【閲覧注意】死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?『呪いの連鎖』back

【閲覧注意】死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?『呪いの連鎖』


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4:
怪人二十面相
俺の爺さんは十年ぐらい前に、痴呆症(今で言う認知症)ってヤツになったんだが、
最初は物忘れ程度だったものの、そのうち明らかに言動がおかしくなってきた。
で、時々“自分は別の人間だと思い込んでしまう”症状が出始めた。
その“別の人間”ってのが、なんとあの江戸川乱歩の『怪人二十面相』だった。
爺さんは昔どっかの劇団に入ってて、二十面相の役を演じた事があったらしいが、
医者が言うには、どうもその頃のイメージが強く出てしまった結果という話だった。
しかも爺さんは、親父=明智小五郎、俺=小林少年だと完全に思い込んで、
何かにつけ俺と親父を相手に、困ったイタズラを仕掛けるようになってしまった。
初めの頃は、俺を便所に閉じ込めて「ははは、どうだね小林君」とか言ってみたり、
親父の腕時計をコッソリくすねて、冷凍庫の中に隠しておいたり程度の話だったんで、
まぁ困るっちゃ困るけど、俺も親父も爺さんを責めたりしないで適当にあしらってた。
いつも二十面相状態ってわけでもなかったし、また始まった?みたいな感じで。
でも、そうやって調子に乗らせてたのが、今思えば良くなかったのかもしれない。
しばらくして、事件が起きた。
411 :2/4:
その頃はもう、朝のウンコ中に便所に閉じ込められる事は日常茶飯事だったから、
いつものように「参った二十面相!」って呼びかければ、開けてくれるはずだった。
しかし、その日は何度呼びかけても反応がなかった。
通常、ドアを爺さんが押さえて閉じ込められてたんで、思いっきり蹴る事もできず、
俺はただ大声で「参った!もう降参だよ!」と叫び続けるだけだった。
すると外からゴソゴソと音がして、やっとドアが開いたと思ったら親父だった。
ドアの前に脚立が突っ張り棒みたいに仕掛けてあったそうだ。
親父は「その日着て行くスーツが見当たらなくなった」と、方々探し回っていた。
そこへ突然、お袋の悲鳴が。
「キャー!泥棒ー!」
急いで台所へ駆け付けてみると、窓に男の足がぶら下がって見えたと言う。
どうやら、屋根の上に誰かが登って行った途中を目撃したようだった。
俺と親父はその瞬間ピンと来た。
「まさか、爺ちゃんじゃねーか?」
慌てて裏口へ出てみると、案の定それは屋根に登ろうとしている爺さんだった。
なぜか親父のスーツを着ている。おそらく親父に変装しているつもりなのだろう。
何か風呂敷包みを小脇に抱え、1階屋根から2階屋根へとさらに登ろうとしている。
俺達はもう青くなって、急いで2階へ駆け登り、部屋から屋根へと出てみた。
しかし、その時点でもうすでに爺さんは、2階の屋根の上に登り切ってしまっていた。
焦る俺達を尻目に、爺さんはヨタヨタと立ち上がり、何か言い始めた。
「わはは、明智君に小林君。今頃気付いても遅いよ。これは確かに頂いたからな」
そう言った瞬間、爺さんの足がズルッと滑り、そのまま俺達の方へ転がって来た。
412 :3/4:
ウワッ!と思ったがもう遅い。爺さんは俺達を巻き込んで1階の屋根の上に落下。
そのまま3人で屋根を転がり、その勢いで親父が弾き飛ばされた。
俺は何とか爺さんを食い止めようと思ったが、意外に勢いが強くて回転が止まらない。
アッと言う間に屋根の縁まで転がり、とうとう下に何もなくなってしまった。
俺はその瞬間、死ぬ!ってマジで思った。だが同時に爺さんを守ろうとも考えた。
結果、俺は爺さんを抱くような形のまま、爺さんもろとも地面に落下。
爺さんは軽いかすり傷程度で済んだが、俺は腕を強く打ち骨を折るハメになった。
その後わかった事だが、爺さんが屋根の上で「確かに頂いた」と豪語していたのは、
床の間に置いてあった、北海道土産の木彫りの熊だった。
爺さんはその事件の衝撃のせいか、以来完全に二十面相と化してしまった。
言動もますますヤバく、また騒動起こされたらたまったもんじゃないって考えもあり、
さらに爺さん自体にガンが発覚したので、それから入院生活を送る事になった。
入院後の爺さんは、見る見る内に弱っていった。
だが二十面相のプライドなのか、見舞いに行くといつも大げさな口ぶりだった。
それから3ヵ月の間、俺はいつも小林少年として爺さんと付き合うようにした。
413 :4/4:
ある晩、容態が悪化したと連絡を受け、夜中に家族3人で病院へ駆け付けた。
爺さんは呼吸器のような物を付けられ、すでに意識朦朧とした状態だった。
俺が「爺ちゃん!爺ちゃん!」といくら呼びかけても、何の反応もなかった。
もうダメなんだ・・・と思った。
すると親父が何を思ったか、「おい二十面相!情けないぞッ!」と叫んだ。
俺はともかく、親父は普段のらない人だったんで、ちょっとビックリした。
親父は泣きながら、「明智小五郎の勝ちでいいのかッ!いいのかッ!」と叫ぶ。
俺もボロボロと涙を流しながら、「にじゅうめんそぉーーー!」と一緒に叫んだ。
爺さんは意識を取り戻さないまま、それから30分後くらいに逝ってしまった。
だが、最後の最後で俺の頬を軽く撫でてくれた。
『明智のような名探偵になれよ、小林君!』とでも言っているように思えた。
爺さんが亡くなってから、今まで霊感の無かった俺が幽霊を見るようになった。
ある時は若い男、ある時は年増女。
最初は気付かないが、何となくカンでわかる。
すると霊は、ニヤッと笑って消えていく。『よく気付いたね』とでも言うかのように。
さすが変装の名人。怪人二十面相は、懲りずにあの世で張り切ってるようだ。
39 :本当にあった怖い名無し:2007/05/21(月) 02:43:53 ID:HCA1dCgQO
バケモノ
まだひいばあさんが生きていたころ…確かまだ幼稚園の頃だったと思う。
ひいばあさんの家があるのは、観光にも狸を利用しているほど県内では狸で有名な土地で、
もちろん今でも狸は良く出る。
狸を扱った絵本なども出ており、俺は狸の絵本が大のお気に入りだった。
ある日、ひいばあさんの家に遊びに行った時、俺はひいばあさんに聞いてみた。
「狸って化けるって本当?」
「…狸は化けねな」
「えー…」
夢を壊されふてくされかけていたら、ひいばあさんが続けて言った。
「…狸は化けねども、なんかしかが狸に化ける」
「狸に?」
「…おめ、動物園の狸が化けるのみたこどあっか?」
「なーい」
「…狸は化けね。ケモノっこだもの」
「…化けらァずはバケモノよ。バケモノがケモノさ化けらぁずや」
「バケモノが狸に化けるの?」
「狸だけでね、けづねさも、いたぢさも、いぬさも化ける」
「…人さもな」
「…」
「んだがら○○ちゃん。おがさんがたのゆごどきがねば、バケモノよってくど?」
最後の言葉は俺を戒めるために言ったんだろうが、
どうしても『バケモノはケモノに化けるからバケモノだ』と言う言葉が、心に残ってしかたない。
684:
家族旅行
子供の頃、家族旅行に行った事があってその最終日の夜、
泊まってたホテルで寝てる時に、誰かに「おいでおいで」と手招きされる夢を見た、
で、夢の中の俺はその誰かの居る方へと歩いていったんだが、
あと少しという所で、グイッと誰かに後ろから引っ張られる感じがして、そこで目覚めた。
目が覚めたら、ホテルの窓から飛び降りようとしてる俺の身体を
後ろから羽交い絞めにして必死で止めようとしてる親父が居た。
713:
真っ赤な顔の天狗
親戚の叔母さんからよく聞いた話
今は70過ぎた叔母さんが10代の頃 仲のいい職場の友達とバス旅行に行く予定だったそうです。
ところが出発の前の晩、真っ赤な顔の天狗さんが山の上で仁王立ちになってる夢を見たそうです。
そして、いざ出発の日 どういうわけか前日に用意した荷物がなくなり
どんなに探しても出てこなかったらしいです。
友達が誘いに来ましたが、事情を話しキャンセルしまた今度と見送ったんだそうです。
それから数時間後、友達の親が血相をかえて家に来ました。
バスが崖から転落したと駐在から連絡があったんだそうです。
友達の一人は亡くなったらしいです。
171 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 10:57:27 ID:vXN3Fb5U0
呪いの連鎖
ここの住人に聞きたい。呪いって信じる?
