がかかっていると知れば教えてくれるだろう」
苗木「どうやって侵入するか…はまだ思いつかないけど…最悪ドアの前にプレゼントを置いておけばいいかな」
137:
セレス「では早学園長から聞き出しましょう」
セレス「舞園さん?学園長に電話をして、霧切さんのプレゼントを聞いてきてください」
舞園「え?私ですか?いやいやいや、学園長の連絡先とか知らないですよ」
セレス「事務室に行けば、生徒にだったら教えてくれるでしょう」
舞園「うへー、めんどくさいですね」
セレス「聞いてきたら苗木君のトナカイコスも撮っていいですわよ」
舞園「いってきます!!」
セレス「これでプレゼントの問題は解決しましたね」
苗木「うん、そうだね。よかったよ。でも、なんかさっき不穏なことを舞園さんに言った気がするけど」
セレス「気のせいでしょう」
苗木「そうかな…」
舞園「舞園さやか!戻ってまいりました!!」
セレス「はやっ!」
139:
苗木「で、どうだったの?」
舞園「それがですね…事務の人に頼んで、出張先の学園長に電話をしてもらったんですけど…」
セレス「ですけど…どうしたんですか?」
舞園「なんか出張先が、電話線もなければ電波も通じないアマゾンの奥地らしくて…」
苗木「つまり…」
舞園「はい、連絡つきませんでした」
セレス「…終わりましたわね…」
苗木「な、なんてことだ…」
セレス「どうにかして霧切さんから欲しいプレゼントを聞き出すことはできないんですか?」
舞園「あのー」
苗木「あの様子だと無理だと思う…サンタさんだけにしか教えないってことで、もらうプレゼントの価値を高めているように感じたよ」
セレス「霧切さんの普段の様子から、彼女が欲しそうなものを推測して…」
苗木「そんなのわからないよ…」
144:
舞園「あのー」
セレス「確かにそれもそうですわね…」
苗木「どうしよう…全然違うものを受け取ったら霧切さんの推理力だ、僕たちの仕業だと見抜いてしまうかも」
セレス「その推理力でサンタがいないという真実にたどり着いてほしかったですわ」
舞園「あのー!!」
苗木「え?なに?舞園さん」
舞園「いくらなんでも無視しすぎじゃないですか?結構傷つきますよ」
セレス「で、どうしたんですか?」
舞園「さっきの苗木君の、霧切さんとのいきさつを思い出して思いついたんですけど」
苗木「うん?」
舞園「こんな方法ってどうですかね…」
145:
ピンポーン ガチャッ
霧切「あら…苗木君、どうしたの?また私のサンタさんのお話聞きたくなったのかしら?」
苗木「いや、違うんだ」
霧切「そう?で?」
苗木「ほらサンタさんにお手紙って話あったでしょ。僕も書こうと思ったんだけどはがきがなくて…」
苗木「それで霧切さんのはがきもらえないかなーって」
苗木「ほら、あの綴りになってるってやつ…くれるっていったよね?」
霧切「ああ、それ?別にいいわよ。でも、よく考えたら父いないからサンタさんには」
苗木「それならほら!十神君が!十神君もコネクションあるって聞いたから!」
霧切「へーそうなの。ふふふ、じゃあちゃんとしたお手紙書くのよ(ペリッ」
霧切「はい、あげるわねちょっと薄目のはがきだから気を付けてね」
苗木「あ、うん!ありがと!霧切さん!」
ガチャッ
147:
苗木「これでいいんだよね…?」
舞園「はい。貸してください」
セレス「ちゃんと出てくればいいんですけど…」
舞園「鉛筆で塗れば…!!!出てきました!うっすらとですが!」
セレス「おお!本当です!」
苗木「綴りになってるから下のはがきに書いた跡が残っているかもしれない…か、ありがとう舞園さん」
セレス「随分と強い筆圧で書いたんですのね…」
苗木「それだけ想いを乗せているんだろうね…」
152:
舞園「フムフム…これなら私のツテで手に入りそうですね…」
苗木「本当?舞園さん?」
舞園「はい、私に任せてください!!」
