渋谷凛「むっ…」back

渋谷凛「むっ…」


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1:
のSSは渋谷凛「えっ…」の続編です。
とはいえ基本的に引き継ぐのはNG3人と美嘉のいる小さな事務所ってことだけなので、
これだけ読んでも大丈夫だと思います。
でも前作も読んでいただけたら嬉しいかなーって。
では遅筆ですが、よろしくお願いします。
2:
チャイム「キーンコーン…」
凛(ふぅ…やっと放課後か)
凛(アイドルやってると勉強の時間もなかなか取れないし、ついてくのも大変だね)
凛(まぁ自分で選んだ道だしね、頑張らなきゃ)
凛(えっと…今日はレッスンだけだよね。レッスン場行く前に事務所に顔出しておこうかな)
凛(そうと決まれば…)スクッ
凛「…」テクテク
3:
凛(私の所属するCGプロダクションは大きな事務所じゃない)
凛(そもそも私が最初の所属アイドルだったしね)
凛(でもプロデューサーが頑張ったおかげで最近は仕事も増えてきた)
凛(もちろん、私や卯月、未央だって頑張ったけどね)
凛(そして最近美嘉っていう新しい仲間も入ってきて順風満帆)
凛(ただ、気がかりなことが一つ。それは…)
5:
凛「おはようございます」ガチャ
美嘉「今日のメイクも決まってるでしょ?どーよ★」
P「ん?、俺にメイクはよくわからん。だけど可愛いと思うぞ」
美嘉「か、かわっ…」
美嘉「アタシはどっちかっていうとカッコいい系なんですけどっ」
P「む、そうなのか?まぁ確かにカッコいいとも思うけど」
凛(新人がプロデューサーにべったりなんです…)
7:
美嘉「あっ、凛、おはよー」
P「お疲れ、凛。今日はレッスンだけだろ?よく来たな」
凛「学校終わってまだ時間に余裕があったからね」
P「そうか。まぁレッスンまでゆっくりしてけ」
凛「そうするよ。お茶でも入れようか?」
P「いいのか?じゃあ頼むよ」
凛「ちひろさんも要りますか?」
ちひろ「はい、ありがとうございます、凛ちゃん」
凛(お湯沸かしてっと…)
凛(プロデューサーのには唐辛子でも入れてやろうかな?)
凛(…いや、そんな事しないけどさ)
8:
P「それでだな、美嘉…」
美嘉「ふんふん」
P「今度のライブなんだけどな…」
P「立ち位置はここで…」
P「このタイミングでこういう演出があるから…」
美嘉「ふむふむ」
P「…で最後にここで締める、と。どうだ?」
美嘉「うん、大丈夫だよ」
9:
P「レッスンの方はどうだ?」
美嘉「大丈夫だって!アタシは本番に強いんだから、任せてよ!」
P「そうか、じゃあ確認するところはこんなとこかな」
美嘉「はーい★じゃあアタシ、レッスン行ってくるね」
P「おー。頑張ってこいな」
美嘉「いってきまーす」ガチャ
P「ふぅ」
10:
凛「はい、お茶」
P「おっ、ありがとな」
ちひろ「ありがとうございます」
凛「プロデューサー」
P「ん?どうした?」
凛「ちょっと最近美嘉にべったりしすぎじゃない?」
P「そうか?」
ちひろ(ニヤニヤ)
11:
凛「そうだよ。私最初の頃あんなに指導してもらえなかったよ?」
P「あー、あの頃は俺も駆け出しで何もわかってなかったからな…」
P「指導しないんじゃなくて出来なかったんだよ」
凛「そうなの?」
P「うん。今考えるとよくあれで凛潰れなかったよな…」
P「今だったら恐ろしくてあんなプロデュースの仕方できないよ」
凛「別に私は大丈夫だったけど」
P「いや、ホントに良かったよ」
P「凛が売れなかったらどう考えても俺の責任だからな」
12:
凛「私はプロデューサーのおかげでここまで来れたと思ってるけど」
P「まぁ今なら多少は自信もってプロデュースしてますって言えるけどさ」
P「あの頃は何もわかってないことすらわかってなかったな」
P「ってことで美嘉は俺の初めての本格プロデュースってことだな」
P「少し俺も気合が入りすぎちゃってるのかもしれん」
凛「そっか、無理しすぎないようにね」
13:
P「おう、ありがとな。おっ、凛もそろそろ時間じゃないか?」
凛「そうだね。じゃあ私もレッスン行ってくるよ」
P「よし、頑張ってこいよ」
凛「ん、わかってるよ」ガチャ
凛(初めての本格プロデュース、か…)
凛(私と美嘉、スカウトされる順番が違ったら私もあんな風に付きっきりでプロデュースしてもらえたのかな?)
14:
?次の日@事務所?
凛「おはy…」
美嘉「今日の服どうよ?新しく買ったんだけど?」
P「そんなこと俺みたいなおっさんに聞いてもわかんないよ」
美嘉「え?。じゃあおじさんから見てどう見えるのか教えてよ」
P「そうだなぁ…」
美嘉「うんうん★」
15:
P「この時期だし凄い寒そう」
美嘉「へ?」
P「それにそんな格好で電車乗って大丈夫なのか?変な奴に絡まれたりしないか?」
美嘉「そういうこと聞いてるんじゃないよぉ?」
凛「…」
16:
?さらに次の日@事務所?
凛「おh…」
美嘉「じゃんっ!このストラップ!超可愛くない?」
P「うん…?これって可愛いのか?」
美嘉「そうだよー!」
P「ちひろさんどう思います?」
ちひろ「可愛いですよね。最近若い子の間で流行ってるみたいですよ?」
P「そうなんですか?」
美嘉「うん★アイドルなんだから若者の流行に敏感じゃなくっちゃ」
P「かぁ…俺には理解しがたい…」
ちひろ「プロデューサーたるものそれじゃマズイんじゃないですか?」
P「いや、まぁ…そうですねぇ…」
17:
P「美嘉それホントに流行ってるのか?」
美嘉「ホントだって。テレビでもやってるよ?」
P「マジか…ちょっと後で俺に教えてくれ」
美嘉「いーよ。その代わりご飯おごってよね!」
P「それくらいならいいぞ」
美嘉「いえーい!あ、ちひろさんも一緒に行こうね」
ちひろ「はい、是非」
P「え、ちひろさんの分も俺が出すの?」
美嘉「当然でしょ★」
P「マジか…」
凛「…」
18:
?さらにさらに次の日@事務所?
凛「…」ガチャ
美嘉「ねぇ、プロデューサー」ペチャクチャ
P「ん?」ペチャクチャ
凛「…」
凛「プロデューサー?」
P「おう、おはよう。なんだ?」
凛「ちょっと会議室借りていい?」
P「ん、別に今は使う用事無いからいいぞ。でも何に使うんだ?
19:
凛「ちょっとね。行くよ、卯月、未央」
卯月「?」
未央「はーい」
ドア「ガチャ」
凛「それでは…」
卯月「なになに?」
凛「第一回ニュージェネレーション会議を始めます」
未央「わー!」パチパチ
卯月「?」
未央「では議長、議題を発表願います」
20:
凛「えっと…それはね…」
凛「…」
凛「最近プロデューサーは新人に構いすぎなのではないか問題です」
卯月「?」
未央「なるほど…」
凛「えっと、実際私達もだんだん仕事に慣れてきて、ある程度は一人でもできるようになってきたとは思うよ?」
未央「だけど、そうであるがゆえにプロデューサーと一緒に仕事が出来なくなってしまって寂しい、と」
凛「ち、ちがっ…!」
卯月「わかるよ、凛ちゃん。プロデューサーさんと一緒だと安心してお仕事が出来るって事だよね?」
凛「そう、それ!」
22:
凛「でもみんな本当のところ最近どうなの?」
未央「んー、私は結構自分から言って着いてきてもらうからねぇ…」
凛「…」
凛「…は?」
未央「だって電車で2時間とかの移動だとヒマじゃない?」
未央「だからプロデューサーに一緒に行こーって言って…」
卯月「それで?」
未央「そしたら大体来てくれるよ。どうしても外せない仕事とかなければ」
凛「…」
23:
卯月「えー、いいなぁ未央ちゃん」
凛「卯月はどうなの?」
卯月「うーん、私は…」
凛(おっ、これは仲間の予感)
卯月「私も結構ついてきてもらってるかも」
凛「…」
凛「…は?」
24:
未央「おぉー、しまむーもやるじゃん。どうやってるの?」
卯月「私は特に何もしてないけど…」
卯月「プロデューサーさんの方から『明日の収録は俺もついてってやるから頑張れよ』みたいな…」
凛「」
卯月「でも、これって私が一人でちゃんとできるか不安に思われてるからだよね…」
卯月「ちゃんと一人でも仕事が出来るって信用されるように頑張らなきゃ!」
凛「」
未央「おぉ?」パチパチ
未央「で、しぶりんは?」
26:
凛「私は最近は全然…ほとんど一人で行ってるから…」
未央「まぁしぶりんは一人でちゃんと仕事こなせるしねぇ」
卯月「信用されてて羨ましいな?」
凛「」
未央「でも、時々は一緒に仕事がしたいなぁ、と」
凛「…うん」コクッ
未央「素直でよろしい」
卯月「じゃあみんなで一緒にどうすればいいか、考えよっか」
凛「お願いします…」
27:
未央「はい!はーい!」
卯月「はいっ、未央ちゃん!」ビシッ
未央「えー、普通にプロデューサーに言えばいいのではないでしょうか?」
凛「普通に?」
未央「うん」
凛「えっと…普通ってどういう風に…?」
未央「だから『今日の仕事一緒に行こ?』って」
凛「…」
未央「寂しいから、なんて言えば一発でプロデューサー来てくれると思うよ?」
凛「いや、それはちょっと…」
凛「私のキャラ的にというか性格的にというか…」
未央「むぅ…」
28:
卯月「はいはーい!」
未央「はい、しまむー!」ビシッ
卯月「なら逆にプロデューサーさんがついて行きたくなるようにすればいいんじゃないかな?」
凛「うん?」
未央「続けて?」
卯月「プロデューサーさんの方からから『今日は一緒に行くから』って言わせればいいかなって」
凛「なるほど…」
未央「ふむ、つまりプロデューサーから凛ちゃんに構いたくなるように仕向ければ良い、と」
凛「うん、それなら…」
29:
未央「で、具体的な方法は?」
卯月「それは…うーん…」
凛「…」
未央「…」
凛「二人ともありがとう、おかげで少し光明が見えてきたよ」
未央「そう?」
凛「うん、あとは私なりに考えて頑張ってみるよ。そろそろ仕事だし、今日はこれくらいにしよ?」
卯月「そうだね」
未央「えー、では最後にしまむーから締めの挨拶をお願いします」
30:
卯月「えっ、私?!えー…」
卯月「今日は集まってくださってありがとうございました」
卯月「凛ちゃんの成功を祈って…えっと…」
未央「一本締めで締めましょう!」
卯月「一本締め?それじゃあ…よぉーおっ」パン!
