小鞠「じゃあ付けたげよっか」back

小鞠「じゃあ付けたげよっか」


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蛍「いいんですか?」
小鞠「蛍、シュシュいいなあって言ってたし」
蛍「わあ、じゃあお願いします!」
小鞠「うん、こっち寄って来て」
蛍「はい!」
小鞠「ちょ、ちょっと近い」
蛍「ご、ごめんなさい」
小鞠「ううん、いいよいいよ髪触るね」
蛍「はい……」
小鞠「うーん、こんな感じ……かな」
蛍「んっ……」
小鞠「どしたの蛍、変な声だして」
蛍「な、何でもないです」
7: 以下、
小鞠「どうどう? 大人っぽく出来てるでしょ?」
蛍「はわぁ……」
小鞠「蛍?」
蛍「ふわあ!? あっ、えっと、可愛いです」
小鞠「あれ? 大人っぽくない?」
蛍「え? あ、はい素敵です」
小鞠「そっかー、さっすが私」
蛍「あはは……」
蛍(こま先輩のモノを私が……嬉しい)
今にして思えば、この時から何かが変わり始めていたのかもしれません
9: 以下、
蛍「桜の花びらも散っちゃいましたね」
小鞠「そうだねー」
蛍「もう少し、お花見していたかったです」
小鞠「だよね、美味しいお弁当ももっと食べたかった」
蛍「あはは、次はツツジですね」
小鞠「あー、もう次の花が咲いてるんだっけ」
蛍「はい」
小鞠「そっか、じゃあ行かないとね」
蛍「また見に行きましょうね、二人で」
小鞠「うん」
蛍「えへへ」
10: 以下、
小鞠「でもさー、ツツジって見ながらお弁当食べるようなものじゃないよね」
蛍「確かにあまりないですね、でも別にお花だけでもいいじゃないですか」
小鞠「えー、わたし蛍のお弁当楽しみにしてるんだけどな」
蛍「ほ、本当ですか!?」
小鞠「うん、蛍のお弁当美味しいからね」
蛍「じゃ、じゃあ明日、明日また作ってきますね!」
小鞠「無理しなくていいよ?」
蛍「無理なんかじゃないです! 私、先輩にお弁当作りたいんです」
小鞠「そう? 嬉しいなあ、蛍のお弁当楽しみー」
蛍「えへへへ」
13: 以下、
小鞠「っていう話を蛍としたんだ」
夏海「ふーん」
小鞠「なんでそんな素っ気無い感じなの!?」
夏海「だって夏海ちゃん、その話何度も聞いたしー」
小鞠「何度もしてないよ! 今日起こったことなんだから!」
夏海「ええー? 同じような話前にもあったよ」
小鞠「た、確かにあったけど……」
夏海「それに姉ちゃん最近はほたるんの話ばっかりー」
小鞠「う、五月蝿いな!」
夏海「聞かされるウチの身にもなって欲しいね」
小鞠「ええーい黙れ黙れー!」
夏海「あっははは!」
14: 以下、
蛍「先輩!」
小鞠「蛍……うわ、すごいねそのお弁当」
蛍「あはは……張り切りすぎて重箱になっちゃいました」
小鞠「食べごたえがありそう……」
蛍「すみません……」
小鞠「ううんいいよ、二人で食べればちょうどいいかも」
蛍「そうですか……?」
小鞠「そうそう、広げちゃおう蛍!」
蛍「はい」
15: 以下、
小鞠「あ、煮豆だ」
蛍「昨日帰ってすぐ水に付けておきました」
小鞠「もぐもぐ……うん、柔らかくて美味しいね」
蛍「はぁ……よかったあ……」
小鞠「蛍は本当に料理上手だね、いつでもお嫁に行けそう」
蛍「お嫁さんですか!?」
小鞠「いいお嫁さんになりそう」
蛍「わあ……」
蛍(お嫁さん……先輩の、お嫁さん……)
蛍「えへへ、えへへへへ」
小鞠「ウチに欲しいくらいだね」
蛍「!?」
17: 以下、
蛍「そ、それって! それってぇ!」
小鞠「なーんて、ってどうしたの蛍?」
蛍「あ……いえ、なんでも……ないです」
小鞠「? 蛍も食べなよ」
蛍「あ、はい」
小鞠「ってお箸一つしかないね」
蛍「あっ、すみません、忘れちゃいました……」
小鞠「じゃあ蛍、あーん」
蛍「!?」
小鞠「あーん」
蛍「あ、あーん」モグモグ
小鞠「美味しい?」
蛍「し、幸せですー」
小鞠「え?」
18: 以下、
小鞠「よく見たらさ、これ重箱なのは箱だけじゃなくて中身もだね」
蛍「お正月みたいになっちゃいました」
小鞠「だいぶ早いお正月だ」
蛍「は、恥ずかしいです」
小鞠「恥ずかしがることないって」
蛍「そ、そうですか?」
小鞠「うん、これをお正月になったらまた食べられると思うとお正月が待ち遠しいよ」
蛍「また作りますね」
小鞠「また食べさせてね」
蛍「はい、約束です」
小鞠「お正月も一緒に過ごそうねー」
蛍「はい、遠い話ですけど」
小鞠「あはは」
20: 以下、
小鞠「ツツジ、どの辺に咲いてるかな?」
蛍「深いところですか?」
小鞠「ううん、そんなことないよその辺に普通に咲いてる」
蛍「そうなんですか」
小鞠「まだ蕾のが多いかな」
蛍「残念ですね……」
小鞠「待って、絶対見つけるから、蛍にツツジの花見せたい」
蛍「そんな、無理しなくていいですよ」
小鞠「無理じゃない、私が蛍に見せてあげたいの!」
蛍「先輩……嬉しいです」
小鞠「ここもまだだ……うーん、確かこっちの方にも……あっ」
蛍「……わぁ」
小鞠「見て蛍!」
蛍「はい……とっても綺麗です」
22: 以下、
蛍「これでまた先輩と一緒にお花見出来ましたね」
小鞠「うん、綺麗だね」
蛍「先輩……」
小鞠「よっと、見て見て蛍、ツツジの花を髪飾りにしてみました」
小鞠「気分はトロピカル、どうどう? 綺麗?」
蛍「はぁ……先輩、とっても可愛いです」
小鞠「あれ、可愛い? まあいいか」
蛍「可愛いなあ、お花を付けた先輩……可愛いなあ」
小鞠「ねえ、蛍にも付けたげるね」
蛍「あ、ありがとうございます」
小鞠「私の付けてた奴だけど、はい」
蛍「あっ」
蛍(先輩のモノがまた、私に……)
先輩が愛おしくて仕方がありません、でも先輩がそんな私を受け入れてくれるか不安
23: 以下、
れんげ「にゃんぱすー」
蛍「おはよう、れんちゃん」
小鞠「おはようれんげ」
夏海「れんちょん、うーっす」
れんげ「おはようなのん……」
蛍「どうしたのれんちゃん、元気ないね?」
れんげ「お気づきになられましたか」
蛍「う、うん」
