ナナリー「車椅子よりルンバです!!」ルルーシュ「ナナリー……」back

ナナリー「車椅子よりルンバです!!」ルルーシュ「ナナリー……」


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1:
総督府 通路
ジノ「この後、一緒に昼食でもどうだ?」
アーニャ「いいけど」
ジノ「よし。決まりだ」
ナナリー「……」ウィーン
ジノ「あれは総督じゃないか」
アーニャ「でも、乗ってるの車椅子じゃない。なにあれ」
ナナリー「……」ウィーン
ジノ「な、なんだろうな」
ナナリー「……」ガッ
アーニャ「ぶつかった。記録」パシャ
ナナリー「……」ウィーン
ジノ「行ってしまった……。なんだったんだ……。だが、あの円形の乗り物、どこかで見たことがあるな」
3:
食堂
ジノ「スザク!! 大変だ!!」
スザク「どうしたんだい?」
ジノ「総督が変な物に乗っていたのを見た」
スザク「変な物?」
アーニャ「これ、記録したもの」
スザク「総督が膝を抱えて……これは……」
ジノ「私も見たことがあるんだが、どうにも思い出せない。スザクも見た覚えはないか?」
スザク「これは確か、掃除用ロボットだったはずだよ。ロイドさんが部屋の掃除をするのが煩わしいからって開発していたのを覚えている」
ジノ「ああ。そうか。何度か稼動しているのを見た。それでか」
スザク「名前はルンバだったと思う」
アーニャ「ルンバ?」
スザク「部屋で踊るような動きをすることからそう名づけたみたいだったよ」
アーニャ「ふーん」
スザク「でも、どうしてナナリーがルンバに乗っているんだろう……」
4:
アーニャ「通路の掃除でもしていたんじゃないの?」
ジノ「まさか。施設内の清掃はきちんとなされているだろう」
スザク「うん。業者の人が毎日来ているしね。清潔は保たれているはずだよ」
アーニャ「なら、どうして?」
スザク「直接訊いてみるしかない」
ジノ「しかしな。あの総督に話しかけるのは勇気がいる。とても話しかけられるような雰囲気じゃない」
アーニャ「同感」
スザク「そうなのか」
ナナリー「……」ウィーン
アーニャ「スザク、きた」
スザク「ナナリー総督」
ナナリー「……なんですか?」ウィーン
スザク「あの、どうしてそのようなモノに膝を抱えてまで乗っているのですか?」
ナナリー「お掃除です。私も何かのお役に立ちたいと思いまして。ロイドさんにお借りしました」ウィーン
スザク「ナナリー……」
5:
アーニャ「記録」パシャ
ジノ「しかし、総督自ら清掃をすることはないと思いますが」
ナナリー「私にできることは限られていますから。みなさんへの感謝の意も込めて」クルッ
スザク「ナナリー、反対を向いたよ」
ナナリー「そうですか。では、次の部屋に向かいます。それでは」ウィーン
ジノ「……相当、悩んでいるみたいだな」
スザク「そうだね」
アーニャ「これブログに載せてもいい?」
スザク「ジノ、このままでいいと思うかい?」
ジノ「私に訊かれても困る。ただ、あのような総督はあまり見たくはないな」
スザク「僕も同じだよ」
ジノ「かといって、私たちにどうにかできるような問題でもないような気もするが……」
スザク「何とかしてあげたいな」
ジノ「難しい問題じゃないか、それ」
アーニャ「ねえ、ブログに載せてもいい?」
8:
通路
スザク「ロイドさん」
ロイド「あは?、スザクくん。どうかした?」
スザク「ナナリー総督にルンバを貸しましたか?」
ロイド「うん。私でも掃除ができるような機械はないですかって訊ねてきたから、あれを貸したけど。なにかマズかった?」
スザク「いえ、あの機械では総督自身が清掃していると感じられないのではないですか?」
ロイド「でも、現状ではあれぐらいしか用意できないしねぇ」
スザク「そうかもしれませんが……」
ロイド「それに結構満足していたみたいだよぉ?」
スザク「満足?」
ロイド「あれで施設内をグルグル見回るから、部下との交流が自然と増えて嬉しいですって言ってたし」
スザク「本当ですか?」
ロイド「嘘を言ってどうするの?」
スザク「まぁ、本人が納得しているのであれば……。でも、乗っているときの総督はとても儚げでした」
ロイド「それは個人の感想にすぎないんじゃないかな?」
11:
アーニャ「これ、ブログに載せてもいいと思う?」
ジノ「いいんじゃないか?」
アーニャ「わかった。容赦なく載せる」
スザク「はぁ……」
ジノ「お、スザク。どうだった?」
スザク「総督は納得してあれに乗っているらしい」
ジノ「そんな風には見えなかったぞ」
スザク「僕もそう思っている。だが、本人がそう言っている以上、僕たちにできることはない」
ジノ「確かにそうかもしれないが」
スザク「ジノのほうも何か聞いたのかい?」
ジノ「あれに乗った総督と話したって奴から少しだけ。痛々しく見えたから、とりあえず頭を撫でておいたらしい」
スザク「……なんてことだ」
ジノ「総督に対する礼儀としてはなっていないが、その気持ちは分からなくもない。あんな姿を見せられた日には私でも憐れみを向けたくなる」
スザク「ジノ、そういういい方はよくないよ」
アーニャ「……」ピッピッ
15:
ルルーシュの部屋
ルルーシュ「……」カタカタ
ルルーシュ(アーニャのブログが更新されているようだな。ふっ、チェックしておくか)
ルルーシュ「今日の総督? 中々、センスのあるコーナーを設けたな、アーニャめ……」カチッ
『ルンバ オン ナナリー』
ルルーシュ「ルンバ……? なんだ……?」
ロロ「兄さん、パン買ってきたよ。一緒に食べ――」
ルルーシュ「……」ガタッ
ロロ「兄さん?」
ルルーシュ「ナナリー……」
ロロ「兄さん、どうしたの?」
ルルーシュ「……」
ロロ「何か……書いてあったの……?」
ルルーシュ「外の空気を吸ってくる」
ロロ「あ、兄さん! メロンパンあるよ!? いらないの!?」
17:
ルルーシュ(ナナリー……。なんて、悲しそうな姿をしているんだ……。今すぐ抱きしめてやりたい……)
ルルーシュ(だが、まだ俺はナナリーに近づくことすらできない……。自分の無力さに嫌気がさす……!!)
ルルーシュ「くそっ!!」ガンッ!!!
