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ルルーシュ「捨てカレンか」カレン「くぅーん」
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イカルガ艦内
ルルーシュ『我は皇帝ルルーシュ!!!世界よ!!我に従え!!!』キリッ
『オール・ハイル・ルルーシュ!!オール・ハイル・ルルーシュ!!!』
星刻「新皇帝ルルーシュか」
扇「世界はどうなるんだ……」
カレン「……ルルーシュ……」
カレン(貴方は今、どんな想いでその場にいるの?どうして何も言ってくれないの、ルルーシュ……)
カレン「……っ」
神楽耶「カレンさん……」
カレン(聞かなきゃ……!!ルルーシュの気持ちを……!!ルルーシュの考えを……!!)
2
数ヵ月後
玉城「おい、カレン!!そんな大きなダンボール持ってどこ行く気だよ!!」
カレン「アッシュフォード学園にルルーシュ皇帝が来る」
扇「それがどうした?」
カレン「ルルーシュのことを知るにはそこしかない」
神楽耶「ルルーシュ様は超合衆国の決議の場に姿を現すだけですわ」
カレン「私に考えがあります」
扇「会場までルルーシュを案内するのか?」
カレン「違います。それだけじゃきっとルルーシュは何も語ってくれないから……」
神楽耶「カレンさん……?」
カレン「私が聞かなきゃ……ルルーシュの気持ちを……」カキカキ
玉城「ダンボールに何書いてんだ……?」
3
アッシュフォード学園
ミレイ「今、皇帝ルルーシュが到着しました」
ルルーシュ「……」
リヴァル「ルルーシュ!!おい!!どうなってんだよぉ!!ルルーシュ!!」
ルルーシュ「……」
リヴァル「ルルーシュ!!!なんか言ってくれよ!!!」
ルルーシュ(そういえば、案内役はカレンだったな。どこに―――)
カレン「……」
ルルーシュ「……」
カレン「くぅーん」
ルルーシュ(拾ってください……だと……?)
カレン(気付いて……私の気持ちに……)
ルルーシュ(なんだ、これは。騎士団から追放されたのか……?)
4
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「捨てカレンか」
ミレイ「ただいま、ルルーシュ皇帝陛下は捨てカレンを見つめています」
リヴァル「カレン!!なんだよ!!その恰好は!!!おい!!誰か説明してくれよ!!!」
ミレイ「皇帝陛下はどのようなリアクションをとるのでしょうか。興味深いです」
カレン「……」
ルルーシュ「……」
カレン(ルルーシュ……私は真剣なんだ!!)
ルルーシュ(この場でこれだけのことをするということはそれなりの覚悟がなければできないな……。しかし、拾ってしまえば最後まで責任を取らないといけない)
カレン(私はルルーシュの気持ちを知りたいんだ!!)
ルルーシュ(ここは無視がいいな……)
ルルーシュ「……」プイッ
カレン「……!!」
ミレイ「ルルーシュ皇帝はダンボールに入った捨てカレンを無視しました。流石は悪虐皇帝ルルーシュです」
8
カレン「待って!!」
ルルーシュ「……」
カレン「くぅん」
ルルーシュ「……可愛くないんだよ」
カレン「……」
ルルーシュ(悪いな、カレン)
ミレイ「おーっと。ここで皇帝陛下らしい辛辣な言葉です。これはもう捨てカレン、為す術がない」
ルルーシュ「……」スタスタ
カレン(ルルーシュ……そんな……)
ルルーシュ(確か会場は体育館だったな……。急ぐか)
リヴァル「ルルーシュ!!拾ってやれよ!!!可哀相だろぉ!!!」
カレン(私はまだ諦めないからね、ルルーシュ……)
11
会場
ルルーシュ「皇神楽耶様。ご機嫌如何ですか?」
神楽耶「……貴方のことは承知しておりますわ。対策として障壁を設けさせていただきます」
ルルーシュ「―――これはこれは。随分な扱いですね」
神楽耶『申し訳ありません』
ルルーシュ(ふん。各モニターに要人どもが映っている。すぐにその間抜け面を驚嘆の色に変えてや―――)
カレン『くぅん』
ルルーシュ「カレン!?」
ルルーシュ(馬鹿な……。先ほど放置してきたはず……!!何故、モニターに映っている!?)
神楽耶『ブリタニア帝国の超合衆国加盟あたり、ルルーシュ様には一つお願いがございます』
ルルーシュ「……な、なんでしょうか?」
神楽耶『そこに映っている、捨てカレンを拾ってください』
ルルーシュ「な……!?」
カレン『くぅーん』
13
神楽耶『我々の条件はそれだけです』
ルルーシュ「そ、それだけ……?」
神楽耶『はい』
ルルーシュ「ご冗談を。破格過ぎますね」
神楽耶『なら、拾ってもらえるのですね?』
ルルーシュ(狙いはなんだ……こんなふざけた決議があってたまるか……!!)
神楽耶(ルルーシュ様のこと。恐らく加盟する気はなく、ここで我々と敵対するのが目的なだけ。ならば、カレンさんという私たちの内通者を送り込むことぐらいはしなければ……)
カレン(ルルーシュ。拾って)
ルルーシュ「本気ですね?」
神楽耶『はい』
ルルーシュ「ならば、拾う前にこちらの条件を提示しましょうか」
神楽耶『なりません』
ルルーシュ「なに!?」
神楽耶『まずは拾うことをここで宣誓してください』
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ルルーシュ「随分と必死ですね。目的はなんでしょうか……。堂々とスパイを送り込む気ですか?」
神楽耶『い、いえ……そそ、そんなことはあ、ありませんわ……』
ルルーシュ「……」
カレン『ルルゥーン』
ルルーシュ(だが、冷静に考えればカレンという貴重な戦力を……。いやいや。ダメだ。もうカレンを俺たちの事情に巻き込むわけにはいかない……!!いかないんだよ……!!)
ルルーシュ「……お断りします」
神楽耶『カレンさんを拾わないのなら、超合衆国への加盟は白紙ということになりますが』
ルルーシュ「そうですね。仕方ありません。交渉は決裂です」
神楽耶『残念ですわ……』
カレン『どうしてよ!!!拾ってよ!!!』
ルルーシュ「では、我々は貴方達と敵対することになりますね」
神楽耶『そうですか。その前に宜しいですか?』
ルルーシュ「なんでしょうか?」
神楽耶『何故、カレンさんを拾えないのでしょうか?理由があれば述べてください』
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ルルーシュ「どう考えても紅月カレンはスパイだ。あのようなバカバカしい恰好をしても、私の目は誤魔化せません」
神楽耶『違いますわ、ルルーシュ様』
ルルーシュ「なに?」
神楽耶『カレンさんは騎士団を追放され、行き場を失った捨て犬なのです』
ルルーシュ「……」
カレン『くぅーん……』
ルルーシュ「本当なのか?」
カレン『……うん』
ルルーシュ「何故、追放された?」
カレン『えっと……うるさいから』
ルルーシュ「……」
神楽耶『捨てられた兵士です。間諜の役目も果たせないような駄犬なのですわ』
ルルーシュ「……そうなのか?」
カレン『はい。駄犬です』
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ルルーシュ「黒の騎士団ではエースだったはずでは?その働きを無視すると?」
神楽耶『所詮は戦場を駆け回るだけしかできない犬。そのような者はこれからの時代、必要ありませんもの』
ルルーシュ「必要がない?」
神楽耶『はい。平和な世界には不要ですわ』
ルルーシュ(本気で言っているのか……?)