苗木「あとは侵入する方法だけど…」
セレス「それなら苗木君、ワタクシにいい案があります」
苗木「本当?」
セレス「それに関してはワタクシで用意しておきますわ」
153:
翌日24日
苗木「あっ…き、霧切さん」
霧切「あわってんぼーのサンタックロース♪クリスマスまえーにやってきた♪」
苗木「え…うわ…」
霧切「いっそいでリンリンリン♪いっそいでリンリンリン♪」
苗木「…」
霧切「ならしておくれよ鐘をー♪リンリンリン♪リンリンリン?」
苗木「リンリンリン…」
霧切「ふふふー、今日はー、夜になったらサンタさーん、ふふふ」
霧切「楽しみね。ちゃんとお手紙書けたかしら?」
苗木「あ、うん、ちゃんと書いてもう送ったよ」
155:
霧切「いい子よ苗木君。いい子のところに♪サンタさんはーくるー♪」
霧切「今のは私の作詞作曲の歌ね。もしかして全部聞きたいかしら?」
苗木「いや…遠慮しとくよ…」
霧切「あらそう?サンタさんのためにちゃーんと靴下用意しておくのよ?」
霧切「じゃあ私はちょっと軽食をとりに来ただけだから。さようなら」
苗木「うん」
霧切「♪♪」
苗木「…」
苗木「行っちゃった…」
セレス「自分の部屋に入ったようですわ」
159:
舞園「というか、なんですかあれ…今のすごかったですね…」
セレス「どうやったらあんなテンションになれるのでしょうか」
舞園「リンリンリンのくだりを出会い頭にローテンションの苗木君に振ってましたからね。狂気を感じましたよ」
セレス「あれをみるとサンタさんがいないとしったら死ぬかもしれないと思うのは無理ありませんわ」
苗木「理解してもらってうれしいよ…」
舞園「で、これが霧切さんへのプレゼントです。ラッピングもばっちりです」
苗木「おお!すごいよ舞園さん!」
舞園「えへへー、それほどでもないですよー、えへへ」
舞園「あ、もしよかったら頭とかなでても構いませんよー?」
苗木「遠慮しとくよ」
苗木「でもよかったよ、ありがとね舞園さん」
舞園「むー…」
162:
セレス「で、こちらが侵入するための道具ですわ」
苗木「うひゃ…すごいね…」
セレス「北欧から航空便で取り寄せましたの。もちろん、特殊加工済みですわ」
苗木「でも大丈夫かな」
セレス「先ほどの霧切さんの様子からすると適当なことをこちらで言えば大丈夫ですわ」
セレス「あとは苗木君がちゃんとやるだけです」
苗木「うん、わかったよ」
舞園「ということで早ですが、はい、ミニスカトナカイコスチュームです」
苗木「え?」
舞園「はやく着てください」
苗木「なんでトナカイ…っていうかミニスカって」
舞園「はやく!!」
苗木「うん…じゃ、着替えてくるよ…」
セレス「先が思いやられますわ」
166:
苗木「すごかったね、撮影会すごかったね、死ぬかと思ったよ」
舞園「まさか1TBのHDDがいっぱいになるとは…」
苗木「トラウマだよ、僕、トラウマだよ」
苗木「っていうかなんであんなに衣装を私物としてもってるの…?」
舞園「苗木君に着せようと思って買い込んでいたんです!!」
苗木「…」
セレス「はやく本題に入りましょう」
舞園「そうですね。すでに苗木君にはサンタさんコス着てもらっているので…っていうかなんでミニスカダメなんですか…」
苗木「どうやってミニスカで大丈夫って思うに至ったかを知りたいよ…」
セレス「じゃあこの北欧直輸入特注クリスマスツリーはやく入ってください」
168:
苗木「うん…よいしょっと…」
セレス「プレゼントと飲み物とチョコレート、緊急時用のペットボトルおいておきますね」
苗木「うんありがとう。って緊急時?なに緊急時って?」
舞園「…もし使ったらそれ私に下さい。飲めるか飲めないかでいったらギリギリがぶ飲みできる程度ですから」
苗木「飲むの?よくわからないけど、飲むものなのそれ?」
セレス「舞園さん、あたまおかしいですわ」
苗木「はいったよー。結構ゆとりあるねー」
