【閲覧注意】洒落怖傑作選『千寿江』back

【閲覧注意】洒落怖傑作選『千寿江』


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6:
わかったかな?
多分幼稚園の頃だと思う、NHK教育TVでなんか人形とおじさんが出てくる番組を見ていた。
おじさんが「どう?わかったかな?」と言ったので
TVの前で「わかんない」とつぶやいた。
するとおじさんが「そうか、わかんないか・・・」と言って
こっちを見つめたまま動かなくなった、
30秒くらい目を合わせた後怖くなって台所にいる母親のところにいった、
怖くて説明できずにエプロンにしがみついて震えていたのを覚えている。
544 :プール事故:02/06/30 00:36
プール事故
俺の母に聞いたのだが。
当時女子高に在籍していた母の水泳授業中の話。
授業が始まり、一番最初の生徒が飛込んだ所、
中央近くでぷかりと仰向けで、浮かんできた。
驚いた教員がすぐさま飛び込み助けようとした
が、教員もまたその動きを止めて浮かび上がった。
その後、二人の生徒が飛込んだが、同じ様に浮かんで
来たので、あわてて駆け付けた他の教員により、制止がはいった。
原因は、なぜか高圧電線が切れてプールにたれていた為の感電であった。
4人が死亡。飛込もうとした母は間一髪命びろいをした。
428 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 03:31:26 ID:7r++o/D1O
アスファルトの地面から・・・
昔、夜中に殺人事件現場に肝試し行って、
まぁ何も出んなぁ?みたいな軽い感じで連れと騒いでたら、
足元のアスファルト地面から女がこちらを睨み上げていた。
路面から鼻から上だけをだして。
一瞬固まり、『え?』と思った瞬間には消えていた。
もちろん、すぐに帰ったが、帰りの車中で運転していた連れはバックミラー越しに、
後部座席にうなだれて座っている女の影が見えると騒ぎ出した。
149 :おさかなくわえた名無しさん :2007/03/30(金) 23:51:56 ID:c1K3k0hD
団地の配達
17か18年前の話。
中学生の分際で朝刊を配る新聞配達のバイトしてたんだけど、
その時に配達を任されてた場所が、大きな団地1棟とその周りだけだった。
その大きな団地で起きた体験なんだけど・・・
その大きい団地はその頃の建物にしては階層が高くて地域でもかなり目立つ建物だった。
その高さのせいかその団地で何度か飛び降り自殺があってね。
そんな事が有ったから、その団地にはお約束の様に色々噂が有ったんで、
その団地の担当になった時は本当に嫌で仕方がなかった。
怖さに慣れるのに1ヶ月以上掛かったけど、何とか慣れてきたときの事。
その団地の配達をする時は、まずエレベーターで一気に最上階まで行って、
そのフロアーを配り終えたら階段で1階づつ下っていく、と言う方法で配っていて、
その日もそれで配り終えた後に一つ仕事を忘れているのに気付いた。
その日はたまたま新聞と一緒に封筒を入れなければ成らない家があって、
その事を忘れていて(映画のチケットだったかな・・・預かってた)また戻るハメになった。
その家が11階だったんでエレベーターを使い、その家に封筒を入れてエレベ
ーターの所まで戻って来た時には、エレベーターは最上階で止まっていた。
普段は下りで乗る事は無いけど、その時はもちろんエレベーターを使おうと
少し上の最上階から降りてくるの待ってたら、1つ上の階でエレベーターが止まった。
エレベーターのスグ横に階段があるので、
誰かが上に居たら気配や音でスグわかる様な状態なのに、そのどちらも全く無かった。
エレベーターに乗り込む気配も音も、もちろんしない。
150 :おさかなくわえた名無しさん :2007/03/30(金) 23:52:33 ID:c1K3k0hD
自分は霊感とかは全く無いけど、その時はもの凄く嫌な感じがしたのは覚えている。
その後何と言うか固まってしまったと言うか、情け無いがビビりきったとでも言うのか・・・
そのエレベーターが自分が居る11階に来るまで手足に鳥肌を立たせながら動けないでいた。
そして自分の居る階でエレベーターが止まり扉が開いた。
中が見える前に髪の毛が総毛立つ様に思えたのは、あの時が初めてだと思う。
中には二人乗っていた。
オレンジ色?のレインコートの様な感じの物を来た小太りの女の人と、
その子供らしき、同じくレインコート(ピンク色)を着ている女の子が、
手を繋いでこちらに背を向けて立って居た。
扉が開いて閉まるまでの間、10?20秒程度だったと思うけど、
自分には永遠の時間の様に長く感じた・・・
その間二人は全くこちらを見ないし、ピクリとも動かなかった。
それが生きてた人で有ろうと無かろうと、もう自分には関係無かった。
(怖かったけど階段で降りて)戻って即効ヤメる事を告げて制止も聞かずに家に帰ってしまった。
後で他の配達員に聞いたら、自分と同じ体験をした人は居なかった様だけど
変な者、変な声を聞いたとかでヤメて行った人は結構居たみたい
77:
蟹風呂
まあ聞いてくれ。
俺は霊感とかそういうのは持ち合わせちゃいない。
だけど恐怖と言う意味では、幽霊なんぞよりもよっぽど恐ろしいモンがある。
昔、小さい印刷会社みたいなとこで働いてた。
ホントに酷い会社で、筋モンの作る偽物の株券とか、政治団体の中傷ビラとか、
法律にひっかかる様なことをフツーにしてた。
でも悪い事ばっかじゃないのもあった。
小学生の女の子が親と一緒に来た。
猫を探すために持って来た手書きで書いた紙。
コレをたくさん印刷して欲しいって。
ぶっちゃけ個人の依頼なんざ受けてないし、「コンビニでコピーした方がよっぽど安上がりだ」と
わざわざ上司が教えてあげてたんだが、「貯めたお年玉全部出すから」ってきかねえんだよ、そのがきんちょ。
馬鹿だよな、こんな怪しい会社に要りもしないビラ代取られるのなんて。
でも、多分、あんときは皆一丸となったね。
この子を助けてあげようっていう何だか分からん義務感。
色々手直しして、それは立派なビラを大量に刷ってやった。
猫の写真とか借りて、手書きじゃなくてカラーに写真入印刷した。
で、納入日。
上司がその親子に頭下げんだよ。
ビビッタね。
モンモンにも絶対に引かない鬼みたいな上司だったから。
最初、何で頭下げんのか、馬鹿な俺は分かんなかった。
でも他のみんなは気付いてたと思う。
80:
「誠に申し訳ありません。プロとしてやってはいけないことをしてしまいました。原本を無くしてしまいました」
だとさ。
何言ってんだこの人、とか思ったよ。
でもその後に出た言葉が痺れたね。
「お詫びと言っては何ですが、代わりを用意しました。もちろん御代は結構です。契約不履行ですのでペナルティーとしてビラの配布も手伝います」