神楽耶(ごめんなさい。カレンさん……)
カレン(ルルーシュ、拾ってくれないの……?どうして?そんなに私のことが嫌いなの?)
ルルーシュ「カレン。君はどのような扱いを受けてきていた?」
カレン『え?えーと……制服を隠されたり、紅蓮に落書きされたり……』
ルルーシュ「誰がそんなことを?」
カレン『え、えっと……た、玉城とか……』
ルルーシュ「……そうか」
ルルーシュ(玉城め……!!)ギリッ
神楽耶『ルルーシュ様、どうしても拾ってもらえませんか?』
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ルルーシュ「……条件があります」
神楽耶『それを聞けば拾ってもらえるのですね?』
ルルーシュ「条件だけでも聞いてもらえますか?」
神楽耶『分かりました。聞くだけです』
ルルーシュ「紅月カレンを完全に我が物とする。諜報活動等が発覚した場合、紅月カレンは我が国の法に則り裁く。それでいいでしょうか?」
カレン『いいよっ』
ルルーシュ「お前には聞いていない!!」
神楽耶『それだけですか?』
ルルーシュ「……な、ならば、超合衆国の加盟もしない!!」
神楽耶『他には?』
ルルーシュ「……も、もうない」
神楽耶『分かりました。では、カレンさんを拾ってください』
ルルーシュ「あ、ああ……」
カレン『ルルーシュ……!!』
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カレン「くぅーん」
ルルーシュ「カレン……」
カレン「……」ウルウル
ルルーシュ「……っ」
神楽耶「ルルーシュ様は退席されますわ。案内をお願いします」
カレン「ルルーシュ……ありがとう、拾ってくれて」
ルルーシュ「……」
カレン「私ね……ずっとこのときを……」
ルルーシュ「こい」
カレン「う、うん」
スザク『ルルーシュ。そろそろランスロットで突撃してもいいかい?』
ルルーシュ「それは中止だ」
スザク『どうしてだ!?まさか加盟したのか!?』
ルルーシュ「いいから外で落ち合うぞ」
スザク『イエス、ユア・マジェスティ……』
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ミレイ「ルルーシュ皇帝陛下が出てきました。おっと、傍らにはなんと、捨てカレンの姿が!!一体、中で何があったのでしょうか!?」
ルルーシュ「……」
カレン「……ルルーシュ?」
ルルーシュ「どういうつもりだ?」
カレン「え……」
ルルーシュ「何故、こんなことをする?」
カレン「捨てられたから拾ってもらおうと思って……」
ルルーシュ「本当に玉城に制服を隠され、紅蓮に落書きをされたのか?」
カレン「う、うん……された……」
ルルーシュ「他には?」
カレン「それは……無理やりストレートパーマにされたり……バニーの恰好を強要されたり……とか……」
ルルーシュ「カレン。俺が抜けてから内部で何が起こった?日本人ではないディートハルトや星刻がそのような迫害を受けるならまだしも、カレンがどうして……」
カレン「私がうるさいから……」
ルルーシュ「うるさいって、どういうことだ?玉城のほうが何倍もやかましいだろ」
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カレン「神楽耶様も言っていたでしょ?犬だって。私、キャンキャン吠えるぐらいしかできないし……」
ルルーシュ「馬鹿な……」
カレン「それより、ルルーシュ。私―――」
スザク「ルルーシュ!!一体、何があったんだ!?予定と随分違うじゃないか!!」
ルルーシュ「ここに居る捨て犬が原因だ」
スザク「捨て犬だって?どこに居る?」
ルルーシュ「俺の隣にいるだろ」
スザク「え?」
カレン「くぅん……」
スザク「カレン……君は犬だったのか?」
カレン「そうだよ」
スザク「ルルーシュ?」
ルルーシュ「とりあえず本国に戻るぞ。当初の目的は果たしたのだからな」
スザク「分かった……」
29
ルルーシュの自室
C.C.「それで情に流されて大型犬を拾ってきたのか、坊や?」
ルルーシュ「あの状況では仕方がなかった」
C.C.「犬なら首輪ぐらいつけておいたらどうだ?」
カレン「是非」
ルルーシュ「カレンは捕虜として扱う。奴隷のように扱うつもりはない」
カレン「そうなの?」
ルルーシュ「なんだ?不服か?」
カレン「だって、全然悪虐皇帝らしくないから……。ねえ、やっぱり違う思惑があるの?」
ルルーシュ「そんなものはない」
カレン「……」
C.C.「こんな犬を拾ってきて、最後まで世話ができるんだろうな?」
ルルーシュ「できなければ捨てるまでだ」
カレン「……!?」
33
カレン「……」グゥ?
ルルーシュ「ん?」
カレン「あ……」
ルルーシュ「腹が減ったのか」
カレン「ドッグフードでいいから」
ルルーシュ「そんなわけに行くか。少し待っていろ」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「全く……」
カレン(やっぱりルルーシュには別の考えがあるんだ。だから、私を拾ってくれたばかりか、食事まで……)
カレン(もっと探らないと……ルルーシュのことを……!!)
