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「一族の呪いの話」


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1:
男「まったく・・・遅いんだよ」
女「おっ待たせー藤川優クーン」
優「何でフルネームなんだよ、彩」
彩(あや)は俺の会社の先輩で、俺の彼女でもある
歳は俺より1個上の30歳
一応上司のため会社では敬語を使わなくてはならない
まったくめんどうくさい
彩「まーまーいいじゃん!で、今日はどっちの家行く?」
優「どっちでもいいけど、俺の部屋汚いよ」
彩「知ってるしー、何回行ったと思ってんの
 ま、汚いの嫌だからあたしんちね」
優「ん、行こうか」
元スレ
SS深夜VIP
一族の呪いの話
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2:
・・・・・・・・・・・・・・
 ガチャ
優「ただい・・・ 彩「ストーップ!!」
優「?」
彩「あたしが先!!」タタタッ クルッ
 「はい!おかえりなさい!!」
優「はいはい、ただいま」
彩「フフフー」
優「何ニヤニヤしてんだ?どっちが先でも一緒だろ?」
彩「いーの!何か新婚さんみたいじゃーん♪」
優「ッ!」
3:
彩「わっかんないかなー」
優「まったく」
彩「うーん、優は結婚とか憧れないの?」
優「全然」
彩「ハァー、1年も付き合っておいて結婚する気起きない?」
優「起きねーよ、まだ1年だろーが」
彩「むー・・・私としては早く結婚したいんだけどなー」
優「そうだな、もう三十路だしな」
彩「歳の事は言わないでっ!それに優だってもう29じゃん」
優「・・・・・・・そーなんだよ、な」
彩「?」
4:
彩「どうしたの?何か隠し事でもあんのー?ダメだよ浮気は、
 それに優は嘘ついてもすぐばれるんだから」
優「うっせ!それに浮気なんかしねーよ」
 「んなことよりホラ、飲むぞ」
彩「ハーイッ」
優 彩「「カンパーイ!!」」
5:
・・・・・・・・・・・・
彩「スー・・・・スー・・・・」
優「ホント酒弱いなコイツ・・・・・・・・・・・・ホラ、風邪引くぞ」ソッ
そう言って彩に毛布をかけてやる
優(29・・・・・・もう29か・・・・・)
俺は、彩が大好きだ。コイツの代わりなんて他にいない。
ちょっとロマンチックに言うと運命の人。
そんな感じだ。
だから、俺は彩に嘘はつかないし、浮気もしない。
・・・・・・・つもりだが
実は、俺は彩に一つだけ嘘をついている。
7:
優「ハァ・・・・・・」
その事を考えると、苦しくなる。
だから、普段は全く考えないようにし、できればこれからも考えたくない。
が、もう29だ、そういう訳にもいかない。
俺がついている一つの嘘、いや隠し事と言うべきか
それは『呪い』である。
しかも先祖代々受け継がれてきたとても由緒ある呪い。
内容、一つ目
この呪いは、とれない。
今まで数々の先祖達がこの呪いを解こうと試行錯誤したが、
取れたものはいない。
また、中には名立たる住職や神主達に解呪を依頼した者もいたが
結果は同じだった。
二つ目
俺の一族は子を一人しか生せない。
どうやっても二人目以降は生まれなかった。
それと、ついでに生まれてくるのは男児ばかり。
8:
三つ目
これが一番辛い。
俺の一族の血を引く者は30歳までしか生きる事ができない。
30歳を迎えた瞬間死んでしまう。
俺の父もそうだった、俺がまだ幼かった頃、
朝起きると死んでいた。
安らかに。
とまあこんな感じだ
何故こんな呪いがかかってしまったか、俺は知らない。
ちなみに俺の一族は母(53)と俺だけ。
母は呪いの真相を知っているそうだが、
俺は今まで聞いてこなかった。
何故なら
9:
優「・・・・・死にたく・・・・ねぇよ・・・・・ッ!」ギュッ
・・・・・・・・そう、思ってしまったからである。
俺は呪いの事を幼い頃から知っていた。
だから、冷めていた。
人生に。
諦めや絶望にも近かったかもしれない、
『このまま生きてもどうせ・・・』
『ならもういっそこのまま死んで・・・』
なんて思ってた、ずっと。
ただズルズルと生きて、
つまらない人生を過ごしていた。
彩と出会うまで
10:
彩は俺に様々な感情を抱かせた。
