アキ「ある日の午後」back

アキ「ある日の午後」


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1:
アキ(今日はテスト開けで学校は午前中で終わり……)
アキ(このまま帰るのも何だし、ちょっとブラブラしようかしら)
アキ「あ……ここのクレープ屋さん、新作出たんだ」
アキ「…………」←お小遣いと相談中
アキ(たまには良いでしょう。そう、これはテストを頑張った自分へのご褒美なのよ)スタスタ
2:
<キャキャキャ
アキ(学校帰りの子も結構居るのね。ここ、休日にしか来た事ないから知らなかったわ)モグモグ
アキ(しかもほとんどは友達連れ……1人で来てるのは私だけ、か)
アキ「…………」
アキ(いや、私ぼっちじゃないし。クラスにもちゃんと友達居るし。今日はたまたまだし)
アキ(……何か変にライフを削られた気分だわ。やっぱりクレープ食べたら今日はさっさと帰りましょう)モグモグ
遊星「おい、アキ」
アキ「んがっくっく!?」ビクッ
3:
アキ「ブ、ブルーベリーのソースが気管に……けほっ、けほっ!!」
遊星「大丈夫か? 悪い、まさかこんなに驚かれるとは思わなくて……」セナカサスリサスリ
アキ「ゆ、遊星? 何であなたがここに?」
遊星「この近くにある会社にパソコンの修理を頼まれてな。
それでその帰りにたまたまこの店の前を通ったらアキの姿が見えたんで声を掛けたんだ」
アキ「そうなの……」
アキ(び、びっくりした。まさかこんな場所で遊星に会うとは思わなかったわ)
4:
遊星「今日は学校は? まだ昼だろ?」
アキ「テスト開けなのよ。学校は午前中で終わりなの」
遊星「成る程。言われてみれば周りも学生ばかりだな……で、アキは学校帰りに買い食いという訳か」
アキ「そうよ。学校帰りに1人寂しくクレープ食べてるのよ。悪い?」
遊星「別に悪くない。買い食いなんて学生らしくて良いじゃないか」
アキ「ふん……」モグモグ
遊星(驚かせた事を怒っているのか? 次からは気を付けよう)
アキ(うぅ、いきなり過ぎて変に緊張しちゃうわね……)
5:
遊星「せっかくだから俺も何か食べようかな」
アキ「えっ、貴方がクレープを食べるの?」
遊星「……変か?」
アキ「えっと、ごめんなさい。正直こういうの食べるイメージなかったから……」
遊星「結構甘い物好きなんだ……あ、スイマセン。このチョコバナナスペシャル下さい」
店員「カシコマリー」
アキ(何か貴重なシーンを目撃している様な気がする)
8:
アキ「でも貴方が甘い物好きだったなんて初耳だわ。他に何か好きな物とかあるの?」
遊星「そうだな……ミルクに苺、後オムライスとか好きだな」モキュモキュ
アキ「ふふっ、何だか子供みたいね」
遊星「それと肉団子も好きだ。この前アキが作ってくれたのは美味しかったぞ」モキュモキュ
アキ「……ごめん。頼むからその話はしないで///」
遊星「アキがそう言うならそうするが……それより頬にクリーム付いてるぞ」モキュモキュ
アキ「えっ、やだ!?」アセアセ
遊星「そっちじゃない。こっちだ」フキフキ
アキ「ちょ!?///」
9:
アキ「ゆ、遊星! い、いきなり何するのよ!?」
遊星「何ってハンカチで拭いただけだ。大丈夫、今朝クロウが持たしてくれた綺麗なやつだから」
アキ「そういう意味じゃなくて……その……こんな人前で……///」
遊星「人前だと何か不味いのか?」
アキ「だ、だから……」
女子A「あれ、あそこに居るの十六夜さんじゃない?」
アキ「!?」
女子B「クールなイメージあったけどこういう所にも来るんだ。何か可愛いかも」
女子C「隣の人、彼氏かなぁ?? 髪型はちょっと個性的だけどぉ?カッコいい人だねぇ?」
アキ(あれは同じクラスの……不味い、これは非常に不味いわ!)