セレス「じゃあ運びましょうか、ふんっ」
舞園「よいしょ!」
セレス「…」
舞園「…」
舞園「びくともしませんね…」
セレス「大神さんを呼びますか」
171:
ピンポーン ガチャッ
霧切「…あら、大神さん…とセレスさん、舞園さん」
大神「おぬしに届けたいものがあるということで我が運んでおるのだ」
大神「なかにはいるぞ。置くのはこの辺で構わぬな…」
舞園「そうですね、完璧ですね」
大神「さて…我は帰るぞ。朝日奈とクリスマスの思い出話大会なるものをやっておるのでな。失礼する」
霧切「?」
173:
セレス「霧切さん、見てください。立派なクリスマスツリーではないですか?」
霧切「ええ…確かに立派ね。でも一体どうしたのかしら?」
舞園「ふふふ、霧切さん、サンタさんのプレゼントってどうやってもらってますか?」
霧切「え?それは…靴下を枕元に…」
舞園「邪道ですね!」
霧切「え?ど、どういうこと!?じゃ、邪道って!?え、えええ??」
セレス「本当は靴下はクリスマスツリーの下に置くものなのですよ」
霧切「うそ…そんな…」
舞園「サンタさん、多分困ってたと思いますよー?」
霧切「私…なんてことを…」
176:
セレス「というわけで、そのためにと思ってクリスマスツリーをもってきたのですが…不要ですか?」
霧切「ちょうだい!いるわ!」
セレス「フフフ…これはワタクシたちからのプレゼントですわ」
舞園「というわけでじゃあ」
霧切「なんてすばらしい友達を私はもったのかしら…」
霧切「これもサンタさんが与えてくれたといっても過言ではないわね…」
セレス「では失礼します」
舞園「さようなら」
ガチャッ
178:
舞園「苗木君、大丈夫ですかね…」
セレス「もうワタクシたちにできることはありません。あとは苗木君がうまくやることを祈るばかりです」
舞園「そうですね…にしても、さっきの霧切さん…あれは…」
セレス「まさかワタクシもあそこまで食いつかれるとは…」
舞園「心の底から信じ切っていましたね…」
セレス「それに…なんですかあのパジャマ…見たことありませんわ…」
舞園「メリークリスマスって胸元に書いてありましたからね…この時期にしか着れませんよね…」
セレス「この時期にだって着れませんよ…ネタとして皆の前で披露して許されるかなレベルですわ」
舞園「それを一人で着てましたからね…狂気ですね」
セレス「はい…」
181:
舞園「じゃあ私たちも戻りましょう…」
セレス「そうですね…」
舞園「今日…イブ…ですよね…?」
セレス「…」
舞園「…」
セレス「一緒にジュースでも飲みながら静かに大人に語り明かしましょうか」
舞園「そうしますか」
183:
苗木「同じ姿勢でいると結構つらいな…」
苗木「そろそろ霧切さん寝たかな…ベッドに入ってしばらくたつけど」
霧切「…ポヒィッ」
苗木「…」
霧切「…プヒョォォッ」
苗木「あの音出てるよ…なんだよあれ…いびきなのかな…あんな奇怪ないびきかくなんて知りたくなかったな…」
霧切「…プヒンッ」
苗木「…どこから出てるんだよ…体に穴があいてて空気漏れてるんじゃないかな…」
184:
苗木「まあいいか、じゃあさっさと出てプレゼントを置いて帰ろう」
苗木「よっこらせっと…」
苗木「この靴下でいいのかな?よっと…よし入ったぞ」
苗木「ツリーの中を片づけていくか」
苗木「よしっと、これでオーケーかな」
苗木「それにしてもこのツリーすごいなあ。なか空っぽだもんなー」
苗木「よくもまあこんなものを取り寄せるよな(ツンツン」
苗木「あはは、グラグラして面白いなー…あっ…」
バタンッドガンッ
霧切「ポヒヒーッ!!」
187:
苗木「起きた!霧切さんからすごい音が出たぞ…」
苗木「やばい、まずいぞ、どうしよ、いや落ち着けサンタコスをしているから大丈夫だ」
霧切「プヒンッ…ん…しゃ…しゃんた…しゃん?ボポヒーッ」
