少女「お菓子をくれたら悪戯してもいいよっ」back

少女「お菓子をくれたら悪戯してもいいよっ」


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1:
少女「うふふー」ニヤニヤ
男「お?」
少女「だからお菓子お菓子ー」ニヤニヤ
男「ああ、そうか、ハロウィンの季節かあ」
少女「うふふー」ニヤニヤ
男「じゃあほれ、カントリィマァムをやろう」ヒョイ
少女「うふ?」
元スレ
SS深夜VIP
少女「お菓子をくれたら悪戯してもいいよっ」
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2:
少女「それだけ?」
男「それだけってお前、おれがお菓子たくさん持ち歩いてるように見えるのか?」
少女「そ、そうじゃなくってえ」
男「あと一個はおれの分なんだから」
男「おれもカントリィマァム好きなんだから」
少女「うぅ」
男「ほれ、紅茶かなんか買ってきてやるから、そこの公園で食おうぜ」
少女「う、うんっ」
3:
男「ほれ、ミルクティー」ヒョイ
少女「あ、ありがとう」
男「あーあったけえ」
少女「それは珈琲?」
男「おう」
少女「珈琲って美味しい?」
男「お子様にはまだ早い味だな」
少女「む」
男「あと5年したら飲みな」
少女「むむぅ」
4:
男「さ、カントリィマァム食おうぜ」
少女「う、うん」
男「これって田舎のオカンの味、みたいな意味なんだろうな」
少女「そうなの?」
男「カントリィって田舎ってことなんだよ」
少女「へえ」
男「マァムは、まあ、ママかな」
少女「詳しいね」
男「適当だよ」
5:
少女「カントリィマァム好きだったっけ?」
男「ん? うん、普通に好き」
少女「……好きなんだ」
男「うん、好き」
少女「……」ドキドキ
男「あのさ、お菓子くれって言ってたわりにさ、衣装も特にねえんだな」
少女「あ、うん」
少女「なんかコスプレしてた方がよかったかな?」
男「コスプレって言うなよ」
6:
少女「魔女っ子とか、可愛いね」
男「あー魔女ね」
少女「魔法少女の方が好き?」
男「うん、割と」
少女「……アニオタ」
男「……ソウダネ」
少女「否定しないんだ」
男「知ってるだろ」
7:
少女「お母さんがね、去年トイレットペーパー体中に巻いてミイラのコスプレしてたよ」
男「……」
男「若いな」
少女「面白かったよー」
男「はは」
少女「今年はなにかなー」
男「毎年やってんの!?」
少女「うん、一昨年はゾンビだったよ」
男「……」
少女「紫とか茶色っぽいお化粧して、レバーを体中に」
男「いや、もうその話はよそう」
9:
少女「……」ハムハム
男「……」モグモグ
少女「美味しい」
男「なんでこう、珈琲とあうかな」
男「なんでこう絶妙なのかな」
少女「オカンの味だからでしょ」
男「そうか」
少女「……」
男「……」
10:
少女「ねえ、悪戯しないの?」
男「んぐっ」ブフォア
少女「してもいいよ? お菓子くれたから」
男「……」フキフキ
少女「ねえ?」
男「アホか」フキフキ
少女「真剣だよ?」
男「『悪戯』って言ってるじゃん」
少女「ん……それは……」
男「『悪戯』ってことは、ダメなことってことだろ」
11:
少女「う」
男「自分でもわかってんだろ、それはダメなことって」
少女「……してほしいんだもん」
男「マセガキ」
少女「……ソウダネ」
男「否定しないんだ」
少女「……ふふっ」
男「……ふっ」
少女「真似すんなよー」
男「お前が先じゃん」
22:
少女「なんで私、もうちょっと早く生まれなかったかなあ」
男「無茶言うなよ」
少女「そしたらガキ扱いされなかったのに」
男「もう5年の辛抱だよ」
少女「長いよ」
男「あっという間だよ」
少女「……あっという間だったの?」
男「光より早かった」
少女「うっそだー」
男「ほんとだよ」
23:
少女「光って1秒で地球7周するんでしょ」
男「7周半」
少女「それより早いの?」
男「うん、もう深呼吸1回する間に小学校終わった感じ」
少女「えー」
男「鼻ほじってる間に中学校終わった」
少女「えー汚いー」
男「ケツ拭いてる間に高校も終わった」
少女「ぎゃあ! 汚い! 最低!」
24:
少女「クラスの男子と言ってることが同レベル!」
男「はは、脳は止まったままなのかもね」
少女「身体は大人で?」
男「頭脳は子ども」