俺は心霊現象とかの類は、まったく気にとめる人間じゃない。
だから、呪いなんか端から信じていない。
呪いが存在するなら、俺自身この世にはもう居ないはずだから。
自分自身で書くのも嫌になるが、今までもの凄い数の人たちを傷つけてきた。
さすがに人を殺すような事はしてこなかったが、何人もの女の人生を台無しにしてきた。
ヘルス嬢になった奴。ソープ嬢になった奴。そしてAV嬢。
こんな俺だから、もし呪いが存在するなら、俺は生きていないはず。
そんなくだらない俺にでも、心から信頼出来る友達がいた。
今から書く話はそいつの話。本当に長くなるから、うざかったらアボンしてくれ。
172 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 10:58:55 ID:vXN3Fb5U0
今から1年半程まえに、俺は友達に呼び出された。
その時はお互い仕事が忙しく、会うのは約3ヶ月ぶり位だったと思う。
呼び出された場所に向かうと、俺よりも早く友達のAがいた。
「おー早いじゃん」
俺はそう言ってAに話しかけた。
笑いながらAは、「たまには早くくるさ」
そう言い終わると、Aの顔から笑みが消えていった。
いつもなら飲みに行って話をするのだが、何となくその日はそんな雰囲気ではなかった。
笑みが消えた後のAの顔が、それを物語っていた。
「どうしても聞いて欲しいことがあるから、家に来てくれないか」
Aの顔に全く余裕が感じられない・・・。
「何かあったのか?」
俺の問いにAは、「家で話すわ」
そう言い終わると、足早にその場を離れた。
Aの自宅に着き、Aは話し始めた。
「兄貴が仕事中に死んだ」
そう聞いた俺は、「えっ兄貴は2年前に死んだんじゃなかったの?」。思わず聞き返した。
「2年前に死んだのは長男。今回死んだのは次男なんだ」
思わず言葉が出てこなかった。
仕事中の事故死らしい。Aの次男が勤めていたのは、ある大手タイヤ工場だった。
その工場で、主に工作機械のメンテナンスをする仕事をしていたそうだ。
作業後のメンテナンスのために整備していた所、大型の工作機械が突然作動し、
その機械に頭部を挟まれAの次男は亡くなった。即死だったそうだ。
それを聞かされて俺は、Aに対して余計に何も言えなくなった。
173 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:00:32 ID:vXN3Fb5U0
「2年前に、上の兄貴が事故で死んだときもおかしかったんだ」
長男の事故の話だった。
Aの長男は家族3人で、移動中に大型トラックに正面衝突を起こしていたのだ。
「あの時も即死だった。3人ともな」
Aの顔は、何かに怒っているように見えた。
その事故は、片側2車線の道路で起こった。
現場検証では、Aの兄が反対車線に入り走行した事が原因とされていた。
トラックの運転手の話では、よける間も無いくらいの出来事だったらしい。
Aの言う妙な事とは、突然車線を変えたのもそうだし、
ブレーキペダルとフロアの間に、猫が入り込んでいた事だそうだ。
当然その猫も生きてはいなかった。
「ぶつかる寸前にブレーキをかけたんだろうけど、間に猫がいて効きが悪かったのかもしれない。
効いてても回避する事は出来なかったんだろうけどさ」
「猫なんか飼ってなかったのに」
それを聞いて俺は、「途中で拾ったのかもしれない」
そうAに言うと、「それは絶対にない。猫嫌いだもん」
しばらくAは黙っていた。
俺は少しで気をまぎらわしてやろうと思い、買い物に行きビールなどを調達してきた。
買い物から戻りAにビールを渡し、話の続きを聞いた。
「俺これで天涯孤独になっちゃった」
Aはそう呟いた。
Aの母親は幼稚園の頃に亡くなり、父親は4年前に亡くなっていた。
もう家族で残されたのはA一人だった。
Aの表情はとても寂しげに映った。
その表情が突然変わり、Aは俺に聞いてきた。
「なー呪いって信じる?」
思わず呆気にとられてしまった。
「たまにテレビでやってる、木とかにこんこん釘打ったりするやつ?」
俺はあり得ないという表情で答えてやった。
俺のそんな答えに動ずることなくAは喋り始めた。
「兄貴2人。そして父親も、呪いで死んだのかもしれない」
そこからその話は始まった。
175 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:01:51 ID:vXN3Fb5U0
Aは幼少の頃の話を聞かせてくれた。
そこは普通の田舎町で、これから話す、
不可思議な事件が起こりそうな場所では無かったらしい。
Aの実家の近くには、子供心に相手にしたくない家があったそうだ。
ただ単純に、その家のおばさんの見てくれがもの凄く怖かった、というのが理由だそうだ。
野球をしているときに、たまたまボールがその家の庭先に入ってしまい、
しかたなく挨拶をしてボールを取ろうとしたときに、
そのおばさんに鎌を持って怒鳴られたそうだ。
そんなこともあり、その家は子供にとっては恐怖の対象でしかなかった。
小学2年の頃、夜中に我慢が出来なくなりトイレに起きた時の話では、
ザク、ザクと物音が聞こえてきて、トイレの小さな窓から覗くと、
そこには鎌を庭にある大きな木に向かって、何度も突き立てるおばさんの姿があった。
とにかく、その光景があまりにも怖すぎて、その晩は寝ることも出来なかったらしい。
翌日、学校に向かう途中で恐る恐るその木を確認すると、
確かに無数の傷と大きな釘が1本刺さっていたそうだ。
子供の頃は、ただ単純に怖かっただけなんだけど、
今思えばあのおばさんには同情するところはかなりある。
その家の主人はもの凄い酒乱で、毎晩のように飲んでは暴れていた。
あの当時は精神的にかなり参っていたんだろう。
Aはそう言いながら話を続けた。
それから数ヶ月が過ぎ、最初の事件が起こった。
下校途中にAと3人の子供達が、あの家の大きな木の下に、人が倒れているのを発見した。
4人で最初は寝てるのかとも思ったらしい。
それでも気になって、他の子が親を呼んで確認させたところ、すぐに救急車が呼ばれた。
倒れていたのは、その家の主人だったそうだ。
すでに息はなく、死因は心臓発作との事だった。
近所の人の知らせで、農作業に出かけていたおばさんも呼び出され、すぐに病院に向かっていった。
176 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:03:20 ID:vXN3Fb5U0
子供だったAは震えていたそうだ。
死体を見た恐怖と、あの晩のおばさんの奇妙な行動が重なって、余計に怖かったらしい。
それから、おばさんは人が変わったように明るくなっていた。前とは比べられない程に。
でも、おばさんの笑顔は長くは続かなかった。
その家には2人の息子がいたが、2人ともその家にはいなかった。
次男は人柄もよく真面目で、結婚をして家を構えていたのだが、
長男は父親に似て酒乱がたたり、定職にもつけなかった。
父親が死に、母親の面倒を見るという名目で、長男は家に戻ってきた。
おばさんにとっては、今まで以上に辛い日々になっていったのだそうだ。
昼間から酒を飲んでは母親に暴力を振るい、近所から何度注意されても直る事は無かった。
母親に対する暴力に、次男も何度も抗議に来ていたようだ。
数日が過ぎた晩、Aは家族で食事をしていた。
すると玄関を激しく叩き、父親を呼ぶ声がする。声の主は、隣に住むお姉さんだった。
「向こうの木の下に人が倒れている」
そう言ってお姉さんが震えていた。
すぐに父親が確認に向かった。
そして確認して戻ると救急車を呼び、子供達に一歩も家を出るなと言い残して、また出ていった。
しばらくして救急車がきて、騒ぎは大きくなり始めた。
窓越しに確認すると、今度はパトカーまで来ていたそうだ。
その騒ぎは一晩中続いた。
翌日の朝、殺人事件が起こったことを知った。
殺されたのは、あの家の長男だった。鍬で頭部をめった打ちにしての殺害だった。
めった打ちにした場所は家の裏だったらしいが、
最後の力を振り絞って、人の目に触れるあの大きな木の下までたどり着いて、そこで息絶えたらしい。
家にいたおばさんが自分がやったと証言したため、おばさんは警察に連れて行かれたが、
翌日の昼間に次男が出頭してきて、おばさんは家に帰された。