苗木「しゃんたしゃんではないね、サンタさんだね。だいぶ寝ぼけてるみたいだ…」
霧切「んんー!しゃんたしゃんね!バポヒッ」
苗木「うわ!こっちきた」
霧切「しゃんたしゃーん!(ガゴッ」
苗木「あ…倒れたツリーにつまずいた」
霧切「ペヒィ…」
苗木「…倒れた…」
霧切「…ポヒィッ…」
190:
苗木「また眠っちゃったみたいだ…」
苗木「ベッドに戻してあげるか…よいしょっ」
苗木「布団をかけて…なんだこのパジャマ…どこで買ったんだよ…だれがこんなのを売ろうとしたんだよ…採算とれないだろ…」
苗木「なんでこんなにでかでかとメリークリスマスって書いてあるんだよ…狂気だよ…」
苗木「まあいいや…ツリーもプレゼントも戻して…」
苗木「こんなもんかな」
苗木「じゃ、帰ろっと…」
苗木「ん…いま0時になったのか…」
苗木「…メリークリスマス、霧切さん」
ガチャッ
霧切「ポヒィッ」
192:
翌朝25日
霧切「ん…あら、朝ね…ふわぁ…」
霧切「さ、サンタさん…!プレゼント…!」
霧切「あ、ある…!靴下に入ってる!!」
霧切「よかったぁ…やっぱり苗木君の言った通り、まだプレゼントをもらう資格はあったのね」
霧切「よかったよかった、ふふふふふふ」
霧切「そういえば…昨日の夜サンタさんに会ったような…」
霧切「うーん…夢だったのかしら…」
霧切「でも、あれね、自慢しましょう」
霧切「まず苗木君に自慢ね、ほかの皆にも自慢しないと!」
霧切「身だしなみ整えて食堂にいきましょう」
193:
朝日奈「でねー、さくらちゃんったらー」
大神「朝日奈よ、それは恥ずかしいので言わないでくれぬだろうか…」
葉隠「なんだべ、しりたいべ」
朝日奈「実はね、昨日クリスマスの話してたんだけどー」
霧切「おはよう、みんな」
葉隠「お、霧切っちだべ!おはよーだべ!」
朝日奈「おはよ!霧切ちゃん!」
大神「うむ」
霧切「随分盛り上がっていたようだけれどみんなにもサンタさんが」
朝日奈「そうそうサンタさんの話なのー」
大神「やめぬか朝日奈よ」
朝日奈「さくらちゃんって、小学5年生の時までサンタクロースが実在するって信じてたんだってー」
霧切「…?」
197:
葉隠「ぶはははー!それはきついべーオーガ」
石丸「ハハハ!純真でいいではないか!」
大神「ムムム…我は恥ずかしいぞ…」
不二咲「さすがに僕も小1くらいの時にサンタさんの正体には気づいたよ」
大和田「父ちゃん母ちゃんも大変だよなー、子供の夢を壊さないようにってさ」
霧切「…ちょ、みんな、一体…何を…言ってるの…」
戦刃「え、ええ!?ちょっとまってよ!サンタさんって実在しないの!?」
山田「おうふっ…さすがに高校生にもなってサンタを信じているのは萌えませんぞ…」
江ノ島「お姉ちゃん…本当に残念だよ…そこまで残念だったとは思わなかったよ…」
腐川「な、な、なんなのよ…サ、サンタとか…ブスのあたしはプレゼントもらえない…って言いたいんでしょ…わかってるのよ…」
桑田「なんでオメーがいきなりいじけだしてるんだよ…」
霧切「何を…言ってるか…私には…え…ど、どういう…え…」
200:
江ノ島「あのねーお姉ちゃん?サンタさんなんて実在しないの!」
戦刃「えー、でもじゅんこちゃん!私サンタさんみたことあるよ!真っ赤だったよ!袋持ってたよ!」
江ノ島「それは死体袋を抱えた、返り血を浴びた兵士だよ…お姉ちゃん…」
十神「ふん、くだらぬ…この俺も幼いころ、サンタとやらの生態が気になって調べたことがあってな」
葉隠「十神っち、かわいいころもあったべ」
十神「サンタが住むといわれているフィンランドのコンバトントリを十神財閥の力で徹底的に捜索したことがある」
十神「しかし、結局それらしきものは見つからなかった」
十神「所詮は空想上の、マーケティングのための偶像ということだな」
大和田「すごくかわいいことをすごく大がかりにやったんだな…」
霧切「…ポヒィッ」