ルルーシュ「―――ほら、食事だ」
カレン「わぁ!!おいしそう!!!いただきます!!!」
ルルーシュ「ゆっくり食べろよ」
カレン「うんっ!!」
35
ルルーシュ「……」
カレン「おいしいっ」
ルルーシュ「カレン。本当に諜報活動を行うためではないんだな?」
カレン「ギアスを使ってみてもいいよ?私にそんなつもりはないから」
ルルーシュ「カレンがそこまで言うのなら、そうなのだろう……」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ(こんなにも素直な奴を迫害するとは……玉城め……)
カレン「あの、ルルーシュ。私ね―――」
スザク「ルルーシュ!!大変だ!!シュナイゼル殿下から通信が入っている!!」
ルルーシュ「なんだと?……繋げ」
スザク「ああ……」ピッ
シュナイゼル『―――やぁ、ルルーシュ。久しいね』
ルルーシュ「兄上……」
シュナイゼル『君に会わせたい人がいるんだ。会ってくれるね?』
ルルーシュ「会わせたい人だと……?」
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ナナリー『お兄様……』
ルルーシュ「な……!?」
スザク「ナナリー……!?」
ナナリー『私はお兄様を止めます……』
ルルーシュ「なんだと……!?」
シュナイゼル『こちらは戦う準備が整っている。君たちから世界を取り戻すよ』
ルルーシュ「どのようにして?」
シュナイゼル『フレイヤは既に完成している』
スザク「なに……!!」
ルルーシュ「なるほど……。それを使って―――」
カレン「酷い!!なんてことするんだ!!!」
シュナイゼル『……!』
ナナリー『え?カ、カレンさん……?カレンさんがどうしてそこに……?』
カレン「ナナリー!!血迷ったの?!あれはとんでもない兵器よ!!あれを使うっていうなら、私が許さないから!!」
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ルルーシュ「カレン、落ち着け」
カレン「がるるる……」
シュナイゼル『これは驚いたね。黒の騎士団のエースでもある紅月カレンは寝返ったのかな?』
カレン「寝返ったんじゃない!!!拾われたんだ!!」
ナナリー『拾われた……?』
カレン「私は黒の騎士団エース紅月カレンから捨てカレンになったんだ」
ナナリー『ど、どうして……?』
カレン「それは……騎士団内で必要ないっていわれたから……」
ナナリー『それでお兄様に拾ってもらったのですか?』
カレン「うん」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ。ただの捕虜だ。カレンから様々な内部情報を聞き出しているところだ」
スザク「ルルーシュ、そんなことしてないじゃないか。今だって手料理を振舞っていたし」
ナナリー『……手料理……?』
ルルーシュ「おい。黙れ、スザク」
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シュナイゼル『とにかく、君たちは図らずも戦力強化に成功した。そういうことだね?』
ルルーシュ「そういうことにはありませんよ、兄上。下手に機体を与えて裏切られてはことです」
カレン「私は裏切らないけど」
ルルーシュ「黙れ、カレン」
スザク「僕もカレンが裏切るとは思えないけど」
ルルーシュ「お前ら、退室しろ」
シュナイゼル『ルルーシュ。近く私たちの力がどれほどのものかは見せてあげるよ』
ルルーシュ「兄上。その兵器をどこかに向けて放つつもりか」
シュナイゼル『ペンドラゴンはどうかな?』
ルルーシュ「貴様!!」
シュナイゼル『我々の力を示すには打って付けの場所だと思うのだけどね』
ルルーシュ「兄上……貴方と言う人は!!!」
ナナリー『お兄様……』
ルルーシュ「ナナリー……お前は俺の敵だ……。容赦はしないぞ」
ナナリー『……っ』
45
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「……くそっ!!どうして……どうして、ナナリーが……!!!」
スザク「迷うな。お前のやるべきことは一つだけだ」
ルルーシュ「分かっている……分かって……」
カレン「ねえ、やるべきことってなに?」
スザク「それはゼロ・レク―――」
ルルーシュ「スザク。ナイトオブゼロから外してやろうか」
スザク「それは困る」
ルルーシュ「出て行け。今から対策を練る」
スザク「ああ……」
ルルーシュ「……ふぅ……」
カレン「……ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「おかわり……ある?」
ルルーシュ「……しばし待て」
50
ルルーシュ「ニーナの身柄は確保している……。フレイヤに対する策は間に合うか微妙なところか……」
ルルーシュ「しかし、最も厄介なカードは……ナナリー……!!」
カレン「……」モグモグ
ルルーシュ「ナナリーを……ナナリーをどうにかしなくては……!!」
カレン「ルルーシュ……大丈夫なの?」
ルルーシュ「大丈夫なものか……」
カレン「やっぱり、私の知っているルルーシュみたいね」
ルルーシュ「なに?」
カレン「よかった」
ルルーシュ「もうお前の知るルルーシュは死んだ。目の前にいるのは魔王ルルーシュなんだよ」
カレン「ごちそうさま」
ルルーシュ「食器をもらおうか」
カレン「洗い物ぐらいは私が」
ルルーシュ「お前は捕虜だ。大人しくしていろ」
カレン「……うん」
51
カレン「……えーと……通信機は……これか……」ピッピッ
神楽耶『こちら、皇神楽耶。どうぞ』
カレン「こちら捨てカレンです。神楽耶様』
神楽耶『どうですか、そちらの様子は?』
カレン「私の睨んだ通りでした」
神楽耶『では……』
カレン「ルルーシュは昔の―――」
C.C.「そこまでだ、スパイ」
カレン「な……!?」
C.C.「神楽耶と連絡を取ったか。やはり、そういうことか」
カレン「こ、これは……」
神楽耶『カレンさん!!どうしたのですか!?』
C.C.「お前はそういうことをしないと思っていたが……」
カレン「神楽耶様!!ルルーシュは生きています!!!」
神楽耶『分かりましたわ!!』
53
C.C.「貴様……」グイッ
カレン「うっ……!?」
C.C.「どうなるか、分かっているんだろうな?」
カレン「……か、覚悟の上だ……好きにしなよ……」
C.C.「ほう……?」
ルルーシュ「カレン、食後のデザートを―――C.C.!!何をやっている!?」
C.C.「ルルーシュ。こいつは黒の騎士団の犬だったようだぞ?」
ルルーシュ「なに?」
カレン「ルルーシュ……」
C.C.「今、神楽耶と連絡を取っていた」
ルルーシュ「本当なのか?」
カレン「……うん」
ルルーシュ「何を伝えた?」
カレン「ルルーシュは生きているって……伝えた……」
ルルーシュ「暗号か、それは?」
54
カレン「そうだけど……」
ルルーシュ「どのような意味がある?」
カレン「そのままの意味だよ。ルルーシュは生きている。それだけ」
ルルーシュ「……」
C.C.「どうする?ただの捨て犬ではなかったなぁ」
ルルーシュ「C.C.。カレンの身体検査を徹底的に行え。そのあと、カレンは監禁する」
カレン「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「失望したよ。カレン」
カレン「……くぅーん」
ルルーシュ「もうそんな愛らしい声をだしても俺は騙せないぞ!!!」
カレン「るるーしゅぅーん」
ルルーシュ「やれ、C.C.」
C.C.「奥の奥まで調べてやる。覚悟しろ、カレン?」
カレン「え……な、ちょっと……」
C.C.「ふふっ。腕が鳴るよ」
56
監禁室
カレン「……」
ルルーシュ「―――気分はどうだ?」
カレン「……もうお嫁にいけないんだけど」
ルルーシュ「お前が悪いんだ。こちらに非はない」
カレン「酷い……昔のルルーシュはこんなことしなかったのに……うぅ……」
ルルーシュ「泣き真似をしても無駄だ。お前に同情の余地はない」
カレン「うっく……ぐすっ……うぅぅ……」
ルルーシュ「無駄だと言っているだろう。分からないのか?」
カレン「うぅぅぅ……っ……」
ルルーシュ「お、おい……」
カレン「もう……出て行ってよ……」
ルルーシュ「お、お前が悪いんだからな……」
カレン「……ぐすっ……」
ルルーシュ「あとでC.C.にはやりすぎないように注意しておく」
