雪ノ下(29)「結局、行き遅れてしまったわ……」back

雪ノ下(29)「結局、行き遅れてしまったわ……」


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1:
雪ノ下「高校を卒業して国立大に入りその後、就職……」
雪ノ下「大学の時も社会に出た当時も、何人も近づいてきた異性はいたけれど……全て一蹴しきたわね」
雪ノ下「まぁ、見た目で判断して近づいてきただけの醜悪な男になんて興味はないわ。男運に、恵まれていないのかしら……」
雪ノ下「……」
雪ノ下「彼は……比企谷君は、どうしているのかしら」
12:
雪ノ下「高校を卒業して以来、全く連絡をとってなかったわね……」
雪ノ下「……今にして思えば、彼くらいかしら。まとも、とは決して言えないけれど」
雪ノ下「悪くない、と思った異性は」
雪ノ下「……」
雪ノ下「連絡先……聞いておけば、よかったわね」
雪ノ下「……うぅ」
20:
翌日
雪ノ下(結局、昨日はやけ酒をしながら気付いたら眠っていた)
雪ノ下「最近、お酒の回数が増えるわね……自重しないと駄目ね」
雪ノ下(さて、昨日はどうしようかしら……本当に休日はやる事がなくて困るわね)
雪ノ下「……」
雪ノ下「買い物でも、しようかしら……」
30:
ショッピングモール
雪ノ下(ここも随分と変わった……比企谷君と一緒に入ったお店はもう、ないのね)
雪ノ下(彼が似合うと言ってくれて、つい買ってしまったエプロン……今でも大切に使っている)
雪ノ下(彼が私に取ってくれたパンさんのぬいぐるみも、今も枕元に置いてある……)
雪ノ下「比企谷君……」
「ねえ、八幡。次はあっちのお店」
「おい、あんま引っ張んなよ。袖伸びちゃうだろ」
雪ノ下「えっ……?」
42:
雪ノ下(八、幡……? そんな奇妙な名前なんてそうそういない)キョロキョロ
八幡「ったく、せっかくの休日なのになんでこんな人ゴミに……」
雪ノ下「比企谷、君……?」
八幡「えっ? えっと……あ、あの、ど、どちらさまでしょうか?」
雪ノ下「腐っているのは眼だけだと思っていたけど、まさか頭の中まで腐っていたとはね」
八幡「その毒舌……お前、雪ノ下か?」
雪ノ下「久し振りね、比企谷君」
66:
八幡「本当に久し振りだな……高校以来か? つーか気付かねぇよ」
雪ノ下「そんなに変わったかしら?」
八幡「変わったというか……成長した?」
雪ノ下「どういう意味かしら」
八幡「……んでもねえよ。そういうお前こそ、よく俺だってわかったな。あんまり変わってねえけど」
雪ノ下「その変わった名前を呼ばれている所を聞けば、知っている人間なら誰だって気付くわ。今日は戸塚君と一緒なの?」
八幡「戸塚? いや、確かに一人じゃないが、戸塚とじゃない」
雪ノ下「えっ」
雪ノ下(おかしい……彼を名前で呼ぶ人物なんて戸塚君か材木……材木なんとか君だけ。そしてさっきの女性のような高い声なら、答えは戸塚君の筈……)
「八幡。どうかした?」
89:
八幡「いや、ちょっと昔の知り合いに出くわしてな」
「知り合い……あっ」
雪ノ下「えっと……ひ、比企谷君? か、彼女は?」
八幡「一応、お前とも昔会ってるんだがな。ほら夏休みの時に奉仕部に依頼があったあの時の」
雪ノ下「……まさか、鶴見、留美さん?」
留美「……えっと、お久しぶり、です」
八幡「流石だな。もう10年近く前なのに名前まで覚えてるとは」