山田「今変な音がしましたな」
202:
戦刃「ええー!でも、そのフィンランドのコバトなんたらにすんでるとは限らないよ!」
江ノ島「はあ…なんでお姉ちゃんこんなことになっちゃったの…」
江ノ島「ねえ霧切、探偵としての知識とか論理力でこの残姉ちゃんをロンパしてあげてよ…」
霧切「…サ、サンタはいない…そっか…そうだったのね…」
江ノ島「霧切…?大丈夫…?顔色悪いよ…?」
朝日奈「せっかくのクリスマスなのに…」
霧切「いえ…ごめんなさい…私は大丈夫よ…」
江ノ島「そ、そう…?」
霧切「ええ」
205:
戦刃「霧切さん、本当にサンタさんっていないの?」
霧切「戦刃さん、サンタなんているわけないじゃない。あんなのでっち上げよ」
霧切「そもそもどうやってフィンランドから日本まで移動するのよ。トナカイのソリィ?トナカイが空飛べるわけないじゃない」
戦刃「ムムム」
葉隠「お、霧切っちによる戦刃っちのロンパが始まったべ」
桑田「なんで霧切のやつ、涙目なんだ…」
208:
苗木「ふう…昨日はいろいろと疲れたなー。ん?食堂のほうにぎやかだなー」
苗木「そっかークリスマスだもんなー。どんな話してるんだろ」
苗木「お?今、霧切さんの声が聞こえたぞ、ハハハ、元気にサンタさんの話でもしてるのかな」
苗木「…え…あ…まずい…!大変だ!」
苗木「もし霧切さんがサンタさんの話をして、それをみんなにロンパされたら…!」
苗木「大変だ!まずいぞ!舞園さんとセレスさんも救援に呼ぼう…!」
ピンポーン
苗木「あれ…舞園さん、出ないな…もう食堂にいるのかな」
苗木「セレスさんの部屋に行こう」
209:
ピンポーン ガチャ
セレス「はい…」
苗木「うわ…ボッサボッサ…」
セレス「徹夜で舞園さんと語り明かしてましたの…」
舞園「苗木くーん…?おええええええええええ」
苗木「え?ちょ?え?」
セレス「二人とも食べ過ぎましたわ…やけ食いはするもんじゃないですわね…」
苗木「大丈夫なの?」
セレス「今日はもう無理ですわ、二人仲良く死んでますわ…」
苗木「え?でも舞園さんと今日約束を」
舞園「おげえええええええええええええええええええええええええええ」
苗木「ひいいいい!」
211:
セレス「あれに今日一日付き合ってもいいというのならば、構わないと思うのですが…」
苗木「や、やめとくよ…」
セレス「では失礼しますわ…」
舞園「苗木くげろうえええええええええええええええええええええええええええええええ」
苗木「…」
苗木「どうなったらああなるんだよ…」
苗木「そんなことより霧切さんだ!助けないと!」
212:
苗木「やーみんなおはよ!」
石丸「苗木君!クリスマスの朝だというのに遅いではないか!一体何をやっていたのだね!」
苗木「ご、ごめん」
朝日奈「いまねー、サンタさんの話をしてたんだよー」
山田「霧切響子殿が大活躍でしてな」
苗木「やっぱり…!」
戦刃「苗木君はサンタさんのこと」
苗木「サンタさんは実在するにきまってるじゃないか!!!」
戦刃「だよねー!!」
215:
苗木「サンタさんは存在しない、お父さんの変装だ、なんていうやつはうそつきだよ!」
苗木「それかからかっているんだろうね!」
戦刃「おお!」
苗木「つまりこういうことだ!!クライマックス推理!!」
葉隠「なにか始まったべ」
苗木「サンタさん…とはいってもみんなのもとに来るというわけではない。当然だよね。体がいくつあっても足りなくなっちゃうからね」
苗木「だからこの世界には、サンタさんが来る人と来ない人…この二つに分けられてしまうんだ」
苗木「来る人はいいよ、幸福だ…でも、こない人…来ない人は、サンタさんが来る人に嫉妬をしてしまう」
苗木「そうするとどうなるか…ここまで言えばみんなにもわかるはずだ」
戦刃「おお!やっぱり苗木君すごい!!」
219:
苗木「『サンタさんなんて実在しない。サンタさんなんて作り話だ』ってデマを流すんだ」