未央「お疲れ様でした?」
卯月「お疲れ様?」
凛「ふふっ、お疲れ様」ガチャ
P「おー、凛。もういいのか?」
凛「うん」
31:
P「で、何の話してたんだ?」
未央「ふふーん、3人の将来についてかな?」
卯月「秘密です!」
P「??…そうか」
凛(…二人ともありがとね。さて、構いたくなる…か)
凛(うーん、私のキャラとは違うからすぐには思いつかないな…)
凛(身近にお手本になるような人がいればいいんだけど…)
40:
?次の日@収録?
スタッフ「はい、これでOKですー」
監督「お疲れ様でしたー」
凛「お疲れ様でした」
凛「…ふぅ」ガチャ
凛(結局今日も一人で仕事だったよ…)
凛(どうにか打開策を考えないとなー)
凛(まぁ、ともかく今日は控え室で少し休んだら事務所戻ろっと)
外「バタバタバタバタ…」
凛(それにしても外が騒がしいね。何かあったのかな?)
41:
ドア「」バーン
凛「きゃっ」
凛(え?え?何?!)
??「あの…」
凛「は、はい…?」
??「ちょっと隠れさせてください…」モゾモゾ
凛「はぁ…」
凛(机の下に潜っちゃったよ…害はなさそうだけど、なんだろ、アレ?)
外「バタバタバタバタ…」
凛(まーた、騒がしいし…)
42:
ドア「コンコン」
凛「はい?」
他社P「失礼します。あっ、渋谷さんお初にお目にかかります。他社Pです」ガチャ
凛「はぁ…」
他社P「それで、ここに女の子が来なかったですかね?」
凛(これはどうするべきなんだろ?)
凛「いえ、特に…」
他社P「そうですか。おかしいな、ここだと思ったのに…」
ねえ??(来ないで、気づかないでいいですけど…そのまま外に、外に…)
43:
他社P「でも、やっぱりここにいる気がするんだよなぁ…」
机「ガタッ」
??(なんでわかるんですか…)
他社P「ん?今の音は…」スタスタ
他社P「乃々、ここにいたのか。探したんだぞ?」
乃々「あうぅ…」
他社P「さっ、リハーサルに戻るぞ。みんな待ってるんだから」
乃々「むーりぃ…」
他社P「わがまま言うなって。わかってるだろ?」
乃々「むーりぃ…」
44:
他社P「小さいけど、やっと取った単独ライブなんだぞ?一緒に頑張ろうって」
乃々「あの…あたし、そんな事頼んでないですし…」
他社P「…じゃあどうするんだよ、これから?」
乃々「帰りたいんですけど…」
他社P「どうしても無理か?」
乃々「…」
他社P「はぁ…」タメイキ
乃々「…」ビクッ
45:
他社P「まぁ、乃々にやる気が無いんじゃ仕方ないな」
他社P「これからじゃ大変だけどライブの方は俺が代役立てて何とかするよ」
他社P「ともかくそこにいても何も始まらないだろ?渋谷さんにも迷惑だし。さっ、帰ろう?」
乃々「…」
他社P(もう一押しかな?)
他社P「な?急にこんな仕事取ってきた俺が悪かったよ」
他社P「乃々に大きな仕事が取ってやれた!と思ったんだが…まぁ帰ってからゆっくり話し合おう」
46:
乃々「…」
乃々「あの…」
他社P「ん?どうした?」
他社P(よし、かかった…)
乃々「もう少しだけ頑張ってみようと思います…いや、辞めたいですけど…」
他社P「…いいのか?」
乃々「プロデューサーさんを困らせるのはダメだから…少しだけ頑張る…」
他社P「そうか…まずはリハーサル頑張れるか?」
乃々「はい…」
他社P「じゃあそこから出よう。俺も一緒に監督さんに頭下げに行くから」
乃々「はい…」モゾモゾ
48:
他社P「…」ガシッ
乃々「えっ?」
他社P「やーっと捕まえた。さ、リハーサル行くぞ。スタジオ使える時間は限られてるんだから」
他社P「頑張るんだろ?」
乃々「え…?が、頑張りますけど…」
他社P「いい返事だ。じゃ、リハーサル終わったら雑誌の撮影とインタビューな」
乃々「え?」
他社P「で、それが終わったらローカルテレビの収録だ。1分だけど宣伝の枠取ってもらったからしっかり宣伝しろよ?」
乃々「え?」
他社P「あと、乃々のライブのチラシも作ったんだ。全部終わったら一緒に配りに行こうな」
乃々「…」
49:
他社P「いやー、乃々がやる気になってくれて嬉しいよ」
他社P「すいません、渋谷さん。お騒がせしました」
凛「いえ…」
他社P「よーし、まずはリハーサルだ。張り切って行くぞー!」ハッハッハ
乃々「あぁっ、もりくぼを嵌めましたね?嵌めましたね?」
他社P「何言ってんだ。自分で頑張るって言ったんだろ?」ガチャ
乃々「言いました、言いましたけど…。あぁ、やっぱり…」
乃々「むぅーりー…」バタン
50:
凛(…)
凛(何アレ?)
凛(…いや、待てよ?)
凛(……)
凛(なるほど)
51:
凛「ただ今戻りました」ガチャ
P「おう、お帰り」
ちひろ「お帰りなさい」
P「今日の収録は大丈夫だったか?」
凛「うん、特に問題は無かったよ」
P「よし」
ちひろ「さすがですね」
P「まぁ凛に限って滅多なことは無いと思ってるがな」
ちひろ「さっきまで『帰り遅いな、何かあったのかな…』とかい言ってたのは誰でしたっけ?」
P「わー、本人の目の前で言うことないじゃないですか!」
52:
ちひろ「凛ちゃんには伝えておいた方がいいかと思いまして」
凛「ふふ、ありがと」
P「全く…まぁいいや」
P「じゃあ早だけど明日の予定確認するから荷物置いたらこっち来てくれ」
凛「はーい」
凛(よし、試してみよう)
53:
P「で、明日の予定なんだが…」
凛「うん」
P「前から言ってあったけど、雑誌の撮影があって…」
P「ちょっと時間的に事務所来てからじゃ間に合わないと思うから、学校が終わり次第直接行ってもらって…」
凛「無理」
P「えっ」
ちひろ「えっ」
凛「…」
P(…聞き間違いか?)
54:
P「えっと、それで…」
P「その後ようやくマストレさんのレッスンが押さえられたから、大変だと思うんだがそのままレッスン場に…」
凛「無理」
P「」
ちひろ「」
凛「…」
P(何ですかこれ。遅れてきた反抗期ですか?)ヒソヒソ
ちひろ(知らないですよ。どうせプロデューサーさんがまた何かやったんじゃないですか?)ヒソヒソ
55:
P「え、えっと、頑張れないかな?その…マストレさんのレッスン受けられることなんて滅多にないし…」
凛「無理」
P「」
ちひろ「」
凛「…」
凛(おかしい、予想していた展開と違う…)
P「…」
P「そ、そうだな。凛も最近忙しくて疲れてるだろうし…明日のレッスンはキャンセルしておくよ」
凛「待って」
56:
P「な、なんだ?」
凛「行く」
P「え?」
凛「行くってば」
P「…いいのか?大丈夫か?本当に疲れてないのか?」
凛「うん、別に疲れてないし。全然大丈夫だよ」
P「そ、そうか。じゃあ…よろしく頼む」
凛「他に何かある?」
P「いや、それで明日は終わりだ。レッスン終わったら直帰していいぞ」
凛「そう…」
57:
P「えと…本当に大丈夫か?無理してないか?」
凛「うん、大丈夫だって。それじゃあ私今日は宿題残ってるから帰るね」
P「お、おう、お疲れ様…」
ちひろ「お、お疲れ様でした…?」
凛「それじゃあ失礼します」ガチャ
凛(うーん、思ったように上手くはいかないなぁ…)
P「…」
ちひろ「…」
P「なんだったんです?あれ」
ちひろ「さぁ…」
58:
P「まぁとりあえず明日は大丈夫そうでよかったです」
P「正直凛はあまり手がかからないんで助かりますよ」
ちひろ「他の子も段々忙しくなってきてますもんね」
P「えぇ、他の子は俺が着いてないと不安なところもありますし…」
P「書類もたっぷり残ってますしね」ドッサリ
ちひろ「だって私だけであんな量こなすの無理ですよ…」
P「いえ、もちろん手伝いますよ。自分の仕事でもありますし」
ちひろ「それじゃあまずは書類から片付けちゃいますか」
P「そうですね」
ちひろ(それにしても凛ちゃんどうしたんだろ…?)
59:
?次の日@収録後控え室?
凛(ふぅ、今日もお仕事終わりっと)
凛(でも結局今日も一人で収録だったよ…)
凛(昨日の作戦も上手くいってなかったみたいだし…)
凛(新しいの考えなきゃ)
ドア「ガチャ」
凛(あ、そういえば今日は控え室共用だったっけ…)
??「お疲れ」
凛「あっ、お疲れ様です」
60:
??「じゃあ私は寝るから。あ、その前にそこの飴取ってくれる?」
凛「はぁ…杏さんは飴が好きなんですか?」
杏「まぁね。美味しいじゃん」
凛「まぁ…って、え?ここで寝るんですか?」
杏「そうだよ。なんで?」
凛「いや、ここ控え室ですし…帰ってから寝たほうが…」
杏「いいのいいの。そのうち迎え来るし」
杏「んじゃ、お休み」グーグー
凛(親かなにかが来るのかな?とにかく私は帰る準備しよ…)
凛(…よし。それじゃ帰ろうかな)
61:
ドア「コンコン」
凛「はーい」
他社P「失礼します」ガチャ
他社P「あ、渋谷さん。今日は共演ありがとうございました」
凛「いえ、私も楽しかったです」
他社P「あ、杏また寝てる。おーい、杏帰るぞー」ユサユサ
杏「ん…なんだ、プロデューサーか」
他社P「なんだじゃないよ。ってかこんな所で寝るなって」
杏「プロデューサーが来るの遅いからだよ」
他社P「いや、俺だって仕事あるしさ…」
62:
杏「ま、とにかく帰ろ」
他社P「ん、そうだな」
杏「んじゃ、おぶって」
他社P「は?」
杏「おぶってよ。いーじゃん、いつもの事だし」
他社P「いや、誰に見られてるかわかんないし…」
杏「大丈夫だって。駐車場まででいいから」
他社P「いや、でも渋谷さん見てるし…」
杏「いーじゃん、今さら私は気にしないし」
63:
他社P「俺が気にするんだが…」
杏「気にしない気にしない。ほら、早く帰らないと乃々がまた逃げるよ?」
他社P「あー、もうわかったよ!ほら、早く乗れ!」
杏「最初から素直にそうい言えばいいのに…ん、やっぱいい乗り心地だね」
他社P「それじゃあ渋谷さん、失礼します。ほら、杏も挨拶しろ」
杏「じゃあね?」ガチャ
凛「あ、はい、お疲れ様でした…」
凛(…)
凛(何アレ?)
凛(……)
凛(いや、待てよ?)