少女「役に立たないなー」
男「ははっ」
25:
少女「早く追いつきたいなー」
男「無茶言うな」
少女「身体も止まっててよ」
男「もうおれの方は成長終わってるよ」
少女「……早く背、伸びたいなー」
男「牛乳いっぱい飲め」
少女「……あんまり好きじゃない」
男「ミルクティーは好きなくせに?」
少女「これは別物だもん」
26:
男「へっへ、言い訳だなあ」
少女「ブロッコリーはいけるのにカリフラワー食べられないくせに」
男「くっ」
少女「いまだに好物はハンバーグのくせにっ」
男「……くっ」
少女「ふふん」
男「お前だってハンバーグ好きだろ?」
少女「好き」
男「……」
27:
男「寒くない?」
少女「ちょっと寒いー」
男「上着貸そうか?」
少女「くっつく」ズイズイ
男「あ、そ」
少女「ちょっとぬくい」スリスリ
男「子どもの方が体温高いらしいけど?」
少女「ぬくいでしょ?」
男「うん、まあ」
28:
男「もう帰るか?」
少女「まだお母さん帰ってきてないと思うなあ」
男「そっか」
少女「そっちも?」
男「うん、うちも親父はまだだと思うな」
少女「お仕事って、大変なんだね」
男「でももう暗いし、ゆっくり帰るか」
少女「うん」ギュ
29:
男「今日はどっか遊びに行ってたのか?」
少女「うん、友だちんち」
男「なにして遊ぶんだ?」
少女「いろいろ」
少女「ゲームしたりテレビ見たり手紙書いたり」
男「へえ」
30:
男「手紙って誰に?」
少女「友だち」
男「なあんだ」
少女「ほしい?」
男「ん? 別に……」
少女「じゃあ、明日書くねっ」
男「……うん」
31:
少女「んー」ギュウ
男「寄り過ぎ、歩きにくいだろー」
少女「んんー」ギュウ
男「甘えん坊め」
少女「なんか、この匂い、好き」
男「恥ずかしいこと言うなよ」
少女「……」スンスン
男「嗅ぎすぎ」
少女「……」スンスンスンスン
男「おい」
32:
少女「他の女の匂いはしないわね……」
男「どこで覚えたそんなセリフ」
少女「ドラマで」
男「マセガキめ」
少女「……」グイ
男「お?」
少女「……」
男「どうした、胸ぐら掴んで」
少女「おかしいな」
33:
男「なにが?」
少女「ドラマだとこのポーズでうまいことチューしてたんだけど」
男「身長が足りない」
少女「なんでだろう」
男「身長が足りないの」
少女「……むむぅ、謎ね」
男「現実から目を背けるな」
37:
男「ほれ、行くぞ」
少女「うん」ギュ
男「……」
少女「……」
男「お、いい匂い」
少女「焼き魚かな?」
男「この時間は腹減る匂いがいっぱいで、好きだな」
少女「私もっ」
38:
スタスタ
男「お? 親父?」
少女「あれ? お母さん?」
男「……」
少女「……」
男「邪魔しない方がいいかな」
少女「……仲、よさそうだね」
男「そりゃそうだろ」
少女「……」
39:
男「うちに入ってったな」
少女「一緒に食べるのかな?」
ピルルルル
少女「あ、お母さんから」
ピッ
少女「もしもし?」
『あ、ねえねえ、私今帰って来たんだけど、あなたいつ帰ってくるの?』
少女「あ、えっと……」チラッ
男「……飯食いに行こうか」ボソッ
少女「あ、え、えっとね、お兄ちゃんとご飯食べて帰るから!」
『あら、そうなの? ご迷惑じゃないの?』
40:
男「代わるわ」ヒョイ
少女「あ、うん」
男「あ、もしもしおばさん、こんばんは」
『あら、ご丁寧にどうもー』
『うちの子が、ごめんなさいねー』
男「いえいえ、とんでもない」
男「遅くならないうちに帰しますんで」
『いいのよいいのよー気にしないで』
少女「……」ドキドキ
41:
ピッ
男「さ、なにが食いたい?」
少女「え、えっとえっと」
男「3……2……1……」
少女「は、ハンバーグ!!」
男「よし、決定」
少女「うふふー」
42:
少女「お母さん、なんて?」
男「うちの親父と飯食うんだってさ」
少女「あ、やっぱりそうなんだ」
男「仲いいよなー」
少女「ね」
男「年離れてんのになあ」
少女「か、関係ないんじゃない? 年とか」
男「そうかな」
少女「そうだよー」
43:
……
「いらっしゃいませー」
男「二人で」
「おタバコはお吸いになられますか?」
男「いえ、禁煙席で」
「はーい、ご案内しまーす」
少女「……」チラチラ
男「ん? どした? 行くぞ」
少女「あ、うん」
44:
「ただ今ハロウィンキャンペーン中でして、こちらのハロウィンセットがお得となってます」