もちろん無くしてなんかないし、むしろ、作業室の壁際にずっと貼ってあった。
コイツなら掘られてもいいやってマジ思ったね。
ま、そん時仕事なくて、ヒマしてたってのも大きいんだがな。
ん? 猫ちゃん見つかったよ。
ちょっと離れたところにあるアパートで婆さんに餌付けされてた。
ビラのおかげか、婆さんが連絡くれたんだってよ。
まあ、そんな感じの倒産寸前のアホだらけの会社だったんだよ。
ゴメンな話逸れちまった。
そんで、こっからが怖い話なんだわ。
前置きなげーよな。
まあ男は長持ちする方がいいって言うだろ。
カンベン。
82:
当時、あるチンピラがどっかの事務所の金ちょろまかしたらしいんだよ。
まあ良くある話。
んで、風俗とかサウナとか焼肉屋とかラブホとかあっち系列の店に配るためのビラの仕事が来たんだわ。
大概は探偵とかそういうので探して見つけ出して、かっちり追い込みかけておしまい。
でも今回は人海戦術ってやつでいくらしいんだとさ。
なんでも下の奴らの忠誠度を試したいんだってよ。
ウチの会社が儲かるから事情はどうでもいいんだけどな。
最悪なのは俺とソイツがスロ仲間だったこと。
連絡先も家も知ってたんだよ。
写真見せてもらった時、ヤバイって思ったね。
マジで悪魔と天使が頭の中でケンカしたよ。
俺が一言言えばこの話はそれで終わりだ
住所と電話番号いま言えばすぐ終わる多分ボーナス出るぞ、って悪魔が言うんだよ。
いやまてそれでもお前は男か短い付き合いでも仲間は仲間だろ
台譲ってもらったりメシおごってもらったりしただろ、って天使が反論。
グダグダ頭の中で考えてる内にもう受注してたよ。
後悔ってよりも、しーらねとかそれぐらいにしか考えてなかった。
でもまあ仲間ってのは嘘じゃないって後で証明されたんだよ。
俺が仲間だと思ってるってことは向こうもそう思ってたってことだ、残念ながらな
83:
次の次の日くらいかな。
夜中にそいつが俺んち来たんだわ。
ピンポンピンポンほんとうるさくて、苛立ちながらドア開けたら、
そこにゴリラみたいないかついアイツがいやがった。
ああ、もうこの際こいつゴリラな。
で、ゴリラが事情を説明するんだけど、もうこっちは帰って欲しい気持ちで一杯。
大体俺、ゴリラ語わかんねーし。
まあ冗談は置いといて、事情勝手に話すんだよ。
ウチに上がりこんで。
すっげーありきたりな理由。借金だって。
病弱な妹がいるとか、潰れそうな施設に寄付するために必要ってんなら俺も同情したよ。
だけど、そいつは女がらみだった。
身の程知らずにも高級クラブのおねえちゃんに金貢ぎ続けて、借金しまくったんだとさ。
今更、その女に騙されたとかウホウホ言っても意味ないし。
それより早く出て行って欲しいって気持ちがデカかった。
俺がマークされてるとは思えないが、万が一ってことがある。
溺れるものは藁をも掴むって格言、誰が考えたんだろうな。
ゴリラは俺を渾身の力でガッシリ掴みやがった。
もしここから追い出してオレが捕まったら共犯者としてお前の名前出す、って脅し始めた。
マジどうすりゃいいんだよ。
今になって思い出すと、さっさと筋モンに引き渡せば良かったと思うし、
それが出来ないなら誰かに、例えば上司とかに相談すれば良かったって思う。
でも俺はそいつをかくまっちまったんだ。
おかげで足の小指を無くしちまうんだが、それは後で話す。
84:
それから数日間は精神的にきつかった。
昼は仕事でゴリラの顔を刷る。
筋モンが新しい情報をいれろってんで、次々に新しいビラを作るんだよ。
疲れてアパートに帰ったらゴリラがいる。
もう俺の生活ゴリラだらけ。
ここはどこの動物園だっての。
最初の内は畜生でも罪悪感があったのかゴリラは大人しかった。
だけど部屋にこもるのが飽きたのか、色々注文つけるようになった。
やれコーラが飲みたいとか、雑誌買って来いとか、ラーメン食いたいとか。
早く出てって欲しかった。
まあ流れ的に分かると思うけど、ゴリラは背中に絵が描いてある怖い飼育員たちに捕獲されたんだわ。
ある日、部屋に帰ったんだよ。
玄関開けた瞬間に、いきなり部屋の中に引きづりこまれたんだ。
ガチャッグワッって感じ。
わけも分からず口にガムテープ、手と足には多分梱包用のビニールヒモ。
あれ手に食い込んで痛いし、何か熱持ってるみたいになるよな。
手と足のビニールヒモで一つに縛り上げられて、ゴロンって床に転がされたんだわ。
ホント手馴れてたって思うよ。
抵抗しようと思う前に手と足の動きが封じられてた。
やばいやばいって気持ちが頭ん中で一杯だったんだが、ゴリラがいないのが気になった。
で、その中の責任者みたいな男が床に転がった俺の目を見て話し始めた。
妙な発音の異常に甲高い声で耳にキンキン響く声だった。
悪魔の声ってのは、ああいう声なんだと思う。
86:
「お前、アイツの仲間か?」
俺は大袈裟に首を横に振った。
床に頭がゴンゴン叩きつけられたけど、そんなのに構ってる場合じゃなかった。
「ここお前の部屋だろ、仲間じゃないなら何なんだ?」
説明しようにも口にガムテープがグルグル張られててモガモガ言うことしか出来なかった。
まあ向こうも俺の存在は謎だったらしい。
「取りあえず場所変えるぞ」ってさっきの甲高い声の男が周りの男に指示した。
真っ黒い窓のないバンみたいなのに乗せられて、タオルかなんかで目隠しされた。
時間間隔とか良く分からん。
一時間くらいは走ってたと思う。
バンを降りて、歩かされて、タオル取られたら目の前に全裸のゴリラがいた。
コンクリートの床に寝転がされたゴリラはうーうー唸ってた。
たまにごほごほ咳き込んでたんだが、意識は混濁してたんだと思う。
鼻の位置と頬の位置が同じに見えるくらい顔がパンパンに腫れてた。
体中が青とか黒とか様々な色の斑点が出来てた。
多分殴られすぎて、色々なところが内出血してるんだと思う。
こっちには気付いてないみたいだった。
俺はガムテープを一気に剥がされ、さっきの男にまた耳障りな声で質問された。
「おい、お前コイツとどういう関係なんだ?」
88:
多分、ここの答えを間違ったら俺もゴリラみたいになるってことは良く分かった。
俺はゴリラとパチ屋で知り合って、その縁から俺の家に居座られたことを説明した。
甲高い声の男はあまり聞いてないように見えた。
「本当か? 助かりたいからって嘘ついてねえか?」
俺は全力で否定した。
「確かにスロ仲間でメシ食いにいくくらいの仲の良さではあったが金を盗んだりはしてない」ってことを強調した。
だがこれが裏目に出た。
「なんでお前、コイツが金パクったって知ってるんだ?」
自分が墓穴を掘ったことを理解して、俺は黙ってしまった。
数日も一緒にいるんだからソイツが何をしてどんなヤツに
追われているかぐらいは知っていてもおかしくないだろ?