ルルーシュ「……いたい」
ロロ「兄さん」
ルルーシュ「ロロか。どうした?」
ロロ「あの記事、読んだんだね? ルンバに乗ったナナリーのこと」
ルルーシュ「……」
ロロ「とても無様……いや、悲しそうな一枚だったね」
ルルーシュ「ああ……。ナナリーも向こうで何もできない自分に嘆いていることを示す一枚だ」
ロロ「うん。思わず笑っちゃう……ううん、涙を誘う写真だった」
ルルーシュ「何とかしてやりたい……」
ロロ「兄さん。それなら枢木卿と話をしてみたら?」
ルルーシュ「しかし、下手にナナリーの話題を出せば疑われる」
ロロ「アールストレイム卿のブログを利用すればいいじゃない」
18:
生徒会室
ミレイ「ねえねえ、アーニャ。この記事なんだけど、なんで総督がこんな物に乗ってるわけ? 最新型の車椅子?」
アーニャ「違う。掃除機」
シャーリー「掃除機なんだ。なら、そう書かないと分からないよ」
アーニャ「ルンバの説明、面倒だったから」
リヴァル「その説明を省いちゃまずいだろ。総督が病んでるのかと思っちまったぞ」
アーニャ「ごめん」
ルルーシュ「……」
アーニャ「ルルーシュ、なにか言いたげ」
ルルーシュ「いや、スザクはこないのかなと思って」
アーニャ「呼べばくるけど。呼ぶ?」
ルルーシュ「そうだな。偶には顔を見ておきたい」
アーニャ「ルルーシュとスザク、そう言う関係?」
ミレイ「え、マジ?」
ルルーシュ「は?」
21:
スザク「――アーニャ、緊急用の呼び出しは無闇に使わないでくれって言っているじゃないか」
アーニャ「ルルーシュが呼べって、無理やり」
ルルーシュ「適当なことを言わないでくれ」
スザク「ルルーシュが?」
ルルーシュ「偶には顔を見ておきたいんだよ」
スザク「そう……。嬉しいよ」
ミレイ「シャーリーのライバルになるのかしら?」
リヴァル「えぇ……。そりゃ、壮絶ですね」
シャーリー「なにいってるんですかぁ!!!」
スザク「特に用事がないなら、戻るけど……」
ルルーシュ「まぁそういうな。コーヒーぐらいは飲んでいけるだろ?」
スザク「でも……」
ルルーシュ「ラウンズの話、聞かせてくれないか?」
スザク「ルルーシュが聞いても面白くないし軍規もあるから、何も喋れないよ」
ルルーシュ「なら……。総督の話は? アールストレイム卿のブログで見かけたんだが」
25:
スザク「……総督に興味があるのかい?」
ルルーシュ「エリア11に住んでいる者としてはな」
スザク「なるほど。といっても、僕も殆ど分からないけど」
ルルーシュ「総督はどうしてこんなものに乗っている? しかも悲しそうに。可哀相じゃないか?」
スザク「それは僕にもよくわからない」
ルルーシュ「本当か?」
アーニャ「スザクの言っていることは本当。ナナリー総督がこの掃除機に乗って何がしたいのかはよくわからない」
ルルーシュ「掃除をしているわけじゃないのか?」
スザク「恐らくそうだけど、意図がよくわからない。部下との交流を深めるものかもしれないけど、総督の表情からはとてもそう思えないし……」
ルルーシュ(この様子だとスザクは何も知らないようだな。俺にナナリーのことを質問させて尻尾を掴もうとしているわけでもなさそうだ)
シャーリー「この一枚からじゃ何も分からないと思うけど」
リヴァル「もっと写真が欲しいよな。こう色んなアングルのものとか。ああ、総督からの感想とかも欲しいかも」
アーニャ「できるだけ記録してみる。そしてブログに載せる」
ルルーシュ「そうか。では、これからはブログのチェック回数を1日5回から10回に増やそうかな」
アーニャ「……ありがとう」
26:
数日後 ルルーシュの部屋
ルルーシュ「……」カチッ
『ルンバ オン ナナリー ??53 格納庫にて』
ルルーシュ「……っ」
ロロ「兄さん……。もう見ないほうがいいよ。どの写真も、爆笑モノじゃないか」
ルルーシュ「黙れ……!! 今はこのアーニャのブログだけがナナリーの近況をしる唯一の手段なんだよ!!!」
ロロ「でも……!!」
ルルーシュ「黙っていろ……ロロ……!!」
ロロ(ナナリー……。こんなことで兄さんを苦しめて……許せない……)
『ルンバ オン ナナリー ??54 ルンバが停止して身動きが取れない総督』
ルルーシュ「……ナナリー……ナナリー……」
ロロ「……ふふっ」
ルルーシュ「なんとか……俺がなんとかしなければ……ナナリーは……ナナリーは……ルンバに乗せられる毎日だ……」
ロロ「兄さん。でも、総督の一言コメントには『今日も快適なルンバでした』ってあるし、気にすることはないんじゃないかな?」
ルルーシュ「そんなわけあるか!! 身動きがとれなくなったナナリーのやるせない顔を見てをそう言えるのか!? ええ!?」
27:
ロロ「そんなこと言っても、僕たちにはできることはないよ!!」
ルルーシュ「いや、あるはずだ!! ここからでもナナリーを救う方法が!!」
ロロ「兄さん!!」
ルルーシュ「考えろ……。現状を打破できる方法を……考えなくては……!!」
ロロ(どうして兄さん……。ナナリーのことなんていいじゃないか……)
ルルーシュ「どうすればいい……どうしたらいいんだ……」
ロロ「あ、また更新されたみたいだよ」
ルルーシュ「なに?」カチッ
『ルンバ オン ナナリー ??55 ルンバの高旋回で転倒した総督』
ルルーシュ「ナナリィィィィ!!!!」
ロロ「ふふっ……」
ルルーシュ「そうか……分かった……」
ロロ「え?」
ルルーシュ「ナナリーを救う方法が一つだけある……!!」
ロロ「どうするの?」
28:
黒の騎士団 アジト
ゼロ「カレン、ラクシャータはいるか?」
カレン「今、ナイトメアの整備をしていると思うけど。どうかしたの?」
ゼロ「少し相談があってな」
カレン「相談って、新型ナイトメアのこと? 蜃気楼だっけ?」
ゼロ「あれとはまた別だ。とても私的なことではあるが」
カレン「私的って……」
ゼロ「とにかく、ラクシャータの力が必要なんだ」
カレン「……」
ゼロ「なんだ?」
カレン「いや、説明ぐらいあってもいいんじゃないかなって思っただけ」
ゼロ「……下手に疑われても面倒だから、説明しておくか」
カレン「別に、深い意味はないけど……」
ゼロ「このブログだ」
カレン「これ、ナナリー? うわ……え……どうしたの……これ……?」
32:
ゼロ「ナナリーが掃除機に乗っている」
カレン「ホント……。でも、なんというか、掃除機にナナリーが乗っているというよりは、ナナリーが掃除機に乗せられているって感じがするわね」
ゼロ「実際そうだ。ナナリーはこの掃除機、ルンバに酷い目に遭っているようだからな」
カレン「この??94とか、掃除機がソファーの下に行こうとしてナナリーが足を強打したってあるし……可哀相……」
ゼロ「流石に見ていられない」
カレン「もしかして、ラクシャータさんにこの掃除機を作らせる気なの?」
ゼロ「ブログ内の説明が正しいものであれば、これは発展途上にあるらしいからな。様々な欠陥部分も見えてきているらしい」
カレン「例えば?」
ゼロ「大きな問題は、人を乗せることに適していないという点だな」
カレン「……」