雪ノ下「……」
116:
雪ノ下「どうして、彼女とあなたが……?」
八幡「色々とあってな……」
雪ノ下「色々じゃ分からないわ。比企谷。どういう事か説明してくれないかしら? もしかしてあなた、高校を卒業してからロリコンに目覚めて彼女を……」
留美「お姉さん」
雪ノ下「なにかしら、鶴見さん。私はいま、あなたの身の安全の為にも真実を……」
留美「そろそろ八幡返して。デートの、途中だから」
雪ノ下「えっ」
128:
八幡「ばっかお前、デートじゃなくてただの買い物だっつーの」
留美「デート」
八幡「いや、だからデートじゃ……」
留美「デート」
八幡「デートじゃな」
留美「デート」
八幡「……デートだよ」
雪ノ下「えっ……」
留美「だからお姉さん。八幡と話すなら、別の日にしてください。じゃ、行こ八幡」
八幡「お、おい、だから引っ張んなよ、伸びる、伸びちゃう! えっと、じゃあな、雪ノ下」ズルズル
雪ノ下「……」
147:
雪ノ下「……デート」
雪ノ下「デート[名](スル)
1 日付。
2 男女が日時を定めて会うこと。「恋人と―する」
3 時計の文字盤に付属するカレンダーで、日付だけを表示するもの。」
雪ノ下「つまり鶴見さんと比企谷君は日時を定めて会っていただけ。必ずしもデートが恋人間で行われるものではないわ」
雪ノ下「……」
雪ノ下「そう言えば、彼に連絡先を聞くのを忘れていたわ」
雪ノ下「そう、これは用事。彼に用事があるのだから、彼を追うのはなんをら不思議じゃないわ」
雪ノ下「用事があるのだから」
162:
雪ノ下(物陰に隠れながら彼を追う日が来るとはね……安心して、鶴見さん。あなたのデートの邪魔をするつもりはないわ。デートが終わり次第、彼との用事を済ますだけ)
八幡「 」
留美「 」
雪ノ下(ここからじゃ、会話が聞こえないのね。もう少し近づいて……)ソロソロ
留美「八幡。なんでさっきデートの事、誤魔化そうとしたの?」
八幡「変に誤魔化そうなんてしてねえよ……つーか普通気まずいだろ。知り合いに、その……見られんの」
167:
留美「別に」
八幡「……ルミルミがよくても俺はよくねーよ」
留美「ルミルミ言うな」
八幡「……なんで機嫌悪いの?」
留美「あのお姉さんに話しかけられた時、八幡見惚れてた」
雪ノ下(!?)
八幡「そ、そ、そんな事ねーし……」
留美「見惚れてた」
八幡「……別に見惚れてた訳じゃない。ただ、驚いただけだ」
172:
八幡「あいつがまさかこんな所にいるなんて思いもしねえよ。驚いた勢いでつい他人のふりしちまったレベル」
雪ノ下(……やっぱり、最初から私だと気付いていたのね)
八幡「……まぁ、確かに美人にはなってたが」ボソ
留美「やっぱり見惚れてたんだ……」
雪ノ下(いま、彼はなんて言ったの? ここからじゃ聞こえなかった……)
留美「八幡は……」
八幡「なんだ?」
留美「あのお姉さんの事……好きだったの?」
179:
八幡「別にそんなんじゃねえよ。まぁ、でも……憧れてはいたかもな」
雪ノ下(……これは、ワンチャン、というものかしら?)
留美「憧れ……ふーん。八幡」
八幡「なんだ? まだなにか雪ノ下について……」
チュ
雪ノ下(!!!!?)
留美「んっ……浮気した罰」
八幡「……ばっかお前、こんなの罰になんねーだろ」
留美「うん、だから続きは……ね?」
184:
雪ノ下(えっ? 続き? は? えっ?)