だけど俺はビラ刷りの会社の社員だったからもっと細かい内情を知っていた。
それの罪悪感から黙ってしまった。
「まあいいや、おい」
甲高い声の男は近くにいた男たちに声を掛けて、何やら準備し始めた。
そいつらはゴロゴロ何かを転がして、ゴリラの近くにそれを置いた。
ドラム缶だ。
「まさかこいつらゴリラをコンクリート詰めにでもするのか」とか俺はお気楽なことを考えていた。
コンクリート詰めで済むのなら良かったんだよ、ホントに。
102:
男たちはゴリラをドラム缶に四人がかりで入れていた。
ゴリラは全く抵抗をしないで、すんなりドラム缶に入れられてた。
アイツがやったことはうーうー唸るだけだった。
「いいこと教えてやるよ、お前らが捕まったのはコイツのせいだ。デリヘリ頼んだんだよ。笑えるだろ? 自分から俺たちに場所を知らせてくれたんだわ」
俺はゴリラの厚かましさに呆れると同時に、無用心さに腹が立った。
「逃げている最中に何てことしやがるんだ」と。
「あんな端金はもういい。コイツには落とし前をつけてもらう。
俺たちをおちょくりやがったってことが大問題なんだ。俺たちはなめられたら終わりなんだよ。
なあ、おい。お前がどこの誰かなんてことはどうでもいいんだ。
コイツと一緒に俺たちをコケにしたのかどうか、それがききてえんだよ。
お前がウチの事務所から金をパクってないってどうやって証明するんだ? 
これからお前はコイツとしばらくいてもらう。
その後にもう一度だけ質問する。いいか?どれくらい掛かるかわからねえけど、
しっかり考えろよ? まあ個人的には同情するぜ」
甲高い声の男は一気にそうまくし立てると、傍らの男に声を掛けてそこから出て行った。
俺はこれから始まることへの不安から、震えちまった。
もう心の底からブルっちまった。
無理矢理椅子に座らされて、例のビニールヒモでグルグル巻きにされた。
そのまま二人の男に椅子ごと抱え上げられて、ゴリラが入っているドラム缶の前に置かれた。
ゴリラの顔の前から50センチくらいしか離れていなかった。
こんな不幸なお見合いはないだろ?
103:
ゴリラはうーうー唸ってた。
俺も抵抗する気は起きなかった。
ただ早く開放されることだけを祈ってたよ。
五人の男たちが俺たちの周りで作業をしてた。
いかにもな風貌の男たちは嫌々動いているように見えたのは気のせいじゃないと思う。
ドラム缶の中に太いホースが突っ込まれた。
そうだな、ちょうどコーラの500mlの缶ぐらいの太さだと思う。
間抜けにも俺は「ああやっぱりコンクリートか」ってビビッてた。
そのホースは変な容器に繋がってた。
服とか小物を入れるでっかいプラスチック製の容器あるだろ? 
あんな感じの容器が頭についてる俺たちの身長くらいの足の長いキャスターに繋がってたんだわ。
おい何だよ、何すんだよ、ってつま先からつむじまでブルってた。
作業が終わったのか、最終チェックみたいなことをした男たちは俺に目線を向けた。
そして意外なことを言った。
「おい、きつかったら目を閉じてろよ。頑張れ」
一体何が始まるのか、何でそんなお優しい言葉をかけるのか分からなかった。
104:
ドラム缶のゴリラ。
その目の前にいる俺。
「じゃあ俺たち行くわ、頑張れよ」と言って男たちは
そのキャスターに付いていたレバーを引いてそそくさと出て行った。
ここがどこなのか、あの容器が何なのかを知らなかった俺たちだけになった。
ボトッと、コンクリートにしては固い音がした。
その塊が落ちてきたのを皮切りに、ざざざざざざっ、と流れるように何かが容器から落ちてきた。
ゴリラはうーうー唸るのをやめ、今度はぎゃあぎゃあ叫びながら身をよじるのに必死になっていた。
最初はホースがドラム缶の中に突っ込まれていて、何が中を満たしているのか分からなかった。
だがすぐにドラム缶が一杯になり、その正体が分かった。
蟹だ。
こぶし大から、小指の爪くらいのサイズの蟹が溢れんばかりにゴリラの入っているドラム缶を満たしたんだ。
何でこんなことをするのか最初は分からなかった。
たかが蟹が何だってんだ。
ゴリラと蟹の味噌汁でも作るのか、とそれはそれで怖いことを想像した。
105:
だがしばらく身をよじっていたゴリラが咆哮にも似た叫び声を上げ始めた時に、
俺はその恐ろしさを目の前で、本当に50センチくらいの目の前で意味が分かった。
「おい、おい!!! 助けてくれ!! コイツら、オレの中に入ってきやがった!!!!」
ゴリラは脂汗を流し、耳をつんざくような大声で叫びながらも俺に助けを求めた。
蟹がゴリラの体を食い破り、内部に入ってきただと?
ゴリラは俺が動けないにも関わらず、ケツがいてえ! とか、足が足が! 
