たまこ「ねえみどりちゃん」back

たまこ「ねえみどりちゃん」


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1:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「今みどりちゃんが履いてるその緑のニーソックス、私にくれない?」
みどり「」
2:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「みどりちゃんがいっつもつけてるその髪飾り、舐めてもいい?」
みどり「」
5:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「みどりちゃんってどうして部活の時とかジャージを腰に巻いてるの?」
みどり「えっ……何となくかな」
たまこ「えっ……汗っかきだからとかじゃないの」
みどり「私はそこまで汗をかく方じゃないかな……」
たまこ「でも多少は汗をかくよね?」
みどり「そりゃまあ」
たまこ「じゃあみどりちゃんがいっつも着てる体操服嗅がせてくれない?」
みどり「」
たまこ「あ、最低でも三日間は洗濯しないでね」
みどり「」
8:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「文化祭の時、みどりちゃん泣いちゃったじゃん」
みどり「恥ずかしいからその話はやめてよ」
たまこ「ううん。あの時服にみどりちゃんの涙と鼻水がついたんだよね」
みどり「……ごめん」
たまこ「あれ洗わずに部屋に飾ってるよ」
みどり「」
10:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「今みどりちゃんが吐いた空気をさ、私が吸ってると思うと興奮しちゃうね」
みどり「」
たまこ「でもって私が吐いたのをみどりちゃんが吸えば永久機関の完成だね」
みどり「」
12:
たまこ「ところでみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「人間ってさ、一日に大体50本から100本くらいの髪が抜けるらしいんだけど、私の家にいる間に落ちた髪の毛、全部コレクションしてあるよ」
みどり「」
たまこ「一ヶ月前のと比べると、匂いが違うんだけど、シャンプー変えたの?」
みどり「」
13:
なんか上級者向きだなこのSS
14:
たまこ「それはさておきみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「みどりちゃんって緑色の物をよくつけてるよね。好きなの?」
みどり「うん……まぁ」
たまこ「じゃあさ、パンツも緑色だったりするの?」
みどり「えっ……」
たまこ「確認していい?」ピラッ
みどり「」
17:
たまこ「やっぱり緑色なんだね」
みどり「……」
たまこ「深緑とかじゃなくて、白に近い緑なのがすごく好印象だよ」
みどり「……」
たまこ「ところでね、毛がちょっとはみ出してたよ」
みどり「えっ嘘!?」バサッ
たまこ「嘘だよ。みどりちゃんのたくし上げ姿、眼福にあずかりました」
みどり「」
19:
たまこ「そういえばみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「みどりちゃんって服おしゃれだよね」
みどり「そう?」
たまこ「うん」
みどり「ありがと」
たまこ「前にホットパンツ着てきた事があったけど、すごいそそられたよ」
みどり「」
たまこ「あとそれで正座すると太ももがいい感じだったよ。お餅みたい」
みどり「」
20:
たまこ「あのさ、みどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「みどりちゃんがいっつも着けてるマフラー」
みどり「嗅がせないよ?」
たまこ「もう嗅いだんだよね」
みどり「」
たまこ「最高だったよ」
みどり「」
23:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「前一緒にプール行った時に思ったんだけど、みどりちゃんって結構胸があるよね」
みどり「そ、そうかな」
たまこ「でも私泳ぐ事で精一杯だったからちゃんと見えなかったんだよね」
みどり「見せないよ?」
たまこ「一緒に見せ合いっこならどう?」
みどり「」
25:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「……これいつまで続けるの?」
たまこ「……あ、ごめんね?」
26:
たまこ「……ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「私が王子様のお后になったらどうする?」
みどり「えっ、どうって……」
たまこ「じゃあ質問を変えるね」
みどり「う、うん」
たまこ「嬉しい?寂しい?」
みどり「……たまこが幸せなら私も幸せだよ」
たまこ「それじゃあ、みどりちゃんは寂しい?」
みどり「……」
30:
たまこ「……ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「私がもち蔵と付き合ったらどうする?」
みどり「答えはさっきと同じだよ……」
たまこ「本当に?」
みどり「本当だよ」
たまこ「嘘って顔に書いてあるよ」
みどり「……」
32:
たまこ「話を変えるけどみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「みどりちゃんってモテるよね」