嫉妬、照れ、憧れ、恐れ、
胸がグッと熱くなって、苦しくなる・・・
この気持ちが『恋』なんだ、と実感した。
それからだ、俺が死にたくないと思い始めたのは。
・・・だから、俺は逃げていたんだ。
彩が、彼女がいとおしすぎて。
11:
もっと早く彼女と会っていれば、
そう感じることが多々ある。
呪いを彼女に打ち明けるか・・・
彼女に何も告げず、去るか・・・
俺は、後者を選ぶ。
彼女に、この呪いを背負わせる訳にはいかない。
・・・・・だから・・・・俺は・・・・・
優「・・・バイバイ、これ以上一緒に居ると
 ・・・・・・余計辛くなる・・・・・」
12:
・・・・・・・・・・・
会社
彩「う〜ん、朝優君居なかったな・・・・
 どこ行っちゃったんだろ?先に来てんのかな・・・」
「ちょ、ちょっと!彩!!」
彩「あ、おはよー、どしたの?そんな慌てて」
「藤川君退社ってどういうこと?」
彩「・・・・・・・・・・・え?」
13:
・・・・・・・・・・・・・・・・
優「ただいまー・・・・・・・」
母「・・・・・・・・おかえり」
 「・・・・・・いい人は、見つかったのかい?」
優「ん・・・・・いや・・・・・
 終わらせようかと思って、俺の代で」
母「・・・・・・・・・・・そうかい」
優「・・・・・・・・・・・・・・・飯ある?」
母「フフッ・・・・あんたは昔っから・・・
 マイペースと言うかなんと言うか・・・・」
優「・・・考えすぎて腹減ったんだよ・・・」
14:
母「はいはい、簡単にでいいね」
優「おう・・・・サンキュ」
簡単に、なんて言っても母さんはしっかり手の込んだ料理を作ってくれる
優「・・・・・・・・・・・ゴメンな」
母「何言ってんだい、謝る必要なんて無いよ
 悪いのはあんたの先祖達なんだから」
優「・・・・・・・・・ああ」
15:
・・・・・・・・・・・・・・
優「・・・・・ごちそうさま」コトッ
母「はい、お粗末さま」
優「・・・・・・・・・・・・・・」
母「さっきも言ったけど、気に病む必要はないよ
 ・・・・それに、あんたが決めた事だろ?」
優「・・・・・・そうだな
 ・・・・・・・・・・聞かせてよ、呪いの、話」
母「・・・・・・・そうだね、一応話しておこうか」
16:
・・・・・・それは遡る事数百年、江戸末期の頃。
あるところに、とある大名がいた。
その大名の領地はすばらしいものだった。
土地はよく肥え、市場も賑わい、民は明るく、まさに楽園のようだった。
しかし、楽園にもたった一つ欠点があった。
それは、化け物が住み着いている、といわれている山だ。
そこで、大名は自分の弟に化け物退治を命じた。
弟はかなり腕の立つ武士で
評判は他国に行き渡る程の兵だった。
弟は、兄や、領民、愛する妻の為なら、
と、快く引き受けた。
17:
兄は言った
「お前なら無事に帰って来ると信じている。そしてその暁には、大量の褒美をとらせようぞ」
それに対し、弟は
「いえ、褒美など要りません。民を思えばあたりまえの事。その代わり、私が帰って来た時は盛大に祭りを開きましょう」
と答えた。
そう契りを交わし、弟は旅立った。
18:
化け物は強く、並大抵の者ではまともに戦えないほどだった。
しかし、弟は恐れる事無く立ち向かった。
三日三晩続いた、まさに『死闘』
激しい戦いの末立っていたものは
弟だった。
19:
弟は勝ったのだ。
あの不気味な化け物に。
しかし、弟も満身創痍、
もはや息をするのも苦痛だった。
最後の力を振り絞り、弟は山を降りた。
もうあと少し。
町が近づいてくる。
・・・・・が、弟の体力は底を尽きた。
20:
「・・・・・・これまで、か・・・・・」
その呟きさえ、声にならない。
弟の頭の中に様々な人物が現れる。
出迎えてくれる領民、自分を労ってくれる仲間達、功績を褒め称えてくれる兄
そして何より、愛する妻の顔が、
強く強く思い浮かばれる。
『死にたくない』『死ねない』
その想いが、頭を支配する。
足に、手に、腰に、指に、力が入る。
妻への想いが、体を支配する。
動く、体が動く。
弟は、ゆっくり、ゆっくりと歩みを進める。
21:
『これなら、大丈夫。帰れる、会える。皆に、妻に。』
弟はそんな希望を、いや、確信を胸に抱いて・・・
一歩、また一歩と歩みを進める。
もう、あと少し。
その時だった。
目の前に、人影が現れた。