れんげ「実は朝っぱらからのっぴきならない衝撃的な場面を目撃してしまったのん」
夏海「なになに面白いこと?」
小鞠「どう見てもそういう雰囲気じゃないでしょ」
24: 以下、
れんげ「実は……」
蛍「……ごくり」
れんげ「イタチの子供がアライグマに生きたまま捕食されてたのん……」
小鞠「うわぁ……」
れんげ「かなりのエグさにトラウマものなのん」
蛍「そういうことってあるんだ……」
夏海「まあ田舎だからねえ……たまに良くある」
れんげ「あのイタチは死んじゃうのんな……」
夏海「あー、うん……でもね、生きるってことは食べるってことだから」
れんげ「でも……」
夏海「そのイタチはねれんちょん、アライグマの栄養になって一緒に生きるんだよ」
れんげ「そうなのん?」
夏海「そうだよ、だからそんなに悲しまなくたっていいんだよ」
蛍「……そういう考え方もあるんだ……」
25: 以下、
一穂「はーい道徳の授業はその辺でー」
夏海「将来は学校の先生になろうかなー?」
一穂「はい、無理だよー」
夏海「酷すぎるっ!」
小鞠「夏海は他の教科からっきしでしょ」
夏海「夏海ちゃん学校の先生やーめた」
一穂「無難だねー」
れんげ「ねぇねぇ、イタチは大丈夫なのんな!」
一穂「大丈夫ではないけどねー」
れんげ「そうなのん!?」
蛍「……」
27: 以下、
一穂「それじゃあ、この前のミニテスト返すよー」
れんげ「ねぇねぇがちゃんと先生してびっくりだったのん」
一穂「教育委員会からお達しがあってね……」
蛍「わぁ、れんちゃん100点! すごいね」
れんげ「やったのーん」
小鞠「蛍も良い点数だね」
蛍「えへへ、頑張りました」
小鞠「私もそこそこかな」
夏海「……」
蛍「夏海せんぱ……」
夏海「……遠くへ行きたい」
夏海「そうだ……何にも縛られない遠いところへ行って、幸せに暮らそう」
蛍「……」
小鞠「現実見なよ夏海」
29: 以下、
小鞠「蛍、放課後だけどどうする?」
蛍「どこか出かけますか?」
小鞠「いいね、散歩でもしよっか」
蛍「はい、先輩と散歩嬉しいなあ」
小鞠「そんな嬉しい?」
蛍「え!? こ、声に出てました?」
小鞠「うん、ばっちり」
蛍「……///」
小鞠「なんで赤くなってんの?」
蛍「しょ、しょうがないじゃないですか///」
小鞠「私も嬉しいんだけど、蛍が赤くなってたら私がおかしいみたいじゃん」
31: 以下、
蛍「先輩も……?」
小鞠「うん、蛍と一緒だと落ち着くしね」
蛍「私はドキドキします」
小鞠「そうなの?」
蛍「はい」
小鞠「そう……なんだ、へ、へー//」
蛍「先輩は……いえ、なんでもないです」
小鞠「そ、そう? じゃあ散歩行こっか」
蛍(先輩は私と一緒でドキドキしてくれますか?)
聞き返されなくてよかった、そう思ったのは私が臆病だから、私は……
33: 以下、
蛍「新緑まぶしいですね」
小鞠「田舎だよねえ」
蛍「私は好きですよ、こういう風景」
小鞠「そう? まあ私も嫌いじゃないけど」
蛍「引っ越してきて本当によかったって思います」
小鞠「そっか、蛍が気に入ってるなら田舎も悪くないかな」
蛍「自然が豊かで、動物も沢山いて……それに先輩もいますから」
小鞠「私……?」
蛍「先輩と友だち、に、なれて本当に良かったです」
小鞠「そんな大袈裟だよ」
蛍「大袈裟でもなんでもないです、先輩と出会えてよかった」
小鞠「そ、そっか//」
35: 以下、
蛍「川のせせらぎが聞こえてきますね」
小鞠「川はどこにでもあるからね」
蛍「ちょっと行ってみませんか?」
小鞠「川遊びもいいかもね」
蛍「涼んでいきましょう」
小鞠「行こっ、蛍」ギュ
蛍「はい、先輩!」
握ってくれた先輩の手は少し汗が滲んでいて、しっとりと私の手のひらに馴染んでいきました
36: 以下、
蛍「綺麗……」
小鞠「えっ」ドキッ
蛍「どうかしましたか、先輩?」
小鞠「な、なんだ水の事か」
蛍「こんなに透き通るような水は東京じゃ見られませんから」
小鞠「そうなの?」
蛍「私は東京の川で遊んだことはないですね」
小鞠「そうなんだ、こんなに涼しいのに」
蛍「プールとかならありましたけど」
小鞠「プールもいいなあ」
蛍「暑くなってきたら泳ぎに行きますか?」
小鞠「いいね、夏海やれんげも……ううん、やっぱり二人で行こっか」
蛍「……はい」
先輩からの提案が本当に嬉しくて、こみ上げてくる想いを抑えるのに苦労しました
37: 以下、
小鞠「蛍、こっちこっち」
蛍「はい?」
小鞠「ちょっと休憩」
蛍「そうですね、座りましょうか」
小鞠「草の上に座るのってふかふかしてていいでしょ?」
蛍「はい、それに草の擦れる音って気持ちいいです」
小鞠「サーッて奴? いいよねぇ」
蛍「風が吹いてるなって実感できますし」
小鞠「そうだね、いい風だ」
風が吹いて、先輩の髪がなびく度に、私の視線は釘付けになります
39: 以下、
小鞠「どうしたの?」
蛍「い、いえ」
小鞠「えー、気になる」
蛍「な、何でもないですよっ」
小鞠「そういう顔じゃないけどなあ」
蛍「本当に何でもないですから!」
小鞠「そう? 最近の蛍、そういう顔よくするよ?」
蛍「そんなに……してますか?」
小鞠「してますか? ってことはやっぱり言いたいことあるんじゃん」
蛍「あ……」
小鞠「何でも言って?」
喉がカラカラに渇いて、川の水を飲み干してしまいたくなりました
40: 以下、
蛍「その……」
小鞠「ん?」
蛍「あんまり、見ないでください」
小鞠「ええ!?」
蛍「その、恥ずかしいので///」
小鞠「ああ……そんな恥ずかしいことなの?」
蛍「えと……私、その……」
小鞠「うん……」
蛍「す……」
小鞠「す?」
蛍「す、き焼きが食べたいなあああ! なんてっ!」
小鞠「すき焼き!? 私も食べたい!」
蛍「は、ははは……」
私にもう少し勇気があれば何かが変わってくれるのでしょうか、今日は少し後悔
41: 以下、
小鞠「すき焼き食べたい!」
夏海「急にどうしたの姉ちゃん……ってウチもすき焼き食べたい!」
小鞠「それがね、今日蛍と散歩してたら急にすき焼き食べたいって言われて」
夏海「へー」
小鞠「あれ?」
