由比ヶ浜「あっ、流れ星!」back

由比ヶ浜「あっ、流れ星!」


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1:
部室
ヒュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン バリーンッ
雪ノ下「比企谷君、あなたはこんな簡単なことも出来ないのかしら? その腐っ…うえぁ!」飛来したが隕石が雪ノ下の後頭部に直撃する
由比ヶ浜「ちょ!? きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
比企谷「おいおいおいおい…!!」
由比ヶ浜「ゆきのん!? ゆきのん!? しっかりして、ゆきのーん!!」ゆさりゆさり
比企谷「これは…し、死んでr…」
由比ヶ浜「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
雪ノ下「」パチッ ムクリ…
由比ヶ浜「ゆきのん!! よかった! 大丈夫!?」
雪ノ下「何があったの…? これは…?」
由比ヶ浜「ゆきのん! ゆきのんは頭を強く打って…」
雪ノ下「あなたたち…誰…?」
9:
雪ノ下は救急車で病院に運ばれた
数日後、部室
由比ヶ浜「ううう…」ヒクッヒクッ
比企谷「で…? どうなんですか? 雪ノ下の容体は」
平塚「お家の人の話では幸い命に別条は無いらしい…じきに退院して学校にも来られるそうだ。
 問題は後遺症の方だ。体にはなんの影響も何の影響もないのだが。
 重度の記憶障害を患ってしまったようだ…。
 日常生活には何の問題もないが近しい人間のことは家族のことすら思い出せないとのことだ…」
由比ヶ浜「うぇぇぇぇぇっ!」ポロポロ
比企谷「意味記憶、エピソード記憶って奴っすね…」
平塚「このままでは記憶が戻る可能性は低いらしい…。ただ…」
比企谷「ただ…?」
平塚「記憶を失う前と出来るだけ同じ生活を送れば記憶を取り戻せる可能性が格段に上がるらしい…」
比企谷「そうっすか…」
由比ヶ浜「」ぐすっ ぐすっ
平塚「何にせよ普段の彼女に一番近かったのはのは君たちだ…。彼女の回復は君たちに掛ってると言っても過言ではない」
比企谷「…」
由比ヶ浜「」コクコク
10:
さらに数日後、雪ノ下登校の日
教室 放課後
由比ヶ浜「ヒッキー、ヒッキー」
比企谷「ああ…」
由比ヶ浜「いよいよ今日だね…。『普段通り』がテーマだから教室には会いに行けなかったけど…
  私決めたんだ。もう泣かない。絶対元のゆきのんを取り戻すって!」
比企谷「そうだな…」
由比ヶ浜「うん…。くよくよしてても始まらないもん。気合入れてこっ!」
葉山「結衣、比企谷」
由比ヶ浜「あっ、葉山君」
葉山「話は聞いた…。俺に出来ることがあれば何でも言ってくれ」
由比ヶ浜「うん…。ありがとう葉山君」
海老名「なになに?何の話してるの?」
三浦「なんだかよく知らないけど、なんか雪ノ下さん、入院しててマジやばいんだってさー」
海老名「ふーん」
13:
部室前
由比ヶ浜「(スー、ハー、よしっ!)ゆきのーん、来てるー?」ガラッ
比企谷「…」
雪ノ下「…」
比企谷「よう…」
比企谷(事故にあう前の普段通りの場所に普段通りに座ってるな…)
由比ヶ浜「ゆきのん…? 分かる? 私のこと分かる?」ジワァ
雪ノ下「ふぅ…。えっと、由比ヶ浜さんにひき…ひき…」
比企谷「比企谷な…」
雪ノ下「…由比ヶ浜さんに腐った目の人ね。平塚先生から聞いてるわ…」
由比ヶ浜「ゆきのんっ…!」
雪ノ下「何をぼさっとしているの? どこへなりとも掛けたら?」
由比ヶ浜「うんっ!うんっ!」
比企谷(なんだ…意外と元気そうじゃないか…よかった…ひとまずは安心した…マジで…)
比企谷(…って、ちょっと待て!!)