11:
女子A「声掛けてみようか?」
女子C「でもデート中だったら悪いよぉ?」
アキ「くっ、遊星、店を出るわよ!」
遊星「まだ俺もお前も食べている途中だろ?」モキュモキュ
アキ「クレープ何だから歩きながら食べれば良いでしょ! ほら、早く行くわよ!!」ギュ
遊星「分かった」モキュモキュ
女子B「あ、仲よく手を繋いで出て行くぞ!」
女子A「やっぱり彼氏だったのね。さすが十六夜さん、私達より一歩先を進んでるわ」
女子C「良いなぁ?。私もあんなカッコいい彼氏欲しいなぁ?」
アキ(もう、何で私がこんな思いしなきゃいけないのよ!!///)
遊星(ここのクレープ、美味しいな……今度、龍亞や龍可達も連れてまた来るか)モキュモキュ
13:
…………
遊星「何だか疲れた顔をしているな。勉強疲れが今になって出たんじゃないのか?」
アキ「……誰のせいだと思ってるのよ?」
遊星「ん、誰かに何かされたのか?」
アキ「はぁ、もう良いわ……遊星はやっぱり遊星ね」
遊星「? 良く分からないが、疲れているなら今日はもう家に戻った方が良いんじゃないのか?」
アキ「そうするわ。遊星はこれからどうするの?」
遊星「そうだな……仕事ももう終わったし、俺もこのままブラブラ歩いて帰るさ」
アキ「あら、歩いてってDホイールで来たんじゃないの?」
遊星「最近ガレージにずっと居る事が多いからな。たまには歩いて運動した方が良いと思ってな」
アキ「ふぅん、遊星もそういうところ気にするのね」
14:
遊星「そういえばアキはこの近くに住んでいるだっけ?」
アキ「ええ、もう少しだけ歩くけどね」
遊星「なら送って行こう」
アキ「えっ? いいわよ、別にそんな事しなくても」アセアセ
遊星「遠慮する事は無い。さっきも言ったがもう仕事が終わって他に用事も無いからな」
アキ「で、でも……」
アキ(もし遊星と一緒に帰っているところをまた誰かに見られたら変な誤解を受けそうなのよね。
まあ正直、私としてはあまり悪い気はしないんだけど……ん?)
ぽた……ぽた……
遊星「雨か。激しくなる前に移動した方が良いな……行くぞ、アキ」ギュ
アキ「ちょ、いきなり手を引っ張らないでよ!?///」
遊星「すまない。だがアキもクレープ屋でいきなり俺の手を引いたじゃないか」
アキ「そ、それは……と、とにかく離して! ちゃんとついて行くから!!///」アセアセ
15:
十六夜邸……
ざあああああぁぁぁぁ……
遊星「急いだが結構濡れてしまったな」
アキ「仕方ないわよ、急に本降りになったんだから……とりあえず上がって。すぐにタオル出すから」
遊星「すまない。しかし何時見ても立派な家だな、アキの家は」
アキ「無駄に広いだけよ。恥ずかしいからあんまりジロジロ見ないで……ただいま?」ガチャ
節子「お帰りなさい、アキ。雨凄かったで……あら?」
遊星「あ、ご無沙汰してます」ペコリ
節子「あらあらあらあらあらあらあらあらあら♪」キラーン☆
アキ「ちょっと、ママ。そんなキラキラした目でこっちを見ないでよ……」
16:
節子「もうアキったら。遊星君連れてくるなら連絡してくれないと……知ってたらもう少しお化粧も気合い入れてたのに」
アキ「入れなくていい。学校帰りにたまたま遊星と会って送って貰っただけなんだから」
節子「そうなの? ごめんなさいね、こんなに濡らせちゃって」
遊星「いえ、大丈夫です。昔から身体だけは丈夫なので」
節子「せっかくだから少し温まって行きなさいな。その間に雨も止むでしょう。うん、そうしましょう」
アキ「ちょっと、何勝手にママが話を進めているのよ?」
節子「せっかくこの雨の中を送って頂いたのよ? 用が済んだら『はい、さよなら』なんてそんな失礼な事は出来ないわよ」
アキ「そ、それはそうだけど……」
17:
節子「すぐにバスタオル持ってくるわね。あ、ついでにお風呂入っていきなさい」
遊星「いえ、さすがにそこまでは……」
節子「遠慮しないの。このままだと風邪引いちゃうから。ね?」グイグイ
遊星「は、はあ……なら、アキから先に」
節子「まあ、遊星君は優しいのね。もし良かったらアキと一緒に入っても……」
アキ「さあ、お風呂に入ろうかしら! 1人でさっさと入るわよ、うん!!」
18:
…………
アキ「上がったわよ」ホカホカ
節子「あら、本当にさっさと入ったのね。もう少し遊星君と2人だけでお話したかったのに」ホッペプクー
アキ(それが嫌だから早く上がったのよ)
節子「はい、遊星君。着替え、お父さんのだけど」
遊星「何から何までありがとうございます。ではお風呂頂きます」ペコリ
アキ「……遊星に変な事聞いてないでしょうね?」
節子「まさか。それよりアキ、遊星君まだ彼女居ないって言ったわよ? まだ告白してなかったの?」
アキ「聞いてるじゃない、もう!!」
20:
節子「でもやっぱり遊星君は素敵ね。紳士で礼儀正しくてイケメンで……やっぱり息子にするならあんな子よね」ウットリ
アキ(あーあ、もう。何でウチの親はこうなのかしら? 何だか頭痛くなって来たわ)
アキ(でもまさか遊星がウチのお風呂に入る事になるなんて考えてなかったわ……ん、ちょっと待ちなさい?)