夏海「どしたの姉ちゃん?」
小鞠「すき焼き食べたかっただけなのになんであんなに恥ずかしがってたのかな?」
夏海「どういうこと?」
小鞠「蛍、顔を真っ赤にして、す、すき焼き食べたいなって叫んだの」
夏海「……ふーん」
小鞠「どういうこと?」
夏海「なるほどねー」
小鞠「何? 何かわかったの夏海?」
夏海「姉ちゃんにはひーみつっ!」
42: 以下、
蛍「私、小鞠先輩と一緒がいいです」
夏海「はいよー、じゃあれんちょんペア組もう」
れんげ「じゃんけんしなくていいのん?」
夏海「いいのいいの」
小鞠「じゃあ一緒にしようか蛍」
蛍「はい、先輩」
小鞠「準備体操ね」
蛍「一、ニ、三、四」
小鞠「ニ、ニ、三、四」
蛍「ふんっ、ん??!」
小鞠「蛍、背中伸ばすやつ」
蛍「はい! よいしょ」
小鞠「うわあ! 背中伸びちゃう伸びちゃう! あっこれ背が大きくなるかな!?」
蛍「ならないと思います……」
背中に伝わる先輩の小さな感触が切なくてたまらなくて、正面を向いて抱きしめたくなりました
44: 以下、
小鞠「もう少ししたら体育も憂鬱になるのかな?」
蛍「そうですか? 体動かすの気持ちいいじゃないですか」
小鞠「ほら、夏になったらもう暑くて暑くて体育どころじゃないよ」
蛍「ああ、そういう」
小鞠「涼しい内に目一杯体動かしとかないとね」
蛍「そうですね、先輩!」
小鞠「よし、じゃあ遊ぼっか」
蛍「遊び!?」
小鞠「だって先生、授業する気ないし」
一穂「zzz......」
蛍「立ったまま寝てる!?」
小鞠「ほら、行こう蛍」ギュ
蛍「は、はい!」
私の手を引く先輩の小さな手が可愛くて、でも頼もしくてずっとそうしていたいと思いました
45: 以下、
小鞠「それで、今日もまた寝てるの、先生?」
蛍「みたいですね」
小鞠「昨日に引き続いて今日も自習かあ」
蛍「次は体育ですからまた遊びになっちゃいますね」
小鞠「今日はどうする? みんなで遊ぼっか?」
蛍「そう、ですね」
小鞠「夏海とれんげはもう外に遊びに行っちゃったし」
蛍「あはは、早いですね」
小鞠「まったくしょうが無いなあ」
蛍「私たちも行きましょう、こま先輩」
47: 以下、
小鞠「あれ、夏海とれんげがいない……」
蛍「どこ行っちゃったんでしょう?」
小鞠「もしかして学校の外行っちゃった?」
蛍「ええ!? 大丈夫なんですか?」
小鞠「こんなんだけど授業中なんだからさあ……」
蛍「はやく探したほうがいいですよね!」
小鞠「ああもうしょうが無いなあ……」
蛍「一緒に――」
小鞠「手分けして探そう、入れ違いになったらいけないから定期的に学校に戻ってきてね」
蛍「あ……行っちゃった」
夏海「よっと、おーっすほたるん」
蛍「夏海先輩!?」
夏海「やーやー」
48: 以下、
蛍「小鞠先輩、探しに行っちゃいましたよ!?」
夏海「大丈夫大丈夫、れんちょんは外にいるから」
蛍「そういう問題ですか!?」
夏海「ちょっとイランおせっかいでもしたくなってね」
蛍「??」
夏海「ほら、ほたるんは姉ちゃん探しに行って」
蛍「探しにってどこに!?」
夏海「今頃れんちょんが誘導してるはずだからさ、行ってきなって」
蛍「だからどこですか!?」
夏海「あの桜の木に行ってごらん」
蛍「桜の木?」
夏海「あとはほたるん次第だよ」
蛍「え……?」
51: 以下、
小鞠「もう、勝手にどっか行っちゃうのはやめて欲しいね」
小鞠「私の手間が増えるんだからさ」
小鞠「それにこんなあからさまな目印まで用意して」
小鞠「この先に何があるってのさ」
小鞠「ちょっとー! 夏海ー! れんげー!」
小鞠「返事くらいしろー!」
小鞠「雑木林抜けちゃうじゃん、どこまで来てんの」
小鞠「……眩しい」
小鞠「あ――」
52: 以下、
私が先輩を追って桜の木の前に着いた時、先輩は木を見上げたまま桜の花びらに包まれていました
まるで桜の木の妖精のようで私を見惚れさせるには十分すぎて
小鞠「そっか、ここは少し気温が低いから、まだ残ってたんだ」
先輩のつぶやく言葉の一つひとつが私の心に染みこんでいきます
小鞠「蛍に教えてあげ……蛍?」
蛍「先輩……綺麗」
先輩の姿は、可愛くて、綺麗で、私の恋心を後押ししてくれる、勇気をくれる
小鞠「だよね、まだ桜が残ってるなんて」
蛍「違います、先輩が綺麗なんです」
小鞠「え?」
蛍「先輩、私……」
蛍「先輩のことが好きです」
小鞠「……私も蛍のこと好きだよ?」
蛍「違うんです、先輩……恋しちゃってる好き、なんです」
54: 以下、
小鞠「ええ!?」
蛍「……」
小鞠「え? え? でも、私たち女の子同士だよ!?」
蛍「知ってます」
小鞠「……ええぇ」
蛍「それでも、好きなんです」
小鞠「蛍……」
蛍「先輩、返事を聞かせてもらえませんか」
小鞠「わた、私は……」
蛍「……」
小鞠「ごめん……」
蛍「っ……」
小鞠「ちょっと考えさせて……」
蛍「……はい」
57: 以下、
小鞠「あああああああああ!」
夏海「どうした姉ちゃん!?」
小鞠「私、私!」
夏海「ほたるんに告白でもされた?」
小鞠「ど、どうしてそれをっ!」
夏海「見てればわかるって、姉ちゃんは鈍感なんだから」
小鞠「そんなにわかりやすかったの!?」
夏海「それで、どうするの?」
小鞠「でも、蛍……冗談かもしれないし……」
夏海「ほたるんは冗談でそういうこと言う子なの?」
小鞠「……違う」
58: 以下、
夏海「だよね」
小鞠「で、でも蛍のことは好きだし一緒に居たいとも思うけど、私たち女の子同士だし……」
夏海「女の子同士だとイケナイの? ほたるんの好きは間違ってる?」
小鞠「蛍の……好き?」
夏海「ほたるん真剣だったんじゃないの?」
小鞠「蛍……真剣だった、真剣に私を見てた」
夏海「ね?」
小鞠「うん……蛍が間違ってるなんて私、言わない」
夏海「だったら、それが答えだよね」
小鞠「……ありがと、夏海」
夏海「どーいたしましてー」
61: 以下、
蛍「先輩……話って」
小鞠「うん、昨日のこと」
蛍「っ……いいです! 返事は、もう!」
小鞠「聞いて蛍」