留美「行こっか」
八幡「……ああ」
留美「いつも通り八幡の家?」
八幡「……ああ」
留美「八幡って、いつもするって決まると、『ああ』しか言わないね」
八幡「……未だに慣れねえんだよ。言わせんなはずかし」
留美「ふふっ」ギュ
雪ノ下「……」
200:
翌日
八幡「んっ……もう昼過ぎか。寝すぎたな。つーか腰痛い……」
八幡「留美は……帰ったか」
八幡「ったく、ヤるだけヤって先に帰りやがって八幡的にポイント低いよ……あれ、メール?留美からか」
『先に帰ります。ごはん作っておいたから温めて食べて』
八幡「……なにこれ八幡的にポイント高い」
204:
八幡(さて、メシ食ってシーツとカバー洗ってそれから……)
ピーンポーン
八幡「んっ、宅配か?」
ピンピンピンピンピーンポーン
八幡「っ!?」ビクッ
八幡「んだよ……近所のガキのイタズラか? 」
八幡「無視しときゃ収まるか」
ピンピンピーンポーンピンピンピンピンピーンポーンピンピンピーンポーン
八幡「……」
208:
ガチャ
八幡「……おい、さっきからうっせーぞって、えっ、雪ノ下? お前俺の家知ってたっけ?」
雪ノ下「ごめんなさい、寒さで手が震えてて上手くインターホンを押せなかったの」
八幡「新手の嫌がらせかよ……冬とは言えこんな天気のいい日に寒さで震える訳ねえだろ」
雪ノ下「……一晩中この前にいたねだから、寒いに決まってるわ」ボソ
八幡「なんか言ったか?」
雪ノ下「いいえ。それよりも、中に入れてくれると助かるのだけれども」
227:
八幡「は?中にって……なんで」
雪ノ下「言ったでしょ。寒くて震えているからよ」
八幡「だから寒くないって……まぁいい。ちょっと待ってろ。部屋片付けてくるわ」
雪ノ下「その必用はないわ。あなたの部屋にどんなに如何わしい本が落ちていようが、私は全て許容してあげる」
八幡「如何わしい本って……年考えろよガキじゃあるまいし」
雪ノ下「……」
雪ノ下「……そうね。あなたにはそんな本、必用ないものね」ボソ
412:
八幡「別に如何わしい本なんかねえけど、色々と散らかってんだよ。いいから待ってろ」
雪ノ下「……仕方ないわね」
バタン
雪ノ下「ええ、そうよね。散らかっているものね。だって一晩中、鶴見さんと……」
雪ノ下「……」
雪ノ下「……して」
雪ノ下「どうして彼女なの?……比企谷君」
雪ノ下「どうして、私じゃないの……」
414:
―――
――
ガチャ
八幡「……待たせたな。つーか来るなら連絡くらい入れろ」
雪ノ下「仕方ないじゃない。私はあなたの連絡先なんて知らないのだから」
八幡「由比ヶ浜に聞くとか方法はあったろ……」
雪ノ下「えっ」
八幡「あっ? どうかしたか?」
雪ノ下「由比ヶ浜さんとは……今でも交友があるの?」
八幡「は? そりゃそうだろ。というか由比ヶ浜とならお前の方が仲が良いだろ」
雪ノ下「……」
427:
雪ノ下(由比ヶ浜さん……大学生の時は連絡を取って会っていたけど、働いてからは殆ど……)
雪ノ下「今でも、会うことはあるの?」
八幡「まぁ……」
雪ノ下「そう……」
八幡「んで、俺になんか用か? お前がわざわざ家に来るなんて……高校の時でもなかったな」
雪ノ下「別に」
八幡「は?」
雪ノ下「用がなければ会ってくれなのいかしら?」
八幡「……そんな事はねえけど」
雪ノ下「ならいいじゃない」
431:
八幡「……なんつうか」
雪ノ下「なに?」
八幡「変わったな、お前」
雪ノ下「それはこっちの台詞よ。まさか比企谷君があんな場所で堂々とキスをするような軽い男になっているとはね。汚らわしい」
八幡「汚らわしいなら、わざわざ会いにくんなよ……」
雪ノ下「……」
八幡「……えっ、なんで急に黙るの」
雪ノ下「……あなたは、本当に変わってしまったのね」
八幡「何年経ったと思ってんだよ……そりゃ、まあ、あの頃に比べたらな」
438:
八幡「というか、その……見られてたのか、昨日のアレ」
雪ノ下「あんな所でしたら嫌でも目に入るわ」
八幡「……今度から自重するよう言っておく」
雪ノ下「あなたが変わったのは、彼女の影響かしら」
八幡「……さあな。そういうお前が変わったのは葉山の影響か?」
雪ノ下「えっ」
八幡「どうした?」
雪ノ下「どうしてそこで葉山君が出てくるのかしら?」
八幡「どうしてって、お前たち付き合ってるんだろ? 由比ヶ浜から聞いたぞ」
