【ロビー】妹とSEXしてしまいましたback

【ロビー】妹とSEXしてしまいました


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【11月3日 はれ】
せっかくの休みの日だというのに、親父に朝っぱらから起こされた。
なんか、とっとと身支度しろっていいやがる。 どこへ連れて行くつもりだろう?
俺が幼い頃から母ちゃんが死んで、あまり「親の愛情」ってもんに触れていないからって、
久しぶりに親子のコミュニケーションでも図りたいのか? 
洗面台に向かって寝癖を整えていると、玄関のチャイムが鳴った。
親父が出迎えていたのは、40くらいの清楚な感じのおばさんと、中学生か高校生か
微妙な感じの女の子だった。 
「じゃあ行こうか」と、親父は二人を連れて出かけようとし、俺の方を見て
「お前も来るんだよ」 と、強引に俺を車に押し込んだ。
わけのわからないうちに、高級な雰囲気のレストランについた。
4人で食事会? よくわからない。
席につくなり、ソムリエがワインリストを持ってくる、日本語が載ってねぇメニュー、わけわかんねぇ。
親父は不慣れなのか、照れながら「適当で。」といった。
113
【11月3日 はれ】
とりあえず自己紹介させられた。 
おばさんも女の子もなんか俺にフレンドリーな感じだ。
料理のコースが進んでいく。
親父と、おばさん、女の子は楽しそうに会話を交わす。
俺だけ蚊帳の外って感じだ。 
「早紀ちゃん、高校受かってよかったね」と親父。
「おじさんにもらったお守りのおかげだよ」と女の子。
「ふふ、早紀、もう『おじさん』じゃないでしょ?」とおばさん。
「あっ、そうか。ゴメンね、おとうさん!」と女の子…… ??
ん?俺の頭にはクエスチョンマークが20個くらい浮かんだ。
が、すぐにどういうか想像がついた。 俺は親父に問い詰めた。
「あら、善次郎さん、雄一さんに言ってなかったの?」とおばさん。
「いや、なんかコイツと二人の時に面と向かって言うのも照れくさくてよ」と親父。
都内の、フランス料理だかなんだかの高級レストランで、俺は、親父が再婚することを、
今日、初めて知った。俺は親父にちょっと怒った。 そういうことはマジでちゃんと言っておいて欲しい。
父と息子男同士、照れてる場合じゃないだろう。
「ええと、な、なんか知らされてなかったみたいね、、突然でびっくりしたでしょう。
 もう、善次郎さんったら、、」 とおばさん。
「あ、ああの、よろしく、、、」俺が新しい家族に向かって出た、精一杯の言葉だった。
「なに照れてんだオイ」と俺の背中を叩きながら親父が笑う。こいつムカツク。
そしたら、
女の子は俺に微笑みながら、言った。「よろしくね、お兄ちゃん」
・・・?なんか、その言葉を聴いて、変な感じがした。
114
【11月14日 はれ】
家に、新しくできた家族が住むようになった。
が、しかし、問題があった。
早紀という女の子、新しくできた「妹」、と同じ部屋で暮らさなければいけなくなった。
部屋がないのだ。
もともと、俺には姉がいる。そいつとはこの狭い家で、同じ部屋を共有していた。
二段ベットを置き、こっからここは俺ゾーンってな具合で境界を作っていた。
よくそれで喧嘩とかになったもんだ。
姉はもう社会人となって家を出ているが、最近音信不通になっている。
というわけで、俺の部屋を再び、今度はこの子と分けるようになった。
「今までだって姉ちゃんと使っていたんだから、平気だよな?」なんて親父はのんきに言うが
冗談じゃない。
今度は、いままでは赤の他人だった女の子なんだ。いくら義理の妹とはいっても。
ああ、しばらくは眠れそうにないな。
121
【11月15日 くもり】
早紀と二人で、部屋の真ん中に向かい合って座る。
「ええと、早紀ちゃん、とりあえずこの部屋の境界線とか作ろうか?」と俺。
「うん?別に私は気にしないけどな。」と早紀。
「でも着替えのときとか人を呼ぶときとか、なんかそういうもろもろで、
 仕切りみたいのは必要でしょ?」と俺。
「ふふ、友達とかとは外で遊ぶし、着替えるときも別に仕切りなくても平気だけどな。」と早紀。
それを聞いて一瞬、着替えシーンを想像してしまったが、すぐに自己嫌悪と共に我に返った。
なんか、ざっくばらんな子だな。 
まあこんな性格もあって、早紀とはすぐに打ち解けあった。
意外と俺とは趣味もあった。
俺が好きな音楽、好きな映画、好きなゲーム、好きなスノボ、、、
俺が好きなものはみんな、早紀も好きだった。
新しい家族になじむために、無理して趣味を合わせているだけかもしれないけど。
それでも、結構楽しく会話とかできた。 
128
【11月15日 くもり】
とうとう、夜がきた。
俺が平常心を装って買ってきたばかりのアルバムを聴いていると、
風呂上りの早紀が、パジャマ姿で入ってきた。
「何聴いているの?」と、俺のしているヘッドホンの片側を取って
自分の耳につける早紀。 一瞬顔が近づき、湯上りの香りもあって俺は妙に興奮してしまった。
その興奮した自分にすぐにブレーキをかけて、取り繕うようにそのアルバムについて説明した。
「あー私も、リップスライム好きだよ!いいよね。この曲。」
といいながら、俺のすぐよこにちょこんと座って、一曲の間ずーっと、二人で聴いていた。
早紀は初めて見た印象ではそんなに、ブスでも美人でもなく、まぁ普通よりはちょいかわいいくらいの
感じだったけど、こうして肩が触れながら並んでいると、やっぱりかわいくみえてしまう。
ああ、この曲がもうちょっと長ければいいのに。なんて思ってしまった。
133
【11月15日 くもり】
早紀のパジャマ姿に、目のやり場が困る。
曲が終わると俺は、ヘッドホンを早紀に渡して、風呂にいってくると言い残して
部屋を出た。 やっぱりドキドキしている俺。
湯船につかりながら、平常心を取り戻そうとしていた。
風呂から戻って牛乳パック片手にリビングに行くと、おばさん、もとい新しいお母さんがいた。
さすがにいきなりお母さんとは呼びにくく、英子さんと呼んでいる。
(早紀は親父のことをもうすでに、おとうさんなんて呼んでいるが、、、、)
「早紀と仲良くしてあげてね。」と英子さん。 やさしい顔で言った。
俺は、なんか自分のやらしい部分を見透かされているような感じがして
ちょっと自分の心にカモフラージュするために、訴えた。
「いやぁ、でもちょっとヤバイっすよ、いきなり同じ部屋ですからねぇ。
 せめてカーテンかなにかで仕切れればいいんだけど、ははは。」
とさわやかに。あくまでもさわやかに頑張って言ってみた。 お互い、はははと笑っていた。
2,3会話したあと、俺は部屋へと戻った。
早紀はまだ起きていた。
140
【11月15日 くもり】
早紀は「おかえり。」とかわいい笑顔でいった。 すっごく照れくさかった。
せっかく風呂で積み上げた平常心にも早くもヒビが入った。
早紀は、荷物の整理をしていた。
自分の机の上に次々と小物を並べている。
それを横目に、髪の毛にドライヤー当てながら、今日はさっさと寝てしまおうと布団に入った。
「もう寝ちゃうの? まだ10時だよ。」
たしかに、中学生じゃないんだから10時に寝るのは早すぎるとは思うけど、
今日はなんか、妙にドキドキしてるし、ゲームやテレビ見ている場合ではなかった。
「明日早いんだ。 んじゃ、お休み。」なんて言い訳をして布団をかぶった。
「あ、電気消すね。」と気を使ってくれた。「ううん、いいよいいよ、電気つけたままで。まだ片付いていないだろ。」
なんて、言う俺のセリフ、明らかに震えていたような気がする。
今思えば、こんなに過剰にドキドキしなくてもいいと思うが。俺のアホ。
「おやすみ、お兄ちゃん。」、、、、早紀に声をかけられた今日の最後の言葉。
なんかお兄ちゃんって呼ばれるの
すごく、なんか、ムズムズする。 しばらく慣れそうにないや。
寝たふりするのはすっごく疲れる。 本当に寝れたらすごくいいんだけど。
1時間後、早紀の作業が終わったようで、部屋の電気が消され、早紀が2段ベットの上へ
昇っていく様子が伺えた。 
結局そのまま、さらに1時間後くらいには早紀の寝息が聞こえてきた。
なんかホッとしたような、ガッカリしたような、、、、ガッカリ?どういうことだ俺ってやつは。
148
【11月3日 はれ】
今日はお母さんと一緒に、新しいお父さんとお兄ちゃんに会いに行きます。
お母さんが再婚するって聞いて最初はビックリしたけれど
新しいお父さんはとってもいい人っていうか面白い人で、安心しました。 お兄ちゃんには今日初めて会うんだけれど
ちょっとドキドキ。 
でも、お兄ちゃんもけっこうかわいい顔していてなんかすごく仲良くなれそうです。
「お兄ちゃん」って呼んだらちょっと照れてました。
「雄一」って名前だけど、「お兄ちゃん」って呼んだほうが早く打ち解けそうです。
だから、もういきなり「お兄ちゃん」って呼ぶことにしました。
う?ん、ちょっとまだ私も恥ずかしいな。
150
【11月14日 はれ】
今日から、新しい家に住みます。今までお母さんと二人で暮らしていたアパートはもうすっかり空っぽになりました。
それでも新しい家には部屋がなくて、お兄ちゃんといっしょの部屋を使うことになりました。
私は今まで兄弟とかがいなくて寂しかったので、けっこううれしかったりします。
お兄ちゃんはなんか気にしていたようだけど・・・
あ?でも着替えるときとかどうしよう。 お兄ちゃんには気にしないよって言ったものの
やっぱりまずいよね。 まぁいいか。 なんとかなるかな。
お兄ちゃんとはとても話が合います。
私の好きなアーティストはほとんどアルバムそろっていたし、冬になるとよくスノボに出かけたりするそうです。
今度一緒にすべりに行きたいな。
158
【11月14日 はれ】
私がお風呂から戻ってくると、お兄ちゃんがリップスライムを聴いていました。
それで私も一つのヘッドホンで一緒に聴いていました。
なんかお兄ちゃんの横顔見てると、ちょっとドキってするけど、なんでだろう?
1曲が終わるとお兄ちゃんはすぐにお風呂へ言ってしまいました。
もう少し一緒に聴いていたかったのに。
やることがないので、私は小物の整理を始めました。
ダンボールをあけて前の家から持ってきた物を並べていました。
その中に、お兄ちゃんが好きだっていったゲームも埋まっていたので
戻ってきたら一緒にやろうと思いました。
でもお兄ちゃんは、お風呂から戻ってきてドライヤ当てたら
明日早いからとすぐに寝てしまいました。 ちょっとつまんないな。
でも私も明日は大学あるし、これ終わったらすぐ寝ようと思います。
そうそう、お兄ちゃんに「お休みお兄ちゃん。」
って声かけたら、やっぱり照れていました。 向こうも恥ずかしいのかな?ちょっと面白い。
これから毎日が楽しみです。
180
【12月5日 はれ】
最近けっこう慣れてきた。 最初の頃よりは別段、早紀を意識しなくなった。
そのかわり、かなり仲がいい。
一緒にCD買いに行ったり、その帰りに映画みたり、
夜遅くまで一緒に起きていたり、お互い会社と学校へ行っている間にメールのやりとりしたり、、、
とりあえず気持ち的には、妹っていうより友達って感じがしてきた。
でも今日、会社から帰ってきて疲れてそのまま部屋のソファーで寝てしまったのだが、
ふと目が覚めると、早紀が真横で寝ていたから
寝顔が間近にあってビックリしてしまった。 
あの頃のドキドキをまた取り戻してしまったよ、くそ。
俺が起きてびっくりした拍子に、早紀も目を覚ました。
「あ、お兄ちゃん、おはよう、、、」だってさ。 もう夜中だというのに変な気分だ。
「なんかお兄ちゃん、気持ちよさそうに寝てたから、私も眠くなっちゃったよ。あはは。」
その純な笑顔に、まだドキドキは収まらない。 なんでだ?
183
【12月5日 はれ】
中途半端な時間に目を覚ましたあと、電気をつけて
早紀と深夜番組見ていた。
そのテレビで、売れなさそうな芸人がディズニーシーで大はしゃぎしていたが、
早紀はそれをみて、「ねー、今度一緒に行こうよ。ディズニーシー。」って。
普段から、ディズニーシー行ってみたいって言っていた早紀だが、
俺は、とりあえず、「うん、いいね、行きたいね。」っていつものように相槌うった。
それなのに、「じゃあ、いつ行く?来週の土曜日は?」なんて具体的にスケジュール決めてきたのだ。
早紀はなぜか、やる気だしてるな。 結局、来週の土曜日に行くことが決定してしまった。
そういえば、一緒にどこかへ出かけるのは、近所の映画館やボウリング場とか。
遠出してまでのデートってのはまだなかった。それを考えたら、ちょっと楽しみかな。
そういえば、俺今日風呂入っていなかった。
なので風呂へ行こうとしたら、「あ、私も。 一緒に入ろっか?」なんていいやがる。
俺はあからさまにあせってしまって「な、何いってんだよ。」って。みっともねぇ。
「あはは。冗談だよ。」だとさ。 ちっ。
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【12月13日 はれ】
明日はいよいよ、早紀と二人でディズニーシーへ行く。
俺らが住んでいる千葉県の市川市からは、電車で20分くらいだけど、
今までに比べれば結構遠出だった。 
二人で一日中でかけることを両親に伝えるのはちょっと抵抗あったが、
親父や英子さん二人とも「仲がいい」くらいにしか思われていなかった。 まぁ、実際そうなんだけどさ。
舞浜駅へつくと、人出がものすごかった。
俺は、早紀が人ごみに流されそうになったので、つい反射的に手を差し伸べて、
早紀も俺の手を握って人ごみから脱出したのだが、
結局ディズニーシーに入っても、そのまま手をつないだままだった。 
門をくぐった瞬間にそのことを意識しだしてしまい、多分俺は顔がちょっと赤くなっていただろう。
そこでタイミングが悪いことに、俺の会社の同僚の三上とその彼女に出くわしてしまった。
そういえば三上も今日ディズニーシーでデートだとかいってたな。 失敗した。
三上は「おう西宮!なんだ彼女か?」とか言ってきたので、つい見栄を張ってそのまま
「彼女」ということにしてしまった。 三上一行と別れた後、ちょっと気まずかったけど
早紀は「ふふ、私彼女に見えるのかなぁ? いいのあんなこと言って?」と笑顔でフォローしてくれたのでちょっと気が楽になった。
そして、楽しいデートはあっという間に夜になった。
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【12月13日 はれ】
そのまま疲れながら、帰りの電車に乗った。
運良く、二人ならんで座れたんだけど、早紀はすぐに眠りに入ってしまった。
そのとき、俺の方に寄りかかってきたんだけど、なんか今日はそういう系の事が多くて
もうすっかり慣れっこだった。 あ、いやいや、本当はまだドキドキしていた。
いつの間にか俺も眠り込んでしまい、そのまま、おりる駅を過ぎてしまった。
駅員に起こされたときは、なんと埼玉県にいた。
さすがにもう戻れる電車はなくなっており、携帯の着信をみると案の定家から何件も着信が。
俺は電車を寝過ごしてしまったことを、親父に言い訳して
始発までファミレスかどこかで過ごすと言っておいた。 
親父は、「早紀を襲うんじゃないぞ」とか言っていたけど、そんなつもりは、、、、ない、、たぶん。
188
【12月13日 はれ】
俺と早紀は、始発まで暇を潰せそうな場所を探したけど、
どこも見つからなかった。
早紀はとても寒そうにしていたので、近くの店先の階段下のスペースで
ホットの缶コーヒーを両手にもって、二人で小さくなっていた。
俺は、自分のコートを早紀にかけてあげたら、早紀は「二人で着よう」っていって
俺にもかぶせてくれた。 二人で一つのコートをはおいながらコーヒー飲んで
肩とか寄せ合っていた。 俺の心臓の鼓動が聞かれないか不安だ・・・
そのとき、変なおっさんが近寄ってきたので、危険を感じてその場を離れた。
せっかく風よけになるいいポジションだったのに。 あのおっさんのテリトリーだったのかもしれない。あはは。
途方にくれていたら、光々と明かりがついている建物を発見した。
喜び勇んで、駆け寄ったら、
そこは、ラブホだった。 
191
【12月13日 はれ】
俺は、これまでにないとてつもない動揺を出してしまったが、それを取り繕うためについ
「とりあえず寒いし、ここ入ってる?」と言ってしまった。最近自分の動揺を隠すために、「とりあえず」って言葉、使いすぎ。
早紀は「いいよ。」ってちょっと赤らんでうなずいた。
部屋に入ると、回転ベットがあって、照明はピンクで、ガラス壁のお風呂があって、、、
というような、ベタなラブホではなかった。 ごく普通のビジネスホテルをちょっと広く、見栄えよくしたような。
暖房の効いた部屋に、ベットに腰を下ろして倒れこんで、ん???って伸びをしていたら、
早紀もすぐ隣に倒れこんできた。
やばい、でもまだなんとか理性は十分残っていたよ。
そのまま、布団をかけて二人で一緒に朝まで眠りこけて、次の日に
無事(?)家に帰ってきた。 親父には怒られたが。
早紀いわく、「また行こうね。お兄ちゃん。」だって。 
こんな心臓に悪いデートは、もうやだ。 うそ、うそ。ヤダでもなかったりする・・・・
205
【12月24日 はれ】
今日はクリスマスイブ。 お互い学校や会社帰りに待ち合わせをして
食事をする約束をしていた。
今日は俺の親父と英子さんは、新婚気分中ってことで二人も出かけているのだ。
だから、俺らも多少遅くなっても問題なかった。
ディズニーシーの一件以来、俺と早紀は出かけるときは手を繋ぐようになっていた。
慣れてしまえばごく普通のことなんだろうけど、やっぱり変な感じ。
おいしいと評判のスパゲティー屋でお腹いっぱいになった後、ちょっと街をふらふら歩いてみた。
そこかしことカップルだらけで、早紀も「やっぱりクリスマスイブだね?」とか言う。
どうなんだろう。 最初、大学生だということがビックリしたくらいの童顔な早紀だが
俺と一緒にあるいている姿は、カップルと見られているんだろうか?