ゼロ「このようなものではナナリーはいつか大怪我をする。なのに誰もナナリーをルンバから降ろそうとしないし、改良・改善をしようともしない」
カレン「そうだね。ブリタニアは汚い」
ゼロ「だから、ラクシャータに頼み、人が乗っても大丈夫なルンバを作る。そしてそれをナナリーにプレゼントする」
カレン「誰の名義で?」
ゼロ「無論、名無しの男からだ。ルルーシュでもゼロでも誰かに怪しまれるからな」
35:
ラクシャータ「なんだい、これは?」
ゼロ「今、ブリタニアが実用化を目指している最新掃除機だ」
ラクシャータ「ふぅん。それで、私にどうしろって?」
ゼロ「我々の科学力を相手に見せ付けるためにも、お前がこれを超えるものを作ってくれ」
ラクシャータ「面倒だね」
ゼロ「……これを開発したのはロイド伯爵だ」
ラクシャータ「……」
ゼロ「君にとってもそこまで悪い話ではないはずだ」
ラクシャータ「それを作ったとして、あのプリン伯爵にどうやって見せ付けるんだい?」
ゼロ「心配するな。私に考えがある」
ラクシャータ「そう……」
ゼロ「やってくれないか?」
ラクシャータ「いいけど、そのルンバがどんな機能を搭載しているのかも知りたいところだねぇ」
ゼロ「無論、調査済みだ。資料はここにある」
ラクシャータ「どれどれ……」
37:
数週間後
C.C.(さてと、ピザでも食べるか)
ラクシャータ「C.C.ぅ? ちょっと」
C.C.「なんだ? 私に用とは珍しいな」
ラクシャータ「これに乗ってみてくれるかい?」
C.C.「なんだ、この円形の機械は」
ラクシャータ「ランバダだよぉ」
C.C.「ランバダ? 何をする機械なのかな?」
ラクシャータ「ゴミを掃除するのさ」
C.C.「ゴミを? 掃除機か。にしてはかなり大型だな。人が乗れそうだが」
ラクシャータ「今言ったじゃないか、乗って欲しいってさ」
C.C.「何故、私だ?」
ラクシャータ「新型機のテストパイロットはあんたが適任だってゼロが言ってたからね」
C.C.「……それは、私が怪我をしても問題ないということかな?」
ラクシャータ「さぁ、乗ってみな。損はさせないからさぁ」
38:
ゼロ(そういえば今日、稼動テストをしてみると言っていたが……)
C.C.「ゼロ!!!」
ゼロ「ん?」
C.C.「……」
ゼロ「C.C.……。どうした?」
C.C.「どうしたもこうしたもない。危うく、死に掛けた」
ゼロ「ご冗談を」
C.C.「貴様、私をなんだと思っている!!」
ゼロ「何があった?」
C.C.「ランバダに躍らされたよ。ものの見事にな」
ゼロ「ラクシャータのアレか。どうだった?」
C.C.「乗った瞬間、後方に吹き飛んで、頭を打った」
ゼロ「フフフハハハハ」
C.C.「笑い事じゃない!! なんだあれは!!」
ゼロ「ナナリーを救うものだ。協力してくれ、C.C.」
39:
C.C.「協力してやってもいいが、事前に説明をしろ。馬鹿」
ゼロ「事前に説明していれば、お前は乗らないと思った」
C.C.「この……!!」
ゼロ「事実だろ?」
C.C.「……まぁ、そうだが」
ゼロ「しかし、後方に吹き飛んだとはどういうことだ?」
C.C.「加してから最高に到達するまでの時間が極端に短い。時20キロ以上は出ていたぞ」
ゼロ「なるほど。掃除機としての性能も高いようだな。素早く動ければ、それだけ掃除も早く終わる」
C.C.「あれは掃除機ではない。ただの暴走車両だ」
ゼロ「そうか……。それだとナナリーを乗せるのは危険極まりないな……」
C.C.「あれはベルトが必要になるな。ただ、面白い機能もあった」
ゼロ「面白い?」
C.C.「壁や天井も走っていた。高で」
ゼロ「ほう? それはすごいじゃないか」
C.C.「あそこまで縦横無尽だと、乗るほうにも相当な運転技術がいると思うが……。あれは自動操縦か?」
41:
ゼロ「ゴミを感知して走る筈だ。自動操縦だろうし、ナナリーを乗せるならそちらのほうがいい」
C.C.「そうか」
ラクシャータ「しーつぅ、いいかい?」
C.C.「なんだ?」
ラクシャータ「さっきの失敗を元に、改良してみたよぉ。ほら」
ゼロ「ベルトがついたか。流石はラクシャータ、仕事が早いな」
C.C.「申し訳程度につけたベルトで私を縛り付ける気か?」
ラクシャータ「ほら、のってみなぁ」
ゼロ「C.C.、遠慮はするな」
C.C.「おい、やめろ……押すな……座らせようとするなぁ……!!」
ゼロ「ほら、我侭はいうな」
C.C.「貴様……!!」
ラクシャータ「よーし、これでロック完了」ガチャ
C.C.「やめろ!! 降ろせ!!!」
ラクシャータ「ランバダぁ、発進だよぉ」ポチッ
43:
ゼロの自室
カレン「湿布いる?」
C.C.「……」
カレン「絆創膏は?」
C.C.「……」フルフル
カレン「そう……。何かあったら、言ってね?」
C.C.「……」コクッ
カレン「ねえ、何があったの? あのC.C.が落ち込んでるけど」
ルルーシュ「ちょっとした恐怖体験をしただけだ」
カレン「恐怖体験ってどんな? あの掃除機の試運転でしょ?」
ルルーシュ「車と変わらない度で地面だけでなく、側面、天井と駆け抜ければ誰でもC.C.のようになる」
カレン「どんな掃除機なの……」
ルルーシュ「だが、スピードと搭乗者の安全性以外に問題はない。あれならば階段の移動も可能だからな」
カレン「ナナリーにそんなものを渡すの……?」
ルルーシュ「だから今、最終調整に入っている。何も心配はいらない」
46:
数日後 アッシュフォード学園 生徒会室
ミレイ「うーん……。さー、休憩にしましょうか」
シャーリー「何もしてないじゃないですか」
ミレイ「固いこといわなーい。さ、ティータイムよ。ティータイム!」
リヴァル「お。アーニャのブログに更新が」
ルルーシュ「……リヴァル。見せてくれ」
リヴァル「おお。あれ、総督のページのタイトルが変わってるな」
ルルーシュ「なに?」
『ルンバ・ランダバ オン ナナリー ??1 匿名で贈れてきたルンバの同型機体に搭乗した総督。早、転倒。まだ機械に遊ばれている様子』
『総督の一言 「どなたかは存じませんが、このように素敵なものをありがとうございます。大切にします」』
ミレイ「へえ、なんだか大きなルンバになったわね」
リヴァル「これ、ルンバじゃなくてランバダらしいですよ。なんでも総督の大ファンって人がアーニャのブログを見て、自作したらしいです」
シャーリー「へえ、すごい人もいるんだ」
ミレイ「でも、??2の天井を疾走する総督はちょっと怖いわね……」
ルルーシュ(ナナリー……満足してくれたのか……)
48:
総督府 通路
ナナリー「……」ゴォッ!!!
スザク「……ナナリー、今日も天井掃除からか」
ジノ「スザク、いいのか? 匿名で送られてきたものに総督を乗せるなんて」
スザク「ロイドさんとセシルさんが徹底的に検査してくれたから、問題はないよ」
ジノ「なら、いいんだが」
ナナリー「……」ギュルルルル!!!!
ジノ「総督、天井で旋回しているぞ」
スザク「上を見上げて、そこに逆さまのナナリー総督がいたらびっくりするね」
ジノ「そうだな」
ナナリー「……」ゴォッ!!!
