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二度目の告白


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ちょっと長いけど俺の馴れ初め、書きます。
昔のことだけど、彼女とのことだけは鮮明に覚えている。
ことの始まりは中学の卒業式の事です。
その頃の俺はFFやドラクエやったり友達(男)と遊ぶことで頭が一杯女の子のことは
全く気にかけてなかった。
だから、卒業式だというのにやけにさっぱりと「みんな近所なんだしいつでも会えるじゃん」
と、別れを惜しむ気配も無くいつもの親友と式が終わったらさっさと帰り支度をして学校を出た。
みんなまだ教室に残って話し込んでいるのか、周りには俺達二人だけ。
しばらく歩き国道で信号待ちをしていたら後ろから「あの…」と、声をかけられた。
そこにいたのは同じクラスのAさん。普段はそんなに目立たないタイプで
ショートカットが良く似合う女の子。
広末涼子みたいな透明感のある子だった。いまなら能年玲奈かな?でもやっぱり広末系です。
実は学年でも結構人気があった子で、他のクラスからも休み時間に見に来る奴がいたし
俺は友人の一人に頼まれて電話で好きな人がいるか聞いたこともある。
だけどクラスではほとんど話したこと無いし、Aさんが俺の左隣の席になったとき
教科書見せてもらったり「おはよう」と挨拶をした程度。
全く、これっぽっちも意識してなかった。
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で、そんなAさんが、色白の顔を真っ赤に染め俯きながらもじもじと
「あの…第二ボタン…くれませんか?」と、聞き取るのがやっとという声で言ってきた。
一緒にいた友人は目を見開き口をあんぐり開けたまま後ずさりしてその場から消えた。
俺「え?ボタン?あ、うん…はい」
Aさん「ありがとう」
俺「うん」
Aさん「あの…」
俺「うん?」
Aさん「これ…貰ってくれますか?」
と、Aさんは制服のリボン(というか紐?)をシュルっと解き俺に渡してきた。
俺「あ、ありがとう」
Aさん「じゃあ…ありがとうね」
俺「うん、じゃあね」
そしてAさんはずっと後ろで待ってた友達(?)の所へ走っていった。
俺は姿を消していた親友と一緒に帰った。
そんなわけで、女っ気がない中学生活だったから第二ボタンなんて縁の無いもんだと思ってたし
友人「どうすんだ?」
俺「どうしよう?」
友人「スゲー可愛いよなAさん!」
俺「ん?あぁ…だな」
みたいな会話をしながら親友と別れ家に帰った。
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なんか胸がモヤモヤしたけど、それを忘れることはなく3月の残りを遊んでたある日、
Aさんから電話が来た。
Aさんの緊張が伝わってきて、こっちまで緊張したのを覚えてる。
Aさん「ごめんね…」
俺「え?なにが?」
Aさん「リボン…返してくれる?」
俺「え…うん、分かった」
この一言を言われた瞬間、何故か、凄くショックだった。
Aさん「明後日、高校に行かないといけなくて…」
俺「分かった。今から持ってこうか?」
Aさん「うん…私が行くよ」
俺「夕方だし、俺が行く」
Aさん「うん…ありがと」
俺「じゃ」
すぐ準備をしてAさんの家に向かった。
理由を聞いて安心した反面、リボンを返したくないという気持ちがわいた。
Aさんは玄関で待っていて俺の姿を見かけると小走りで来てくれた。
とりあえずリボンを返し、そのまま帰るのもあれだから話しながらぐるぐる歩いた。
部活で色々あり(2年の時から出てなかったらしい)中学生活が好きではなかったこと
3年の時は凄く楽しかったから良かったということ。
学校ではなんとも思わなかったAさんが、その時から凄く可愛く思えたのを覚えてる。
俺「ボタン…」
Aさん「え?」
俺「ありがとね」
Aさん「…」
俺「あのさ…付き合ってくれない?」
Aさん「え…」
俺「付き合って欲しいんだけど」
Aさん「はい!」
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数日前に見た真っ赤な顔とは違う真っ赤な顔をして笑顔で答えてくれたAさん。
こうして俺達は付き合うことになった。
ちなみにリボンは用が済んだあと、またくれた。
俺のどこがいいのか聞いてみたら
「前に席が隣だったとき、わたしが黒板の字が見えなかったら俺君が全部見てくれて
教えてくれたの覚えてる?