206
【12月24日 はれ】
駅前の外人が売っている路上アクセサリー屋で、5000円くらいの指輪買ってあげる。
いい社会人が、クリスマスプレゼントにそんなチンケな安物アクセっつーのも情けないが、
妹にちゃんとしたクリスマスプレゼントをあげるっていうのも、どこか恥ずかしい。
にもかかわらず、早紀はうれしそうにず?っと指輪を眺めてた。 アホか。
そういえば、俺の姉貴も毎年クリスマスには俺にTシャツやら、セーターやらくれたっけか。
俺は、どうせならゲームがよかった。とか、だっせえ。とか文句たれて、俺からは何もお返ししなかったけど
(それについては勿論、ビンタくらったけど)
姉貴のプレゼントは全部、現在の保管場所を網羅しているほど、大切にとっておいてある。
そうか、早紀もこんな感じなんか。
家に帰ってくると、ガラーンとしている。そうだった。親父も英子さんも出かけているんだった。
早紀とふたりっきりか・・・・
207
【12月24日 はれ】
早紀とふたりで部屋にもどると、俺はとっととネクタイはずして普段着に着替えてソファーに倒れこんだ。
早紀は俺のところに座って、「今日は疲れた?」とか言いながら頭なでてきた。
俺がかなり疲れている表現をすると、早紀は「じゃあ、さっきの指輪のお返しに、マッサージしてあげる。」
と、俺の背中に乗りかかり、肩をもみだした。
ひ弱な女の子のカタモミなんて気持ちよくもなんともないが、
広い家で二人っきり、こんなに密着されると、いやがおうにも意識してしまう。くそぅ。
「あんな安ものの指輪で、そんなにうれしいか?」と聞くと、早紀は頭を俺の肩に、もたれかかってきながら、
「すっごい、うれしかったよ。 どんなものでもうれしいものだよ?」といった。 かわいすぎるんだよ。
それがきっかけで、今までもらったプレゼントトークになってきたのだが、
俺が姉貴からの毎年のクリスマスプレゼント話をすると、
なんか早紀はさっきとはちょっとかわって、そっけなくなってしまった。 ??機嫌が悪くなったのか?よくわからない奴だ。
今日はそのまま、二人とも眠りにつこうとした。
と、思ったら、早紀は二段ベットの上から降りてきて、
「なんか天井のシミが幽霊の顔みたく見えるから、今日は下で寝させて。」と言ってきた。
「じゃあ俺が上にいく」って言おうとした前に、早紀は俺のベットの中に入ってきた。
俺はそのままベットから出られなくなってしまった。
しょうがないからそのまま早紀と添い寝した。 久しぶりだ。こんなに眠れない夜は。 あ?あ。
208
【12月24日 はれ】
それにしても、天井のシミなんて、今日突然ついたもんじゃないだろうに。
何故今日に限ってそれが幽霊にみえるんだろう。
そんなことを考えながら、早紀の寝顔を見ていたら
早紀はこっちに寝返りうってきた。 こんなに顔と顔が近づいたのは初めてだろってくらいの距離に
早紀の顔がある。
どうしようもなくなり、俺は早紀に背中をむけて何とか寝付こうとした。
それなのに、早紀はどんどん俺の方に体勢を変えてくる。 寝相が悪いにもほどがある。
あ?、マジでやばい。 やばすぎる。 もうだめかも。
232
【12月31日 はれ】
大晦日、カウントダウンの時に一緒にテレビをみてすごした。
なのにあとちょっとで新年ってところで早紀が、俺にもたれかかって眠ってしまった。
その寝顔がけっこうかわいかったので、ついちょっと見とれてしまった。
カウントダウンの瞬間だけ起こしてあげたが、すごく眠いというので、ベットで寝るように言った。
したら、「いっしょに寝よう」だと。 俺はちっとも眠くないのだが・・・
しょうがないから、ベットに運んでやって完全に寝付くまで添い寝してあげた。
クリスマスの日から、早紀とは一緒の布団で寝ているから、その辺はもう慣れてしまった。
が、早紀は俺の頭の下に手を回して抱きついたまま寝てしまった。 成り行きで俺も早紀を腕枕する形になった。
早紀の腕を俺の方が押しつぶしている。 つらくないのだろうか?
それにしても動くに動けない・・・ 寝息が俺のアゴのあたりをくすぐる。なんか、もう、限界。
235
【12月31日 はれ】
早紀の寝顔を見つめていると、本気で変な気分になってくる。くそ。
完全に寝付いてしまったようだ。
「早紀」となんども声をかけ、それを何度も確認すると、俺の中になにやら怪しい色の感情が湧き上がってきた。
とりあえず俺はキスをしてみた。 とりあえず軽いやつ。
・・・なにも起きない。 ノーリアクション。
が、なぜかいい年した野郎の行動として、無性にみっともなくなってきたので、やめようとした。
でもやっぱり、最後に下唇をかるく吸って、それでやめようと決めた。
早紀はまだまだ眠っているようだ。 おそるおそる早紀の下唇を自分の唇ではさんでみる。
やっぱり起きない。 そのままの体勢をしばらく楽しんでいた。
ふと、早紀が微妙に唇を動かしているような感じがした。 あわてて俺は唇をはなした。 早紀は起きない。
俺は早紀を起こさないように、ベットを出た。
タバコを吸いすこしは、冷静さを取り戻した。 自分にビンタを2発いれて、なさけなさをかみして、ソファーで寝た。寒すぎる。
やな年明けだ。
242
【1月1日 はれ】
早紀といっしょに初詣へ出かけた。
晴れ着姿の早紀は、童顔のせいもあってか、めちゃめちゃかわいく見えた。
車で、ちょっと遠くの大きな神社へ向かった。
神社で賽銭を済ませた後、まだまだ時間もあったのであたりを散歩して回った。
甘酒程度で、顔が真っ赤になっている早紀は、いつにも増して密着してくる。とはいっても
着物着ているから、それほど密着感は感じられなかったが。
途中で親父と英子さんを家へ迎えに行き、そのまま午後は新年の親戚まわりをした。
その間、早紀はずっと俺のそばを離れなかったので「仲がいいわね」と親戚のババァどもに冷やかされる始末だった。
俺はもう早く帰りたい一心で、ずっと無表情だった。 なぜか早紀はニッコニコしてたが・・・
家へ帰り、早紀も普段着に着替えると、家族4人居間でテレビを見ていた。
俺は親戚まわりの疲れで、早々に部屋へと戻ったが、すぐその後を早紀が追ってきた。
なんかこいつ、今日はやけになついてくる。 ウザくはないけど、ちょとやりにくい。
部屋でしばらくテレビを見てると(結局テレビみてる俺・・・)
早紀は「疲れたー」っていいながら俺に抱きついてきた。
俺ももう抵抗する力もなく、そのままもたれかかって一緒にまったりしてた。
それにしても、夕べのこと、バレてないよな? あの時、ちゃんと寝てたよな?
ちょっと不安になってきた。
253
【2月10日 はれ】
最近は休みの日とかはほとんど二人で出かけ、いろんな所へデート(?)した。
早紀はいっつも俺のそばを離れず、俺がちょっとトイレへ行こうとするにもついていこうとするほど。 かわいい。
そんな早紀と、とうとう今日、キスをしてしまった。 正確にはもうすでにしているんだけど。
俺が会社から持ち帰った仕事を、部屋でノートパソコンに向かって励んでいると、
そこへ早紀が大学から帰ってきた。 
早紀は俺の背中にぴったり自分の背中をつけて、「疲れたよー」と、かまって欲しいオーラ全開で叫んだ。
「なに壊れてんだオメー」と声かけると、いきなり早紀は俺のわき腹をくすぐってきた。
そういう時は俺もやりかえす。 こういう意味不明なじゃれあいはもはや日常茶飯事だったから。
やさしく軽めに早紀を突き飛ばすと、早紀はオーバーに、転がって行った。
そこでドアに体当たりして、「痛たーーー」と頭抑えて涙目だった。 あいかわらずアホな奴だ。
ふと早紀はドアのところから動かない。 なにやら本棚と壁の隙間を眺めている。
「なに見てんだ?」「何これ?」「?」
早紀が隙間から取り上げたのは、写真立てだった。
そこには、俺と姉貴が昔スキー場でとったツーショット写真だった。 
親父が撮ったもので、俺にとっては何の変哲もないタダの姉弟の写真だった。 
どこへ行ったかと思ったら、こんな隙間に落ちていたのか。
早紀は「誰、この女の人?」と、さっきのじゃれあいモードから急に無表情になって言った。
そういえば、姉貴はここ一年音信不通で、早紀は俺の姉貴の顔をしらなかったのかもしれない・・・・
258
【2月10日 はれ】
「あ、いやそれ姉貴だよ。」と俺。
「うっそ?、彼女でしょ。」と、冷やかしながら、しかし決して目が笑っていない早紀が返す。
「いや、姉貴だって。」
「本当に?」
「そうだよ、これだって。これが、俺にほら、クリスマスプレゼントとか毎年くれて・・・」
「ふ?ん、でも仲よさそうだね。 腕組んでるし。」
「ああ、んまぁ、ね。」
しばらく沈黙が続いた。 なんでこんな空気になったのかはわからない。
ただ、早紀はさっきとはうって変わって、ものすごく機嫌が悪くなっているのは確かに感じ取れる。
間に耐え切れなくなって、俺は背中を向けて仕事の続きをしようとした。
が、手につかない。 間を繋ぐために、
「それ、俺が高校生くらいのころに家族3人でスキーいった時の写真なんだよ。
 家族でどこかへ出かけるなんて、それ以来なかったなぁ」
と、ペラペラしゃべりまくった。
「ふーん。」と、早紀は平坦な声で相槌を打って、俺の背中にぴったりと自分の背中を合わせて座った。
背後から早紀が話しかける。
「お姉さんってキレイな人だね。」
「そう?まぁ身内から見たらそれほどでもないと思うけどね。俺の友達は美人だって言ってたけど。」
「お姉さんのこと、好きだったでしょ?」
「え?何で?い、いや、別に?」
「だって、お姉さん、キレイだもん。」
流れがだんだん妙な方向に向かっていることはわかってきた。
262
【2月10日 はれ】
こんな会話が続いている。 俺は仕事が手につかない、つくわけねーよ。
「まぁ、キレイかもね・・・」
「キスとかしちゃったりして」
「は、はぁ?してるわけないだろ・・・」
「本当に?」
俺はここで振り向いて言った。
「どした、なんかお前、変だぞ?」
すると、早紀も振り向いて、うつむきながら
「なんでもない。」とつぶやいた。
おもわず顔を覗き込んでしまったのだが、これがまずかった。
突然顔と顔が急接近してしまい、しかもこんな空気だから、いやがおうにも緊張してしまった。
さらに悪いことに、妙な沈黙の間ができてしまったのだ。
こんな流れにそのまま身をまかせ、俺は『起きている』早紀と初めてキスをした。
3秒くらいの軽いキスだったが、
唇を離した後、早紀は俺の首に手を回してもたれかかってきた。
そのまま動けなかった俺、、、、このあとどういうリアクションをとればいいか必死に考えていた。
268
【2月10日 はれ】
最初にしゃべったのは早紀の方だった。
「実はね・・」
「何?」
「本当は起きてたんだよ、あの時。」
その言葉を聞いて、俺は頭の先から体の中を水滴が突き抜けるような、
フルフルっとした寒気を覚えた。
「あのとき?」と、一応必死にとぼけてみせた。
「大晦日の夜。 キスしてくれて、すごくうれしかった。」
「・・・・・・・」俺はもう、なにも言葉がでてこずに、そのまま早紀を抱きしめていた。
「なんか、その後お兄ちゃんが自分で自分をビンタしてる所も見てて、、、
 お兄ちゃん、魔がさしたんだろうなぁって、ちょっと面白かったよ。
 でも、もうしてくれないのかなって思ったら、なんか悲しかったんだけど、
 今こうやって、またキスできて、すごくうれしい。」
そうやって、時間にして5分くらいずっと抱き合ってた。
俺にとっては1時間くらいにも感じられたが・・・・あ?あ。
275
【2月10日 はれ】
結局、家に持ち帰った仕事はそのまま止まったままだった。
早紀はそのまま眠ってしまっていた。 これも寝たフリか?