凛(…なるほど)
75:
凛「ただいま戻りました」ガチャ
P「お帰り」
ちひろ「お帰りなさい」
P「お疲れ様。まぁそこのお菓子でも食べながら休んでてくれ」
凛(!!きた…)
凛「飴が食べたいかな」
P「飴?えっと、持ってたかな…」ガサゴソ
P「すまん、持ってないわ…ちひろさんあります?」
ちひろ「ちょっと私も持ってないですね…」
P「後で買ってくるよ。何味がいい?」
凛(どうしよう、予想外の展開…)
76:
凛「えっと…うん、別に飴はいいや」
P「いいのか?別に飴くらいいいのに」
凛「ううん、そんなに欲しかったわけじゃないから」
P「そうか。あ、ガムならあるけど食べるか?ミント味だけど」
凛「うん。ありがと」
凛(うーん、全く上手くいってない…)モグモグ
凛「あー、えーっと、ちょっと私寝るね」
P「ん、そうか?わかった」
ちひろ「仮眠室に毛布もあるから、使ってね?」
凛「はい、そうします」ガチャ
77:
凛(ふぅ、これで寝ればプロデューサーが起こしに来てそのまま送ってもらえる…)
凛(では、お休みなさい)
凛(……)
凛(…寝れない)
凛(そりゃそうだよね。ミントのガムなんか食べるから目が冴えちゃって)
凛(…ヒマ)
P「??」ペチャクチャ
ちひろ「??」ペチャクチャ
凛(ん、プロデューサー達が話してる。何の話かな?)カベニミミヲアテル
78:
P「凛、どうしたんですかね?」
ちひろ「さぁ…」
P「なんかちょっと話してても上の空ですし…」
ちひろ「そうですねぇ…」
P「事務所で仮眠するなんて初めてですし…」
ちひろ「やっぱり疲れてるんですかね?」
P「ですかね、最近凛には一人で仕事させることも多かったですし…」
凛(そう!そうだよ!)
79:
P「うん。ちょっと休みいれましょうか」
P「えっと…来週の日曜とかならどうにか…学校も休みですし」
ちひろ「そうしてあげましょうか」
P「これで凛も元気になるといいんですが…」
凛(ちがーう…)
凛(はぁ…もういいや。少ししたら出て帰ろ)
80:
凛「おはよう」ガチャ
P「おう、もういいのか?」
凛「うん、今日はもう帰るね」
ちひろ「お疲れ様です」
P「あ、凛。来週の日曜オフにしたから。ゆっくり休んでくれ」
凛「別に私大丈夫だって」
P「ダメだ。もう休み取ったしな。休むのも仕事だ」
凛「はぁ…うん、わかった。それじゃあね」
P「おう、お疲れ…」バタン
P「…なんか休みでもあまり嬉しそうじゃなかったですね?」
ちひろ「そうですね…」
ちひろ(なんかおかしいですよね…)
81:
?次の日@事務所?
凛「おはようございます」ガチャ
ちひろ「おはようございます」
凛「あれ、プロデューサーは?」
ちひろ「今は営業で外回り中です」
凛「そうなんですか」
ちひろ「ねぇ、凛ちゃん。良い機会だから聞いておきたいんだけど…」
凛「なんですか?」
ちひろ「凛ちゃん最近無理してない?」
凛「え?」
82:
ちひろ「ほら、昨日事務所で仮眠取ったりとか…今までそんなことなかったじゃない?」
凛「あ、いや、ちょっとあれは…」
ちひろ「ね、私でも話聞くくらいは出来るからさ。凛ちゃんよりもお姉さんですし」
凛(…ちょっと話してみようかな?)
凛「じゃあちょっといいですか…?」
ちひろ「うんうん」
凛「その…最近私一人で仕事に行くこと多いじゃないですか」
ちひろ「はい」
凛「それで、その…何というか」
凛「やっぱり私もまだ未熟ですし、一人だとちょっと不安で…」
83:
ちひろ「ふんふん」
凛「時々はプロデューサーに一緒に来て欲しいと思うんですが…」
ちひろ(なるほど、凛ちゃんも寂しいんですね。可愛い…)
凛「でもこう…何というか…」
凛「プロデューサーには『心配してないから』とか言われてて言いにくいですし…」
ちひろ「いや、プロデューサーさんも凛ちゃんとお仕事したいと思ってますよ?最近は忙しいだけで…」
凛「いえ、いいんです…私だけってことはそう思ってないんです」
ちひろ(だけ…?)
凛「みんなに話聞いたら結構一緒に仕事してるみたいですし…」
凛「美嘉だけかと思ったら、卯月や未央も…でも私とは…」グスッ
84:
ちひろ「わーわー!そんな事無いですって!」
凛「でも…でも…」
ちひろ「わかりました!私がそうじゃないってことを証明してあげます!」
凛「へ?」
ちひろ「プロデューサーさんが凛ちゃんとお仕事したいって思ってることを証明してあげます」
凛「はぁ…」
ちひろ「そうと決まれば凛ちゃんはロッカーに隠れてください」グイグイ
凛「え、ちょっと…」
ちひろ「ほら、プロデューサーさん帰ってきちゃいますから。あ、音たてちゃダメですよ?」
凛「あう…」
85:
P「ただ今戻りました?」
ちひろ「お疲れ様です。営業の方はどうでした?」
P「えぇ、結構感触良かったですよ。気に入られたみたいで今度パーティにも誘われちゃいました」
ちひろ「それは良かったですね。そうだ、机を見て気づくことはないですか?」
P「机ですか…?あ、書類が無い!どうしたんですか?」
ちひろ「ふふーん、私今日すっごく調子良くて全部片付けちゃいました」
ちひろ(本当は机の下に隠しただけだけど…)
P「え、本当ですか?凄いなぁ、ありがとうございます」
86:
ちひろ「いえいえ。これで明日は結構余裕ができますね?」
P「そうですね」
ちひろ「ほらほら、そしたら何かあるんじゃないですか?」
P「本当にありがとうございました。そしたら一緒に食事でも行きましょうか?おごりますよ」
凛(ん…?)
ちひろ「い、いや、そうじゃなくってですね…」
P「あ、それとも飲みに行きます?久しぶりに」
ちひろ「あの、それは嬉しいんですけど、そうじゃなくって…」
87:
P「あ、確かに外だと思いっきり飲めませんものね」
P「じゃあ宅飲みにしましょうか。えっと、今回の順番は俺んちでしたっけ」
凛(うん…?!)
ちひろ「いえ…」
P「ちょうど実家からいいお酒送ってきたんですよ。ちひろさんと飲もうと思って取っておいたんです」
ちひろ「えっと…ありがとうございます…」
P「次の日は土曜で午後からの出社で大丈夫ですから思いっきり飲めますよ」
ちひろ「あ、はい、そうですね…」
凛(…何これ。私見せ付けられてるの…?)ピキピキ
88:
P「ん、待てよ?ってことは明日金曜でしたっけ?」
ちひろ「そうですよ?」
P「あっ、じゃあすみません。飲みはまたの機会ってことで…」
ちひろ「いえ!全然良いですよ!どうしたんですか?」
ちひろ(よかった…死ぬかと思った…)
P「明日は凛の歌番組の収録があるじゃないですか」
凛(!!)
89:
P「ちょっと忙しくて行けないかと思ってたんですが、ちひろさんが書類片付けてくれたおかげで少し余裕ができたので…」
P「そっちに行ってもいいですかね?」
ちひろ「えぇ!えぇ!そうしてください!」
P「い、いやに元気いいですね。じゃあ明日はそんな感じで…」
P「すいません、でもお酒は取っておくんで近いうちに家で飲みましょう」
ちひろ「えぇ、よろしくお願いします」
P「それじゃあちょっと俺トイレ行ってきますね」スタスタ
ちひろ「はーい」
ちひろ(良かった…生還できた…)
91:
ちひろ「凛ちゃーん」ガチャ
ちひろ「ね?ね?嘘じゃなかったでしょ?」
凛「うん、ありがとうちひろさん」
凛「でもちょっと聞かなきゃいけないことがあるかな?」ジロッ
ちひろ「あうぅ…」
凛「宅飲みってどういうこと?」
ちひろ「えっと…この前外に飲みに行って醜態を晒してしまったじゃないですか…」
凛「うん」
ちひろ「それで酔いつぶれても良いように思いっきり飲む日は休みの前日に宅飲みにしようという話になりまして…」
92:
凛「続けて?」
ちひろ「定期的に宅飲みを開催してまして、場所は交互にお互いの家を使うということに…」
凛「ふむ…」
ちひろ(これ、もう私終わったかな?)
凛「はぁ…私も早く大人になりたいな。そしたら誘ってくださいね?」
ちひろ「はい…」
ちひろ「えっ、それだけ?」
凛「へ?」
ちひろ「あっ」
93:
凛「…」
ちひろ「…」
凛「そりゃあ…羨ましいのも少しはありますけど…」
凛「でもそれは仕方のないことですし」
凛「それより書類って机の下に隠しただけですよね?何か手伝えることあったら言ってくださいね」
ちひろ(良かった…もうお葬式かと思った…)ブワッ
94:
ドア「ガチャ」
P「ふぅ?。ってあれ?凛来てたのか」
凛「うん」
P「あ、そうだ。明日の収録、俺も一緒に行くことにしたから」
凛「…別に一人でも大丈夫だし、忙しかったら無理してこなくていいよ?」
P「いや…」
凛「あ…」
凛(…やっちゃった…なんで私ってこういう風に言っちゃうんだろ…)
95:
凛「あの…」
P「いや、俺が行きたいんだ」
凛「え…?」
P「久しぶりに凛の歌が聞きたいなって思って。いいかな?」
凛「うん…。私頑張るから…!」
P「あぁ、楽しみにしてるよ」
96:
?次の日?
凛「?♪」
スタッフ「はーい、オッケーでーす!」
監督「お疲れ様でした?」
凛「お疲れ様でした」
P「お疲れ様」
凛「うん。どうだった?」
P「良かったよ。なんかこう凛の歌は聴かせる力があるよ」
凛「ふふ、プロデューサーがそんなアバウトな表現でいいの?」
P「まぁ、俺は音楽に関しては一般人だからな。いいじゃないか、一般受けするってことで」
凛「そうかな?」
P「そうだよ。仕事なのにこんなこと言っていいのかわかんないけど、いい気分転換になった」
97:
凛「それなら良かったかな」
P「おう。また来ようかな」
凛「来れるの?」
P「明日の美嘉のライブが終われば仕事も一段落つくしな。あ、嫌だったら来ないけど…」
凛「…ううん、来て欲しいかな」
凛「やっぱりプロデューサーが来ると気持ち入るし」
P「そうか。なら時間見つけてまた行くよ。んじゃ、帰るか。送ってくぞ」
凛「うん、ありがと」
凛(本当にありがとね、プロデューサー…)
103:
?次の日@事務所?