蛍「嫌です! 聞きたくないです! 私は先輩と居られれば、もうそれだけでいいですから!」
小鞠「それだと私が嫌なの!」
蛍「せん……ぱい……?」
小鞠「昨日、蛍に告白されて色々考えたよ」
小鞠「女の子同士だって、悩んだ」
小鞠「それでも蛍は、好きって恋してるって言ってくれてて」
蛍「……」
小鞠「蛍の真剣な想いは伝わってきた」
小鞠「女の子同士で好きでもいいんだよね、おかしくないよね」
小鞠「うん……私も蛍のこと好きだよ」
蛍「先輩っ……」
63: 以下、
蛍「先輩、先輩、先輩!」
小鞠「私の好きは蛍の好きには敵わないと思うけど」
蛍「先輩……」
小鞠「これから、私のこと夢中にさせてよね」
蛍「はい……はいっ!」
小鞠「私の初めての恋人で……初恋になるんだから」ギュ
蛍「先輩……大好きです……大好き」ギュ
小鞠「うん……勇気出してくれたんだよね、ありがと蛍」ギュゥ
今日は昨日書けなかった分、沢山日記を書きたいと思います
それから鍵を掛けて絶対消えちゃわないように
67: 以下、
れんげ「なんなのん? この幸せオーラなんなのん?」
蛍「えへへぇ、先輩♪」
小鞠「どしたの蛍?」
蛍「呼んでみただけです……えへへ」
小鞠「もう、まったく蛍は蛍なんだから」
蛍「先輩……えへへ」
夏海「ウチの姉もようやく独り身卒業ですか、めでたいですなあ」
小鞠「人を行き遅れみたいに言わないで」
一穂「ビクぅ!」
れんげ「ねぇねぇどうしたのん?」
一穂「ウチはまだ24だよ大丈夫、うん大丈夫」
69: 以下、
夏海「べったりですなあ」
れんげ「何がどうなってるのん……?」
夏海「二人はね、お付き合いすることになったんだよ」
れんげ「おつきあいってなんなのん?」
夏海「えっとねー、あの二人みたいな感じ」
蛍「こま先輩、好きですっ」ギュ
小鞠「んー、私もだよ蛍」
れんげ「とてつもなく幸せそうなのん」
夏海「そうそう、一緒になって幸せになることかな?」
れんげ「ふーん」
蛍「嬉しいです、えへへ」スリスリ
小鞠「もう、さっきからスリスリし過ぎだぞ♪」スリスリ
夏海「目に毒だなこりゃ」
72: 以下、
夏海「確かちょっと前だよね、付き合いだしたの」
小鞠「そうだけど?」
夏海「休日挟んだだけだよね?」
蛍「そうですけど?」
夏海「なんだこのバカップルは……」
小鞠「私ね、蛍のこと恋人なんだって目で見たらさ、蛍の色んな所が見えてきて」
蛍「そんな、恥ずかしいですよ」
小鞠「蛍は美人だし、しっかりしてるけど、やっぱり年相応な所もあってさ」
小鞠「そこが可愛くてね、それに結構私に頼ってくれたりもして」
小鞠「私の事、年上として……ううん、恋人として頼りにしてくれてるんだなって」
夏海「あーあー、もういいもういい、胸やけしてくる」
蛍「……///」
れんげ「幸せなのんな!」
蛍「うん」
74: 以下、
蛍「お母さーん」
母「どうしたの蛍ちゃん?」
蛍「前の家で使ってた冷蔵庫ってまだあるの?」
母「あの大きいの?」
蛍「ううん、小さい方」
母「大きいのは粗大ごみに出しちゃったけど、小さいのならまだ残してあるわ」
蛍「じゃあ、私の部屋に持って行っていい?」
母「うーん、そうね……これから暑くなるだろうし、いいわよ」
蛍「やったー、ありがとうお母さん」
蛍「えへへ、これで先輩を呼んでも大丈夫そう」
蛍「早く次の休み来ないかなー」
75: 以下、
蛍「おはようございます先輩」
小鞠「おはよう蛍」
蛍「先輩、今日はツーサイドアップなんですね」
小鞠「うん、ツインテール」
蛍「え? ツーサイドアップ……ですよね?」
小鞠「んん?」
蛍「あ、えと、この髪ゴムってもしかして二人で初めて駄菓子屋に行った時と同じですか?」
小鞠「二人で駄菓子屋ってそんなことあったっけ?」
蛍「あったじゃないですか、一緒にかき氷食べましたし」
小鞠「かき氷……え!?」
蛍「思い出してくれましたか?」
小鞠「う、うそ……あれってもしかして蛍だったの!?」
蛍「気付いてなかったんですか!?」
小鞠「ひ、密かに憧れてたのに……」
76: 以下、
蛍「そうだったんですか?」
小鞠「うん、衝撃的事実が発覚した」
蛍「初めてのデートだと思ってたのは私だけだったんですね……」
小鞠「わぁ、落ち込まないで蛍」
蛍「でも……先輩……」
小鞠「そっか、あれって蛍だったのか」
小鞠「うん、何か安心した」
蛍「え?」
小鞠「正直な話カッコいいなってちょっと心惹かれてたとこあったんだよね」
小鞠「でも、それが蛍だったんだってわかって、嬉しい」
蛍「しぇんぱい……私も嬉しいです」
小鞠「あはは、あの時からこうなる運命だったのかもね」
蛍「運命……素敵ですね」
小鞠「私たちは運命の恋人なのだー」
79: 以下、
蛍「今度デートのやり直ししましょうね」
小鞠「町のほうにでも行く?」
蛍「はい、行きたいです!」
小鞠「じゃあ予定組まないとね、今度の休みくらいにする?」
蛍「あ、次の休みは……」
小鞠「何かあるの?」
蛍「その、私の家に遊びに来ませんか?」
小鞠「蛍の家?」
蛍「恋人になってからはまだ来てくれてませんよね」
小鞠「そうだね、うーんじゃあそうしようかな」
蛍「はい、待ってます」
小鞠「そっか、蛍の家……恋人のお家か……えへへ」
蛍「こういうの、なんかいいですね先輩」
81: 以下、
蛍「楽しみすぎて、休みまであっと言う間だったなあ」
蛍「もうすぐ来るって言ってたし、先輩を迎える準備大丈夫かな?」
蛍「こまぐるみは一応閉まっておこう」
蛍「冷蔵庫に飲み物は閉まってる、お菓子も置いてあるし」
蛍「うん、お母さんに部屋に来ないようにも言ってる」
蛍「大丈夫……かな?」
蛍「えへへ、先輩と二人っきりでお部屋デートかあ」
蛍「最後に身だしなみのチェック……大丈夫」
小鞠「こんにちはー!」
蛍「あっ、先輩だ」
84: 以下、
母「あら小鞠ちゃん、いらっしゃい」
小鞠「遊びに来ました」
母「蛍ちゃーん! 小鞠ちゃん来たわよー」
蛍「お、お母さん! あとは私がやるから!」
母「はいはい、ゆっくりしていってね小鞠ちゃん」
小鞠「は、はい!」
蛍「もう、お母さん!」