と思ったけど、「疲れた」と言っていたし、とりあえずこの後どうしていいかわからないから
早紀は疲れて眠ってしまったということにして、早紀をベットに寝かせた。普段着のままだったけど、まぁいいや。
俺はタバコを吸おうとテーブルに手を伸ばそうとしたら、
早紀は俺の手を引っ張った。 やっぱり寝たフリか・・・・
早紀に引っ張られるまま、俺もベットに入った。 
そんでそのまま、早紀と抱き合ったまま俺もいつのまにか眠ってしまった。
まだ夜8:00だというのに。
こうして、長い一日(特に夜7:00?8:00くらいの間が)は終わった。
俺も本当、疲れた。
283
【2月14日 はれ】
あれ以来、毎日キスしっぱなし。。。というわけではない。
別に普段どおり仲がいいだけだ。
あの日の次の朝も、普段と同じ感じで早紀は俺を「おはよう」って起こしてくれた。
まったく生活は変わらなかった。
ただ、朝いっしょに駅へ向かうとき、今までは手をつないでいたが、あれ以来腕くんでこようとする。
近所でそれはさすがに抵抗があったので、俺はいやがったけどね。
巷はバレンタインデーというやつで、どいつもこいつも浮かれてやがる。
早紀はやっぱりくれるんだろうか?と、ちょっと夜遅い夜道を
会社の女の子達にもらった義理チョコを食いながら期待していた。 
家について最初にくれたのは英子さんだった。 
結構高そうなチョコで4重くらいにピカピカの包装がしてあった。
開けると、やっぱり中身も高級品ぽかった。すると早紀が台所の奥からかけよってきた。
「わ?すご?い、お母さんがくれたチョコ? もらいっ」と、俺より先につまみやがった。
英子さんは「あんたのじゃないの。」とチョップした。 「あんたは雄一さんにあげないの?」
と、早紀は「あるってばちゃんと、はいこれ。」と俺にチョコを渡した。
思っていたよりは、全然まったく普通のチョコだった。 ちょとがっかりだ。
まぁ、そんなこんなでほのぼのファミリーをかまして、俺はとっとと部屋へ戻った。
やっぱり早紀は、すぐ後からついて部屋に入ってきた。
「ふふん、そのチョコは前菜なんだよ。」
「前菜?」俺は、早紀からもらったチョコをくわえながら聞いた。
「こっちのチョコがメインディッシュ。」
286
【2月14日 はれ】
早紀が後ろ手に取り出したものは、ハート型の箱だった。
ハート型はところどころ切り方が不恰好だった。 手作り?
ハート型って、いまどき珍しいほどのベタだ。
「こっちは手作りだよ。」
中を開けると、やっぱりチョコもハート型だった。 
ホワイトチョコでへたくそな字でILOVEYOUだって。
普通の女にこれやられると、あ痛たたたたた?、って感じだが、
なぜか早紀にもらうとそれほどでもない。 
普段から、早紀が大学生にしてはかなり幼稚なところがあるからだろうか。
とりあえず俺は「お前、いまどきハート型のチョコなんて小学生でもやらないぞ。」と茶化す。
「文句いわずに食べなさい。 あ、飲み物もってくるね。」と一階へもどっていった。
ふと思い出した。カバンの中の義理チョコ、早紀が勘違いしてまた、
ややこしくなる前に全部ベットのしたに隠した。
早紀と二人座ってテレビ見ながら、ハートのチョコを食べていた。
「私にもちょうだい。」と早紀は俺を眺めて言った。
「お前が食うんかい、、、、」
と、とりあえずツッコミ入れておいた。
で、ふざけ半分でチョコの破片を口にくわえて、「ほれ、食え」といった。
早紀は躊躇せずに、チョコをくわえた。
そのまま、3回目のキスをした。 
早紀の唇についたチョコを舐めとってみたりもした。 そしたら早紀も、俺のを舐めてきた。
今思えば、ハートのチョコ前にしていい大人がなにやってんだという感じだ。
そういえば、最近、親父の帰りが遅い。どうしたんだろう。
290
【2月21日 はれ】
会社で、借り上げ制度が採用された。 一人暮らしの家賃を少し会社が負担してくれるというものだ。
俺は会社まで毎日2時間半の道のりだったから、十分制度採用の対象になれた。
俺はこの際、一人暮らしを始めようかなと思った。
実際のところ、今はまだキスしかしていないが、毎日一緒に寝ているし、
早紀とこのままどんどんエスカレートしていくのがちょっと怖かった。
会社との距離を縮めて、早紀とは逆に距離をおいたほうがいいのかもしれない。 なんてちょっと大人な考えだな。俺。
家に帰ってきた後、リビングにいた英子さんと早紀に、そのことを相談してみた。
「雄一さんがそう決めたなら、いいと思う。 いいじゃない?会社近くなるし。」と英子さんは全面的に賛成。
逆に早紀には案の定、大反対された。たったひとこと、「やだ。」って。
「なんで?早紀だって部屋をひとりで使えるようになるのに。」俺は早紀の気持ちがわかっていながら、
英子さんの手前、聞いてみた。
英子さんも、「あんたがヤダっていってもしょうがないでしょ。 いつでも遊びに行けばいいじゃない・・・・」
早紀はふくれて、部屋へもどってしまった。
俺は英子さんに「そういえば最近、親父って帰り遅いね。」と聞くと
英子さんは「あ、ああ、そうね。。。」と答えた。 ・・・? どうしたんだろう。
291
【2月21日 はれ】
部屋に戻ると、早紀はひとりテレビを眺めていた。
俺が横に座ると、いきなり飛びついてきて、「この家出てっちゃダメだから!」と。
「え?でも、マジで会社遠いんだよ。 それに、もう会えなくなっちゃうわけじゃないんだよ?」
「じゃあ私も一緒に住む!」
「それは無理だよ。ワンルームマンションだから狭いし・・・・」
「それでもいいから・・・」
これは急いで住む場所決めたほうがよさそうだ。 なんかこのままじゃ、
絶対いつか、ヤってしまう。 かわいすぎる。 ブレーキだっていつか切れるんだ。
明日攻で、借り上げの届けを出そう。 そして早く引っ越そう。うん。
300
【3月14日 はれ】
最近早紀は元気がない。 俺が引っ越すことが決定したからだろうか。
今日は平日だけど、ホワイトデーということで休みを取って早紀と一日デートすることにした。
前から早紀が行きたがっていた、ザウスへ行くことにした。
3月で、しかも平日ということもあって、ザウスはかなり空いていた。
俺はスキーはやったことはあっても、スノボはまったくの初心者だったが、
早紀は俺と同じ全身レンタルなのに、かなりうまかった。 
はっきり言って、ザウスでのデートは早紀に主導権にぎられっぱなしだった。
3時からスキータイムということで追い出された俺らは、ららぽーとに移動して、プラプラ歩いて回った。
映画をみて、クレープ食って、ゲーセンで遊んで、、、、、
日もすっかり暮れた頃家へ電話すると、だれもいないようだ。 10分おきくらいに電話してもでない。
親父はともかく、英子さんまでどこに行っているんだろう。
どうせ家へ帰ってもご飯がでないなら、このまま夕食もどこかで食べていくことにした。
留守電にそのことを吹き込んだあと、早紀とデートを続けた。
カラオケボックスで盛り上がった後、またふらふら歩きながら話をしていた。
ふと、俺の引越しの話になった。 
「いつごろ出て行くの?」「3月の末かな。」
「引越しシーズンのピークだね。」「そうだね。」
「本当に毎日会いに行っちゃうよ。 大学からもそんなに遠くないし。」
「あんまり家を開けると親父達が心配するよ。」
「・・・・・大丈夫。」
いつのまにか、人通りのすくないくらい道を歩いていた。
目の前には、まぶしいくらい明るい看板のラブホが見えた。
早紀は俺の二の腕あたりをつかんで振って、「あそこ入ろ・・・」
って看板を指をさした。 俺はすぐに「何バカナコトヲ」って、言おうとしたけど、、、、とっさに言葉は出なかった。
305
【3月14日 はれ】
いつのまにか、なんとなく、ラブホに一緒に入っていた。
早紀はずっとうつむいている。
「そういえば、ディズニーシー行ったときも、ラブホ入ったよね。」とドッキドキしながら俺は話しかけた。
「そうだね。」早紀は俺の手をぎゅっと握って答えた。
部屋に入って、ベットに腰掛けると、早紀はまだうつむいたままだった。
俺は「どうした?」と声かけると早紀はいきなり抱きついてきて、、、静かに泣き出した。
「なんでないてんの?」頭をなでながら、そんな感じの言葉をかけるしか出来なかった俺。 どうすればいいんだ。
シュンシュンと泣いたあと、また笑顔に戻った早紀は「もう平気。ごめん。」と答えた。
んで、なぜかやっぱりキスしてしまった。 こういう流れにはもう、弱い。本当に。
でも、場所が場所だけに、それだけですまないだろう。
俺はまだわずかに残る理性たちに、頑張ってブレーキをかけるよう喝を入れた。
10分くらいの長いキス、それが終わったあとは、俺はどうなるんだろう。
308
【3月15日 はれ】
早紀の胸がずっとあたっててもう限界を超えていたのを、表面張力でなんとかこらえていた感じだ。
でも、唇を離した後の早紀の上目遣いの顔が、俺の理性たちを全滅させた。
ゆっくり胸に手を当てる。 早紀は体をピクンとさせる。
もう一回キスをする。 舌を早紀の口の中にゆっくり押し込む。
早紀の舌が奥へ行くのを邪魔する。 だからそのまま早紀の舌と絡ませる。
そしたら、早紀からもためらいがちに、舌を絡ませてきた。
あてがっていた手のひらを、やっぱりゆっくりと動かしてみる。
早紀の息が荒くなってくるのが感じられる。
早紀が強く抱きついてきたので、それ以上手の動きが不自由になった。
ゆっくり唇をはなし、早紀の服を脱がす。 
もはや俺に理性なんて残っていない。 性欲とかはバリバリあったと思う。
愛とかがあったかどうかなんて知らない。
315
【3月15日 はれ】
早紀は「私も脱がしてあげる」って顔を真っ赤にさせながら言って
俺の服を脱がしにかかる。 お互い交互に脱がせてった。
ある程度脱がせたら、またキスからやり直しをした。
こんどはじかに早紀の胸にさわる。 
胸のてっぺんを手のひらで、触るか触らないかの所でくるくる回す。感触がちょっと面白い。
「なんかそれ、くすぐったい。」早紀はくすくすしながら俺の首すじに顔をうずめる。
今度は、首筋にキスをする。 キスマークがつかないようにやさしく。
両手で早紀の胸をうごかした後、とうとうパンツを脱がしにかかった。
俺が脱がせているんじゃない。俺の両手が脱がせているんだ。そう自分に言い聞かせていた。でも理性なんてないから、言い訳になってない。
さすがに恥ずかしいのか、早紀は足をぴったりと閉じたまま、俺の胸元でうずくまった。
そのまま横から抱きしめて、また舌と舌を絡ませた。
髪の毛とか、ほっぺたとか、肩とか、いろいろなでてあげた。 
早紀が積極的に舌を絡ませ始めた頃、俺の右手はへその下あたりまで来ていた。
びっくりさせないように、気づかれないくらいのスピードで手を差し込む。
やっぱり触れるか触れないかの微妙な位置で手を浮かす。
早紀は「・・んっ、」とかいって、ぷるぷる震えている。 暖房も効いているし、汗もかいている。
寒いわけじゃないらしい。 「・・・んんんっ、、」ってまた息を漏らす。
声出すのを我慢してるみたいで、マジでかわいかった。
俺はつい、一瞬野獣化してしまい、思わず指づかいが乱暴になった。
と、そのとき「痛っ・・」と早紀が小さい悲鳴をあげた。
320
【3月15日 はれ】
その声に俺は、はっと目が覚めた。
「ごめん」と声をかけた。 「大丈夫、だよ。平、気だよ。」と震えながら、見上げながら早紀は言う。
ぎゅっともう一度早紀を抱きしめる。 「寒くない?」早紀を強く抱きしめる。
「ううん。 とって、も、あっ、たかいよ・・・」早紀はやっぱり震えていた。
「どうして震えているの?」
「こういうの、って、したこと、な、ないから・・・」早紀は必死に言葉をしゃべった。
なんか、その姿がとっても健気にみえた。
早紀が震えていたのを、「寒いとか」とか「感じているから」とか勘違いしていた自分が情けなかった。
怖かったんだ・・・・・
近くにあったタオルケットで自分もろとも早紀をいっしょに包んだ。
で、またキスして抱きしめなおした。 それからはずーっと、
ベットの壁にもたれて抱き合ったまま。 1時間くらい抱き合っていただけ。
そのまま早紀は、今日一日疲れきったのか寝てしまった。
これは寝たフリじゃないみたいだ。
その日は、それ以上は、なかった。 復活した理性達が、ハンマーで殴りながら責め立てたから。
337
【3月29日 はれ】
明日はいよいよ、引っ越す日。
俺は自分の部屋で、小物の整理をしていた。 早紀も手伝ってくれた。
俺自身、あの日以来早紀を妹として友達として、というよりも、女の子として見る割合が強くなった気がする。
それでもあの時強引に、最後までいってしまわないでよかったと安心している自分もいる。
もう、何がなんだかわからなくなっていた。
だからこの一人立ち(たかが一人暮らしになるくらいでオーバーだけど)は
いい行動なのかもしれない。 早紀も、兄離れができるかもしれないし。それはそれでちょっと悲しいな。はは。
この家での最後の夜。 早紀と少しだけ遅くまで起きてしゃべっていた。
だけど早紀の表情は、心なしか元気がなさそうだ。 
「もう寝ようか。」と早紀の手をひっぱってベットに入って
腕まくらしてあげた。 抱きついてくる早紀の髪をなでながら
「こうして一緒に寝れるのも今日が最後だね。」と言うと
「お泊りで遊びに行くもん」と答えた。
「なに言ってんだ。親父が寂しがるぞ、ふふ」
「そんなわけないよ」
さっきから言葉の終わりに微妙に元気がないので
「襲っちまうぞ」と冗談でいったら(このノリが危険なのに、わざとやってるのか?俺は・・)
「いいよ。じゃあ、こないだの続き、しよ」
「・・・・・・」
でもここは家だし、一階には英子さんがいる。
さすがにそこはキスだけで我慢した。 
早紀の胸がうすいパジャマの生地を通して鮮明に伝わってくるがとにかくガマンした。
そのままキスしたまま、ふたりとも眠り込んだ。
俺は、夜中に目が覚めた。早紀の唇がひっついて、離そうとするとペリペリって
音を立てた。 トイレへ行くのに一階へ降りていくと
親父がリビングで一人、砂嵐のテレビを見つめていた・・・
344
【3月29日 はれ】
「あ、親父帰ってたんだ。 今日も遅かったな。」
「ああ、雄一か。」
「何一人で映らないテレビ見つめてんだよ。怖いぞ・・・」
「はは、別に意味はない。」
俺はトイレを済ませ、リビングのソファーに座る。 親父がいう。
「引越しの準備はととのったか?」
「ああ、だいたいね。 明日は親父、一日中平気だよな?」
「うん。そんなに重たい荷物とかなければな。 俺の年も考えてくれよ。」
「そういえば、なんで最近帰りが遅いんだ?」
「・・・・・いや、特に理由はないんだ・・・」
親父は自然な表情で言った。 それがかえって、
何か問題があるような感じを受けた。 いつもの親父とちょっと雰囲気が違う。
「ぶっちゃけちゃえよ、この際。 こうやって親子で話すのも久しぶりじゃん。」
「はは、照れることを言うねお前。」
「まさか、浮気でもしてるんじゃないのか?」
「んなわけあるかアホ。 俺はまだまだ英子一筋だぜ。」
親父の表情がちょっと元気になった。
357
【3月30日 はれ】
引越し日和のいい天気だ。
親父と俺ででかい荷物をレンタカーの荷台に積む。
親父も俺も、目の下にクマをつくりながら必死に運ぶ。
夕べはあれから一時間ほども、語り合った。 特に取り留めのない話だったけど。
早紀と英子さんは、小さい荷物を運びつつ、俺の荷物が減った部屋を掃除してる。
すべての荷物が詰み終わり、みんなで俺の家まで移動。
よくよく考えると、これが最初で最後の、家族4人でのドライブということになるのか。
2時間半ほどで俺のマンションに到着。 家から電車で1時間ってところだ。
なんか、いつでも家に帰れる距離だよな・・・・これって。
「おいおい、けっこう立派な部屋じゃねーか、この贅沢もんが。」
「これが一ヶ月3万の負担で住むんだぜ。いーだろー。」
そこへ早紀が
「ねー、私もこんな部屋で一人暮らししたい! 
