真紅、鼻毛を抜く。back

真紅、鼻毛を抜く。


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     .ィ/~~~' 、
    、_/ /  ̄`ヽ}
    ,》@ i(从_从))  皆様、大変長らくお待たせしました。
  ||ヽ|| ^ω^ノ|.  それではこれより私、ローゼンメイデン第5ドール
   || 〈iミ''θミi〉||  真紅の謝罪記者会見を始めさせていただきます。
  / ̄ ̄? ̄ ̄\
 |二二二二二二二|
 |  |
704 :
    、_/ /  ̄`ヽ}.  え?、この度、ローゼンメイデンがマスターと契約する際に
    ,》@ i(从_从))  交わす電話、文書、メール等で説明されている内容が
  ||ヽ|| ^ω^ノ|.  その後の実際のアリスゲームの事実とかけ離れているという
   || 〈iミ''θミi〉||  御指摘を受けた件についてでございますが…
  / ̄ ̄? ̄ ̄\ え?、全ては人工精霊あるいはラプラスの魔の一存によるものであり
 |二二二二二二二| 私ども薔薇乙女は全くもって、あずかり知らぬ内容でありまして…
 |  |
705 :
記者達『当事者である薔薇乙女が知らないはずないだろー!』
記者達『マスターの中には力を吸われすぎて死にかけた人もいるそうじゃないですか!』
記者達『生死にかかわるような内容を一切、通知せずに契約を迫るというのはどういう見識なんです!?』
記者達『また、契約の際の【巻きますか】【巻きませんか】も非常に曖昧な表現ではないのですか?』
真紅「そ、それらの件につきましては薔薇乙女内部で可及的やかに見直しをはかりまして
  今後はマスターとなる方へ、アリスゲーム関係者各位が説明責任をきちんと果たして…」
706 :
記者達『ドールじゃ話にならない! 責任者だ! 責任者を出せ!』
真紅「せ、責任者…と言いますと?」
記者達『お父様だよ! ローゼンに決まってるだろ! お父様を呼べ!』
真紅「お父様は今回の事件で【他人様に会わせる顔がない】と申しておりまして。
  ますます一層、nのフィールドのいずこかに引き篭もるようになってしまい…」
記者達『ふざけるなー! お父様を出せ!』
記者達『そうだそうだ! ローゼンを出せ!』
記者達『出ーせ!』
記者達『出ーせ!』
記者達『出ーせ!』
記者達『出ーせ!』
707 :
真紅「あ、ジュン。見ての通り謝罪会見よ」
ジュン「謝罪ってお前…」
記者(翠星石)「チビ人間! せっかくの良いところを邪魔するなですぅ!」
記者(雛苺)「もうちょっとだったのにぃ…」
記者(金糸雀)「カナ達の作戦が台無しかしら!」
ジュン「記者も姉妹じゃねぇか。どういう遊びだよ、これは」
708 :
  名付けて【薔薇乙女が不祥事起こしたので製造責任者であるお父様が謝罪します】作戦」
ジュン「はぁ?」
翠星石「今やっていたように、真紅を吊るし上げていればお父様が出てくるはずだったのですぅ」
雛苺「うぃ!」
金糸雀「あ?あ、久しぶりにお父様に会えるチャンスをジュンに潰されたかしら」
ジュン「大袈裟な。もう邪魔しないから好きなだけ続きをやってろ」
真紅「やる気を折られた心は、そうそう容易く元には戻らなくてよジュン。私の逆巻きの懐中時計でも戻せない」
雛苺「ヒナ達の心はナイフなの!」
真紅「ナイーブ」
709 :
金糸雀「次でこそ、お父様が確実にカモンカモンかしら」