58
カレン「……」
スザク「カレン。どうして裏切ったんだ」
カレン「……」
スザク「答えるんだ。カレン」
カレン「じゃあ、ルルーシュは何をしようとしているのか言ってくれるわけ?」
スザク「それは……」
カレン「それを言ってくれるなら、言ってもいいけど」
スザク「それだけはいえない」
カレン「そう。なら、私も言わない」
スザク「それは困る!!」
カレン「困れば!!」
スザク「……」
カレン「ふんっ」
スザク「カレン……捨てられたっていうのも嘘なんだね?」
カレン「……嘘じゃない」
59
スザク「それが嘘なんだろ?」
カレン「私がルルーシュに拾われた時点で裏切り者だもの」
スザク「でも、それはスパイとして……」
カレン「違う。私は本当に、純粋にルルーシュに拾われたかったんだ」
スザク「なら、どうして神楽耶と連絡をとった!?」
カレン「神楽耶様も捨てられる予定だからだ!!」
スザク「なに!?」
カレン「そう。私と神楽耶様は騎士団内で酷い差別を受けていた。だから、ルルーシュのところに行こうって決めたんだ」
スザク「でも、来たのはカレンだけじゃないか」
カレン「そうよ。だってルルーシュが本当に悪虐皇帝になったっていうなら神楽耶様をこっちにこさせるわけにはいかないでしょ?」
スザク「君はルルーシュが変わってしまったかどうかを調べるために……?」
カレン「……そろそろ、捨て神楽耶様も現れる。そのとき、ルルーシュはどうするか」
スザク「神楽耶がこちら側にきたら超合集国は誰が率いるんだ?」
カレン「神楽耶様は捨てられた立場だから、誰か代役が出てくるよ。多分、扇さん辺りだと思うけど」
64
ルルーシュの自室
ルルーシュ「シュナイゼルめ……ここしかないというタイミングで取って置きのカードを切ってきた……。流石ですね……兄上……」
スザク「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「なんだ?騒々しいぞ」
スザク「大変なことが分かった。カレンは―――」
C.C.『―――ルルーシュ。モニターを見ろ』
ルルーシュ「どうした?」
C.C.『全世界に向けて神楽耶が何かを訴えている』
ルルーシュ「神楽耶が……?」
スザク「遅かったか……」
ルルーシュ「一体、なんだ……」ピッ
神楽耶『くぅーん……くぅーん……』
ルルーシュ「な……!?なんだ、これは……!?」
スザク「犬の恰好で……神楽耶……君は本気なのか……?」
神楽耶『ルルーシュさま……捨て神楽耶を拾ってくださいまし?。くぅーん』
70
ルルーシュ「C.C.!!この放送はどこから流れているものかわかるか!?」
C.C.『そこまでは調べられていないが。拾いに行く気か?』
ルルーシュ「神楽耶はこの先の世界に必要不可欠なんだ!!シュナイゼルの標的にされては一大事なんだよ!!!」
C.C.『分かった。調べて見るよ』
ルルーシュ「早急に頼む」
神楽耶『ルルーシュさま……黒の騎士団のみなさんにすてられてしまいました……』
ルルーシュ「……」
神楽耶『着物は裂かれ、寝屋も奪われ……冷たい廊下で寝る日々が続いていました……』
神楽耶『カレンさんが捨てられたとき、こうなると思っていましたが……とうとうこの日が来てしまったのです……』
ルルーシュ「なに……!?」
神楽耶『この哀れな捨て神楽耶を……拾ってください……。拾ってくださるなら、どのような陵辱も喜んでお受けしますわ……』
ルルーシュ「……スザク!!お前も神楽耶の居場所を探れ!!」
スザク「分かった。カレンに聞いてくる」
ルルーシュ「何だ……。黒の騎士団内で何が起こっているというのだ……。神楽耶まで捨てられるなんて……次は天子様ではないだろうな……!!」
神楽耶『くぅーん……ルルーシュさまぁ……さむいですわぁ』
75
監禁室
ルルーシュ「ここに入って頂きましょうか」
神楽耶「はい……」
カレン「神楽耶様!!」
神楽耶「カレンさん!!会いたかったですわ!!」
カレン「私もです!!」
ルルーシュ「感動の再会はその辺にしていただきましょうか。一体、何があったのですか?」
神楽耶「放送で言ったことが全てですわ」
ルルーシュ「何故、貴女がそのような扱いを?藤堂は何をしているのですか?」
神楽耶「みなさん、ゼロ様が居なくなった後、今まで押さえ込んでいた鬱憤を晴らすかのように荒れ始めて……」
ルルーシュ「そんな馬鹿な……」
カレン「でも、よかった。神楽耶様もちゃんと拾われて」
神楽耶「これで寒い思いをしなくてもいいですわね」
ルルーシュ「神楽耶……。お前は捕虜だ。それなりの扱いは覚悟できているのだろうな?」
神楽耶「……優しくしてください」モジモジ
79
ルルーシュ「ともかく食事にしましょう。今から作ってきますよ」
神楽耶「いいのですか?」
ルルーシュ「貴方は捕虜ですからね」
神楽耶「では、お願いしますわ」
ルルーシュ「カレン。お前も同じものでいいか?」
カレン「うん」
ルルーシュ「少し待っていろ」
神楽耶「ルルーシュ様。ドッグフードでも―――」
ルルーシュ「そんなわけにはいかないでしょう」
神楽耶「ルルーシュ様……」
カレン「ね、神楽耶様?ルルーシュは生きていました」
神楽耶「はいっ。私、ルルーシュ様のこと信じていましたわ!」
ルルーシュ「ふんっ。何を期待しているのかは知らないが、お前たちに待っているのは辛く地獄のような毎日だぞ!!」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「いつまでもこんな生活が続くと思うな。捕虜の分際で、身の程をわきまえろ!!」
82
ルルーシュ「―――食後のデザートです。どうぞ」
神楽耶「いただきます」
カレン「ありがとう、ルルーシュ」
ルルーシュ「ふんっ」
C.C.「随分と華やかな生活だなぁ。私も捕虜になろうかなぁ」
ルルーシュ「馬鹿なことをいうな」
神楽耶「このメロン、美味しいですね」
カレン「ホントに……。みんな捕虜になればいいのに」
ルルーシュ「何を言っているんだ……。捕虜というのは交渉にも使える道具に過ぎず―――」
スザク「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「どうした?」
スザク「フレイヤが……」
ルルーシュ「なんだと……!?」
C.C.「ペンドラゴンが消えたか?」
スザク「ああ……。シュナイゼル殿下がトロモ機関に開発させたダモクレスという天空要塞から放たれたようだ」
84
ルルーシュ「おのれ……シュナイゼル……!!」
C.C.「もう時間がないな」
スザク「宣戦布告も既に……」
ルルーシュ「分かった。ならば、こちらも向かえ撃つ!!」
スザク「イエス、ユア・マジェスティ!!」
ルルーシュ「しかし、現在の黒の騎士団では……続々と捨てられる者が……」
神楽耶「……」モグモグ
カレン「……」モグモグ
ルルーシュ「……そうだ。この辺りで捕虜を有効活用するか」
C.C.「なに?」
ルルーシュ「カレン、神楽耶。お前たちは捨て犬なのだろう?」
神楽耶「そうですわん」
カレン「駄犬です」
ルルーシュ「これ以上、シュナイゼルに余計なことをされては困る。お前たちに一肌脱いでもらおうか……」
ルルーシュ(この混乱を極めた状況下で第二第三の神楽耶を出されたら保護することもできない。捨て天子様などもってのほかだ。黒の騎士団の怒りの矛先を俺に向けさせなくては)
87
スザク「ルルーシュ。これを宣戦布告にするんだな?」
ルルーシュ「ああ。シュナイゼルだけでなく黒の騎士団からの憎悪も受ける」
C.C.「世界はお前を悪とする、か」
ルルーシュ「その通りだ。―――こっちにこい」
カレン「……」モジモジ
神楽耶「ルルーシュ様……あの……陵辱は喜んでお受けするといいましたが……この恰好は……あの……」モジモジ
ルルーシュ「犬が喋るな」
神楽耶「くぅーん……」
ルルーシュ「スザク、頼む」
スザク「全世界に向けて発信する」
ルルーシュ「……」
スザク「3……2……キュー」
ルルーシュ「世界の皆さん。ブリタニア皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです。本日は私のペットを紹介いたします」
カレン「くぅーん……」
神楽耶「わん……わん……」
95
イカルガ艦内
藤堂「……!!!」
扇「な、なんだ、と……」
ヴィレッタ「正気か、ルルーシュ……」
ルルーシュ『どうです?可愛いでしょう?……ほら!!尾を振れ!!』パシンッ!!!!