P「よーし、準備は良いかー?」
美嘉「ちょ、ちょっと待って!」
凛「ん?何やってるの?」
ちひろ「ほら、今日が美嘉ちゃんのデビューの日ですから」
ちひろ「これから出発なんですけど、少し緊張してるみたいですね」
凛「そっか。今日だったね」
凛「美嘉、私は今日別の仕事があって行けないけど頑張ってね」
美嘉「あっ、ありがとー★」
104:
P「もういいか?じゃあ先輩からありがたい言葉もいただいたところで行くとするぞ?」
美嘉「はーい★」ガチャ
ちひろ「いってらっしゃい」
凛「バイバイ」
ちひろ「…上手くいきますかね?」
凛「大丈夫だと思うよ。美嘉と何度か一緒にレッスンしたけどダンスも歌も凄い上手だったし」
ちひろ「凛ちゃんがそういうなら安心ですね」
ちひろ「凛ちゃんの方は今日の収録大丈夫?」
凛「うん、台本ももう覚えたし。準備は出来てます」
ちひろ「そうですか。頑張ってきてくださいね」
凛「ありがとうございます。それじゃあ私もいってきますね」
ちひろ「はい、いってらっしゃい」
105:
?@ライブ会場?
P「よーし、着いたぞー」
美嘉「うぅ、ちょっと緊張してきた…」
P「初めてだからな。まぁそれはしょうがないよ」
P「まだ時間の余裕があるし、リハーサルも兼ねてもっかい会場見とくか」
美嘉「うん」
P「よっし。今さらだけど忘れ物ないな?」
美嘉「うん、大丈夫」
P「んじゃ、見に行こう」
106:
美嘉「広いね…」
P「そうだな。だけどこんなのまだまだだぞ?ランクが上がればもっと大きいところで歌えるんだから」
美嘉「いやー、これで十分だよ…」
P「今はそう思うだろうけどな。だんだん変わってくるよ」
美嘉「そうかな?」
P「だと思うよ。少なくとも俺はそう思う」
美嘉「…」
P「ま、言い方は何だけど、今日は他のアイドルのステージの前座だ」
P「俺の力じゃこんなところにしか捻じ込めなかったけど…」
107:
P「美嘉のアイドル人生はここから始まるんだ。振り返ってよかった、と思えるようにしたいな」
美嘉「うん、頑張るよ」
P「あ、あと俺美嘉をステージに送り出したら仕事終わりだから」
美嘉「そっか…帰っちゃうの?」
P「まさか、違うよ」ヒラヒラ
美嘉「ん、何それ?」
P「今日のライブのチケット」
美嘉「へ?」
P「俺は美嘉のプロデューサーだけど、1人目のファンでもあるからな」
P「送り出した後は客席の方で見させてもらうよ」
美嘉「…」
111:
P「あ、もちろん美嘉のライブ終わったら迎えに来るからな?そこは心配要らないぞ」
美嘉「そっか、1人目のファンね…」
P「ん、どした?」
美嘉「ありがと、頑張るよ★」
P「おう、楽しませてくれよな」
P「んじゃ、そろそろ準備もあるし戻るか」
美嘉「そだね」
112:
P「うっし、じゃあ控え室で準備してきてくれ。俺はここにいるから」
美嘉「はーい」
P(飲み物でも買ってくるかなー)
P(んー、栄養ドリンクでいいや)ゴクゴク
P(ダメだ、効果が実感できん。帰ったらちひろさんにエナドリ貰おうかな…)
P「おーい、そろそろいいかー?」
美嘉「うん、入っていいよー」
P「入るぞー」ガチャ
113:
美嘉「どうよ、この衣装!アタシ的には、もう少し見せてもいいんだけど…」
P「いやー、さすがにそれ以上はマズいんじゃないかな…」
美嘉「あ?、ドコ見てんの??」
P「いや…」
美嘉「ふふっ、冗談だよ。プロデューサーならちょっとくらいエロくてもいーしね★」
P「やめてくれよ、俺そういうの慣れてないんだから」
美嘉「そうなの?それでよくアイドルのプロデューサーなんてやろうと思ったね」
P「それが俺も凄く黒い人にスカウトされてだな…」
美嘉「へ?」
P「いや、まぁとにかくこの仕事にやりがい感じてるし、いいんだよ」
114:
美嘉「そうなの?でもこの衣装気に入ったよ♪さすがアタシのプロデューサー★」
P「そういってもらえるとありがたいな」
P「それにそんな冗談言えるなんて少し落ち着いたみたいだな。良かったよ」
美嘉「んふふ、もう大丈夫だから期待しててね」
P「そうか、本当に良かったよ。実はだな、さっきから俺のほうが落ち着かなくてだな…」
美嘉「あはは、それでさっきから貧乏ゆすりしてるんだね」
P「いや、すまん。でも止まらないんだよ」
美嘉「でもプロデューサーがライブするんじゃないんだから」
P「いや、自分でやる方がある意味まだ気は楽かもしれないな」
P「何か忘れてることはないかとか凄く心配だよ」
115:
美嘉「だーいじょぶだって!前にも言ったでしょ?アタシは本番に強いんだから」
P「そうだな。はは、これじゃどっちが初めてのライブなんだかわからないな」
美嘉「ホントだよ?、あっ、そろそろ出番だね!」
P「そうだな。じゃあそろそろ行くか」
美嘉「うわー、結構人いっぱいいるね…」
P「おう、チケット完売だったみたいだからな。俺もこれ手に入れるの大変だったんだぞ?」
美嘉「まぁアタシを見に来てるわけじゃないっていうのは残念だけどね?」
P「そういうなって。すぐにそうなるさ」
美嘉「もちろんそうしてみせるよ」
P「よし、じゃあこれが最初の一歩だ。俺も客席から見てるからな」
美嘉「ん、任しといて★」
116:
P(そして美嘉の最初のライブは始まった)
P(ライブは特にミスも無く終わり、楽しそうな美嘉の顔が印象的だった)
美嘉「みんなー、またねーっ★」
美嘉「…ふぅ」
P「お疲れ、美嘉」タタッ
美嘉「あっ、プロデューサー。どーよ?アツいライブだったでしょ?」
P「いや、ホント良かったよ。感動した」グスッ
美嘉「ちょっ、ちょっとなんで泣くの…?!」
P「すまん、俺涙腺弱くて…」
美嘉「ま、まぁ感動したってことなら許してあげるよ」
118:
P「あぁ。俺周りの人に俺があの子のプロデューサーなんですって言おうかと思っちゃったよ」
美嘉「それはやめて欲しいかな…」
美嘉「そうだプロデューサー、ステージからウィンクしたの気付いた?」
P「あ、やっぱりあれは意識してやってたのか?」
美嘉「ふふー、客席にプロデューサー見つけちゃったからね」
P「かぁ、初めてだったのにそこまで余裕あったのか。やっぱ凄いな」
P「まぁともかく今日はお疲れ様」
P「疲れただろ?車回してとから着替えて帰ろう」
美嘉「そだね」
120:
P「うし、じゃあ外にいるから着替え終わったら呼んでくれ」
美嘉「はーい」
P(えっと、タクシー会社の番号はっと…)プルルル
P(よし。それにしても美嘉遅いな)
P「おーい?美嘉ー?」
美嘉「プロデューサー…」
P「まだか?」
美嘉「私の荷物、無いんだけど…」
P「へ?」
121:
P「入るぞ。で、どこに荷物置いてたんだ?」
美嘉「ここに置いといたんだけど」
P「む、本当に何も無いな。ちょっと外で聞いてみるか…あっ、すいません!」
他社P「はい、なんでしょう?」
P「ここの控え室に置いていた荷物がなくなってしまったんですが、何かご存知じゃないですか?」
他社P「あちゃー、ここに荷物置いてたんですか?」
P「はい」
他社P「先ほどメインのアイドルグループの子達が他の人と一緒の控え室は嫌だ!って言い始めてですね」
P「はぁ…」
他社P「それで急遽控え室を移動しまして。その時に荷物が混ざって持ってかれちゃったんじゃないですかね?」
美嘉「えぇ??!」
P「そうですか…ありがとうございます」
他社P「いえ。ではこれで」
123:
P「…まぁ盗まれたわけじゃなさそうでよかったな」
美嘉「すぐ取りに行かなきゃ」
P「いや、今メインの子達がライブやってるから控え室は鍵閉まってるだろ。担当のプロデューサーもどこいるかわかんないし…」
美嘉「えー、じゃあどうするの?」
P「今日持ってきたのはいつもと同じ鞄だよな?」
美嘉「うん、そうだよ?」
P「じゃあ俺が残って返してもらってくるよ」
美嘉「え?でも悪いし…」
P「いいっていいって。今日は初めてのライブでなんだかんだ疲れてるだろ?」
124:
P「それにもうタクシー呼んじゃったしさ。待たせてると料金上がってちひろさんに怒られちゃう」
美嘉「そ、そう?それじゃあ…」
P「おう、何も気にすること無いからな。」
P「タクシー代はこれで払っといてくれ。あ、領収書は貰っといてくれな」
美嘉「うん、わかった」
P「よし、じゃあお疲れ。また後でな」
美嘉「うん、ありがとね。また後で」テクテク
P(ん…)
125:
P「おーい、美嘉」
美嘉「ん?どしたの?」
P「その格好で外でたら寒いだろ。これ着てけ」パサッ
美嘉「へ?コート?いいの?」
P「いいも何もそんな格好じゃな。風邪引いたら困るし」
美嘉「でもプロデューサーだって…」
P「意外とスーツは暖かいんだぞ?それにそんな寒そうな衣装選んだの俺だしな」
美嘉「ははっ。そうだよ??JKにこんなカッコさせて…」
P「せめてもの罪滅ぼしってことでそのコート羽織って帰ってくれ」
P「タクシーの運転手の精神衛生上もその方が良さそうだしな」
美嘉「ふふ、じゃあありがたく借りておくね」
P「おう。じゃあ今度こそお疲れ」
美嘉「うん、また後で」
美嘉(あ…コレ着てると…プロデューサーのいい匂いがする…♪)
126:
?@事務所?
ちひろ「今日はまだ皆さん帰らないんですか?」
凛「はい」
未央「今日はみかねえのデビューライブだからねっ!」
卯月「お話聞くのが楽しみです!」
ちひろ「なるほど」
凛「それで、何時にライブ終わるんでしたっけ?」
ちひろ「そうですね、そろそろ戻ってくる時間だと思うんですが…」
127:
ドア「ガチャ」
ちひろ「ほら、帰ってきたみたいですよ」
美嘉「ただいまー」
ちひろ「お帰りなさい」
卯月「お帰りなさい!」
未央「お帰りー」
凛「お帰り」
凛(ん?あのコート…)
128:
卯月「あっ、それ今日の衣装?」
美嘉「うん、そうだよー★」
未央「うわ、セクシー!っていうか、ちょっとエロい?」
美嘉「やっぱりそう思う?」
美嘉「私もそう思うんだよねー。プロデューサーが選んだんだけどさっ」
凛(プロデューサーが…選んだ…?)