母「あらあらまあまあ」
蛍「先輩、部屋行きましょう!」
小鞠「う、うん」
85: 以下、
小鞠「うわー、すっごく緊張した」
蛍「どうしたんですか?」
小鞠「だ、だってさ恋人の親とかもうどうしていいかわかんないよ」
蛍「いつも通りでいいと思いますよ」
小鞠「そ、そうかなあ? お付き合いさせて貰ってますとか言ったほうがいいんじゃない?」
蛍「気にし過ぎですよ、さぁ部屋……行きましょう」
小鞠「あ、うん」
蛍「どうぞ」
小鞠「お、お邪魔します」
蛍「なんだか緊張しちゃいますね」
小鞠「そ、そうだね……」
蛍「あ、ジュース出しますね」
小鞠「うん、って部屋に冷蔵庫!?」
蛍「昔使ってた奴を持ってきたんです」
86: 以下、
小鞠「へー、すごいねー」
蛍「これがあれば便利ですからね」
小鞠「確かにね、いちいち台所に取りに行かなくてもいいし」
蛍「はい、それに……先輩との時間を誰にも邪魔されたくなかったですから」
小鞠「蛍……」
蛍「えへへ///」
小鞠「可愛いこと言ってくれちゃって、もう///」
蛍「先輩……」
小鞠「どうしたの?」
蛍「隣、座ってもいいですか?」
小鞠「いいよ」
蛍「……はい」スッ
小鞠「ん」
蛍「先輩、好きです」
小鞠「うん、私も」
88: 以下、
小鞠「……」
蛍「……」
小鞠「あはは、恋人って何していいかわかんないね」
蛍「こうやって寄り添ってるだけじゃだめですか?」ピトッ
小鞠「……悪くないね」
蛍「先輩、あったかいです」
小鞠「蛍だってポカポカしてるよ」
蛍「先輩と一緒ですから」
小鞠「心がポカポカだ」
蛍「……はい///」
蛍(くちびる近いな……このままキス、なんて……出来たら)
小鞠「……ん」チュ
蛍「え?」
小鞠「キス……しちゃった……」
89: 以下、
小鞠「わっ、な、なんで泣いてるの!?」
蛍「……」ポロポロ
小鞠「ご、ごめん嫌だったよね」
蛍「違います……しぇ、しぇんぱい……私、嬉しくて」
小鞠「嬉しくて……泣いちゃった?」
蛍「はい……私、先輩とキス、したいなって思って、そしたら先輩がキスしてくれて」
小鞠「そう、なんだ」
蛍「先輩とちゃんと通じてるんだって……それが嬉しくて……」
小鞠「そっかあ……」ギュ
蛍「はぅ……」
小鞠「可愛い……蛍」
蛍「先輩……」
小鞠「会う度に好きになっちゃうよ」
92: 以下、
小鞠「そういえばさ、あのぬいぐるみまた仕舞ってるの?」
蛍「は、はい」
小鞠「沢山あったよねえ」
蛍「全部、先輩の事を想いながら作ったんです」
小鞠「そうだったんだ……あんなにいっぱい?」
蛍「……はい///」
小鞠「そっか、ごめんね気付かなくて」
蛍「いいんです、今はこうして先輩と一緒にいられるんですから」ギュ
小鞠「あんなに好きでいてくれてありがとう、もうどんな蛍でも受け入れられそう」
蛍「本当ですか?」
小鞠「うん、本当」
蛍「嬉しいです」
94: 以下、
小鞠「蛍、これ持ってきたんだ」
蛍「なんですか?」
小鞠「シュシュだよ」
蛍「これ、この前の」
小鞠「そ、蛍ってさ大抵ストレートにしてるでしょ?」
蛍「はい、たまにポニーテールにしてますけど」
小鞠「髪留めって色々持ってる?」
蛍「髪留めですか? ゴムはあんまり持ってないですね」
小鞠「だよねだよね、だからね、このシュシュ蛍にあげる!」
蛍「いいんですか?」
小鞠「うん、私からのプレゼントだよ」
蛍「わぁ……嬉しいです先輩、宝物にしますね!」
小鞠「ちゃんと使ってね?」
95: 以下、
蛍「先輩はどんな髪型が好きですか?」
小鞠「蛍の?」
蛍「はい」
小鞠「いつもはストレートで、たまにポニーテールだよね」
蛍「まあそうですね」
小鞠「どっちも好き、はダメだよね」
蛍「いえ、どっちも好いてくれるなら手放しで喜んじゃいますけど」
小鞠「うーん」
小鞠「いつもの蛍が好きかな」
蛍「いつもの私……」
小鞠「あ、だからって、シュシュはちゃんと使ってるところ見せてよね」
蛍「はい、特別なときに、絶対」
97: 以下、
小鞠「あれ、そういえば蛍、これってなに?」
蛍「パソコンですよ?」
小鞠「ぱそ……これがパソコンかあ!」
蛍「はい、そうですけど?」
小鞠「すごいなあ、ここは島根ではないんだね!」
蛍「?」
小鞠「蛍はパソコンで何してるの?」
蛍「これインターネットは繋いでないんで、日記とかつけてるくらいですね」
小鞠「へー、パソコンで日記って付けられるんだ」
蛍「はい、USBに入れておけば持ち運びも簡単ですし」
小鞠「どんな日記付けてるの?」
蛍「……先輩のこと、ばっかりです///」
小鞠「そ、そうなんだ///」
小鞠「見せてもらっても、いい?」
98: 以下、
――
――――
――――――
蛍「それじゃあまた、先輩」
小鞠「うんまたね蛍」
蛍「はい、明日学校で」
小鞠「はーい」
蛍「……先輩、帰っちゃったな」
蛍「もっと一緒にいたいなあ」
蛍「次の休みは町に行く約束したし、今日はもう日記を書いちゃおう」
蛍「今日は先輩がキスしてくれてシュシュをプレゼントしてくれて」
蛍「嬉しかった、先輩がもっと欲しくなった」
100: 以下、
蛍「おはようれんちゃん」
れんげ「にゃんぱすー」
蛍「うん」
れんげ「ほたるんは充実してるのん?」
蛍「そう見える?」
れんげ「とっても見えるん!」
蛍「うん、充実してる、とっても幸せだよ」
れんげ「幸せってなんなのん? ウチも知りたいのん!」
蛍「うーん、何て言ったらいいんだろう……?」
れんげ「何なのん?」
蛍「誰かを好きになるって、好きになってもらうって、それだけでとっても幸せで」
れんげ「そういうものなのん? よくわからないん!」
蛍「そうだね、いつでも好きな人に会いたい、欲しいって思う気持ち……かな?」
れんげ「好きな人に会いたいのん? ふーん」
103: 以下、
蛍「想えばきっと伝わるって先輩が教えてくれたから」
蛍「だから私は今、幸せでいられるんだと思う」
れんげ「うーん……ウチにもいつかわかるようになるのん?」
蛍「そうだね、きっとわかるようになると思うよれんちゃん」
れんげ「その時が待ち遠しいのん!」