カレン『ぁわ!?』
神楽耶『カレンさん!!ルルーシュ様!!やめてください!!』
ルルーシュ『犬が喋るなんてことはないんだよぉ!!!!』パシンッ!!!
神楽耶『はぁっ!!』
藤堂「……」ギリッ
玉城「ルルーシュの野郎……!!!カレンを奪っただけじゃ飽き足らず……あんなことを……!!!」
天子「かぐやぁー!!!」
星刻「天子様、見てはいけません」ギュッ
天子「うぅー!!」
星刻「見てはなりません……」スリスリ
99
ダモクレス内
コーネリア「ルルーシュ……なんてことを……」
カノン「このような外道がいるとはね」
ナナリー「……」
シュナイゼル「ん?ナナリー……目が……」
ルルーシュ『ほら、この地面に落ちたハムを食べろ、カレン』
カレン『うぅ……』
ルルーシュ『捨てられていたお前を拾ってやったのは誰だ!?言ってみろ!!!』
カレン『ル、ルルーシュ……』
ルルーシュ『ルルーシュ?』
カレン『ル、ルルーシュ……様です……』
ルルーシュ『犬が喋るな!!!』パシンッ!!!
カレン『ぅあ!?』
神楽耶『ルルーシュ様!!やめてください!!もう喋りませんから!!!』
ナナリー「……」
102
監禁室
カレン「うぅ……いたい……」
神楽耶「あ……ぁ……」
ルルーシュ「私がダモクレスを落とし、世界を手に入れる。世界の皆さんはここにいる犬のような扱いを受けると思っていただこう」
ルルーシュ「精々、私の敗北を願っておくのだな。フフフハハハハハ!!!!!」
スザク「カット」
ルルーシュ「ふぅ……。カレン、神楽耶。大丈夫か?」
カレン「うん。あれ、音だけで痛くないのね」
神楽耶「ルルーシュ様の愛を感じましたわ」
ルルーシュ「捕虜の扱い方は熟知しているつもりだ」
C.C.「これで世界はお前の敵となったな。ナナリーも軽蔑していることだろう」
ルルーシュ「望むところだ。スザク、いつでも戦えるようにしておけよ」
スザク「ああ。分かっている」
カレン「ルルーシュ……私は戦わなくてもいいの?」
ルルーシュ「必要はない。お前は死刑だから」
105
カレン「死刑!?」
ルルーシュ「死刑囚として収監しておく。当然だろう?」
カレン「……」
ルルーシュ「神楽耶も同じだ」
神楽耶「でも、それは一番安全なところに行くってことですね?」
ルルーシュ「死刑になるのに安全もなにもないでしょう?」
カレン「ルルーシュ。貴方は一体、何をしようとしているの?」
ルルーシュ「……」
カレン「私は貴方が戦えって言えば、戦う」
神楽耶「私もですわ」
ルルーシュ「死刑囚に人権はない。いいから大人しくしていろ」
カレン「ルルーシュ……」
神楽耶「ルルーシュ様……」
C.C.「いいのか?物欲しそうな目をしているぞ、あいつら」
ルルーシュ「好きにさせておけ。カレンと神楽耶が戦場に居ない。これだけでも気が楽になる」
110
ルルーシュの自室
ルルーシュ「ニーナ。進捗状況はどうなっている?」
ニーナ『もう少し時間がかかると思う』
ルルーシュ「頼むぞ。フレイヤに対抗できるかどうかはお前に掛かっている」
ニーナ『ところで、ルルーシュ?』
ルルーシュ「どうした?」
ニーナ『カレンにあんなことしてたけど、あれって……』
ルルーシュ「問題はない。二人とも喜んでいたからな」
ニーナ『そう。よかった。なら、いいの。それじゃあ』
ルルーシュ「ああ……」
ルルーシュ「……ナナリー……俺を蔑むなら蔑め……罵るなら罵れ……。俺はもうユフィを撃ったときから……引き返せないんだ……」
スザク『―――ルルーシュ!!大変だ!!!』
ルルーシュ「今度はなんだ?」
スザク『今すぐモニターをつけてくれ!!』
ルルーシュ「また誰かの放送か……?」ピッ
114
天子『ゼロ!!いえ……ルルーシュこうていっ!!きこえていますかっ!!!天子です!!』
ルルーシュ「……!!!」
天子『神楽耶にあんなことしないで!!神楽耶にするぐらいなら……ぐらいなら……』
ルルーシュ「まさか……!!」
天子『わたしをぶちなさいっ!!!』
ルルーシュ「がっ……」
天子『今から交渉しましょう……。応じないとは言わせません。私はこれでも超合集国のトップですからぁ』
ルルーシュ「……」ピッピッ
星刻『―――ルルーシュか。専用回線からどうした?』
ルルーシュ「天子様は何を言っている?自ら死地に来るというのか?狙いはなんだ?」
星刻『貴様だ……』
ルルーシュ「なに?」
星刻『貴様が天子様を壊したのだ……!!』
ルルーシュ「星刻……」
星刻『お前があのような放送をしなければ……天子様もこのような愚行には……!!私はお前を許さないぞ……ルルーシュ!!』
119
ルルーシュ「天子様だと……。神楽耶を起用したのが裏目にでたのか……くそっ……くそっ……」オロオロ
C.C.「おい、今のはなんだ?どうしてあのようなことになった。あれもお前の狙いか?」