地元の新聞では大きく報道されたそうだ。
177 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:04:49 ID:vXN3Fb5U0
次男の判決はさほど重くはならなかった。
動機が母親を助けるためだったのと、周りの証言や、
もしかしたら嘆願書も出ててたかもしれないらしく、
刑は思いのほか軽くすんだそうだ。
次男の刑が確定したその日、おばさんは家の木で首を吊って自殺した。
Aは学校にいたため、事件が起こったことは、家に帰るまで知らなかったらしい。
その家では、2年ほどの間に3人も人が死んでしまった。
あの事件が起こった後は、その家には誰もいないはずなのに、
それ以来その家の前を通るのを止めて、大回りして家に帰るのを選んだそうだ。
自宅の玄関からも見える家なのに。
事件から5年くらいが過ぎた頃、あの家の次男は刑期を終えて戻ってきた。
近所の家を謝罪してまわり、礼を言いながらまわっていた。
Aの家にも訪ねきた。父親が対応して、「苦しかったね。これから頑張るんだよ」。そう声をかけていた。
元からの次男の性格を知る近所の人達は優しかった。
次男も一生懸命に働き、以前の暮らしを取り戻そうとしていた。
次男の妻も真面目で、主人が逮捕された後も別れることなく、
帰って来る日を待ちながら家を守り続けていた。
2年後、そんな2人に子供が出来た。
近所の人たちはみんな喜んでいた。生まれてくるまでは。
産まれてきたのは男の子だった。でもその子は心臓に障害を持っていた。
それから次男は、その子の手術のために、今まで以上に働いた。子供を助けるために。
それでも間に合わなかった。
男の子は生後半年で、この世を去ってしまった。
それから2ヶ月後、奥さんは焼身自殺をしてしまった。
後を追うように、次男はあの木で首吊り自殺をした。
近所中に重い空気が流れて、やがてよくない噂が流れ始めた。
178 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:06:09 ID:vXN3Fb5U0
あの木があると、これからも良くないことが起こるのではないか。
木を切り倒したほうがいいのでは。
みんなが口々に、木のせいにし始めていた。
それでも、誰も木を切ろうとはしなかった。
しばらくして、自殺したおばさんの遠縁にあたるという男2人がやってきて、
「自分たちがこの木を処分します」と言ってきてくれた。
念のためにと2人はお払いをしてもらい、それからチェーンソーを使ってあっさりと切り倒してくれた。
かなり大きな木だったこともあり、倒した後に細かくするのに時間がかかってしまい、
根の部分は後日にするということだった。
それから数日が経っても、根が掘り返されることは無かった。
木を切り倒した人の一人は、酒に酔い3メートル程の側溝に頭から落ちてしまい、脳挫傷で死亡。
もう一人は、噂では農作業中にトラクターが横転し、下敷きになり死亡したと聞いたそうだ。
Aが高校を卒業して町を離れる頃にも、まだその根は残っていたそうだ。
俺とAが出会ったのは、同じ専門学校でのことだった。Aとはそれ以来の付き合いになる。
Aは俺とは違い、頭も良く性格も良かった。
そんな奴だから、就職にも困ることはなかった。俺と違い、Aはすぐに就職した。
Aが就職してからも、俺たちの付き合いは続いた。
会うたびに女のことで説教をされていた事を、今でも思い出す。
就職して3年ほど経過した頃だろうか。それはあまりにも突然だった。
Aの父親が心臓発作で他界した。
Aが言うには、病気など患った事など無かったから、もの凄くショックを受けたらしい。
Aが実家に大急ぎで帰ったとき、すでに二人の兄が帰って来ており、
通夜の準備に追われていたそうだ。
179 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:07:06 ID:vXN3Fb5U0
それから数日が経ち、葬儀も終え、3人は久しぶりに実家で酒を飲んだそうだ。
その時に長男が、二人の弟に語りかけた。
「二人ともあの家の木を見たか?」
そう言われてAは、次男と顔を見合わせて「何のこと?」。長男に聞き返した。
「根っこだけ残ってた木のことだよ」
そう言われて二人は、あの木のことかと思い出したらしい。
長男は続けた。
「もう更地になってるんだよ。そして、あの木の根を掘り出したのが親父なんだ」
それを聞いて、Aの中で眠る忌まわしい記憶が蘇ってきた。
次男はいきなり、怒気を強めて長男に食ってかかった。
「ふざけるな。じゃあ親父は、あの木に祟られて死んだっていうのかよ。
ただ掘り返しただけで祟られるのか。馬鹿げてるぞそんなもん」
しばらくみんな黙っていた。
Aは疑問に思ったことを口にした。
「何で親父は木の根を掘り返したんだろ。兄貴は何か聞いてない?」
その問いに対して、二人の兄は首を振るばかりだった。
長男は首を振りながら、
「掘り返した理由は俺にもわからん。だけど掘り返した後、親父は突然死んだ。
どうしても俺には、偶然には思えないんだ」
次男は、「兄貴やめてくれないか」。
そう言って話を遮ろうとしたが、それでも長男は話を続けた。
「昨日さ、夢に親父が出てきたんだ。俺を見ながら、何度もすまないすまないって言うんだよ」
それを聞いた次男は、「何で兄貴の所だけに出て、俺たちの所には出ないんだよ」。
Aを見ながらそう語りかけた。
その問いに対して長男から出た言葉に、二人とも驚いたらしい。
「次は俺なんじゃねーの。だから親父は、俺に謝りに来たんだろ」
二人はそれを聞いて押し黙った。
その日はそれ以上、そのことを3人とも語ろうとはしなかった。
その後、長男の言った一言によって、3人は今まで以上に連絡を取り合うようになったそうだ。
180 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:08:23 ID:vXN3Fb5U0
父親の死後1年9ヶ月経った頃、突然長男と連絡が取れなくなった。
次男からもその連絡が来た。家に電話をしても、嫁さんすら出ないとの事だった。
次男は不審に思い、長男の勤める会社に電話したそうだ。
会社から返ってきた言葉は意外だった。1ヶ月ほど前に突然退社したと聞かされた。
二人はすぐに長男の自宅に向かった。
何度呼び鈴を鳴らしても、誰も出てくることはなかった。
不審に思ったのか隣の住人が出てきて、話を聞いてくれた。
すると隣の人は笑いながら、「3人で旅行に出かけるって言ってましたよ」。そう教えてくれた。
二人にはどうしても納得がいかなかったらしい。
何で俺たちに何も告げずに出かけるんだ?あれだけ密に連絡を取り合ってたのに。
それからすぐに二人は、行きそうな場所として実家に向かった。
主の居なくなった家にたどり着いたが、そこにも3人の姿は無かった。
それから2日後、二人の元に警察から連絡が来た。
長男一家が事故死したと言う知らせだった。
事故の原因は、先に書いた通り不可思議なものだった。
葬儀が終わっても二人は押し黙っていた。
しばらくして二人は、長男一家の家の整理に追われた。
家の片付けをしている時に、Aは長男が残したであろうメモ帳を見つけた。
そこには奇妙なことが書いてあったらしい。
『俺が何をした』
その言葉が、何ページにもわたって書き綴られていたそうだ。
181 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:09:48 ID:vXN3Fb5U0
最後のページには、
『俺と○○そして○○これで3人だ。もう終わりにしてくれ。』
次男とAの名前が書かれていた。
それが最後のメモだった。
次男にそれを渡し、Aは押し黙った。
それを見た次男は、「兄貴は神経質すぎたのかもしれない」。
そう言い終えて、次男も黙りこくってしまった。
Aは心底おびえたそうだ。
馬鹿にする次男を無理にさそい、祈祷師やらその手の除霊専門の所を、何カ所も回ったらしい。
細かく書けば、本当に凄い量になってしまう。だからかなりはしょってるから、勘弁して欲しい。
長男が亡くなって2年経ち、次男が事故死した。
そしてその話を俺は聞かされた。
呪いと言われても、俺にはどうしてもピンとこなかった。