蛍「うん……あっ、せんぱーい!」
小鞠「蛍!」
蛍「おはようございます!」
小鞠「うん、おはよう」
蛍「えへへ」
小鞠「あはは、なんだか照れくさいね」
れんげ「ほたるんもこまちゃんも幸せそうなん!」
106: 以下、
蛍「はぁー……今日も先輩を堪能したなあ」
蛍「先輩ともっと一緒にいたいなあ」
蛍「ただいまー」
母「お帰り、蛍ちゃん」
蛍「うん」
母「お話があるの、ちょっと来てくれる?」
蛍「なあに、お母さん?」
母「……あのね」
蛍「?」
母「お父さんの仕事の都合で……来月また引っ越しすることになったの」
蛍「……え?」
母「急な話でごめんなさいね」
蛍「……う、そ……」
109: 以下、
蛍「そんな……折角、せっかく先輩と……」ダット
母「あっ、蛍ちゃん!」
蛍「やっと先輩と付き合うようになったのに!」
蛍「ずっと一緒にいられるって思ったのに……そんな!」
蛍「やだ……やだよ……うっ、ぐす……」
蛍「どうしよう……どうしたら……」
蛍「家、飛び出してきちゃったし……」
蛍「……先輩に相談、なんて……出来ない」
蛍「怖いよ……」
蛍「れんちゃん……夏海先輩……」
蛍「夏海、先輩……?」
蛍「あ……そっか」
110: 以下、
れんげ「ほたるん?」
蛍「れんちゃん?」
れんげ「どうしたのん? 目がうさぎになってるのん、泣いてたのん……?」
蛍「うん、ちょっと……」
れんげ「こまちゃんと喧嘩でもしたのん?」
蛍「ううんしてないよ、それにもう大丈夫だから」
れんげ「本当に大丈夫なん?」
蛍「うん、私は先輩と一緒に入れば大丈夫だから、心配しないで」
れんげ「ほたるんがそう言うなら……」
蛍「れんちゃん、私……もっと幸せになるね」
れんげ「そうなのん? ほたるん、もっと幸せになるのんな!」
蛍「うん、じゃあねれんちゃん」
れんげ「またなのーん……ほたるんでもスキップするのんな」
112: 以下、
夏海「ふんふんふーんっと」
夏海「はぁー今日もザリガニ沢山釣っちゃったな」
夏海「ザリガニ漁の仕事にでも就こうかな」
夏海「うん、ならもっと釣れるようにならないと!」
夏海「さあて、再開だ」
夏海「あれ? 姉ちゃんどしたのそんなに急いでー!」
小鞠「ごめーん、今急いでるから!」
夏海「行き先も告げずに走り出した姉ちゃんを見送る夏海ちゃんであった」
夏海「まいっか、続きつづきっと」
114: 以下、
蛍「先輩!」
小鞠「蛍、どうしたの急に呼び出して、しかも泣きそうな声で……心配するじゃん」
蛍「先輩……上がってください」
小鞠「あ、うん……お邪魔しまーす」
蛍「今は家に誰もいませんから」
小鞠「そうなの?」
蛍「はい、私を探しに外に行ってるので」
小鞠「え、どゆこと?」
蛍「さあ、私の部屋にどうぞ」
小鞠「うん、蛍の部屋だ」
蛍「……先輩」ギュ
小鞠「蛍……?」
蛍「……」ギュゥ
小鞠「どうしたの? 震えてる……」
115: 以下、
蛍「先輩、私……引っ越しすることになっちゃいました……」
小鞠「え……?」
蛍「両親の仕事の都合で……」
小鞠「……うそ」
蛍「……急な話だったんです……夏も迎えられそうにないみたいで……」
小鞠「そんな……私たち、折角恋人同士になったのに……」
小鞠「これから……全部これから始まるってとこなのに……!」
蛍「先輩……離れ離れになりたくない、です」
小鞠「それは、私も同じだよ……蛍」
蛍「大好きなのに……こんなの、理不尽ですよ……」
小鞠「どうしよう……どうすれば……」
蛍「私に考えがあります」
小鞠「蛍……?」
蛍「……先輩、シュシュ……付けてくれませんか?」
117: 以下、
小鞠「シュシュ?」
蛍「はい、今日は私たちにとって、大切な日になるんですから」
小鞠「大切な日……」
蛍「先輩……お願いします」
小鞠「蛍、髪触るね」
蛍「はい……」
小鞠「こんな感じ、かな」
蛍「んっ……」
小鞠「髪触られるの、気持ちいい?」
蛍「はい、もっと触ってください」
小鞠「よしよし……」ナデナデ
蛍「はぁ……先輩……」
小鞠「うん出来た、可愛いよ蛍」
118: 以下、
蛍「先輩、私……先輩が欲しいです」
小鞠「蛍?」
蛍「先輩と一緒になりたい……」
小鞠「……私もだよ、蛍」
蛍「先輩……いいですか?」
小鞠「なに……するの?」
蛍「……」
小鞠「うん……蛍」
蛍「先輩、入れますね」
小鞠「いたっ」
蛍「少しだけですから、先輩……すぐ終わります」
小鞠「ほたるっ、いた、いたいっ」
蛍「大丈夫、大丈夫ですから」
小鞠「あっ、ああっ……あ……あぁっ!」
121: 以下、
蛍「痛いですか……?」
小鞠「いたい……いたいよ……ほたるっ」
蛍「やめますか……?」
小鞠「つづけて……」
蛍「先輩……」
小鞠「ほた……る……」
蛍「ぴちゃ……くちゅ、くちゃ……」
小鞠「ん、ほた……」
蛍「先輩……これで、もうずっと一緒にいられますね」
小鞠「いっ……しょ……? うれし、い……」
蛍「私も嬉しいです、先輩……大好き」
先輩、私先輩のこと好きになって良かったです、幸せです
123: 以下、
姉ちゃんが失踪して三日経った
母ちゃんは日に日にやつれて行くし、兄ちゃんは以前にも増して無口になった
姉ちゃんはウチが見つけないといけない
だって、最後に姉ちゃんと会ったのはきっとウチだから
ウチが姉ちゃんを見つけて連れて帰ってこないといけないんだ
母ちゃんが警察に連絡して捜索隊が出ているけど、頼りない
山はウチの庭みたいなものだ、ウチの方がどこに隠れてても見つけ出せる
……でも、それは姉ちゃんだって同じはずで
それでもウチは今日も山に姉ちゃんを探しに行く、見つかるまで、ずっと
125: 以下、
まず秘密基地を探した、ここはウチと姉ちゃんだけが知っている秘密の場所
だから、姉ちゃんがいなくなったらここにいると思った
でも姉ちゃんはいなかった
前に来た時のままで、姉ちゃんが来た痕跡も無かった
ネコもいない誰もいない、ウチの側には何もない
夏海「ウチ……ひとりぼっちだ」
物音がした、ハッとして青々と茂った草むらへ目を向ける