アーニャ「……!?」ビクッ
スザク「アーニャ、大丈夫かい?」
アーニャ「びっくりした……」
ジノ「こればっかりは慣れていくしかないな」
50:
ロイド「うーむ……。やっぱり、見れば見るほど……この作り方は……ラクシャータだ……間違いない」
セシル「やっぱり、そうなりますか?」
ロイド「これは僕に対する挑戦状だろうね。ナイトメアだけでなく、こんな掃除用ロボットでも技術をみせてくるなんて……」
セシル「総督の様子はアールストレイム卿のブログで確認できますからね。それでロイドさんのルンバを知ったのでしょうか」
ロイド「にしても、よく僕が作ったって分かったもんだよ」
セシル「まあ、あんな変なモノを作るのはロイドさんぐらいでしょうし……」
ロイド「セシルくん、それは褒め言葉でいいんだよねぇ?」
セシル「勿論です」
スザク「ロイドさん。ランバダの充電が切れたようです」
ロイド「そうなの? 今、どこにいるわけ?」
スザク「Bフロアの天井で省エネモードになりました。今、総督の救助中です」
ロイド「まぁ、あれも有能じゃないってことだね」
セシル「自動充電システムに不備がありますね」
ロイド「うん。自動操縦である以上は、自分で家に帰らないとね」
スザク「とにかくすぐに自動充電システムの改善をお願いします」
51:
総督の自室
ナナリー「……」
スザク「総督、体調のほうは?」
ナナリー「大丈夫です。逆さまになっていた時間が長かったので、少し頭のほうに血が……」
スザク「よかった。やっぱり、もうやめたほうがいい。アレに乗るのは」
ナナリー「でも、私はここにきてから何もできていません。私の発言力は無いに等しいですし、この体ではみなさんを労うこともできません」
スザク「その気持ちだけで十分だよ」
ナナリー「せめて、お掃除だけでも……」
スザク「ナナリー、こんなことを言うのは酷だけど……。ナナリーはあの機械に乗っているだけだ」
ナナリー「……わかっています。あの機械を乗りこなせていないのも」
スザク「だったら」
ナナリー「させてください……。もう少しだけ……」
スザク「やっぱり、決意は変わらないんだね、ナナリー」
ナナリー「申し訳ありません」
スザク「今、ランダバを改良している最中だ。もうすぐルンバ・エアキャヴァルリーが出来上がる」
53:
セグウェイならよかった
54:
食堂
ジノ「なあ、気になっていたんだが、このタイトルおかしくないか?」
アーニャ「なにが?」
ジノ「『ルンバ オン ナナリー』は違うだろ」
アーニャ「ルンバに乗っているはナナリーだけど、ナナリーを弄んでいるのはルンバだから、合ってる」
ジノ「ふぅん。よくわからないが」
スザク「みんな!! しゃがんでくれ!!!」
ジノ「スザク? どうかしたのか?」
スザク「早く!!」
ジノ「だから、なにが――」
ナナリー「……」ヒュンヒュンヒュン
アーニャ「……え」
ジノ「なんだ!? 総督が円盤に乗っている!?」
ナナリー「……」ヒュンヒュンヒュン
スザク「ルンバにフロートユニットを搭載したら回転しながら飛ぶようになってしまったんだ。一応、空中を舞う塵や埃を吸ってはいるんだけど。とにかく危ない」
56:
ナナリー「……」ヒュンヒュンヒュン
アーニャ「また、遊ばれている。記録」パシャ
ジノ「あれ、目を回さないか?」
スザク「総督は視力を失っているから心配はいらないよ」
アーニャ「え?」
ジノ「それはともかく、総督をとめたほうがいいんじゃないか? このままじゃ危険すぎるだろ」
スザク「といっても、今の状態では手を出せない。あの高回転に巻き込まれてしまう」
アーニャ「大迷惑」
スザク「アーニャ!! ナナリーは真剣なんだ!! そんなこと言ってはいけない!!」
アーニャ「でも……頭上で回転されていたら、落ち着かない……」
ジノ「一理あるな」
スザク「ジノまで!!」
ナナリー「……」ヒュンヒュンヒュン
ジノ「総督が出て行くぞ」
スザク「僕はナナリー総督を追う!! いつ墜落してもおかしくないから!!」
59:
生徒会室
ロロ「ぶふっ……!!」
ルルーシュ「な……なんだ……これは……!!」バンッ!!!
シャーリー「総督が回転しながら飛んでる……」
ミレイ「ルンバってすごいのね」
『ルンバdeナナリー イン ザ スカイ ??1 昔の特撮怪獣に回転しながら飛ぶのがいたらしい』
リヴァル「すげーな。ルンバが日進月歩で進化してるぞ」
ルルーシュ(こんな危険極まりない掃除機があってたまるか……!!! スザクは何を考えているんだ!!!)
ロロ「それにしても楽しそうですね」
ミレイ「そうかしら? 次の写真は気の毒にしか見えないけど……」
『ルンバdeナナリー イン ザ スカイ ??2 墜落』
ルルーシュ「……っ」
ロロ「兄さん、外の空気でも吸いに行こう?」
ルルーシュ「そ、そうだな……。そうしよう……」
ミレイ「ルルーシュ? どうかしたの?」
60:
ルルーシュ「くそ……。スザクがついていながら、なんだ様は……!!」
ロロ「本当にいい気味だね」
ルルーシュ「しかし、あのルンバ、空を飛んでいたな……。ということはフロートユニットか……」
ロロ「そうなんだろうね」
ルルーシュ「不完全な状態で搭載したが故に墜落したと考えるべきだな」
ロロ「笑撃写真だったね」
ルルーシュ「全くだ。衝撃的過ぎる。だが、問題点が露骨なまでに浮かび上がってる。これで勝てる」
ロロ「兄さん?」
ルルーシュ「今度こそナナリーが自分で掃除していると実感できるものを作ることができそうだな」
ロロ「そうなの?」
ルルーシュ「スザクが与えたものではお世辞にもナナリーを満足させることなんてできないはずだ。墜落してしまうようなものではな」
ロロ「……」
ルルーシュ「ラクシャータに早連絡しておかなければ……」
ロロ(ナナリーのために……そこまで必死になるなんて……。ナナリー、許せない……)
ルルーシュ「ラクシャータ、私だ。頼みたいことがある。ああ、アレの第二世代を作るぞ」
61:
黒の騎士団 アジト
ラクシャータ「できたよぉ。ランダバ可翔式がねぇ」
C.C.「そうか」
ゼロ「よくやった。よし、C.C.」
C.C.「断る。前回、トラウマを植えつけられた。まさか、ここまで生きてきて新しいトラウマが出来るとは思わなかったぞ、坊や」
ゼロ「トラウマだと?」
C.C.「掃除機の音を聞くだけで、気分が悪くなる」
ゼロ「お戯れを」
C.C.「本当だ!!」
ゼロ「いいから乗れ」
C.C.「嫌だ!!」
ゼロ「子供か貴様」
C.C.「そうだ。C.C.だ」
ゼロ「会話になっていないぞ」
C.C.「とにかく私は乗らない。私を乗せるたいなら腕ずくでやるんだな」
62:
格納庫
藤堂「よし。動作確認は終了だな。異常はなかったか?」
千葉「はい」
藤堂「そうか。ならば今日は休むか」
千葉「あの、藤堂さん。一緒に夕食でも――」
C.C.「うわぁぁぁん!!!」ダダダッ
藤堂「なんだ?」
千葉「C.C.? どうした?」
C.C.「ご主人様が……わたしを……いじめ……ぐすっ……」
藤堂「なに?」
ゼロ「C.C.。どうして逃げるんだ」
C.C.「やだぁ! こないでぇ!!」
藤堂「ゼロ、何があった」
ゼロ「藤堂……」
藤堂「C.C.が生まれたてのトムソンガゼルのように震えているぞ」
64:
藤堂「これが空飛ぶ掃除機か」
ゼロ「ああ。C.C.にテスト飛行をお願いしたんだが……」
C.C.「うぅ……ぐすっ……」
千葉「よしよし。もう怖くないぞ」
C.C.「ほんとうですかぁ……?」
ゼロ「航行中に失墜してしまった。その直後にC.C.が……」
藤堂「それは怖かっただろうな」
ゼロ「真剣に謝っているのだが、聞く耳を持ってくれなくてな」
藤堂「壁や天井だけでなく空気中の塵芥を清浄するのは素晴らしい発想だが、あまりにも乱暴すぎる。人を乗せるなら尚更だ」
ゼロ「だが、ブリタニアのものよりは安全性は高い」
藤堂「失墜したのなら説得力はない」
ゼロ「そうだが……」