とか身体のパーツをことさらに強調した。
やめてくれ。
想像したくねえ。
だが、目の前にいるゴリラは最早叫び声とは言えない雄たけびを上げ続けてた。
そしてゴリラは何時間も叫んだ。
いや良くわかんねえ。
何時間とか何分とかどれらいの時間が経ったのかは。
口の中に泡と血だまりができて、目と鼻から血が出ていたが、それでもゴリラは叫び続けた。
106:
顔が赤から真っ青になっていき、血反吐を蛇口の水みたいにげえげえ吐き始めたころに、
蟹たちは次の侵入場所に気付きやがった。
蟹たちはゴリラの顔めがけ、ギリギリと変な音を出しながら口や目に纏わり付いた。
ゴリラは叫び、首を振り続け、ドラム缶に頭を叩きつけるが、蟹たちは許してくれなかった。
見ちゃいられなかったが、どうすることも出来ない。
身をよじって、よじった。
固定された椅子ごとドラム缶に体を叩きつけたが、
ゴリラの体重と蟹どもの体重のせいでビクともしなかった。
俺の耳がゴリラの絶叫で痺れ、音が聞こえ辛くなった。
最後に、げへ、という何とも間抜けな音を出し、ゴリラは静かになった。
ガサガサとドラム缶の中で音が鳴り続けている。
ゴリラは痙攣したようにビクビク動いているが、ゴリラが動いているのか、
中にいる蟹が動かしているのか区別が付かなかった。
目玉を押し出し中から蟹が出てきたところで俺の意識も限界を迎えた。
ガサガサという音で気付いた俺は昔ゴリラだった何かが
蟹の動きに合わせて動いているのを見て吐いた。
地獄がどんなところか知らないが、あれより酷いところだとは到底思えねえ。
107:
蟹どもはゴリラの体に纏わりつき未だに齧っていた。
ゴリラの体が傾き、俺めがけて首が折れた。
その拍子にドラム缶から蟹があふれ出て、目の前にある生きた獲物に標的を変えた。
俺は絶叫した。
足元にボトボト蟹どもが落ちてくる。
足に纏わり付く。
最初はくすぐったいくらいで、次にかゆくなってきた。
椅子ごと体をよじってもあいつらはどんどん俺の足に纏わり付く。
その内、小指に激痛が走り、俺の中にも蟹が侵入してきたことに気づいた。
ドリルで穴を開けられるほうが万倍もマシだろう。
爪をちょっとずつ引き剥がし、俺の中に入る努力をしている。
脱糞し、失禁したが、蟹は許してくれない。
ノドがぶっ壊れようが、絶叫が何の意味もなかろうが、俺は叫んだ。
が、蟹どもは俺の体に入ろうとした。
気が狂うと思った、もう気が狂ったと思った。
甲高い声が聞こえて、何人かの男たちが叫びながら蟹を払い飛ばした時、
俺は安堵からか、ブツリと頭の中で音が聞こえて、気を失った。
108:
「おい、生きてるか!? おい!!」
頬を張られる感触で起きた。
目の前にいる甲高い声の男が天使にも神にも見えた。
足の小指がジュクジュク痛む。
小指だけで済んだことを歓喜して涙を流した。
「起きたか?」
甲高い声が俺に質問する。
俺は、あうあうと声にならない音を上げた。
「質問に答えろ。お前はコイツの仲間か?」
ドラム缶を指差し、甲高い声の男は俺に質問した。
ねじ切れるほど首を横に振り、鼻水と涙とよだれで窒息しそうになったが、違うことを伝えようとした。
甲高い声の男とその取り巻きどもは、流石に納得し、俺のビニールヒモを解いた。
足腰に力が入らなかったが、小指の痛みで足がまだあることが分かった。
その後、バンに詰め込まれ、アパートの前で蹴り出された。
一週間以上、何も食べれなくなり、外に出れなかった。
どういう理由か分からないが、バイト先の上司が見舞いに来て、茶封筒を置いて出て行った。
中には札束が入っていた。
幽霊なんぞ可愛いもんだ。
蟹のドラム缶風呂以上に恐ろしいモンがこの世に存在することを俺は知らない。
72:
[画鋲]
私、幼稚園の頃に画鋲を飲まされそうになった経験があります。
当時、私のいたサクラ組では「嘘はつかない」という簡単な法律があり、
毎朝のHR?では「うーそついたら、針千本のーます♪」って歌っていました。
そんなある日、教育番組「ノッポさんのできるかな?」を見ながら牛乳パックで
動物を作る授業をすることが決まりました。
私はその手の授業が好きだったので、とても楽しみにしておりました。
保母「皆さーん、明日は牛乳パックを使って動物さんを作りますー。
忘れずにお家から牛乳パックを持ってきてくださいねー」
一同「はーい」
うきうきと帰宅し母にその話をすると、 「牛乳パックは開けたばかりだから駄目、
丁度豆乳のパックが開いたからコレにしなさい、同じものだから大丈夫。」
とのこと、次の日、私はそれを持って幼稚園に行きました。
そして授業、しかし、よくよく考えれば豆乳のパックは形状も紙の厚さも牛乳パックとは違います。
TVのノッポさんも豆乳パックでのキリンや象の作り方は教えてくれません。
困ってる俺を見た保母は、「A君!これ牛乳のパックじゃないでしょ!
昨日皆で約束したのになんで違うものを持ってくるんですか!」と私を叱りました。
私が答えられずにいると、保母は不意に自分の机に行き、何かを持ってきました。
それは、画鋲のケースでした。
73:
保母は半分あきれの薄笑いで私をにらみ、皆に告げました。
「みなさーん、今日A君は嘘をつきましたー。
牛乳パックを持ってくる約束をしたのに違う物を持ってきましたー。」
「嘘をつくとどうなりますかー? 針千本ですねー?」
とんでもないことになった・・、
言葉も出ない私に、保母は画鋲のケースを突きつけ、「約束です。千個飲みなさい。」 出来ない私。
「じゃあ千個はかわいそうだから、A君のために先生我慢しますー百個でいいです」 泣き出す私。
保母はまだ許しません。無理矢理私に画鋲を一個持たせました。
私は画鋲を口に中にいれ飲み込むフリをしておけばごまかせると考えました。
口に入れて奥歯で画鋲を噛んだまま、ごっくんのモーションをすれば、
きっと保母さんは飲み込んだと思うはず。これで切り抜けよう 。そして、それを実行しました。
保母の冷血な態度は豹変し、びんたが飛んできました。
私は吹っ飛び、口の中から飛び出した画鋲と机の上の画鋲ケースが教室に散らばりました。
保母は少々あせってましたが、すぐに冷血モードで私をにらみつけ、画鋲を一個拾い私に鼻先に突き付け、
「いい?コレは一個でも飲んだら死んじゃうお薬なの!死んじゃうのよ!!」
「皆さんもわかりましたね!嘘をついたらA君みたいになります。絶対に嘘は駄目なんです!!」
授業は中断、私は一人で床の画鋲を拾わされました。泣きながら。
周りの園児も楽しい工作の時間をつぶされ、冷ややかな態度で私を見ていました。
保母は私の拾い集めた画鋲を、どれが口に入ったかわからないからという理由で捨てました。
今になって考えると、あの保母はサドだと思う。私が口に入れた瞬間に我に返ったのかな。
余分な情景もあるかと思いますが勘弁、いまでも余すところ無くトラウマです。
50:
逃げられると思ったのか
勉強もできず、人とのコミュニケーションも下手。
こんな僕は、誰にも必要とされていないんだろう。
家では父のサンドバッグ。暴力はエスカレートしていく。
とても悲しかった。
「逃げられると思ったのか」
家出をしても、すぐに見つかった。いつもの倍殴られた。
とろい僕が悪いんだ。
妊娠している母は、姉と楽しそうに話しながら夕食を作っていた。
こんな辛い生活も、今日で最後だ。
意識が徐々に薄くなっていく。
こうすることを、望んでいたんだろう。みんなが、僕が…
ああ、死んでやるさ。お望みどおりな!