草の擦れる音、草同士が擦れる音じゃなくて何かが通り抜けるような
夏海「姉ちゃん!?」
蛍「夏海先輩?」
夏海「……ほたるんか」
蛍「どうしたんですか? こんなところで」
夏海「ほたるんこそ、どうしてここを知ってるの?」
蛍「小鞠先輩に教えてもらったんです」
姉ちゃんに教えてもらったのなら納得だ、でも同時に寂しくもあった
夏海「姉ちゃん……ごめんねほたるん、折角恋人同士になったのに」
蛍「?」
126: 以下、
夏海「姉ちゃんいなくなっちゃって……」
蛍「そういうことになってるんですか……?」
夏海「辛いよね、でも大丈夫……ウチが絶対姉ちゃんを見つけてくるから」
唇を噛み締めてほたるんの目を見た
ほたるんは純粋な瞳でウチを見据えている
蛍「はい?」
夏海「それで、ほたるんに心配させてごめんって謝らせる」
蛍「は、はあ……」
夏海「だから待ってて、ほたるん!」
頑張ろう……ウチや家族のためだけじゃない
ほたるん、姉ちゃんの恋人のためにも
蛍「え、えっと……頑張ってください?」
夏海「うん! ウチ、頑張るよ!」
ほたるんのおかげで暗い気分も吹き飛んでいった
元気百倍だ、捜索を再開しよう立ち止まっている暇なんて無い
128: 以下、
蛍「よいしょっ、ふう……風が気持ちいいなあ」
蛍「ふふ、どうですか?」ナデナデ
蛍「景色が違って見えますね、春が終わったからっていうだけじゃなくて」
蛍「次に進んでいる高揚感がきっと見る物を変えてくれているんだと思います」
蛍「なんだか幸福に満ち満ちて多幸感が溢れそう、幸せって叫びたい、そんな気持ちですね」
蛍「こうして、季節が変わって……約束していたことを果たせるようになるのが嬉しいです」
蛍「夏が待ち遠しいですね」
蛍「そう思いませんか、先輩?」ナデナデ
れんげ「ほたるん?」
蛍「あ、れんちゃん」
れんげ「一人で何してるのん?」
133: 以下、
蛍「一人じゃないよ?」
れんげ「そうなのん?」
蛍「そうだよ、変なれんちゃん」
れんげ「ふーん」
蛍「ふふっ」
れんげ「ほたるん、なんだか幸せそうなのんな」
蛍「うん、私しあわせ……小鞠先輩も」
れんげ「こまちゃんも一緒なのん?」
蛍「うん、一緒だよ……小鞠先輩とはずっと一緒」
れんげ「離れ離れじゃないなら、いい事なのんな」
蛍「うん、一緒だから幸せ……離れ離れにならないから、ずっと幸せ」
れんげ「ウチ、そういうの憧れるのん」
蛍「きっといつか、れんちゃんもそうなれるよ、またねれんちゃん」
れんげ「ばいばいなのーん……ん、ほたるん何か落としていったのん?」
136: 以下、
夏海「姉ちゃーーーーん! どこーーーー!」
山には穴倉が、それこそ山のようにある
ハクビシンが作ったのかタヌキが作ったのか
あるいはもっと別の動物が掘ったものかはわからない
無数にあるそれは、大小様々で中には人が隠れることも出来る穴もある
夏海「はぁ……はぁ……どこ、姉ちゃん」
姉ちゃんは小さいから、ウチが思っているよりも小さな穴に収納されいるかもしれない
だからより注意深く探す必要がある、動物が飛び出してきてもメゲている暇はない
夏海「かくれんぼなんてやめて出てきてよーーー!」
どんなに声を荒らげても、どんなに虱潰しても、姉ちゃんの返事は返ってこない
夏海「……」
夏海「……れんちょん?」
茂みを抜けた先に小さなツインテールが揺れていた
れんげ「なっつん、こまちゃん探してるん?」
138: 以下、
夏海「うん……」
れんちょんは無邪気だ、きっといなくなった事の意味に気づいていない
れんちょんはそこまで子供じゃない、でも人の生死に対してはきっと鈍感で
……死だなんて、ウチのバカ
れんげ「さっきほたるんとあったん」
夏海「ほたるんと?」
ウチと別れた後に会ったのだろう
れんげ「幸せそうだったのん、一緒だと幸せなのん」
夏海「……どういうこと?」
要領を得ない
ほたるんは姉ちゃんがいなくなって、ウチと同じで悄気込んでいるはずなのに
れんげ「幸せって言ってたん、ほたるん幸せなのん、こまちゃんも幸せなのん」
夏海「れんちょん、どういうこと! ねえ、れんちょん……れんちょん!」
虚ろな瞳のまま、れんちょんはウチの言葉に耳を傾ける事無くフラフラと去っていく
れんげ「ふんふふーん」
140: 以下、
夏海「何がどうなって……」
夏海「幸せって……ほたるんが?」
夏海「姉ちゃんがいなくなったのに……」
夏海「それに……姉ちゃんも幸せ……?」
夏海「……」
夏海「そうだ……よく考えたらおかしいじゃん」
夏海「ほたるん落ち着きすぎてる……恋人がいなくなったのに!」
夏海「……ほたるん、何か知ってるんだ」
夏海「姉ちゃんがどこにいるか知ってて……だから」
夏海「……話聞きに行こう」
142: 以下、
ほたるんの田舎に似つかわしくない真新しい家に着いた
夏海「もう帰ってるかな……」
散歩に出ていたようだけど、少し気が急いていたかもしれない
蛍「夏海先輩?」
夏海「ほたるん!」
懸念の甲斐もなくほたるんはタイミングよくウチの前に現れた
蛍「また会いましたね、何か御用ですか?」
夏海「ちょっと、姉ちゃんのことで話があって」
蛍「小鞠先輩の事ですか?」
きっと、これは私にとっての正念場だ、第六感がそう告げている
引き下がるなんて許されない
夏海「上がってもいいかな」
蛍「はい、どうぞ」
144: 以下、
あっさりと家に上がることが出来た、ウチが訝り過ぎているだけだろうか
ほたるんのこの落ち着きは、いったいどこからやって来ているのか
蛍「どうぞ」
夏海「……前より綺麗になってるね、部屋」
蛍「片付けましたから、夏海先輩、飲み物取ってきますのでくつろいでいてください」
夏海「あいよー」
ほたるんが部屋を出て一階に降りていき、階段を降りる足音が止んだ
ふぅっと一息つき、部屋に目を向ける
山のようにあったぬいぐるみは一つもない
前回のようにクローゼットに詰め込まれているのだろうか、と手をかける
ゴトリ、と何かが落ちてきた
蛍「夏海先輩、何してるんですか?」
夏海「ひっ……」
145: 以下、
蛍「ああ、ダメじゃないですか、クローゼットに押し込んでいるんですから」