藤堂「そもそも乗せるのにベルトで縛るという発想がもう暴力だろう」
ゼロ「だが、現状ではそれしか」
藤堂「その掃除機の形状だが円柱にしてみたらどうだ? 無論、人が乗れるぐらいに大きな円柱だ」
66:
ゼロ「円柱?」
藤堂「そうだ。傍から見れば柱が動くように見えて若干のインパクトを与えるが、安全性は高い」
ゼロ「だが、それでは階段を昇ることができないし、壁を這うこともできない」
藤堂「ふむ……。壁を這うのは重要なのか?」
ゼロ「無論だ。床や天井まで掃除しておいて壁を掃除しないのはおかしい」
藤堂「そうか」
千葉「ゼロ。ならばその円柱にアームをつければいいのではないか?」
ゼロ「アーム? アームで壁を掃除するのか」
千葉「ああ。それなら何も壁を這う必要はない」
ゼロ「階段の昇降問題はどうする? 円柱なんてすぐにバランスが崩れてしまいそうだが」
藤堂「ならば、いっそのこと掃除機に足と腕をつけてしまえばいい」
ゼロ「なるほど。ラクシャータならそれぐらい可能か」
藤堂「自立歩行型掃除機だ」
ゼロ「しかし、立ってしまうと床の掃除が……。そうか、足の裏にルンバ仕込めばいけるな」
藤堂「天井や壁は腕で掃除すれば解決だ」
68:
ラクシャータ「そのプランでの改造となると、ちょっと大掛かりになるけど……」
ゼロ「安全性と機動力を高めればそういうことになる。そして危険なフロートユニットも搭載する必要は無い」
ラクシャータ「フロートユニットはつけるよ。正統な進化を遂げたことをあらわすためにね」
ゼロ「大丈夫なのか?」
ラクシャータ「問題ないよぉ。任せな」
ゼロ「ラクシャータがそこまでいうのなら……」
藤堂「ゼロ。いいか?」
ゼロ「どうした?」
藤堂「このルンバとランダバだが、音声認識機能がないようだな」
ゼロ「音声認識だと」
藤堂「自動操縦ならそういうのも必要になる。それと、ルンバ自体も喋るようにすると尚いいのではないか?」
ゼロ「充電が切れた場合や、何かに引っ掛かったときは音声で知らせるようになっているが」
藤堂「今度作るのはかなりの大型だ。曲がり角では出会いがしらに接触し、事故を起こす可能性もある」
ゼロ「音声で周囲に危険を知らせるというのか?」
藤堂「ああ。重要なことだろう。声はC.C.かカレンにやってもらえばいい」
70:
数週間後 総督府 格納庫
ロイド「はーい。ありがとぉ?」
セシル「これがナナリー総督の大ファンと名乗る人からのプレゼントですか」
ロイド「まぁ、ラクシャータの作品だろうね」
セシル「ですが、この大きさは……。ナイトメアじゃあ……」
ロイド「にしては小さいと思うけどね。とりあえず見てみようか」
セシル「はい……」カタカタ
ロイド「爆発物等はないね?」
セシル「はい。問題ないようです。包みを開けてみましょう」
ロイド「そうだね。スザクくん、よろしく」
スザク『分かりました』
セシル「……これは」
ロイド「ラクシャータ、僕のルンバをよくもここまで……」
スザク『ルンバに手足が……。コックピットらしきものまで……。総督の大ファン……何者なんだ……』
ロイド「セシルくん。これも徹底的に調べるよ」
71:
食堂
ジノ「ブログの更新か?」
アーニャ「そう。最近、アクセス数がうなぎのぼり。怖い」カタカタ
ジノ「ナナリー総督の様子をこと細かく掲載しているブログは他にないだろうからな」
アーニャ「今日も総督はクルクル回ってた」
ジノ「目は回してないのか?」
アーニャ「……」
ジノ「そうか……」
アーニャ「本当に可哀相」
スザク「みんな!! 今からここにナナリー総督が来る!! いつでも動けるようにしておいてくれ!!」
ジノ「屈んでいればいいんじゃないのか?」
スザク「それじゃ危険なんだ」
アーニャ「今度はなに?」
ナナリー「……」ガシャンガシャン
ジノ「な……なんだ……小型のナイトメア……!?」
72:
アーニャ「記録」パシャ
ナナリー「……」ウィーン
ジノ「スザク、なんだあれは!?」
スザク「ルンバの次世代機だ」
ジノ「いや。ルンバの名残はどこにあるんだ?」
スザク「総督が立っている場所、コックピットのシートが円になっている」
ジノ「いや……。少し形の悪いナイトメアじゃないか」
スザク「でも、手の平と足の裏はきちんとルンバなんだ。だから、手で壁を擦ったり、すり足で歩行すれば綺麗になる」
ジノ「そう……なのか……」
ナナリー「……」バシュッ
アーニャ「とんだ……。傍迷惑」パシャ
スザク「フロートユニットも搭載されている。ロイドさんはとても悔しがっていたよ」
ジノ「掃除機をナイトメアにされたんじゃな……」
スザク「それだけじゃない。あのルンバには様々な機能があるんだ」
アーニャ「機能って?」
74:
ナナリー「私の部屋に行きましょう」
ルンバ『了解しました』
ジノ「喋った……!?」
ナナリー「……」ガシャンガシャン
スザク「施設内の構造データを入力さえすれば、声で移動ポイントを告げればそこまで自動で移動する」
ジノ「無駄にすごいな」
スザク「それともう一つ。あんなに大型の掃除機が自律歩行するのは危険だ。だけど、あのルンバにはもう一つ機能がある」
ナナリー「……」ガシャンガシャン
ルンバ『ルンバが通りまーす』
アーニャ「なるほど」
スザク「あれで事故の発生を抑えている」
ジノ「あれを作ったのは誰なんだ。並の技術者じゃないだろ」
スザク「……僕はゼロが絡んでいると思っている」
ジノ「ゼロ?」
アーニャ「どうしてゼロがルンバを作るの?」
76:
スザク「それは分からないけど……。そう思う」
ジノ「技術力の誇示か?」
スザク「その可能性もあると思うよ」
ジノ「だが、そんなものは戦場で見せればいいだけだろうに……」
アーニャ「ブログ更新……」カタカタ
スザク「ナナリー総督の大ファンと名乗っているのも気になっている」
ジノ「それは皮肉じゃないのか?」
アーニャ「ゼロがおちょくってるだけ」
スザク「でも、総督の大ファンっていうのには意味があるような気がする。もし差出人がゼロであるなら」
ジノ「意味って?」
スザク「……」
ジノ「なんだ、分からないのか」
アーニャ「スザク、肩透かし」
スザク「すまない」
スザク(……ルルーシュ……君なのか……)
78:
生徒会室
ミレイ「お、アーニャのブログ更新キター!!」
ルルーシュ「どれどれ……」
『ナイトメア オブ ナナリー ??1 次世代掃除機KMF起動』
シャーリー「なにこれ!? すごっ!!」
リヴァル「おいおい。これがルンバだっていうのかよ!?」
ミレイ「施設内を総督一人で清掃したってあるわね」
ロロ「これは……兄さん……」
ルルーシュ「……」
『総督の一言 「もはやルンバではない」』
ミレイ「もう一枚あるわね。リヴァル、見てみて」
リヴァル「はい」カチッ
『ナイトメア オブ ナナリー ??2 高飛行時の衝撃によりガラスが破損。掃除の手間が増加』
『総督の一言 「ごめんなさい」』
シャーリー「ナナリー総督……可哀相……」
79:
屋上
ルルーシュ「……」
ロロ「兄さん……。あの……こんなこと言っていいのか、分からないけど……」
ルルーシュ「分かっている。やり過ぎた……」
ロロ「分かってたんだ」
ルルーシュ「アレが出来上がった段階でな。俺と藤堂は苦笑いを浮かべるしかなかった。ラクシャータは満足そうに頷いていたが」
ロロ「なら、どうしてナナリーに? 僕にくれてもよかったのに」
ルルーシュ「一度はこのまま廃棄しようとも考えたが、ラクシャータがどうしてもと言うのでな……」
ロロ「そう……」
ルルーシュ「冷静さを欠いていた。ナナリーはあんなもの望んでなどいないことは分かっていたのに……」
ロロ「兄さんが気にすることじゃない。全部ナナリーが……ナナリーが兄さんを困らせた結果じゃないか!!」
ルルーシュ「ナナリー……馬鹿な俺を許してくれ……」
ロロ「僕が兄さんを許すから! 安心して!!」
ルルーシュ「ナナリー……すまない……すまない……」
ロロ(ナナリー……兄さんを泣かせた……絶対にいつか……僕の手で……!!)