数ヵ月後
「元気な男の子です!」
おじさんっぽい声がそう言った。
僕は悲しくもないのに、大声で泣いている。
ゆっくり目を開けると、男と女が僕を見つめていた。
どこか懐かしい人達。
男は優しい声で言った。
「逃げられると思ったのか」
864:
治験のバイト
20年以上前の話。
当時フリーターだった俺は治験のバイトをすることになった。
たしか1ヶ月弱で40万以上だったと思う。参加者は10人。
検査は都内で行われたんだけど治験は他県で行われる。
新幹線で2時間、駅についてから車で1時間半。
かなり閑散としている土地で、やけに高い塀に囲まれた敷地に入ると無機質な建物が並んでいた。
車を降りてしばらくここで待つように言われて待っていると
「んぐぐあ゛あ゛あ"あああああああ」という叫び声が聞こえた。
声の方を見ると超でかいヤツがこっちに向かて走ってくる。
確実に2メートル以上あったと思う。顔がなんかぼこぼこで、フランケンシュタインみたいな感じ。
俺達全員びっくりして一歩も動けないでいると、一人が体当たりされてビックリするぐらい吹っ飛んだ。
これはやばいと思って全員そいつから逃げまわってると警備の人
が3人やってきてそいつを取り押さえようとしたんだけど無理。
応援の警備員と先生が10人近くでやっと取り押さえて連れて行かれた。
正直言ってかなり不安になった。
この施設なんなんだ?俺たち何されるんだろ、大丈夫か?
866:
宿泊場所は二階建ての建物の二階で、ベットがずらっとならんでる
部屋と畳敷きでテレビや本が置いてある部屋の二部屋だけ。
ここで1ヶ月過ごさなければならない。
何の薬だったかは忘れたが毎日2時間点滴をうち、3回採血をする。
1週間ほど経ったある夜にサイレンが鳴った。
窓から外を見ると一人の男が警備員に取り押さえられている。
何があったんだろうと思って窓を開けると、
「イヤだー。もう嫌だ。頼むから帰らせてくれ。」
取り押さえられた男はこんなことをいっている。
宿直の看護婦さんがやってきて気にしないで早く寝てくださいという。
俺達の体にも異変が起きていた。異様に体がむくむ。
自分だけだったらともかく全員むくんでいた。
ここに来て仲良くなったAさんとBさんは普通は何か異常が出たらすぐに
治験を中止するはずなのにここは明らかにおかしいと言っていた。
二人とも日本で1年間金を稼いで海外を放浪するのが趣味で何回も治験を体験済みである。
869:
2週間経つ頃には全員顔がパンパンにふくれあがっていた。もう限界だ。
俺達は治験の中止を訴えたが、先生達は聞き入れてくれなかった。
(この薬は安全だ。血液の数値に異常は見られない。大丈夫だ。)
だが明らかに俺も含めみんなの顔は大丈夫じゃなかった。
AさんとBさんは「お金はいりませんからもう帰らせてください。」
と言ったがそれでも帰らせてくれないという。
「契約書にちゃんと書いてありますよ。最後まで治験を受けると。
 皆さん判を押されてるじゃないですか。最後まで受けてください。」
俺とAさんとBさんは荷物をまとめて帰ろうとしたが階段のところに
鍵付きのドアがあり1階に降りることができない。監禁状態に陥った。
その夜みんなと相談したが驚くことに6人はここに残り治験を続けるという。
金が入らないと困るらしい。
俺とAさんBさんともう一人Cさんは窓から脱出することにした。
シーツを4つ結んでベットにくくりつけ。窓から降りた。
無事全員降りて出口に向かうと、どうしてばれたのかわからないがサイレンが鳴った。
出口に向かう余裕はない。
2メートル以上ある塀よじ登りそこから外に出た。
871:
夜の12時過ぎ。まわりには何も無く街灯すら無い。
歩いて駅を目指し、駅についたのは朝の7時過ぎ、新幹線代はなく鈍行で東京へ行き家についたのは夜だった。
疲れはてて寝ていると電話がなり、でるとあの施設からだった。
「何を考えているんです。一日でも点滴をしない場合、もう一度はじめから
 やり直しですよ。とにかく今すぐこちらへ戻ってください。
 こちらへお戻りいただけない場合法的手段に出ますよ?」
ふざけんな。こっちこそお前らのこと訴えるからな。と言って電話を切った。
翌日から高熱が10日ほど続き寝込んだ。
全身のむくみは徐々にとれていったが結局治るのに1ヶ月近くかかったと思う。
施設からはあれ以来一度も連絡はないが残った人達は大丈夫だったんだろうか。
653:
千寿江
もういろいろ済んだから、書かせてくれ。
かなり長い。
父親には妹がいたらしい。俺にとっては叔母にあたるが、
叔母は生まれて数ヶ月で突然死んだ。原因不明。
待望の娘が死んでしまい、婆さんは大層落ち込んでいた。
見兼ねた爺さんが婆さんにフランス人形を買い与えると、
婆さんはそのフランス人形に叔母と同じ名前の「千寿江」と名付けて可愛がった。
毎日撫で、傍に置き、綺麗にしてやり、共に寝たそうだ。
それが変わったのが、俺の妹が生まれてから。
女が生まれて、婆さんは酷く喜んでた。
両親共働きだったし、代わりに婆さんが妹を大層可愛がって育てた。俺も可愛がられたけどな。
それで、今まで大切にされていた千鶴江の定位置は、婆さんの枕元でなく、仏間になった。
誰もいない仏壇だけがある仏間だ。
俺はよく先祖へ挨拶しろと、
夕飯前に御神酒を上げにそこへ
行かされていたもんだ。
暗くてくそ寒い、不気味な部屋
654:
小学校高学年の時、いつも通り御神酒を上げに仏間に入り、仏壇に手を合わせた。
その時、誰かが後ろに立っているような気がしたんだ。
振り返ると何もない、いつも通り、ピンクのドレスの千寿江がいるだけだ。
それがその時は妙に怖かったのと、多感な時期だったのもあって、思わず
「なんだよ、文句あるのかよ。かかってこいよ」
と、千寿江を挑発した。馬鹿だよな。
居間に戻って家族に「千寿江に睨まれた!」と報告すると婆さんが激怒してな…。
後にも先にも婆さんがあんなに怒った事はない。
怒る婆さんに合わせるように父親も激怒、ゲンコツをくらった。俺涙目。
その時は謝ってそれで終わり。
655:
問題が起きたのは数日後だった。
休みの日だったか、まだ明るい時で仏間もいやに明るかった。
昨晩、下げ忘れた御神酒を下げに仏間に入ると、千寿江が定位置にいない。
いつも置いてある棚から落ちて、畳へ。手首が外れていた。
正直、俺に何かするために這い出して動かしたのかと…。
びびって走って家族の居る居間にいると、婆さんがいて、
怒られるかもとは思ったが、本気で怖かったかは婆さんに報告。
俺の尋常じゃない様子に婆さんも心配になったのか、一緒に居間にきてくれた。
そしたら千寿江は、今度はちゃんと定位置にいた。手首もついてる。
俺が嘘を吐いた感じになってしまったが弁明している時に親父がきて、
「あ、悪い。それ俺が落とした。トイレ行ってから直したんだよ」
って。犯人親父かよ!