 っていうかここだったら、お兄ちゃんと二人でも住めなくない?」なんて
親父達を前にしてドキッとさせることを言いやがる。 バカ。
着々と荷物の積み込みと、部屋のセッティングが終わり、
いいタイミングで出前の寿司が届いた。 普通はソバなんだろうけど、なんでこんなに奮発するんだろう。
まぁ、寿司食えるんなら別になんでもいいや。
日も暮れて、親父達が帰るって時に早紀は眠りこけていた。 いままでの経験上明らかにウソ寝だろう。
「帰るよ、早紀。」「今日の手伝いで疲れちゃったのね。」
それでも親父に引きずり起こされるとしぶしぶ親父達と車に乗る。
帰り際、親父は、「体壊すんじゃないぞ。 がんばれよ。」と言った。 ちょっと照れた。
俺はけっこう長い間、親父達の車の後ろを見送っていた。
部屋にもどって、まだ梱包が開いていないダンボールに寄りかかって、疲れからそのまま寝た。 
363
【3月31日 はれ】
朝起きて、整理されていない荷物を出していく。
とりあえず日曜だけど、今日は一日そういう作業でふさがるだろう。
時計やらテレビのリモコンやらが入ったダンボールに、 
例の俺と姉貴のツーショット写真が入っていた。 なぜか姉貴の顔にはヒゲとおでこに「中」の落書きが・・・
たしかこのダンボールつめていたのは早紀だ。 あのバカ、小学生みたいなことしやがる。
でもとりあえず、その写真は財布の中にしまっておいた。
昼前、案の定、早紀がチャイムを鳴らした。 ドアを開けると「へへ、来ちゃった!」と、
幸せ全開モードで、息を切らしながら早紀が立っていた。 駅から走ってきたのか?
引越しの整理の手伝いをいっしょにやってくれたんで助かったけどね。
おかげで、一日かかるかなと思っていた作業が、午後4時くらいにはきれいに片付いた。
「どっかでかけるか?」「うん」
「どこがいい?」「どこでもいいよ、お兄ちゃんの好きなところで。 このまま部屋でだらーっとしててもいいし。」と。
「あ?、・・・んまぁ、なんか疲れたし、ちょっと昼寝でもするか。」「うん。寝よう。」
で、部屋でぽかぽかの夕日に当たりながら、一緒に丸くなって眠った。
368
【4月24日 はれ】
早紀と毎日顔を合わせなくなった分、メールや電話で会話することが多くなった。
けっこう他愛のない話もあるし、親父達の近況を聞くこともある。 
相変わらず親父は夜は遅く、英子さんも家を空けることが多くなってきているようだ。
毎週金曜日は、かならず早紀が俺んちへ来て、ご飯を作ってくれた。
部屋へ帰ると早紀がお帰りと出迎えてくれる。 なんか、夫・・いやなんでもない。
でも夜遅くならないうちに、ちゃんと家へは帰している。 早紀はいっつもなかなか帰りたがらないけどね。
俺は仕事が急に忙しくなって、土日はあまり休めなくなった。
だからたまにこうして会うと、早紀はすっごい笑顔で俺と過ごす。
あのホワイトデーの日以来、キス(舌いれるけど)までしかしてない。これはすごいことだと思う。われながら。
でも、今日は違った。
木曜日なのに、早紀が俺の部屋を訪ねてきた。
「やほー」、、、早紀は心なしかいつもより暗めだった。なんか陰りのあるヤッホーだった。
「どうしたん、めずらしいね。こんな平日に。」
374
【4月24日 はれ】
「なんとなく、会いたかったから。」早紀は、デパートの紙袋をもって俺の部屋にあがる。
「今日はね、すごいんだよ。 チーズフォンデュするの!」といつものようにはしゃぐ。
・・・いつもと変わらないけど。 でもなんか変。
食事をここですることを英子さんに伝えたのかと聞くと、それも済んだって。
・・・どこか変かわかった。 ちょっといつもより、
暗い方向にハイテンション。 ニュアンス伝えずらいな・・・・
夜も遅くなり、俺は早紀の終電の時間を気にした。
「そろそろ帰らないと。 電車なくなるぞ。それに明日大学だろ。」
「あ、ううん。 あのね。」
「ん?」
「今日、お父さんもお母さんもいないの。 お父さんはいつものように遅いんだけど
 お母さんも今日はずーっと帰らないって、書置きがあったの。」
「ふぅん。」
「・・・でね、一人ぼっちで家にいるのはすごく怖いから・・・」
「・・・・」
「今日、泊めて。」
「え。」
「お願い。」
早紀は、笑顔で俺を拝んだ。 でもちょっと涙目だった。
378
【4月24日 はれ】
今早紀は、風呂に入っている。
テレビを見ている俺は、テレビの内容を見ていなかった。
タバコを吸っている俺は、なんか落ち着かなかった。
「バスタオル貸してーー」とバスルームから早紀が呼んだ。
俺はタオルを早紀に手渡す。 なるべく早紀を見ないように。
早紀が風呂から上がる。 着替え(というかいつものパジャマ)まで
ちゃっかりちゃんと持ってきていた。
「ちょっとちょうだい」と、俺が飲んでいた牛乳を早紀にわたすと、俺はすれ違いに風呂へ。 
なぜかいつもより念入りに洗ってしまう俺。 何してんだ。
頭に血がのぼってきて、のぼせそうになった。 マジでどうにかしそうっぽい。
風呂から上がり、俺と早紀は、借りておいた映画を見ていた。
ラブロマンス物なんかみている俺ら。 まずいって。
映画が終わると、早紀は俺の肩に頭の乗せてくる。
「もう12時だよ、マジで明日大学とかないの?」
「明日講義ないもん。」 
といいながら、俺のひざの間にすわり顔を近づける。
そのまま、いつものようにキスをする。
風呂上りのほかほかな香りがまだちょっと残っていた。
「ふふ、あったかい。」早紀は俺にもたれかかり目を閉じる。
明日、会社休もう。 もうこれは決定。
386
【4月24日 はれ】
何回か唇を舐めあった後、早紀の首筋に鼻をあてて動かしてみた。
「早紀、いい匂いする。」
「んふふふ、なんかくすぐったい。」
こういうときって、どうしても早紀の胸に手がいってしまう。
理性? もうほとんどいないよ?
「泊めて」とお願いされたときと、OKした後の早紀の表情の格差が
なんだか頭からこびりついて離れない。 
どうしようもなくかわいく見えたからしょーがないって。
パジャマの上から早紀の胸をなでる。 やっぱり早紀はピクンってなる。
早紀も俺の真似をする。 ぐにぐにぐにぐに、なであう。
俺は早紀のいろんなところを、とにかくなでる。
で、30秒ごとくらいにキスをする。
早紀の舌はほんのりあったかくて、やわらかくて、いい感じだ。
唇だけじゃなくて、耳とか、首筋とかにも唇を当てる。
耳にキスすると、早紀は「フッ」って息を漏らす。なんかかわいい。
「くすぐったい。」と早紀は訴えるけど、別に耳をそむけたりしない。
必死にくすぐったさに耐えているようにも見えるけど、やっぱかわいい。
「しかえしだー」っていいながら、早紀も俺の耳を舐めてくれる。 
いつも早紀に耳掃除してもらってるからきれいなはずだ。
俺はくすぐったくないけどね。
405
【4月24日 はれ】
早紀は正座してるかっこうなので、つらいかなと思い、
早紀を抱えて、正面へ向けて、後ろからだっこするような形にさせた。
早紀は必死にこっちへ向こうとする。
「お兄ちゃんの顔が見えてないと、やだ。」って早紀は体をひねろうとする。
だから俺も早紀に顔を近づける。 
早紀が首をあまり動かさなくてもキスできるくらい。
で、キスしながら、後ろから早紀の胸をやさしく掴む。そして上下にゆっくり動かす。
早紀の顔はもう真っ赤っかで、目はとろんとしてる。
パジャマのすそから手を入れて、じかに胸を触る。
「な、なんか、恥ずかしいよ・・・」
早紀は訴えるけど、キスして静かにさせる。 
なんか、ちょっとでも力入れるとつぶれてしまいそうなくらい、
やわらかい体を、俺は優しく優しく扱った。
早紀の体の、どこを触るときもゆっくり、ゆっくり、動かした。
利き手とは別の手を、早紀のパジャマの内側から、ひざの間に進めようとした。
早紀は、ぷるっと震えた。
ホワイトデーの時を思い出した。 早紀はぎゅっと目を閉じて、ぎゅっと手を握った。
「大丈夫?」
「平気。大丈夫だよ。」 やっぱり、まだ、、ダメかな?と思ったけど。
「お願い、続けて。」って言って俺の肩に寄りかかって、俺のアゴに顔をすりつける。
やばい?
409
【4月24日 はれ】
早紀のももの内側にさわる。 ふわふわあったかい。
首筋にキスしながら、ゆっくり真ん中の方へ指を伸ばす。
早紀は、なにか声になってるような、なってないような息遣いをしだす。
紙風船を手で包むような感じで、指を中へと絡ませる。
時にはくすぐってみたり、小指でツンツンってやってみたりした。
早紀はとうとう、体をひねらせて、ギュッて抱きついてきた。
もう何回目かわからないけど、キスをする。その間、早紀のパジャマのボタンをはずしにかかる。
早紀はノーブラだったので、それだけで早紀の胸の一部がはだけた。
そこでもう一回だけ、早紀の胸をなでた。 胸のてっぺんに俺の指がぷにぷに触れる。
下を脱がすときはさすがにお互い照れた。 俺も早紀に服を脱がせてもらう。 
お互い、裸になると、おっきめのシーツを頭からかぶって
もう一度、なであいっこからはじめた。 キスする部分もどんどん増やしていって
二の腕や胸にもキスをする。 早紀の息遣いが左耳に響く。 キスするたびに早紀の体は
ぴくぴく弾む。 だんだん、ゆっくり動かすのがつらくなってくる。
でも、早紀に怖がられるのはいやだから、やさしくやさしく、に徹した。
でも、もう限界。 俺は早紀の足を広げようとした。
415
【4月24日 はれ】
早紀は俺の肩をつかんで、恥ずかしそうに「怖い」って言った。
もはや俺はそんな場合じゃなかったので、必死に早紀を安心させようとする。
早紀を抱きしめてやって、髪をなでながらキス。 頭もなでなでしてやる。
でも早紀は、足を広げたがらない。 
ちょっと力をいれて、広げようとする。 でも「怖い」って言う。
でももうだめ。俺、止まらず。 ぐいっと力を、、、、
ふと、早紀の顔を見た。 ほぼ涙目になってた。
それを見て俺はちょっと落ち着きを取り戻すことが出来た。
「やっぱり、やめる?」
「え。」
「もう少し、早紀が大人になってからにしようか?」
「あ、、、ううん、平気、だよ。」
「でも、早紀やっぱり震えてる。」
「平気だよ、お兄ちゃんのこと、好きだから。」
なんか、俺も、本気で早紀のこと、、、、
なんのために引越ししたんだろう? なんてもうどうでもいいや。
416
【4月24日 はれ】
「大丈夫だから。」早紀の言葉に、
俺はおでことおでこをつけてほっぽたをすりすりしたげた。
早紀は「んふふふふ」って笑ってくれた。
早紀の足の間にゆっくり自分の体を入れる。
その間ずっと早紀を抱きしめたまま。
早紀の体に自分の体を沈めた。
ゆっくりゆっくり。
早紀の肌と俺の肌がぴったり重なっていく。暖かい。
とうとう、早紀と、一緒に。
416
【4月24日 はれ】
「大丈夫だから。」早紀の言葉に、
俺はおでことおでこをつけてほっぽたをすりすりしたげた。
早紀は「んふふふふ」って笑ってくれた。
早紀の足の間にゆっくり自分の体を入れる。
その間ずっと早紀を抱きしめたまま。
早紀の体に自分の体を沈めた。
ゆっくりゆっくり。
早紀の肌と俺の肌がぴったり重なっていく。暖かい。
とうとう、早紀と、一緒に。
422
【4月24日 はれ】
と、そのとき、俺の携帯が鳴り響いた。
ふとわれに帰る二人。
しばらく着メロが流れているこの状況にボーっとしてた。
あわてて、電話にでる。
親父からだった。
「なぁ、早紀、そっちに行ってないか?!」
俺はちょっとあせった。
「早紀なら、うちに泊まっている。」と伝え、
事の事情を話すと、すぐに向かえに来てもらうことになった。
とりあえず俺は早紀に服を着せて、自分も服を着た。
「早紀、なんでウソついたんだ?」
「・・・・」
「親父言ってたぞ。 英子さんも今日は別に家を空けていなかったって。」
「・・・・」
「急に早紀が家からいなくなるからビックリしたって。」
「・・・・」
早紀は、だんだん泣き出した。
俺は別に怒って聞いたわけじゃないのに。
430
【4月24日 はれ】
しばらく早紀を抱きしめて、泣き止むのを待った。
なにかあったんだろうか。
落ち着いてきた早紀に事情を聞く。
「最近ね。 お父さんとお母さん、よくケンカするの。」
「え?でも、メールとかの話じゃ、そうでもないような・・・」
「ゴメンなさい。 でもね、お父さん、最近、早く帰ってこれるようになったの。
 いまだに、遅く帰ってくるっ、のって、うそなの。」 また早紀は涙目にもどった。
「??よくわからない・・・どういうこと?」
「逆にお母さん、よく家を、空ける、ようになった、の。 で、お父さん、とお母さんが、、、」
そこまで言って、早紀はまた泣いてしまった。
1時間後、親父と英子さんが迎えに来た。 
俺は親父に、なにが起きたか説明を求めたが、無表情で
「今度、お前、時間とれるか? ちょっと話があるんだ。」とだけ言って、
早紀を無言でつれて帰っていった。
いったいどうしたんだろう。
442
【4月29日 はれ】
緊急家族会議の為、久しぶりに実家に戻った。そこで衝撃的な事実を知った。
親父の事務所が倒産したらしい。
 
親父は必死に「だまされた」と言う。
よくわからねーけど、悪い言い方すれば負け犬のセリフに感じた。
どんなときでもグチをいわない、サッパリした、そんな親父しか見てなかったから、、、
倒産直前まで、親父は夜は清掃員のアルバイトをしていて、
倒産させられてからは、英子さんもパート勤めをするようになったらしい。
それよりも、家族会議の中で、早紀はずーっと泣いていた。
親父もなんか変わった。 英子さんも疲れた表情だ。
借金もいっぱい出来ただろう。 自己破産はしたくないらしい。
俺にも借金返済の協力要請が出された。 別にいいけど、息子に必死に頼み込む親父の姿、、、
とても見ていられなかった。 俺まで悲しくなった。
この家も出て行かなくてはならないらしい。
早紀は「お父さんとお母さん、喧嘩しないで」とずーっとつぶやいていた。
親父は、英子さんがしゃべるセリフに対して、なにかしら不満をぶつけた。
あの親父をここまで変えた出来事、いったいどんな騙され方にあったのか。 
あの明るい英子さんをいっきに老けさせた日々、いったいどんな苦労があったのか。
そして、早紀をずーっと怯えさせていたこの家の空気、いったいどんなものだったのか。
それらを背負い込む勇気、俺なんかにあるわけがないよ・・・・・
446
【5月1日 はれ】
あれから、親父と英子さんは別々に暮らすことにした。
しばらくひとりになって、ひとりで暮らして、ひとりでがんばって
もう一度やり直すそうだ。
早紀はというと、俺がなんとか必死に説得して、俺が引き取ることになった。
別に親父らが離婚するわけじゃないけど、
よほどのショックがあったのか、
「おとうさんとおかあさんとはいっしょにいたくない」って震えるばかり。
大学の学費だって、家庭の事情で免除してもらえるし、
会社の借り上げマンションだけど、内緒にしとけば問題ない。 
周りの住民はまったく会社とは関係ない人たちだから。
449
【5月1日 はれ】
早紀と一緒に夕食を買いに出かける。 
「なにが食べたい?」なんて笑顔で言うし、試食コーナーではしゃぐし。
あれから早紀はだいぶ元気を取り戻したみたいだ。 
ただ買い物カートをキックボードにするのはやめてくれって、恥ずかしい・・・
家に帰り、いっしょに夕食を作る。
サラダ用の卵マヨネーズをつまみ食いすると、早紀も口をあけて俺を見る。
指に乗せて、早紀に舐めさせる。 早紀は俺の指をくわえたまま、目を細めて笑う。
一人暮らし(だった)のサラリーマンの食卓にしては、やけに豪華な夕食が出来上がった。
恥ずかしいことに、漫画の世界でよくある、新婚夫婦の「アーン」をやってしまった。
はたからみたらバカ丸出しだっただろうな。 まぁ新婚気分には間違いなかったけど。
「こういうのってやっぱりいいな。」後片付けをしながら、早紀はいう。
「なんで?」
「昔はね、お母さんと二人で住んでた頃は、お母さんパートで忙しかったから
 私がひとりでご飯食べてたりしてたんだよ。」
「・・・・・」 
「去年の、11月ごろだったっけ? 今のお父さんと再婚して、お兄ちゃんにも会えて、
 家族が増えて、一人でご飯たべなくても済むようになったから嬉しかった。」
そして夜もふけていった。
451
【5月1日 はれ】
今日もシャワーは、早紀が先につかった。 相変わらずドキドキしながらタバコを吸う俺。
牛乳をねだられ、そのまま俺がシャワー。 あの夜とほとんど変わらない行動じゃないか。
でも、今日は映画なんか見ないで、そのまま早紀と抱き合った。
だから、風呂上りの石鹸の匂いが、すごくなんかこう、よかった。
「ぽかぽかしてるね。」早紀が笑いながら言う。
俺の首元で笑うから、くすぐったかった。 そしてやっぱりキス。
もう3回目だから、早紀もだんだんなれてきたんだろうか?