優しくて凄く嬉しかった。あの時からずっと好きだったの…背も高くてカッコいいし」と言われた。
もちろん覚えてない。
たしかに背は高いほう(当時170?後半、いま182?)だけど、特別いい男でもないし
優しいという自覚はない。
学年でも人気者なこの子が何故俺を選んだのか謎だった。
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高校が別なので地元の駅を基点に俺は下り方面、Aさんは上り方面へ行くので
待ち合わせはいつも地元の駅の有名なシンボル。
高校へ行きだしてから格段に大人びて綺麗になったAさん。
心配性で束縛が凄かったけど大好きだったし、自慢の彼女だった。
当時人気が出ていた広末タイプということもあり、共学だったら(彼女は女子校)
さぞ人気者だったろうなと、思う。
結局、Aさんとは3年間続き、あの日が来たのは高校生活も終わりの3月…
あの頃は倦怠期というかダレてきてたというか
たまにどこかへ遊びに行くものの、基本的には家でだらだらしHをしてばかり。
「これじゃまるでセフレじゃねぇか…」と思ってた俺は、数ヶ月前からHの回数を少なくしていた。
その代わりいろいろ遊びに行ってた。
でもそれがマズかった。
3月のある日、彼女の部屋で寛いでいてイイ雰囲気になりキスしようとした時
「ねぇ…浮気してない?他に好きな子いないよね?」
と、俺にとっては衝撃的な一言が飛び出た。俺は一途にAさんのことを思ってたし
他の女の子には目もくれずAさんだけを見てきた俺にはとにかく衝撃だった。
一気に頭に血が上り「は?ふざけんな!もういい!」と言って彼女の家を飛び出した。
どう思ってるかを話しもせず。
その夜、彼女から電話があり謝ってきたけど怒り心頭の俺は聞く耳もたず「もう別れる」と、
勢いに任せて言った。
それから何回か電話があったけど居留守を使ったりで出なかった。
近所だから俺の家にも来たけど母さんに「居ないのよ」と言ってもらった。
初体験の時も一悶着あったが、Aさんはとにかく心配症な性格だった。
それを考えられなかったバカな俺は泣きながら謝る彼女に耳を貸すことなく、一方的に別れを告げ、
俺たちの関係は終わった。
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それから7年、仕事終わりに地元の駅の改札口でAさんにばったり逢った。
彼女は、髪型はショートカットのままに薄化粧でも十分映える相変わらず綺麗な顔立ちで、
あぁ大人の女性になったなと思った。
彼女も気づいたので、もう蟠りもなくなってた俺は気軽に声をかけた。
「香水…変わってないね」あの日と変わらぬ笑顔で応える彼女。
とりあえず晩飯でもということで近くのファミレスへ行き色々話した。
俺があの時思っていたこと、考えてたこと、あの日のことに対するもうしわけなさを話した。
すると彼女はこう言った
「側に居られればわたしはそれでよかった」
俺、グッときた。泣きそうになったからトイレに逃げ込もうかとも思った。
彼女からは、いまは大学を出て銀行で働いてること、別れたショックから受かった国立大学に
行けない日が多くて一度留年したことを笑いながら話された。
この時点で俺は甘酸っぱく切ない気持ちになってた。
そして自然と恋の話になり、俺はあれから人並みに女の子と出逢い、恋愛してきたこと、
いまは好きな子はいないことを言った。
彼女からは、俺と別れてから今までの7年間、吹っ切れずにいることを告げられた。
あの可愛さなんだから言い寄る男はかなり多いだろうけど、
全部「好きな人がいます」の一言で退けてきたこと
いい加減吹っ切らなきゃと思っていたことなどを真剣な顔で話した。
それから堰を切ったようにみるみる涙が浮かび、半泣きで
「でもまたこうして逢っちゃった。もう気持ちを抑えられない…どうしたらいいの…」と言われ
俺は切なさで胸がいっぱいのまま、半泣きの彼女を外に連れ出し、
昔よく行った小さな公園へ向かった。
けど、そこは知らぬ間にアパートになってた。
でも俺たちには思い出の場所の一つだ。全く雰囲気がないそこで、彼女に二度目の告白をした。
彼女は声をあげて泣きじゃくり、返事もままならない状態でただただ頷きを繰り返す。
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それから俺たちの付き合いが再び始まった。
彼女の、心配性でやきもち焼きな性格は心得てるし
年齢を重ねそれなりに大人にもなった俺は彼女の全てを受け止める覚悟が出来ていた。
二年後、結婚を決めた。プロポーズしたとき、彼女はまた大泣きした。
そして式当日、俺が嫁さんに話をする時間を嫁さんには内緒で式場の人に用意してもらっていた。
緊張であんまり覚えてないけど、だいたい以下のような感じだったと思う…
「ご列席の皆様には申し訳ありませんが、○○(嫁さん)に言いたい事があります。
私たち二人にしか分からないことですが、この場を借りて話しをさせて頂きたいと思います。
○○、俺たちが出逢ってから今日という日までの12年間
そのうちの半分以上を一人にさせ辛く寂しい思いをさせてきて本当にごめん(ここで俺号泣)。
○○、あと何年生きられるか分からないけど、俺の残りの人生数十年、○○に全てあげる。
もう悲しい思いはさせません、一緒に笑いながら過ごそう。○○、愛してます」
俺、鼻水と涙でぐちゃぐちゃ。
嫁さん、せっかくの化粧がめちゃくちゃになるほどの号泣嗚咽。
司会の人、もらい泣き。
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