卯月「えぇ?、可愛いよ?」
凛「それで、ライブの方はどうだったの?」
ちひろ「そうそう、そっちですよ!」
129:
美嘉「もうバッチリだったよ!…多分」
凛「…どっちだったの?」
美嘉「アタシ的には楽しく出来たし、盛り上がったかなーって」
未央「なら大成功だよ!」
卯月「そうですよ!」
ちひろ「良かったですね、お疲れ様です♪」
ちひろ「それで、プロデューサーさんはどうしたんです?」
美嘉「あっ、多分ちょっとまだ会場の方に…」
ちひろ「そうなんですか」
130:
卯月「それで、なんでまだ衣装着てるの?」
凛「!」
凛「そうだよ、それにそのコートは…?」
美嘉「ちょっと手違いで荷物持ってかれちゃってね…」
美嘉「それでプロデューサーはまだ向こうにいるんだ」
ちひろ「そうだったんですか」
美嘉「で、アタシは疲れてるだろうからって先に帰してくれたんだ」
未央「おっ、出来る男だね?」
美嘉「だよね?★このコートも『寒いから着てけ』って」
美嘉「うんうん、気配りできる男はいいねー」
凛(なるほどね…)
131:
ちひろ「ともかく寒いでしょ?シャワー浴びて着替えたら?」
卯月「そしたら私ジャージ貸しますよ!」
美嘉「ありがとー★じゃあそうしようかな」
美嘉「…あ、それじゃ。凛?」
凛「え?」
美嘉「このプロデューサーのコート、ハンガーかけといて」
凛「へ?あ、うん。わかった。」
美嘉「変なことしちゃダメだよ??」
凛「しないよ!」
美嘉「あはは。じゃあまた後でね?」
132:
凛「全く…」
凛「…」
卯月「うん?凛ちゃんどうしたの?」
凛(ふむ、コートか…これは使える…かな?)
卯月「凛ちゃーん」
未央「そっとしときなって…」
美嘉「上がりましたー。卯月、ジャージありがとね」
卯月「いえいえ」
未央「プロデューサーまだぁ?」
ちひろ「さぁ、私には何とも…」
133:
ドア「ガチャ」
凛「ん?」
P「ただ今戻りましたー」
ちひろ「お疲れ様です」
P「ちひろさん、お疲れ様です。美嘉ー、荷物これでいいのかー?」
P「ってなんだ、皆いたのか」
未央「なんだって酷いなぁ。待っててあげたのに」
P「待ってたって俺をか?」
未央「プロデューサーが帰ってこないとみかねえと帰れないからね」
P「やっぱり俺じゃないじゃないか」
134:
卯月「プロデューサーさん、お疲れ様です」
P「おーおー、卯月は未央と違って優しいなぁ」
凛「お疲れ様」
P「うんうん、凛も優しい。冷たいのは未央だけだな」
未央「あー、ひどーい!」
美嘉「プロデューサー、荷物これで大丈夫だったよ」
P「そうか、良かったよ。じゃあ疲れたろうし、今日は帰っていいぞ」
P「今日の総括はまた後日やろう」
美嘉「はーい」
P「凛達もライブの話聞きたくて残ってたんだろ?美嘉から話聞いたか?」
凛「うん、大体聞いたよ」
P「そうか。いやー、なかなか良かったよ。これからが楽しみだよ」
美嘉「うん、任しといて★」
135:
P「頼むぞー。あっ、ところで明日の夕方以降って皆空いてるか?ちひろさんもです」
ちひろ「私は大丈夫ですよ」
卯月「大丈夫です!」
未央「大丈夫だよ?」
美嘉「私も?」
凛「私も空いてるよ」
P「おーし、じゃあ美嘉のデビュー祝いにどっかに飯食いに行こう。未央、美嘉と店決めておいてくれ」
未央「へ、私が決めていいの?」
P「今回は美嘉のための食事会だからな。若者が決めてくれ」
P「ただし!あんまり高くないとこな。そういうの知ってそうだから未央を指名したんだ」
未央「はーい」
136:
P「凛は明日衣装合わせだからな。夕方から行って、そのまま向かおう」
凛「ん、わかった」
P「よし。んじゃ今日は解散!暗いから気をつけて帰れよ」
美嘉「うん、それじゃあお疲れ様でした?」
卯月「お疲れさまです!」
未央「お先?」
凛「それじゃあね。ちひろさん、お先に失礼します」ガチャ
ちひろ「はい、気をつけて帰ってくださいね」
137:
P「ふぅ、アイドルがいなくなると急に静かになりますね」
ちひろ「そうですね…」
P「美嘉も凄い良かったですし、これから売り込みかけなきゃな…」
ちひろ「そしたらどうです?このスタミナドリンク…」
P「い、いえ、まだ大丈夫です」
P「でも明日の夕方までに仕事終わらせなきゃですし、忙しくなりそうですね」
ちひろ「そうですね、頑張らなきゃ。書類はいっぱいありますよー」ドサッ
P「書類かぁ…今腕痛いのに…」
ちひろ「え?怪我でもしたんですか?」
138:
P「いえ、サイリウムを振りすぎまして…」
ちひろ「へ?サイリウム?」
P「い、いえ…」
P(やべっ…)
ちひろ「今日は仕事とかいってサボってたんですか?」
P「や、えっと…美嘉のプロデューサーとして場を盛り上げようと…」
ちひろ「それで腕が痛い、と」
P「はい…」
ちひろ「何してるんですか、本当に…」ハァ
151:
?日曜日?
凛「おはようございます」ガチャ
P「おっ、おはよう」
ちひろ「おはようございます」
P「早だが、荷物置いて準備できたら衣装合わせ行くぞ?」
凛「うん、すぐ準備するから」
ちひろ「今度は凛ちゃんのライブですね」
P「そうですね。本人も気合入ってるみたいだし、きっと上手くいきますよ」
ちひろ「ふふ、楽しみですね」
P「えぇ、俺としても楽しみです」
152:
凛「お待たせ」
P「よし、じゃあ行くか」
ちひろ「いってらっしゃい」
凛「はい、いってきます」ガチャ
P「今日頼んだデザイナーさんは結構売れてる人でな」テクテク
凛「そうなの?」テクテク
P「あぁ。ちょっとツテで紹介してもらったんだけど、評判良いみたいだ」
凛「ふ?ん、よくそんな人が私の衣装作ってくれたね?」
P「うん。凛のPV送ったら、気に入ってくれたみたいでな。次のライブの衣装作ってくれるって。」
凛「そうなんだ」
153:
P「もちろん俺もプロデューサーである以上、多少は口出ししたがな」
P「凛のイメージとかあるわけだし。でもなかなか良いものだと思うぞ」
凛「あれ、プロデューサーはもうどんな衣装か知ってるの?」
P「そりゃ何度か打ち合わせしてるからな。下絵とかは見せてもらってるし」
凛「なるほど。ちょっと楽しみかな」
凛(プロデューサーが企画してGO出した衣装、とね)
凛(これは注目だね)
154:
P「おっ、ここだここだ」スッ
P「すいません、予約していたPですけど…」
受付「はい、どうぞ。あちらをお使いください」
P「はい、ありがとうございます」
P「えっと、もう届いてるはずなんだが…」ガサガサ
凛「…」ワクワク
P「あー、あった、やっと見つけた」
155:
P「やっぱり凛には落ち着いた色が似合うと思ったからシックな色をメインにだな…」
P「ゴシックな感じを取り入れて…ってそんな話はどうでもいいな」
P「ともかく向こうで一度袖通してきてくれ」
凛「うん!」タタッ
P「随分と元気いいな。新しい衣装ってだけなのに」
P「まぁ凛も女の子ってことか。落ち着いてるけどまだ15だしな」
凛(これがプロデューサーが選んだ衣装…)
凛(うんうん、色は悪くないね。私の好みにピッタリ)
凛(さて、では着てみましょうか)スッ
156:
凛(ふむふむ。前はこんな感じか)
凛(で、後ろはこんな感じ…と)
凛(……)
P(試着室から凛がなかなか帰ってこない)
P「おーい、凛ー、まだかー?」
凛「…うん、今そっちいくよ」
P(ん…?)
凛「…どう?」
P「おー、俺は凄く良いと思うぞ。うん、イメージ通り」
凛「そう」
P(凛のテンションが低い…)
157:
P「えっと、何か気になるところは無いか?」
P「きつくて動きにくいとか、ここがほつれてるとか」
凛「うぅん、それは無いよ。確認したけど、ダンスしても大丈夫そう」
P「そうか」
凛「…」
P「えーっと、他に何かないか?まだ期間に余裕あるし、何かあれば伝えておくけど」
凛「…エロくない」ボソッ
P「はっ?」
凛「…なんでもない」
158:
P「んと、じゃあ特に問題なしってことでいいか?」
凛「うん」
P「じ、じゃあ帰ろうか」
凛「うん」
P「…」テクテク
凛「…」テクテク
P(うぅ、なんか空気が重い…)
凛「…ねぇ、プロデューサー」
P「へっ?あ、うん、なんだ?」
凛「私って魅力無い?」
P「はっ?」
159:
P(えっ、なんなのこれ?どう答えるのが正解なの?)
P(さっきはエロとか言ってたし…え?そういうのが着たいの?)
P「なぁ、凛」
凛「うん」
P「美嘉みたいな衣装が着たいのか?」
凛「へ?」
P「だから、あぁいう…露出が多目というか…」
凛(私が…美嘉の…)
凛(……)モウソウチュウ
凛「っ、むっ、無理かな」
160:
P「本当か?あれだったらデザイナーさんに話通して少しは考えるけど…」
凛「いやっ、本当にいいよ!私どうかしてた!」
P「そうか?本当だな?」
凛「うん、もう二度と言わない」
P「そうか…」
P「いや、良かったよ。そういうの着たいとか言い始めたらどうしようかと思った」
凛「ダメって言えばいいじゃん」
P「いや、でも本人がやりたいことを出来るだけやらせてあげたいだろ?」
161:
P「でも俺のイメージとは違うし…凛が人前で過剰に肌晒すとか耐えられないし…」
凛(ん…?)
P「いや、本当に良かった。うん、良かった」
凛「わ、悪かったってば。気の迷いだよ、気の迷い」
P「そうか。じゃあ行こう」
凛「うん」
凛「?♪」テクテク
162:
?一方その頃@事務所?
未央「あっ、ここ!ここでどーよ!」
美嘉「いいかもね。個室だし、少しくらい騒いでも大丈夫そうだし★」
ちひろ「じゃあちょっと空いてるかどうか確認してみますね」プルルル
ちひろ「予約をお願いしたいんですけども…」
ちひろ「はい、6時から6人で…」
ちひろ「そうですか。じゃあお願いします」ガチャ
ちひろ「大丈夫だそうです」
未央「やったぁ!」
163:
美嘉「もういい時間だね?。プロデューサーはまだ帰ってこないの?」
ちひろ「そうですね、もうそろそろ帰ってくると思うんですが…」
卯月「あっ、じゃあ凛ちゃん達を迎えに行ってそのまま行きましょう!」
未央「おっ、それはいいねぇ」
美嘉「ちひろさんお仕事のほうは大丈夫?」
ちひろ「えぇ、卯月ちゃんが手伝ってくれたおかげでほとんど終わりました」
卯月「頑張りました!」
164:
未央「じゃあしぶりんとプロデューサーを迎えに行こ?」
美嘉「お?★」
ちひろ「忘れ物はないですか??」
卯月「はいっ」
ちひろ「鍵を閉めてっと…」
ちひろ「じゃあ皆で迎えに行きましょうか♪」
165:
P「最近日が落ちると寒くなってきたよな…凛、寒くないか?」
凛「うん、別n…」
凛(…!!)