その話を聞いた後、俺はAに話し出した。
「なあA。もしさ、呪いが存在していたら、俺は絶対に祟られてるよ。
お前も知ってるよな。俺が今まで、色んな女にしてきた仕打ち。
お前が知らない話だってある。それこそ、いつ夜道で刺されてもおかしくないくらいだ。
刺されないにしても、相当恨まれている事は確かだと思う。
現実に呪いが存在するんなら、俺はもう死んでるはず」
でも俺がどんなに語ろうが、Aの周りでは不可解な事が起きているのは事実。
俺自身が一つずつあれやこれや説明しても、納得するわけもなく、話は平行線を辿るだけだった。
Aは俺と話した後に、すぐに所持していた車を処分した。
「車で事故なんて嫌だし」
Aは苦笑いしながらそう言っていた。
182 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:11:40 ID:79Ddwri60
それからしばらく、何事もなく過ぎていった。
その間も、俺とAはちょくちょく会っていた。会って食事したり飲みに行ったりしてた。
しばらく会ってないなと気になりだしたときに、Aから連絡がきた。
『病院にいて暇だから、見舞いにでも来てくれよ。話もあるし』
それを聞いて俺はすぐに病院に向かった。
病室に入りAの姿を見たときは、もの凄くショックだった。
別人かと思うほどやせ細ったAがそこにいた。
動揺してることを悟られたくなかった俺は、「個室なんてえらい豪勢だな」と笑って語りかけた。
するとAは、「俺これでも結構金持ってるんだよ」。笑いながら答えてくれた。
俺は病気のことは全く無知だからよく知らないが、進行の早い癌だと説明された。
余命3ヶ月。あまりにも突然の宣告だった。
Aは話を続けた。「呪いだよ」。そう言い放った。
俺はすぐさま「あるわけ無い」と食ってかかった。
Aも言い返す。
「じゃあ偶然にも俺たち家族は、こんなにも短期間の間に全員が死ぬのか!」
Aの目は怒りに満ちていたと思う。
話すうちに冷静になったAは、「お前に頼みがあるんだ」。
「俺は出来ることは何でもしてやるから」そう言った。
今になれば、その言葉は言うべきでは無かったと後悔している。
Aの頼みとは、彼女の事だった。
Aは学生の頃から、Bという女と付き合っていた。
Aの彼女だから、俺もよく知っている間柄だった。
本当に良い子なんだ。Aにはお似合いの彼女だった。
「Bの事なんだけどさ。お前、あいつを口説いてくれね」
それを聞かされた瞬間、俺は呆気に取られた。
Aが言うには、病気のことを彼女に話した所、「今すぐに結婚するんだ」って言われたらしい。
呪いのことは、気が引けるらしく言えなかったそうだ。
まー言ったところで、聞く耳もつ女では無いと思うが。
183 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:13:13 ID:79Ddwri60
俺は呆気に取られながらも言い返した。
「俺にも好みはあるんだよ。自己主張のきつい女には興味はない」
それでもAは、「お前以外にそんなこと頼める奴いないんだよ」。
「そりゃそんなアホなこと頼めるのは俺ぐらいだろうけどさ、それは無理な話だ。
俺が俺のままの性格でBの立場でも、別れ無いと思うぞ」
そう言ってたしなめた。
「もしBが俺と結婚したら、どうなると思う?」
Aはそう俺に問いかけた。
「辛いかもしれないけど、本人が望むことなんだから仕方ないだろう」
そう答えるしかなかった。
「結婚して呪いがそのままBにかかったら、俺は死んでも死にきれない」
Aの言葉は切迫していた。
納得いくわけはない。
それでもAが呪いに拘るのであれば、Bと話してみようと俺は思った。
俺自身は呪いは否定している。それでも、これだけ続くと正直怖い。
俺が別れさせ無かったことが原因で、Bの身に何か起こったら。
そう考えると、たまらない気持ちになった。
俺はそれからすぐに、Bに連絡を取った。強引に時間を作らせ、会う予定を入れさせた。
久しぶりに会うBの顔は、見るからに疲れていた。お互い笑顔など無かった。
「Aの事なんだけどさ」
そう切り出した。
Bは俺の話を遮るように、「別れる気はないから」。
その言葉に、俺は次の言葉を見失った。
それでも何とか平静を装いながら、「いきなりそれかよ」。そう言ってBの顔を見た。
Bの目は真っ赤だった。
Bにしてみれば、俺が何の話をしに来たのか、大体は想像ついていたんだろう。
Aの代弁を頼まれて来たのだろう事を。
しばらく二人は黙っていた。
「別れることはもう出来ないよ」
いきなりBが切り出した。
「そりゃそれだけ長く付き合ってたんだから、仕方ないさ」
俺はそう返した。
184 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:14:54 ID:79Ddwri60
「そんなんじゃないよ」
Bは続けた。
「子供が出来たんだ。あの人の分身が、この中にいるの」
そう言ってBはお腹をさすった。
俺はその言葉を聞いて、頭の中が真っ白になった。
さらにBは、
「子供が出来たことを彼に伝えれば、もしかしたら病気も治るかもしれない」
涙を流しならBは言った。
その言葉を聞いて、俺は我に返ったのだと思う。
「今のあいつには絶対に教えるな」
その言葉にBは切れてしまった。
店の中だと言うことも忘れて、二人で言い争った。程なく店員に注意された。
それでも口論が収まることはなく、結局話は平行線のまま、店を追い出されてしまった。
店を出て歩きながら、俺はBを説得する方法を考えていた。
歩きながらBに聞いてみた。
「そもそも何年間付き合ってきたんだよ」
「これだけ長く付き合ってきたのに何で今、妊娠するの?」
「避妊はしてたんだろ」
俺自身が疑問に思ったことだった。
さらに、聞きづらい事だとは思ったが、俺は続けた。
「出来たのがわかったって事は、あいつが入院する前にやったって事だよな」
本当にひどい聞き方だ。
Bは答えてくれた。
「今まではちゃんと避妊してたよ」
Bは続けた。Bの話を聞いていくと、俺は寒気を覚えた。
4ヶ月くらい前に、変な夢を見たんだそうだ。3日間、夢は続いた。
最初に見た夢は、会った事もない男性で、
何度も同じように「すまない、すまない」と言い続けていたらしい。
会ったことのない人なんだけど、何となくAに似ていたそうだ。
次に見た夢は、亡くなる前に紹介されていた次男だった。
同じように「ごめんね」と何度も言われた。
そして最後に見た夢は、A本人だった。
何度も振り返りながら、手を振っていたそうだ。
185 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:15:51 ID:79Ddwri60
その夢を見て嫌な予感がしたらしく、結婚を急がなければと感じたらしい。
以前から、結婚の話になるとAは消極的だったらしく、いきなり結婚話をしても変わらないだろうと思い、
それなら妊娠してしまおうと考えたそうだ。
でも、妊娠したのがわかる前にAは入院してしまった。
Bはこうも言っていた。
「あの夢は、この事を伝えたかったんだと思う。
だから、子供が出来たことを知れば、必ず直ってくれるよ」
頭がおかしくなりそうだった。
「今日はもう遅いから明日また話そう」と、Bを家に帰した。
その日は一晩中、寝ることは出来なかった。
何が最良なんだろう。
自問自答を繰り返して出た答えは、Bに呪いの話を告げることだった。
翌日は、Bを俺の家に呼んで話すことにした。
こんな話は外では出来るわけもない。体のことも心配だったし。
Bと話をし、すべてを教えてあげた。
何人もの人が死に、そしてAの家族が亡くなり続けていることも。
夢の話や、細かい事もすべて話した。
Bはため息を付きながら、「言えないよね、呪いなんて」。そう言った。
「それが結婚に踏み切れない理由だったんだね」
Bは泣いていた。
俺はBに言った。
「あいつが呪いを信じてる以上、妊娠のことがわかれば、100%堕ろせと言ってくるだろう。
もしBが生む覚悟なら、絶対に言うな」
Bは、「あの人の性格を考えれば言えないよね。でも堕ろさないよ」
涙をこらえながら言うBを見て、俺は泣けてきた。
その後に俺たち二人は、これからのことを話し合った。
人の人生をこれだけ真剣に考えたのは、俺自身初めてのことだったかもしれない。