勘違いして半泣きになってる俺を親父が爆笑して、婆さんも今度は俺を慰めて、事なきを得た。
656:
でも、その晩、婆さんが寝たあと、親父が俺の部屋にきた。
「昼間のあの人形な。戻したのは俺だ。
だけど、落としてはない。お前、本当に嘘は吐いていないか?」
親父の話によると、俺が大きな音を立てながら仏間を出てくるのを見て、どうしたのかと仏間を覗いたら千寿江が落ちてたのを発見。
見つかるとまずいから、そっと直したという話だった。
ただ、おかしかったのは、手首なんて取れてないと親父が言ったことだ。
どうやって落ちて、どうやって手首がくっついたのか。
俺は怖くて、御神酒上げる係をサボるようになった。
御神酒持って出て、客間で2.3分待って、それから居間へ戻る。
多分、半年くらい御神酒を上げてなかったんだけどな、
その頃、妹が死んだ。小学校、入って間も無くだ。
657:
死因は原因不明の高熱。
突然ガーッて熱が上がって、入院して、それっきり。
俺はもしかしたら、俺が御神酒サボってるせいじゃないかって思って、
でも親にも婆さんにも言えなかった。罪悪感とか、そんなん。
妹が死んだのは俺のせいだって思った。
母親は、妹が死んだのは、千寿江のせいだって言い始めた。
話を聞くと、妹は今際の際に「ちぃちゃーん」と泣いたらしい。
ちぃちゃんなんて友達は妹にいなかったし、思い当たる事があれば、あの怪しげな人形。
俺が過去騒いだせいかも知れないけど、母親も過敏になって、人形を捨てる!
と言い出して、妹の葬儀中に大喧嘩した。
この一件から、うちの両親は不仲になって、母親は実家へ帰った。
親父は黙々と仕事をして、婆さんは千寿江を抱きながら毎晩泣いた。
親父仕事から帰って来ないし、婆さんは泣いてばかりだし、この辺りから、俺が家事をするようになった。
658:
次に婆さんの呆けが始まった。今思えば当然だ。
飯を食うか、部屋に篭って人形抱きながらぼーっとして、泣いて、泣き疲れたら寝て。
ご飯だよ、って呼びに行ったら、何か食ってんの。
何食ってんの?って聞いたら、ご飯って言う。はあ?と思いながら、
婆さんの顔見たら、金色の糸が口から出てんだよ。
そんで、手元には半分剥げた千寿江。
俺はこの時が一番怖かったとおもう。
急いで婆さんから吐き出させた。
母親に相談しても、あんな人知らないの一点張り。
父親に話して、病院にって言っても、仕事が忙しいから連れていけない。お前が面倒みろ、と。
そればっかりだった。その時、俺まだ厨房。でもな、妹がしんでから、
うちの家族、おかしくなっちゃったんだ。
御神酒やってなかった俺のせいだと思うと…やらざるをえなかった。
中学は不登校になってたよ。
659:
千寿江は婆さんの手によってぼろぼろだった。
髪は引き抜かれ、服は脱がされ、切り刻まれ。
汚い話だが、排泄物を塗りたくられもした。
流石に可哀想だって思って取り上げても、翌日にはちゃんと婆さんが持ってる。
色んなとこに隠したんだ。トイレの棚、両親の寝室、あとは下駄箱とか。
夜中、「ちずえぇ、ちずえぇ」って徘徊して見つけるらしい。
そしてまた千寿江をボロボロにする。
見兼ねてな…仕方ないから、試しに俺の部屋に置いとく事にしたんだ。
夜中というか3時過ぎか。朝方、婆さんが千寿江を探す声で目が覚めた。
俺の部屋、二階だし、まあ登って来れはしないし、呆けてから上がってきたことないし…
と安心しながら、千寿江を閉まったクローゼットを見ると
扉が空いていた。確かに閉めたんだ。
だって目につくとこに置いてたら、気持ち悪いだろ。夜中見なくて済むようにって、
クローゼットにいれたんだ。ビニールまでかけて。
でも、そのビニールはそこらへんに落ちてんだ。
660:
ヤバイって、でも千寿江が。もうパニックに陥った。
布団の中で滝汗。寝たフリするか、起きて確認するか。
兎に角怖かったんだ。
そしたら、キィと、物音が聞こえた。ドアを開ける音。
位置関係的には、ドア/ベッド(俺の視線→)/クローゼット
俺は怖くて、ドアの方を見る事ができなかった。
そしたら不意に、声が聞こえたんだ。
「千寿江、こんなとこにおったんけ」
婆さんが登ってきた⁉ と思って、そこで俺は跳ね起きた。
でもそこには何もなかった。千寿江も、婆さんも。
怖くて、そのまま寝ることにした。気のせいだったとおもうようにして。
661:
千寿江と婆さんは、婆さんの自室で死んでたよ。翌日の朝、俺が見つけた。
死因は窒息。婆さんの喉には千寿江の髪の毛と千切れた服、目玉が入ってて、
婆さんの口の中には、千寿江の頭部が入ってた。そりゃ、飲み込めねえよ…。
明るい部屋ん中、陽が沢山差し込む中、婆さんがそんな感じに死んでるわけよ。
幸せそうな顔じゃなくてさ、いかにも苦しみましたってさ、
目を血走らせて、失禁して、片手に千寿江の胴体を強く握って。
婆さんの葬式は簡易的なものだった。
火葬だった。千寿江も一緒に燃やした。
墓に収める時にさ、墓に歴代の先祖の名前あるじゃん。
そこには既に千寿江(本物の叔母)って書いてあって、変な感じがした。
662:
ここから、俺の中で怖い話なんだけど、
叔母さんの千寿江さんの死因って実は原因不明じゃなかったんだ。
うちの婆さんが首を閉めて殺したらしい。
理由は知らん。そういや父方の親戚付き合いがないなって思ったら、
婆さんは絶縁されたらしい。
これは葬式にきた親戚の話。
何で逮捕されなかったのか聞いたら、誤魔化されたから、
もみ消したんだろうな。
婆さんが死んで、今年で四回忌だ。
俺は高校に行ってない、何もしてない。
婆さんが死んでから、ずっとやる気が出ない。
この文書も、実は2ヶ月前から書いてやっと完成する。
いっそこのまま死にたいとすら思うよ、疲れた。
今まで起きたこと、全部千寿江叔母さんの呪いなら、
この俺の状態もそうなのかもな。
俺の一存を滅亡させるつもりなのかも知れないなって
思うと、ちょっと笑えるよな。
669:
>>662

おもろかった
537 :本当にあった怖い名無し:2005/09/20(火) 01:28:19 ID:fu4qQ7k10
日暮里駅の階段23段目
友人と怪談話してて、その友人が知人から
「日暮里駅の改札出て右手にいくとある階段を登るときに
 23段目あたりで振り返って見たら面白いものが見える」
って聞いたって話がでて、その後罰ゲームで夜の2時前に