P「どうした?」
凛「いや、うん。凄い寒い。今日家出るときはもっと暖かくなると思ったんだけどなー」
P「おいおい、風邪引いたりしたら大変だから体調管理はしっかりしろよ?」
凛「うん…」
凛(あれ?それだけ?)
P「まぁ今さらか。このコート着とけ」
166:
凛(よしっ)
凛「うん、ありが…」
凛(待って?私これから一回事務所戻って美嘉達とご飯食べに行くんだよね?)
凛(そこに私がプロデューサーのコート着てったら明らかに色々バレバレじゃん…)
凛「…やっぱりそんな寒くないし、いいや」
P「そうか…」
P「…」
凛「…」
凛(急にプロデューサーが暗くなっちゃった…)
167:
凛「ね、ねぇプロデューサーどうしたの?」
P「なぁ凛…正直に答えて欲しいんだけど…」
凛「な、なに?」
P「俺さぁ…臭う?」
凛「…」
凛「…は?」
168:
P「いや、だって寒いのにコートいらないっていうからさ…」
P「やっぱ俺ももう20代後半だしそういうの気にした方がいいのかな…」
凛「い、いや…」
P「こんなこと聞くのもどうかとは思ったんだけど、自分じゃ気づかないものだしさ…」
P「ほら、仕事的にも人と接すること多いしさ、そうなら気をつけた方がいいかなって…」
凛「そ、そういうつもりじゃ…」
P「いや、ごめんな。そんなこと直接言えるわけないよな」
169:
P「うん、ごめん。今度から毎日ファブリーズするし、気をつけるから」
P「あっ、少し離れて歩くな」スッ
凛「だから違うって…!」
P「あぁ、そういえばこの前このコート美嘉にも貸したんだったな…」
P「そういえば美嘉も貸したとき微妙な顔してたな…」
P「そうか…美嘉にも悪いことしたな…嫌われてなきゃいいんだけど…」
171:
卯月「あっ、あれ凛ちゃんじゃないですか?」
ちひろ「そうみたいですね」
美嘉「卯月は目がいいね?」
卯月「でもこっちに全然気がついてないみたいですね」
ちひろ「まぁこの距離ですからね…」
未央「いや?でも仲良さそうで…ん?」
ちひろ「プロデューサーさんが凛ちゃんから離れようとしてる…?」
美嘉「言い争ってる…?」
173:
凛「あー、もうわかった!ほらコート貸して!」
P「いや…」
凛「あーまどろっこしい!」バッ
ちひろ(凛ちゃんがプロデューサーさんからコートを奪い取った…?)
凛「ほら!別に大丈夫だって!」スンスン
卯月「」
未央「」
美嘉「」
凛「あー寒い!凄く寒い!だからコレ借りるね」バサッ
ちひろ「」
175:
P「あ、いや…その…」
凛「何?返せって言っても返さないからね」
P「なんか…ごめんな」
凛「全く…人の話聞かないんだから」
P「いや、ごめん。でも仕事的に気にすべきかなって…」
凛「気にすべきだとは思うけど…気にしすぎだよ」
P「うん。でもやっぱり自分じゃ気づけないじゃん」
凛「だから大丈夫だって」
P「うん、わかった。ありがとな、凛」
176:
P「ん?あれちひろさんたちじゃないか?」
凛「あっ、ホントだ。迎えに来てくれたのかな?」フリフリ
未央「ね、ねぇ…しぶりん手振ってるよ…」
美嘉「今の気づいてないと思ってるのかな…?」
卯月「私達はどうするべきなんでしょうか…」
ちひろ「知らないふり!知らないふりをしましょう!」
未央「そうだね、これからしぶりんと上手くやっていくためにも…」
美嘉「あんな凛見たくなかったよ…」
卯月「…」
ちひろ「とりあえず今は普通に振舞いましょう!普通に!」
177:
P「ちひろさんお疲れ様です。迎えに来てくれたんですか?」
ちひろ「あ、は、はい」
凛「未央たちもありがとね」
未央「うん…」
卯月「…」
美嘉「…」
凛(…?)
美嘉「あっ、そうそう!場所決めたからこのまま向かいましょ?★」
卯月「そ、そうですね!」
未央「…」
179:
ちひろさん「…プロデューサーさん、大丈夫でしたか?」
P「えっ?はい、大丈夫でしたよ」
P「あっ、でも迎えに来てくれてありがとうございました。嬉しかったです」
ちひろ「いえ…」
ちひろ(やっぱり、ツラいのを我慢してたんですね…)ホロリ
未央「…」テクテク
卯月「…」テクテク
凛(会話が全くない…)
180:
凛「あのs…」
美嘉「あっ、ここだよ?」
P「おー、ここか。なかなかセンスいいじゃないか」
未央「私とみかねえで選んだからね」
ちひろ「私の名前で予約してあるのでどんどん入っちゃってください♪」
P「よーし、何でも頼んでいいからなー。…高いのじゃない限り」
未央「そ、そうだね…」
P「どうしたんだよ、未央。甲斐性なしーとかくらい言うかと思ったのに」
未央「いや、私もプロデューサーが苦労してるの知っちゃったからね、うん」
P「…?まぁそんなに遠慮しなくていいからな」
181:
ちひろ「皆さん飲み物は何にします?」
P「とりあえず烏龍茶でいいんじゃないですかね?」
卯月「あっ、私オレンジシュースでお願いします」
ちひろ「じゃあ烏龍茶5、オレンジジュース1で…」
凛「今日はちひろさんお酒飲まないんですか?」
ちひろ「えっ?う、うん。終わったら事務所戻るつもりですし」
凛「そっか、まだ仕事が…ありがとうございます、私達のために」
ちひろ「いえ…」
凛(なんか皆よそよそしい…)
182:
店員「お待たせしました?」
P「おっ、きたきた」
P「皆グラス持ったな?えー、じゃあ今日は美嘉のデビュー記念だ。」
P「今さらだが事務所に新しい仲間が加わったってことで仲良くやっていこう。今日は好きに飲み食いして楽しんでくれ」
P「それじゃあ、かんぱーい」
ちひろ達「かんぱーい」
P「…」
ちひろ「…」
凛「…」
未央「…」
美嘉「…」
卯月「…」
P(なんぞこれ…全く盛り上がらない…)
183:
P「あ、あー、俺ちょっとトイレ行ってくるな」スクッ
美嘉「…」
凛「ねぇ…なんかあったの、これ?」
ちひろ「い、いえっ、何も…」
未央「うんうん」
凛「私隠し事されるのが1番嫌いなんだけど」
ちひろ「…」
卯月「…私もやっぱりハッキリ言ってあげた方が良いと思うんです」
凛「そうだよ。何なの?」
未央「…じゃあ私から言うよ。あのね…」
ちひろ「待って、未央ちゃん。こういうのは年長者の私が言うべきだと思うんです」
184:
ちひろ「凛ちゃん…」
凛「はぁ…」
ちひろ「私は凛ちゃんがどんな趣味であってもいいんだけどね?ほら、やっぱり凛ちゃんはアイドルだから」
凛「はぁ…」
ちひろ「ほら、最近凛ちゃんも人気出てきてさ、どこで誰が見てるかわからないし」
凛「…」
ちひろ「私は凛ちゃんがどんな趣味でも気にしないけど、あんまり外でしない方がいいかなーって」
凛「よくわかんないんだけど、私が何したっていうの?」
ちひろ「えっと…人の服の匂い嗅いだりとか…」
凛「はぁ?!するわけないじゃん」
185:
美嘉「や、今日プロデューサーのコート奪い取って匂い嗅いでたじゃん…」
未央「ごめんね、しぶりん。今日迎えに行ったときに見ちゃったんだ」
卯月「でもでも!凛ちゃんと私たちは何があっても親友ですから!」
凛「ちょ、ちょっと待って。頭が痛くなってきた…」
未央「もういいんだってしぶりん!私たちにまで隠さないでよっ!」
凛「何も隠してないよ!」
ちひろ「ね、凛ちゃん。知っておけば私たちだって隠しようがあるから…」
凛「だーかーらー!」ギャーギャー
186:
P「ただいま…って何だ、盛り上がってるじゃん」
凛「あっ、プロデューサー!ちょっと聞いて。ちひろさんったら酷いんだよ?」
ちひろ「えっ、私ですか?」
凛「なんかよくわかんない誤解されてるみたいだからプロデューサーも誤解解くの協力してよ…」
P「はぁ…」
美嘉「えっ誤解なの?」
未央「無理しないでってば…」
凛「だから話を聞いてって…」
187:
?しばらくして?