Aの病が奇跡的に治ってくれれば、どれだけいいだろう。
186 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:16:50 ID:79Ddwri60
それから俺は、暇があればAの元に見舞いに行き、Bともよく話をした。
Aの病状は一向に良くはならなかった。
2ヶ月も経たないうちにAは危篤状態に陥った。
持ち直すことなくAは他界してしまった。
俺が駆けつけた時には、すでにAの体からは温もりは消えていた。
Aは、自分が亡くなった後のことをよく考えていてくれた。
Bに保険のことや遺産のこと、俺とBに葬儀のお願いや後の処分方法など。
Bに宛てた手紙。俺とBに宛てた手紙。そして俺に宛てた手紙。
俺とBに宛てた手紙には、もの凄く感謝の込められたものだった。
Bに宛てた手紙も、同じようなものだったらしい。
ただ、俺個人に宛てた手紙は違っていた。
その手紙の内容は、Bに見せられるようなものではなかった。
Aが亡くなって半年ほど経った。もうすぐBは出産する。
無事に生まれてきてほしい。何事も無く成長してほしい。
ひたすらそう願うしかない。
俺は、Aの残した遺言で今も悩んでいる。なんでこんな物を残したんだ。
Aの残した手紙の中には、俺とBの婚姻届が同封されていた。
そしてAの残した手紙。
187 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 11:18:04 ID:79Ddwri60
『Bのお腹に居る子供は俺の子供ではない。お前の子供だ。だからお前は、責任を取ってBを幸せにしろ。』
Aは、子供が出来ていたことに気づいていたのだ。
だからって強引に俺の子供にするなよ。
お前なりに考えたことだろう。
きっと、呪いの事で頭がいっぱいになっていたんんだろう。
お前の気持ちは良くわかる。でもこれはないだろ。
最後にAはこう綴っていた。
『頼むからBを幸せにしてくれ。頼むからこの願いを叶えてくれ。もし叶えてくれなければお前を呪う。』
Aの身の回りで起きたことは、偶然だと俺は思いたい。
Aが呪われる必要は、何一つ無かったはずなんだから。
もしかしたら、これは俺自身が招いたのかもしれない。
今までしてきたことの罰なのかな。
252 :1/6:
ツンバイさん
これは俺が小学5年生だった時の話だ。
当時、俺の通っていた学校では、『心霊写真』を撮影するのが流行っており、
俺のクラスの何人かも使い捨てカメラを持って、
放課後の校舎で幽霊が出そうなところを、撮影しながら探索する遊びをよくしていた。
もちろん、何処を撮っても心霊写真なんか撮れないし、
放課後の校舎をいつまでもウロウロしていたって先生に怒られるだけなので、
単に怖いもの見たさというか、スリルを友達と共有したかったのだと思う。
そんな遊びも、時が経つにつれて自然と廃れていったのだが、
俺と2歳年下だった弟(同じ学校の3年)は、写真撮影の遊びを続けていた。
そんなある日、いつものように放課後の校内を走り回っていると、
体育館のほうから「ゴットーン」と、何かが床に落ちて反響する音が聞えた。
誰かがバスケでもやってるのかと見に行ってみると、誰もいない。
しかし、体育館のステージの前に、緑色の一輪車が一台放置されていた。
俺も弟も、誰かが遊んだまま片づけなかったのだろうと思った。
一輪車で遊んで放置したまま帰る生徒も結構いたし、特別不思議な光景ではなかった。
ところがその一輪車は、つい今乗り捨てたかのように、車輪が惰力で僅かに回っていた。
おかしいなと思って、いつも放課後に心霊写真遊びしていた友達のTの仕業ではないかと、
ステージの裏に向かって名前を呼んでみたが、応答はない。
弟が誰か隠れていないか調べてみたが、
ステージの裏はおろか、体育館の倉庫にも誰もいなかった。
放課後なので、体育館と校舎を繋ぐ通路以外は扉にすべて鍵がかかっていたし、
俺は急に気味が悪くなって、弟と校舎に戻った。
253 :2/6:
俺が走り出すと弟もビビりだして、二人でランドセルを取りに5年生の教室へ走ったのだが、
便所に行きたくなってしまった俺は、教室の前にあるトイレに弟を連れて入った。
弟は小便がしたいわけではなかったが、一人では怖いので用が済むまで俺の後ろに立たせた。
その時、突然『大』の個室の中で「ゴットン!」という大きな音がし、
もう完全に飛び上がるくらい二人で驚いて、弟は真っ先にトイレから逃げ出してしまった。
今でも覚えているが、俺は気が動転して、
小便の途中だったにも関わらずズボンを上げてトイレを出ると、
ランドセル引っ掴んで風のように走って帰った。
そんな怖い思いをしても、子供ってのは不思議なもので、
一晩経って翌日になると、ケロっと何事もなかったように登校できる。
俺も弟も朝になると、昨日の恐怖よりも、
放課後にあの不思議な現象の正体を解明してやろうと思っていた。
だが、教室に入ってみると、クラスの連中の雰囲気がおかしい。
いつもなら朝からギャーギャー騒ぎ立てているのに、ほとんど着席してこじんまりとしている。
原因は黒板にあった。
『きのう、放課後に一輪車であそんでかたづけなかった人がいます。あそんでかたづけなかった人は、休み時間に○○先生に??』
とか何とかという内容が、書かれていたのを覚えている。
担任は女の先生だったが、清掃などにはうるさい先生だったので、
朝からクラスが辛気臭い雰囲気だったわけ。
俺は身に覚えがあるというか、昨日の放課後に体育館に放置された一輪車を見ているので、
100%あの一輪車のことだと思って、自分には関係ないけどビクビクしていた。
254 :3/6:
でも問題は、何であんな体育館に放置された一台の一輪車くらいで、
こんな風に黒板に書き出されなきゃいけないのか、
ということだった。
一輪車を片づけないで放置する生徒は実際多かった。
5年生だけでなく、1年?6年生まで遊具を片づけない奴らは結構いた。
それなのにこのピリピリムード。
やがて1時間目になり、担任が教室に入ってくると、いつものように挨拶済ませて、
授業を始める前に、黒板の連絡内容についての話が始った。
「うちのクラスの前にお手洗いがありますね。そこの男子トイレの個室の中に、昨日の放課後、1年生用(緑)の一輪車が置いてありました」
その言葉を聞いた時、俺は予想に反する見当違いに、(?)と首を傾げた。
いや、首を傾げかけた俺は、ぷつぷつっと鳥肌を立てた。
『昨日のこと』だ。教室前のトイレに駆け込んだ俺と弟は、個室で大きな物音を聞いている。
あれは個室の中で一輪車が倒れた音ではなかったのか、と俺は理由もなく恐ろしくなってきた。
うちの学校での一輪車は3種類あり、大中小を各学年ごとに色分けして使用している。
緑が1年?3年、黄色が3年?4年、赤が5年から6年となっている。
小さい緑の一輪車なので、低学年坊主のイタズラかと思われたが、
自分の学年(5年)のトイレの個室に放り込まれていた、悪質なイタズラである。
当然、高学年のほうに疑いがかかるのは当然であったが、誰も心当たりはない。
ただ俺と弟だけは、昨日の放課後、5年の男子トイレに誰かがいたのではないか、
という漠然とした疑いは抱いていた。
この事件はちょっとした問題となり、
後日、全校生徒の間でも、遊具の管理や整理整頓をきちんと行なうように指導された。
それからというもの、遊具を遊んだ後に放置する生徒はいなくなったが、結局犯人は分からず終い。
また、クラスにかけられた疑いが晴れぬまま、『5年生徒の誰かだろう』という結論には、
俺や他のクラスメイトも釈然としないものがあった。
255 :4/6:
そこで俺は、真犯人を幽霊と勝手に結論づけて、再び放課後の心霊写真遊びを始めた。
当然、怪しいのは5年の男子便所。
弟はもうあの出来事以来、ビビってこの遊びには付き合わなくなってしまったので、
俺一人で、空の暮れかけた放課後の校舎を徘徊する。今考えてみるとゾッとするが…。
使い捨てカメラでトイレの隅々を撮影し、心霊写真よ出ろ!とワケの分からぬ念じを込めながら、
鏡に自分の姿を映して撮ってみたり、黄ばんだ便器を撮ってみたり、床を撮ってみたり、
掃除用具の暗がりの中を撮ってみたり、もちろん問題の個室のほうも入念に撮影した。