455:
雪ノ下「えっ……」
八幡「聞いたのは大学生の時だしな……今でも続いてんのか?」
雪ノ下(どういう、事……? 私は今まで誰とも付き合った事すらない。ましてや相手があの葉山君なんて絶対に嫌よ)
八幡「なんで黙りこむんだよ……もしかして悪い事、聞いたか?」
雪ノ下「……比企谷君、一つ聞いてもいいかしら」
八幡「なんだ」
雪ノ下「あなたが鶴見さんと付き合ったのは、その……私が付き合っていると、聞いたから?」
八幡「は? お前どれだけ自意識過剰なんだよ……それじゃあ、まるで俺がお前の事を好きだったみたいじゃねえか」
雪ノ下「あら、違うのかしら? 奉仕部にいた時は何度もあなたの嫌らしい視線を感じたわ」
八幡「ちげーよ。その時には既に留美と付き合った。だから当時告白してきた由比ヶ浜も断ったしな……」
雪ノ下「えっ」
471:
八幡「どうした。告白の件は由比ヶ浜から聞いてるだろ?」
雪ノ下「……」
八幡「お前に慰めてもらうって言ってたぞ」
雪ノ下「……」
八幡「雪ノ下……?」
雪ノ下「聞いて、ない……」
八幡「は?」
雪ノ下「彼女があなたに告白したなんて、聞いない……私は葉山君とも付き合ってない……私は……」
八幡「お、おい、雪ノ下……?」
484:
雪ノ下「ふ、ふふ、そう……そういう事なのね、由比ヶ浜さん。あなたは、目的のためなら手段を厭わないと言うのね……変わって、しまったのね」
八幡「おいおい、急に笑うなよ怖いよ」
雪ノ下「でも、残念だったわね。そこまでしたのに、結局あなたは手にする事が出来なかったわ。ふふ、あなたは今日、ここで真実を私の口から聞かされ失望され、一方の私は彼と交友を取り戻すの。随分と差が付くわ。悔しいでしょうね」
八幡「なにこれ怖い……」
雪ノ下「やはり私には、あなたしかいなかったのね」
八幡「……なんの事だ?」
雪ノ下「そうよ、私には、あなたしかいない……」
雪ノ下「あなたしか……」
498:
八幡「雪ノ下、今日はもう帰れ。明らかに様子がおかしい」
雪ノ下「……ねえ、比企谷君」
八幡「ほら、明日も仕事とかあんだろ。だから帰って寝ろ」
雪ノ下「比企谷君!」
八幡「なんだよ……」
雪ノ下「あなたに聞いて欲しい事があるの……」
八幡「手短にな」
雪ノ下「比企谷君、私と……」
八幡「すまん、それは無理だ」
雪ノ下「なぜ? 私はまだ何も言ってないわ」
524:
八幡「じゃあ一応聞くが、何て言おうとした?」
雪ノ下「比企谷君、私と付き合いなさい」
八幡「断る」
雪ノ下「なぜ?」
八幡「俺には留美がいるからだ。理由はそれで充分だろ」
雪ノ下「……あの子の、どこが良いと言うの?」
八幡「答える義理はねえよ。やっぱ今日のお前、おかしいわ。さっさと帰れ。特別に家まで送ってやるよ、今の八幡的にポイント高い」
雪ノ下「あの子の、どこが良いと言うの!?」
八幡「……」
546:
八幡「それ答えたら満足すんのか?」
雪ノ下「……納得がいくならね」
八幡「なら答えない。今のお前に何を言っても無駄だからな」
雪ノ下「……なぜ」
八幡「雪ノ下、お前は俺が好きなのか?」
雪ノ下「えっ……?」
八幡「ほら、即答できねえだろ。留美は違う。好きだと、言葉で、行動で示してくれた」
八幡「……いつから、俺の事をそう想っていたのかは知らない」
八幡「だが、もしあの時、奉仕部に居たあの時からの想いなら……なぜその想いを言葉や行動で伝えてくれないんだよ」
八幡「察しろってか? わからねえよ。勘違いしないように、思い上がろうとしないように、ってしてた俺に……そんな事」
雪ノ下「……」
569:
雪ノ下「そんなの……あの時の私に、できる訳ないじゃない……」
八幡「あの時の? 違うな。今でもお前でもできねえだろ」
雪ノ下「……っ」
八幡「あの時と違うなら、違った瞬間に俺と連絡を取ろうとするだろ」
雪ノ下「それは由比ヶ浜さんが……」
八幡「由比ヶ浜は関係ない。なんなら小町から俺の連絡先を聞けばよかっただけだ。違うか?」
雪ノ下「……」
八幡「お前がここで俺と再び話しているのは昨日、偶然会ったからだ。お前から俺に会おうとしたからじゃない。お前が変わったからじゃねえんだよ」
579:
八幡「今更、遅いんだよ」
雪ノ下「……」
八幡「なんで、もっと早く……いや、なんでもない」
雪ノ下「……そう、遅かった、のね」