未央「なるほどね?、そんな理由がねぇ…」
美嘉「よかったぁ?、アタシこれからどうやって接していこうかと思ったよ?」
卯月「よかったです!」
凛「アンタ達ねぇ…」
未央「だってあんな場面見たらねぇ?」
美嘉「ねぇ?」
卯月「でも凛ちゃんはやっぱり優しい人だなって」
凛「私これから卯月とだけ付き合うようにしよっかな…」
未央「あぁ?、ごめんってば!」
188:
時計「ピピピ」
P「ん、もう時間か。よーし、お前達騒いでないで帰るぞー」
ちひろ「そうですね」
未央「はーい」
P「んじゃ、お疲れ様。寒いし暗いから気をつけて帰れよ」
凛「はぁ…ともかくわけわかんない誤解が解けてよかった…」
未央「ごめんねってば?。ね、一緒に帰ろ?」
凛「やだ。卯月と帰る」
未央「あぁ?、しぶりんがイジめるぅ?」
189:
美嘉「あっ」
P「どうした?」
美嘉「多分事務所に忘れ物しちゃった…」
P「大事なものなのか?」
美嘉「学生証だから無いとマズイかな」
P「じゃあしょうがない。ちひろさんと3人で事務所戻るか」
ちひろ「そうですね」
P「じゃあ凛たちは気をつけて帰れよ」
美嘉「じゃあね?★」
ちひろ「お疲れ様でした」
卯月「お疲れ様でした!じゃあ凛ちゃん帰ろっか」
凛「うん、また明日」
未央「あぁっ、ホントに置いてかないでよ!」
198:
P「仲良いなぁ、あいつら」
ちひろ「そうですね」
P「仲良きことは美しきことかなってやつか。よし、美嘉戻るぞ」
美嘉「はーい★」
ちひろ「もうすっかり冬ですねぇ…」
P「そうですね、最近まで暖かかった気がするのに…」
P「美嘉も気をつけろよ。最近風邪はやってるらしいからな」
199:
美嘉「大丈夫だよ。あっ、それよりさ、プロデューサー」
P「ん、どした?」
美嘉「うちの事務所ってアイドル候補募集してないの?」
P「ん?まぁ出来れば少しずつ増やしてきたいとは思ってるけど…」
美嘉「いい子紹介してあげよっか?」
P「ホントか?!あー、うん、でも見てみないと何とも言えないし安請け合いはできないな…」
美嘉「写メならあるよ?」
P「そうか。じゃあ見せてくれるか?」
201:
P「そうか。じゃあ見せてくれるか?」
美嘉「うん。コレなんだけど…」ピッ
P「…」
美嘉「妹の莉嘉なんだけど。アタシが言うのもなんだけど可愛いっしょ?」
P「…」
美嘉「プロデューサー?」
P「…いい」
美嘉「へ?」
P「ちょっと何でもっと早く教えてくれなかったんだよ?。うん、凄い良い」
202:
美嘉「そ、そう…」
P「今いくつなんだ?」
美嘉「12歳の中学生だけど…」
P「なるほど、なるほど」
P「で、本人にやる気はあるのか?」
美嘉「うん。私がお仕事の話とか聞かせてたら、自分もやりたいって」
P「完璧じゃないか。うんうん、一応話してみないとわかんないけど、是非うちに来て欲しいな」
P「いつなら事務所これるかな?」
203:
美嘉「ん?、最近暗くなるの早いからね…アタシが一緒に行ければいいんだけど、しばらく出先の仕事多いし…」
P「そうだったな。あー、じゃあうん、俺が行くわ」
美嘉「へ?」
P「俺から会いに行くよ。学校近くのファミレスかなんかに呼んでくれるか?」
美嘉「随分と乗り気だね…まぁいいけど、いつがいいの?」
P「できれば仕事の空き的に明日がいいんだが…」
美嘉「き、急だね。まぁ大丈夫だと思うけど」
P「善は急げって言うしな。いや?、凄いやる気出てきた。」
P「あ?、早く明日にならないかな?」
美嘉「…」
204:
P「ところで美嘉の学生証の写真ってどんなんなんだ?」
美嘉「へ?」
P「やっぱかっこいいの?あとで見せてよ」
美嘉「いーや!ぜっったいに見たらダメだからね?!」
P「えー、いいじゃん。何?そんな見せられないようなの?」
美嘉「いや、だって願書出した時のだし…」
美嘉「…とにかく絶対ダメだから!先帰って回収しなきゃ!」ダッ
P「あっ、バカ!先行っても鍵持ってないだろ」ダッ
ちひろ「2人とも、暗いのに走ると転んで怪我しちゃいますよ??」
205:
P「…結局見せてもらえなかった」
美嘉「ふんっ」
ちひろ「うふふ」
P「まぁいいや。よし、美嘉帰るぞ。暗いし送ってってやる」
美嘉「へ?仕事あるんじゃないの?」
P「美嘉をこんな暗い中帰したんじゃ心配で仕事が手につかないから、どっちでもかわんないよ」
P「じゃあすみません、ちひろさん。お先に失礼します。その分明日早く来るんで」
ちひろ「はい、わかりました。私の方で出来るところまではやっておくので」
P「すみません。よろしくお願いします」
P「よしっ、じゃあ帰るぞ!」
206:
?次の日@事務所?
P(うげ…書類終わるかな…)
凛「おはようございます」
P「おう、おはよう」
P「あれ?今日って凛仕事あったっけ?」
凛「うぅん。今日は未央から借りてた雑誌を返しに来ただけ」
P「あぁ、そうなのか。未央は今日はレッスンだから6時ごろには戻ってくるだろ」
凛「うん、それまで事務所で宿題しながら待ってるよ」
208:
P「宿題か…今はいないけどちひろさん数学は得意みたいだぞ?」
凛「へー。プロデューサーは何が得意なの?」
P「…体育?」
凛「役に立たないね…」
P「まぁ英語なら多少はできるかな。いざとなったら聞いてくれ」
凛「うん、まぁ大丈夫だと思うよ」
P「ん、じゃあ俺は書類片付けちゃうな」
凛「…」カキカキ
P「…」カキカキ
209:
凛(ふぅ。大体終わったし少し休憩しようかな)
P「…」
凛(プロデューサーはまだ忙しいみたいだし、お茶くらい淹れてあげよっか)
凛「プロデューサー?」
P「ん?」
凛「結構大変そうだね、お茶淹れたから少し休んだら?」
P「あー、じゃあそうするか。ありがとな」
P「あ、凛今何時かわかるか?」
凛「今?えっと、3時半だね」
P「そっか、じゃあどうにか間に合うかな」
凛(ん…?)
210:
P「凛の方は宿題大丈夫か?」
凛「うん、今のところ大丈夫だよ」
P「そうか、仕事も忙しいとは思うけど学業も疎かにするなよ?」
凛「大丈夫だって。ちゃんと予復習はしてるし」
P「さすがだな。俺が高校生の頃なんて部活するか遊びまわってたかのどっちかだったけど」
凛「ふふ、それなのに私に勉強しろとか言っちゃうの?」
P「まぁ自分の経験からの反省ってとこだな。あんまり成績悪いと俺も親御さんに怒られちゃうし」
P「よっし、じゃあ休憩終了かな。お互い頑張ろう」
凛「うん」
211:
凛「…」カキカキ
P「…」カキカキ
凛(あ、これで終わりか。プロデューサーは…まだ忙しいみたいだし、雑誌でも読んでようかな)
P「…」カキカキ
凛「…」ヨミヨミ
P「…凛?」
凛「ん、どうしたの?」
P「今何時だ?」
凛「ん?4時だよ」
P「そうか…」
212:
P「…」カキカキ
P「終わったー!」
凛「わっ、急に大声ださないでよ。まぁともかくお疲れ様」
P「いやー、よかった。終わらないかと思った…」ヨロヨロ
凛「大変だね…って大丈夫?凄い疲れた顔してるよ?」
P「む、そんな酷いか?」
凛「うん」
P「そうか…まぁ顔洗ってくるわ」
213:
P「ふぅ…あー、目が痛い…」チョイチョイ
凛「何?そんな髪いじってかっこつけちゃって」
P「ん?まぁちょっとな。あ、今何時?」
凛「4時15分だけど…」
P「おー、マジか。あんま時間無いな」
凛「さっきからずっと時間気にしてるけど何かあるの?」
P「あぁ、ちょっと待ち合わせしててな」
凛「そうなんだ。打ち合わせ?」
P「いや、美嘉に紹介してもらった子なんだけどな」
凛「…」
凛「は…?」
214:
P「だから会いに行く前に仕事終わらせときたくって。やっぱ仕事残したままだと気になっちゃうし」
凛「…」
P「そういうのない?宿題残ってるのに仕事行かなきゃ…!みたいな」
凛「え、う、うん、わかるけど…」
P「俺そういうの気にしちゃうタイプなんだよね。昔はそんな事なかったのになぁ」
凛「…そ、そんなことよりさ、何度も会ってるの?」
P「いや、今日が初めてだよ」
凛「そうなんだ…」
P「いやー、俺も美嘉から写メ見せてもらっただけなんだけどな?」
P「やばいよ、超可愛い」
凛「」
215:
P「やっぱりこういうのって第一印象大事だよな?」
P「あー、でも凛に疲れた顔してるとかいわれちゃったしな…スタドリでも飲んでこうかな」
凛「…いや、いいんじゃない?」
P「ん?」
凛「ほら、無理して最初からビシってきめてっても後々ボロが出ちゃうよ?」
凛「それだったら、最初から素の自分を見せてった方がいいんじゃないかな、うん。」
P「そうかな?」
凛「そうだって。少なくとも私はそう思うよ?」
P「そっか。んじゃまぁ、普通に行くか」
凛(よし…)
216:
P「で、どうかな?何か変なとこない?」
凛「…ちょっとネクタイ緩いんじゃない?」
P「そうか?」
凛「うん、締めてあげる」
P「おっ、いいのか?いやー、凛にネクタイ締めてもらえるなんて…」
凛「…」キュッ
P「ぐえっ。ちょ、ちょっと優しくやってくれよ」
凛「ふんっ」
218:
P「まぁともかくこれでオッケーかな。じゃあ行ってくる」
P「よーし、一発で決めるぞー」
凛「…」
P「…ここだけの話なんだけどな?」
凛「何?」
P「いやー、向こうも結構こっちに興味持ってるみたいでさ」
P「ヘマしなきゃいけると思うんだよね、うん」
凛「」
P「凛も楽しみにしててくれ」
凛(何を楽しみにしろって言うのさ…)
219:
凛「…ねぇ、プロデューサー?」
P「おう、どうした?」
凛「その子…私より可愛いの?」
P「ん?うーん…まぁそうだな」
凛「」
P「凛は可愛い系じゃないし。凛は綺麗系だろ」
凛「プロデューサーは可愛い系が好きなの?」
P「俺?うーん、どうだろ…どっちも好き!…とか?」アハハ
P「あ!もう時間無いや。じゃあ行ってくるわ!」
凛「…」
220:
凛「…」
凛「…やっぱりこのままってわけにはいかないよね」
凛「えっと、それじゃ未央には置手紙を…」
凛「急用が入ったので先に帰ります…と」
凛「よし、そしたら早く追いかけなきゃ。見失っちゃう」
232:
P「…」テクテク
凛「…」テクテク
P「あっ」
凛「」ビクッ
P「何も持たずにきちゃった。何か持ってった方が良かったかなぁ…」ブツブツ
凛(よし、慣れてはいないようだね…)
P「…あ、ここか」ウイーン
凛(歩いてこれる距離で良かった)
233:
P「えっと、どこにいるのかな…」
凛(どの子なのかな…この子?それともあの子?)
莉嘉「あー!Pくんこっちこっち!」
凛「?!」
P「あ、あぁ、どうも初めまして…」
凛(子供じゃん…!)
凛(え?プロデューサーあぁいう子が好みなの?)
P「?」
莉嘉「?」
凛(ダメだ、聞こえない…)
234:
莉嘉「やっほー☆こんにちは」
P「こんにちは。君が城ヶ崎莉嘉ちゃん?」
莉嘉「そだよ♪莉嘉って呼んでね」
P「じゃあ莉嘉ちゃん今日はよろしく。お姉ちゃんと一緒に働いてるPです」
莉嘉「知ってるよ!Pくんだよね!」
P(ぴ、Pくん…?)
P「ところで何で俺の本名…」
莉嘉「お姉ちゃんが教えてくれたんだ☆」
莉嘉「お姉ちゃんいっつも私にPくんの話してくるから…」
P「そうか…」
P(まぁいいか)
235:
?@事務所?