比企谷「なんだそれっ!?頭に隕石刺さってるぞ!?」
17:
由比ヶ浜「…!! ホントだ…」
雪ノ下「ああ…これ? これ無理に取ろうとすると危険なんですって…外科手術でも取れないみたいなのよ。
 特に危険は無いらしいし…ほっといても問題ないみたいなんだけど…」隕石サスリサスリ
由比ヶ浜「ふ、ふーん…」
比企谷「別にいいけどよ…本当に大丈夫なのか、それ?」
雪ノ下「数センチ程度の小さなものだし、別に何ともないわ…」
雪ノ下「それより由比ヶ浜さん、ひき…ひき…」
比企谷「ワザとやって無いだろうな。比企谷だ」
雪ノ下「…それで、由比ヶ浜さんに腐った目の人。聞きたいことがあるんだけど…」
由比ヶ浜「何っ? なんでも聞いて!」
雪ノ下「ここは一体何をする場所なのかしら…?」
比企谷「…!」
20:
由比ヶ浜(それも覚えた無いんだ…)
比企谷「…」
由比ヶ浜「えっとね、ここは奉仕部って言ってゆきのんが作った部活なんだよ」
雪ノ下「私が…?」
由比ヶ浜「そう!奉仕部は困った人を助けるところなんだよ。
  人を助けると言っても、ただその人のお願いを叶えるんじゃなく
  その人が自分の力で問題を解決できるようにお手伝いしてあげるんだっ!
  私もそれでゆきのんに助けてもらったことがあるんだよ!」
雪ノ下「…何故?」
由比ヶ浜「えっ?」
比企谷(…)
23:
雪ノ下「どうしてわざわざ他人を助けなきゃいけないの?
 それに問題があるのならそれを解決出来る人がそれをすればいいじゃない。
 わざわざ他人の問題に首を突っ込んで人を変えるようなマネに意味なんてあるの?」
比企谷「…」
由比ヶ浜「えっと…それはやっぱり困ってる人をほっとけないっていうか…。
  前のゆきのんはそういう優しい性格してたっていうか…」
雪ノ下「…?」隕石サスサス
比企谷(…)
比企谷「雪ノ下」
雪ノ下「!」
比企谷「それじゃあ人の悩みは解決しないし、いつまでたっても誰も救われないんじゃないか?」
雪ノ下「…」
由比ヶ浜「…」
雪ノ下「…?」隕石サスサス
比企谷(あんま分かってなさそうだな。つか考えると隕石触るクセがあるのか…?)
雪ノ下「分かったわ…。
とにかく以前の私がそうしてたっていうのなら、取りあえずもう一度そうしてみましょう」
24:
燃え尽きずに地上に堕ちた隕石ってすっごい高値で取引されるよな
26:
雪ノ下「それで…? その困ってる人というのはどこにいるの?」
比企谷「それは出番待ちだな。いつも結構暇そうにしてた…」
雪ノ下「そう…。ところで目の腐った人、もうひとつ聞きたいことがあるのだけれど…」
比企谷「いい加減名前覚えろ…なんだ?」
雪ノ下「あなたと由比ヶ浜さんは私のお友達なのよね?」
比企谷「由比ヶ浜はそうだし俺だって…一応…そのつもりだ…。それが?」
雪ノ下「クラスでは誰も私に話しかけてくれなかったのだけど…。
 私の友達はあなたたちしかいないの?」
比企谷「それは…」
由比ヶ浜「…」
由比ヶ浜「…まぁ、それはいいじゃん!
  今日はもう誰もこなさそうだし、今日はもう終わりにしよ!