俺一人で原付で日暮里駅に行ってきました(この前の土曜日)
その階段に着いたら左手にはコンビニとかあるし全然怖くないわけ。
なんだつまんねーのって思いながらスタスタと23段目まで登ろう
としたら10段目あたりで背中からすごい寒気を感じてきて鳥肌が一気にきた。
我慢しながら23段目まで登って、振り返ろうとしたんだけど
なんかわからんけどすげー怖くて振り返られない。
罰ゲームの証拠の写真とるためにデジカメの電源入れてから、満を持して振り返った。
そしたら下から5段目くらいのあたりに黒い塊があって、ん?と思っている間に
どんどんその黒いのが鮮明になってきて、よく見ると黒髪の女の子が体育座りで階段に座ってて、
俺の方を振り返った、と思ったら立ち上がって俺の方へ階段を登ってきた。
俺は全く身動きができずにいて、俺の手前2mくらいまで女の子は来たんだ
けど顔だけがすごいぼやけてよくわからんけど、
口だけが笑みを浮かべた感じで何かを言っているような気がする。
俺は幽霊なんて信じてないし、これが幽霊かと感動すら感じているものの、
やっぱり恐怖で身動きができなかった。
そのとき、背後から「帰れ、帰れ」って声がして階段の上を振り返ると
おばさんがいて「帰らんといけんよ」って言われて、
そのとき背後の女の子がふわっと消えたような気がして、
俺は「うぉぉー」って軽く叫びながらおばさんのとこまで走って登って、
おばさんのとこで振り返るとやっぱり女の子はいなかった。
おばさんに「あれは何ですか?」って聞くと「知らんでええからはよ帰り」って
言われて、無人の階段をデジカメに撮って友人のところに帰った。
で、友人にこの話をしたけど全く信じてもらえなくて、かなり哀しい。
この世に幽霊なる存在を全否定してきたけど、今回ので一気に肯定派になりました。
来週あたり友人に一人で行かせる予定ですが、誰か日暮里の階段に関する情報を知っていますか?
334:
踏み入るべきではない場所
私がまだ小学校低学年の幼い子供だったころに、
趣味で怖い話を作っては、家族や友達に聞かせていました。
「僕が考えた怖い話なんだけど、聞いてよ」と、きちんと前置きをしてからです。
特にじぃちゃんが、私の話を喜んで聞いてくれました。
私はそれがとても嬉しかったんです。熱心に聞いてくれるのと同時に、こわがってくれたから。
そんな折、私の作った話が、クラスの中で流行りだしました。
放課後の男子トイレで、個室を叩くとノックが返ってくる。といったありがちな話です。
クラスの女子の間であっという間に流行り、噂は学年中、学校中へと広まりました。
「男子トイレの前で、手招きする男の子を見た」とか言い出す女子も出てきていて、
私がやっとその噂を知って、「僕の作り話だってば」と言ってもきかず、
その後もまことしやかに囁かれ続けました。
ついには、そこで肝試しを始めるグループまで現れてしまいました。
335:
その肝試しでしたが、なにも起きるわけがないのに、
グループの子供が皆、「ノックの音が返ってきた」と言うんです。大変な騒ぎでした。
そんなワケないだろ!?と思って、作り話だということをアピールしようとしたのですが、
当時の私は、皆に冷たくされるのが怖くて言い出せませんでした。
そのうち私は、自分の話が本当になってしまったのではないか、と思うようになり、
すごく恐くなって、自作の怖い話をすることをやめました。
その騒動があってからしばらくして、じぃちゃんが怖い話をしなくなった私に、
「もう怖い話しないのかい」と聞いてきました。
私はもう泣きじゃくりながら、その話をじぃちゃんにしたんです。
「ほうかほうか」とやさしく聞きながら、こんなことを話してくれました。
336:
「それはな、みんなが坊の話を本当に怖いと思ったんだ。
坊の話をきっかけにして、みんなが勝手に怖いものを創っちゃったんだよ。
怖い話を作って楽しむのはいいけど、それが広まって、よりおそろしく加工されたり、
より危険なお話を創られてしまうようになると、 いつの日か『それ』を知った、
ワシらの目には見えない存在が、『それ』の姿に化けて、本当に現れてしまうようになるのかもな。
目に見えるものではなく、心のなかにね。『おそれ』はヒトも獣も変わらず持つもの。
『おそれ』は見えないものも見えるようにしてしまう。本能だからね。
だから恥ずかしくないから、怖いものは強がらずにちゃんと怖がりなさい。
そして、決して近寄らないようにしなさい。そうすれば、本当に酷い目にあうことはないよ」
私は、じぃちゃんも何かそんな体験をしたのかと思って、「じぃちゃんも怖い思いをしたの?」と聞きました。
すると、予期しなかったじぃちゃんの怖い話が始まったのです。
337:
「昔じぃちゃんは、坊の知らない、すごく遠くのお山の中の村に住んでいたんだよ。
そこで、じぃちゃんの友達と一緒に、お山に肝試しに行ったことがあるんだ。
そうだね、じぃちゃんが今でいう、高校生ぐらいのころかな。
お地蔵さんがいっぱい並んでいたけど、友達もいるし全然怖くなかった。
でも、帰り道にじぃちゃんの友達が、お地蔵さんを端から全部倒し始めたんだ。
『全然怖くない、つまらない』って言ってね。
じぃちゃんはそこで始めて、その場所に居るのが怖くなったよ。
なんだか、お地蔵さんに睨まれた気がしてね。
友達を置いて、さっさと逃げてきちゃったんだよ。
そうしたら、その友達はどうしたと思う?」
「死んじゃったの?」
「ううん、それが、何も起こらないで普通に帰ってきたんだよ。
でもじぃちゃんは、もうそれからオバケが怖くなって、友達と肝試しに行くのを一切やめたんだ。
その友達は、その後も何度も何度も肝試しといっては、
ありがたい神社に忍び込んだり、お墓をうろうろしたり、
お地蔵さんにイタズラしたり、色々するようになってね。
周りの人からは呆れられて、相手にされなくなっていったよ。 
人の気をひくために、『天狗を見た』なんていうようになってしまった。
じぃちゃんに、『見てろ、噂を広めてやる』なんて言って笑っていたよ」
338:
「そしてある日、ふっと居なくなったんだ。
じぃちゃんもみんなと色々と探したんだよ。
そしたら…山の中の高い木のふもとで、友達は死んでた。
木の幹には、足掛けに削った跡がてんてんと付いていてね。
友達は自分で木に上って、足を滑らせて落ちたんだ。ばかなやつだよ。