後日、学校から帰ってくると、親に頼んでいたカメラの写真が出来上がったことを知り、
ランドセルを玄関に叩きつけて、自分の部屋に飛び込んだ。
40数枚撮影した写真を一枚一枚ワクワクしながら凝視する。
怪しいものが少しでも写っていたら、あの放課後の出来事は
幽霊の仕業だったのだ、と自分で納得できるからだった。
…しかし、現実とは味気もないもので、撮影したすべての写真には、
心霊らしきものは何も写っていなかった。
ピントもロクに合わず、滅茶苦茶なアングルからの便所一色の写真だ。
俺はひどくショックを受けて、もう今後は心霊写真などという馬鹿げた遊びはやめようと思った。
256 :5/6:
ところが、机の上に散らかした写真を封筒に戻そうとしていた時、ある事実に気がついた。
何のことはない。現像された写真よりも、ネガフィルムに写っている枚数のほうが2、3枚多いのだ。
その足りない分のネガを窓に当てて見てみると、
ネガではよく分からなかったが、トイレの個室を写したものであった。
そこで俺は、写真の枚数が足りないことを母親に尋ねてみると、
母親は奥歯に物がつっかえたような言い方で、
「ああ、残りのはね、捨てた」
俺はこの母親の一言に、心底腹を立てたのを覚えている。
俺が撮影したのに、勝手に捨てられたのではたまったものではない。
母親の意図も理解せず、俺は一人でプリプリ怒りながら、
居間のゴミ箱の中身をムカっ腹立ててひっくり返しぶちまけ、捨てられた写真を探した。
そして、あの瞬間だけは今でも脳裏にこびりついている。
2、3枚だったと思うが、ゴミに混ざって執拗に捻じ曲げられた写真を発見した。
母親のやり方が頭にきた俺は、写真の一枚を無理矢理広げる。
そこに写っていたものは、個室の天井の通気孔を覆っている網からこちらを覗く、
首をひねった長髪の女だった。
――ずっと後になり母親に訊いて分かったことだが、
うちの小学校では昔、事故で両脚が不自由になった女子生徒がおり、
中学に入学する前日、自殺して亡くなったという。
理由は不明だが、体育が大好きな生徒さんだったそうで、
学校から家に帰ると、近所でいつも緑色の一輪車を乗り回していたらしい。
その話を聞いた時、
彼女は両脚の無くなった身体で、今も一輪車に乗ろうとしているのではないかと、
恐ろしさと悲しさのまじる複雑な気持になったのを覚えている。
257 :6/6:
…以上が俺の小学生の頃の思い出だが、実はこの話には続きがある。
俺が小6になった6月頃のことだったと思うが、
同じクラスの生徒で、放課後バケツで育てていた稲に水を注していた奴が、
「奇声を上げながら廊下を四つん這いで走る女」を見たのだという。
その話を聞いた女子がキャーキャー恐がり、
男子はみんなそいつを馬鹿にしてからかっていたが、
俺が学校を卒業する頃には、クラスの連中がその女の幽霊を、
「ツンバイさん」「ツンバイさん」と呼ぶようになった。
四つん這い(つんばい)だから、ツンバイさん。
でも俺は知っている。彼女にはとっくに両脚なんか無いことを。
何でも、稲に水を注していたその生徒の話では、
四つん這いで走っていた女の両脚は、足ではなく両手だったんだと。
286:
シャワー室
屋内プールで働いていた頃、営業が終わりシャワー室の点検に行った
シャワーの個室はカーテンで仕切られ、地面との隙間は15?くらい
その隙間から足が見えた。「終了の時刻となりましたので」と言いつつも異変を感じた
カーテンは薄手でシルエットが解るのに、体の影がない
足が見えてるだけで、よく見ると異様に青白い足
混乱していると真後ろから
「苦しい」
と言われ振り返ると誰もいない。シャワーを向き直ったら足も消えていた
なんだ?と思いながらシャワー室から出ると
「○○?(男性の名前)、おーい」
と俺の足の下としか思えない所から声がした。全力で逃げた
俺の頭の中では、以前、心筋梗塞で溺れてしまった
親子連れのお父さんの事しか考えられなくなっていた
443:
心霊ロケ
(1/2)
霊能者を連れ、某廃墟ホテルへと行き、その様子をカメラに収めるという番組があった。
そのホテルでは昔火災が発生し、多くの人が亡くなった場所でもあり、女性の霊を見た、
叫び声が聞こえるなど、そういった噂が絶えないまさにいわくつきの場所でもあったようだ。
ホテルに入ると中はかなり物が散乱しており、かつてここがホテルとして通常に営業していたとは
思えないほどその光景はひどいものであった。
そこから2F、3Fへと上がって行くと、ふいに霊能者が人が叫ぶような声が聞こえると言い出した。
早カメラを再生してみると、確かにうめき声?のようなものがかすかに聞こえる。
この声がどうも隣の部屋から聞こえるというので部屋に入ってみる。
部屋の光景は他と同様、散らかっており、かつての面影はない。
ふと目を向けると大きな窓がついており、カメラマンが下から見下ろすと
ちょうど見下ろした位置に大きなプールがあった。
とりあえずホテル内は一通り回ったので、最後にプールへと寄ってからロケを終りにしようと
いう事で、全員プールへと向かうことにした
444:
心霊ロケ(2/2)
プールへと着いたスタッフは、霊能者に何か感じるかと聞いてみた。
すると指をスッと向け、あそこの部屋から物凄い形相をした男がこちらを見下ろしているという。
その霊能者が指を差した方向を見ると、
先ほどうめき声が聞こえるというので覗いてみた部屋である。
「もうこれ以上は無理です。これ以上ここへはいたくない。早く帰りましょう」と怯えた表情の霊能者が言うので、
スタッフも了承し、ロケバスへと引き返すことにした。
ホテルを後にし、車中にて霊能者が恐ろしい話をする。
「私は最初、あの男の霊は我々を見て睨んでいると思った。
でも違うんです。そんなことじゃない。もっと恐ろしいことです。
ホテルの火災は放火によるものです。部屋が燃え、男が逃げられない状況であると知っている中、犯人は男の目の前で息子を惨殺し、
男に見える位置に死体を置いたんです。あのプールへと・・・
男が我々に見せたあの表情は死への絶望とどうすることも出来ない無念によるものです。男は死んだ後も、永遠にその場面を繰り返し
繰り返し見ているんです・・・。」
・・・・犯人はいまだ逮捕されていない
454:
ジンクス
漫画やアニメを実写化すると、不吉なことが起こるというジンクスがある。
「デビルマンの呪い」 出演者、スタッフの事故、監督の急死
「デスノートの呪い」 原作者の逮捕、撮影監督の急死等
「宇宙戦艦ヤマトの呪い」プロデューサー・西崎義展氏が船から転落し死亡した。
「クレヨンしんちゃん』を原作にした『BALLAD 名もなき恋のうた』の呪い」原作者の臼井義人氏が謎の死を遂げている
【噂話】テレビ界のジンクス・法則・都市伝説
http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4184876.html
477:
>>454
デビルマンの映画が恐ろしいのは、邦画史上最低と言われ、今もネタになる程のヒドイ出来映えだ。
609:
手が遅いのと文才がないので、ちょっとずつ書いててくじけそうになってきました
途中までだけど、一度投下します
みなさんの反応見て、続きを書くか検討します・・・すみません
中学の自習時間に先生がしてくれた実体験談?です。
先生から聞いただけの話だけど、臨場感を出すため語り手を先生(俺)として書きました
610:
自殺の夢
十年くらい前、俺がまだ大学生だった時の話。
同じサークルでよくつるんでた友達が二人いた。名前はKとH。
俺とHは学生寮に住んでいて、Kだけが安アパートで独り暮らしだった。
どいつも親は別に金持ちじゃないから、仕送りも衣食住でかつかつ程度だったし
大学は最後の自由時間って感じで、講義もそこそこにバイトしては遊ぶ毎日だったよ。
彼女もいない野郎三人。
つるんでゲーセンやカラオケ行ったり、独り暮らしのKの家で夜通しゲームしたり、
今思えば、受験戦争から解放されて精神年齢が逆戻りしたようなアホな大学生活だった。
そんなある日、いつものように三人で馬鹿話してると
Kが「最近おもしろい夢を見る」と言い出した。
連続する夢、夢の続きをまた夢で見るのだと言う。
それも毎晩見るのではなく、数日あいてまた同じような夢を見るらしい。
俺とHがどんな夢かたずねると、Kは「自転車に乗っている夢」と答えた。