苗木「サンタさんが来ない人のほうが多数派だからこのデマはどんどん広がる」
苗木「実際にサンタさんが来ている人もいるのに、まるでうそつきのような扱いを受ける!」
苗木「それをみて、嫉妬した人たちはせいせいするってわけだね」
苗木「これが…これが、事件の全貌だったんだ!」
戦刃「うおおお!!そうだよねー!」
苗木「希望は前に進むんだ!!」
戦刃「トナカイのソリみたいにね!」
222:
江ノ島「恥ずかしいよ…」
桑田「…うわ…さすがにヒクわ…」
不二咲「でも、純粋ってことだから…ね?」
苗木「…めちゃくちゃひかれてる…でも霧切さんを守るためなら」
霧切「ふ、ふふふふふふ(涙目プルプル」
苗木「霧切さん…?」
霧切「苗木君って本当にお子様ね(涙目プルプル」
苗木「あれ?」
226:
霧切「苗木君、かわいそうだけど、この世界の残酷な真実を知りなさい(涙目プルプル」
霧切「この世界にサンタクロースなんて存在しないのよ!!(涙目プルプル」
苗木「え…ちょ…え…?なんで…?うそ…でしょ…?なんで霧切さんが…」
石丸「おいおい、そんなに直接的にいったら苗木君がかわいそうじゃないか、アハハ!」
葉隠「苗木っち混乱してるべ」
苗木「ええええええええええええええええええ!?」
霧切「もう一度言うわ、サンタクロースは空想上の人物なのよ!(涙目プルプル」
苗木「…ええ…」
霧切「子供じゃないんだから真実と向き合わなければだめよ(涙目プルプル」
苗木「う、うん…」
大和田「さすがに苗木がかわいそうだな…」
229:
霧切「そうだ!これから苗木君のことはサンタ苗木って呼んであげるわ(涙目プルプル」
霧切「随分とサンタさんのことがすきなようだから!!!(涙目プルプル」
十神「ふん!滑稽だな!道化師の苗木にちょうどいい」
石丸「アハハハハハ!!!」
霧切「フフフフフフ(涙目プルプル」
苗木「あははは…」
霧切「フフフフフフ(涙目プルプル」
霧切「プヒィ(涙目プルプル」
233:
苗木「もう大晦日になるっていうのに…霧切さんは部屋にこもったきりだ…」
舞園「あのぉ、苗木君?25日の約束分、振替で明日とかどうですか?その…初詣…とか」
苗木「そうだね、初詣かーいいねー」
舞園「うっしゃ!!うっしゃ!!!セレスさんセレスさん!!(トントン」
セレス「はい?」
舞園「うっしゃ!!!!」
セレス「うざ…」
苗木「霧切さんが出てきたらみんなで初詣いこうね」
舞園「うっ…しゃあ?…はあ…」
234:
苗木「しかしずっとこもりっきりってことは…」
セレス「よっぽどサンタさんが実在しなかったことにショックを受けているのですね…」
苗木「霧切さーん!でておいでよー!!」
ピンポーン
セレス「ダメのようですわね」
苗木「霧切さぁん…」
ガチャッ
苗木「おお!!」
霧切「苗木君…」
セレス「あ、あのパジャマ着てますわ…」
舞園「よほどクリスマスに執着を…」
236:
苗木「心配したんだよ?」
霧切「…ええ、ごめんなさい…」
霧切「実はあのあと、私のもっている情報から事実を推理してみたの」
霧切「そして、真実にたどり着いたわ…」
苗木「そうなんだ…」
霧切「これが私の…クライマックス推理よ!!」
舞園「いきなりですか?」
霧切「サンタクロースは存在しない…どうやらこれが世間の一般了解のようね」
霧切「私の家では父によってこれがゆがめられて伝えられていた」
霧切「でも、だからといってサンタクロースが存在しないということにはならない!!」
苗木「え?」
238:
霧切「サンタクロースがなぜ存在しないと言い切れるのか?」
霧切「それに対する答えは、サンタクロースをみたことのある人間がいないから…」
霧切「なるほど、わかりやすく明快な理屈ね」
霧切「でもこれを覆すには見たことのあるという反例を一つあげれば十分なの!」