八幡「ああ」
雪ノ下「比企谷君……」
八幡「なんだ?」
雪ノ下「もし、あの時……奉仕部に居た、あの時、私があなたに想いを伝えていたなら……」
八幡「もし、なんてねえよ。あるのは今だけだ」
雪ノ下「そう……ね」
601:
雪ノ下「……邪魔、したわね。そろそろ失礼するわ」
八幡「そうした方がいい。帰って、ゆっくり頭冷やせ。そしてベッドの上で今日の事を思い出して悶えながら黒歴史にしろ」
雪ノ下「……それは励ましてるのかしら?」
八幡「先人からの教訓だ。黒歴史は眠る寸前とかで、ふとフラッシュバックするから油断すんなよ」
雪ノ下「そういう所は変わらないのね……」
八幡「そう簡単に変われるか。変わる必用のない部分は、変わらなくていいんだよ」
雪ノ下「……」
612:
八幡「……雪ノ下」
雪ノ下「なに?」
八幡「ケータイ持ってるか?」
雪ノ下「……? ええ、あるけど、それがなにか?」
八幡「連絡先、知らないだろ。俺ら互いに」
雪ノ下「えっ?」
八幡「戸塚と、由比ヶ浜とお前と…平塚先生と……あと材木座とか、久しぶりに会うのも……その、悪くない、だろ」
雪ノ下「比企谷君……」
雪ノ下「……ええ、確かに。悪くないわ」
雪ノ下(由比ヶ浜さんには、話があるしね……)
625:
雪ノ下「そういえば……」
八幡「なんだよ」
雪ノ下「あなた、由比ヶ浜さんとたまに会うと言ってたけど……いいの?」
八幡「留美の事か? 確かに由比ヶ浜は
、その、告白してきた事があるが……昔の事だろ」
雪ノ下「そう……」
雪ノ下(由比ヶ浜さん……あなたはまだ、諦めていないのね)
雪ノ下「……鈍いのね。それとも気付かないふりかしら」
八幡「……? なんの事だ」
雪ノ下「いえ……でも、そんな所も変わっていないわね」
八幡「だから、なんの話だ」
628:
―――
――
雪ノ下「それじゃあ、また……」
八幡「ああ、またな」
雪ノ下「……ねえ、最後に一言いいかしら」
八幡「まだなんかあるのか? んだよ」
雪ノ下「好きよ」
八幡「……好きだった、の間違いじゃないのか」
雪ノ下「いいえ、違うわ。好きよ」
八幡「……さっきも言ったが俺は」
雪ノ下「言いたかった事はそれだけよ」
八幡「……は?」
641:
雪ノ下「ふふ、好き以外の言葉も聞きたいの?」
八幡「ばっかお前、別にそんなんじゃ……」
雪ノ下「あなたに言い負かされたのは癪だけど、その慌て顔を見れて満足ね」
八幡「そういう所、ホント変わらねえな」
雪ノ下「ええ、そうよ。私は変わっていないわ。あなたもそう言ったじゃない」
八幡「……やっぱお前には敵わねえわ」
雪ノ下(比企谷君は変わった。私もこれから変わっていくのかも知れない……)
雪ノ下(でも、変わらない部分もある。変わらなくていい、部分があるとあなたは言った)
雪ノ下(だから、この想いが変わらない部分でも構わないでしょ?)
雪ノ下(比企谷君……)

655:

ちょっと切なくなった
----------------------------------------------------------------------------
◆以下、おまけ(小ネタ)になります。
元スレに貼られていた画像
130:
131:
>>130
ブッヒィイイイ
140:

154:
192:
仕事から帰ってきた平塚先生を後ろからぎゅーっとして「な、なんだいきなり…///」ってなってそのまま頭なでなでしたい。
「……ありがとう。とても癒される」なんて言われたい。
安心してウトウトした平塚先生をお姫様抱っこでベットに運んであげたい。
「すまない、重くないか?」って嬉しさと申し訳なさが混ざった表情で見上げられたい。
抱きしめてちゅっちゅするだけでそれ以上はしない添い寝をしたい。
朝ごはんを作ってあげて美味しいと褒められたい。
平塚静ちゃんとイチャイチャ生活がしたい!
268:
7.5からなんか挿絵の八幡がまたイケメン設定に戻って行ってないか?
272:
>>268
これなんの特典だ?
277:
>>272
ゲマの8巻特典
メイトがこれ
とらがこれ
558:
こんな時期がゆきのんにもありました…
560:
それが今では
563:
>>560
これほんと怖い
56

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