真紅「そうね。じゃあ、ひとまず今後の契約用の手紙に注意書きとして加える文面案を発表しておきましょう」
ジュン「…文面案?」
真紅「ええ。今の記者会見もただのデッチアゲじゃあない、無視できない問題を突いていた。
  だから今後はローゼンメイデンとマスターの契約時に、もっと情報開示しておこうというわけよ」
金糸雀「それが時代の流れ、世界の選択かしら」
ジュン「ふーん」
真紅「で、その文案がこれ↓」
薔薇乙女がアリスゲームで本気を出す際にはあなたの体力を分けてもらうことがあります。
そのため、薔薇乙女との契約はあなたの健康を損なうおそれがあります。
薔薇乙女との契約はゆっくりとした苦痛に満ちた死の原因になるおそれがあります。
薔薇乙女はあなたとあなたの周りの人に深刻な害を及ぼすおそれがあります。
ジュン「海外のタバコの警告文じゃねえか」
710 :
ジュン「一応聞いておくが、次は誰のどんな不祥事だ?」
真紅「ローゼンメイデンでもないくせにローゼンメイデンのフリをしていた
  薔薇水晶の、いわゆる産地偽装問題について槐と雪華綺晶が謝罪会見をするの」
ジュン「まだ薔薇水晶をいじめ足りないのか貴様らは」
翠星石「話は最後まで聞けですチビ人間」
金糸雀「ちゃんとシナリオはできているかしら」
ジュン「シナリオ?」
真紅「ええ。私達の執拗かつ陰湿な追求に、流石の薔薇水晶も
  ついにブチギレて私達をコテンパンにのしてしまうという筋書きよ」
ジュン「なんだ、そりゃ?」
711 :
真紅「そうそう。なんだかんだでお父様はアリスゲームが中途半端に終わってしまうことを恐れている」
翠星石「アリスゲームの本道以外でデンジャラスな事態になれば助けてくれるのですぅ」
ジュン「…分かった分かった、日が暮れるまで好きなだけやってろ。
  ただし、あまりうるさくするなよ。ご近所さんに迷惑なんだから」
真紅「さっき言ったはずよ、ジュン。
  薔薇乙女はあなたとあなたの周りの人に深刻な害を及ぼすおそれがあります…とね」
ジュン「言えば良いってもんじゃねぇよ」
712 :
ジュン「ぐーぐー」zzZ
真紅「…くっくっく、よく寝ているわ」
雛苺「真紅、真紅ぅ! 早く始めるの」
翠星石「落ち着けですチビ苺。今、チビ人間に起きられたら何にもならんですよ」
真紅「…なんだかんだで全くお父様の影すら出なかった今日、私達のストレスは頂点に達してしまった。
  このストレスを解消するためには【ジュンガゲーム】でキャッキャウフフするしかない」
翠星石「薔薇水晶だけは私達をぼこりまくって、やけにすっきりしていたですけどね」
雛苺「お人形なのに、お肌がツヤツヤして帰って行ったの」
真紅「あの子はたまにでも、こういった形でガス抜きさせておかないと爆発するから」
雛苺「でもでも、ヒナ達は殴られ損なのぉ。特に金糸雀は殴られどころが悪くて
  気絶したままになっちゃって、みっちゃんさんに引き取りに来てもらったのよね」
713 :
雛苺「うぃ!」
翠星石「この日のために、100円ショップで目をカラにして探し回って
  翠星石の手にベストフィットなマイピンセットを用意したですぅ」
真紅「カラにしちゃダメでしょ。まあいいわ、これより第1回ジュンガゲームを開催いたします」
雛苺「いぇーい!」
翠星石「ぃやっほーっ!」
※ジュンガゲーム
寝ているジュンの鼻の穴にピンセットを突っ込んで鼻毛を抜いていくゲーム。
これを皆で順番に繰り返していき、ジュンを起こした人が負け。
714 :
ジュン「ぐーぐー」zzZ
翠星石「ふふふ、チビ人間の鼻の中はまさにうっそうとしたジャングル!