なんか積極的に体をあわせてくる。
キスの時の舌使いも、だいぶいい感じ。 まだまだぎこちないけれど。
「べーっ、って舌出してみ。」「こう?」早紀は舌を伸ばす。
その舌を、ちゅぽんって感じで音をだして吸う。
「んふふふふ」早紀が肩をゆすってくすぐったがる。
そのままギュッと抱きしめて、
いつものように(3回目だけど)さわりっこする。
早紀は、ちょっと声も出すようになった。 
最初の頃と比べて、だいぶリラックスできてるんだろう。
パジャマごしに触る早紀の体はとても好きだ。 
そして生地が擦れ合う音も、舌が絡み合って、口の中でくちゅくちゅ鳴るのも好きだ。
早紀の耳を手のひらでふさいで、キスの音を頭の中で音を反響させる。
早紀の体はもう、ふにゃふにゃにやわらかくなってた。
457
【5月1日 はれ】
もう、止まらない。 
携帯は切ってある。 テレビも消した。 ドアにもチェーン。
窓にカーテン。 蛍光灯は、豆電球だけに。
完全に、俺と早紀だけの世界。
二人が作り出した音だけが、響く世界。
早紀の息遣いと、時々もれる声と、心臓の鼓動だけ。
ふたりとも裸になって、
目が合うたびにキスして、
時にはくすぐったりして、
やさしくなであいっこして、
体のあちこちにキスをする。
もう、完全に俺は、早紀のことを、大好きになってしまっている。 
「愛」的な意味での大好きで。
早紀もそう思っていてくれているだろうか?
今日の早紀は、すんなりと、俺の体を自分の間に入れてくれた。
早紀は目をぎゅっとつむった。 そして、俺と早紀は、
一つになる。
463
【5月1日 はれ】
「んっ!」 早紀は体をぴくん曲げて、小さく叫んだ。
俺は極力、ゆっくり奥へと進ませる。
早紀の目から涙がでてきた。 さっきまでやわらかかった早紀の体は急に硬くなった。
「痛いの、ガマンできる? 無理なら無理っていっていいよ。」
「だい、じょう、ぶ、だよ。お、兄ちゃん」
早紀は俺の首に腕を回して、俺の肩に顔をうずめて、必死にしゃべる。
「なるべく楽にして。 無理しなくていいよ。」そう言って、頭をなでて、おでこにキス。
早紀の奥まで到達した。 「んんっ、、、」早紀は言葉にならないような声で小さく、呻く。
「しばらくこのままでいるから。 動かさないでおくから。
 早紀、目を開けて。 力を抜いて。」
俺は、早紀のほっぺを両手で包み、鼻と鼻をこすりつける。
早紀はちょっとだけ、薄目で微笑んでくれた。 涙をかるくぬぐってあげる。
早紀とつながったまま、5分くらい、キスする。
早紀の体は、だいぶ柔らかさを取り戻した。
耳とか肩とかも、唇でやわらかくほぐしてあげる。 
「ちょっとだけ動かすよ。いい?」
「うん、いいよ、、、お兄ちゃん、、、、好き、、」
早紀は再び、俺の肩に顔をしずめる。
「ガマンするときは、俺の肩噛んで、くいしばってもいいよ。」 
「うん。」
俺は、早紀を壊さないように、ゆっくり動かす。
「んんっ、、、ふうううう、んん、、、」
早紀は必死に耐えてる。
464
【5月1日 はれ】
早紀の中で、俺は、ゆっくり動いた。
そのたびに、早紀の体はいろんな方向にまがる。
早紀は、言われたとおり、俺の肩を噛んで耐えた。 別に痛くはなかったけどね。
むしろ、そんな早紀の姿が、存在が、俺の心の中でどんどん膨らんできた。
俺は限界に近づく。
そういえば、ゴム、つけてないや。 まぁいいか。
俺は早紀が好きだし、この際、どうでもいい。 
早紀の体の中に、俺の体がじかに触ることができたんだし。 そっちのほうが大切だよ。
俺は早紀の中で、果てた。
早紀にのしかかり、終わった。 早紀が重たがらないように、すぐに体を浮かせる。
そして早紀の体から、抜け出る。
早紀はまだ目をつむって食いしばっていた。
「早紀、終わったよ。」
早紀と目を合わせて、言った。
「お、わった・・?」
早紀を抱きしめて、何十回目かのキスをして、頭をなでる。
早紀は安心しきった顔で、「こわかった・・・」と。
よくがんばったね。
でもちょっと肩の歯型が、ヒリヒリする。
468
【5月1日 はれ】
その後は、裸のまま毛布にくるまって、抱き合ってた。
早紀は、笑ってる。 「なんか、いい感じ。」だって。
ただ、俺は、さすがに避妊しなかったのはやばかったかな、って
ちょっぴり後悔していた。 もう、どうにでもなれって感じだったけど、
冷静になると、やっぱりこういう気持ちなんだよなぁ。
早紀も早紀で、自分がしてる最中、ほとんど頭が真っ白で、
しゃべる言葉も頭の中をつき抜け出ただけ、って感じだったらしい。
「ふふふ、そんなこといってた?私」
「今思うと、ちょっと恥ずかしいな。はは。」
「お兄ちゃん。」
「ん?」
「・・・なんでもない。」
早紀はまた微笑みながら、俺にキスして、、
そして抱き合って、寝た。
こうして、俺と早紀の、新婚生活ごっこの、第一日目が終わった。
474
【5月2日 はれ】
目が覚めると、早紀の顔が間近にあった。
早紀はもう起きていて、「おはよう」って言いながら、目覚めのキスをしてくれた。
まだ二人とも裸だったから、毛布のしたで、肌と肌の温度がすごく心地よかった。
そのまま、20分くらい、毛布から出ないで、足をからませながらキスしてた。
今日はとても会社へ行く気分じゃない。
どうせ明日からゴールデンウィーク後半なんだし。 今日はやすもう。
そして、半日くらい早紀と抱き合ってた。 さすがに服は着替えたけど。 
ずーっと、家でゴロゴロしてただけだけど、不思議と退屈しなかった。
早紀も俺から1cmも離れなかった。 
こんな生活が続けばいいなって素直に思ったよ。 でも、そうはいかなかった。
その夜。 早紀が夕食を作ってくれている後ろで、たまっていた仕事をやっていた俺。
玄関でチャイムがなり、出ようとした早紀に
「いいよ、俺でるから。」と、玄関へ向かう。
普段、新聞屋とかそういうのはこないから、ドアスコープのぞく癖なんてついていなかった。
ドアを開けると・・・ 久しぶりに見た。
「よっ!!久しぶり!!生きてたか!!」
でかいトランクと共に立っていたのは、姉貴だった。
483
【5月2日 はれ】
「姉貴!どうしたんだよ今まで!」 俺はびっくりした。すっごく。
「なんだお前、いつからお姉ーさんに向かって姉貴なんて呼ぶようになった?
 昔は「ねーちゃん」ってかわいく呼んでたくせに。」
俺の首を掴んで、ヘッドロックする姉。 変わってない・・・・
早紀が奥から出てきた。
「何? あんた彼女と住んでんの?」
「あ、いや、この子は、あれ、妹、、、早紀。」
「あーーっ、そういえばお父さん再婚したんだよね。 あー、あなたが早紀ちゃんか。」
早紀はわけもわからず、立ってた。
「初めまして! 雄一の姉の、由美です! よろしく!」
姉貴は、俺にヘッドロックかけたまま、自己紹介した。
早紀もおどおどと、氷を溶かすように事態を飲み込んでいって、
自分も自己紹介した。
「このでかいトランク、、、まさかここに住もうとか考えてるわけじゃないだろうな?」
ちょっと広めとはいっても、ワンルームマンションで? 3人も? と考えていると、
姉貴は、「ピンポーーン! ご褒美のチュ!」とか言って、、、
俺のほっぺが奪われた・・・
早紀もボーゼンと、それを見ていた。
517
【5月2日 はれ】
とりあえず姉貴を家にあげ、早紀はかいがいしくウーロン茶のペットボトルとコップを持ってきた。
「今まで家になんの連絡もよこさないで・・・」
「あはは、いや?すまん!すまん!」
「親父とは連絡とったのか?」
「だからここがわかったんじゃん。 親父、なんだか変わっちゃったね。 
 でも、あまり事情は聞きたくない感じ・・・」
「姉貴も親父を助けてやれよ。 やらしい話、金とかの面でも。」
「いっつもお金がなくて泣いている私に、そりゃ無理だわ、あはは。」
早紀は、おどおどしながら黙っている。
「んで、今までどうしたんだよ。」
「あ、あのね、最初は普通に一人暮らししてたんだけどさ、家賃払えなくて追い出されて・・・
 んで彼氏の家に置いてもらってたんだけど、別れちゃってさ、あははは。」
「あははじゃねぇよ。」
「つーことで、ちゃんと住めるところ見つかるまでよろしくよ。ね!
