雪乃「比企谷くん、ポッキーゲームをしましょう」back

雪乃「比企谷くん、ポッキーゲームをしましょう」


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1:
八幡「……は?」
雪乃「日本語が聞き取れないの? とうとう耳まで腐ってしまったのかしら」
八幡「いや、俺もできれば聞き間違いだと思いたいが」
雪乃「だからポッキーゲームよ」
八幡「はぁ? ポッキーゲーム? お前頭でも打ったんじゃねぇの?」
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8 イラスト集付き限定特装版 (ガガガ文庫)
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5:
雪乃「今日はポッキーの日らしいのよ。知らないの?」
八幡「そりゃ知ってるけど」
雪乃「だったらいいじゃない」
八幡「何一つよくねぇよ」
八幡「大体な、そういうアホみたいなイベントは俺のやることじゃねぇよ。気持ち悪い」
雪乃「そんなことを言っているから、世の中から浮いてしまうのよ」
八幡「ポッキーゲームやらなきゃ沈めないくらいなら、浮いてたほうがマシだ」
雪乃「もう! もう!」
八幡「何怒ってんだよ……」
雪乃「比企谷くんはしたくないの!?」
8:
八幡「い、いや、したくねーよ」
八幡(な、何言ってんだこいつ)
八幡(由比ヶ浜とグルになってなにか企んでるのか?)
八幡(つーか、なんで俺の隣に座ってんだ。いい匂いがするからやめろ)
10:
八幡「なんなんだよ」
雪乃「さっきポッキーゲームで由比ヶ浜さんに負けたのよ」
八幡(お前らなに百合百合してんだよ。そういうのは俺が見てる所でやれよ)
雪乃「別に全然悔しくないんだけれど」
八幡(悔しいんだな……)
雪乃「でも思ったのよ。比企谷くんにだったら勝てるって」
八幡「それって、俺がヘタレだからってことか」
雪乃「ええ、分かってるじゃない」
12:
雪乃って原作でデレてるの?
13:
雪乃「だからやりましょう。一回だけでいいから!」
八幡「なんでそんな必死なんだよ……」
八幡(そんなに負けたのが悔しかったのか)
八幡(なんかめんどくさいし、適当に俺が負けてやればそれで終わりか)
八幡「はぁ……、しょうがねぇな、ヘタレの意地を見せてやるよ」
雪乃「え!? ほんとにやるの?」
八幡「え、やらなくていいならやらない」
雪乃「ううん、やる!」
八幡「なんだそりゃ」
17:
八幡「で、細かいルールよく知らないんだけど」
雪乃「ポッキーを両端から食べていって、先に口を離した方が負けよ」
八幡「あぁ……、すげぇ頭悪いゲームだな……」
雪乃「それじゃ、始めましょう。こっち向いて」
八幡「お、おう」
八幡(こんな至近距離で向かい合うと目のやり場に困るな)
雪乃「はい、比企谷くんはそっちからね」パクッ
八幡(しかも、予想以上に恥ずかしいぞ。なにこれ、馬鹿じゃねぇの)
八幡「わ、分かった」パクッ
19:
八幡(ポッキーってこんなに短かったっけ。ち、近い、息が当たる)
雪乃「……」
八幡(おい、これどこ見ればいいんだよ。顔ガン見しちゃっていいの?)
雪乃「……」ポリポリ
八幡(まつげ長いなぁ、唇やわらかそうだなぁ、いい匂いするなぁ。ふひ)
雪乃「……うぅ」ポリポリ
八幡(赤くなってんじゃねーよ! 可愛いからやめろ! 変な気分になっちゃうだろうが!)
八幡(……はっ! いかん、そろそろ適当に離れて負けないと)
ガシッ
八幡(え?)
20:
強引なゆきのんも好きよん
25:
八幡(ちょおま、何掴んでんだ!)