男「あ、えっと、僕はデミハンバーグセットで……」
少女「……」ウズウズ
男「そのハロウィンセットって?」
「こちらのセット内容と、お菓子セット、ジャックオランタン帽子がついてきます♪」
少女「……」チラッ
男「これがいいの?」
少女「……えっと……」ウズウズ
男「じゃ、これで」
「かしこまりました♪」
45:
……
男「なんか遠慮してるのか?」
少女「ん……」
男「さっきも店先のこの帽子、見てたろ」
少女「だって……」
男「値段気にしてんのか?」
少女「う」
男「アホぉ」
少女「むむぅ」
46:
……
少女「美味しそー♪」
男「ああ、腹減った」
少女「いただきまーす♪」
男「いただきます」
「失礼します、こちらハロウィンセットのお菓子と、帽子でございます♪」
少女「わ」
男「おお、可愛いな」
「以上でお揃いでしょうか?」
少女「はーい♪」
47:
男「え? それかぶんの?」
少女「……ダメ?」
男「ん……室内だし食事中だし……」
少女「……」
男「いや、うん、今日は特別、許す」
少女「やたっ!」ニコニコ
男「……ふふっ」
48:
少女「可愛い?」ニコニコ
男「うん、可愛い」
男「……帽子が」
少女「もー!」
男「うそうそ、両方可愛い」
少女「両方って? 帽子と、あとなに?」
男「……お前」
少女「うふふー」ニコニコ
49:
男「……うまい」モグモグ
少女「ね、ハンバーグ美味しいね!」モグモグ
男「ソースついてる」フキフキ
少女「んむー」
男「全部食べられる?」
少女「うん」
50:
男「ふう、満足」
少女「……」モグモグ
男「ゆっくり食べろよ」
少女「うん」モグモグ
男「……」
少女「ごちそうさまー♪」
51:
男「珈琲でも飲むかなあ」
少女「さっき飲んだじゃん!」
男「食後は別なの」
少女「じゃあ私も別腹!」
男「ハロウィンセットもう一つ?」
少女「なんでやねん!」
男「デザート?」
少女「うん!」
52:
少女「トリック・オア・トリート!」
男「は?」
少女「デザートを奢ってくれないと、お母さんに『お兄ちゃんに悪戯された』とチクります!」
男「シャレにならん!」
少女「ふふふ……デザートを奢るしかあるまい」ニヤニヤ
男「いや、まあ、そんなことしなくてもデザートくらいいいけど」
少女「ほんとに!?」
男「おう」
53:
……
男「珈琲とパンプキンプリン一つずつ」
「かしこまりました♪」
少女「うふふー」
男「太るぞ」
少女「いっぱい食べて早く伸長伸ばしたいの!」
男「なんで?」
少女「内緒!」
男「なんで?」ニヤニヤ
少女「……内緒!」
54:
……
男「プリン美味しい?」
少女「うん!」
少女「一口あげる!」
男「お、ありがと」
少女「はい、あーん」
男「……」
少女「あーん」
男「……」ハムッ
少女「美味しい?」
男「うん、なかなか」
55:
少女「もう一口どーお?」
男「誘い方がいやらしい」
少女「じゃあこっちのプリン、食べる?」ムニッ
男「壁じゃん」
少女「壁じゃないし! 日々成長中だし!」
男「少なくともプリンではないな」
少女「すぐにプリンプリンになるし!」
男「言ってることが親父臭い」
59:
……
少女「ふぅ、満足ー♪」
男「あのさあ、さっき電話でさ、おれのこと『お兄ちゃん』って呼んだじゃん」
少女「あ……うん」
男「家ではおれのこと、兄ちゃんって呼んでんの?」
少女「うん……」
少女「嫌だった?」
男「いや、全然」
男「ていうかどうせ、来月にはほんとに兄妹になるんだし、それでいいんじゃね」
少女「そうだね……」
60:
男「なに、お母さんが再婚するの、反対?」
少女「反対……じゃないよ」
男「じゃあ」
少女「お兄ちゃんは嫌じゃないの?」
男「全然」
男「母さんが死んでから、親父ずっと一人で大変だっただろうし」
男「おばさんはすっごくいい人だし、可愛い妹もできるし」
少女「……」
男「おれは素直に嬉しいぜ?」
61:
少女「そっかー」
男「?」
少女「さ、お腹いっぱいになったし、帰ろ」
男「ん」
少女「外、寒いかなあ」
男「寒いだろな」
少女「トイレ行ってくるね」
男「おう」
少女「あ、間違えた、お花摘みに行ってきますわ♪ おほほ♪」
男「遅いよ」
62:
……
少女「寒い」ギュ
男「だから言ったろ」
少女「……」ギュウ
男「……」
少女「……」
男「……なに考えてんの?」
少女「別に」
63:
男「なんか、悩んでる顔」
少女「……」
男「当たりだ」
少女「……」
男「家に帰るまでに言える?」
少女「言わなきゃいけない?」
男「言いたくないなら聞かない」
少女「……聞いて」
男「おう」
64:
少女「お母さん、再婚してほしくない」
男「やっぱ、それかあ」
少女「……」
男「どうして?」
少女「だって……」
少女「……」
男「?」
少女「兄妹になったら、結婚できないもん」
65:
男「……は?」
少女「……」プルプル
男「あ、っちょ、泣くな! 泣くな!」
少女「……」プルプル
男「いや、今のは、ほら」
少女「おっきくなったら結婚してくれるって言ってくれたくせにっ」プルプル
男「違う違う、それを忘れてたわけじゃなくてだな」
少女「『は?』って言ったもん! 『は?』って!」グスグス
男「違う違う、だからさ……」
男「兄妹でも、血が繋がってなかったら結婚できるんだよ!」
66:
少女「……え?」
男「だから、兄妹でも結婚できるの」
少女「……私たちも?」
男「うん」
少女「じゃあ、じゃあ!」
男「……お前の気が変わってなかったら、な」
少女「……」ニコッ
67:
男「一瞬で泣きやんだな」
少女「嬉しくて」ニコニコ
男「そうかい」
男「ていうか、そんなことで悩んでたのか」
少女「そんなこととは失礼なっ」
男「おばさんに直接『再婚すんな』とか言ってねえだろうな」
少女「……う」
男「言ったのか」
68:
少女「今日、謝る」
少女「それで、『結婚していいよ!』って言う」
男「うん、そうしろ」
少女「一緒にいて?」
男「……おれも?」
少女「うん」
男「……いいけど」
少女「心強いですわ♪」
男「さっきからそのお嬢様言葉はなんなの」
少女「……照れ隠しですわ♪」
男「可愛いなコイツ」
69:
少女「結婚はしてくれるのに、私に悪戯してくれないの?」
男「それとこれとは話が別だろ」
少女「まだ小さいから?」
男「それもある」
少女「他には?」
男「……周りの目が痛い」
少女「そんなの気にしなくたって」
男「周りから見たら、単なる兄弟だよ」
70:
少女「むぅ」
男「もしくは、変質者と被害少女」
少女「……」
少女「それはまずいよね」
男「まずいよな」
少女「お兄ちゃんが変質者扱いを受けるのはまずい」
男「お前が被害少女役なのはいいのか」
少女「喘ぎ声ならうまく出せるよ?」
男「なんでそんな練習してんだ馬鹿」
少女「アヘ顔もできるよ?」
男「全然興奮しない」
71:
……
少女「まず私たちが家に入るでしょ?」
男「うむ」
少女「そうするとお母さんたちが『お帰り』って迎えてくれるでしょ?」
男「うむ」
少女「そして私がおもむろに、『結婚おめでとう! 祝福するよ!』って言うでしょ?」
男「うむ」
少女「そしたらお母さんたちも、『私たちも、あなたたちの結婚を祝福するわ♪』と言うでしょ?」
男「ちょっと待て」
72:
少女「万事オッケー」
男「その返答はまったく期待できない」
少女「どうして?」
男「具体的な話にするな」
男「まだ結婚なんてずっと先だし、お前かおれが心変わりするかもしれないだろ?」
少女「私はしない」
男「……っ」
少女「お兄ちゃんはしちゃうの? 約束破っちゃうの?」
男「……しない……かな?」
少女「……うふふ♪ じゃあ問題ないねっ」
73:
少女「よし、帰ろう」
男「どっちに?」
少女「どっちでもいいよ、隣じゃん」
男「まあそうだけど」
少女「悪戯はしてもらえなかったけど、ハッピーハロウィンだった♪」
男「そりゃよかった」
少女「トリック・オア・マリッジ!」
男「はい?」
少女「悪戯してくれないなら、結婚しなさい!」
男「……五年経ったらな」
少女「うふふ♪」
★おしまい★
74:
あれ? エロくない……
なんか普通のSSになってしまいました
 ∧__∧
 ( ・ω・)  ありがとうございました
 ハ∨/^ヽ またどこかで
 ノ::[三ノ :.、 http://hamham278.blog76.fc2.com/
  i)、_;|*く; ノ
  |!: ::.".T~
  ハ、___|
"""~""""""~"""~"""~"
76:
あなただったか!
非エロにも需要はあるんだぜ?
乙!
77:
絶妙のいちゃラブごちそうさまでした
乙!
7

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