83:
スザク「――ルルーシュ」
ルルーシュ「……どうした?」
スザク「話がある」
ルルーシュ「そんな感じだな。どんな話だ? 楽しいのがいいが」
スザク「それは君次第だ」
ルルーシュ「なに?」
スザク「ナナリー総督の下に差出人不明の贈り物が届いた」
ルルーシュ「それで?」
スザク「最初はルンバの同型機だった。そして次はナイトメアを小型化させたようなルンバだった」
ルルーシュ「……」
スザク「軍の人間でもなければ、そんなものは作れない。技術と資金が足りないだろうからね」
ルルーシュ「何がいいたい?」
スザク「アレを作ったのはゼロじゃないかと考えている」
ルルーシュ「どうしてそれを俺に言うんだ?」
スザク「あのルンバを送ってきたのは、ナナリー総督の大ファンだと名乗る者からなんだ」
84:
ルルーシュ「話が見えてこないな」
スザク「……」
ルルーシュ(感付き始めているか……。確かにあれだけのモノを贈るなど狂気の沙汰だ。俺以外に誰ができるというんだ。世界で最もナナリーを愛している俺以外に……)
スザク「……すまない。それだけなんだ」
ルルーシュ「そうか」
スザク「それじゃあ」
ルルーシュ「ああ」
スザク(ルルーシュ……やはり君しかいない……。ナナリーにあんな贈り物をするのは……君以外にいない……!!)
ロロ「――兄さん、殺さなくてよかったの?」
ルルーシュ「必要はない。しかし、スザクが俺を疑っているのは明白だな」
ロロ「どうするの?」
ルルーシュ「……ロロ。お前の力を借りる」
ロロ「うん!! こき使ってよ!!」
ルルーシュ「頼もしいな」
ルルーシュ(ナナリー……)
85:
総督府 技術部
ロイド「セシルくん、そっちのパーツもよろしくぅ」
セシル「はい。ああ、ロイドさん。出力ですけど、想定よりも大きいのですが」
ロイド「セシルくんの好きにしていいよもう」
セシル「わかりました」
ロイド「僕も好きにやるから」
ナナリー「……あの……なにを……?」
セシル「申し訳ありません、総督。あのルンバをより高性能なものにしようと思いまして」
ロイド「ラクシャータが生んだものに手を加えるのは癪だけど、中々どうして立派なものだ。僕たちが手を加えれば最高のルンバになりますよ」
ナナリー「いえ……あの……もう……ルンバは……」
セシル「期待していてくださいね!」
ロイド「総督のためにがんばりますから?」
ナナリー「……おねがいします」
ロイド「あは?! なら、もっと出力あげちゃう?」
セシル「はいっ!!」
86:
訓練場
トリスタン『スザク!! 久しぶりに試合でもするか!?』
ランスロット『ジノ。ナイトメアでの私闘は……』
ジノ『ここには私とお前しかいない。バレることはないだろう?』
スザク『でも……』
ジノ『さあ、いくぞ!! スザク!!!』
スザク『仕方ない』
モルドレッド『――二人とも、ストップ』
ジノ『水を差すなよ』
スザク『どうかしたのかい?』
アーニャ『二人に相手をしてほしい』
ジノ『へえ、珍しいな。受けて立とう、ナイトオブシックス』
アーニャ『私じゃない。こっち』
ルンバ『……』
ジノ『なんだ? 見たことのない機体だな。私たちのナイトメアと同世代なのか?』
88:
アーニャ『正式名称はSuperlative Extruder Interlocked Technology Exclusive Nexus Roomba。略してEIGHT ELEMENTS-R-』
スザク『待ってくれ!! 今、ルンバと言ったか!?』
アーニャ『そう。ルンバの最終形態』
ジノ『なに……!?』
ルンバ『お掃除を開始します』
スザク『どういうことだ!?』
アーニャ『味方の信号以外のモノは全てゴミと認識するかどうかのテストみたい』
ジノ『私たちはゴミか!?』
スザク『どうしてルンバが実戦に投入されている!?』
アーニャ『知らない』
ルンバ『ルンバが通りまーす』ゴォォォ!!!!
スザク『ジノ!! 来る!!』
ジノ『待て!! 誰が乗っているんだ!!』
スザク『まさか……!!』
ルンバ『ゴミは排除しまーす』
90:
生徒会室
シャーリー「おお!?」
ルルーシュ「どうした、シャーリー?」
シャーリー「あ、えっと……スザクくんが……」
ルルーシュ「スザクがどうした?」
シャーリー「こ、これ……」
『ナイトメア オブ ナナリー ??78 ナイトオブスリー、ナイトオブセブンがルンバに掃除される』
『総督からの一言 「コーネリア総督のような活躍を期待されています。誰か助けてください」』
ルルーシュ「な……に……!?」
ミレイ「あちゃー、ラウンズが総督に負けちゃったんだ……」
リヴァル「これってネットに流してもいい情報なのか?」
シャーリー「さぁ……。でも、アーニャってその辺よく理解してないところあるかも」
ミレイ「もう一度、更新してみたら記事が消えてるかもね」
リヴァル「どれどれ……。あ、本当だ。というか、アーニャのブログ自体が消えた……」
ルルーシュ(何が……起こったんだ……ナナリーとルンバに……なにが……!!)
91:
ナナリー強すぎwwwww
102:
黒の騎士団 アジト
ゼロ「――作戦概要は以上だ」
扇「ゼロ。そのブリタニアの新型機は脅威なのか?」
ゼロ「ああ。前々から目はつけていた。密偵も既に潜り込ませ、情報収集をしている最中だったが。まさか悪魔のような機体が誕生しているとは思わなかった」
藤堂「ラウンズが同時に倒されたというのも本当なのか?」
ゼロ「ああ。間違いない。それも戦闘技術ではなく機体性能でやられてしまったようだ」
玉城「なんだよそれ。機体性能に頼って勝って嬉しいのかよぉ、ブリキ野郎どもは!!」
千葉「ラウンズの機体もそれぞれ性能は高い。それを上回る性能を有しているとなれば、パイロットの技術の並大抵ではないはず」
藤堂「歴戦の騎士が搭乗しているとみて間違いあるまい」
玉城「そ、そうか? ど素人がガチャガチャ運転してるだけじゃねーのかよ」
扇「玉城、それはない。紅蓮だって満足に動かせるのはカレンだけだ。もしお前が乗っても輝かしい戦歴は得られないぞ」
玉城「……ちっ」
ゼロ「この機体は後々必ず我々の壁となる。早期に排除しておきたい」
藤堂「この度の戦はその機体の破壊が最優先ということか」
ゼロ「そうだ。雑魚には構わず、その悪魔の機体だけを集中攻撃する」
104:
格納庫
カレン「ふぅ……。よし、紅蓮は大丈夫」
ゼロ「カレン、少しいいか?」
カレン「なんですか?」
ルルーシュ「――今回の作戦、恐らく……いや、必ずカレンが最も危険だろう」
カレン「聞いた。ナナリーがランスロットと紅蓮を足したような機体に乗って出てくるんでしょ?」
ルルーシュ「ああ。その可能性は高い。手はいくつか打っているが、どうなるかは分からない」
カレン「……大丈夫よ」
ルルーシュ「なに?」
カレン「私は紅月カレン。ゼロの親衛隊。絶対に勝つから。相手がナナリーでも」
ルルーシュ「頼む、カレン」
ゼロ「――そちらの状況はどうだ?」
ロロ『ナナリーも問題の機体もどこかに隠されているみたい。時間がかかりそう』
ゼロ「分かった。くれぐれも無理はするな」
ロロ『うん。兄さんの期待には絶対に応えるから』
107:
総督府 格納庫
ロロ(兄さんのためにも……。僕がナナリーを……!!)