八幡(何だこの技、抜けられん!)ジタバタ
雪乃「……」ポリポリ
八幡「お、おいやm」
チュッ
26:
だいしゅきホールド顔エディションか
30:
八幡「んむーっ!」
八幡(うおおお唇やわらけええええ、キスされちゃってるううう)
八幡(じゃねぇ、お、落ち着け)
雪乃「んっ……、はぁ」
八幡「ぷはぁ……」
32:
八幡「ゆk」
ギュッ
八幡(うおおお体もやわらけええええ、抱きしめられちゃってるううう)
八幡「お、おい雪ノ下! 何が、したいんだ」
雪乃「……私の気持ち、分かってほしいの」
八幡「……なんだよ、それ」
雪乃「そうね、はっきり言わなきゃ伝わらないわよね」
雪乃「ねぇ、聞いて」
八幡「ゆ、雪ノ下、お前……」
雪乃「……比企谷くん、好きよ」
八幡「」
33:

37:
それは違うでしょ
40:
―自宅―
八幡「――ということがあったんだが」
小町「え、本当!? 良かったねお兄ちゃん! 人生初のモテ期到来だよ!」
小町「ふんふん、でも雪乃さんの方が早かったかー」ブツブツ
小町「で、お兄ちゃんはなんて返事したの?」ワクワク
八幡「何も言わずに帰ってきた」
小町「え? え……、はぁ、相変わらずウチのごみいちゃんは……」
八幡「いやだって、普段あんだけボロクソ言われてんだぜ」
八幡「だから警戒してなかったっていうか、青天の霹靂というか、反応に困ったんだよ」
小町「それは雪乃さんなりの照れ隠しでしょ! なんで分かってあげないの!」
八幡「あんな照れ隠しがあんのかよ……」
小町「お兄ちゃんだって似たようなもんじゃない。捻デレてるし」
八幡「俺がいつ誰にデレたってんだよ」
43:
八幡「でだ、他にこんな話ができるやつは、俺にはいるはずもないからお前に話したんだけど」
八幡「どうすりゃいいんだろうな」
小町「……あのね、お兄ちゃん。雪乃さんのことは小町よりお兄ちゃんのほうが知ってるでしょ」
小町「だったら、それを小町に聞くのはおかしいよ」
八幡「……」
小町「ちゃんと明日返事してあげないとダメだよ」
八幡「……ああ」
八幡(はは、まさか妹から説教を食らうとはな)
八幡(俺のほうがあいつを知ってる……か)
45:
―翌日―
由比ヶ浜「やっはろー! ゆきのん、ヒッキー」
八幡「……おう」
雪乃「……こんにちは由比ヶ浜さん」
由比ヶ浜「あれ、二人とも元気なくない? 何かあったの?」
雪ノ下「いえ、なにもないわ」
八幡「……お前の馬鹿っぽい挨拶に辟易していてだけだ」
由比ヶ浜「へきえき? どこにある駅? っていうか馬鹿って言うほうが馬鹿なんだし!」
雪ノ下「由比ヶ浜さん、辟易というのは――」
雪ノ下「それじゃ、今日はこれでおしまいにしましょうか」
由比ヶ浜「うん、じゃあ私帰るねー」テクテク
50:
雪乃「……私も帰るわ」
八幡「ま、待ってくれ、雪ノ下」
雪乃「い、嫌よ。……もう、いいのよ」
八幡「いや、俺はよくない」
雪乃「昨日、返事をしなかったのはそういうことでしょう」
八幡「そ、それは本当に悪かった。ちょっと考える時間が欲しかっただけだ」
八幡「一晩いろいろ考えたんだ。聞いてくれ」
雪乃「……分かったわ」
八幡「サンキュ」
八幡「俺は今までの経験で、こういう人からの好意ってやつを信用しないようにしてるんだよ」
八幡「まぁ、好意に限った話じゃないけどな」
八幡「なんつーか、そういうのには裏があるような気がしてな」
雪乃「……ええ、あなたはそういう人よ」
八幡「ああ、今更変えようもない」
82:
雪乃「それが、答え?」
八幡「いや、もうちょっとだけ聞いてくれ」
雪乃「……」コクン
八幡「この数ヶ月、俺もお前も奉仕部で面倒事を押し付けられてきたわけだ」