ルルーシュ「そんなわけがないだろうが!!」
スザク「ルルーシュ!!天子様を乗せたナイトメアがこちらに来ているぞ」
ルルーシュ「星刻め……早いな……」
C.C.「説明するのか?」
ルルーシュ「今考えている……」
スザク「カレンと神楽耶に説明させたほうが……」
ルルーシュ「それはダメだ。既に全世界にカレンと神楽耶の扱いを公表した。二人には陵辱の限りを尽くしていると思わせなければ、晒した意味がなくなる」
C.C.「なら、天子も捕虜にしてしまうか?」
ルルーシュ「なに……?」
スザク「そのほうがいい。都合よく星刻も単身で来ている」
ルルーシュ「……そうか。星刻も一緒か……よし……」
C.C.「やるのか?」
ルルーシュ「当然だ。俺は悪虐皇帝ルルーシュだからな」
123
星刻「……ルルーシュ」
ルルーシュ「星刻。ようこそ。歓迎しよう」
天子「ルル、ルルーシュ皇帝……。神楽耶はどこですか?」
ルルーシュ「本当に貴方が身を投げ出し、神楽耶を守ると?」
天子「わ、私より神楽耶のほうが大事ですから」
ルルーシュ「ほう?」
天子「世界に必要なのも……わ、わたしよりも神楽耶です……から……」
星刻「天子様……。ルルーシュ!!天子様と私の身柄と、二人の身柄を交換だ!!」
ルルーシュ「……出て来い」
カレン「くぅーん……」
神楽耶「わん……」
天子「かぐやぁー!!!」
星刻「なんて破廉恥な姿を……。この外道が!!!」
ルルーシュ「おや、そうかい?――天子様もこの恰好になってもらうのだから、眼福だろう?フフフハハハハハ!!!!」
星刻「ぐっ……」
130
C.C.「準備が整った」
ルルーシュ「よし。スザク、そちらは?」
スザク「星刻を椅子に拘束した。自力では自由に動けないよ」
星刻「ルルーシュ、何をするつもりだ?」
ルルーシュ「身柄交換という感動的な場面を全世界に向けて報じる。黒の騎士団にとっても星刻と天子様の安否はきになるところだろうからなぁ」
星刻「……」
ルルーシュ「出せ」
C.C.「ほら」ドンッ
天子「にゃ、にゃぁ……」
星刻「ぐふっ……!?て、天子……さま……なんて……かっこうを……!!」
ルルーシュ「犬の衣装がなくてな。急遽飼い猫になってもらった」
天子「ルルーシュ……神楽耶を……」
ルルーシュ「猫が喋るのか?」
天子「にゃ、にゃぁ……」
星刻「おのれ……おのれ……ルルーシュゥゥ……!!!!こんな……こんな……天子様を辱めて……!!」
137
天子「しんくぅ……にゃぁ……」
星刻「がっは!!!―――ルルーシュ……もういいだろう……神楽耶様と紅月カレンを解放しろ……!!」
ルルーシュ「解放?……するわけがないだろうが」
星刻「な、なんだと!?」
天子「しんくぅー」ギュッ
星刻「な、なぜだ!?何故解放しない!!」
ルルーシュ「カモがネギを持ってやってきたのだ。逃すはずがないだろう?」
星刻「外道め……!!!」
天子「にゃぁ」
ルルーシュ「お前たちは共に監禁する。嬉しいだろう?愛くるしい猫となった主君と狭い部屋で居られるのだから」
星刻「……」
天子「神楽耶は!?神楽耶を解放する約束のはずです!!」
ルルーシュ「猫に人権はない。喋るな!!」
天子「ひっ」ビクッ
星刻「……」
147
ルルーシュ「世界の皆さん!!!ご覧のように我が世界では階級も社会的地位も無に帰す!!!このように無様姿になる!!!」
天子「にゃぁ……しんくぅー……」ウルウル
ルルーシュ「ただ、これは平等な世界。捨てられた者と捨ててきた者がこうして同じ境遇にいること。これは奇跡といえるはず!!!」
カレン「天子さまぁ」
神楽耶「くぅーん」
天子「かぐにゃぁ……ごめんにゃさい……」
星刻「……ぐふっ。もってくれ……もう少しだけ……」
ルルーシュ「平等な世界を私は約束する!!!フフフハハハハハ!!!!!」
スザク「カット」
ルルーシュ「ふぅ……」
天子「にゃぁ……」ウルウル
ルルーシュ「C.C.、天子様を着替えさせろ。見るに耐えない」
C.C.「分かっている」
天子「え……?」
星刻「え……?」
152
ルルーシュ「はぁ……こんなことをしている場合ではないというのに……。ナナリー……」
C.C.「ほら、こっちだ」
天子「あ、あの……どうして……?」
ルルーシュ「……そちらの服がよければ、そちらでも構いませんが?」
天子「い、いえ……はずかしいので……」モジモジ
星刻「どういうことだ、ルルーシュ?」
ルルーシュ「何がだ?」
星刻「どうして……天子様を……」
ルルーシュ「言っておくがお前も死刑囚だ。俺に意見する権利など微塵もない」
星刻「くっ……」
カレン「やっぱり、ルルーシュは……」
神楽耶「はい……」
ルルーシュ「スザク。シュナイゼルの動向はどうなっている?」
スザク「ああ。それなら―――」
カレン(ルルーシュは昔のままだ。でも、どうして悪虐皇帝を演じているの?)
