エリカ「覚えていますか?」back

エリカ「覚えていますか?」


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2:
エリカ「少し出かけてきますわ」
ジムトレ「"また"…トキワシティですか?」
エリカ「ええ…それが…約束ですから…」
ジムトレ「そうですか…なら私は何も言いません、お気を付けて」
エリカ「行ってきます」
元スレ
SS報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
エリカ「覚えていますか?」
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3:
2年前
〜〜〜〜〜〜
「参りましたわ、本当にお強い方…お名前は…レッドさんと言うんですね」
「もう発ってしまうのですね…一日くらいゆっくりして行けばいいものを」
「なんとも元気なお方、ふふふ…ポケモンマスター…ですか」
「あなたなら…きっとなれますよ」
〜〜〜〜〜
「レッドさん!お久しぶり…と言ってもトキワのジムに行く前に一度会ってますからそこまででもないですね」
「まずは…カントーリーグ制覇おめでとうございます、あなたなら出来ると思っていました」
「えっ?真っ先に私のところへ?っ!!///」
「いっいえ!なんでもありません!」
「あっもう行かれるのですか?」
「そうですか…故郷に…まあまた会えますよね?」
〜〜〜〜〜
4:
〜〜〜〜〜〜
「〜〜♪」
「あ、グリーンさん、お久しぶりですこんにちは、どうしたんですかジムの仕事はよろしいのですか?」
「え?極秘情報?」
「えっ……レッドさんのチャンピオン権限を……剥奪?レッドさんは…失踪?」
「そんな!?チャンピオンの敗北ではなく一方的な降格なんて!」
「協会の判断?そんな…レッドさんが何をしたと…」
「…………」
ダッ
〜〜〜〜〜〜
8:
それから私は街の知り合いの方にピジョットを借りてあちこちを回った
スロット、ヤマブキシティ、グレン島、シオンタウン
飛んで…走った
もう9月も終わりに近づくというのにまだまだ暑く汗がまとわりついて気持ち悪い
でも走るのをやめはしなかった
マサラタウン
彼の故郷だ…
彼の実家にも…オーキド博士のところにも彼は失踪して以降帰ってきてないそうだ
次だ
10:
トキワシティ
そういえばあの一騎当千にして彼の相棒のピカチュウはトキワの森で出会ったと言っていましたね…
ここにも彼は………
「!!!!!」
あれは!!
あの後ろ姿は!
変装しているけど間違いない!
レッドさんだ!!
「レッドさん!!」
「!?」
「はぁはぁ…やっぱり…レッドさんだ…はぁ」
「お、落ち着けって、どうしたんだそんなに急いで」
「落ち着けって…逆になんであなたはそんなに落ち着いてられるんですか!?」
「落ち着く…か…どっちかっていうと諦めかな…」
「…諦め?」
「そう…どうしようもないことに対する諦め…」
「どういう…ことですか」
11:
「チャンピオンになって楽しかったのははじめだけさ、協会の奴らは自分の保身と金しか頭の中にない、俺らを金のなる木にしか見てないのさ」
「カントーとジョウトの役員たちはいがみ合っててね、もちろん金のために」
「ジョウトの連中は今までチャンピオンがジョウト出身のワタルだったのにそれをぽっと出のガキにとって変わられたのが気に食わないらしくて、連日連夜嫌がらせを受けた」
「そ、そんな…か、カントーの役員たちは何も言わないのですか!?」
「カントーとしても俺は少し邪魔らしい、どうも俺は強すぎるらしい、よくわかんないけどね」
「なんか俺が強すぎるせいで挑戦者が減ったらしいし」
「それで嫌がらせに根比べする俺に痺れを切らして協会は公式に俺を引きずり落としたのさ」
「酷すぎる……」
「俺もそう思うさ、でもバトルしか脳のない俺はそっちのことに関してはてんでダメだった、だから諦めた」
12:
「それで…どうするのですか?」
「どうするって?」
「諦めたあなたはこれからどうするのですか?」
「世間では俺は失踪ってことになってるからね、だったら本当に失踪しようかなって」
「どっどこに!」
「シロガネ山」
「あそこならあまり人は寄り付かないし人を避けて篭るにはうってつけだろ?」
「…………」
「……ごめんなエリカ、それじゃあな」スタスタ
「レッドさん!!!」
ピタッ
「ずっと…ずっと……お慕い申しておりました!」
「ずっと…ずっと…」ポロポロ
「ごめんなエリカ」
「何故…何故謝るのですか!謝るくらいなら今すぐ踵を返して私を抱きしめてください!私の告白の返事をください!!」
「ごめんな…エリカ」
「う、うぅ」ペタン
「思い上がりも甚だしいとは思うけど…待っててくれ、いつか必ず返事はする…必ず」
「それまで…じゃあな」
「うっううううううあああ!!」ポロポロ
〜〜〜〜〜
16:
2年後 トキワシティ
グリーン「また来たのか…エリカ」
エリカ「グリーンさん…」
グリーン「そこで眺めていたって奴が帰ってくるわけではないぞ」
エリカ「わかってます、そんなこと…わかって…います」
グリーン「そんなに会いたいのなら行けばいいだろう、あそこを登る資格はあるだろう、カントーのバッジのコンプ…お前は1年も前にそれを成し遂げたじゃないか」