ロロ(それにしてもどこに……)
『ルンバが通りまーす!!』
ロロ「C.C.の声!!」
ルンバ『……』ガシャンガシャン
ロロ「な……!? どうして!?」
ルンバ『お掃除しまーす!!』ウィーン
ロロ「掃除か……。びっくりした……」
ロロ(でも、今がチャンスだ。このままナナリーごと破壊できれば……!!)
ロロ「よし」
ルンバ『……』ウィーン
ヴィンセント『――ナナリー総督』
ルンバ『ゴミを確認しました。お掃除を開始します』
ロロ『ここで仕留める!!! 僕のギアスで!!』キュィィィン
108:
ロロ『時間を奪ってしまえば、どんなに高性能のナイトメアだって!!』
ロロ『勝てないんだ!!!』
ルンバ『お掃除しまーす!!!』ゴォォォ
ロロ『どうして!? ――ギアス!!』キュィィィン
ルンバ『出力最大。ハドロン重砲セット』ガシャン
ロロ『どうして……どうして……僕のギアスが……!!』キュィィン
ルンバ『ゴミ、排除』
ロロ『くっ……!! なら、左からニードルブレイザーで!!!』ギュルルル!!!
ルンバ『ゴミ、移動。照準再セット』
ロロ『間に合え!!』キュィィン
ルンバ『――発射』
ロロ『あ――』
ルンバ『――ゴミ、排除確認』
ルンバ『他エリアへ向かいます』
ルンバ『ルンバが通りまーす』ウィーン
111:
十数時間後 某エリア
ゼロ(ロロとの連絡が途絶えてから既に6時間か。何かあったと考えるべきだな)
藤堂『ゼロ。今、先発部隊から連絡があった。問題は機体だが、数時間前に海岸のほうへ向かったらしい』
ゼロ『海岸だと? 本当なのか?』
藤堂『ああ。それも一機だけだそうだ』
ゼロ『一機だけ……?』
ゼロ(どういうことだ……)
カレン『ゼロ!! ブログ!!』
ゼロ『ブログ? こんなときにネットか、カレン。感心しないな』
カレン『アーニャのブログ!! 見てみて!!』
ゼロ『アーニャの……? あれは先日閉鎖した、というより消されていたが』
カレン『復活してる! しかもすごいこと書いてる!!』
ゼロ『一体、何が……?』
『ナイトメア オブ ナナリー リターンズ ??1 ゴミ掃除開始』
『総督の一言 「折角なので海岸を綺麗にします。これでみなさんが優しくなれると信じて」』
113:
海岸
ルンバ『ゴミ、排除』ゴォォォ!!!
ナナリー『やはり、海岸には多くのゴミがありますね……』
蜃気楼『搭乗されているのですね。ナナリー総督』
ナナリー『え……』
ルンバ『新しいゴミを確認』
ゼロ『こんなところで護衛もつけずに何をされているのですか?』
ナナリー『ゼロ……。そちらの戦力は?』
ゼロ『それなりに』
ナナリー『私を倒せますか?』
ゼロ『なに?』
ナナリー『早く答えて下さい。ルンバがゴミの数を認識し終える前に』
ゼロ『……無論だ。貴方の機体を破壊するために我々はここまできた』
ナナリー『よかった。では、お願いします。このルンバを壊してください。私はこんな形でスザクさんたちのお役に立ちたくないのです』
ゼロ『なるほど、それで一人で……。危険も省みず……。愚かな』
114:
ナナリー『この機体があるだけで、みなさんが困惑し、そして戦いのために利用する。このようなお掃除兵器は壊すべきです!!』
ゼロ『まさか、先日のラウンズの二人を倒したのは……』
ナナリー『破壊してもらうためでした……。でも、ルンバが強すぎて……スザクさんもジノさんも……アーニャさんも……』
ルンバ『ゴミ、数量確認。排除開始』
ナナリー『ゼロ!!』
ゼロ『ちぃ!! カレン!!』
紅蓮『でりゃぁぁ!!!』ガキィィン
ルンバ『ゴミ増加』
紅蓮『誰がゴミだ!! ふざけるな!! 声はC.C.だし、余計に腹が立つ!!』
ルンバ『バーカ』
紅蓮『輻射波動だぁ!!!』
ゼロ『カレン!! パイロットは死なせるな!!』
カレン『あ、そっか……』
ルンバ『ゼロ距離ハドロン砲、発射』
カレン『しまっ――』
115:
藤堂『紅月!!』ガキィィン
カレン『藤堂さん!?』
藤堂『あとはたの――』
ドォォォォン!!!!
ゼロ『藤堂!!!』
玉城『ふざけんなよぉ!!! 何がお掃除ナイトメアだぁ!!!!』
ルンバ『ゴミめ』
玉城『うお――』
ゼロ『たまきぃ!!』
千葉『四聖剣の誇りかけて!!!』
卜部・仙波・朝比奈『承知!!』
ルンバ『跪け、ゴミども』
ドォォォォン!!!!
カレン『みんな!!!』
ナナリー『やはり……だめですか……残念です……』
124:
ゼロ(馬鹿な……。機体の性能さだけでここまで圧倒されることがあっていいのか……!!!)
ルンバ『ゴミ……排除……』
ゼロ『くぅ……!!』
カレン『ゼロは私が守る!!』
ゼロ『カレン!!』
カレン『守るんだ!!』
ルンバ『ゴミが囀るな』
カレン『はじけろぉ!!!』
ゼロ(仕方ない。ここから相転移砲を――)
ランスロット『ナナリー!!!』ギュルルル!!!
ナナリー『スザクさん!? 来てくれたのですね!!』
スザク『ゼロ!! 手を貸してくれ!!』
ゼロ『私に命令するな!! いくぞ、枢木スザク!!』
スザク『ああ!!』
ルンバ『ゴミが粋がるな』
129:
ゼロ『カレン!! 10時の方向へ300移動しろ!!』
カレン『はいっ!!』ギュルルル!!
ルンバ『ゴミが分散したところで……』
ゼロ『スザク!! そこからヴァリスを使え!!』
スザク『え!?』
ゼロ『真正面からでは奴には当たらない!!』
スザク『――分かった!! くらえ!!』バシュンッ
ルンバ『ゴミが策を巡らせたところで』サッ
ゼロ『避けたな。所詮は家電か!!! 掃除機風情が人間に勝てると思うな!!!』
ルンバ『童貞が』
カレン『――くらえ!!!』
ルンバ『なに?』
スザク(紅蓮の輻射波動機構ならランスロットのヴァリスを弾き返せる。死角からの攻撃なら――!!)