八幡「……ああ、本当に大変だった」
雪乃「……そうね」
八幡「その数ヶ月間、俺もお前を見てきたつもりだ」
八幡「だから……」
八幡「雪ノ下は俺が捻くれ者だと知ってるように」
八幡「俺は雪ノ下がこんな嘘はつかない奴だって知ってる」
八幡「だからさ、……俺はお前のその気持ちを信じるよ」
雪乃「比企谷くん……」
85:
いやこのしら切りビッチ保身のために嘘しかついてねえだろう
105:
八幡「俺の気持ちもあれこれ思案したんだが」
八幡「結局、気持ちなんてのはどうなってんのかよく分からん」
八幡「今までそういうの、考えないようにしてきたしな」
八幡「それでもだ、一晩考えて分かった」
八幡「好きな理由、嫌いな理由、そんなの意外と曖昧なんだな」
八幡「……だから、理由は上手く言えないが」
八幡「ようやく気づいた」
八幡「捻くれてるばっかりに、気づくのに遅れちまったけどな」
107:
八幡「聞いてくれ」
八幡「俺は雪ノ下雪乃が――好きなんだ」
八幡「一日待たせてごめんな、こんな俺でよければ……付き合ってくれ」
雪乃「ええ……っ……」
八幡「な、泣くなよ」
雪乃「だ、だって……だって」
八幡(こ、こんな時は頭を撫でればいいんだっけ)ポンポン
ガラッ
結衣「あー、忘れ物しちゃっ……た」
八幡「あ」
111:
結衣「あー!!!!」
八幡「ち、違うんだ! こ、これはだな」
八幡(あれ、よく考えたら何も違わない)
結衣「ヒッキーがゆきのんにアイアンクローして泣かせてるー!」
結衣「またアニメに影響されちゃったの?」
八幡「ちょ、それは違う! なんつー勘違いしてんだ!」
結衣「ヒッキーがそんなことする人だったなんて……」
結衣「先生に言ってくるからね!」
八幡「そんな小学生みたいなことすんな! 説明するから黙ってろ!」
113:
エンドレスエイト……
171:
雪乃「――というわけなのよ」
結衣「……え? 本当に?」
八幡「ああ、本当だ」
結衣「な、何よそれ……」
結衣「あはは……、そうなんだ」
結衣「……ううん、ダメ!」
結衣「あたしは……諦めないから!」
173:
雪乃「いえ、由比ヶ浜さんの言うこととはいえ、ここだけは譲れないわ、八幡はもう私の所有物よ」
結衣「あ! あたしも名前で呼ぶもん! えっと……、そうだ! ハッチなんてどうかな?」
八幡「なんかミツバチみたいだからやめろ」
雪乃「……」イライラ
結衣「じゃあ、はっちゃんとか」
八幡「たこ焼き食いたくなってくるからやめろ」
雪乃「……」イライラ
結衣「そんなに拒否らなくてもいいじゃん! そ、それじゃあたしも八幡って呼ぶから!」
八幡「あ、ああ、勝手にしろよ」
雪乃「ちょっと何デレデレしてるのよ! あなたは私だけ見てればいいの!」
結衣「そんなの八幡の自由でしょ!」
八幡(なにこれ)
175:
そこは両想いなんだから引き下がれよビッチ
176:
このビッチは擁護できない
http://www.amazon.co.jp/dp/4864161992/
184:
結衣「八幡はいっつもあたしの胸とかえっちぃ目で見てるんだから!」
雪乃「ふん! そんな脂肪の塊! こうしてやるわ!」バシッ
結衣「痛い! ゆきのん! なにするの! もう嫉妬しないでよね!」
雪乃「八幡は私くらいの大きさの胸が好きなんだから!」
結衣「そ、そんなことないし! 男の子はみんな大きいのが好きなんだもん!」
雪乃「白黒はっきりさせましょう。八幡、答えて!」
結衣「どうなの!?」
八幡(これどう答えても変態のレッテル貼られちゃうパターンだろ)
八幡「お、落ち着け、ほらあれだ、みんな違ってみんないいって言うだろ」