  色々話したいこともあるし、途中まででも一緒に帰ろ!」
雪ノ下「…そう」
雪ノ下(私、嫌われてたのかしら…)
30:
次の日 放課後
廊下
由比ヶ浜「平塚先生にゆきのんの様子話してたらすっかり遅くなっちゃったね」
比企谷「ああ…」
由比ヶ浜「ゆきのん大丈夫かな…? 帰っちゃったりしてないかな?」
比企谷「どうかな…」
比企谷(ありえることだ…やはり雪ノ下の様子はいつもと違う。
 記憶を失った今、雪ノ下がどういう態度に出るのか全く予想が付かない。俺たちの説明を素直に聞いてくれたのは幸いだったが、それもどこまでアテになるか…分からん。
 面倒なことにならなきゃいいが…)
ガラッ
雪ノ下「…」
由比ヶ浜「やっはろー、ゆきのん。よかったー。帰っちゃってないか心配してたんだよー」手握りっ
雪ノ下「…っ!! 気安く触らないで頂戴!」
由比ヶ浜「…!?」
雪ノ下「私は…私は…あなたたちとは…違う…」ガタガタブルブル
32:
由比ヶ浜「ゆき…のん…?」
雪ノ下「…」目逸らし
由比ヶ浜「」ガーン
比企谷「…どうしたんだ…。俺たちとお前が違うって何のことなんだ?」
雪ノ下「私はとうとう自分のことを思い出したの…いえ、思い出させて頂いたというべきかしら?
 そうしてようやく取り戻したのよ…自分の正体を…」
由比ヶ浜「正体…?」
雪ノ下「そう。よく聞いてちょうだい…二人とも」
雪ノ下「私は剣豪将軍様直参の精鋭部隊、剣豪将軍八人衆が一騎、
 『白銀世界の氷女王(アイス・ブリザード・スターホワイト)の雪ノ下』なのよ。
 剣豪将軍八人衆とは剣豪将軍が今生の世界へと転生されるとき、悪鬼魑魅魍魎の魔の手から光の世界を守るために、
 闘神と剣豪将軍の覇気によって選ばれる八人の戦士なの。
 前世から続く現在百八回目の戦いにおいて、その八人のうちの一人に選ばれたのが私というわけね…。
 いえ、私の前世での魂と言うべきかしら?
 八人衆へと選ばれる魂は同一で生まれ変わって何度も違う時代での戦いを繰り返すらしいわ…。
 そして八人衆の中でも最も拠点性圧力に優れているといわれるのが
 『白銀世界の氷女王(アイス・ブリザード・スターホワイト)』、つまり私という訳ね。
 …知らなかったのも無理は無いわ、所詮あなたたちは光の世界に生きる一般人ですもの。
 だからごめんなさい、高い霊力を持つ私の体に触れるとあなたたちの体の方が危険なの…だから…」
35:
体育館裏
由比ヶ浜「」 ぎゅぅぅぅぅぅぅぅ 相手の腹の肉を両手で強く掴む
材木座「痛たたたたたたたたたた…!! 痛い! 痛い!」
材木座「誤解だ八幡!! 我はただお前に会いに奉仕部へと赴いたんだ。
 そしたらあの女人が珍しく我の話を熱心に聞きたがるから…」
由比ヶ浜「」 ぎゅぅぅぅぅぅぅぅ
材木座「いだだだだだ…すいません、マジでやめてください…」
比企谷「…その辺にしておけ、由比ヶ浜」
由比ヶ浜「」パッ
比企谷「まぁ、さっき説明した通りだ…そういう訳だから、今の雪ノ下にあまりそういう話を吹き込まないでくれ…」
由比ヶ浜「もうっ! こんどゆきのんに近づいたら本当に殺すからね、中二!」スタスタ
比企谷「…」スタスタ
37:
由比ヶ浜「でも本当にどうするの? ゆきのん、いくら説明しても中二の言ったこと真に受けて一向にやめようとしないし…。
  このままだとゆきのんどんどん変な方向に向かって行っちゃう…」スタスタ