155
監禁室
C.C.「なんだ、急に呼び出して。私もやることがあるんだが」
カレン「教えて。ルルーシュは何をしようとしているの?」
C.C.「世界征服」
神楽耶「そんなの大事を隠すためのものではありませんか?」
C.C.「うるさい奴らだ。捕虜は黙っていろ」
カレン「捕虜だの死刑囚だの言う割には1日三食デザートつきだし、しかもルルーシュの手作りだし」
神楽耶「お風呂も行き放題です。監禁という割には色々なものが緩すぎますわ」
C.C.「ルルーシュに訊け。私は答えられない」
カレン「でも……!!」
C.C.「察してやれないのか、お前たちは」
神楽耶「……」
C.C.「……な、神楽耶?」
神楽耶「まさか……ルルーシュ様は……」
カレン「神楽耶様?何か気がついたんですか?」
161
神楽耶「―――天子様!!」ガチャ
天子「神楽耶、どうしたのですか?」ニャーン
カレン「……なにしてたんですか?」
天子「え?星刻が私は猫のほうがいいって言うので……」モジモジ
カレン「……」
神楽耶「……」
星刻「……似合っていることに間違いはない」
神楽耶「天子様、お伝えしたいことがあります」
天子「はい、なんですか?」
神楽耶「ルルーシュ様のことですわ」
天子「ルルーシュがどうかしたの?」
神楽耶「ルルーシュ様は……全ての悪を背負い……そして死ぬつもりなのです」
星刻「なに……?」
神楽耶「悪意を全て自身に向けさせ、そして死ぬ。そうすれば自然と世界は一つになる……。ルルーシュ様はそう考えているのです」
天子「難しいことは……よくわからないけど……。ルルーシュは悪くないってこと?」
167
星刻「巨悪が消えることで憎しみが霧散する、か。悪虐皇帝は世界のために罪を重ねてきたのか」
神楽耶「きっとそうです」
カレン「こんな方法しか……ないの……?」
星刻「だが、その罪を償うこともしなければならない。ルルーシュが消してきた命の数はあまりにも多い」
神楽耶「それは……」
カレン「……」
天子「にゃぁ」
星刻「だが、死して責任を逃れるのは都合のいい話だ」
カレン「え?」
星刻「生きて、償い続けるべきだ。死ぬよりも、死ぬまで苦しむほうが懺悔になる」
神楽耶「星刻様……素敵ですわ」
天子「しんくーにゃぁ」
星刻「天子様」スリスリ
カレン「なら、ルルーシュを説得しないと」
神楽耶「ええ。まだ間に合うはずですわ」
172
ルルーシュの自室
C.C.「つまらないものを拾いすぎたな」
ルルーシュ「……」
C.C.「捨て犬や捨て猫に手をかまれないようにな」
ルルーシュ「ふんっ。黙れ、魔女」
C.C.「今はナナリーのことで頭がいっっぱいか?」
ルルーシュ「黙れと言っている」
スザク『―――ルルーシュ』
ルルーシュ「なんだ?」
スザク『皇族専用チャンネルから通信だ』
ルルーシュ「シュナイゼルか」
スザク『違う』
ルルーシュ「なに……?」
神楽耶「ルルーシュ様!!!」
カレン「ルルーシュ!!」
174
ルルーシュ「おい。死刑囚が自由に出歩くな」
カレン「鍵もかけてないんだから、仕方ないでしょ」
ルルーシュ「そうか。おかしいな。鍵はかけたはずだが」
神楽耶「内側から開けられますから」
ルルーシュ「盲点だった。あとで鍵を付け替えておこう」
星刻「ルルーシュ……」
天子「にゃぁ」
ルルーシュ「誰だ!?天子様にあの衣装を着せた奴は!!」
天子「しんくー」
ルルーシュ「……」
星刻「それよりも言いたいことがある」
ルルーシュ「待て、今は―――」
ナナリー『お兄様』
ルルーシュ「ナナリー……!!!お前……目が……!!!」
ナナリー『8年ぶりにお兄様の顔を見ました。それが人殺しの顔なのですね……。きっと私も同じ顔をしていると思います』
177
ルルーシュ「ナナリー……そうか……。シャルルのギアスを……」
ナナリー『お兄様……』
カレン「あ、ナナリー!」
神楽耶「ナナリーさん……」
天子「にゃぁ」
ナナリー『お兄様……楽しそうですね……』
ルルーシュ「これは……」
ナナリー『このような状況で……捨てカレンさんや捨て神楽耶様、捨て猫さんと……』
ルルーシュ「……フフフハハハ。私は皇帝だ。女をはべらして何が悪い」
ナナリー『……』
ルルーシュ「先代皇帝も100人以上の妻がいたことを知っているだろう?」
ナナリー『……っ』
ルルーシュ「なぁ、カレン?神楽耶?今日もお前たちは俺の犬となり、楽しませてくれるな?」
カレン「わ、わん」
神楽耶「くぅーん……」
181
ルルーシュ「それで話はなんだ?投降でもするのか?」
ナナリー『これがなんだか分かりますか?』
ルルーシュ「それは?」
ナナリー『ダモクレスの鍵……フレイヤの発射スイッチです』
ルルーシュ「……!!」
ナナリー『これを押せば……』カチッ
ルルーシュ「なっ……!!」
ナナリー『準備が整っていれば、発射されます』
ルルーシュ「ふぅ……。何がしたい?鳥かごのお姫様が」
ナナリー『取引です』
ルルーシュ「なに?」
C.C.「この状況でか」
ナナリー『この状況だからこそです』
カレン「な、何をするつもりなの……?」
神楽耶「ごくりっ」
183
ナナリー『私を拾ってください!!お兄様!!』
ルルーシュ「なに……!?」
C.C.「……」
ナナリー『拾ってくれるのなら、この鍵はお渡しします!!!』
ルルーシュ「見返りは?」
ナナリー『私もそちらに混ぜてください!!』
ルルーシュ「え……」
ナナリー『どうしてそんなに楽しそうなんですか!?捕虜のほうが幸せそうではありませんか!!!』
ルルーシュ(くっ……まずい!!)