見覚えのある人物、兄だった。
22:
弟は安堵した。
このままでも帰れはしたが、やはり不安がある。
『助かった、もう大丈夫だ・・・』
弟の目から、安堵の涙が溢れ出た。
弟は兄にすがりついた。
「よくやった。弟よ。お前は我が一族の誇りだ。」
兄は言った。
弟の胸に喜びが込み上げる。
「・・・・・・お前は、死なねばならぬ。」
・・・・・え?
「領民の為・・・・いや、我が一族の繁栄の為。」
・・・何だ?・・・・何て、言った・・・?今、何と・・・・
「お前は、強すぎる。もはや人とは思えん。」
兄は恐れていた。
はるかに人を超えた力を持つ弟を。
23:
弟は、最初こそタチの悪い冗談だ・・・
と思っていたが、
兄の眼を見ているうちに理解した。
兄は本気だ。
本気で俺を殺す気だ。
この下種が。
俺はこんな下種に良い様に使われていたのか。
腹が立つ。
兄に、愚かな自分自身に、それ以上に我が一族全員に。
悔しい。悔しい。悔しい。
許さない、絶対に。
25:
「なに、心配するな。お前は勇敢に化け物と戦い、死力を尽くし、相打ちに持っていった。
 と言う事にしといてやる。
 領民から崇められ、歴史にも名を残すかもしれんぞ?」
この男はどこまで・・・・!!
弟は兄を強く睨んだ。
よほど恐ろしかったのだろう。
兄はブルッと身震いをした。
「ど、どうした・・・まだ何かあるのか・・・?」
弟が兄に向けて発した殺気に、
兄の顔が引きつった。
「・・・・・・・あぁ、なるほど。そういうことか。」
『・・・なんだ、この男は・・・何を言っている・・・・?』
兄が次に発した一言が、弟を戦慄させる。
26:
「・・・・・・・・・・・・嫁か」
『!!・・・やめろ、やめろ!あいつだけは・・・・・!!』
「任せておけ、すぐにお前の後を追わせてやる。
 嫁も『死して尚、夫を愛し、自らも共に命を絶った良妻』として尊敬されるさ」
・・・残酷だ。あまりに・・・・・。
何故、俺はこんな奴に殺されなくてはならない!
妻も殺される。
無知で哀れな俺の為に!!
「この事は、お前とお前の嫁以外の我が一族全員が知っている。
 私が裏切られる事は無い。安心して逝け。」
そう言って、兄は笑った。
27:
・・・一族?一族全員で、こんな事を・・・・?
・・・ふざけるな、馬鹿げてる。
誰も反対する者は居なかったのか。
そして、ニヤニヤと下種な笑いを浮かべる兄に、自分を裏切った一族に、
弟は気が狂うほどの怒りを覚えた。
許さない 許せない 殺す 殺す
呪ってやる この一族を 末代まで
俺が味わった 己の無力さを 味わわせてやる
愛するものを 傷付け 苦しめる
この気持ちを 貴様らに・・・・・!!
28:
その後、兄は弟を領内の古井戸に投げ入れ、弟の嫁も殺した。
嫁を殺した次の日から、異変が起こった。
一族の者が次々と死んでいったのである。
それも30歳以上の、一族の血を引く者のみ。
一族は全滅した。まだ幼い男児を一人とその母を残して。
皆、後悔した。あんな馬鹿なことをしなければ・・・と。
だが、もう遅い。弟の怒りは止められない。
そして、一族は廃れ、その幼かった男児が成人すると、他所から嫁をもらい、
一人子を生み、その子がまた・・・・・と、ひっそりと血を繋いでいった。
29:
優「・・・・なんつーか・・・まあ、呪われて当然だな」
母「・・・・・・・そうね、まったく馬鹿なことを」
優「ん〜・・・・呆れて怒る気にもならん」
母「・・・・・・・・・・受け入れるしか、無いのかもしれないね」
優「・・・・・・・・・もう、終わらすよ」
 「こんな思いは、もう十分だ」
母「・・・」
優「・・・・・ちょっと出てくる・・・遅くなるかも」
俺はやるせなくなって、家を出た。
外はもう真っ暗だった。
30:
・・・・・・・・・・・・・・
優「・・・・・・・・・っと」
俺は土手に寝転がった。
ここは凄くいい場所だ。
川の音、星の光、草の匂い、土の感触、
すべてが心地いい。
昔からのお気に入りの場所だ。
此処は頭の中をスッキリさせてくれる。
辛い事、嫌な事、全てを忘れさせてくれる。
31:
・・・・・・・・が、
今回に限りそうはならなかった。
優「・・・・・・・・ハァ」
あいつの事ばかり考えてしまう。
あいつの声、ぬくもり、優しさ、髪、目、しぐさ、匂い、
全てがくっきり思い出される。