 荷物もこのトランクひとつだけで?♪よ? ね?」
「はぁ。」
「ね?早紀ちゃんも、いいでしょ?」
「え、あ、はい。」いきなり振られた早紀は、あわててうなずいた。
「いや?いい弟をもって幸せだな、あたしは。ふふふ。
 失踪してたけど、あんたの事は一日でも忘れたことないだからね。」
「よくいうよ。」
「本当だって。 ほら、いっつもサイフにこの写真。」
取り出した写真は、あの、スキー場でのツーショット写真だった。 
物持ち悪い姉貴にしては信じられない・・・
523
【5月2日 はれ】
その夜。 早紀と二人だったらちょうどよかったその部屋も、
姉が加わったことで、ちょっと、狭い感じ。
ビールを2缶開けた姉貴と、飲めないくせに無理してあわせてビールを飲んだ早紀は
すっかりうちとけていた。
早紀も、「お姉さんができてうれしい」的なノリだ。
冗談じゃない。
昨日から早紀とステキな、二人っきりの生活がはじまってたのに。
でもまぁ、俺の中にも、久しぶりに姉貴に会えてうれしかった気持ちは、あるかもしんない。
そんな気持ちを真逆に真逆に行くかのように、久しぶりに姉貴に憎まれ口も叩けたし。
夜も遅くなって、姉貴がシャワー浴びてるときに、やっと早紀と二人きりになれた。
イチャイチャしようと早紀をひざに抱っこしたら、早紀はちょっとこわい目つきになって
「やっぱりお姉さんと仲がいいね。」って。
「仲がいいって、んああ。」
「やっぱりチューとかしてんじゃん。」
「あれは、、、ああいうノリなんだよ。姉貴はいつも。」
「・・・・」
「・・・・」
「私には?」
「ん。」
5時間ぶりのキス。 なぜか「やっと」って感じだった。
529
【5月2日 はれ】
時間も忘れて、早紀とさわりっこしてた。 夢中になって。
突然「バタン」という、風呂場のドアが開く音がして、俺も早紀もドキッとなった。
あわてて俺のひざから降りる早紀。
姉貴はバスタオル一枚で出てきやがった。
くそ、いい体してやがる。って、そうじゃないだろ俺。
「ちゃんと服着て出て来いよバカ!」
と、カツゼツぐだぐだで言う俺。
「なんだ、せっかくお姉さまのセクシーショットを家賃代わりに拝ませてやってるのに。
 つまらんやつだ・・・」
そういって、また脱衣所に戻る姉。
早紀は「きれーー」って見とれてた。 はぁ。つかれる。
んで、布団敷くときも、3人分も敷けないので2セット敷いて
3人ならんで寝ることにした。
なぜか俺が真ん中。 狙ったわけじゃなくて、いや本当。
電気を消して「おやすみー」って姉貴が言うと、俺と早紀も「おやすみ」って
早紀はクスクス笑ってる。
「なんか、こういうの、いいな。すっごくいいな。」
「早紀ちゃん、一人っ子だったんだものね。」
「うん。 なんか修学旅行みたい。」
「ふふふ。」
俺は眠れやしなかった。 二人の会話がうるさいとかじゃなくて、
もっと別の意味で。
533
【5月2日 はれ】
姉貴がすっかり寝付いた頃、俺と早紀はまだ起きていた。
姉貴を起こさないように、そっと俺は早紀側へ寄っていく。
早紀は微笑みながら俺を迎える。 早紀の頭を浮かせて、腕まくら。 
姉貴を起こさないように、そっとキスして舌を絡ませる。
「お兄ちゃん・・」
早紀はちっちゃくささやいて抱きつく。
隣には姉貴。 でも、悪いけど俺は、やる。なんといおうと。なんとかして。
でも、やっぱり派手な動きするとバレるだろう。
ああ、どうすればいいんだろう。
と悩みながら、早紀の胸をなでなでしてる。
早紀は声が出そうなのを必死に絶えてるのか、目をギュッとつぶってずっと俺のアゴを吸ってる。
と、そのとき、姉貴が俺の方に寝返りうった。
俺と早紀はかなりビックリしたが、姉貴は起きなかったようだ。
姉貴がぴったりと俺の背中に体をくっつける。
姉貴からの寝息が俺の耳に間近に伝わる。
姉貴の胸の感触に、一瞬、パニックになる俺。
どうにかなる前に、今日はこの辺にしとこう・・・
早紀も「お姉さん起きちゃう。」って言うし、
早紀ともう一度だけ、キスして、姉貴からちょっと体を離して
早紀と向かい合って、眠りについた。
538
【5月4日 はれ】
ゴールデンウィーク。といっても、結局昨日は仕事場に駆り出され、明日も仕事。
だから今日、早紀と姉貴で遊びに行くことにした。
いつも早紀と出かけるときには何気に手を繋ぐけど、
なぜか姉貴が俺の手を繋いできた。 それをみて早紀も負けじと、俺の反対側の手を繋ぐ。
俺はまた真ん中か。
道行く野郎どもが、俺をちらちら見やがる。 早紀はともかくこっちのは姉貴だぞ。勘違いされてるな。基本的に。
ショッピングしたり(俺みてるだけ)、ビリヤードやったり(ルールもわからんくせに)
カラオケボックスいったり(姉貴はクソオンチ)、ご飯食べて
それなりに楽しかったと思う。 だけど一番ビックリしたのは
ショッピングの途中、姉貴がトイレへ行った。
ひとけのないトイレ前の通路で俺と早紀は待っていた。その間、
「お姉さんと手繋いだ・・・・」って早紀は俺をにらみながら言う。
「あ、うん。」俺はいきなりどうしたと思った。
「手繋いだ・・・」 「どした?」
それだけ言うと早紀は俺に抱きついてきた。 そんで俺の首に吸い付いた。
いくら人気のない場所といっても外でこんな行動とるなんて、いままでの早紀からは考えられなかった。
姉貴が出てくる前に俺は早紀を、ゆっくりふりほどいたから大事に至らずすんだけどね。 
早紀、嫉妬してる?
542
【5月8日 はれ】
とんでもないことが起きた。
その日は早紀は帰りが遅かった。 早紀はバイトを始めたからだ。 
大学が終わってからの、週2?3日でコンビニバイト。
今日が初日ということで、早紀はレジのやり方とかでも教わっている頃だろう。
俺が家で一人で湯船に浸かってくつろいでいるところへ
玄関で物音がした。 姉貴が帰ってきたようだ。
いつものように騒がしく帰ってくる。 だからすぐわかる。
「雄一?? 風呂はいってんの??」
「おー。」
俺は目を疑った。
なにやら脱衣所に影が・・・そして布がこすれる音と共に、影が動いている。
まさか、、、とは思ったけど、やっぱり姉貴がタオル巻いて入ってきた。
「なっ、なっ・・・」俺は声にもならないくらい動揺した。
「背中流してやる!」
「待て待て待て・・・・」俺はもうわけがわからなかった。
「姉弟なんだし照れるな、まーここ座れ!」
「いや、ちょ、ちょっと、、、」
姉貴のバスタオル姿はこないだも一度見たが、こういう密室空間で見ると、、、その、あれだ、
ともかく、俺は恥ずかしいプラス、そっちの理由で湯船から出られなかった。
姉貴は無理やり俺を湯船からあげる。 俺はしかたなく、手で隠しながら風呂椅子に座った。
551
【5月8日 はれ】
姉貴はしなやかな手つきで、俺の背中をさすってきた。
「なんか、こう、成長を感じるなぁ?、雄一。」
俺はもう顔真っ赤。 
とりあえず姉貴はスポンジにボディーソープつけて俺の背中洗い出した。
もう俺、体洗い終わってるんだけどな・・・
こんなところ早紀に見つかったら大変だ・・・・・
シャワーをかけて泡を落とし、
「はい完了。前も洗ったげよっか?」
「い、い、いや、いいいいよ、自分で洗うって!つーかもう洗ったって!」
といって、俺は逃げるように湯船の中に逃げた。 そんで姉貴に背中を向けて鼻までもぐった。
「じゃ私が洗うから、こっち向くなよ。」
姉貴はバスタオルをはずして洗い始めた・・・あ?くそ、姉貴だぞ?おい。
「ところでさ? 雄一。」
「何?」
「あんた、早紀ちゃんとずいぶん仲いいよね。」
「あ、べ、別に・・・。」
「もうヤっちゃった?」
その発言に、体がバンッってはじける様なドキッした衝撃に襲われた。
554
【5月8日 はれ】
「ななななな、何を・・・・」
「冗談だよ!そんなにビビるなって、あははは」
「んなことあるわけねーだろ・・・」 、、んなことあるんだけどね。
「いや、でも早紀ちゃん、なんかあんたのこと好きのかなって
 なんとなくそう思ってね。」
「・・・・。」
「あんたはどう思ってるの?」
「何?」
「早紀ちゃんのこと。 なんかいっつもあんたの後をついてって、かわいいじゃん。」
「・・・」
「かっかっか、照れるな照れるな。」
「別に。」
「そんなに変なことじゃないと思うけどな。」
「何?」
「きょうだいで愛し合うこと。」
「・・・・・」
「たまたま同じ夫婦から生まれてきちゃっただけじゃない。
 あ、早紀ちゃんとは血がつながってないから違うか。」
「何が言いたいんだよ。」
「・・・・、 あのさぁ・・」
「何?」
「あんたが高校生くらいの頃に、私、家を出て行ったじゃん。」
「うん。」
「・・・・」
「何?」
「・・・なんでもない。」
と、そのとき、玄関で物音がした。
早紀が帰ってきた・・・・・
556
【5月8日 はれ】
やばい、やばい、やばい、、、それしか頭に浮かばなかった・・・
「ただいまーー、お兄ちゃん? お姉さん? 帰ってるの?
 お風呂?」
早紀が脱衣所まで来た。 やばい。やばい。やばい。
とっさに姉貴が湯船に入ってきて、俺の頭をお湯の中に押し付けた。
ドアが開けられ、早紀が顔をのぞかす。
「早紀ちゃん、お帰り。」
「お姉さんか。 ただいま。 お兄ちゃんは帰ってないの?」
「なんか、コンビニ行ったみたいだけど?」
「ふ??ん。」
俺はお湯の中で必死に息を止めていた。
早紀が戻ろうとしたところへ、姉貴は呼び止めて、、、
「あ、早紀ちゃん、お願い! 悪いんだけどさ、シャンプーがなくなっちゃって・・・・」
「あ、じゃあ買ってくるよ。待ってて。」
「ごめんね! 雄一についでに頼めばよかったんだけどね。」
玄関のドアの音。 早紀は出てったみたいだ。
やっと俺は外の空気を吸えた。
「今のうちに出られるよ!」
「ゲホッ、ゲホッ、ったく、姉貴はぁ・・・・」
と、不可抗力だけど、湯船の中で
姉貴をひざの上に抱きかかえているような体勢になってることに気づいた。
なぜかそこで、時が止まった。 姉貴の裸、間近で見てしまったから。
そして、目が合ってしまったから。
姉貴はなぜかそこで、クスッて笑った。 で、顔を近づけて、、、
・・・キスされた。
560
【5月8日 はれ】
そのまま俺は固まってしまった。 わけがわからなかった。
もとからわけはわからなかったが、さらにわけがわからなくなってた。
姉貴の舌が入ってきた。くるくる、くるくる、俺と姉貴の舌がまわる。
しばらくボーっとしてしまった、、、、
けど、我に返って、、、湯船を飛び出た。
んで、ダッシュで服を着た。頭はびしょびしょのまま。
マジで、わけわかんねぇ。 
しばらくして、シャンプー片手に早紀が帰ってきた。 
まだドキドキしてやがる。
「あれ?お兄ちゃん、コンビニ行った? 私も行ったのに、、、
 どっかですれ違いだったのかな?」
「あ、あ、うん、そうだね。」
俺はわけがわからない頭のまま、わけのわからない返事をした。
あのキス、、、なんだったんだろう。
答えが出ないまま、今日も俺は早紀と姉貴に挟まれて眠った。
622
【5月9日 はれ】
今日も確か早紀はバイトの日。
家に帰っても姉貴も帰ってたら、10時頃まで二人っきりに・・・
はっきり言って気まずい。 風呂の中でのキス、まだ感触まで残ってる。
でもこんな日に限って、定時で会社から帰れてしまう。
どっかで過ごすにも、金がない・・・
家のドアノブを握る。 カギかかってる! よかった、姉貴はいないようだ。
でも、7時頃、姉貴が帰ってきた・・・
「ただいまー。」
「・・おかえり。」
気まずい。ひたすら気まずい。 
俺は姉貴に背を向けて、ノートパソコンいじってる。仕事してるフリ。
「おい雄一ぃ??仕事を家庭にもちこむなぁ??」
いきなり姉貴がうしろから抱きついてきた。
「なっ、ちょっと・・・」
「喜べ!今日は私が夕ご飯をつくったげるぞ!」
そういって、抱きついたまま俺の体を左右にゆする。 
背中でも姉貴の胸が揺れてる・・・ 頭がおかしくなりそうだ。
夕ご飯は意外にうまかった。 姉貴が作ったとは思えないくらい。
「どうだ? 実はこんな特技もあったのだよっ。」
「ああ、うまいよ・・・うん。」
姉貴はさっきから、何事もなかったかのように俺に接する。
だから俺は姉貴に、あの風呂場での事、どうしてキスをしたのかを、聞いてみようと思った。
「あのさ、、、」
「なに?」
俺の目をじっと見つめてくる姉貴。
「いや、なんでもない。」もう何もいえなくなってしまった俺・・・
630
【5月9日 はれ】
夕食が済んで、ず?っと黙ってテレビを見てたとき、姉貴が言った。
「さ?て、風呂はいろうかな?」
風呂という言葉にドキッと反応してしまった俺。
「雄一、またいっしょにお風呂入ろうか?」
「えっ」
「んふふぅ」姉貴は上目遣いで意地悪っぽく笑う。
「いや、いいよっ、無理。 早紀だって帰ってくるぞ。 昨日みたいに・・・」
「昨日みたいに?」
「!・・・、とにかく、姉貴先入ってこいよ!」
「あはは、覗くなよ!」
姉貴は風呂場へ向かった。
心臓に悪すぎる。 だめだ。
10時ちょいすぎ頃、早紀がバイトから戻ってきた。
「疲れた??」って言いながら俺にもたれかかる早紀。 姉貴のいる前で・・・
姉貴はふざけて、「雄一ぃ?ん、あたしもつかれたぁ?ん」とか言いながら抱きついてきた。
「何してんだよ、おまえら。」と顔真っ赤にしながら振りほどく俺。
やっぱり心臓に悪すぎる。 だめだ。
あのキスは、結局タダの姉貴の悪ふざけだったのだろうか。
でも不思議と、血のつながってる姉弟なのに、気持ち悪いって気もしない・・・・
って俺、何考えてるんだ。 あ???もう!!!!うぜぇ。
やっぱり今日も真ん中で寝る俺。
今日は両脇の二人の密着度が異様にきつすぎる。姉貴まで俺にぴったりと体をつけて寝る。
早紀も意地になってるな・・・・
634
【5月13日 はれ】
今日は早紀はバイトない日。
しかも、姉貴から「今日は友達のところで飲み明かす」との電話が。
久しぶりに、早紀と二人っきり。
ちょっと部屋が寂しい気もしないでもないけど、
やっぱり堂々と早紀といちゃつけて、いい感じだ。
俺が足広げた体育すわりで壁にもたれかかり、
早紀はその間に横向きに座る。 で、俺にもたれかかる。
「最近お姉さんと、くっつきすぎ!」
「えっ、べ、別に。」
「ずるいよ・・・」
早紀の呼吸が、俺のほほをくすぐる。
そのまま早紀を抱きしめる。
2回目だけど、早紀はまだけっこう痛がった。
髪の毛をなでてやりながら、慎重に動かす。
体と体を、肌と肌をぴったりとくっつけて、俺は早紀が好きなことを再確認する。
でも、なぜか頭をちらつく、姉貴の顔。 どうにかしてる。バカか俺は。
なんとか、その、、、終了間際に、姉貴の顔が出てくるのは阻止したけどね。 
マジでバカか俺は。
早紀はぐったりして俺にしがみついている。
唇をやさしく吸う。早紀も吸ってくる。
うん、やっぱり俺は早紀が好きだ。
ちょっと自信をとりもどした。
「やっぱり痛かった?」「うん、ちょっと、痛い。でも、平気だよ。」
ほら、こんなにかわいくうなずく早紀。
大丈夫。俺は早紀が好きだ。今回はちゃんと避妊もしたし。
641
【5月18日 はれ】
会社の昼休み、電話が入った。 
久しぶりに声を聞いた。 英子さんからだった。俺の会社の近くまで来ているという。
会社の近くの喫茶店で、英子さんにあう。
「元気そうね、雄一さん。 早紀も元気?」
「あ、はい、元気っすよ。」 相変わらず、母親(義理だけど)に敬語を使ってしまう俺。
「今回のことで、本当に雄一さんには、、、迷惑かけちゃって、ゴメンナサイ・・・」
「なに言ってんすか、家族でしょ。」
「そういえば、由美さんが帰ってきたんですってね。善次郎さんから聞いたけど。」
「あ、はい、相変わらず騒がしい姉で・・・」
そうして、10分ほど、俺の近況話をした。
「ところでね。雄一さん。 私ね、、、、」
「はい。」
「善次郎さんと、、別れることにしたの。」
「えっ、、、」
「これは、善次郎さんから言い出したことなの。 お前には迷惑かけられないって。」
「親父が・・・?」
「私達ね、お互い一人で暮らしていくうちにね、いままでは必死すぎて見えなかった部分ていうか、、」
「・・・・」
「そういうのが見えてきて、、、まだまだやり直せるって、、思い直せたの。」
「・・・・」
「もちろん借金だって、なんとか返していこうと思う。 
 でも善次郎さん、お互い近くにいたら、また元に戻ってしまうんじゃないかって。 」
「・・・」
「私はこれからまた、田舎へ帰って一からやりなおすつもり。」
英子さんは、ずっとうつむいたまま。 口調もあまりはっきりしない。
俺もずっと黙ったまま。 でも、すぐ頭に浮かんだこと、早紀。
「早紀は、どうなるんですか?」
「早紀は、、、私といっしょに、連れて帰るつもり。」
「・・・・・」
俺の視界が、、、すべての景色が一瞬モノクロになった。
早紀、、、
「早紀、私と善次郎さんの喧嘩を見てきて、私のこと怯えてるみたいだけど、
 そういうのもふくめて、もう一度親子でやりなおしていきたいの。」
英子さんは、涙をこぼしながら、言った。 
「・・・・」
「早紀といっしょにやりなおしていきたいの・・・・」
英子さんはそれを最後に、あとはもう何も言わなくなった。 
「・・・、すんません、昼休み、終わるんで。 また、、、」
たまらず俺は、伝票を手に喫茶店を後にした。
658
【5月19日 はれ】
今日も、姉貴は遅くなるらしい。
早紀はバイト休み。 とってもうれしいシチュエーションなのに、
俺は、表情がくぐもったまま。
「どうかしたの? 具合悪いの?」
「・・いや、なんでもない。」
早紀とは、このまま一緒にいたい。
でも、冷静に考えてみると、、、
早紀とは、血は繋がってなくても、兄妹だ。例え親父と英子さんが離婚しても、兄妹。
結婚とかが幸せのゴールとかなんて思わないけれど、、、
早紀にはもっと普通の幸せが、、、?