自転車に乗って走ってる夢で、夢の中のKは「どこか」に行かないといけないと思っていて
その「どこか」を探しているらしい。
ストーリー性のある夢かと思ってたから、正直つまらねー話だと思ったよ。
それのどこがおもしろいのか、たずねたら
Kは「ペダルを踏む感覚や景色がすごいリアルで、夢と思えない夢だ」と興奮していた。
611:
それからなんとなく、Kに会ったら夢の話を聞くのが俺とHの日課になった。
どっちか片方が聞いたらもう片方にも伝える。それでKに会ったらもう一度直接聞いたりして、
なんだかんだでKの夢の内容は、三人で共有する形になっていた。
「昨夜は残念ながら見なかったな」とか
「昨夜は海辺を走った」とか「薄暗くて山道みたいだった」とか
Kの夢に共通してるのは、それがK本人の行動として描かれることと、必ず自転車に乗っていることだった。
俺たちはおもしろがって、Kの夢をあれこれ診断しようとしたりした。
占いや精神分析とかを本で調べてみたり、Kの過去や思い出を聞いてみたり。
夢が現実にある場所かもしれないとKに心当たりがないか尋ねてみたが、
景色を「リアルだ」と思うのはあくまで夢の中のKであって、
目覚めた時に夢の景色をリアルに記憶しているわけじゃない、ということだった。
「実体験のような夢」を見てるだけで、目が覚めれば「夢は所詮夢」ってことらしい。
612:
Kの夢に異変が起きたのは、Kから夢の話を聞くようになって一ヶ月近く経ってからだった。
奴はその頃、街中を走る夢を何度か見ていて、最初に聞いた時はその延長だと思ったよ。
K「昨夜は線路の横を走った」
H「昨夜も?」
K「そう、昨夜も。二夜連続!」
俺「すげえ!連夜は初めてだな」
Kは二晩続けて「線路の横を走る」夢を見ていた。
街中を横断する線路で、上下二本の線路の両側は細い道路を挟んで住宅地になっているらしい。
その線路横の細い道路を自転車で走る夢だった。
二晩の夢の線路は続いていて、Kは線路伝いに「どこか」へ向かっている途中だと言う。
その時のKは「ようやく目的地が見えてきた気がする」と、現実の話でもないのにやけに張り切っていた。
それから一週間くらい、俺は課題だバイトだと忙しくてKともHとも話す機会がなかった。
大学で久しぶりにHに会ったら、Kの様子がおかしいと言う。
講義を欠席してサークルにも来なくなり、電話で遊びに誘っても生返事。
新しい夢について尋ねても「うーん、まぁそれなりに」としか言わなかったらしい。
後で考えると本当に直感だったんだが、俺はHからKのことを聞いたその時、ものすごく嫌な予感がした。
617:
「とにかくKに会おう」ということになり、電話して居場所を尋ねたら友達の家にいると言う。
外出したくないと言うKを説得して、Kの居場所から一番近かったファミレスに呼び出した。
俺とHは先にそこへ行ってKが来るのを待ってたんだけど、店に入ってきた奴を見て
俺は自分の直感が正しかったことがわかった。
Kは異様なくらいやつれていた。
目の下にすごい隈を作って痩せて、ろくに寝ても食べてもいないようだった。
俺とHはしぶるKを一生懸命説得して、この一週間に何があったのか話すようにうながした。
Kは前置きに「お前らに話をすると本当になりそうで怖い」と何度も繰り返しながら、
ぽつぽつと話した。それはやっぱり、例の夢の話だった。
Kが二晩続けて線路横を走る夢を見た後のこと。
二日間は夢を見なかったらしい。
ところが次の日から、夢は毎晩やってきてKの睡眠を脅かした。
 その日。自転車で線路横を走る。前方には踏み切りが見えてくる。
 次の日。踏み切り前で電車が通り過ぎるのを待っている。自転車にまたがって、一番前で。
 次の日。自転車で踏み切りを渡る。何度も何度も繰り返し渡る。
 次の日。どこかの路地で自転車を降りて、踏み切りへ歩いていく。
 次の日。踏み切りを歩いて渡る途中、線路の真ん中で立ち止まる。
 次の日。線路の上を歩いている。踏み切りを後にして。線路をまっすぐ。
618:
夢が進むにつれて、Kにはこの夢が何を意味するのかわかったのだろう。
夢のことを知る俺とHには相談できなかったと語った。口に出せば、正夢になりそうだったから。
Kは眠るのが怖くなった。場所を変えれば夢を見ないかもしれない。アパートを出て友達の家に転がり込んだ。
しかし、夢は毎日容赦なくやってきた。ほんのちょっとのうたた寝の隙にも。
昼夜問わず一日一回必ず。正確にリアルに・・・
「俺は自殺の夢を見ている!」
Kは真っ青になって震えていた。
「この後は何を見せられるんだ?最後まで見たら俺はどうなるんだ?」
もちろん俺とHには、返事のしようがなかった。
Kによると、夢の中のKは「明確な意志を持って」そこへ向かっているのだと言う。
現実のKに自殺願望はないのだが、夢の中のKの自我は淡々と目的を果たそうとしているのだと。
俺とHはとにかく、半狂乱のKを必死でなだめた。
「現実でお前はちゃんと生きていて、自殺なんか絶対にしない。俺たちが絶対にさせないから!」
その日の夜、Kは友達の家を出て、俺たちと一緒にアパートのKの部屋へ戻った。
当面は、俺とHでできる限りKから目を離さないことにしたからだ。
俺はその日、バイトが夜のシフトでどうしても代わりが見つからず、仕方なくKをHに任せて出かけた。
HはKのアパートで、Kを見張りながら一晩すごすことになった。
二人には何かあったらすぐ連絡するよう念押ししていた。
バイト終わっても終電過ぎてKのアパートには戻れず、特に連絡もなかったから俺は寮で寝ることにした。
翌朝7時頃。Hから電話があった時、俺は疲れてすっかり熟睡していた。
Hは「Kは無事だけど、大変なことになった。とにかく早く来てくれ!」と言う。
電話で事情を聞こうとしたが、Kをなだめるのに手こずっているようだった。
Kの声もしていたが、何を言っているのかよく聞き取れなかった。
俺は急いでKのアパートへ向かった。
623:
Kは多少落ち着いたのか、泣き腫らした目でぐったり座り込んでいた。
しゃべる元気もないようで、俺はほとんどの説明をHから聞くことになった。
Kは明け方に、またあの夢を見てしまったらしい。
 夢の中で。Kの目には、一面の、青い空が広がっていた。
 線路の上に、仰向けに、寝転がって。
 体の下に、近付いて来る、振動を聞きながら。
俺たちは全員、もう時間がないとわかった。
次の夢を見てしまったら、何か恐ろしいことが起きると思った。
Kは今確かに生きているが、これは明らかにおかしい。正夢じゃなくても、この夢は絶対に異常だ。
それで、Kをどこかの神社で御祓いしてもらおうとか、精神科で深層心理調べるとか、
催眠術?みたいなのでKの知らない記憶が見えないかとか、いろいろ話したけど
俺もHもKもそういうのに詳しくなかったし、詳しい知り合いもいなかったから
とりあえず自分たちで原因を探ることにした。
まだ朝で、そういう頼れるかもしれない場所がどこも開いてなかったのと、
俺たち自身が焦っていて、とにかく何かして動いてないと不安だった。
今度は俺が憔悴したKを見ることにして、昨夜寝ずの番をしたHは調査に出ることになった。
眠りたくないKは俺と一緒に、Kの部屋やアパート周辺を調べる。
HはKの生活圏周辺の、線路への飛び込み自殺者情報を調べる。
当時はネット普及前で、調べると言っても駅周辺で聞き込みするか、図書館で新聞あさるしかない。
警察にこんなオカルトめいた話して、何か情報が得られるとも思えなかった。
そもそも「いつ?どこで?死んだ奴?がKに悪夢を見せているのか?」当てのない話だしな。
でも事件が解明したのは、結果的には新聞を調べたHと警察のおかげ?みたいな感じになった。
624:
俺とKはアパート周辺をうろうろ歩き回っていた。
Kの住むアパートは、駅や線路からは離れた場所にあった。
古い安アパートで外観も中もオンボロだったけど、
二年住んでるKは霊障なんて聞いたことがなかった。
Kの部屋は一階で、裏の駐輪場に自転車を置いていた。自転車にも特に変わった所はなかった。
俺の役割は調査よりKの監視だった。フラフラするKを支えて、眠らせないよう歩かせる。
とりとめないことを延々と話しかけ、返事をうながし、Kの意識が夢に沈まないように注意した。
9時に図書館へ飛び込んだHは、新聞で直近の人身事故情報を探した。