  より取り見取りですぅ。どれを抜こうか目移りしちまって困るですよ」
真紅「この日のために毎晩、寝ているジュンの鼻の穴に育毛剤を垂らし続けた甲斐があったというもの」
雛苺「翠星石が作った育毛剤、よく効いたみたいなの」
翠星石「スィドリーム監修のもと、細心の注意を払って作った育毛剤が
  効かないわけはないです。伊達に庭師を名乗っちゃいねぇですよ、この翠星石は!」
雛苺「うぃ。翠星石、素敵なのよね」
翠星石「がっはっはっは! もっと翠星石を褒めろですチビ苺。
  称えろです、崇めろです! 今日という日を国民の祝日にしろですぅ」
真紅「いい加減に早くゲームを始めなさい翠星石。馬鹿笑いしているとゲーム前にジュンが起きちゃうわよ」
715 :
ジュン「……ぐっ?」zzZ
雛苺「あやや!? ジュンが起きちゃうのよ?」
翠星石「いんや、この程度ではまだまだ大丈夫です。よーし、大物を抜いてやるです! そ?れっ!」ブチッ
真紅「おおおっ! これは10mmオーバーの大物よ」
翠星石「しかも毛根まできっちり抜けたです。大きさもツヤも申し分なし。美しい鼻毛ですぅ」ウットリ
ジュン「……」zzZ
真紅「ジュンも眠ったまま。翠星石、上手くやったわね」
雛苺「翠星石、抜いた鼻毛はこの画用紙の上に植毛するの!」
翠星石「オッケーでぇす! 毛根を画用紙にくっつけて、鼻毛を立たせて…と」
真紅「一体、ココに何本の鼻毛が植わることやら…。夢と希望で胸がエンジョイ&エキサイティングだわ」
716 :
真紅「よし」ススス
ジュン「……っ?」zzZ
雛苺「みょわわ! し、真紅! ピンセットを突っ込みすぎなのよ!」
真紅「虎穴に入らずんば虎児を得ず。まあ見てなさい。…よいしょーっ!」ブチブチィッ
翠星石「ほぁあああああっー! 10本ぐらい一気に引き抜いちまったですよ!」
ジュン「……」zzZ
雛苺「けど、ジュンは起きないの! 真紅はすごい心臓なのよ?! そんなにいっぱい引き抜くだなんて」
真紅「フフフ」
ジュン「……」ポロポロ
翠星石「あるぇ? チビ人間が泣いているですよ?」
雛苺「起きたの?」
717 :
  そしてジュンの右の瞼だけから涙がこぼれている。左からは流れていない」
翠星石「うんうん。確かに真紅の言うとおりです」
真紅「これは反射をつかさどる神経が顔面の左右にあって、鼻毛を抜くといったようなピンポイントな刺激では
  片方だけが反応するから起きる現象なの。つまりジュンの神経が正常だということで喜ばしいことよ」
雛苺「へぇ?」
翠星石「それはそうと、どうして一気にそんなに大量の鼻毛を抜いたのですか真紅?
  抜いた本数はジュンガゲームの勝敗とは無関係ですのに」
真紅「それは雛苺の番になれば分かるわ」
翠星石「?」
718 :
ジュン「…ふがっ」zzZ
雛苺「…! あ、あやややや!?」ゴソゴソ
翠星石「何をチビ人間の鼻の穴にピンセットを入れたままゴソゴソしているですか」
雛苺「だ、だってぇ鼻毛が見つからないの」
翠星石「なんと! もう鼻毛が無い? ま、まさか真紅!? これが狙いで?」
真紅「その通り、残り少ない鼻毛は短すぎて抜くのは困難。さあ? どうする雛苺?
  ちなみに今日のジュンガゲームは右の鼻の穴だけよ。左の穴は明日、使うから」
翠星石「ローテーションってヤツですね」
719 :
ジュン「…ッ!?」ビクンッ
真紅「な!? 『ドスゥ』とかいう明らかに鼻毛を抜いたのではない音とともにジュンがエビみたいに跳ね上がった!」
翠星石「チ、チビ苺! 何か変な神経でも抜いたんじゃあ…」
ジュン「ぬわーーーっ!」ドブシュゥウウ
雛苺「いにゃー! ジュンが鼻血の噴水なのーーーーっっ!」
翠星石「おっと、ただ単に鼻の血管を突き破っただけですか」
ジュン「がはっ! ぐう…! な、何が起きた! これはーーー!」ジタバタ
真紅「あらやだ。ジュンが起きたわ。試練は流される血で終わるとは、まさにこのことかしら」
翠星石「チビ苺の負けですね」
雛苺「えへへ、失敗しちゃったのー。格好悪いのよね」
ジュン「ティッシュ! ティッシューーーー!」ドタバタ
真紅「今後、練習すれば上手になるわよ雛苺」
翠星石「そうです。めげずに頑張れですぅ」
真紅「ふぁいと!」
雛苺「真紅、翠星石…」ジーン
720 :
真紅「何? ジュン? 鼻血は止まったの? 鼻血が出ていいことは何もないわよ。
  鼻の穴ってのは直接、脳に酸素を送っているそうだから
  鼻血が出るということは脳の働きが鈍るということに直結する」
ジュン「やかましい! この鼻血もお前らが原因だろ!」ドクドク
真紅「そんなことない。ただ単にあなたがいやらしい夢でも見ていただけでしょ」
翠星石「そうです! チビ人間のむっつりスケベ! どんないかがわしい夢を…!」
雛苺「ジュンはエッチなの!!」
ジュン「じゃあ何故、雛苺の手に血塗られたピンセットが握られている?」
雛苺「うみゅっ!?」ササッ
ジュン「今さら隠しても遅いわ! 何をしていたんだ、何を!? 正直に言え!!」
翠星石「何って、その…」ゴニョゴニョ
721 :
雛苺「だ、だってぇ」
ジュン「言い訳無用! 二度とするな!」
雛苺「うぇええ?っ?」
翠星石「そ、そんな! ひどい!」
ジュン「ひどいのはお前らの方! 大体何だ! 他人の鼻毛を抜いて遊ぶって!」
真紅「…ジュン」
ジュン「?」
真紅「鼻毛を抜く行為は、衛生的に推奨されないそうよ。抜いた後の毛穴で雑菌が繁殖して炎症を起こしたり
  最悪の場合、それが脳にまで影響が及んで死亡する事もあるとか無いとか…」
ジュン「だったら尚更悪いわ! 何でそこまで分かってて鼻毛抜きゲームを敢行したッ!?」
真紅「スリルとショックとサスペンスを味わいたかった」
ジュン「味わうのは僕だけだろうが!」
722 :
雛苺「今は反省しているの」
ジュン「本当だろうな?」
真紅「心の底から猛省しているのだわ! 本当に馬鹿なことをしたのだわだわ!