そして英子さん、あの涙を見る限り、とても英子さん一人でやっていけるとは思わない。
早紀にとって、たったひとりの肉親。
早紀は、どう思うんだろうか・・・
659
【5月19日 はれ】
その夜も、早紀とする。3回目。
早紀からも積極的にキスしてくるようになった。
体のいろんな部分にキスをすると、だいぶ反応が、良くなってる気がする。
今までは、早紀の足と足の間に顔を持っていくのは、
「恥ずかしいよ、、、」って拒否されていたけど
今日の早紀は、受け入れてくれた。
早紀の中へ、俺は舌を差し込む。 早紀の体が、ぴくぴくって弾む。
「ふっ、、くうぅ、、、、」早紀はかわいい声を出す。 
これで、早紀の頭から、足のつま先まで、全部キスを這わした。
さすがに、へそとかひざとか足の指は、くすぐったがられた。 
早紀もお返しに俺のワキをくすぐってくる。
くすぐりあいになって、まただんだん、エッチな気持ちになってきて、
またさっきのかわいい早紀にもどる。
早紀とひとつになる。 早紀は、最初ほどでもないけれど、まだちょっと痛がった。
でも、ガマンして呻く声はだんだん小さくなってる。
時折もらす声はだんだん、多くなってくる。 
早紀と舌をくねらせながら、お互いの体を揺らしあった。
終わったあと、壁に並んでもたれかかって毛布かぶってる。
「ふふふ、気持ちよかった?」なんて聞いてくる早紀。なまいきな。
「うん。」とだけ答えて、早紀の頭を抱える。
早紀は目を閉じて、うっとりしてる。 早紀の唇が俺の唇にかるくあたる。
英子さんのことを考えると、そして早紀のことを考えると・・・
早紀は、英子さんの元へ返したほうがいいのだろうか。
と、そのとき、玄関のドアが勢いよく開けられた。
「ただいまぁ??!
 いや?、無理やり連れてかれた合コンだったんだけどさぁ??男チームがさぁ?・・・・」
姉貴が・・・帰ってきた・・・・・
気づいたときには、遅かった・・・・
早紀と、裸で、毛布に包まったまま、呆然としてた・・・
姉貴も、部屋の入り口でただ固まっていただけ・・・
710
【5月19日 はれ】
姉貴は、顔をひきつらせたてけど、すぐもとの笑顔に戻った。 
無理やり戻したという感じだった。
「あっ、あ、あ、ゴメンね!」
って言いながら、バタンと玄関のドアをこじ開け、姉貴は出てってしまった。
早紀と二人で、まだ呆然としてた。
「どうしよう・・・」
早紀が俺に向かってつぶやく。 俺は何も言えない。
とりあえず服を着せて、自分も着る。
「お姉さんに・・・見られた・・・」
「・・・大丈夫だって、姉貴なら、ああいうキャラだし、大丈夫だろ。」
俺はなんていっていいかわからなかった。 けど言葉を濁して、早紀と自分に言い聞かせた。
時計を見たら、もう11時だった。
深夜1時。 姉貴はまだ帰ってこない。
早紀と俺は、まだ心配して起きている。
「ちょっとそのあたり見てくる・・・・」と俺が言うと
「私も。」って早紀もついてこようとする。
「早紀は、、カギかけてもう寝てな。心配いらないから。」
「私も行く。」
「明日だって大学あるだろ。大丈夫だから・・・」
「やだ!行く!」
「・・・わかった。行こう。」
早紀の気迫に押されて、俺は早紀と二人で家を出た。
715
【5月19日 はれ】
とりあえず、近所の公園や、コンビニや、ファミレスや、喫茶店や、マンガ喫茶や、、、、
明るいところをとにかく探した。
普段の姉貴なら、帰ってこないくらいでは、まったくもって心配なんかしたりしない。
でも、さっきの姉貴は、、、
玄関のドアへ振り返る瞬間の、姉貴の顔は、、、あの表情は、、、
明らかに、俺の知っている、いつもの姉貴ではなかった。
深夜3時。 早紀にいったん帰るように言おうとした時、俺の携帯がなった。
姉貴からだった。
「ヤッホー!」
「姉貴・・・こんな時間まで・・・どこにいるだよ・・・」
「あ、心配いらないから! 友達の所で飲んでるから! このまま飲み明かすから!じゃ?ね?!」
「ちょっとまっ」
それだけ言うと、姉貴は電話を切ってしまった。
声の感じは、普段の姉貴に戻っていた。 
「お姉さん、どうしたんだろう、、やっぱり、私達があんなことしてたから・・・」
「・・大丈夫だって、電話の調子だったら、まったく平気だから。」
早紀はぎゅっと腕にしがみついたまま、寒さで震えてる。
だから、その日はそこで家へ帰って、眠った。
716
【5月20日 はれ】
俺と早紀は、学校も会社も休んだ。
ふたりともすごいクマだった。
姉貴は相変わらず帰ってこない。 
何度も何度も電話をかけた。 繋がらない、、、
その度に、俺と早紀は不安になる。
早紀は俺にしがみついて、少しは不安を取り除こうとしてた。
俺も早紀を抱きしめて、少しは落ち着きを取り戻そうとしてた。
夕方、俺の携帯がなった。 
いつもの姉貴の声が聞こえた。
「今ねぇ?、友達の家にいる! 
 ほとぼりが冷めたら帰るよ!今帰っても、なんか、気まずいじゃん?あはは!」
とか言ってる。 声は元気だった。
早紀には、変な心配をかけさせたくなかったから、
早紀とも姉貴と話をさせて、大丈夫だということを確認させた。
俺の思い過ごしだったかな、、、、
早紀も俺も少しは元気になれた気がする。
いつもの姉貴の声を聞けたから。
718
【6月2日 はれ】
その日、英子さんから、電話があった。
早紀と二人で会いたいって。
早紀に聞くと、
「・・・会いたくない。」
ってうつむく。
「でも、もう1ヶ月くらい、会っていないんだよ?」
「・・・でも」
「早紀と、どうしても話したいことがあるって。」
「・・・」
俺は、喫茶店での、英子さんの涙を思い出した。
「英子さん、とっても寂しそうにしてたよ。」
「・・・」
「・・」
「・・・」
「・・・じゃあ、俺も一緒についてってあげるから。ね。」
「・・・うん。」
早紀はうなずいてくれた。 頭をなでてやった。
721
【6月4日 はれ】
英子さんと待ち合わせの、駅前広場。
早紀は俺の手をギュッと握って、おどおどしてた。
「不安?」
「・・・うん。」
「大丈夫だから。 安心しろって。」
「・・・うん。」
人ごみの中から、英子さんが見えた。
英子さんは俺たちを見つけると、遠くから手を振って迎えた。
英子さんが駆け寄る。 ちょっと息を切らしながら、英子さんは早紀に微笑んだ。
「久しぶり、早紀ちゃん。」
「・・・うん。」
まだ、早紀は、少し俺を微妙に盾にしてる感じ。
「早紀、ほら・・・」
俺が早紀を前へと軽く押し出す。
早紀は下を向いたまま。
英子さんはちょっと困った表情をして、またすぐ笑顔になって言った。
「早紀、これからちょっと遊びに行かない? ね、雄一さんもいっしょに。」
「いいっすね、行こうよ、早紀。」
「・・うん。」
そして、その日は3人で、いろんな所へ行った。
英子さんも、年甲斐もなく、ハイになってた。
早紀は最初は、おどおどしっぱなしだったけど、
だんだん英子さんにも自然に接するようになってくる。
反対に、俺の中で、そんな早紀をみて悲しくなってくるのが感じた。
英子さんと楽しく話せば、それだけ、早紀が、遠くへ行ってしまうということ。
英子さんに微笑みかければ、それだけ、早紀が、、、、
そうして、早紀を真ん中に、3人で手を繋いで歩いていった。
724
【6月4日 はれ】
日も暮れた頃、早紀と英子さんは公園のベンチに倒れこんだ。
「ふぅ???、なんだか、はしゃぎすぎたね。 オバサンのくせに、やーね。ふふ。」
「私も。 お母さんと一緒に出かけるのって、久しぶりだよね。」
「ははは、二人ともはしゃぎすぎ。」
「雄一さん、今日はわざわざ時間作ってくれてありがとうね。」
「いえ、別に、平気っすよ。」
すこし雑談をかわした後、俺は早紀と英子さんを両方見ながら、言った。
「英子さん、早紀になにか話したいことがあったんじゃないですか?
 俺、しばらく、あそこのゲーセンで暇つぶしてますから・・・」
「あ、ああ、、、うん、ごめんね、雄一さん。」
「お兄ちゃん・・・」
「早紀、英子さんの話、聞いてあげて。 じゃ。」
俺は、そのまま、後ろを振り返らずに、ゲーセンへ向かった。
そのまま、ゲームで暇つぶした。 タバコの煙が、目にしみまくった。
あの二人が今頃、どんな話をしてるのかは、わからないけど、
でも、やっぱり、親父と別れたこと、田舎へ帰ることを、そして早紀もいっしょに連れて帰りたいこと
その話題をしてるのだろうな、と想像はついた。
早紀がどう思うかまではわからなかった。 早紀は俺のことが好きだと思う。 
でも、その度合いは、自分が思っているほど、強くなかったりして
なんて、ネガティブになってしまっていた。
でも今日の早紀の、英子さんに向けられた笑顔を見ていると
早紀はどのみち、やっぱり、、、
726
【6月4日 はれ】
ゲーセンに早紀が迎えに来た。
早紀は、目が赤かった。
「お母さん、疲れたから、先帰っちゃった。 お兄ちゃんに、よろしくって。」
早紀はさっきまでの元気がすっかりなくなっていた。
やっぱり、あの話をしてたんだろうな。
家へ帰ってきた。
どんな話してたんだ、なんて聞かなかった。 聞けなかった。
早紀は、俺の膝の間に座り、抱きついてきた。
そのまま、早紀は、、静かに泣きだした。
どんな話してたんだ、なんて聞きたくなくても、早紀から話してくれた。
俺は前もって知ってたから、対して驚きはしなかった。
むしろ、早紀はどうするのか、聞きたかった。
「早紀は、、どうするんだ、、、英子さんといっしょに?」
「やだ、お兄ちゃんと、いっしょじゃなきゃ、やだ。」
「・・・・早紀。」
734
【6月4日 はれ】
「英子さんはね、、これからまた一からやり直そうとしているんだ。」
「・・・・」
「でもさ、英子さん、ひとりぼっちじゃ、なんだかかわいそうだろ?」
「・・・・」
「早紀が、英子さんのこと、支えてあげなきゃ。 英子さん、頑張れないよ。」
「・・・・」
「それにね、俺たち、血は繋がってなくても、親父達が離婚してしまっても、」
「・・・・」
「兄妹だろ。」
「・・・・」
「現実的な話になっちゃうんだけどさ、今は俺もお前もまだ子供のようなもんだからいいけど、
 将来、、、なんか、こう、、こまると思う。」
「・・・・」
「え?っと、ははは、よくわかんないんだけどね。」
「・・・・」
「早紀も、将来、もっと普通に、好きな人できて、幸せに結婚して、、、」
「・・・・」
「ん?っと、、、そんな感じ。 英子さんもまた頑張り直せて、、、
 なに言ってんだかわかんないな。俺。」
「・・・・」
俺は、自分の気持ちとは真逆に話しまくった。 
自分の心に無理やり言い聞かせるように。
735
【6月4日 はれ】
早紀はやっと口を開いた。
「お母さんね、明後日、またあの広場で待ってるって。」
「え?」
「もう手続きとかは、全部済ませてあるんだって。」
「そう。」
「もし一緒に帰る気があったら、11時にあそこへ来てって。」
「・・・じゃあ、」
「でも、お兄ちゃんと、会えなくなっちゃう。」
「いつでも会えるよ。」
「・・・本当に?」
「ああ、、、あっ、ほら早紀、大学だって、休学扱いにするんだろ?