カレン『これを掃除機に弾き返す!!!』
ゼロ『こちらも追い討ちをかける!! 相転移砲!! 発射!!!』
130:
ゼロ『どうだ……?』
ルンバ『そ……じ……ふ……かの……う――』
スザク『止まったか……?』
カレン『どうなったの……?』
ルンバ『お掃除!!!』
ゼロ『まだ動くか!?』
スザク『くっ!!』
カレン『もう起きるな!!』
ルンバ『……ご主人様ぁ……ごめんなさい……』ガクンッ
スザク『ナナリー?』
ナナリー『はい……』
スザク『よかった……本当に……』
ゼロ『枢木スザク。こちらの損害も大きい。ここはお互いのために退くとしよう』
スザク『ああ。構わないよ。……ありがと、ゼロ』
ゼロ『その言葉、聞かなかったことにしよう』
132:
カレン「藤堂さん!!」
藤堂「紅月、心配するな。全員無事だ」
千葉「無傷ではないがな」
カレン「よかった……」
ゼロ「玉城!!」
玉城「ゼロ……」
ゼロ「生きていたか」
玉城「わりぃな」
ゼロ「何を言ってる。さあ、戻るぞ」
玉城「おう」
スザク「ナナリー!!」
ナナリー「スザクさん……申し訳ありません……勝手なことをしてしまって……」
スザク「いいんだ。僕のほうこそ、ロイドさんとセシルさんの暴走を止められなかったから……。すまない」
ナナリー「よかったです。確かにスザクさんたちの力になりたいとは思っていましたが……戦争だけは……嫌だったので……」
スザク「心配しなくてもいい。ナナリーの手を汚させはしない。この俺が」
135:
黒の騎士団 アジト ゼロの自室
ルルーシュ「ふぅ……。酷い戦いだった」
カレン「ホントに……」
C.C.「……」
ルルーシュ「随分、散らかっているな。C.C.の所為か……全く……。掃除機でも使うか」
C.C.「……」
ルルーシュ「よっと」ゴォォォ
C.C.「やめて!! いやぁ!! ゴォォいや!!」
カレン「C.C.!?」
ルルーシュ「しまった。そういえばまだ問題が残っていたな……」
カレン「掃除機恐怖症?」
ルルーシュ「さて、どうしたものか……」
C.C.「やめてください……なんでもしますから……ゴォォだけはぁ……」
カレン「雑巾でふくとか」
ルルーシュ「それしかないか。……そういえば、ロロはどこに行ったんだ……どいつもこいつも……」
141:
ナナリーの自室
ナナリー「このたびの一件は本当に申し訳ありませんでした」
ロイド「いやぁ……。セシルくんが調子にのってしまったようで総督に多大なご迷惑を」
セシル「ロイドさんだってどうせ自動操縦だからって人間じゃ絶対に操縦不可能な調整したのに!」
ロイド「あれはセシルくんが既にオーバースペックにしてたから」
ジノ「言い訳はその辺にしてもらいましょうか」
アーニャ「うん」
ロイド「はい」
セシル「すいません」
ナナリー「いえ。あの、全部私の我侭の所為ですから……」オロオロ
スザク「ナナリー総督。総督として毅然としてもらわないと」
ナナリー「ですが……」
ジノ「私から提案があります。この二人の戦犯に総督が欲しいものを作ってもらうというのはどうでしょうか? 丁度いい処罰かと」
ロイド「あは?。それぐらいならお安いごようですけど」
ナナリー「では――」
143:
アッシュフォード学園 生徒会室
リヴァル「お、またアーニャのブログが更新されましたよっと」
ミレイ「なーんか、あれからもう日課になってるわよねー」
シャーリー「なんていうか、ナナリー総督のこと心配になっちゃうんですよね」
ミレイ「そうそう。放っておけないタイプってナナリー総督みたいな子なのよ、きっと」
ルルーシュ「それでリヴァル、アーニャのブログはどんなことが書かれているんだ?」
リヴァル「まぁまぁ、待てって。えーと……」
『ナナリー オン ルンバ ??109 ラウンズの部屋を掃除する総督』
『総督からの一言 「みなさん、私が今乗っている新型ルンバが発売になりました。とても素敵なルンバなので是非、買ってくださいね」』
ミレイ「わぉ! そうなんだ!! 生徒会室用に一台、買っちゃう?」
シャーリー「いいですね! 買いましょうか!!」
リヴァル「予算はどっから?」
ミレイ「それは……」
ルルーシュ「俺が自腹で出しますよ。一台ぐらいなら」
ミレイ「やっほー!! さっすが、ルルーシュ!! ふとっぱらぁ!! じゃあ、早買いにいきましょー!!」
145:
黒の騎士団 アジト
ディートハルト「ブリタニア製ではありますが、とても高性能なんです」
藤堂「堂々と持ち込むその勇気に見込んで、このルンバ使わせてもらおう」
カレン「あ、ルンバ! ちょっと貸してください!」
ディートハルト「まずはここで試運転を……」
カレン「これ、人一人なら余裕で乗れるんですよね?」
ディートハルト「それだけではなく、人が乗ることで操縦も可能になる優れもの。目を瞑っていても操縦できるという画期的なシステムを――」
カレン「C.C.、C.C.。こっちきて」
C.C.「な、なんですかぁ……?」
カレン「これに座って」
C.C.「なんですか、これ? 椅子?」
カレン「ほらほら」
C.C.「は、はい……」
カレン「これでC.C.の掃除機恐怖症が治れば……」ピッ
C.C.「……」ウィーン
146:
ゼロ「――待たせてしまったか?」
C.C.「ご主人様っ!! ご主人様っ!!」ウィーン
ゼロ「な……。どうした……?」
C.C.「これ、面白いですね!! 私、ゴォォ好きになりました!!」
ゼロ「そうか。それはよかった」
カレン「いやぁ、よかった。今まで雑巾での掃除ばっかりでしたからね」
ゼロ「そうだな。これからは掃除機でも……。そういえば、ロロはどうなったんだ……? もう数日経過してしまったが」
カレン「C.C.、そろそろ充電するから戻ってきて」
C.C.「はーい」ウィーン
ゼロ「まぁ、ロロなら心配はいらないか」
C.C.「じゅーでんっ!」
カレン「はい、よくできましたー」
C.C.「しゅっぱつ!」
カレン「ダメだって!!」
ゼロ(ナナリー、お前の作った優しい掃除機は中々使い勝手がいいぞ。会長たちもみんなルンバに乗って笑顔になっている……。ありがとう)
149:
ナナリーの自室
アーニャ「今日もナナリーはきちんとルンバに乗っている。記録」パシャ
ナナリー「ここも綺麗になりましたね」ウィーン
アーニャ「そういえば最近、車椅子に乗ってないけど」
ナナリー「車椅子よりルンバです!!」
アーニャ「……それ、今日の一言にしておく」
ナナリー「あの節目のときはいつものでお願いします、アーニャさん」
ナナリー(お兄様……。お兄様もどこかでこのルンバに乗っていることを、私は信じています……)ウィーン
アーニャ「そういえば、昨日の夜、スザクがルンバで変なもの吸い込んだって言ってたけど」
ナナリー「何を吸い込んだのですか?」
アーニャ「なんでも人の大きさぐらいある雑巾とか……」
ナナリー「な、なんですか、それ……?」
『ナナリー オン ルンバ ??200 笑顔の総督』
『総督からの一言 「優しい世界でありますように」』
おしまい。
150:
乙っした
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