大量のぬいぐるみがウチを襲っていた
それでもクローゼットの中にはまだ、所狭しと押し込まれている
夏海「ご、ごめん……これがどこに行ったのか気になって」
蛍「また片付けないとイケナイじゃないですか、夏海先輩」
夏海「ごめん、ウチも手伝うから」
蛍「いえそれはいいです、触らないでください」
ほたるんはピシャリと言い切った
もう夏も目前だというのに凍るような声色で吐き捨てる
すこぶる喉が渇く
ほたるんの持ってきた水滴を滴らせるコップを呷り、テーブルを打った
蛍「わあ、そんなに喉が渇いていたんですか?」
夏海「ほんと……カラカラだよ」
蛍「おかわり、持ってきましょうか」
夏海「いいよ」
今は、姉ちゃんの事を問い詰めるほうが先
147: 以下、
夏海「今日ほたるんの家に来たのはね」
蛍「はい」
夏海「姉ちゃんのことを何か知らないかと思って」
蛍「小鞠先輩ですか?」
深刻そうな顔をして、姉ちゃんの名前を出せば動揺の一つでもするかと思ったが
不信感をオブラートに包まないウチを、ほたるんは歯牙にもかけないといった様子だ
蛍「特に伝えることはないですね」
夏海「……そう」
蛍「はい」
そう言って、ほたるんは撫でる
夏海「……大丈夫?」
蛍「……何がですか?」
夏海「いや、だって……ううん何でもない」
歪な静穏に包まれるほたるんに、頭がチリチリと焦げ付くような居心地の悪さを覚える
喉が渇く、コップを手に取り呷ろうとするが、すでに飲み干していた事に気付きテーブルに戻した
148: 以下、
蛍「おかわり、持ってきますね」
目ざとく気づいたほたるんが気を利かせてくれる
夏海「じゃあ、お願い」
蛍「はい、すぐ持ってきますね」
よく気遣いできるいつものほたるんだ
夏海「はぁ……」
ウチの気にし過ぎだろうか、ほたるんは普通過ぎる
その普通過ぎることを疑ったが、それでも何か嘘を付いているようにも見えない
何より、友だちを疑うようなことを本当はしたくない
夏海「振り出し、かな……」
落ち着いて来ると部屋を見渡す余裕が出来た
疑惑を晴らすのとは違った目的で見ると、部屋がどこか変わっていることに気付く
夏海「冷蔵庫……?」
冷蔵庫があるのにどうしてほたるんは下まで飲み物を取りに降りたのだろうか
たまたま中身が無い事もあるだろう、でもなぜか気になる
冷蔵庫に何が入っているのか、気になってしまった
夏海「お邪魔しまーす……え?」
150: 以下、
何が入っているのか理解できなかった
頭にモザイクが掛かったように視界がチラつく
直視することを拒絶するように、ウチの目に涙が溜まった
蛍「あっ」
胃から込み上げてくる吐き気を抑えられない
蛍「もう、ダメじゃないですか人の家の冷蔵庫を勝手に開けたら」
夏海「お゛えええええええ!」
蛍「夏海先輩? 大丈夫ですか! 夏海先輩!?」
夏海「なん……なんで、なんでこんな……」
蛍「なんでって……」
蛍「変なことを言いますね?」
夏海「……え」
蛍「だって、教えてくれたのは夏海先輩じゃないですか」
そう言って、ほたるんはウチの視界の隅で、お腹を撫でた
夏海「あ、あ……ああああああああああああああああああ!」
151: 以下、
oh…
152: 以下、
ああ・・・・
153: 以下、
れんげ「警察の人なん」
れんげ「パトカーなんて初めて見たのん!」
れんげ「興奮を隠しきれません!」
れんげ「……なんでほたるん連れて行かれるん?」
一穂「れんちょん、見ちゃダメ」
れんげ「ほたるんは何も悪いことしてないのん!」
一穂「れんちょん、ダメ」
れんげ「ほたるんはこまちゃんと離れたくなかっただけなのん!」
一穂「れんちょん!」
れんげ「ほたるんは! ほたるんは好きな人と一緒に! ずっと一緒にいたかっただけなのん!」
一穂「れんげ!」
れんげ「ひっ……」
155: 以下、
あれから二年の歳月が流れましたん
あの事件から一ヶ月経たない夏の暑い内にほたるんの家は解体されたのん
警察の人がまだ調査が終わっていないって怒ってたけど村長が圧力をかけてたのん
村社会って怖いのん
ほたるんの家が無くなって村はほたるんが引っ越してくる前と何も変わらなくなったのん
少しだけ変わったことといえば、村が余所者を毛嫌いするようになったことと
ウチが学校のたった一人の生徒になったことなのん
でも寂しくないのん
なっつんの家に行けばなっつんがいるのん
返事はしてくれないけど話は出来るん
それに去年の夏にはほのかちんが遊びに来てくれたのん
村は余所者だって最初は毛嫌いしてたけど
塞ぎこんでいたウチが元気になったから受け入れられたのん
だから今年の夏もきっと来てくれるのんプレゼントも渡したから来てくれないと困るのん
ほたるんは今刑務所にいるのん少年院に入る年齢なのにオカシイって思ってたら
警察の人が間違えて収容した不祥事を隠すために色んな所に圧力かけてあるらしいのん
だから今ほたるんは年齢詐称してることになってるのん
あれから二年ほたるんはもっと大きくなってそうだから説得力も上がってるのん大変そうなん
そういえばほたるんの家を調べていた警察の人がUSBが一部紛失しているって
騒いでいたのんそれはうちだけがうちとほのかちんだけ知っているのん
セミが五月蝿いのんもう夏なのん
ほたるんが迎えられなかった夏なのん
ほのか「……れんげちゃん、私」
ウチももうすぐみんなのところに行くのん

159: 以下、
究極の愛のカタチだと思ってます
160: 以下、
狂おしいほどの先輩への愛を綴った日記は半ば電子ドラッグ化してます
165: 以下、
さいしよの方から狂気を感じさせてた文章能力は素晴らしかったと思う
おつつ
166: 以下、

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バブル時代に堅実な私夫婦をpgrして割高な3LDKを購入したコトメの現在www

オナホ「ご主人様…よろしくです」

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