未央「たっだいま戻りましたー」
ちひろ「お帰りなさい」
未央「あれ、ちひろさんだけ?しぶりんいません?」
ちひろ「私が帰ってきたときには誰もいませんでしたけど…」
未央「ありゃ、しぶりんまだ来てないのかな?」
未央「あ、置手紙…」
未央「ちひろさん、もう帰ったみたいです」
ちひろ「そうなんですか」
未央「ぶー、しぶりんと一緒に帰ろうと思ったのに…」
未央「まだ近くにいるかな?電話してみよっと」
236:
電話「プルルル」
凛「未央からだ。もしもし」
未央「あ、もしもし、しぶりん?今どこにいるの?」
凛「えっと、××の前にいるんだけど…」
未央「なんだ、近いじゃん。戻ってこないの?一緒に帰ろうよ!」
凛「それがね、プロデューサーが女の子といること見つけちゃって…」
未央「えっ、うそうそ?!今も一緒にいるの?」
凛「うん」
未央「ちょっと何でそういう面白いこと教えてくれないかな?」
未央「待ってて、すぐ行く」
凛「えっ、ちょっ」ツーツー
237:
未央「ちひろさーん、ちょっと出かけてきますね」
ちひろ「あれ、どこに行くんですか?」
未央「それがプロデューサーが××で女の子とデートしてるらしくって…」
ちひろ「え?」
未央「だからちょっと見てきます」
ちひろ「あの人はまだ仕事終わってないっていうのに…」
ちひろ「あ、書類終わってる」
ちひろ「で、でもやっぱり就業時間中に許せませんよね、うん。未央ちゃん、私も行きます!」
238:
P「それで莉嘉ちゃん、アイドルの話なんだけど、本当にやる気あるのかな?」
莉嘉「うん☆お姉ちゃんがアイドルやるっていうからさ、アタシもって」
P「お父さんお母さんともお話はした?」
莉嘉「もちろん♪」
P「そっか。じゃああとは俺から挨拶に行くだけかな…何か聞きたいこととかあるかな?」
莉嘉「えっと、事務所の人って皆仲良いのかな?」
P「うん、皆家族みたいに仲が良いよ」
P「ところで今日おうちにお父さんお母さんいるかな?」
莉嘉「んと、今日はお仕事だからいないかな?」
239:
未央「しぶりーん!」タッタッ
凛「ば、ばか、大声出しちゃダメだよ。気づかれちゃう」
未央「え?プロデューサー中にいるんじゃないの?」
凛「そうだけど…」
ちひろ「プロデューサーさんはどこにいるんです?」
凛「あれ、ちひろさんも来たんですか。えっと、あそこに…」
未央「え、あれ相手は子供じゃない?」
凛「うん、私もビックリしちゃって…」
未央「まぁでもこんな所にいても話聞こえないじゃん。中入ろ?」スッ
凛「えっ」
ちひろ「全くあの人は…」ズンズン
凛「ま、待って、私も行く…」
240:
P「?」
莉嘉「?」
未央「よし、ここの席なら話も聞こえるね」
未央「あ?、なんかスパイみたいで楽しいな?」
凛「…」
ちひろ「いや…まさかプロデューサーさんが犯罪を…」ブツブツ
P「そうか、残念だな。親御さんがいたら挨拶に行こうと思ったんだけど…」
ちひろ「」
凛「」
未央「え?もうそういう関係なの?」
凛「今日紹介されて初めて会うって行ってたけど…」
241:
莉嘉「えー?!Pくんなら大歓迎なのに?」
凛「」
ちひろ「」
未央「おぉ、積極的。しかも名前呼び」
P「また今度改めて行くよ。そうだ、この後時間あるかな?」
莉嘉「ん?、あんまり遅くなっちゃうと怒られちゃうから…」
P「そうだね。あまり遅くならないよう注意するから一度うち(の事務所)来てみる?」
莉嘉「いいの?!行ってみたい!」
242:
未央「え、さすがにマズくない?これ」
凛「…」
ちひろ「プロデューサーさんが…」
P「うん。今の時間なら戻ってきてると思うから皆に紹介も出来るし…」
未央「しかもまさかの家族に紹介コース…」
ちひろ「」
凛「」
莉嘉「わーい!」
243:
P「じゃあ行こっか。これからよろしくね、莉嘉ちゃん」
莉嘉「あっ、アタシのことは莉嘉って呼んでほしいな」
莉嘉「もうアタシJCだし、子供じゃないんだから!」
P「そうだね。じゃあよろしく、莉嘉」
莉嘉「JCのアタシに色々とやりたい放題なPくんは幸せモノなんだよ!?」
P「はは、そうかもな」テクテク
莉嘉「アタシのコト大事にしないと八つ裂きにしちゃうからね☆」テクテク
247:
未央「なんか最後にもの凄く不穏な会話が聞こえた気が…」
凛「どうしよう…」
ちひろ「さ、さすがに放置するわけにも…」
ちひろ「と、ともかく後を尾けましょう。プロデューサーさんも荷物取りに事務所戻るでしょうから」
P「お姉ちゃんとは仲良いの?」
莉嘉「うん☆でも前はよく一緒に遊んでたんだけど最近は忙しいみたいで…」
P「そっか、俺がスカウトしたから…」
莉嘉「だから私もアイドルになったらもっと一緒にいれるかなって☆」
P「なるほど」
莉嘉「あ、でもアタシ、絶対人気アイドルになると思うよ?」
P「ふふ、そうかもな。一緒に頑張ろう」
248:
P「よし、着いたぞ、ここだ」ガチャ
P「あれ、鍵閉まってる…誰もいないのかな」カチャ
P「ちひろさーん?凛ー?」
P「ありゃ、まだ誰も戻ってないみたいだ。すぐに戻ってくるとは思うから一緒に待ってようか」
莉嘉「はーい」
ちひろ「事務所入っちゃいましたね…」
未央「どうしよっか…」
凛「中に入る勇気がない…」
249:
莉嘉「ねぇPくん、トイレってどこ?」
P「あぁ、そっちだよ」
莉嘉「ありがと?」パタパタ
美嘉「あれ?皆で何やってるの?」
未央「あっ、みかねえ!みかねえこそ何してるの?」
美嘉「え?私は卯月と仕事行ってその帰りだよ?」
卯月「お疲れ様です♪」
凛「あ、うん、お疲れ」
卯月「ここで何してるの?寒いから事務所入ろ?」カチャ
凛「あっ」
未央(しまむーが突っ込んだ!)
250:
美嘉「え?何かあったの?」
ちひろ「プロデューサーさんが事務所に女の子連れ込んで…」
美嘉「えっ、どんな子?」
凛「中学生くらいの小さい子で…」
美嘉「そ、それってマズいじゃん。止めないと…」
ちひろ「そ、そうですよね。じゃあ皆で…」ゾロゾロ
ちひろ「プロデューサー(さん)!」
P「えっ?!…なんだ、皆一緒にいたのか。どこ行ってたんです?」
251:
ちひろ「そ、そんなことより!ダメですよ、そんな小さい子に手出しちゃ!」
未央「子供に手を出すプロデューサーは逮捕だよ?!」
凛「プロデューサー、さすがにそれはダメなんじゃないかな…」
美嘉「ねぇねぇ、どんな子なの?」
P「へ?」
ちひろ「可愛いのはわかりますけど…でもプロデューサーさんが捕まったら皆路頭に迷っちゃいますよ…」
P「え?」
凛「ごめんね、私気になって後をつけちゃったの…」
P「なんだ、凛たちも見てたのか。可愛いだろ?」
252:
未央「いやー、さすがに中学生はマズいよ、中学生は…」
P「そうか?今や小学生だって珍しくないだろ」
凛「えっ…」
美嘉「えっ、プロデューサーってロリコンだったの?」
P「は?」
ちひろ「目を覚ましてください、プロデューサーさん!」
ちひろ「一緒に皆をトップアイドルにするって言ってたじゃないですかぁ!」
P「ちょ、ちょっとちひろさん揺すらないで…」ガクガク
253:
莉嘉「どうしたの?急にうるさくなって…」ガチャ
卯月「わぁー、見て見て、みんな!この子すっごく可愛い!」スリスリ
莉嘉「えっ、な、何?!あうぅ…あっ、お姉ちゃん、助けて…」
凛「お姉ちゃん?」
美嘉「り、莉嘉!アンタなんでこんなところに?!」
P「俺が連れてきたんだ。まずは事務所見てもらおうと思って」
P「ちひろさんも覚えてますよね?昨日言ってた子です」
ちひろ「え?あぁ、そういえば…」
未央「えー?プロデューサーの彼女じゃないの?」
P「は?」
254:
美嘉「ば、ばか!アタシの妹だから!」
未央「だって、しぶりんがそう言ってたから…」
P「え?」
凛「だ、だって美嘉から紹介してもらった子に会いに行く、とか言うから…」
美嘉「…」
P「…」
凛「で、でもこの前は皆が私の事勘違いしてたし…」
凛「あは、あはははは…」
ちひろ「…」
凛「…ごめんなさい」
255:
未央「ごめんね?、私も思いっきり疑ってたよ」
P「いや、いくら何でもこんな小さい子に手出さないぞ…」
莉嘉「あー!アタシはコドモじゃないってば!」
P「まぁともかく莉嘉、自己紹介してくれ」
莉嘉「城ヶ崎莉嘉だよー。お姉ちゃん共々よろしくお願いしまーす☆」
卯月「可愛い!」
未央「ねぇねぇ、お姉ちゃんって家だとどんな感じなの?」
莉嘉「えっとねー…」
美嘉「ちょっと、莉嘉!変なこと言わないでよ?!」
莉嘉「どうっしよっかな?」
卯月「私も聞きたいです!」
256:
凛「えっと…、ごめんなさい、私が早とちりしたみたいで…」
P「全く…」
ちひろ「すみません…」
P「あー、そうですよ!ちひろさんが一番俺の事疑ってた!」
ちひろ「だって未央ちゃんが…」
凛「私はプロデューサーが髪の毛いじってたりしたから、てっきり…」
P「まぁいいよ。別に害あったわけじゃないし」
P「今度親御さんと話してからにはなるけど、莉嘉もうちでアイドルすることになると思うからよろしくな?」
凛「うん、わかった。ちょっと挨拶してくるね」
257:
P「ちひろさんは莉嘉の書類作るので手伝ってください」
ちひろ「はーい」
凛「莉嘉ちゃん、こんにちは」
莉嘉「うわー、すごーい!本物の凛ちゃんだ!」
凛「ふふっ、これからよろしくね?あ、私も美嘉の話聞きたいな」
莉嘉「えっとね、お姉ちゃんは外だとかっこつけてるんだけどね…」
未央「ほうほう…」
卯月「そうなんだぁ」
美嘉「だからやめてってばー!」
258:
?後日?
凛(はぁ…)
凛(何やってるんだろうなぁ、私…)
凛(まぁ冷静に考えてプロデューサーがあんな小さい子に手出すわけないよね…)
凛(プロデューサーもあんまり怒ってなかったみたいだし、良かった)
凛(あー、もうとにかく切り替え!もう事務所着いちゃうし!)
凛(お仕事なんだから集中しなきゃ!よし!)
凛「おはようござ…」ガチャ
259:
莉嘉「ねぇねぇPくん、アタシまだまだ遊び足りないよっ♪」
P「今は仕事中だからまた後でな?」
莉嘉「ぶ?」
莉嘉「じゃあさ、じゃあさ、Pくんって…どんな人が好きなの?」
P「ん?、ちゃんと仕事してくれるアイドルかな?」
莉嘉「あー!そういうのはズルいよー!」
260:
P「まぁまずは大人にならなきゃな?」ナデナデ
莉嘉「じゃあアタシ、すぐオトナになってPくんに追いついちゃうんだから」
莉嘉「待っててくれなきゃ噛み付いちゃうからねっ☆」
P「ははっ、そりゃ怖いな。でも莉嘉が大人になったら凄い美人さんになりそうだ」
莉嘉「でしょでしょー?だからPくん、待っててね☆」
凛(…)
凛(大丈夫…だよね?)
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