坊、世の中には、人が入ってはいけない場所っていうのがあるんだ。
それは怖い場所だ。坊だったら、タンスの上もその場所だよ。
落ちるのは怖いだろ。そういうことだよ。
じぃちゃんの友達には、怖い場所が見分けられなかったんだ」
「怖いね。ばちがあたったのかな」
「いいや、怖いのはここからさ。
友達が死んでから、村の中のひとたちが次々に、『天狗を見た』って言い出したんだ。
じぃちゃんは、『あれは友達のでまかせだ』と言ったんだけどね。
『友達が天狗の怒りに触れた』『祟りだ』『呪いだ』と、皆は自分達でどんどん不安をあおっていった。
夜通しで見張りの火まで焚いたんだ。
皆が顔をあわせるたびに天狗の話をするので、村の中がじめじめしていた」
339:
「そんな時に限って具合が悪くてね、村の中でケガをするのが4件続いたんだよ。
どうってこともない、ねんざまで数に数えられてね。どう見てもあれは、皆おかしくなってた。
さらに噂に尾ひれがついて、『天狗に生贄を出さなくては皆殺される』とまで酷い話になっていた。
そしてついに、本当に生贄を出そうという話をするようになったんだ。
友達が死んだのは、木から足を滑らせて落ちたからなのに、完全に天狗のせいになってた。
村の中の皆も、人が入ってはいけないところに踏み入ろうとしていた。
それはね、人の命だよ。誰にもそれを奪う権利なんてないだろうに。
じぃちゃんはね、天狗よりも、村の中の皆がすごく怖かったんだよ。
だからね、じぃちゃんは、その村から逃げてきたんだ…」
340:
じぃちゃんのこの話は、その後もねだって2度程聞かせてもらいましたが、
「絶対に内緒だぞ」と言われ、両親の居るところでは決して話しませんでした。
でも、今でも私の家には父方の実家はありません。
「農家の次男のじぃちゃんが、庄屋の娘のばぁちゃんと駆け落ちしてきたからだよ」
と、私の両親からはそう聞いています。
じぃちゃんが私に、自作の怖い話を聞かせてくれたのかとも思いましたが、多分違います。
その長い話が終わった時、じぃちゃんは大粒の涙をぼとぼと、私の小さな手の甲に落としたのですから。
今も思い出して涙腺が緩みました。
長文を読んでくれてありがとうございました。
333:
祖父のお守り
G県H市のある村に、ある家族が住んでいた。
寝たきりで99歳にもなる祖父、その孫で5歳のA、そしてその両親。
昼間、両親は働きに出ている。
Aはとても好奇心旺盛で家の中を遊びまわっていた。
ある日、Aが何気なくふすまを開けると天井裏に通じる板が外れていた。
家の中にも飽きてきたAはしまってある布団をよじのぼり、そこに入った。
周りは想像以上に暗く、恐怖心が湧き上がった。
しかし、好奇心が勝り更に進んでいった。
しばらく歩き回っていると足元に箱があることに気がついた。
「こんなところにあるくらいだから、きっとすごいものに違いない」とAは考え、入り口のほうに運ぼうとした。
しかし以上に重い。子供の頭ほどなのに10キロはありそうだ。
仕方なく引きずっていくことにした。
だんだん入り口に近づくにつれ、箱の側面が見えてきた。
真っ黒で、ところどころ白い。ふたは黒い紙で固定してあった。
さらに近づく。さらに明るくなってくる。
真っ黒だと思っていた側面は、白い箱に黒い文字がびっしりと
書かれているようだ。ふたの紙も同様。白い紙に文字がびっしり書いてあった。
振り向いて入り口の位置を確認する。あと1m位だ。もう一度箱を見た。
そこで、あることに気がついた。
箱の側面にびっしりと書いてある文字。
それはお経だった。
蓋についている紙はお札だった
334:
そのとたん、Aの体に恐怖が電気のように走った。
そのとき、前方の暗闇から「ペタ・・ペタ・・」という足音がしてきた。
Aはとっさに「それ」を絶対に見てはいけないと思った。
振り向いて逃げようとしたが、恐怖で足が動かない。
どんどんこっちに近づいてくる。あと少しで「それ」に入り口の光が当たる。
そうしたら見えてしまう。あと少し・・・・・もうだめだ。
と思った瞬間、Aの体は入り口の穴に落ちていき、布団の上に落ちた。
Aが顔をあげると、そこには寝たきりのはずの祖父がいた。
わけもわからず唖然としていると、祖父はいきなり「去れ!!」と叫んだ。
Aは混乱してきた。祖父は再び「もう十分であろう!!」と叫んだ。
祖父の顔を見上げる。しかし祖父はAをみていない。
入り口を凝視している。正確には、入り口にいる「それ」を。
しばらくその状態が続いた。とても長い時間に思えた。
五分ほどして、祖父はAにゆっくり
「後ろを決して振り向かずに、わしの部屋へ行け。いいな。絶対に振り向くな」
といった。
Aはわけもわからずままさっとふすまから飛び降り、隣の部屋を目指した。
そこで呆然と立ち尽くした。
さらに五分後、祖父がよろよろと部屋に戻ってきた。
今にも倒れそうだ。Aは祖父を支え、布団に連れて行った。
祖父は横になると、ため息をつきゆっくりと話し出した。
「A、今のはな・・・わしの・・・」
とまで言ったとき、向こうの部屋でふすまが開く音がした。
そしてまた「ぺタ・・ぺタ・・」という足音が聞こえてきた。
335:
祖父はいきなりAの手をつかみ、布団の中に引きずり込んだ。
99歳とは思えないほどの力だった。
今度は祖父の部屋の扉が開いた。祖父の体はガタガタと震えていた。
そして何かつぶやいていた。よく聞こえなかったが、
「すまない」「許してくれ」「この子だけはやめろ」
と言う風にきこえた。Aはそのうち気が遠のいて目の前がゆれてきた。
そのとき布団の隙間から「それ」の足がみえた。
腐っているかのような紫色でところどころ皮膚がずり落ちていた。
そのままAは気絶してしまった。
気がついたとき、Aは祖父の布団に一人で寝ていた。
時間はあのときから五時間も過ぎている。
祖父は・・・? Aが家中を探してもどこにもいない。
両親が帰ってきて、警察がでてきても見つからなかった。
一週間後どうしても気になり、Aが恐る恐るふすまを開けると、
以前あった入り口は完全にふさがっていた。
Aは安心してふすまを閉めようとした。
そのとき、Aは見てしまった。
厳重にしめられた入り口の戸に挟まっている、祖父がしていたお守りを
92

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