比企谷「そうだな…あの吸収力は一体何なんだろうな…」スタスタ
比企谷「まさか『刷り込み』というやつか…?」スタスタ
由比ヶ浜「すりこみ…?」スタスタ
比企谷「生まれたてのひな鳥が最初に見たものを親だと認識するアレだ。
 そこまで極端なものではないかもしれないが、記憶を失った分それを埋めるために
 与えられた情報を積極的に自分のものにしちまう。
 元からかなりの理解力を持つことも裏目に出てしまっている…」スタスタ
比企谷「とにかく今の雪ノ下に俺たち以外を近づけるのは危険だ。
 クラスのことはどうしようもないが、それ以外ではなるべく危険な人物は遠ざけた方がいい」スタスタ
由比ヶ浜「そうだね、分かったよ…」スタスタ
奉仕部前 廊下
ガラッ
海老名「そっれじゃねぇ?、雪ノ下さん! また明日!!」ダッ
雪ノ下「…」バイバイ
比企谷「」
由比ヶ浜「」
42:
雪ノ下「…あっ!」スタスタ
比企谷「」
由比ヶ浜「」
雪ノ下「おかえりなさい、由比ヶ浜さんに目の腐った人」
比企谷「」
由比ヶ浜「」
雪ノ下「二人に聞きたいことがあるのだけれど…。
 目の腐った人と剣豪将軍様ならどっちが受けでどっちが責めなのかしら…?」
比企谷「」
由比ヶ浜「」
雪ノ下「…?」隕石スリスリ
比企谷「」
由比ヶ浜「」
由比ヶ浜「あ、うん…」
44:
帰宅中
比企谷「とにかく、これ以上被害を増やさないためにも雪ノ下に余計な人物を近づけないよう対策を練ろう」
由比ヶ浜「う、うん。『普段通り』にしないとダメなんだよね…」
比企谷「由比ヶ浜に近づきそうな人間といえば誰になる?」
由比ヶ浜「やっぱり奉仕部で依頼を受けた人じゃないかな?」
比企谷「というと…、材木座、戸塚、葉山、依頼主ってわけじゃないが川崎、それに相模か…。
 海老名さんは依頼主じゃないが、他に居るか…?」
由比ヶ浜「それ以外だと、まず平塚先生でしょ?それからお姉さんの陽乃さん」
比企谷「このうち危険なのは、まずさっきのA級有害指定人物二人。それ以外だと…」
由比ヶ浜「さいちゃんと、葉山君は問題ないんじゃないかな?」
比企谷「ああ、その二人は問題ない。
 川崎は不良っぽい外見に影響を受けてしまう恐れがあるな…。
 相模あたりも…まさかとは思うがこの機に乗じて嫌がらせしに来るなんてことも…。
 平塚先生も…あれで大人だし、大丈夫なんじゃないか?
 陽乃さんは…さすがにこの状況で何かしらしかけてくるようなことは無いと思うが…。
 それに相手は実の姉だ、止めようと思って止められる相手でもない」
由比ヶ浜「つまり、中二、えびのん、川崎さんにさがみんの四人ってことだね」
比企谷(そうだ…しかし何か違和感が…)
47:
次の日
部室
雪ノ下「…」ペラペラ
比企谷(一見部室にて読書をする普段通りの雪ノ下…)
 だが俺は知っている…その本がBLの同人小説だということを…。
 海老名さんは遠ざけたはずだが、時すでに遅しか…)
比企谷(あと腰に刀差しとる…。模造刀であることを祈る)
比企谷「なぁ、雪ノ下、何読んでるんだ?」
雪ノ下「BL小説よ。それがどうしたの?」
比企谷「いや、なんというか…そういう小説を読むのはよくないような…
  …お前らしくないというか…18禁だろうし…このままじゃお前腐っちゃうというか…」
雪ノ下「腐っているのはあなたの目でしょう?