エリカ「無理です、あそこの野生ポケモンは強すぎる…勝てない相手ではもちろんありませんが私のポケモンたちは氷が苦手…あの雪山では頂上まで登るなんてとても…」
グリーン「そうか、今やカントー最強のジムリーダーのエリカでもあれは無理か」
エリカ「からかわないでください、あの人に少しでも近づきたくてがむしゃらにやって、強くなって…でもそれでもまだあの人は遠い」
グリーン「そうか…それにしても暑いな、もう9月も終わるというのに」
エリカ「あの人と会って…別れたのもこんな感じでしたね…9月も終わりに近づいてました」
グリーン「ちょうど2年前ってわけか」
17:
グリーン「………………」
エリカ「グリーンさん?」
グリーン「Do you remember the 21st night of september?
Love was changing the minds of pretenders」
エリカ「英語の歌…ですか?」
グリーン「ああ…Septemberっていう曲だ、この曲は9月に出会い、別れそして12月に再開するという歌だ」
エリカ「ふふっ私たちの状況に少し似てますね、でもダメ」
グリーン「何故だ?」
エリカ「言ったでしょう?くさタイプの弱点は氷、私もそう…寒いのは嫌いなんです」
グリーン「そうか…まあいい曲だから後で聞いてみるといい」
エリカ「はい、そろそろ帰ります」
グリーン「そうか…」
エリカ「ではまた」
グリーン(また…か…お前はいつ帰ってくる…いつまで彼女を待たせる気だ…レッド!)
18:
Ba de ya〜♪ say do you remember
Ba de ya〜♪ dancing in september
Ba de ya〜♪ never was a cloudy day
エリカ「ふふっ何を言ってるかわからないけどなんだがおかしな曲ね」
20:
ヒュウウウウウウウウウウ
エリカ「寒い…」ハァ
エリカ「嘘つき……」
23:
エリカ「………」
グリーン「やあエリカ」
エリカ「グリーンさん、2ヶ月ぶりくらいでしょうか」
グリーン「そのくらいだね、一つ…聞いてもいいかい?」
エリカ「私に答えられる範囲ならばいくらでも」
グリーン「何故チャンピオンを辞退したんだい」
エリカ「能天気と豪胆さではカントーどころか世界一のレッドさんでさえいられなかったところです、それこそ私なんて3日も持ちませんよ」
グリーン「それもそうだね、それに…聞いたよ、あくまでくさタイプ主体であることを崩さずにワタルに勝ったらしいじゃないか」
エリカ「あくまで主体はくさ、複合タイプに各四天王の弱点を組み込んだまでですよ」
グリーン「それでもだよ」
エリカ「レベルの差です」
グリーン「…………」
グリーン「もう3年になるか」
24:
エリカ「そう…ですね」
グリーン「いつまであのバカを待つつもりだい?」
エリカ「いつまででも…それが約束ですから」
グリーン「でも流石に待たせすぎだと思うよ幾ら何でも」
エリカ「でも3年前のあの日あの人は約束してくれて、私は自分に約束しました、あの人を待つと」
グリーン「そうか…そこまであいつへの思いは強いのか…僕の入り込む余地なんかありはしないな…はは」
エリカ「ごめんなさい」
グリーン「謝らないでくれ、僕が惨めになってしまう」
エリカ「ごめん…なさい」
グリーン「いいさ…こうやって砕け散れただけマシさ…結局僕は何一つあいつに勝てないままか」
エリカ「………………」
グリーン「すううぅぅぅぅぅ」
エリカ「??」
グリーン「レッドォ!!!!いつまで彼女を待たせる気だ!!!!この単細胞!!!!バトル脳!!!!ロクデナシ!!!!!さっさと降りてこい!!!!バカ!!!!」
キーーーーーーーーン
エリカ「うう…耳が…」
グリーン「ははゴメンゴメン」
グリーン「それじゃあねエリカ」
エリカ「え、ええまた」
エリカ「私もそろそろ帰りますか」
25:
グリーン「上を向いて歩こう…涙が…こぼれ…ないように……」
グリーン「くそっあの日、あの部屋でレッドに負けた時だってここまで悔しくなかった」
グリーン「今日はジムはお休みかな」
グリーン(ちくしょうしょっぺえ)
26:
ヒュウウウウウウウウ
エリカ(寒い…また12月…いつになったらあなたは…)
エリカ「Now december found the love that we shared in september〜♪」
エリカ「嘘つき…嘘つき…嘘つき!!レッドさんの!!嘘つき!!!」
エリカ「私…もう…もう限界です」ポロポロ
27:
「嘘つきは酷いんじゃないかなー」
28:
エリカ「えっ?あっ」
エリカ「あ…あ……やっと…やっと」ポロポロ
「その…本当にゴメン、待たせすぎたね」
エリカ「グスッ…うう…お、おか…おかぇ」
「お、おい落ち着けって!」
エリカ「はい…では…改めて…」
エリカ「おかえりなさい!レッドさん!」
レッド「ただいま、エリカ」
僕の気持ちは君と一緒さ
君の心と手をつないで君のことを考えている
愛の言葉と愛が
僕たちの愛が一緒にあることを教えてくれたことを忘れないで
今は12月
僕たちが9月に分かち合った愛を見つけた愛の言葉と愛だけさ
僕たちが今日、分かち合う本当の愛を忘れないで
バーディヤ 覚えてるかい

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