アキ(つまり遊星は私がさっきまで入っていたお風呂に入るのよね? 私が浸かっていた湯船に……)
アキ(あ、あら? 何だか急に恥ずかしくなって来たような……いや、さすがに気にし過ぎよね///)
アキ(先に遊星に入って貰った方が良かったかしら?
でもそしたら遊星が入っていた湯船に私が入る事に……いけない、思考が少し変態っぽくなってる!?///)
節子「ねえ、アキ。ツンツンも良いけど、たまには自分の気持ちに素直に行動しても良いと思うんだけど?」
アキ「ああ、ママはもう黙ってて!!」
22:
…………
遊星「スイマセン、ご飯までご馳走になってしまって」
節子「気にしないで、まだお昼食べてないって言うから。遊星君の口に合っていたら良かったんだけど」
遊星「美味しかったです。こういう家庭的なご飯好きなので」
節子「あら、そうなの? ねえ、アキ聞いた? 遊星君、家庭的なご飯が好きなんですって!」
アキ「ああ、そうなの……」
遊星「アキ、何だかさらに疲れていないか?」
アキ「何でもないわ……そういえばパパは? 今日は早く帰って来るって言ってなかった?」
アキ(まあ居ないなら居ない方が良いんだけど)
23:
節子「さっき電話があったわ。何だかトラブルがあったみたいで少し遅くなるって言ってたけど……」
アキ「けど?」
節子「遊星君が来てるって言ったらすぐ帰るって。多分もう家に着く頃じゃない?」
アキ「余計な事言わなくて良いから!!」
<ユーセークン! ユーセークンハドコダー!!
節子「あ、帰って来たみたいね♪」
遊星「本当に大丈夫か、アキ?」
アキ「orz」
25:
英雄「久しぶりだね、遊星君! 元気にしてたかね!!」
遊星「ご無沙汰してます。スイマセン、服までお貸しして頂いて」
英雄「いや、君になら服の1枚や2枚、喜んで譲るよ! ついでに娘の方も何時でも……」
アキ「パパ!!」
英雄「せっかく来たんだ、ゆっくりしていくと良い! 母さん、ビールとコップ2つ!!」
節子「あら、お昼からお飲みになるんですか?」
アキ「コップ2つって……遊星はまだ未成年よ?」
英雄「固い事言うな、アキ。男は早い内に飲める様になっていた方が良いんだぞ?」
アキ「議員が未成年にお酒飲ませたらそれこそスキャンダルでしょ!?」
遊星「確かに飲めませんがお酌くらいなら……」
アキ「いや、遊星も気を遣わなくて良いから」
29:
英雄「お昼ご飯を食べたのかい? なら夕飯も食べて行きなさい。なんなら泊まって行っても構わないよ」ウキウキ
節子「今日はたくさんお話ししましょうね、遊星君」ウキウキ
アキ(もうやだ、この両親……)
遊星「え、えっと……あ、ちょっとスイマセン。電話が掛かって来たみたいなので」
遊星「もしもし、クロウか……ああ、今アキの家に……え? 高級ステーキが何だって?」
遊星「ああ……分かった……じゃあ後で」ピッ
アキ「どうしたの? クロウからの連絡みたいだったけど?」
遊星「ああ、詳しくは分からないがどうやら牛尾が俺達に用があるらしい……という訳でスイマセン。
そろそろお暇させて貰います。ちょうど雨も止んだみたいですし」
英雄&節子「「そんな!?」」ショックリボー
アキ「夫婦揃って世界が終わったみたいな顔しないでよ……」
30:
いい夫婦の日ですね
31:
…………
遊星「本当に色々ありがとうございました」←服乾いたので着替えた
節子「大したおもてなしも出来なくてごめんなさいね。また何時でも遊びに来て構わないから」
アキ「じゃあ途中まで遊星を送って行くわね」
英雄「アキ、今は男女平等の世の中だ」
アキ「……いきなり何?」
英雄「だから女だって送り狼になっても構わないとパパは……」
アキ「それ以上何か言ったら本気でブロック・ローズ・ガイルするから」
32:
<マタキテネーゼッタイダヨー
遊星「……まだ手を振ってくれてるな」ノシ
アキ「本当にごめんなさいね、騒がしい両親で……普段はもう少し大人しいんだけど」
遊星「別に気にしないさ。それに安心した」
アキ「安心って?」
遊星「うまくいってるみたいじゃないか、家族関係」
アキ「…………」
遊星「もう何も心配はなさそうだ。本当に良かったな、アキ」
35:
アキ「そう見える……かしら?」
遊星「ああ、少なくとも俺の目には仲の良い理想の家族として映っている。アキ自身はどう思うんだ?」
アキ「私も……うん、上手くいってると思う」
遊星「こんな事を言うのも何だか、正直俺はアキが羨ましいよ」
アキ「羨ましい?」
遊星「俺は物心ついた時にはもう両親は居なかったからな。仲間は昔から居たが、家族は居なかった」
アキ「あ……」
遊星「今日、風呂に入った時や食事を作って貰った時、何だかとても温かい気持ちになれた。
きっとこれが家庭の温かさ何だろうな……屈託なく両親と喋るお前の姿もとても眩しく見えたよ」
アキ「もしかして遊星が家庭的なご飯好きって言ったのも……」
遊星「ああ、それもあるかもな。
味覚が子供っぽいのも小さい頃、滅多に食べられなかったああいう物に憧れていたせいかもしれない」
36:
遊星「アキ、仲間との絆は強いものだが、家族の絆も同じくらい強いものだ」
遊星「お前は一度失いかけたそれを再び得る事が出来た……大切にしろよ、その絆」
アキ「……うん」
遊星「まあ、俺が改めて言う事でもないだろうがな」
アキ「……あの、遊星」
遊星「ん、何だ?」
37:
アキ「家族……やっぱり欲しいって思う?」
遊星「え?」
アキ「その、遊星次第によっては……まだ作れる方法あると……思うのよね」
アキ「それなら私でも……相談乗れると思うん、だけど……」
遊星「アキ?」
37:
アキ「家族……やっぱり欲しいって思う?」
遊星「え?」
アキ「その、遊星次第によっては……まだ作れる方法あると……思うのよね」
アキ「それなら私でも……相談乗れると思うん、だけど……」
遊星「アキ?」
38:
アキ「……ご、ごめんなさい! 今の無し! 何でもないから忘れて!!///」
遊星「あ、ああ。分かった」
アキ「えっと、そのね……そうだ、私今料理の勉強してるのよ。料理の上手な知り合いに色々と習いながら」
アキ「だからこの前は失敗しちゃったけど……今度はちゃんとご馳走してあげるから」
アキ「遊星の好きな家庭的なご飯、食べさせてあげるから。勿論肉団子も入れて、ね♪」
遊星「……ありがとう。楽しみにしてる」ニコッ
アキ「じゃ、じゃあ行きましょうか。もう少し先まで送るから」
遊星「ああ」
39:
アキ(もう、私ったらいきなり何を言い出してるのよ。今の一つ間違えたらその、プ、プロ、プロポ……///)
アキ(……でも遊星が求めるモノを与えられたら良いなって思うのは本心なのよね。それに)
…………
節子『たまには自分の気持ちに素直に行動しても良いと思うんだけど?』
…………
アキ「…………」
遊星「…………」
アキ「…………///」ギュ
遊星「……アキ?」
41:
アキ「ちょっと……冷えるから///」
アキ「こうすれば、その……温かいでしょ?///」
遊星「…………」
遊星「……そうだな」ギュ
翌日、アキがこのシーンを目撃したクラスメートからクレープ屋の件と併せて色々と根掘り葉掘り聞かれる事になるのはまた別の話。
<おわり>
42:
読んでくれた人、ありがとうございました。
この話の前日譚として『アキ「遊星ってちゃんとご飯食べてるのかしら?」』という話もあるのでもし見かけたらよろしくお願いします。では。
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