 何故あなたにそんなことをいわれなければならないのかしら?」ギロ
由比ヶ浜「ゆきのん…私もそういうのよくないと思うよ…」
雪ノ下「…! 由比ヶ浜さんまでそんなこというの…?」
雪ノ下「もういいわ」ガタっ スタスタスタスタ
由比ヶ浜「行っちゃった…」
49:
由比ヶ浜「どうしようヒッキー、ゆきのん追いかけなくていいのかな…?」
比企谷「要注意人物四人の帰宅なら確認してる、とりあえず問題ないだろ…」
比企谷(しかし引っかかる…誰か忘れてるような…)
廊下
雪ノ下「」スタスタ
三浦「おーい、雪ノ下さん!」
雪ノ下「!」
三浦「話聞いたよ?? 大変らしいじゃん? よければあーしが相談乗るよ」
雪ノ下「誰だか知らないけど親切な人ね…ぜひお願いするわ」
三浦(海老名に聞いた通り超素直!
 顔は申し分ないし、普段の小憎たらしい性格さえなければ結衣みたいに引き込もうと思ってたんだよねー)
50:
あーしさんは相変わらず可愛い子が好きだな
51:
翌日 部室
比企谷「」
雪ノ下「どうかしら目の腐った人。あーしマジキレーになったんじゃないかしら…?」
比企谷(厚い化粧にビッチ臭い服装にアクセサリー。まるで由比ヶ浜二世…)
比企谷(見た目はまんま髪の長い(あと胸の小さい)陽乃さんだな…。
 相変わらず刀を腰に差してBL小説もっとるし…)
由比ヶ浜「だめだよヒッキー…どんどん元から離れて行っちゃう…」
比企谷「雪ノ下、頼むからやめてくれ…刀もBLもアクセサリーも…」スッ
雪ノ下「!」比企谷を合気技で投げ飛ばす
比企谷「ぐはっ!」ドカッ
比企谷「いつの間にこんな技を…」
雪ノ下「え? 平塚先生だってあなたを武術の技で痛めつけてたじゃない…?」
雪ノ下雪乃 特技:合気道(公式プロフィール)
比企谷(あの先生を無害と判断した俺が馬鹿だった…)
57:
比企谷(それから…)
――三浦「えっ? 何? 雪乃、友達出来ないって? あーしにまかしときなよ。
  今の雪乃なら簡単に友達作れるから」
比企谷(ビッチ中二BL暴力女子と化した雪ノ下は気に入らない人間を容赦なく投げ飛ばし
  J組を中心に炎の女王と相並ぶ正真正銘の氷の女王として君臨し)
――J組女子「お姉さま!! お姉さま!!」
比企谷(さらにオタク、腐女子をも巻き込んだ一大派閥を作り上げてしまった)
――海老名「雪ノ下さん! こんどのイベントの話なんだけど」
――材木座「うぉぉぉぉぉぉ!! 雪ノ下様ちゃんす」
比企谷(めっきり奉仕部には近づかなくなってしまった…)
部室
比企谷&由比ヶ浜(…)ぽつーん
比企谷「雪ノ下、お前が帰ったら部屋ががらんとしちゃったよ。
  でも…すぐになれると思う。だから…心配するなよ雪ノ下…」
ガラッ
ビッチ中二BL暴力女子雪ノ下「ごめんなさい!! 目の腐った人!」
59:
比企谷&由比ヶ浜「!!」
雪ノ下「今まであーし、知らなかったの!」
比企谷「何がだよ…」
雪ノ下「あなたが…その…あーしの未来の旦那様だってこと…」////
由比ヶ浜「なっ!?」
比企谷「…それは誰に聞いたんだ?」
雪ノ下「姉さんよ。それに私の未来の義妹を名乗る人もそう言ってたわ」
比企谷「そうか…今度はあの二人か…」
比企谷「雪ノ下、それは間違いだ」
雪ノ下「えっ?」
比企谷「それはその二人の出まかせだ。そんな話は嘘だ!」
雪ノ下「そんな…けど私はあなたの事が好きだわ。
 最近は友達が出来たことに浮かれてあなたに会えなかったけど、それでやっと気付いたの。