そう、まるで、そこにいるかのように・・・・・・・
優「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彩?」
彩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハイ」
32:
優「え!?ちょ、へ!?うえええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」
彩「ちょ、もうっ、うるさいっ!!」
優「いや、だって!おまっ!何でココに!?」
彩「もー、落ち着いて」
優「う・・・・・・・・・・・・・よ、よし、落ち着いた」
彩「・・・・・・住所、調べた」
優「・・・・・・・・・どうやって」
彩「会社の情報を私的に使った」
優「・・・・・・犯罪」
33:
彩「いい、もうやめた、仕事」
優「ハァ!?何やってんだよ!!それに、仕事辞めても犯罪は犯罪!!」
彩「うっさい!それは優だよ!!なにやってんの!?
 勝手に会社辞めて!!何も言わずに出てくなんて!!」
優「う・・・・・・・それは・・・・・事情があったんだよ」
彩「知ってるよ、『呪い』の事でしょ?」
優「そうだよ!・・・・・・・・って、え?」
彩「聞いた、お義母さんから」
優「・・・・・・・・・そうか」
彩「そう」
優「・・・・・・・・・・どうすんだ、仕事辞めて」
彩「結婚する」
優「・・・・・・・・・・・・・・・・・誰と」
彩「優」
34:
優「・・・・・・・・・言うと思ったけど」
彩「以心伝心だね」
優「うっさい」
彩「阿吽の呼吸」
優「だまれ」
彩「・・・・・・」
優「・・・・・・・解けないんだぜ?コレ」
彩「知ってる」
優「子供一人しかつくれねーんだぞ?」
彩「それでいい、どうせ、後一年だし」
優「そうだ、後一年しかない」
彩「一年もあるじゃん」
35:
優「お前は・・・・・・・・・・ったく」
彩「私は、大丈夫。呪いで優の事嫌いになんかならない。
 それに、優の後追ったりしない」
優「・・・・・」
彩「・・・・・・だから、結婚してください」
優「・・・・・・・・・・逆だろ、普通」ギュッ
彩「ん・・・・・・・・・・よろしく、優」ギュウウウウウウッ
優「こちらこそ・・・・・・藤川彩さん」
彩「・・・・・・・・・・・・・えへへ」
優「何笑ってんだよ」
彩「・・・藤川、になったんだなぁ・・・・と思って」
優「・・・・・・・・・・・・・・・・・・おう」
36:
彩「・・・・それに、夢にまで見た結婚だもん」
優「ホントに・・・俺で良かったのか?」
彩「優じゃなきゃ・・・・・・・・・・ダメ」
優「う・・・・・・・・///」
こうして、俺達は結婚した。
しかし、彩が呪いをまったく気にしないとは・・・・・
もっと早く言っておけば良かった。
・・・・・・・でも、もう後悔はしない。
これからの、二人の日々を大切にしよう・・・・・
37:
彩「よろしくお願いします!!」
母「こちらこそ、こんな息子でよろしければ・・・
 ・・・それと、あなたのご両親は・・・」
彩「いません、一昨年亡くしました。
 その時支えてくれたのが優さんなんです。
 だから、優さんをこれから支えていくのは私です」
母「・・・・・・・・・良い子ね」
優「おう、自慢の嫁だ」
かくして、俺達は最大の難関(?)を乗り越えた。
38:
・・・・・・・・・・・・・・・・・
彩「・・・・・・・明日、だね・・・・誕生日」
優「・・・・・・・・・・・・・・・おう」ナデナデ
彩「ん・・・・・・・泣かないよ」
優「・・・・・・・・・・俺もだ」
彩「今日は・・・・ずっと一緒だよ」
優「・・・・・わかってる、それに『今日』じゃなくても、ずっと一緒だ」
彩「うん・・・・・・・・・・・・・大好き」
優「・・・・・・・・・・・愛してる」
彩「・・・・・浮気すんなよ、あっちで」
優「しねーよ、バカ」
彩「・・・・・・・・・・・ならいい」
39:
優「さ・・・・・・・・・寝ようか」
彩「・・・・・・・・・・・おや、すみ」
優「おやすみ」
この一年、本当に楽しかった。
夢のようだった。
40:
春は二人で花見行ってさ。
 なんかポワーーーッとしてんだ、空気が。
 すっげぇ、一面ピンク色でさ、地面なんか絨毯みたいになってんだ。
 まるで違う世界に来たみたいになって、
 