八幡「そんなことで争うこと自体、無意味なんだって」
雪乃「節操がないのね、この変態」
ガラッ
沙希「話は聞かせてもらった!」
静「私たちも混ぜろ!」
八幡「」
190:
雪乃「また邪魔が」
沙希「あんた、言ったよね? 愛してるって言ったよね? あれは嘘だったの?」
雪乃「ちょっと八幡! 私というものがありながらなんてことを言ってるの!?」
八幡「身に覚えが」
沙希「あ?」
八幡「はい、言いました」
雪乃「この浮気者!」
八幡「いや、あの時はちょっとテンションがおかしかったんだよ。反省してます」
静「ほら、私もラーメン奢ってやっただろう。な?」
八幡「あ、先生は早く帰ってください」
結衣「八幡は渡さないんだから!」
雪乃「ならば戦争よ」
沙希「仕方ないな、こっちは愛の重さが違うんだよ」
静「乗った!」
八幡「先生、楽しんでるだけじゃないですか……」
202:
―自宅―
八幡「――というわけで、無事に雪ノ下と付き合うことになった」
小町「最後のほう全然無事には聞こえなかったけど……、戦争とか言ってたじゃん」
八幡「ああ、正直無事じゃない」
八幡「肉体的にも精神的にもボロボロだ」
八幡「どうやらあいつらの戦争は、俺を痛めつけるのが目的らしい」
小町「お兄ちゃんがそんなにフラグを乱立させるからだよ」
八幡「いや、俺としてはフラグは全部折ってきたつもりだったんだけどな」
小町「詰めが甘いなぁ、お兄ちゃんは。中途半端に折っても逆効果だよ」
小町「それで、その戦争はどうなったの?」
八幡「さあな、俺は命の危機を感じて抜け出してきたから」
204:
小町「お兄ちゃんはどうするつもりなの?」
八幡「だから言ったろ、雪ノ下と付き合うって」
小町「あ、やっぱりそうなんだ」
八幡「当たり前だろ、俺なりの結論だ。そんな簡単には曲げられん」
八幡「俺はこう見えて一途なんだよ」
小町「はぁ……、それを雪乃さんに言えればいいのにねぇ」
雪乃「ええ、本当に」
八幡「」
小町「雪乃さーん、お久しぶりですー」
雪乃「ええ、久しぶりね小町さん」
小町「不束者の兄ですが、よろしくねお願いしますね」
小町「あ、小町今日友達の家に泊まりに行くからー。じゃーねー」ガチャッ
206:
ゆきのん大勝利キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
240:
八幡「……え? え?」
八幡「ゆ、雪ノ下、お前付いてきてたのかよ」
雪乃「当然よ。あなたから目を離すわけないでしょう」
八幡「あ、ああ、そうなんだ」
八幡(嬉しいような、少し怖いような)
雪乃「……二人きりね」
八幡「……よく分からんが、そうなってしまったな」
242:
雪乃「ねぇ、八幡」
八幡「なんだ」
雪乃「そろそろ、私のこと名前で呼んで欲しいのだけれど」
八幡「あー、そういやそうだな。気が利かなくて悪い」
八幡「ごほん、じゃ、じゃあ、呼ぶぞ」
雪乃「え、ええ」
八幡「ゆ、雪乃」
八幡(やん恥ずかしい///)
雪乃「……ふふ、八幡」
八幡「なんだ、雪乃」
雪乃「大好きよ」ダキッ
八幡「……ああ、俺も大好きだよ」ギュッ
雪乃「ねぇ、今度は八幡から、キス、して?」
八幡「ああ」
チュッ
243:

249:
え?なんだって?
247:

後日談はよ
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雪乃「比企谷くん、ポッキーゲームをしましょう」

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