ルルーシュ「な、なにを言っている!!捕虜には地獄のような毎日を送ってもらって―――」
スザク「ルルーシュ。カレンたちのパジャマ、乾いたからここにおいておくよ」
ルルーシュ「スザァァァク!!!!」
スザク「な……なんだい?」
ナナリー『私もお兄様の捕虜がいいです!!!お願いです!!拾ってください!!!』
ルルーシュ「シュナイゼルに捨てられたわけでもないのに拾えるわけがないだろうが!!!」
190
ナナリー『捨てられたら……いいのですね……?』
ルルーシュ「まて、ナナリー!!何をするつもりだ!!!馬鹿な真似だけはよせ!!!」
ナナリー『……』カチカチカチカチカチ
ルルーシュ「やめろ!!ナナリー!!!気が触れたか!?」
ナナリー『こうしていれば……危なくて私を置いておけないはずです……』カチカチカチカチカチ
カレン「ナナリー……」ガタガタ
神楽耶「こ、こわいですわ……」ガタガタ
ナナリー『ふふ……』カチカチカチカチカチカチ
天子「しんくー!!!」ギュッ
星刻「ルルーシュ、やめさせろ!!天子様が怯えてしまっている!!」スリスリ
ルルーシュ「だが、ここからでは……」
ナナリー『……』カチカチカチカチカチカチ
コーネリア『―――ナナリー、何をやっている!!!これは玩具ではないぞ!!』
ナナリー『コーネリア姉様……』
ルルーシュ(た、助かったか……)
196
コーネリア『ルルーシュか』
ルルーシュ「姉上、その妹をどこかに軟禁しておいたほうがいいのではないですか?」
コーネリア『何をいう。このような危ない者を置いておけるわけがないだろう。今から捨ててやる』
ルルーシュ「何!?コーネリア!!!そんなことを―――」
コーネリア『悪虐皇帝のくせに妹は大事か?』
ルルーシュ「ぐっ……!!」
コーネリア『聞かせろ。何故、お前たちの捕虜はそのように肌艶がいい?』
ルルーシュ「な、なにを」
コーネリア『捕虜にしては生き生きしている。まるで人生を謳歌しているようだぞ』
カレン「そう、かな……?」
神楽耶「よくわかりません」
天子「にゃぁ」
星刻「……」ペロペロ
コーネリア『ルルーシュよ。捕虜を捕虜として扱っていないことは明白だ。だが、そうする理由が見えてこない。何をしようとしている?』
ルルーシュ「それは……」
203
C.C.「……黙れ」
ルルーシュ「……!」
コーネリア『貴様は……』
ナナリー『C.C.さん?』
C.C.「ルルーシュのやることに口出しをするな」
ルルーシュ「C.C.……」
C.C.「お前も言ってやれ。このままでいいのか?」
ルルーシュ「ふっ。そうだな。―――姉上、私がやろうとしていることなどどうでもいいでしょう?これは戦争なのですから」
コーネリア『確かにそうだな』
ナナリー『お兄様ぁ……』
ルルーシュ「ナナリー……」
カレン(そうか……。もうルルーシュは……死ぬことを決めて……)
神楽耶(説得など初めからできなかったのですね……)
天子「しんくぅーやめてぇー」
星刻「……」ペロペロ
208
ルルーシュ「話は終わりだ。戦場で会いましょう。姉上……ナナリー……」
コーネリア『……わかった。私もやりたいようにやろう』
ナナリー『お兄様……私は―――』
C.C.「通信終わり」
ルルーシュ「……」
カレン「ねえ、ルルーシュ……」
ルルーシュ「……なんだ?」
カレン「死ぬつもりなんでしょ?全てが終わったら。私たちに未来を託して。だから、大切にしてくれたんでしょ?」
ルルーシュ「捨てられたモノを拾うというのは、そういうことだ」
神楽耶「ルルーシュ様……」
ルルーシュ「俺はこの世界にいてはいけない男だ」
カレン「ルルーシュ……」
神楽耶「そんなぁ……」
天子「うぁ……ぁ……」
星刻「……」ベロベロ
215
スザク「ルルーシュ」
ルルーシュ「来たか。よし。開戦だ」
スザク「その前に通信が入っている」
ルルーシュ「誰からだ?」
スザク「見てくれ」ピッ
ナナリー『お兄様!!!私!!コーネリア姉様に捨てられました!!拾ってください!!ダモクレスの鍵もあります!!!』
ルルーシュ「……」
コーネリア『兄上に捨てられた。ルルーシュ、捨て姉様を拾ってくれ』
スザク「この映像は全世界に流れている」
ルルーシュ「それで……?」
スザク「あのコーネリアまで捕虜になろうとしているのを見て、色々な人がルルーシュの捕虜になりたいと申し出ている」
ルルーシュ「……」
藤堂『ゼロ。捕虜にしてくれ。そちらは桃源郷であることは一目で看破した』
玉城『ぜろぉー!!なんかそっちに言ったらたのしそうだから、俺もいくぜー!!』
ルルーシュ「玉城は爆撃しておけ」
224
カレン「みんなが流れてきてる……」
神楽耶「わぁ……人がいっぱいです……」
ロイド『ちょっと!!皇帝陛下!!着艦許可申請が山ほどきてますけどぉ?!?』
セシル『きゃぁー!!おさないでください!!』
ニーナ『フレイヤ撃って、数を減らす?』
ルルーシュ「ふぅ……」
C.C.「戦う前に勝ってしまったな」
ルルーシュ「ダモクレスの鍵も向こうから流れてきているからな……」
スザク「ルルーシュ……どうするんだ?」
ルルーシュ「……」
C.C.「拾ったモノに寝首をかかれたような結果になったな」
ルルーシュ「そうだな……」
カレン「ルルーシュ。私、考えたんだけど」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「拾ったんなら、最後まで面倒みるってどう?」
228
ルルーシュ「最後まで……?」
カレン「うん。どうせ死ぬなら、拾った責任を果たしてから死ぬほうがいいと思う」
C.C.「カレン、お前……」
スザク「ルルーシュは死ぬ為に今日までやってきたんだ。流した血を無駄にしないために」
カレン「だけど……」
ルルーシュ「カレン、そういうことだ。俺はもう決めている」
神楽耶「しかし、この状況。どこに悪意があるというのですか?」
ルルーシュ「……!」
神楽耶「みなさんはルルーシュ皇帝を求めています。貴方が死んでも、世界はもう一つになどなりません」
スザク「それもそうか……」
ルルーシュ「スザク!!おい!!」
スザク「この状況ではゼロ・レクイエムは無理だ。諦めよう」
ルルーシュ「貴様……ユフィのことは……!!」
スザク「君がこのまま死んで、何も変わらない世界が流れ続けるなら、それこそユフィが無駄死にしたことになる」
ルルーシュ「しかし……」
230
C.C.「非情になれなかったお前が悪いな……」
スザク「それとも今から虐殺をするか?世界の悪意が集まるほどの大虐殺を」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ」
神楽耶「ルルーシュ様……」
天子「ぅ……ぁ……」
星刻「ふぅ」
ルルーシュ「だが、俺は諦めないぞ。また同じ状況を作り、必ずゼロ・レクイエムを完遂する」
スザク「ルルーシュ……」
ルルーシュ「延期する。再始動するそのときまで貴様にはナイトオブゼロで居てもらうぞ、スザク」
スザク「イエス、ユア・マジェスティ」
ルルーシュ「お前にも傍にいてもらうからな、C.C.」
C.C.「わかっているさ。共犯者だからな」
ルルーシュ「全く……やはり、無視しておけばよかったな……」
カレン「え?私が悪いの?」
237
数週間後
ミレイ「ルルーシュ皇帝陛下が見えてきました。あの一件以後、ルルーシュ皇帝陛下を支持する声は上がり続け、今では皇帝陛下の捕虜になることが庶民だけでなく貴族のステータスとなっています」
ルルーシュ「……」
アーニャ「ルルーシュ、捕虜にして」
ルルーシュ「勝手になればいいだろう」
アーニャ「ありがとう」パシャ
ジノ「皇帝陛下。是非とも私を捕虜に」
ルルーシュ「わかった、わかった」
リヴァル「ルルーシュ!!!俺も!!!」
千葉「いい加減、捕虜にしてください」
ルルーシュ「……誰でも面倒を見てやる」
ミレイ「ご覧のようにルルーシュ皇帝陛下は階級、社会的地位に関係なく、すべてを平等に捕虜として扱っています。人種差別のない世界をルルーシュ皇帝陛下は捕虜という肩書きを通して作っているのです」
ルルーシュ「……」
玉城「ルルーシュ……おれも……!!」
ルルーシュ「貴様だけは絶対に捕虜にはしない!!」
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