 めちゃくちゃ気持ちよくて、テンション上がっちゃって、
 はしゃぎ過ぎちゃったのはちょっと反省。
41:
夏もいろいろあった。
 
 BBQしたり、海行ったり・・・・
 
 でも一番は夏祭りだな。
 わたあめ二人で分けて食べて、金魚すくいですぐ穴あけちゃって
 射的でぬいぐるみ取って、くじ引きで剣当てて
 ドーンドーンっていっぱい花火が打ちあがってさ。
 『綺麗』って二人で同じこと言ったな。
 でも一番綺麗なのはお前なんだ
 
 ふと横見たら凄く可愛くて
 離れたくないって思った。
42:
秋は引きこもってた。
 たまには家でゴロゴロしようって・・・
 それが予想以上に楽しくて
 家から出られなくなった。
 ただくだらない事喋ったり、二人でゲームしたりしてただけなのに。
 お前といるとどこでも桃源郷になるんだって思った。
 『時よ止まれ』って本気で願った。
 
 考えてみると
 
 秋が一番二人一緒に居たかもしれないな。
43:
冬はちょっときつかった。
 久しぶりに外出たら凄く寒くて
 二人ずっとくっついてた。
 どこのバカップルだよ。
 スキー行って、雪合戦して、雪だるま作って
 正月は初詣に行った。
 五円入れて
 『ずっと一緒に居られますように』って
 俺も同じだよ、バカ。
44:
・・・・・・・・・もう悔いは無いかな。
いろんなとこ行って・・・初めてのこともたくさんあって・・・
いっぱい話して・・・いっぱい遊んで・・・
いっぱいケンカして・・・いっぱい愛し合った・・・
・・・お前がいたおかげで
・・・本当に本当に良い人生だった。
45:
最後に一つ、『嘘』をついた。
俺の人生でお前についた二つ目の『嘘』
優「・・・・・ゴメンな」
そう言い残し、俺は外に出た。
『最後まで一緒に』は居られない。
やらなきゃならない事があるから。
彩「・・・・・・・・・・・どうしてすぐばれる嘘つくんだよ、
 ・・・グスッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バカッ」
46:
・・・・・・・・・・・
 バタンッ
俺は車を降り、少し歩く。
暗い森の中、茂みを掻き分け・・・・
47:
優「・・・・あったあった・・・こんな所に入れられたのか・・・」
そこは、あの古井戸。
呪いを掛けた張本人が眠っている。
優「いっかつい井戸だな」
そう言って俺は近づき、
覗き込む。
優「おー、いかにも何か出そうだなー」
暗く、深い井戸の中、
いまもあいつは一族を憎んでいるのだろう。
48:
優「ったく、ウジウジウジウジ何百年も呪いやがって!!
 おかげで俺の人生滅茶苦茶だってんだ!!
 なんだお前!!寂しいのか!!辛いのか!!悔しいのか!!
 俺もだバカヤロー!!!!
 待ってろ、そっち行って説教してやる、話し相手にもなってやるよ!」
俺は、井戸に飛び込んだ。
「・・・だから、俺の嫁に手ぇ出すんじゃねーぞ」
・・・まったく、呪いのせいで滅茶苦茶だ、
小さいときから、ずっとずっと・・・
・・・・ただ、あいつに出会えた、
生まれてきて、良かった。
49:
・・・・・・・・・・・・・・・
まったく、優は最後までカッコつけてたね。
それに、バカ。
心配させないようにだか何だか知らないけど、
嘘つかないって言ったのに。
彩「・・・でも、そういうとこ、大好きなんだよなぁ・・・・・」
50:
・・・『零人』(れいと)、あなたの息子の名前です。
あなたが居なくなった後、この子に気がつきました。
いい名前でしょ?
先祖の呪いとか、しがらみとか、関係なく
ゼロからのスタート。
そんな思いを込めて、この名前をつけました。
あなたに見せたかった。
きっと立派に育てていきます。
だから、見守っていてください。
51:
彩「私の・・・・・大好きな人・・・・・・・・」
 
 〜fin〜
52:
『一族の呪いの話』終了です。
見てくださった皆様、ありがとうございました。
53:
切ねぇ…
乙乙
5

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