 てことはまた、いつかこっちに戻って来れるし、な。」
「・・・うん。」
「・・・明日は、今度は二人でデートしようか?」
「うん。」
736
【6月5日 はれ】
二日続けて、遊びに出た。
さすがに後半は、本当に疲れた。 マジで。
でも早紀は、まだまだ元気だった。 いままでで一番の笑顔だった。
そんな笑顔を見ていると、、、逆に俺はどんどん悲しくなってくる。 顔には出さずに。
最後のデートを楽しんだよ。
740
【6月5日 はれ】
夜も遅くなり、二人でブラブラ歩いていた。
今までの思い出話をしながら。
そういえば、姉貴のことも。 早紀は、姉貴とはあんな別れになってしまって
それはそれでちょっとかわいそうだな。
親父のことも、今となっては、いい人だったって言ってくれた。
ホワイトデーの日、二人で入ったラブホの話になって
そこへ行こうってことになった。
ホテルについて、早紀と一緒に部屋にはいる。
早紀はベットにダイビングして、トランポリンみたく跳ね回ってはしゃいだ。
風呂に一緒に入ったりもした。 早紀はめちゃくちゃ恥ずかしがったけど。
湯船に一緒につかって、そのまま長い間キスして、のぼせそうになって、
湯上りのジュースを、早紀にほっぺたにあてて、
「冷たっ」って早紀はビックリして、俺の背中にもジュースをくっつけて。 
子供みたいにはしゃいでた。
742
【6月5日 はれ】
今までのおさらいをするように、早紀と唇と体をくっつけあった。
早紀の小さな、やわらかい体を再確認して、唇と指を押し当てて、
早紀も俺の動きを見習って、同じように動かす。
早紀のももの間に舌を這わし、そのまま、中へ。
指でまわりをゆっくりなぞる。
早紀は、小さく叫んで、吐息を漏らす。
早紀にまた、キスをしようとしたら、
「私も、お兄ちゃんに、、、」
と言って、早紀も俺の全身にキスをしてくれた。
動きはむちゃくちゃぎこちなかったけど、、とってもいとおしく見えた。
早紀が、俺の、、、あそこにまで、唇を持ってきたときは、さすがにビックリしたけど、
奥まで、銜えすぎて、ゲホゲホせきこんでいた。 
「おいおい、そんな無理しなくいいよ。」 
髪の毛なでながら、指で早紀の唇をなぞりながら、抱きしめた。
「でも、、、」 早紀は俺を見つめる。
「楽にしてていいって。」俺は早紀を寝かせる。
そのまま、、、えーっと、4回目?か。
もう、周りは真っ白になってた。 早紀だけが、真っ白い空間にふわふわ浮かんでいる感じ。
早紀といっしょに体をゆする。
早紀はリズムにあわせて、小さく弾む。
しっかりと俺の肩に手を回して、、、小さく声を漏らす。
俺は早紀の目をじっと見つめる。
早紀も俺の目をじっと見つめてくれた。
そのまま、ずーっと、ふわふわ、二人で浮いていた。
そのまま、ずーっと、体を離さないまま。
ずーっと。
748
【6月5日 はれ】
朝。 いったん家にもどり、早紀に支度させて、、、
11時。
英子さんのもとへ、早紀を行かせた。 俺は遠くから見ているだけ。
英子さんは、俺の方に向かって一礼すると、早紀と一緒に、駅へ向かった。
早紀は何度か振り返っていたが、俺は、すぐ、早紀たちに背をむけた。
俺の背中の向こうで、早紀は行ってしまった。
757
【6月5日 はれ】
このまま、早紀のいた部屋に戻れる気分じゃなかった。
しばらく、パチンコやって、過ごした。
3万負けた。
あと、早紀と連絡をとれると、英子さんも、迷惑じゃないかって思って、
その足で携帯ショップへ行き、携帯を変えた。
早紀の番号も覚えていない。
ちょっと後悔もしたりした。
夕方近くになって、やっと足が、自分の部屋へとむかった。
家のドアに手を伸ばす。
・・・? カギが開いてる?
ドアを勢いよくあけた。
姉貴が帰ってきていた。
「よっ、お帰り!」
姉貴は、ここへ来た時にもってきたトランクに自分の服をつめていた。
「なにやってんだよ。 荷物つめて。」
「あ、あのね、住むところが見つかったからさ、 
 ほら、いつまでもここに世話になるわけにも行かないし・・・
 それに、ほら、 早紀ちゃんのことも・・・」
「早紀は出てったよ。」
俺は、その時、ちょっと泣きそうだった。 改めて。
762
【6月5日 はれ】
姉貴に、事の経過を話した。
「そんな・・・早紀ちゃん・・・」
「・・・」
「で、雄一は?」
「・・・え?」
「あんたはどうしたの?」
「・・・」
「なんでそのまま行かせたの?」
「それは・・・」
「兄妹だから?」
「いや、そういうんじゃなくて・・・」
「兄妹だから、愛しあっても、幸せになれませ??ん、とか考えてたんじゃないの?」
「そういうことじゃない!」
俺はムキになって、大声を出してしまった。
764
【6月5日 はれ】
しばらく沈黙が続いた。
姉貴が口を開いた。
「こないだ言ったよね、私。」
「何?」
「雄一と一緒にお風呂入ったとき。
「・・・」
「兄妹で愛し合うことは、変なことじゃないって。」
「・・・理想論だな。」
「大人ぶるじゃねーよ。ガキのくせに。」
「・・・・」
「雄一が高校生の時、なんで私が家を出たか、まだ理由言ってなかったよね。」
「・・・うん。」
「あんたが・・・雄一のことが・・・」
「・・・」
「・・・、その、私だって、・・・その時は、あんたと同じように考えてたと思う・・・
 姉弟のことを好きになるなんて、おかしいって。」
「・・・」
「だけど! ・・こうして、また弟の前に戻ってきちゃったよっ!理屈でわかっててもねっ!」
姉貴は顔を真っ赤にさせて、声を高ぶらせた。 
夕焼けが逆光でよく見えなかったけど
泣いてた・・
780
【6月5日 はれ】
「姉貴・・・」
「雄一!お前、むかつくんだよ!」
「・・・」
「あ?、もう??!」
そのまま、姉貴はぺたりと、その場にへたり込んだ。
涙をふこうともせずに、姉貴はじっと俺の顔を見る。
「なんか見ててイライラするんだよ!」
「・・・ごめん。」
「なんであやまるの? 意味わかんない! 意味わかんないよ!」
「・・・・・」
「意味わかんない・・・」
「・・・」
しばらくしたら、姉貴もちょっと落ち着いたみたいだ。
ぎゅっと、目をこすると、スッと深呼吸をして
「ごめん、なんでもない、今のうそ、うそ。 冗談。」
「姉貴・・・大丈夫・・・?」
「なんでもない。大丈夫。 ごめんごめん。」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「ごめん、最後に、・・・・、いっかいだけ・・・」
姉貴はそういって、俺にもたれかかってきた。
そんで、
夕焼けの光が差し込む中、
いつの間にか、キスしてた。
811
【6月5日 はれ】
なにも変な感じはしなかった。
姉貴とただキスしながら、
ただ、姉貴って意外と小さいんだなって思った。
姉貴がぎゅって抱きしめてくる。
俺も、姉貴の背中に手を回す。
舌と舌が、すべりあって、ツルツルしてた。
1分くらい、唇どうしをこすり付けあったあと、
顔をちょっとだけ離した。
姉貴がじっと俺の目を見つめてくる。
なんか、照れくさくて、
姉貴の視線をそらすために、俺の方からもう一回キスした。
どうしたというんだろう。 俺。
早紀と会えなくなった寂しさを紛らわしたかったから?
姉貴がいとおしく見えたから?
よくわかんない。
「雄一・・・・」
姉貴が、俺の首筋にも唇をすべらせた。
もう、俺の頭の中は真っ白になって。
姉貴の胸を触りだしてた。
姉貴は拒否することもなく、ただ俺にしがみついてた。
顔をこっちによせて、何度もキスをした。
その度に姉貴の顔はどんどん赤くなってくる。
体のいろんな場所に、指をはわせながら
舌を絡ませあった。
817
【6月5日 はれ】
そのままカーペットの上に姉貴を押し倒した。
子供の頃、喧嘩するといつも俺の方が押されてたけど、
そのときばかりは、姉貴がとってもひ弱になってた。
姉貴の服を強引に脱がす。
もう手つきとかむちゃくちゃで。 俺も自分で脱ぐ。
俺のシャツ、ボタンが1,2個、はずれて飛んでった。
胸の間に顔をうずめて、
また頭を起こしてキスして、
何回か、同じ動作を繰り返した。
姉貴は、泣き止んだばかりの真っ赤な目で
やさしく微笑んで、ほそい腕で俺を包んでくれた。
二人とも転がって、横向きに抱き合いながら
お互いがお互いの体に、指と唇をからませた。
姉貴が体の向きを変えて、俺の足のつけ根にキスしてる間
俺はどんな事を考えていたんだろう。
姉貴が、俺のあそこに舌をからませている間
俺はどこを見つめていたんだろう。
よくわからない。
姉貴も、なにも考えていなかったんじゃないかな。
二人とも液体のように、体をすり合わせた
「雄一、寒いよ。あっためて。」
姉貴が言うから、俺は姉貴を強くぎゅっと抱きしめた。
姉貴の顔、こんなに長いあいだ間近で見るのは、初めてだった。
そのまま、姉貴と、繋がった。
823
【6月5日 はれ】
「・・んん・・はぁ・・・雄一・・・・んっ」
姉貴は息も絶え絶えに、俺の名前を呼び続けた。
その度に、俺は姉貴の唇に吸い付いた。
何度も何度も、夜中になっても、なんども終わっても、また続けた。
あったかい泥の中に浸かっている感じになって、
何度も何度も、抱きしめあって、肌と肌を、揺らしてた。
二人とも力尽きた頃、
ゆっくり唇を離して、よだれが糸ひいてて、
糸が切れた後、姉貴、こんなこと言ってた気がする。
「うすうすとね、雄一と早紀ちゃんのことは、気づいてたよ。」
「でもね、さすがにね、ふたりのあんなところ見ちゃったときは。」
「なんか目の前が白黒になってた。」
「自分ではね、わかってたつもりだったのに。」
「無性に悲しくなっちゃった。」
「雄一。」
「好きとか嫌いとかの気持ちって。」
「自分自身にもわからないと思うよ。」
「だれかが教えてくれなきゃ。」
「あんた、わかってないみたいだから、私が教えてあげる。」
「あんたは。」
「早紀ちゃんのことが。」
「好きなんだよ。」
そのまま、もう一回キスして、そのまま、唇を繋げたまま、眠った。
朝、目が覚めたとき、
姉貴はもう、いなくなってた。
829
【6月6日 はれ】
昼すぎまで寝直した。
そんで、目を覚ました。
やっぱり、誰もいなかった。あたりまえだけど。
夕方前、
早紀の残りの荷物、全部送り終わった。
急にガランとしてしまった俺の部屋。
大の字になっても誰にもぶつからない。
向こうの壁まで、やけに遠く見える。 思わず目をそらした。
天井さえ、すごく高く見える。 だから目をつむった。
早紀がいなくなって、
姉貴もいなくなって、
家族がいなくなって、
一気にいろんなものが、なくなって、
その日は、久しぶりに、一人で寝た。
布団は2つひいて、真中で寝た。
831
【6月12日 はれ】
また、俺に日常が戻ってきた。
会社に行って、仕事にあたふたして、適当にさぼったりもして、
友達と遊んだり、騒いだり。
そんな中、早紀から手紙が届いた。
『 お兄ちゃんへ
 元気にしてますか?
 電話がつながらないからてがみを書きます。
 このてがみもとどいていますか?
 とどくといいな。
 まいにち朝おきても、お兄ちゃんがよこにいないので
 さみしいです。
 でも、わたしが元気ださないと
 おかあさんも元気になれないから
 かなしい顔しないようにがんばります。』
19歳の文面とは思えないような、その手紙を
何度もながめた。
玄関でチャイムがなった。
そこに立っていたのは親父だった。
840
【6月12日 はれ】
「おう、雄一、元気だったか?」
「親父! どうしたんだよ、今まで、連絡もせずに!」
「ああ、ちょっと、いろいろな。」
親父を家に上げる。
「雄一、お前にはいろいろ、迷惑をかけたな。」
「ああ、いや、別に気にしてねぇよ。」
「・・・・、なんか、今まで俺らしくなかったよな。」
「なんだよ、突然。」
「決めたよ。 俺ひとりで、なんとか頑張ってやるって。」
「借金のこと?」
「それだけじゃない。 何もかもひっくるめて全てだ。」
「・・・・」
「全部な。」
「親父・・・」
843
【6月12日 はれ】
「お前には、何の世話にもならない。
 お前はお前のことだけ、頑張ってろ。」
「・・・これから親父、どうするんだ?」
「漁船にでもなんでも乗って、がんばるさ。」
「はぁ?」
「いや、マンガみてーな話だけどよ、本当にあるんだよ、これが。 はっはっ。
 びっくりしたね。」
「本気でいってんのかよ?」
「まぁ、それは冗談として、知り合いにアルバイトとか
 何個か紹介してもらってやってくだろうな。」
「・・・、危なくないか?」
「なにも、ヤクザやさんとかに金借りたわけじゃないんだ。
 肝臓売れとかなんて言われねーよ。 大丈夫だ。」
親父は、そうやって、下品な笑い方しながら言った。
いつもの親父を、久しぶりにみた。
俺もつられて、ちょっと笑った。
「で、早紀のことはいいのか?」
「な、なにが?」
「いいのか?っていってんだよ。 今のままで。」
「・・・・なにが?」
「知ってんだよ。 お前らのことなんか、とっくの昔に。」
「・・・・」
しばらく沈黙が続いた。
窓の外で、車の流れるの音だけが響いていた。
847
【6月12日 はれ】
「行けよ。」
「・・・」
「早紀を迎えに。」
「・・・、姉貴にも同じような事言われたよ。」
「なら、分かってんだろ。」
「・・・ああ。」
「今すぐ、ほら、とっとと行けよ。」
「でも・・・・」
俺はうつむいたままだった。
また無言が続いた。
親父は、ため息を一つついて、 
で、また俺を睨んで言った。
「・・・、よし、わかった。 バカな息子に、ひとついいことを教えてやる。」
「・・・・何?」
「俺と英子は、・・・・・・、結婚してないんだ。」
「・・・え?」
851
【6月12日 はれ】
「俺が何のために、英子と別れたか、わかるか?」
「・・・・・・、借金のことで、英子さんに、・・・、
 迷惑かけたくなかった、からじゃないのか?」
「籍を入れてたら、離婚したって、借金なんかなくなるもんか。」
「・・・。」
「籍を入れてたら!離婚したって!借金がなくならないんだよ!」
「・・・親父。」
「お前と早紀は、これで、堂々と、愛し合えるってなもんだな・・・」
「・・・。」
俺は早紀の手紙を取り出した。
すぐに玄関に向った。
「雄一!」
親父が呼ぶ。
「これ使うか? ほら。」
親父は、俺に放り投げた。 
車のカギ。
「検切れだから、捕まるなよ。」
「親父、・・・・、サンキュ。」
俺は、玄関のドアを押し開けた。
ボロ車にとびのって、そのまま、アクセルを踏み続けた。
そのまま、ボタンが外れたシャツのまま、西へ向かった。
859
【11月3日 はれ】
あれから、ちゃんと調べてみた。
やっぱり親父と英子さんは、ちゃんと籍を入れてた。
つまり、俺と早紀も、兄妹だったわけだ。
でもそんなことは、もうどうでもいいや。 何も問題はない。
親父にだまされた? いや、だまされて良かった。
それと、、親父達は、まだ離婚をしていなかった。
またいつか、家族みんなで暮らせるようになる日を、
捨てていなかったんだろう。
すっきりと晴れた、その日
小さいけれど、それなりの教会を借りて、
神父さんも呼んで、結婚式をあげた。
席では、親父と英子さんの二人だけ、座っている。
ひざの上では、手を繋ぎながら。
姉貴も呼びたかったけど、
相変わらず、行方不明。
でもまぁ、あの姉貴なら、どこかで元気にやってるんじゃないかな。
ステンドグラスから、太陽の光がさしこむ中、
家族に見守られながら、
俺と早紀は
指輪の交換をした。
早紀と出会ってちょうど1年目の、今日この日の出来事。
866
【11月3日 はれ】
日記を書くのも、今日で最後かな。
明日からの俺は、、、、きっと、、、、、
 
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【謎】2カ月半行方不明の女子高生 自宅から400mの神社にいた・・・・・?!?!?

【画像】店内でアニソンがかかった時のお前らwwwwwwwwwwwwww

一つの画面で、974人が一斉に「スーパーマリオブラザーズ」をプレイするとこうなるwww

【画像あり】堀北真希のそっくりさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

なぜ?2カ月半不明の女子高生 自宅から400メートルの神社にいた

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洋菓子店で「お帰りまで時間はどれくらいですか?」と聞かれ「2時間」と答えたら断られた

湘南乃風の若旦那が不良を辞めた理由wwwwwwwwwwwwww

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光彦「デスノート?」

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