霧切「…私が去年目撃したサンタさんは…あれはおそらく父ね…」
霧切「でも、実は今年もサンタさんを私は見ていたの!!」
セレス「…苗木君…どうするんですかこれ…」
苗木「もうだめだよ手遅れだよ僕はこの子のことこれからは知らないふりして生きていくよ」
239:
舞園「メリクリパジャマ着てた時点で若干嫌な予感はしましたけどね…」
苗木「誰だろ、いま僕たちの前で変なパジャマ着てしゃべってるこの子は誰だろう」
霧切「それは寝ぼけていたんじゃないの?そうやって反論するかもしれない!」
霧切「確かに、人間の感覚は不確かだから間違うことがある…でも、目の前に存在するこのプレゼントは不確かではありえない!」
霧切「これは実際にあの夜…私のもとにサンタさんがもってきてくれたプレゼントなの」
霧切「なぜそういえるか…この部屋は完全な密室だったの」
霧切「オートロックだから中から開けることはできても外からは絶対に開けられない」
霧切「そんな部屋にどうやってサンタさんじゃない存在が入ることができるのか、説明できるかしら?」
苗木「…」
舞園「…」
セレス「…」
241:
霧切「ふふふ、やっぱり説明できないようね…つまり、そういうことなの!」
霧切「さらに、このプレゼントは確かに私が望んだもの!!どうやってサンタさん以外が知り得たのかしら?」
霧切「手紙を書いたけれどそれは父にしかいっていない…父は知り得たけれど、当日父はブラジルにいた」
霧切「未知の能力をもつサンタでなければ、これを成し遂げるのは不可能なの」
霧切「さて、どうやって私の欲しかったものをあてられたのか…説明できる人はいるかしら?」
苗木「…」
舞園「…」
セレス「…」
245:
霧切「いないようね?」
霧切「これでみんなにもわかったかしら…サンタは実際に存在するということが!!」
苗木「…あ、はあ、そうですね」
霧切「じゃあ、この推理をほかのみんなにも披露してくるわね」
霧切「年明けとと同時に、この素晴らしい推理を聞けるなんて幸せね…ふふふふ」
霧切「じゃあ、食堂にいってくるわ!」
苗木「…」
舞園「…これでよかったのでしょうか」
セレス「…しかもあのメリクリパジャマで行きましたわ…」
苗木「…仕方ないよ…こうするしかもうないんだ…」
246:
舞園「…いやな…事件でしたね…」
セレス「自分たちは無力であることを思い知らされました」
苗木「そろそろ年が明ける…未来へと、キボウへと進もう…」
『ポヒィッ!!』
『きゃっ!霧切ちゃん大丈夫!?』
『おい愚民ども!早く救急箱を!い、いや、医者か!?』
『うるさいべ…ゆく年くる年ゆっくり見たいべ…』
苗木「…今年もサンタさんに会えたらいいね…」

249:
おつ
----------------------------------------------------------------------------
◆以下、おまけ(小ネタ)になります。
元スレに貼られていた画像
174:
175:
>>174
いいですねぇ
17

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この動画のJK、色んな所が見えすぎててワロタwwwwww

【「うわぁかっけぇ・・・」と思った9つの漫画のセリフ】漫画作品で 『最もかっこいいセリフ』 と言えば?

洋楽ラップ←かっこいい 邦楽ラップ←ださい

【サポート終了間近】Microsoft社 「お前ら、いい加減『Windows XP』使うのやめれ!」

「朝礼」がある会社はクソ!!!!!!!!

遠距離恋愛してた彼女に振られたったwwwwwwwww

一番うまい餅の食べ方wwwwwwwwwww

ガキの使いの「※すでに笑いましたが最後までお楽しみください」

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