みどり「そうかな」
たまこ「どうしてみどりちゃんは誰かと付き合わないの?」
みどり「どうしてって言われても……」
たまこ「かっこいい男子からも告白されるよね? というか告白なんて日常茶飯事だよね?」
みどり「日常茶飯事ってほど多くないけど……」
たまこ「誰とも付き合わずに断るのは何で?」
みどり「さ、さあ……」
たまこ「好きな人がいるんだよね?」
みどり「……」ピクッ
35:
たまこ「……ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「答えて」
みどり「……」
たまこ「……はぁ」
みどり「いっ、いるよ!」
たまこ「やっぱりね」
みどり「もういいでしょ?」
たまこ「駄目」
38:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「好きな人って誰?」
みどり「……」
たまこ「私の知ってる人?」
みどり「……」
たまこ「いつから?」
みどり「……」
41:
たまこ「あのさ、みどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「みどりちゃんは私の事守ってくれるんでしょ?」
みどり「えっ?」
たまこ「私の事が大切?」
みどり「ま、まあ……」
たまこ「なら質問に答えてくれないと私泣いちゃうけど」
みどり「……」
たまこ「い?つか?は? 大人にな?る?けれ?ど?♪」
みどり「や、やめて」
43:
たまこ「ね、みどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「質問に」
みどり「あぁ、も、もうこんな時間だしさ、そろそろ私帰らないと」
たまこ「駄目」ギュッ
みどり「ちょっと……」
たまこ「泊まってってよ」
みどり「えっ……」
たまこ「明日休みだし。ね?」
みどり「う……。ど、どちらにせよ一旦家に帰って着替えとか取ってこないと」
たまこ「私ので良かったら貸してあげるよ?」
みどり「も、もう!分かった! 泊まればいいんでしょ泊まれば」
44:
たまこ「電話は済んだ?」
みどり「うん」
たまこ「ねえ、みどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「みどりちゃんってクマが好きなんだよね」
みどり「正確にはクマのぬいぐるみが」
たまこ「うん。今日はさ、私をクマのぬいぐるみだと思っていいよ」
みどり「えっ……」
たまこ「あっ、みどりちゃんはむしろクマのぬいぐるみになる方が好きなのかな?」
みどり「何でどっちかがクマのぬいぐるみになる前提なの……?」
46:
たまこ「えへへ」
みどり「えへへ、じゃなくて……」
たまこ「ところでみどりちゃん」
みどり「なっ、何?」
たまこ「さっきまでの話題からそれてちょっと安心してたでしょ」
みどり「……続けるの?」
たまこ「嫌?」
みどり「嫌かも」
たまこ「ごめんね。あとちょっとで済む予定だから」
48:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「もう分かってるよね?」
みどり「な、何が……?」
たまこ「私はみどりちゃんが欲しいんだよ」
みどり「ちょっ、たまこ何言ってんの……」
たまこ「ねえみどりちゃん。私が鈍感だから気付かれないとでも思ってたの?」
みどり「……」
たまこ「私が鈍感だから私に恋人なんて出来ないとでも思ってるの?」
みどり「……」
50:
たまこ「それとも私がお餅ばっかり好きだから?」
みどり「……」
たまこ「ねえみどりちゃん。私はお餅も好きだけど、それ以上に皆の事が好きなんだよ」
みどり「……」
たまこ「かんなちゃんも、史織ちゃんも、みどりちゃんも、あんこも、お父さんも、もちろん商店街の皆も、それにはもち蔵も入ってるよ」
みどり「……」
たまこ「でもねみどりちゃん。その中でもみどりちゃんは特別なんだよ」
みどり「……」
51:
たまこ「みどりちゃんはいつから私の事が好きなの?」
みどり「……」
たまこ「私はいつの間にか好きになってたよ」
みどり「……」
たまこ「人気者だけど頑張りすぎて無理しちゃうのも、熱中しすぎると周りがちょっとだけ見えなくなったりもするよね。それは悪い所だよ」
みどり「……」
たまこ「でもそれも好きだよ」
みどり「……」
たまこ「私だけには、無理してかっこいい所を見せなくてもいいんだよ」
みどり「……」
52:
みどり「ねえたまこ」
たまこ「……」
みどり「ごめんね。たまこの事を鈍感だと思ってて、それをいいことに自分の気持ちから逃げてた」
たまこ「……」
みどり「笑っちゃうよね」
たまこ「……」
みどり「そうだよね。たまこだってどんどん大人になるもんね。いつまでも鈍感じゃないし、いつまでも恋人が出来ないなんてあるわけないよね」
たまこ「……」
みどり「後出しで悪いけど、私の本当の気持ちはたまこの全部が大好き」
54:
みどり「……本当に私の悪い部分も受け止めてくれるの?」
たまこ「もちろん!」
みどり「迷惑かけるかも」
たまこ「どんどんかけていいよ」
みどり「素の私はたまこの理想じゃないかもよ?」
たまこ「それはないよ。何年の付き合いだと思ってるの?」
みどり「そ、そうだよね……」
たまこ「うん!」
55:
たまこ「ねえみどりちゃん」
みどり「何?」
たまこ「みどりちゃんを、私にくれない?」
みどり「もちろん」
fin.
5

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