 そんなときその話を聞いて私は嬉しかった…だから…」
比企谷「…雪ノ下、あのな…」
60:
比企谷「元のお前は俺のことなんか歯牙にもかけない冷淡な女で、そんな話をすんなり受け入れるような奴じゃなかった…」
比企谷(そうだ…恋愛とかそういうんじゃない…俺はそんな雪ノ下のことが…)
由比ヶ浜「ヒッキー…?」
比企谷(ただ純粋に好きだったんだ…だから…)
比企谷「そんな青春ラブコメは間違っている!」
ガシッ 隕石を掴む
雪ノ下「きゃっ!?」
比企谷「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」グググッ
由比ヶ浜「…!? 駄目だよ、ヒッキー!! その隕石は抜いたりしたら危険だって…!」
比企谷「そうだ…引き抜くのが危険なら…この手で握りつぶしてコナゴナにするまでだ!」ググググググッ
比企谷「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」ググググググッ
比企谷「無理だ…」フゥ
由比ヶ浜「…」
62:
技術準備室
比企谷「雪ノ下! 元のお前は俺ことなんか歯牙にもかけない冷淡な女で、そんな話をすんなり受け入れるような奴じゃなかった…」
比企谷(そうだ…恋愛とかそういうんじゃない…俺はそんな雪ノ下のことが…)
由比ヶ浜「ヒッキー…」
比企谷(ただ純粋に好きだったんだ…だから…)
比企谷「そんな青春ラブコメは間違っている!」
比企谷「うぉぉぉぉぉぉ!!」バキッ ガラスのようにバラバラになって崩れる隕石
雪ノ下「どぉふっ!」バタリッ
比企谷「どうだっ!!」
由比ヶ浜「すごい! 万力っ!」
比企谷「どうだ!? 雪ノ下!」倒れた雪ノ下を抱き起こす
雪ノ下「…」
雪ノ下「……比企谷…君……」
比企谷「雪ノ下…」
雪ノ下「…何よこの斜め下な解決方法…あなた恥ずかしくないの…?」
63:
比企谷(それから数日後…)
部室
雪ノ下「比企谷君、あなたはこんな簡単なことも出来ないのかしら? その腐った頭で良く考えた方がいいじゃないかしら?」
比企谷(雪ノ下は完全に元の姿を取り戻していた…)
比企谷(しかし奉仕部自体は若干の変化を見せていた)
ガラッ
三浦「雪乃ーっ、いるー?」
雪ノ下「どうしたの?」
三浦「いやぁ、奉仕部への相談希望者が多くてさー私と海老名だけじゃ手に負えないっての
 やっぱ雪乃がいてくれないと…」
比企谷(三浦たちリア充連中が雪ノ下の奉仕部活動を手伝うようになっていた。
 またJ組女子を中心に奉仕部への客は以前と比べて急増している。
 ビッチ化していたせいでどうやら雪ノ下への近寄りがたいイメージがだいぶ払拭されたらしい。
 いまや奉仕部の知名度は上級生や下級生にまで及んでいる…)
雪ノ下「そう…分かったわ。行きましょ由比ヶ浜さん」
由比ヶ浜「うん!」
比企谷(こうなってしまえばもう俺の出る幕は無いのだろう…。
  俺は椅子から立ち上がると人知れず奉仕部を後にした…)
65:
危険人物しかいなかったことが証明された
66:
廊下
比企谷「ふぅ…」スタスタ
雪ノ下「」スタスタ
比企谷「ん?」
雪ノ下「ふっ!」合気投げ!
比企谷「ぐっはっ!!」ドカッ
雪ノ下「何をしているの? あなたも来るのよ」
比企谷(どうやら理不尽暴力ヒロイン属性だけは残ってしまったらしい…)

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