  大切なマスターの鼻毛をオモチャになんかしてしまって…」
ジュン「……」
翠星石「お父様の愛を知らず、過酷なアリスゲームの日々で心が荒んでしまっていたのですぅ!」
雛苺「うっぷんやるかたないのー」
真紅「ジュン! 私達は真剣に悔いている!
  忌まわしきアリスゲームの因縁の大螺旋がジュンガゲームという悲劇を紡いでしまったことを!」
翠星石「嗚呼、ドールズの業がここまで深いものだとは! 私達自身、戦慄するほかないです」
雛苺「罪を憎んで人を憎まずなのよー」
ジュン「……」
723 :
ジュン「だから僕をゲームに使うな! 根本的なところが反省できてない!
  鼻毛もケツ毛もダメ! あと、言い直したわりには上手いこと言えてないからな!」
翠星石「そ、そんな…! ひどい!」
ジュン「何度も言うようだが、ひどいのはそっちだからな! 明日一日、朝、昼、夜の食事は全部抜きな!!」
雛苺「オヤツは?」
ジュン「オヤツも無しに決まってるだろうが!」
翠星石「なんですとー!?」
真紅「私達に餓死しろって言うの! ジュン!!」
ジュン「何年も食べなくても死にはしないくせに」
翠星石「ぬぅ…」
雛苺「うゆゆゆ! 一日中、何も食べられないだなんて…餓死はしなくても、ヒナおかしくなっちゃいそうなの!」
ジュン「安心しろ。現時点で十二分にお前達はおかしい」
724 :
翠星石「真紅」
雛苺「真紅ぅ」
真紅「私達は誇り高き薔薇乙女。これ以上の食い下がりは見苦しいだけよ二人とも」
ジュン「ようやく大人しくなったか。その潔さをどうしてもっと早く発揮できんのかね」
真紅「幸い、画用紙には鼻毛が大量に移植できていることだし、明日一日ぐらいは、これを食べて凌ぎましょう」
ジュン「!?」
翠星石「ですぅ…」
雛苺「何もないよりはマシなのね…」
ジュン「ッッ!?」
真紅「さ、今のうちに三人の取り分と朝昼夜の分け前を…」
ジュン「ちょ、ちょっと待て! それ僕の鼻毛だぞ! 本気で食べるつもりか!」
真紅「だって、しょうがないじゃない。ジュンが食べ物をくれないんだもの」
翠星石「特にチビ苺は24時間、何も食べないでいると発狂するですし」
雛苺「うぃ…。頭がおかしくなるくらいなら鼻毛でもガマンして食べるのよ…」
真紅「そんなこと言わずに。さ、マスターのありがたい鼻毛よ。皆で美味しくいただきましょう」
翠星石「チビ苺には特別に毛根が多めに付着しているのをやるですぅ」
雛苺「ありがとう。優しいのよね翠星石…」
725 :
ジュン「うがーっ! やめろやめろやめろ!
  気色悪いったら、ありゃしない! 三食抜きは取りやめにしてやるから!」
雛苺「ええっ!? 本当!」
ジュン「ああ、本当だ」
翠星石「いぇーい! ゴハン復活ですぅ!」
真紅「ラッキー! きゃほーっ!」
ジュン「やれやれ…」
726 :

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