Hから連絡があったのは昼頃。最近二ヶ月の事故情報は、死亡・重傷あわせて5件。
路線名や地名や地図を確認しながら、Kの記憶に残るものがないか調べた。
1件にKが反応した。二週間前に隣県で起きた死亡事故。女性の飛び込み自殺だった。
その日、Kは自転車で隣県へサイクリングに行ったと言うんだ。
見るようになった夢に触発されて、急に自転車で遠出したくなったらしい。
隣県に着いて駅前に自転車を停めて、そのまま歩いて街の散策と食事に出かけた。
事故はその間に起きていたのだが、数時間後に戻って自転車で帰ったKは気付かなかった。
事故を見たのはKではなく、Kの自転車だったんだ。
俺とKは図書館から戻ったHと合流して、もう一度Kの自転車を丹念に調べた。
そうしたら、サドルの真下に黒っぽい物がへばりついていた。
俺たちはすぐに最寄の警察に行って、
その日Kの自転車が事故現場の近くにあったこと、遺体の一部が付着しているかもしれないことを話した。
一応、簡単にだけど、妙な夢の話もした。信憑性が増すのか減るのか、判断迷ったけど一応ね。
もちろんその日のうちに警察から連絡なんか来なかったが、その晩からKの夢はピタリと止んだ。
俺とHはその夜もKの部屋にいて、怯えるKをなだめつつ、結局朝には全員つぶれてた。
目が覚めて、Kは夢を見なかったことを泣いて喜んだ。
数日後、警察から連絡あった。
Kの自転車に付いていたのは、被害者の目玉だったんだ・・・
625:
・・・以上です。
本当の話かは知りません。先生の体験談ってことなので。
ただ、女性の事故死とKの夢の始まりが同時じゃないので、女性の自殺願望が
生霊?みたいな感じでKに夢を見せたのか、不思議だと先生は言ってました。
703:
ネガティブ思考
あまり怖くないかもしれないのですが、
自分が今日の昼間にゾッとした体験?を厄落としを兼ねて書き込ませていただきます。
うちは零細自営なのですが、9月に入ってから売り上げが低調な日々が続いていました。
子供をプールに送った帰り、立ち寄った公園のトイレがどうにも魅惑的に見えてしまい、
つまり、とても吊り易そうなトイレだ、と。
それから毎日死ぬことしか考えられなくなり、このままの売り上げが続いたら、自分が死んで保険金で精算しよう、と。
そうすれば子供にも楽をさせてやれるし、家も守れるし、いいことずくめじゃないのか?と。
むしろこの状況で死なない方がどうかしているし、親として子供を守るには先ず吊って、その保険金を残すことが人の道じゃなかろうか、とか。
そんなことばかり考えていました。
今日のこと、そこのトイレの前を通ったら、救急車と消防車が来ていて、
先を越されたような気持ちで野次馬をしていると、女子トイレで中年女性が吊っていました。
最初は、こんなことをされたら自分がここを使えなくなってしまう!というような、
負けたような奇妙な悔しさすらありました。
ところが、野次馬の中のオバさん方が仰るには、8月の上旬と下旬に次いで3人目だと。
ここのトイレどうなってるの!と、騒ぐ声を聞いて、一気に憑き物が落ちました。
帰りの道中、死ななくてもいい理由が沢山みつかって、本当にどうかしていたのだと思いました。
自殺の名所とか、引き込まれるとか、あまり信じていなかったのですが、
本当にそういうことはあるし、そういう場所はあるものだと今では信じられます。
それから、あんなにおかしな病んだポジティブシンキングで自殺を実行してしまったら、
魂というものがあるならば、絶対に成仏はできないだろうとも思いました。
自殺を考えるとどんどん明るく楽しくなってきて、
それ以外の方法が無くなってしまっていたので・・・。
金銭的にきついことは変わりませんが、自殺は選択肢から外して頑張ります。
786:
UFO
15年くらい前の話です。
ちなみに女です。
夜出発で友達と海への旅行を控え、シャワーを浴びて髪をドライヤーで乾かしていました。
そこはお風呂場の前室で、ちょっとした小窓があります。
暑いので窓を空けて何気なく窓の外の隣の家の屋根を見ると、その向こうの方に何か光る物が見えます。
なんだろう。
髪を乾かす手を止めてじーっと見てみると遠くの方に強く光る小さな物体がありました。
あっ、UFOだ。
あまりに突然の出来事に怖さなどよりもワクワク感が強く、
こちらが見つかったら嫌なので電気を消してまたドライヤーをかけながら見ていました。
髪を乾かし終わってもまだゆらゆら動いているので、旅行の話題にもなると思い写真に撮って見ようと簡易ポラロイドカメラのチェキ(当時はそれしかカメラを持ってなかった)を部屋に取りに。
戻ってもまだフワフワと動く物体。
チェキを構えてシャッターを切るとストロボがピカッ。
あっ光っちゃったと思った直後、その光る物体がどんどん大きくなる。
あきらかに物体が大きくなって来たので見つかったのかもしれないと思い、
恐怖でそっと窓を締めてまだ起きている居間の家族のもとへ。
今の出来事を母や姉に話し、カメラの写真を見せると、流石に何も写ってなくて信じてもらえない。
旅行の為、友達の迎えも来るのであまりゆっくりも出来ず、
居間で化粧などしながらUFOの事もあまり気にならなくなり雑談。
その後は何事もなく友達と海へ出発しました。
787:
そして一泊の旅行も終わり(実質0拍です)家に帰ると何か問題があった風。
何かあったの?と母に聞くと昨夜姉の部屋に不審者が入ってイタズラされたって大事件。
警察も来て姉も聴取されて大変だったみたいです。
当の姉からは何故か私がめちゃめちゃ怒られて、どうしたの?と話を聞くと。
要約。
昨夜寝静まってから急に金縛りみたいになり、気付いたら部屋に誰か人がいる。それも何人か。
起きたくても体は動かなくてその人達に体を触られまくったり何かされてる。
それも1時間くらい長い時間に感じたらしい。
姉の体には無数のあざ。
体が動けるようになった時には誰も部屋にいなかったけれど、
怖くなって母に話しあざもあるので警察へ連絡。
家は鍵がかかっており、押し入られた形跡もなく、
思い当たるのは妹が昨夜見たUFOのことくらい。
それで私に怒ってた。
実際に警察も来たので15年くらい前の神戸市内の警察の方なら知っているかもしれません。
もし私が旅行へ行かなければ私がそうなっていたかもしれないし、
姉には申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
これには後日談もありますが、それはあまり怖くはないので省略します。
長い文章お付き合いありがとうございました。
798:
査定
つい昨日の出来事なんだけど聞いてくれ
先日父が亡くなって家を一軒相続したんだが、立地は悪くないものの大分ガタが来てるし、
無駄に広すぎるんで、妻と相談した結果売り払うことにしたんだ。
幸い、遺品の整理をしてる最中にも、
度々不動産屋の広告やら名刺が入ってたんで、そこに電話し、
結局4社で委託、及び買取の査定をして貰う事になった。
で、そのうちの3社目。結構今風の感じの、垢抜けた30代前半位の青年が査定にやって来た。
ハキハキと喋るし、感じも悪くない。しかも査定額が、前2社に比べると、1千万近く高い。
俺も妻もほぼここに決めかけてて、その旨を告げると、
各室内の写真を撮らせて欲しいと言ってきたんで、
快諾し、俺が付き添って改めて各部屋を案内して廻った。
799:
で、仏間の隣にある8畳程の小部屋の扉を開け、
中に青年を入れた瞬間、扉に手を掛けたままの状態で突然の金縛り。
金縛り自体は何度も経験があったんだが、こんなに唐突に、
しかも立ったまんまっていうのは初めてだったんで、
一瞬何か重篤な病気でも出たんじゃ無いかと思ってパニクってると、すぐ耳元で女の声がした。
くぐもった感じで、大きさの割に凄く聞き取り辛いんだが、
「苦しい」とか何とか言ってる様に聞こえる。
どうやら眼球だけはかろうじで動かせそうだったんだが、
声のする方を見たらヤヴァいと判断し、視線を逸らして室内を見ると、
こっちに背を向け、何やらメモに描き込んでいる青年の背中に、
茶色っぽいソバージュの髪と、妙にゴテゴテした感じの黒っぽい服を着た女が張付いていた…
80

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